2022-013959
遊技機
- 審判番号
- 2022-013959
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-110984外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年09月06日
- 審決日
- 2023年05月09日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 10項目
第1 手続の経緯
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この出願は、平成29年10月11日に出願した特願2017-198087の一部を令和2年6月26日に新たな特許出願(特願2020-110984)としたものであって、令和3年2月15日に手続補正書が提出され、同年8月3日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月15日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月21日付けで拒絶の理由が通知され、令和4年3月7日に意見書が提出されたところ、同年5月23日付け(送達日:同年6月7日)で拒絶査定がなされ、これに対して、同年9月6日に、拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和4年9月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年9月6日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、令和3年10月15日に提出された手続補正書により、特許請求の範囲の請求項1が、
(本件補正前の請求項1)
「【請求項1】発射手段と、該発射手段によって発射された遊技球が流下する流下領域と、該流下領域の所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の所定検知手段と、続きを表示(全23行)該複数の所定検知手段と電気的に接続され、遊技に対する遊技価値を付与するための処理を実行する遊技価値付与手段と、該遊技価値付与手段と電気的に接続され、所定の処理を実行する処理実行手段と、を備える遊技機であって、前記遊技価値付与手段は、前記遊技に対する遊技価値を付与するための処理に用いられる情報であって、前記所定検知手段の検知に対して参照される参照用情報を記憶する第1参照用情報記憶手段と、当該遊技機への電力の所定の供給が開始された後であって遊技価値の付与を制御する処理の実行を開始する前に、前記第1参照用情報記憶手段に記憶されている前記参照用情報に対応した参照用情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第1送信手段と、前記所定検知手段による検知に基づいて取得された情報である入球情報に基づく所定情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第2送信手段と、を備え、前記処理実行手段は、前記遊技価値付与手段から送信された前記参照用情報信号に対応した参照用情報を記憶する第2参照用情報記憶手段と、前記第2送信手段から送信された前記所定情報信号と、前記第2参照用情報記憶手段に記憶された前記参照用情報とに基づいて前記所定の処理を実行する実行手段と、該実行手段による前記所定の処理の処理結果に関する情報である処理結果情報を記憶する処理結果情報記憶手段と、前記処理結果情報に基づいて所定の表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、前記遊技価値付与手段と、前記処理実行手段とは、それぞれ異なる半導体チップに集積された集積回路を用いて構成され、電源が断された場合に、前記第2参照用情報記憶手段は、記憶していた前記参照用情報を失い得るものであり、前記遊技機は、前記遊技価値付与手段を備えて遊技の主たる制御を行う主制御手段と、前記主制御手段からの命令に基づいて処理を実行する副制御手段と、を備え、前記処理実行手段は、前記副制御手段に設けられたことを特徴とする遊技機。」
であったものを、
(本件補正後の請求項1)
「【請求項1】発射手段と、該発射手段によって発射された遊技球が流下する流下領域と、該流下領域の所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の所定検知手段と、続きを表示(全24行)該複数の所定検知手段と電気的に接続され、遊技に対する遊技価値を付与するための処理を実行する遊技価値付与手段と、該遊技価値付与手段と電気的に接続され、所定の処理を実行する処理実行手段と、を備える遊技機であって、前記遊技価値付与手段は、前記遊技に対する遊技価値を付与するための処理に用いられる情報であって、前記所定検知手段の検知に対して参照される参照用情報を記憶する第1参照用情報記憶手段と、当該遊技機への電力の所定の供給が開始された後であって遊技価値の付与を制御する処理の実行を開始する前に、前記第1参照用情報記憶手段に記憶されている前記参照用情報に対応した参照用情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第1送信手段と、前記所定検知手段による検知に基づいて取得された情報である入球情報に基づく所定情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第2送信手段と、を備え、前記処理実行手段は、前記遊技価値付与手段から送信された前記参照用情報信号に対応した参照用情報を記憶する第2参照用情報記憶手段と、前記第2送信手段から送信された前記所定情報信号と、前記第2参照用情報記憶手段に記憶された前記参照用情報とに基づいて前記所定の処理を実行する実行手段と、該実行手段による前記所定の処理の処理結果に関する情報である処理結果情報を記憶する処理結果情報記憶手段と、前記処理結果情報に基づいて所定の表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、前記遊技価値付与手段と、前記処理実行手段とは、それぞれ異なる半導体チップに集積された集積回路を用いて構成され、前記遊技価値付与手段は、前記第1送信手段により前記参照用情報信号を送信した後、該参照用情報信号に対応した参照用情報が前記第2参照用情報記憶手段に記憶されたか否かにかかわらず遊技を進行させるための特定処理の実行を開始するものであり、電源が断された場合に、前記第2参照用情報記憶手段は、記憶していた前記参照用情報を失い得るものであり、前記遊技機は、前記遊技価値付与手段を備えて遊技の主たる制御を行う主制御手段と、前記主制御手段からの命令に基づいて処理を実行する副制御手段と、を備え、前記処理実行手段は、前記副制御手段に設けられたことを特徴とする遊技機。」
