特許拒絶査定不服審判
2022-014585
意図的でないタッチセンサへの接触を排除するモバイルデバイス
- 審判番号
- 2022-014585
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-169232
- 請求日
- 2022年09月15日
- 審決日
- 2023年06月05日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】インテル コーポレイション
- 【請求人代理人】伊東 忠重
- 【請求人代理人】伊東 忠彦
- 【請求人代理人】宮崎 修
- 審判長/審判官
- 審判長 ▲吉▼田 耕一
- 審判官 野崎 大進
- 審判官 山澤 宏
- 分類
- P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020-169232「意図的でないタッチセンサへの接触を排除するモバイルデバイス」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 1月 7日出願公開、特開2021- 2403、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2011年9月30日を国際出願日とする特願2014-533272号の一部を平成28年3月30日に新たな出願とした特願2016-67668号の一部を、令和2年10月6日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和3年 9月28日付け 拒絶理由通知
令和3年12月27日 意見書・手続補正書 提出
令和4年 5月11日付け 拒絶査定(原査定)
令和4年 9月15日 審判請求書・手続補正書 提出
令和5年 1月31日付け 拒絶理由通知(当審拒絶理由)
令和5年 4月28日 意見書・手続補正書 提出
第2 原査定の概要
原査定(令和4年5月11日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
(進歩性)本願の特許請求の範囲の請求項1、2、6-8、12-14、18に係る発明は、以下の引用文献AおよびBに記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
A.特開2010-262557号公報
B.特開平07-306752号公報
第3 当審拒絶理由の概要
令和5年1月31日付けで当審が通知した拒絶理由の概要は、次のとおりのものである。
(進歩性)本願の特許請求の範囲の請求項1、6、11に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、
本願の特許請求の範囲の請求項3、4、8、9、13、14に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2ならびに引用文献3に記載された技術に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、
本願の特許請求の範囲の請求項5、10、15に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2ないし引用文献4に記載された技術に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
記
1.特開2011-186941号公報
2.特開2010-262557号公報(原査定の引用文献A)
3.国際公開第2011/065249号
4.特開2014-90324号公報
第4 本願発明
本願請求項1に係る発明ないし請求項15に係る発明(以下、それぞれ、「本願発明1」ないし「本願発明15」という。)は、令和5年4月28日提出の手続補正書によって補正(以下、「本件補正」という。)された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定される以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
コンピューティングデバイスであって、
1つまたはそれ以上のプロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を保管するストレージと、を含み、
ユーザのタッチが、前記コンピューティングデバイスの上面に配置されたタッチスクリーンおよび前記コンピューティングデバイスの側面に配置されたサイドタッチセンサを通じて検出され、
前記サイドタッチセンサは、前記側面に沿って一定の長さを有しており、
前記プロセッサは、
前記ユーザの前記タッチに基づいて、前記サイドタッチセンサの長手方向における1つまたはそれ以上の接触ポイントを識別し、
前記ユーザの前記タッチが、意図的なものであるか否かを判断し、
前記タッチが意図的なものであると判断した場合は、前記サイドタッチセンサへの前記タッチを入力として解釈し、
前記タッチが意図的なものでないと判断した場合は、前記サイドタッチセンサへの前記タッチを無視する、
ように構成されており、
前記判断は、
前記サイドタッチセンサ上の前記接触ポイントの位置に基づいて行われ、
前記プロセッサは、さらに、前記タッチが意図的なものであると判断した場合に、前記入力として解釈された前記接触ポイントの位置に応答して動作する、ように構成されており、
前記サイドタッチセンサの上部領域に位置する前記接触ポイントは、前記ユーザによる意図的なタッチであると判断され、かつ、
前記サイドタッチセンサの下部領域に位置する前記接触ポイントは、前記ユーザによる意図的なタッチではないと判断される、
コンピューティングデバイス。
【請求項2】
前記ユーザによる前記タッチが、意図的なものであるか否かの前記判断は、前記ユーザによる前記タッチに関する所定の期間にわたる前記接触ポイントの統計的分析に基づいて行われる、
請求項1に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記統計的分析は、前記接触ポイントのサイズ、前記接触ポイントの動き、前記接触ポイントの形状、および前記接触ポイントの数、のうち少なくとも1つを含む、
請求項2に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記接触ポイントの動きは、前記接触ポイントの最小の移動として表される、
請求項3に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記タッチスクリーンは、前記コンピューティングデバイスのディスプレイであり、かつ、
前記ディスプレイは、オーディオデバイスを備えることにより、オーディオ情報を提供することができる、
請求項1に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項6】
命令を含むコンピュータプログラムであって、コンピューティングデバイスの1つまたはそれ以上のプロセッサによって実行されると、
前記コンピューティングデバイスに、
前記コンピューティングデバイスの上面に配置されたタッチスクリーンおよび前記コンピューティングデバイスの側面に配置されたサイドタッチセンサを通じて、ユーザのタッチを検出し、
前記ユーザの前記タッチに基づいて、前記サイドタッチセンサの長手方向における1つまたはそれ以上の接触ポイントを識別し、
前記ユーザの前記タッチが、意図的なものであるか否かを判断し、
前記タッチが意図的なものであると判断した場合は、前記サイドタッチセンサへの前記タッチを入力として解釈し、
