商標拒絶査定不服審判
2022-016361
エイエルエスアイ、アルシ
- 審判番号
- 2022-016361
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-114378
- 請求日
- 2022年10月13日
- 審決日
- 2023年08月08日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】アルプスシステムインテグレーション株式会社
- 【請求人代理人】松沼 泰史
- 【請求人代理人】眞島 竜一郎
- 【請求人代理人】石川 香菜子
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 石塚 利恵
- 分類
- T18 .261-WY (W093537384142) / T18 .262-WY (W093537384142) / T18 .263-WY (W093537384142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-114378拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年9月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 2月 8日付け:拒絶理由通知
令和4年 3月 1日 :意見書の提出
令和4年 7月12日付け:拒絶査定
令和4年10月13日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「ALSI」の文字を標準文字で表してなり、第9類、第35類、第37類、第38類、第41類、第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの登録商標をまとめていうときは、「引用商標」という。)。
(1)登録第6410032号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲1のとおり
指定商品 第26類「照明が組み込まれた造花のクリスマス用花輪」を含む第18類、第24類ないし第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 令和2年10月13日
設定登録日 令和3年7月1日
(2)登録第6535540号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定役務 第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書の貸与,書籍の制作,インターネットを利用して行う映像の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く),通訳,翻訳」、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの提供,ウェブサイトの作成又は保守,他人のためのウェブサイトの作成及び保守,医薬品・化粧品または食品の試験・検査または研究」及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
登録出願日 令和3年7月21日
設定登録日 令和4年3月28日
4 当審の判断
(1)本願商標は、前記2のとおり、「ALSI」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は辞書等に載録された成語ではなく、また本願の指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、特定の意味合いを有しない造語を表したものといえる。そして、特定の語義を有しない欧文字からなる商標については、我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから、本願商標は、その構成文字に相応して、「エイエルエスアイ」の称呼を生じるほか、英語風又はローマ字風の「アルシ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標1は、別掲1のとおり、「alcee」の文字(その構成中、4文字目の「e」の文字には、アクサンテギュが付されている。)を横書きしてなるところ、当該文字が「タチアオイ」の意味を有するフランス語であるとしても、我が国において、そのような意味を有する語として一般に広く知られているとはいい難いから、特定の意味を有しない一種の造語として認識されるというのが相当である。そして、特定の語義を有しない欧文字からなる商標については、上記(1)で述べたとおり、英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから、引用商標1は、その構成文字に相応して、「アルシー」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
引用商標2は、別掲2のとおり、青色の図形の右側に「Arsci」の文字を横書きしてなるところ、両者は重なり合うことなく表されていることから、それぞれが出所識別標識として分離、独立した構成要素であるとの印象を与えるものである。そして、当該「Arsci」の文字は、辞書等に載録された成語ではなく、また本願の指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、特定の意味合いを有しない造語を表したものといえる。そうすると、引用商標2についても、上記(1)で述べたとおり、英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されることから、その構成文字に相応して、「アルシ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について検討すると、本願商標と引用商標1は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、構成文字数が4文字と5文字と異なるばかりでなく、全体の文字の大文字と小文字の差異、4文字目におけるアクセンテギュの有無、色彩の差異からすれば、判然と区別できるものである。
また、本願商標から生じ得る「エイエルエスアイ」又は「アルシ」の称呼と、引用商標1から生じる「アルシー」の称呼とを比較すると、「アルシ」と「アルシー」の両称呼は、語尾における長音の有無に差異があるところ、長音は、前音に吸収され発音されることが少なくなく、それぞれ一連に発音した場合には、その語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがある類似のものといえる。一方で、本願商標から生じ得る複数の称呼のうち、「エイエルエスアイ」の称呼においては、その構成音数及び音質の違いにより、引用商標1の称呼と明瞭に聴別できるものである。
そして、本願商標と引用商標1は、それぞれ特定の観念を生じないものであるから、観念において、比較できない。
次に、本願商標と引用商標2は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、構成文字数が4文字と5文字と異なるばかりでなく、語頭の「A」の文字を共通にするものの、2文字目以降は構成文字が異なること、図形の有無、色彩の差異からすれば、判然と区別できるものである。
また、本願商標から生じ得る「エイエルエスアイ」又は「アルシ」の称呼と、引用商標2から生じる「アルシ」の称呼を比較すると、「アルシ」の称呼を共通にする場合があるとしても、「エイエルエスアイ」の称呼においては、その構成音数及び音質の違いにより容易に聴別できるといえる。
さらに、本願商標と引用商標2は、特定の観念を生じないものであるから、観念において、比較できない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観においては明確に区別でき、称呼においては、本願商標から生じる「アルシ」の称呼において、その称呼を類似にする場合又はその称呼を共通にする場合があるとしても、本願商標から生じ得る複数の称呼のうち、「エイエルエスアイ」の称呼においては、引用商標の称呼と明瞭に聴別できるものであり、また、観念において比較することはできないものであるから、両者の外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、非類似の商標というべきである。
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは、類似する商標ではないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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