と補正することを含むものである(下線は、補正箇所を示す。)。
2 補正の適否
2-1 補正の目的及び新規事項について
本件補正は、補正前の請求項1の発明特定事項である「遊技価値付与手段」について、「前記第1送信手段により前記参照用情報信号を送信した後、該参照用情報信号に対応した参照用情報が前記第2参照用情報記憶手段に記憶されたか否かにかかわらず前記特定処理の実行を開始するものであ」ることを限定することを含むものである。
そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正の補正事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)の【0355】~【0359】、図16、図17の記載に基づくものであり、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
2-2 独立特許要件の判断
上記2-1で検討したとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本願補正発明」という)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について検討する。
(1) 本願補正発明
本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである(符号A等は、分説するため合議体が付した。なお、符号D、F、Hは用いていない。)。
(本願補正発明)
「A 発射手段と、B 該発射手段によって発射された遊技球が流下する流下領域と、C 該流下領域の所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の所定検知手段と、E 該複数の所定検知手段と電気的に接続され、遊技に対する遊技価値を付与するための処理を実行する遊技価値付与手段と、続きを表示(全24行)G 該遊技価値付与手段と電気的に接続され、所定の処理を実行する処理実行手段と、K を備える遊技機であって、E 前記遊技価値付与手段は、E1 前記遊技に対する遊技価値を付与するための処理に用いられる情報であって、前記所定検知手段の検知に対して参照される参照用情報を記憶する第1参照用情報記憶手段と、E2 当該遊技機への電力の所定の供給が開始された後であって遊技価値の付与を制御する処理の実行を開始する前に、前記第1参照用情報記憶手段に記憶されている前記参照用情報に対応した参照用情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第1送信手段と、E3 前記所定検知手段による検知に基づいて取得された情報である入球情報に基づく所定情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第2送信手段と、を備え、G 前記処理実行手段は、G1 前記遊技価値付与手段から送信された前記参照用情報信号に対応した参照用情報を記憶する第2参照用情報記憶手段と、G2 前記第2送信手段から送信された前記所定情報信号と、前記第2参照用情報記憶手段に記憶された前記参照用情報とに基づいて前記所定の処理を実行する実行手段と、G3 該実行手段による前記所定の処理の処理結果に関する情報である処理結果情報を記憶する処理結果情報記憶手段と、G4 前記処理結果情報に基づいて所定の表示手段を制御する表示制御手段と、を備え、I 前記遊技価値付与手段と、前記処理実行手段とは、それぞれ異なる半導体チップに集積された集積回路を用いて構成され、E5 前記遊技価値付与手段は、前記第1送信手段により前記参照用情報信号を送信した後、該参照用情報信号に対応した参照用情報が前記第2参照用情報記憶手段に記憶されたか否かにかかわらず遊技を進行させるための特定処理の実行を開始するものであり、G5 電源が断された場合に、前記第2参照用情報記憶手段は、記憶していた前記参照用情報を失い得るものであり、J 前記遊技機は、前記遊技価値付与手段を備えて遊技の主たる制御を行う主制御手段と、前記主制御手段からの命令に基づいて処理を実行する副制御手段と、を備え、前記処理実行手段は、前記副制御手段に設けられたK ことを特徴とする遊技機。」
(2) 引用文献の記載及び引用発明
(2-1) 引用文献1
ア 引用文献1の記載事項
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原査定の拒絶理由において引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017-164457号公報(平成29年9月21日公開。以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある(下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。)。