前記タッチが意図的なものでないと判断した場合は、前記サイドタッチセンサへの前記タッチを無視する、
ようにさせ、
前記判断は、前記サイドタッチセンサ上の前記接触ポイントの位置に基づいて行われ、
かつ、
前記サイドタッチセンサは、前記側面に沿って一定の長さを有しており、かつ、
前記コンピューティングデバイスは、前記タッチが意図的なものであると判断した場合に、前記入力として解釈された前記接触ポイントの位置に応答して動作し、
前記サイドタッチセンサの上部領域に位置する前記接触ポイントは、前記ユーザによる意図的なタッチであると判断され、かつ、
前記サイドタッチセンサの下部領域に位置する前記接触ポイントは、前記ユーザによる意図的なタッチではないと判断される、
コンピュータプログラム。
【請求項7】
前記ユーザによる前記タッチが、意図的なものであるか否かの前記判断は、前記ユーザによる前記タッチに関する所定の期間にわたる前記接触ポイントの統計的分析に基づいて行われる、
請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記統計的分析は、前記接触ポイントのサイズ、前記接触ポイントの動き、前記接触ポイントの形状、および前記接触ポイントの数、のうち少なくとも1つを含む、
請求項7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記接触ポイントの動きは、前記接触ポイントの最小の移動として表される、
請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記タッチスクリーンは、前記コンピューティングデバイスのディスプレイであり、かつ、
前記ディスプレイは、オーディオデバイスを備えることにより、オーディオ情報を提供することができる、
請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
装置であって、
コンピューティングデバイスの上面に配置されたタッチスクリーンおよび前記コンピューティングデバイスの側面に配置されたサイドタッチセンサを通じて、ユーザのタッチを検出する手段と、
前記ユーザの前記タッチに基づいて、前記サイドタッチセンサの長手方向における1つまたはそれ以上の接触ポイントを識別する手段と、
前記ユーザの前記タッチが、意図的なものであるか否かを判断する手段と、
前記タッチが意図的なものであると判断した場合は、前記サイドタッチセンサへの前記タッチを入力として解釈する手段と、
前記タッチが意図的なものでないと判断した場合は、前記サイドタッチセンサへの前記タッチを無視する手段と、
を含み、
前記判断は、前記サイドタッチセンサ上の前記接触ポイントの位置に基づいて行われ、
前記サイドタッチセンサは、前記側面に沿って一定の長さを有しており、かつ、
前記コンピューティングデバイスは、前記タッチが意図的なものであると判断した場合に、前記入力として解釈された前記接触ポイントの位置に応答して動作し、
前記サイドタッチセンサの上部領域に位置する前記接触ポイントは、前記ユーザによる意図的なタッチであると判断され、かつ、
前記サイドタッチセンサの下部領域に位置する前記接触ポイントは、前記ユーザによる意図的なタッチではないと判断される、
装置。
【請求項12】
前記ユーザによる前記タッチが、意図的なものであるか否かの前記判断は、前記ユーザによる前記タッチに関する所定の期間にわたる前記接触ポイントの統計的分析に基づいて行われる、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記統計的分析は、前記接触ポイントのサイズ、前記接触ポイントの動き、前記接触ポイントの形状、および前記接触ポイントの数、のうち少なくとも1つを含む、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記接触ポイントの動きは、前記接触ポイントの最小の移動として表される、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記タッチスクリーンは、前記コンピューティングデバイスのディスプレイであり、かつ、
前記ディスプレイは、オーディオデバイスを備えることにより、オーディオ情報を提供することができる、
請求項11に記載の装置。」
第5 引用文献
1 引用文献1
(1)引用文献1の記載
当審拒絶理由の引用文献1には、以下の記載がある。(下線は、当審が付加した。以下同様。)
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを利用する情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話機(特に、いわゆるスマートフォン)、PDA、ポータブルメディアプレイヤー、ポータブルゲーム機などの情報処理装置の入力及び表示デバイスとしてタッチパネルが利用されている。これらの情報処理装置のサイズは、可搬性及び操作性の観点から小型であることが多い。典型的には、これらの情報処理装置は、ユーザが片手で容易に保持できるサイズに設計される。一方、タッチパネルのサイズは、操作性及び表示情報の視認性の観点から可能な限り大きく設計される傾向にある。両者のサイズに関する制約、要求などを考慮すると、情報処理装置の縁付近までタッチパネルを実装する設計が望ましいと予想される。このような設計によれば、タッチパネルの縁と情報処理装置の縁との間隔が必然的に小さくなる。故に、例えばユーザがこの情報処理装置を保持する場合に、指がタッチパネルに触れやすくなり、この指の接触が入力情報(タッチ情報)として検出されてしまうおそれがある。このような意図しない入力情報が上位層(OS、アプリケーションなど)に通知されると、当該入力情報に基づいて意図しない処理が発生し(意図しないファイルが開かれる、意図しないアプリケーションが実行されるなど)、操作性が損なわれるかもしれない。また、このような事態が頻発すると、ユーザは情報処理装置の持ち方に過度に注意せざるを得ず、悪印象を与えかねない。
【0003】
特許文献1に記載のタッチパネル型表示装置は、ユーザの指定に基づいてタッチパネルの設定範囲を決定し、この設定範囲を有効状態または無効状態に切り替える。従って、このタッチパネル型表示装置によれば、ユーザが意図した範囲でタッチパネルを無効化することが可能となる。」
イ 「【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のタッチパネル型表示装置では、ユーザがタッチパネルを無効化する範囲を指定しなければならないので、煩雑である。また、タッチパネルを無効化する範囲を設定すれば、当該範囲においてタッチパネルは入力デバイスとしての役割を果たせない。即ち、ユーザはタッチパネルの大型化による恩恵を十分に受けられない。
【0006】
従って、本発明は、無効な入力情報を弁別することを目的とする。」
ウ 図2
[図:0001398110000001.jpg]
エ 「【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(一実施形態)
図2に示すように、本発明の一実施形態に係る情報処理装置100は、タッチパネル110、タッチパネル制御ハードウェア(HW)111、タッチパネル制御ソフトウェア(SW)112、記憶部113、オペレーティングシステム(OS)121及びアプリケーション122を有する。尚、以降の説明において、OS121及びアプリケーション122は、上位層120と総称されることもある。本願において、上位層120とは、タッチパネル制御SW112を基準とした相対的上位処理を行う構成要素を指しており、OS121及びアプリケーション122以外の構成要素(図示しない)も含まれ得る。