「【0027】可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入賞できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(大当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入賞可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした主制御装置60による大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入賞に基づく大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入賞に基づく大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能な開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入賞すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。」
「【0128】各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60の主側MPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。」
「【0336】図31は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。」
「【1629】M.第13実施形態:M1.遊技機の構造:次に第13実施形態について説明する。以下では、本実施形態と上記実施形態との相違点について説明する。本実施形態において上記各実施形態と異なる点は、主側MPU62に、後述する遊技履歴管理チップ300が設けられている点である。上記実施形態と同一の構成および処理については説明を省略する。続きを表示(全132行)・・・【1636】図176は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53とを備えている。具体的には、これら機構部は内枠13の背面に設けられている。【1637】第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。この基板ボックスは、開閉の痕跡が残るように構成されている。例えば、開閉可能な箇所に封印シールが貼付されており、基板ボックスを開放すると「開封」といった文字が現れるように構成されている。【1638】第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。・・・【1641】図177は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。【1642】遊技盤30には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、および、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。【1643】一般入賞口32は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入球すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。本実施形態では、一般入賞口32として、3つの一般入賞口32a、32b、32cが設けられている。以下では、一般入賞口32aを第1入賞口32a、一般入賞口32bを第2入賞口32b、一般入賞口32cを第3入賞口32cとも呼ぶ。・・・【1645】第2始動口34は、遊技球が入球可能な入球口であり、遊技盤30の右側に設けられている。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入球すると、3個の遊技球が賞球として払い出されるとともに、後述する大当たり抽選が実行される。また、第2始動口34には、普通電動役物としての電動役物34aが設けられている。・・・【1647】可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aと、当該大入賞口36aを開閉する開閉扉36bとを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入球できない閉鎖状態となっている。第1始動口33又は第2始動口34に遊技球が入球すると、主制御装置60は、大当たり抽選(内部抽選)を実行する。大当たり抽選の結果、大当たり又は小当たりに当選すると、パチンコ機10は、開閉実行モードに移行する。開閉実行モードとは、可変入賞装置36の開閉扉36bの開閉処理を実行するモードである。具体的には、可変入賞装置36の開閉扉36bは、開閉実行モードに移行すると、遊技球が入球できない閉鎖状態から遊技球が入球可能な開放状態に遷移するとともに、所定の条件が満たされた後に、再び、閉鎖状態に遷移する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入球すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。・・・【1668】主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムを実行するCPU62xと、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムをCPU62xが実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、入出力ポート62aとを備えている。MPU62は、さらに、遊技履歴管理チップ300と、検査用端子65とを備えている。・・・【1671】MPU62の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。主制御基板61は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、本実施形態では、電源装置85は、コンデンサ87を備えており、停電が発生した場合や電源スイッチがOFFにされた場合には、所定期間、各装置への電力供給を継続する。【1672】また、MPU62の入力側には、各入球口に設けられた入球検知センサーが接続されている。