【0012】
タッチパネル110は、入力機能及び表示機能の両方を持つ。以降の説明では、主に入力機能に関連する事項を述べ、表示機能に関連する事項を省略する。タッチパネル110は、抵抗膜方式、静電容量方式などの任意の方式で実装されてよい。
【0013】
タッチパネル制御HW111は、指、スタイラスなどによるタッチパネル110への物理的な接触(接触状態からの離脱を含む)に基づいて、タッチ位置(接触位置及び離脱位置を含む)を示すタッチ情報を生成する。タッチパネル制御HW111は、タッチ情報をタッチパネル制御SW112に通知する。
【0014】
タッチパネル制御SW112は、タッチパネル制御HW111から取得したタッチ情報の内容を解析し、必要に応じて上位層120に通知する。尚、タッチパネル制御SW112の具体的処理は後述する。
【0015】
記憶部113には、タッチパネル制御SW112によって使用される各種テーブル、データなどが記憶される。また、記憶部113には、タッチパネル制御SW112、OS121及びアプリケーション122などをプロセッサに実行させるためのプログラム、タッチパネル制御SW112、OS121及びアプリケーション122などが使用するデータなどが記憶されていてもよい。
【0016】
上位層120は、タッチパネル制御SW112からのタッチ情報を利用して、任意の情報処理を行う。例えば、上位層120はタッチ情報に基づいて特定のGUI部品を選択したり、特定のGUI部品の選択を確定したりする。」
オ 図1
[図:0001398110000002.jpg]
カ 「【0017】
図1に示すように、情報処理装置100は、典型的には、ユーザが片手で保持できるサイズで実装されている。また、タッチパネル110は、典型的には、情報処理装置100の縁付近まで実装されている。即ち、情報処理装置100の縁とタッチパネル110の縁との間隔が小さい。従って、ユーザが情報処理装置100を保持する場合に、指10がタッチパネルの縁付近に接触しやすい。」
キ 図7
[図:0001398110000003.jpg]
ク 「【0018】
以下、図7を用いてタッチパネル制御SW112の処理を説明する。
まず、タッチパネル制御SW112は、タッチパネル制御HW111からのタッチ情報の通知を待つ(ステップS201)。タッチパネル制御SW112は、タッチパネル制御HW111からタッチ情報の通知を取得すると(ステップS202)、タッチ情報の内容を判定する(ステップS203)。以降の説明において、タッチパネル制御SW112は、タッチ情報が新規情報(開始情報)、移動情報または終了情報のいずれであるかを判定することとする。しかしながら、タッチパネル制御SW112は、異なる判定基準を採用してもよい。例えば、タッチパネル制御SW112は、タッチ情報が新規情報または終了情報のいずれであるかを判定してもよい。
【0019】
ステップS203においてタッチ情報が新規情報であると判定すると、タッチパネル制御SW112はタッチ情報管理テーブルに項目を追加する(ステップS204)。ここで、タッチ情報管理テーブルは、例えば図4に示されるものであり、記憶部113または他の記憶手段によって保持される。図4の例に関して、タッチ情報管理テーブルにおいて、各項目は番号(No)によって識別される。各項目は、新規情報の示すタッチ位置(例えば、x軸上の位置及びy軸上の位置)及び新規情報の取得時刻(タッチ開始時刻)を含む。この新規情報の取得時刻は、タッチパネル制御SW112がタイマーを参照して検知する。また、この新規情報の取得時刻からの経過時間(タッチ時間)もタッチ情報管理テーブル上で管理される。」
ケ 図3
[図:0001398110000004.jpg]
コ 「【0020】
次に、タッチパネル制御SW112は、新規情報の示す位置(タッチ位置)が所定エリア内であるか否かを判定する(ステップS205)。ここで、所定エリアは、設計的または実験的に定められてよい。以降の説明では、ユーザが情報処理装置100を保持する場合に指が接触しやすいエリアを所定エリアとして想定している。故に、例えば、図3に示すように、タッチパネル110の縁付近が所定エリア130として定められる。また、所定エリアは、記憶部113または他の記憶手段によって保持されるエリア管理テーブル上で管理される。図5は、エリア管理テーブルの一例を示している。但し、所定エリアは、任意の形状であってよい。ステップS205において、新規情報の示す位置が所定エリア内であると判定されれば処理はステップS201に戻り、そうでなければ処理はステップS206に進む。
【0021】
ステップS206において、タッチパネル制御SW112は該当項目に関する未通知の情報を上位層120へ通知し、処理はステップS201に戻る。具体的には、処理がステップS205からステップS206へ遷移したのであれば、タッチ情報制御SW112は該当項目(新規情報に対応する項目)の新規情報を上位層120へ通知する。また、後述するように、処理がステップS207からステップS206へ遷移したのであれば、タッチ情報制御SW112は該当項目(移動情報に対応する項目)の移動情報を上位層120へ通知する。ここで、該当項目の新規情報が未通知である場合には、タッチ情報制御SW112は新規情報、移動情報の順に上位層120へ通知する。尚、タッチパネル制御SW112は、新規情報が通知済みであるか否かを参照するために、ステップS205における判定結果をタッチ情報管理テーブルに記録しておいてもよい。
【0022】
ステップS203においてタッチ情報が移動情報であると判定すると、タッチパネル制御SW112はタッチ情報管理テーブルに移動情報を記録し(ステップS207)、処理はステップS206に進む。具体的には、タッチパネル制御SW112はタッチ情報管理テーブル上の該当項目の移動量(例えば、x軸上の移動量及びy軸上の移動量)を更新する。
【0023】
ステップS203においてタッチ情報が終了情報であると判定すると、タッチパネル制御SW112は該当項目(終了情報に対応する項目)に対応する移動情報が存在するか否かを更に判定する(ステップS208)。例えば、タッチパネル制御SW112はタッチ情報管理テーブルを参照して判定を行う。対応する移動情報が存在すると判定されれば処理はステップS209に進み、そうでなければ処理はステップS210に進む。
【0024】
ステップS209において、タッチパネル制御SW112は該当項目に関する未通知の情報を上位層120へ通知し、処理はステップS212に進む。具体的には、タッチパネル制御SW112は、該当項目の終了情報を上位層120へ通知する。ここで、該当項目の新規情報が未通知である場合には、タッチパネル制御SW112は新規情報、終了情報の順に上位層120へ通知する。尚、タッチパネル制御SW112は、後述する学習などに使用する目的で、該当項目に関する情報が上位層120へ通知されたことを示すフラグをタッチ情報管理テーブル上に記録しておいてもよい。
【0025】
ステップS210において、タッチパネル制御SW112は終了情報の示す位置が所定エリア内であるか否かを判定する。尚、整合性の観点から、この所定エリアは、ステップS205における所定エリアと同一であることが望ましい。終了情報の示す位置が所定エリア内であれば処理はステップS211に進み、そうでなければ処理はステップS209に進む。
【0026】