具体的には、大入賞口36aに入球した遊技球を検知する大入賞口検知センサー44aと、第1始動口33に入球した遊技球を検知する第1始動口検知センサー44bと、第2始動口34に入球した遊技球を検知する第2始動口検知センサー44cと、第1入賞口32aに入球した遊技球を検知する第1入賞口検知センサー44dと、第2入賞口32bに入球した遊技球を検知する第2入賞口検知センサー44eと、第3入賞口32cに入球した遊技球を検知する第3入賞口検知センサー44fと、スルーゲート35を通過した遊技球を検知するスルーゲート検知センサー44gと、上述した排出通路を通過した遊技球を検知する排出通路検知センサー44hとが接続されている。MPU62は、これらの検知センサーからの信号に基づいて、遊技領域PAを流下する遊技球が始動口や入賞口に入球したか否かの判定や、遊技球がスルーゲートや排出通路を通過したか否かの判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33、第2始動口34への遊技球の入球に基づいて大当たり抽選を実行する。【1673】MPU62の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。・・・【1675】また、MPU62の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入球判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、主制御基板61のMPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63fを参照する。具体的には、一般入賞口32への遊技球の入球を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への遊技球の入球を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への遊技球の入球を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。【1676】払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。また、発射制御装置80には、操作ハンドル25が接続されている。上述のように、操作ハンドル25は、タッチセンサー25aと、ウェイトボタン25bと、可変抵抗器25cとを備える。遊技者が操作ハンドル25を握ることによって、タッチセンサー25aがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を回動操作すると、可変抵抗器25cの抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器25cの抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。【1677】音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。具体的には、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。・・・【1679】図180は、第13実施形態のパチンコ機10が備える主制御装置60の構成及び検査機320の構成を詳細に示すブロック図である。以下では、MPU62、CPU62x、ROM63及びRAM64を、それぞれ主側MPU62、主側CPU62x、主側ROM63及び主側RAM64とも呼ぶ。【1680】主側MPU62の主側ROM63には、賞球数データ記憶エリアと、演算実行条件記憶エリアとが設けられている。【1681】賞球数データ記憶エリアには、各入球部に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(賞球数データ)が記憶されている。本実施形態では、賞球数データ記憶エリアには、以下の賞球数データが記憶されている。・第1始動口33に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第1始動口賞球数P1):3・第2始動口34に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第2始動口賞球数P2):3・第1入賞口32aに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第1入賞口賞球数PN1):10・第2入賞口32bに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第2入賞口賞球数PN2):10・第3入賞口32cに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(第3入賞口賞球数PN3):10・大入賞口36aに遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数(大入賞口賞球数PS):15【1682】主側MPU62は、主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを参照することによって、遊技球が各入球部に入球した場合に賞球として払い出す遊技球の個数を決定する。・・・【1685】遊技履歴管理チップ300は、各入球口への遊技球の入球情報に基づいて各種の遊技履歴情報を算出するとともに、算出した遊技履歴情報を記憶する半導体チップである。遊技履歴管理チップ300は、CPU62xから各入球口への遊技球の入球情報を取得するバッファ302と、各入球口への遊技球の入球個数を記憶するレジスタ304と、主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する賞球数データ記憶用メモリ306と、主側ROM63から取得した演算実行条件を記憶する演算実行条件記憶用メモリ307と、遊技履歴管理チップ300の全体の制御を司るとともに、演算実行条件の成立を契機として各入球口への遊技球の入球個数と各入球口に設定された賞球数とに基づいて遊技履歴情報を算出するCPU308と、算出された遊技履歴情報を記憶する演算結果記憶用メモリ309とを備えている。・・・【1691】レジスタ304は、各入球口に入球した遊技球の個数を記憶する。具体的には、レジスタ304は、各入球口に対応した複数のカウンタによって構成されており、バッファ302のビットに入球情報があると判定した場合(すなわち、ビットがONになっている場合)には、入球情報があると判定されたビットに対応したカウンタの値に1が加算される。なお、本実施形態では、レジスタ304は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のレジスタによって構成されている。・・・【1695】賞球数データ記憶用メモリ306は、パチンコ機10に設定されている賞球数データを記憶するためのメモリである。本実施形態では、パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている賞球数データが遊技履歴管理チップ300に送信され、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される。したがって、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶される賞球数データの内容は、主側ROM63に記憶されている賞球数データの内容と同一となる。【1696】演算実行条件記憶用メモリ307は、パチンコ機10に設定されている演算実行条件を記憶するためのメモリである。演算実行条件は、上述したように、遊技履歴情報を算出するための演算を開始する条件である。本実施形態のパチンコ機10においては、排出通路を通過した遊技球の個数が500個に達する毎に遊技履歴情報を算出するための演算を開始するように設定されている。パチンコ機10の電源が投入されると、主側ROM63に記憶されている演算実行条件がCPU62xによって遊技履歴管理チップ300に送信され、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶される。したがって、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶される演算実行条件の内容は、主側ROM63に記憶されている演算実行条件の内容と同一となる。なお、演算実行条件として、排出通路以外を通過または入球した遊技球の個数が基準として記憶されていてもよく、また500個以外の個数が基準として記憶されていてもよい。【1697】CPU308は、演算実行条件記憶用メモリ307に記憶されている演算実行条件が成立したか否かを判定するとともに、演算実行条件が成立したと判定した場合には、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データと、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数とに基づいて、各種の遊技履歴情報を算出する。本実施形態では、CPU308は、レジスタ304に記憶された排出通路通過個数NOUTの値が500個に達する毎に、遊技履歴情報として下記の値を算出する。【1698】・役物比率=役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数/賞球として払い出された遊技球の合計個数=(N2×P2+NS×PS)/(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS)・連続役物比率=連続役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数/賞球として払い出された遊技球の合計個数=(NS×PS)/(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS)・出玉率(トータル)=賞球として払い出された遊技球の合計個数/遊技盤30に発射された遊技球の個数=(NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS)/NOUT【1699】なお、上記の値の算出根拠は以下の通りである。・役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数=普通電動役物としての電動役物34a及び特別電動役物としての可変入賞装置36が作動することによって賞球として払い出された遊技球の個数=第2始動口34及び大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数=N2×P2+NS×PS・連続役物作動によって賞球として払い出された遊技球の個数=特別電動役物としての可変入賞装置36が作動することによって賞球として払い出された遊技球の個数=大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数=NS×PS・第1~第3入賞口32a~32cへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数=NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3・賞球として払い出された遊技球の合計個数=第1~第3入賞口32a~32c、第1始動口33、第2始動口34及び大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数=NN1×PN1+NN2×PN2+NN3×PN3+N1×P1+N2×P2+NS×PS・・・【1703】演算結果記憶用メモリ309は、CPU308によって算出された遊技履歴情報を記憶するメモリであり、本実施形態では、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されている。演算結果記憶用メモリ309には、短期遊技履歴情報群が書き込まれた順番に関する情報も記憶されており、CPU308は、算出した短期遊技履歴情報群を書き込むための空きエリアがない場合には、算出した短期遊技履歴情報群を、書き込まれた順番が最も古い短期遊技履歴情報群が記憶されているエリアに記憶させる。