ステップS211において、タッチパネル制御SW112は終了情報に対応する新規情報の取得時刻から終了情報の取得時刻までの経過時間がタイマー閾値以上であるか否かを判定する。経過時間がタイマー閾値以上であれば処理はステップS212に進み、そうでなければ処理はステップS209に進む。具体的には、タッチパネル制御SW112は、タッチ情報管理テーブルを参照して経過時間を取得し、タイマー閾値管理テーブルを参照してタイマー閾値を取得できる。タイマー閾値管理テーブルは、記憶部113または他の記憶手段によって保持され、タイマー閾値を管理する。タイマー閾値管理テーブルの一例を図6に示す。タイマー閾値は、設計的または実験的に定められてよく、例えばタッチパネル110に関して想定される通常のタッチ時間の上限よりも大きい値である。
【0027】
ステップS212において、タッチパネル制御SW112は該当項目(終了情報に対応する項目)をタッチ情報管理テーブルから削除し、処理はステップS201に戻る。
【0028】
以上のようなタッチパネル制御SW112の処理の技術的意義を説明する。
上記処理を通じて、タッチパネル制御SW112はタッチパネル110への入力情報を有効な入力情報(上位層120へ通知すべき入力情報、情報処理装置の動作に反映される入力情報とも解釈できる)と無効な入力情報(上位層120へ通知すべきでない入力情報、情報処理装置の動作に反映されない入力情報とも解釈できる)との間で弁別する。本実施形態は、無効な入力情報の一類型として、情報処理装置100を保持するときにタッチパネル110に指が接触したことによって発生する入力情報を想定している。この入力情報は、タッチ位置がタッチパネル110の縁付近に偏る、タッチ時間が長い、移動がない(または移動量が小さい)などの特徴を持ちやすいと予想される。タッチパネル制御SW112は、このような空間的特徴または時間的特徴を持つ入力情報を検出することにより、弁別を実現する。具体的には、上記処理において、タッチパネル制御SW112は、新規情報の示す位置が所定エリア内であれば、当該新規情報の上位層120への通知を保留している。そして、タッチパネル制御SW112は、該当項目に移動がないまま終了情報を取得すると、タッチ時間をタイマー閾値と比較する。タッチ時間がタイマー閾値以上であれば、該当項目は上記特徴を備えており、無効な入力情報である可能性が高い。故に、タッチパネル制御SW112は、該当項目に関する情報の上位層120への通知を省略し、意図しない処理の発生を予防する。
【0029】
尚、図7の処理は、無効な入力情報を弁別するためにタイマー閾値、所定エリア及び移動情報を利用しているが、これらの一部のみが利用されてもよいし、その他の評価基準が導入されてもよい。」
サ 「【0032】
また、所定エリア及びタイマー閾値は固定であってもよいし可変であってもよい。例えば、所定エリア及びタイマー閾値は、ユーザの操作履歴に基づく学習によって決定されてよい。学習による所定エリア及びタイマー閾値の決定は、情報処理装置100を保持するときの個々のユーザの癖を反映させやすいという利点がある。例えば、無効な入力情報として判定された項目の位置を所定期間または所定数だけ蓄積し、検出頻度に応じて所定エリアを絞り込んでもよい(一例として、検出頻度が低いエリアを所定エリアから除外してもよい)。所定エリアの絞り込みは、入力情報が無効であると誤判定される可能性を抑えられるなどの利点がある。また、所定エリア外の入力であったとしてもタッチ時間が比較的長い(例えばタイマー閾値以上)項目の位置を所定期間または所定数だけ蓄積し、検出頻度に応じて所定エリアを拡大させてもよい(一例として、検出頻度が高いエリアを所定エリアに追加してもよい)。所定エリアの拡大は、入力情報が有効であると誤判定される可能性を抑えられるなどの利点がある。その他、入力情報の弁別に誤りがあったことをユーザからフィードバックし、フィードバック結果に基づいてタイマー閾値及び所定エリアが調整されてもよい。」
(2)引用発明
上記(1)より、特に、下線部に着目すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「情報処理装置100は、タッチパネル110、タッチパネル制御ハードウェア(HW)111、タッチパネル制御ソフトウェア(SW)112、記憶部113、オペレーティングシステム(OS)121及びアプリケーション122を有しており、
OS121及びアプリケーション122は、上位層120と総称され、
タッチパネル110は、入力機能及び表示機能の両方を持っており、
タッチパネル制御HW111は、指、スタイラスなどによるタッチパネル110への物理的な接触(接触状態からの離脱を含む)に基づいて、タッチ位置(接触位置及び離脱位置を含む)を示すタッチ情報を生成し、タッチ情報をタッチパネル制御SW112に通知しており、
タッチパネル制御SW112は、タッチパネル制御HW111から取得したタッチ情報の内容を解析し、必要に応じて上位層120に通知しており、
記憶部113には、タッチパネル制御SW112によって使用される各種テーブル、データなどが記憶され、タッチパネル制御SW112、OS121及びアプリケーション122などをプロセッサに実行させるためのプログラム、タッチパネル制御SW112、OS121及びアプリケーション122などが使用するデータなどが記憶されていてもよく、
上位層120は、タッチパネル制御SW112からのタッチ情報を利用して、任意の情報処理を行う情報処理装置100であって、
タッチパネル110は、情報処理装置100の縁付近まで実装されており、情報処理装置100の縁とタッチパネル110の縁との間隔が小さいため、ユーザが情報処理装置100を保持する場合に、指10がタッチパネルの縁付近に接触しやすく、
タッチパネル制御SW112は、タッチパネル制御HW111からのタッチ情報の通知を待っており(ステップS201)、タッチパネル制御SW112は、タッチパネル制御HW111からタッチ情報の通知を取得すると(ステップS202)、タッチ情報の内容を判定し(ステップS203)、タッチパネル制御SW112は、タッチ情報が新規情報(開始情報)、移動情報または終了情報のいずれであるかを判定しており、
ステップS203においてタッチ情報が新規情報であると判定すると、タッチパネル制御SW112はタッチ情報管理テーブルに項目を追加し(ステップS204)、タッチ情報管理テーブルにおいて、各項目は番号(No)によって識別され、各項目は、新規情報の示すタッチ位置(例えば、x軸上の位置及びy軸上の位置)及び新規情報の取得時刻(タッチ開始時刻)を含んでおり、この新規情報の取得時刻からの経過時間(タッチ時間)もタッチ情報管理テーブル上で管理され、
次に、タッチパネル制御SW112は、新規情報の示す位置(タッチ位置)が所定エリア内であるか否かを判定し(ステップS205)、ここで、所定エリアは、設計的または実験的に定められてよく、タッチパネル110の縁付近が所定エリア130として定められ、
ステップS205において、新規情報の示す位置が所定エリア内であると判定されれば処理はステップS201に戻り、そうでなければ処理はステップS206に進み、
ステップS206において、タッチパネル制御SW112は該当項目に関する未通知の情報を上位層120へ通知し、処理はステップS201に戻り、
ステップS203においてタッチ情報が移動情報であると判定すると、タッチパネル制御SW112はタッチ情報管理テーブルに移動情報を記録し(ステップS207)、処理はステップS206に進み、具体的には、タッチパネル制御SW112はタッチ情報管理テーブル上の該当項目の移動量(例えば、x軸上の移動量及びy軸上の移動量)を更新し、