すなわち、演算結果記憶用メモリ309は、最も古い短期遊技履歴情報群から順番に上書きされるように構成(ファーストイン・ファーストアウト方式)されており、常に直近の短期遊技履歴情報群が記憶されている状態となる。・・・【1707】M3.遊技機において実行される各種処理の詳細:次に、MPU62(本実施形態では、CPU62x)にて実行される各処理を説明する。かかるMPU62の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では4msec周期で)起動されるタイマ割込み処理とがある。【1708】先ず、図182のフローチャートを参照しながらメイン処理を説明する。【1709】図182は、主側MPU62にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。ステップS9701では、初期設定処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などを実行する。さらに、本実施形態では、初期設定処理において、演算用データを遊技履歴管理チップ300に送信する処理を実行する。具体的には、主側ROM63に記憶されている演算用データ(賞球数データ及び演算実行条件)を遊技履歴管理チップ300に送信する。後述するように、当該演算用データを受信した遊技履歴管理チップ300は、賞球数データ及び演算実行条件を賞球数データ記憶用メモリ306及び演算実行条件記憶用メモリ307にそれぞれ記憶し、記憶が完了したことを示す設定完了コマンドを主側MPU62に送信する。ステップS9701を実行した後、ステップS9702に進む。【1710】ステップS9702では、設定完了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS9702において、設定完了コマンドを受信していると判定した場合には(S9702:YES)、ステップS9703に進み、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。一方、ステップS9702において、設定完了コマンドを受信していないと判定した場合には(S9702:NO)、再びステップS9702の処理を実行する。すなわち、設定完了コマンドを受信するまでは、ステップS9703に進まず、タイマ割込み処理の発生を許可するための割込み許可の設定を行なわない。【1711】ステップS9703を実行した後、ステップS9704~ステップS9707の残余処理に進む。つまり、主側MPU62は後述するようにタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS9704~ステップS9707の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS9704~ステップS9707の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。・・・【1713】次に、主側MPU62(本実施形態では、CPU62x)にて実行されるタイマ割込み処理について説明する。・・・【1719】ステップS9806では、各入球検知センサー44a~44hから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入球検知処理を実行する。当該入球検知処理の処理内容は、後に詳細に説明する。その後、ステップS9807に進む。【1720】ステップS9807では、入球検知情報を遊技履歴管理チップ300のバッファ302のビットに出力する。具体的には、ステップS9806の入球検知処理において遊技球が入球したと判定した入球口に対応したビットをON(「1」)にするとともに、パチンコ機10の遊技状態に対応したビットをON(「1」)にする。その後、ステップS9808に進む。・・・【1773】上記のように入球検知処理が実行されることにより、各入球検知センサー44a~44hにおける検知結果の監視が実行されることともに、遊技球の付与に対応した入球が発生している場合には、その入球箇所に応じて、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタへの加算処理が実行される。これらカウンタのいずれかが「1」以上となっている場合には、タイマ割込み処理(図183)における賞球コマンドの出力設定処理(ステップS9809)にて賞球コマンドの設定が行われ、その設定された賞球コマンドが払出制御装置70に送信される。この場合、賞球コマンドの出力設定はタイマ割込み処理の1処理回において1回のみ行われる。したがって、例えば15個賞球カウンタが「2」以上となっていたとしても、1処理回では15個賞球コマンドが1回のみ送信される。但し、これに限定されることはなく、1処理回において所定の複数(例えば2個又は3個)の賞球コマンドが送信される構成としてもよい。・・・【1777】図188は、遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行するメイン処理を示すフローチャートである。・・・【1779】ステップS10102では、受信した賞球数データを賞球数データ記憶用メモリ306に記憶させる。その後、ステップS10103に進み、受信した演算実行条件を演算実行条件記憶用メモリ307に記憶させる。その後、ステップS10104に進む。・・・【1783】ステップS10108では、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データと、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数とに基づいて、各種の遊技履歴情報を算出するための演算処理を実行する。その後、ステップS10109に進み、算出した各種の遊技履歴情報を演算結果記憶用メモリ309に記憶させる。その後、ステップS10110に進み、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数を0にクリアする。その後、ステップS10111に進む。・・・【1788】さらに、本実施形態では、遊技履歴管理チップ300及び主側CPU62xは、共に主側MPU62に搭載されており、これらは同一の電源によって動作するように構成されている。したがって、例えば、当該パチンコ機10が遊技ホールに設置されている場合であって、ホールコンピュータによってパチンコ機10の遊技履歴情報を算出していた場合に、当該ホールコンピュータの電源系統に不具合が生じた場合や、当該ホールコンピュータの処理に不具合が生じた場合であっても、パチンコ機10に電源が供給されている状況であれば、遊技履歴情報を算出することができる。仮に、主側CPU62xと遊技履歴管理チップ300とが異なる電源によって動作している場合、遊技履歴管理チップ300の電源供給に不具合があった場合に、パチンコ機10によって遊技が実行されているにも関わらず遊技履歴情報を算出できないといった不具合が生じる。これに対して、本実施形態によれば、主側CPU62xと遊技履歴管理チップ300とが同一の電源によって動作しているので、遊技が実行可能な状況であれば必ず遊技履歴情報を算出することができる。よって、遊技履歴情報の信頼性を向上させることができる。」
「【1797】M4.第13実施形態の他の態様:<態様1>上記第13実施形態では、主側ROM63の演算実行条件記憶エリアに記憶された演算実行条件として、排出通路検知センサー44hに検知された遊技球が500個に達することが設定されていたが、演算実行条件として、演算を実行する時間的間隔が設定されている構成としてもよい。例えば、演算を実行する時間的間隔として1時間が設定されており、遊技履歴管理チップ300のCPU308は、1時間が経過する毎に遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。パチンコ機10の検査者は、1時間毎に算出された詳細な遊技履歴情報を確認することができ、パチンコ機10に不正な改造等が施されていないかを適切に判断することが可能となる。この結果、遊技の健全性を向上させることができる。続きを表示(全19行)・・・【1909】<態様20>上記第13実施形態及び上記の他の態様において、7つの発光ダイオードによって構成された7セグメント表示器をパチンコ機10の背面に設け、当該7セグメント表示器に当該パチンコ機10に記憶されている遊技履歴情報に関連した情報を表示する構成としてもよい。例えば、主制御装置60が上述した遊技モードから検査モードに移行した際に、当該パチンコ機10に記憶されている役物比率や払出比率(通常モード時)等が所定の範囲内であるか否かを7セグメント表示器に表示させる構成としてもよい。【1910】より具体的には、例えば、主制御装置60が遊技モードから検査モードに移行すると、役物比率に関する表示を行なうことを示す「1」が7セグメント表示器に表示された後、当該役物比率が所定の範囲内である場合(具体的には、役物比率が0.700以下の場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該役物比率が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。役物比率に関する表示を行なった後、連続役物比率に関する表示を行なうことを示す「2」が7セグメント表示器に表示され、当該連続役物比率が所定の範囲内である場合(具体的には、連続役物比率が0.600以下の場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該連続役物比率が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。連続役物比率に関する表示を行なった後、払出比率(通常モード時)に関する表示を行なうことを示す「2」が7セグメント表示器に表示され、当該払出比率(通常モード時)が所定の範囲内である場合(具体的には、払出比率(通常モード時)が0.60から0.70の範囲内である場合)には、OKを意味する「O」が7セグメント表示器に表示され、一方、当該払出比率(通常モード時)が所定の範囲内ではない場合には、エラーを示す「E」が7セグメント表示器に表示される構成としてもよい。【1911】このような構成によれば、役物比率等の遊技履歴情報を簡易的に速やかに検査することが可能となる。また、7セグメント表示器は消費電力が少ないため、パチンコ機10の電源がオフの状態であっても、パチンコ機10の内部に設けられたコンデンサやバッテリー等による少ない電力のみで遊技履歴情報を検査することが可能となる。【1912】<態様21>上記第13実施形態及び上記の他の態様において、音声発光制御装置90が遊技履歴情報を算出する構成としてもよい。具体的には、例えば、主制御装置60の主側CPU62xが初期設定処理において主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを含む信号を音声発光制御装置90に送信する構成とし、音声発光制御装置90は、取得した賞球数データと、主制御装置60から送信される遊技球の入球情報とに基づいて遊技履歴情報を算出し、当該算出した遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示させる構成としてもよい。・・・【1917】<態様25>上記第13実施形態及び上記の態様1から態様24に含まれる1又は複数の構成を適宜差し替えたり組み合わせた構成を採用してもよい。例えば、上記の態様1から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記第13実施形態に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様2から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様1に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよく、上記の態様3から態様24に含まれる1又は複数の構成と上記の態様2に含まれる1又は複数の構成とを組み合わせてもよ・・・い。・・・」
「【図179】[図:0001400223000001.jpg]」
「【図181】[図:0001400223000002.jpg]」