ステップS203においてタッチ情報が終了情報であると判定すると、タッチパネル制御SW112は該当項目(終了情報に対応する項目)に対応する移動情報が存在するか否かを更に判定し(ステップS208)、対応する移動情報が存在すると判定されれば処理はステップS209に進み、そうでなければ処理はステップS210に進み、
ステップS209において、タッチパネル制御SW112は該当項目に関する未通知の情報を上位層120へ通知し、処理はステップS212に進み、
ステップS210において、タッチパネル制御SW112は終了情報の示す位置が所定エリア内であるか否かを判定し、終了情報の示す位置が所定エリア内であれば処理はステップS211に進み、そうでなければ処理はステップS209に進み、
ステップS211において、タッチパネル制御SW112は終了情報に対応する新規情報の取得時刻から終了情報の取得時刻までの経過時間がタイマー閾値以上であるか否かを判定し、経過時間がタイマー閾値以上であれば処理はステップS212に進み、そうでなければ処理はステップS209に進み、タイマー閾値は、設計的または実験的に定められてよく、
ステップS212において、タッチパネル制御SW112は該当項目(終了情報に対応する項目)をタッチ情報管理テーブルから削除し、処理はステップS201に戻り、
上記処理を通じて、タッチパネル制御SW112はタッチパネル110への入力情報を有効な入力情報(上位層120へ通知すべき入力情報、情報処理装置の動作に反映される入力情報とも解釈できる)と無効な入力情報(上位層120へ通知すべきでない入力情報、情報処理装置の動作に反映されない入力情報とも解釈できる)との間で弁別しており、無効な入力情報の一類型として、情報処理装置100を保持するときにタッチパネル110に指が接触したことによって発生する入力情報を想定しており、この入力情報は、タッチ位置がタッチパネル110の縁付近に偏る、タッチ時間が長い、移動がない(または移動量が小さい)などの特徴を持ちやすいと予想され、タッチパネル制御SW112は、このような空間的特徴または時間的特徴を持つ入力情報を検出することにより、弁別を実現し、タッチパネル制御SW112は、該当項目に関する情報の上位層120への通知を省略し、意図しない処理の発生を予防する、
情報処理装置100。」
2 引用文献2ないし引用文献4および引用文献B
(1)引用文献2の記載
当審拒絶理由の引用文献2(原査定の引用文献A)には、以下の記載がある。
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置および方法に関し、特に、タッチパネルに依存することなくジェスチャ操作が実現できるようになった、情報処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、iPhone(Apple社の登録商標)に代表されるように、ユーザがタッチパネルに対してマルチタッチ方式でジェスチャ操作をすることができる情報処理装置が普及してきている。このような情報処理装置では、ユーザのジェスチャ操作に対応した所定の処理(以下、インタラクション処理と称する)が実行される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開平5-100809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、マルチタッチ方式のジェスチャ操作を実現するためには、タッチパネルの画面の面積が一定以上であることが必要とされる。例えば、腕時計型の情報処理端末のように、形状が特殊で画面の面積が小さい情報処理装置においては、タッチパネル上でのマルチタッチ方式のジェスチャ操作の実現は困難である。換言すると、タッチパネル上でのジェスチャ操作を実現するためには、タッチパネルの画面の面積や、情報処理装置の形状に一定の制限がかけられる。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、タッチパネルに依存することなくジェスチャ操作を実現できるようにするものである。」
イ 図1
[図:0001398110000005.jpg]
ウ 「【0017】
図1は、本発明が適用される情報処理装置の一実施形態としてのモバイル端末装置の外観構成例を示す斜視図である。
【0018】
モバイル端末装置11の所定の面には、静電式タッチパネル22が配置されている。静電式タッチパネル22は、後述する図4の表示部22-Dに対して、後述する図4のタッチパネル用静電式タッチセンサ22-Sが積層されて構成される。静電式タッチパネル22においては、表示部22-Dの画面に対してユーザの指等が接触した場合、その接触が、タッチパネル用静電式タッチセンサ22-Sの静電容量の変化という形態で検出される。そして、後述する図4のCPU23において、タッチパネル用静電式タッチセンサ22-Sにより検出された指の接触位置の座標の遷移(時間推移)等が認識され、その認識結果に基づいて、ジェスチャ操作が検出される。なお、ジェスチャ操作の具体例や、その検出手法については、図2以降を参照して後述する。
【0019】
なお、以下、モバイル端末装置11を構成する面のうち、表示部22-Dが配置される面を表面と称し、表面の法線と直交する法線を有する面を側面と称する。図1の例では、側面としては4つの面が存在する。そこで、以下、静電式タッチパネル22(表示部22-D)の画面表示のデフォルトの方向を基準にして、表面に対して、上方向、下方向、右方向、および左方向のそれぞれに配置される側面を、上側面、下側面、右側面、および左側面のそれぞれと称する。
【0020】
モバイル端末装置11には、上側面に配置される側面静電式タッチセンサ21-1、および、下側面に配置される側面静電式タッチセンサ21-2がそれぞれ設けられている。さらに、モバイル端末装置11には、右側面に配置される側面静電式タッチセンサ21-3、および、左側面に配置される側面静電式タッチセンサ21-4が、それぞれ設けられている。
【0021】
なお、以下、側面静電式タッチセンサ21-1乃至21-4を個々に区別する必要がない場合、それらをまとめて、側面静電式タッチセンサ21と称する。
【0022】
モバイル端末装置11の側面に対してユーザの指等が接触した場合、その接触が、側面静電式タッチセンサ21の静電容量の変化という形態で検出される。そして、後述する図4のCPU23において、側面静電式タッチセンサ21により検出された指の接触位置の座標の遷移(時間推移)等が認識され、その認識結果に基づいて、ジェスチャ操作が検出される。」
エ 「【0061】
[ジェスチャ操作の誤検出の防止]
【0062】
以下、側面ジェスチャ操作対応インタラクション処理のうち、ステップS12,S13の処理について、さらにその詳細を説明する。
【0063】
本実施の形態のモバイル端末装置11の側面には、側面静電式タッチセンサ21が配置されている。したがって、ユーザは、ジェスチャ操作をするために、指や手の平等でモバイル端末装置11の側面を把持する場合、その側面に配置された側面静電式タッチセンサ21に、把持のための指や手の平等が接触することになる。このような場合も、CPU23は、その接触を検出することになるが、かかる接触を所定のジェスチャ操作であると誤検出してしまうと、誤ったインタラクション処理を実行してしまうことになる。
【0064】
そこで、このような誤検出を回避するために、側面ジェスチャ操作対応インタラクション処理において、ステップS12,S13の処理が実行されるのである。なお、以下、ステップS12,S13の処理を、ジェスチャ操作誤検出防止処理と称する。
【0065】
図6と図7は、ジェスチャ操作誤検出防止処理について説明する図である。
【0066】
例えば、図6のAに示される側面静電式タッチセンサ21-3の領域T(灰色の楕円状の領域T)において、接触が検出されたとする。この領域Tにおいて、一定以上の連続する接触が検出された面積が、ステップS12,S13でいう接触面積に相当する。
【0067】
従って、領域Tの接触面積が閾値以上である場合には、側面静電式タッチセンサ21-3に対する接触は、ジェスチャ操作のための接触ではなく、モバイル端末装置11を把持するための接触であると推定することができる。即ち、ユーザは、図6のBに示されるように、モバイル端末装置11を右手で把持するために、側面静電式タッチセンサ21-3が配置された右側面を右手の平等で接触させている状態であることが推定される。換言すると、ユーザは、右側面以外の側面に対して、ジェスチャ操作をする或いはその準備をしている状態であることが推定される。なお、接触面積の閾値は任意に設定可能であり、例えば、側面静電式タッチセンサ21の面積の30%と設定することができる。
【0068】
そこで、このような場合、図5のステップS12の処理でYESであると判定されて、ステップS13の処理で、側面静電式タッチセンサ21-3は、従って、後段のステップS14の処理におけるジェスチャ操作の検出対象から除外されるのである。即ち、ユーザにとっては、側面静電式タッチセンサ21-3に対して、把持している以外の指等でジェスチャ操作をしても、そのジェスチャ操作は無効になる。
【0069】
これに対して、例えば、図7のAに示される側面静電式タッチセンサ21-3の領域T1,T2,T3(灰色の円状の領域T1,T2,T3)において、接触がそれぞれ検出されたとする。これらの領域T1,T2,T3のそれぞれにおいて、一定以上の連続する接触が検出された面積が、ステップS12,S13でいう接触面積に相当する。
【0070】
従って、領域T1,T2,T3の接触面積が全て閾値未満である場合には、側面静電式タッチセンサ21-3に対する接触は、モバイル端末装置11を把持するための接触ではないと推定することができる。即ち、側面静電式タッチセンサ21-3に対する接触は、ジェスチャ操作をするため或いはその準備のための接触であると推定することができる。即ち、ユーザは、図7のBに示されるように、モバイル端末装置11を左手で把持するために、左側面を左手の平等で接触させている状態であることが推定される。換言すると、ユーザは、左側面以外の側面に対して、ジェスチャ操作をする或いはその準備をしている状態であることが推定される。即ち、ユーザにとっては、側面静電式タッチセンサ21-3が配置された右側面は、ジェスチャ操作の対象となり得る側面であることが推定される。要するに、領域T1,T2,T3に対する接触は、ジェスチャ操作のための接触か、或いは、モバイル端末装置11の把持の補助的な接触であることが推定される。
【0071】
そこで、このような場合、即ち、右側面を含む全側面に配置されている各側面静電式タッチセンサ21の接触面積が全て閾値未満である場合、図5のステップS12の処理でNOであると判定される。そして、ステップS13の処理は実行されずに、処理はステップS14に進む。従って、側面静電式タッチセンサ21-3は、ステップS14の処理におけるジェスチャ操作の検出対象となる。即ち、ユーザにとっては、側面静電式タッチセンサ21-3に対してジェスチャ操作をすると、そのジェスチャ操作は有効になる。
【0072】
このように、モバイル端末装置11はジェスチャ操作誤検出防止処理を実行することで、例えばユーザが片手でモバイル端末装置11の把持とジェスチャ操作を同時に行うような場合であっても、ジェスチャ操作の誤検出を防止することができるようになる。その結果、ユーザは、片手のみでも、モバイル端末装置11の側面に対するジェスチャ操作を行うことが可能となる。」
(2)引用文献3の記載
当審拒絶理由の引用文献3には、以下の記載がある。
ア 「[0079] また、本実施形態の携帯情報端末は、ディスプレイ画面の1つの辺の近傍に対する継続的なタッチが離されてから一定時間内にされた、そのタッチがされていた部分の近傍にある辺に隣接する辺の近傍に対するタッチは、持ち替えによって発生した特定タッチ操作であると判別する。これにより、携帯情報端末は、利用者が自端末を回転させるときに発生した誤タッチによる誤操作を低減することができる。」
イ 「[0096] 一般に、利用者は、携帯情報端末を操作するためにタッチパネルにタッチするとき人差し指や中指を使用する。一方、携帯情報端末を保持するためのタッチは、親指がタッチパネルに接触することにより発生する場合が多い。このように、一般に、携帯情報端末を操作するためのタッチをするときに指が接触する形状と携帯情報端末を掴むときに指が接触する形状は異なる。そこで、携帯情報端末に自端末を掴むときに利用者の指が接触する形状を予め登録しておき、タッチパネルにタッチされた部分の形状と予め登録された形状とを比較することにより、入力されたタッチ操作が持ち替えによって発生したものであるか否かを判別してもよい。」
ウ 「[00100] 尚、第1の実施の形態および本実施の形態では、入力されたタッチ操作が特定タッチ操作であるか否かを、そのタッチ操作が持ち替えによって発生したものであるか否かに基づいて判別する例を示したが、本発明は、これに制限されるものではない。例えば、スタイラスペンを用いて入力する場合、スタイラスペンを持つ手がディスプレイ画面に触れて誤タッチとなる場合がある。そこで、入力されたタッチ操作が特定タッチ操作であるか否かを、そのタッチ操作がスタイラスペンを保持する手のディスプレイ画面への接触によって発生したタッチ操作であるか否かに基づいて判別してもよい。
[00101] この場合、携帯情報端末には、スタイラスペンによるディスプレイ画面への接触の大きさが予め記憶される。そして、制御部2は、所定時間内に複数の場所にタッチがされると、各タッチによるディスプレイ画面への接触の大きさと予め記憶しているスタイラスペンによるディスプレイ画面への接触の大きさを比較する。制御部2は、予め記憶しているスタイラスペンによるディスプレイ画面への接触と大きさが近似したタッチがあれば、そのタッチをスタイラスペンによるタッチと判別し、他のタッチを、スタイラスペンを保持する手のディスプレイ画面への接触によって発生したタッチと判別する。」
(3)引用文献4の記載
当審拒絶理由の引用文献4には、以下の記載がある。
ア 図1
[図:0001398110000006.jpg]
イ 「【0019】
<パネルスピーカを備える無線通信端末の概略>
図1を参照して、本実施形態の無線通信端末100の概略を説明する。無線通信端末100は、タッチパネルディスプレイにパネルスピーカ22(パネルレシーバとも言う)を備える。図1は、無線通信端末100が備えるパネルスピーカ22から出力される音声をユーザがパネルスピーカ22に耳を当てて聞いている状態を示す図である。」
(4)引用文献Bの記載
原査定の引用文献Bには、以下の記載がある。
ア 図3
[図:0001398110000007.jpg]
イ 「【0010】次にタッチ位置情報選択動作について図3に示すフローチャートに基づいて説明を行なう。この場合、図2に示すようにタッチパネル2に対しタッチエリアAとタッチエリアBとの2つが誤って入力されたものとして説明を行う。まず、タッチエリア毎の面積を算出する(ステップS1)。このタッチエリア毎の面積の算出は、夫々のタッチエリアA,Bにおけるタッチ位置情報から求められるタッチポイントの数により求める。このタッチポイントはタッチパネルを構成するX方向とY方向に配置された透明電極の交点として求められる。次に、タッチエリアAとタッチエリアBの内で小さい方の面積を有するタッチエリアを検出する(ステップS2)。そして、続くステップS3において前記ステップS2で検出した面積の小さい方のタッチエリアから得られたタッチ位置情報を採用し、データ処理を行う。すなわち、これ以後は従来行われていたタッチ位置情報処理手段により入力ポイント位置座標を定める。
【0011】このように本実施例では、複数のタッチエリアが検出されたときには小さい方の面積を有するタッチエリアから得られたタッチ位置情報を採用しデータ処理を行うので、指先と手の腹の部分の2ヵ所でタッチパネルに触れたような場合でも、通常指先によるタッチエリアの方が面積的に小さいため、手の腹の部分によるタッチエリア空のタッチ位置情報はデータ処理の段階で排除され、採用されるのは通常指先によるタッチエリアによるタッチ位置情報であり、誤った入力操作によるデータが排除されタッチ操作による入力データの信頼性が向上する。」
ウ 図4
[図:0001398110000008.jpg]
エ 「【0012】図4は、本発明のタッチパネル入力装置の第2の実施例であり、図1のROM8には図4のフローチャートに示す座標によるタッチ位置情報選択処理用プログラム(座標によるタッチ位置情報選択処理手段)が格納されている。すなわち、本実施例ではタッチパネル面上で最上方に位置するタッチエリアを採用し、それ以外のタッチエリアは排除するものである。この場合、図2に示すようにタッチエリアAとタッチエリアBとの2つが誤って入力されたものとして説明を行う。まず、タッチエリアAとタッチエリアB毎のタッチ位置情報を検出する(ステップS11)。さらに、タッチエリア毎にタッチ位置情報を記憶する(ステップS12)。次に各タッチエリア毎に記憶したY方向タッチ位置情報の最大値を検出し、タッチエリアAとタッチエリアBとの間で、前記Y方向タッチ位置情報の最大値の大小関係を判定する(ステップS13)。そして、Y方向タッチ位置情報の最大値の大きい方のエリアをタッチエリアとして採用し(ステップS14)、Y方向タッチ位置情報の最大値の大きい方のタッチエリアからのタッチ位置情報を入力データとして使用して処理を行う(ステップS15)。すなわち、これ以後は従来行われていたタッチ位置情報処理手段により、入力ポイント位置座標を定める。
【0013】このように本実施例では、タッチパネル上で複数のタッチエリアが検出されたときにはタッチパネル面上の最上方に位置するタッチエリアから得られたタッチ位置情報を入力ポイントデータとして採用しデータ処理を行うので、指先と手の腹の部分の2ヵ所でタッチパネルに触れたような場合でも、通常指先によるタッチエリアの方が位置的に上方にあるため、手の腹の部分によるタッチエリアのタッチ位置情報はデータ処理の段階で排除され、入力ポイントデータとして採用されるのは通常指先によるタッチエリアによるタッチ位置情報となり、誤った入力操作によるデータが排除されタッチ操作による入力データの信頼性が向上する。」
第6 対比・判断
1 本願発明1
(1)対比
本願発明1と、引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「情報処理装置100」は、情報処理(コンピューティング)をする装置(デバイス)であるから、コンピューティングデバイスであるといえる。
イ 引用発明の「情報処理装置100」は、タッチパネル制御SW112、OS121及びアプリケーション122などを実行するプロセッサを備えているから、本願発明1と引用発明とは、プロセッサを備えている点で共通する。
ウ 引用発明の「情報処理装置100」は、タッチパネル制御SW112によって使用される各種テーブル、データなどが記憶され、タッチパネル制御SW112、OS121及びアプリケーション122などをプロセッサに実行させるためのプログラム(すなわち、命令)、タッチパネル制御SW112、OS121及びアプリケーション122などが使用するデータなどが記憶された記憶部113(すなわち、ストレージ)を備えているから、本願発明1と引用発明とは、プロセッサによって実行される命令を保管するストレージを備えている点で共通する。
エ 引用発明の「情報処理装置100」は、入力機能及び表示機能の両方を持ったタッチパネル110を備えているから、タッチパネル110は、タッチ機能を備えたスクリーン(表示装置)であるタッチスクリーンであるといえる。
また、図1を参照すると、タッチパネル110は、情報処理装置100を保持したユーザに面した側(すなわち上側)に備わっていることが認められる。
したがって、本願発明1と引用発明とは、コンピューティングデバイスの上面に配置されたタッチスクリーンを備えている点で共通する。
オ 引用発明の「情報処理装置100」は、情報処理装置100の縁付近まで実装されたタッチパネル110を備えており、情報処理装置100の縁とタッチパネル110の縁との間隔が小さいため、ユーザが情報処理装置100を保持する場合に、指10がタッチパネルの縁付近に接触しやすいため、タッチパネル110の縁付近が所定エリア130として定められており、当該所定エリア内のタッチ位置を検出している。
ここで、タッチパネルもタッチセンサの一種であることは当業者にとって明らかである。
したがって、本願発明1と引用発明とは、ユーザのタッチが、前記コンピューティングデバイスの上面に配置されたタッチスクリーンおよび前記コンピューティングデバイスの縁に配置されたタッチセンサを通じて検出される点で共通するといえる。
カ 引用発明の「情報処理装置100」は、タッチパネル制御SW112(すなわち、プログラム)をプロセッサで実行することにより、タッチ位置(接触位置及び離脱位置を含む)を示すタッチ情報を生成しており、タッチ情報が新規情報である場合に、新規情報の示す位置(タッチ位置)が所定エリア内であるか否かを判定し(ステップS205)、ここで、所定エリアは、設計的または実験的に定められてよく、タッチパネル110の縁付近が所定エリア130として定められていることから、所定エリア130は、上記(オ)を踏まえると、本願発明1と引用発明とは、ユーザのタッチに基づいて、タッチセンサにおける1つまたはそれ以上の接触ポイントを識別する点で共通するといえる。
キ 引用発明の「情報処理装置100」は、タッチパネル制御SW112(すなわち、プログラム)をプロセッサで実行することにより、タッチ位置がタッチパネル110の縁付近に偏る、タッチ時間が長い、移動がない(または移動量が小さい)などの特徴を持っているか否かをタッチ位置のデータや、タッチの継続時間のデータ等を分析して、有効な入力情報か、無効な入力情報か判断し、有効な入力情報であると判断された場合は、入力情報を有効とし、無効な入力情報と判断された場合は、無効としている。
したがって、上記オ、カを踏まえると、本願発明1と引用発明とは、前記ユーザの前記タッチが、意図的なものであるか否かを判断し、前記タッチが意図的なものであると判断した場合は、前記タッチセンサへの前記タッチを入力として解釈し、前記タッチが意図的なものでないと判断した場合は、前記タッチセンサへの前記タッチを無視するように構成されており、前記判断は、前記タッチセンサ上の前記接触ポイントの位置に基づいて行われ、前記プロセッサは、さらに、前記タッチが意図的なものであると判断した場合に、前記入力として解釈された前記接触ポイントの位置に応答して動作する、ように構成されている点で共通しているといえる。
(2)一致点
本願発明1と、引用発明とは、以下の点で一致する。
「コンピューティングデバイスであって、
1つまたはそれ以上のプロセッサと、
前記プロセッサによって実行される命令を保管するストレージと、を含み、
ユーザのタッチが、前記コンピューティングデバイスの上面に配置されたタッチスクリーンおよび前記コンピューティングデバイスの縁に配置されたタッチセンサを通じて検出され、
前記プロセッサは、
前記ユーザの前記タッチに基づいて、前記タッチセンサにおける1つまたはそれ以上の接触ポイントを識別し、
前記ユーザの前記タッチが、意図的なものであるか否かを判断し、
前記タッチが意図的なものであると判断した場合は、前記タッチセンサへの前記タッチを入力として解釈し、
前記タッチが意図的なものでないと判断した場合は、前記タッチセンサへの前記タッチを無視する、
ように構成されており、
前記判断は、
前記タッチセンサ上の前記接触ポイントの位置に基づいて行われ、
前記プロセッサは、さらに、前記タッチが意図的なものであると判断した場合に、前記入力として解釈された前記接触ポイントの位置に応答して動作する、ように構成されている
コンピューティングデバイス。」
(3)相違点
本願発明1と、引用発明とは、以下の点で相違する。
ア 相違点1
本願発明1では、上面とは異なる、コンピューティングデバイスの側面に配置されるサイドタッチセンサを備え、当該サイドタッチセンサにより、ユーザのタッチを検出しているのに対して、引用発明では、このようなサイドタッチセンサを備えていない点。
イ 相違点2
本願発明1では、「サイドタッチセンサの長手方向における1つまたはそれ以上の接触ポイントを識別」するのに対して、引用発明では、そのように特定されていない点。
ウ 相違点3
本願発明1では、「前記サイドタッチセンサの上部領域に位置する前記接触ポイントは、前記ユーザによる意図的なタッチであると判断され、かつ、
前記サイドタッチセンサの下部領域に位置する前記接触ポイントは、前記ユーザによる意図的なタッチではないと判断される」のに対して、引用発明は、そのように特定されていない点。
(4)相違点について
事案に鑑みて,上記相違点3について、検討する。
本願発明1の相違点3に係る「前記サイドタッチセンサの上部領域に位置する前記接触ポイントは、前記ユーザによる意図的なタッチであると判断され、かつ、
前記サイドタッチセンサの下部領域に位置する前記接触ポイントは、前記ユーザによる意図的なタッチではないと判断される」構成は、引用文献1ないし4およびBには、いずれも、記載も示唆もなく、当該構成が本願出願前に周知であったとも認められない。
したがって、引用発明および引用文献2ないし4ならびに引用文献B記載の技術事項に基づいて、本願発明の相違点3に係る「前記サイドタッチセンサの上部領域に位置する前記接触ポイントは、前記ユーザによる意図的なタッチであると判断され、かつ、
前記サイドタッチセンサの下部領域に位置する前記接触ポイントは、前記ユーザによる意図的なタッチではないと判断される」構成は、当業者が想到し得たものではない。
(5)小括
以上から、本願発明1は、引用発明および引用文献2ないし4ならびに引用文献Bに記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものではない。
2 本願発明2ないし5
本願発明2ないし5は、いずれも、本願発明1を減縮したものであり、本願発明1と同じ構成を備えているから、上記1で述べたとおり、本願発明1と同じ理由により、引用発明および引用文献2ないし4ならびに引用文献Bに記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものではない。
3 本願発明6および11
本願発明6および11は、本願発明1のカテゴリのみを、「コンピューティングデバイス」の発明から、それぞれ、「コンピュータプログラム」の発明、および、「装置」の発明へと変更したものであり、本願発明1と同様の構成を備えているから、上記1で述べたとおり、本願発明1と同様の理由により、引用発明および引用文献2ないし4ならびに引用文献Bに記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものではない。
4 本願発明7ないし10および12ないし15
本願発明7ないし10は、いずれも、本願発明6を減縮したものであり、本願発明6と同じ構成を備えているから、上記3で述べたとおり、本願発明6と同じ理由により、引用発明および引用文献2ないし4ならびに引用文献Bに記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものではない。
本願発明12ないし15は、いずれも、本願発明11を減縮したものであり、本願発明11と同じ構成を備えているから、上記3で述べたとおり、本願発明11と同じ理由により、引用発明および引用文献2ないし4ならびに引用文献Bに記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものではない。
第7 原査定についての判断
1 本願発明1ないし5
令和5年4月28日提出の手続補正書により、本願発明1は、「「前記サイドタッチセンサの上部領域に位置する前記接触ポイントは、前記ユーザによる意図的なタッチであると判断され、かつ、
前記サイドタッチセンサの下部領域に位置する前記接触ポイントは、前記ユーザによる意図的なタッチではないと判断される」という技術的事項を有するものとなった。当該技術的事項は、原査定における引用文献A(当審拒絶理由における引用文献2)および引用文献Bには記載されておらず、本願出願前における周知技術でもないので、本願発明1は、当業者であっても、原査定における引用文献A(当審拒絶理由における引用文献2)およびBに基づいて容易に発明できたものではない。
本願発明2ないし5は、いずれも、本願発明1を減縮したものであり、本願発明1と同じ構成を備えているから、本願発明1と同じ理由により、本願発明2ないし5は、当業者であっても、原査定における引用文献A(当審拒絶理由における引用文献2)およびBに基づいて容易に発明できたものではない。
2 本願発明6および11
本願発明6および11は、本願発明1のカテゴリのみを、「コンピューティングデバイス」の発明から、それぞれ、「コンピュータプログラム」の発明、および、「装置」の発明へと変更したものであり、本願発明1と同様の構成を備えているから、上記1で述べたとおり、本願発明1と同様の理由により、原査定における引用文献A(当審拒絶理由における引用文献2)およびBに基づいて容易に発明できたものではない。
3 本願発明7ないし10および12ないし15
本願発明7ないし10は、いずれも、本願発明6を減縮したものであり、本願発明6と同じ構成を備えているから、上記2で述べたとおり、本願発明6と同じ理由により、原査定における引用文献A(当審拒絶理由における引用文献2)およびBに基づいて容易に発明できたものではない。
本願発明12ないし15は、いずれも、本願発明11を減縮したものであり、本願発明11と同じ構成を備えているから、上記2で述べたとおり、本願発明11と同じ理由により、原査定における引用文献A(当審拒絶理由における引用文献2)およびBに基づいて容易に発明できたものではない。
4 小括
以上から、原査定を維持することはできない。
第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-014585