「【図182】[図:0001400223000003.jpg]」
「【図188】[図:0001400223000004.jpg]」
イ 認定事項
(ア) 【1671】には「MPU62の入力側には、払出制御装置70・・・が接続されている。」と記載され、【1675】には「MPU62の送信側には、払出制御装置70・・・が接続されている。」と記載され、【1676】には「払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。」と記載され、図179からは、払出制御装置70は、MPU62の入出力ポート62a、発射制御装置80、払出装置71、電源装置85と接続していること、及び、遊技履歴管理チップ300と接続していないことが見て取れる。
また、【1679】には「以下では、・・・CPU62x・・・を、・・・主側CPU62x・・・とも呼ぶ。」と記載され、図181からは、遊技履歴管理チップ300は、CPU62x、検査機320と接続していることが見て取れる。
以上のことから、引用文献1には、「遊技履歴管理チップ300は、主側CPU62x、検査機320と接続し、払出制御装置70と接続していない」ことが示されていると認められる(認定事項ア)。
(イ) 【1707】には「電源投入に伴い起動されるメイン処理」と、【1709】には「図182は、主側MPU62にて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。ステップS9701では、初期設定処理を実行する。」と、それぞれ記載され、図182から、ステップS9701の初期設定処理は、メイン処理において最初に実行される処理であることが見て取れる。
以上のことから、引用文献1には、「初期設定処理は、電源投入に伴い起動されるメイン処理において最初に実行される処理である」ことが示されていると認められる(認定事項イ)。
(ウ) 【1777】には「図188は、遊技履歴管理チップ300のCPU308が実行するメイン処理を示すフローチャートである。」と、【1779】には「ステップS10102では、受信した賞球数データを賞球数データ記憶用メモリ306に記憶させる。」と、【1783】には「ステップS10108では、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データと、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数とに基づいて、各種の遊技履歴情報を算出するための演算処理を実行する。」と、それぞれ記載され、図188からは、ステップS10102とステップS10108が、遊技履歴管理チップのメイン処理において実行される処理であることが見て取れる。
以上のことから、引用文献1には、「遊技履歴管理チップ300のCPU308は、受信した賞球数データを賞球数データ記憶用メモリ306に記憶させ、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データと、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数とに基づいて、各種の遊技履歴情報を算出するための演算処理を実行する」ことが示されていると認められる(認定事項ウ)。
(エ) 図179からは、音声発光制御装置90は、MPU62、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47、表示制御装置100と接続していること、及び、払出制御装置70と接続していないことが見て取れる。
また、【1679】には「以下では、・・・MPU62・・・を、・・・主側MPU62・・・とも呼ぶ。」と記載されている。
以上のことから、引用文献1には、「音声発光制御装置90は、主側MPU62、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47、表示制御装置100と接続し、払出制御装置70と接続していない」ことが示されていると認められる(認定事項エ)。
(オ) 【1671】には「MPU62の入力側には、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。」と、【1672】には「MPU62の入力側には、各入球口に設けられた入球検知センサーが接続されている。」と、【1679】には「以下では、・・・MPU62・・・を、・・・主側MPU62・・・とも呼ぶ。」と、それぞれ記載され、図179から、払出制御装置70と各種入球検知センサー44a~44hから、MPU62の入出力ポートに向けた矢印が、電源装置85から主制御基板61に向けた矢印が、それぞれ記載されていることが見て取れることから、MPU62の入出力ポート又は主制御基板61に向けた矢印は、MPU62の入力側に接続されていることを示すものと理解できる。
また、【1673】には「MPU62の出力側には、・・・可変入賞駆動部36cと、・・・電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。」と、【1675】には「MPU62の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。」と、それぞれ記載され、図179からは、MPU62の入出力ポートから可変入賞駆動部36c、電動役物駆動部34b、メイン表示部45、音声発光制御装置90及び払出制御装置70に向けた矢印が記載されていることが見て取れることから、MPU62の入出力ポートから他の構成に向けた矢印は、MPU62の出力側に接続されていることを示すものと理解できる。
さらに、【1671】、【1673】の記載及び図179において、音声発光制御装置90からMPU62の入出力ポート又は主制御基板61に向けた矢印が記載されていないことから、音声発光制御装置90は、MPU62の入力側には接続されていないことが把握される。
以上のことから、引用文献1には、「音声発光制御装置90は、主側MPU62の出力側には接続されているが、主側MPU62の入力側には接続されていない」ことが示されていると認められる(認定事項オ)。
ウ 引用発明
上記アに摘記した引用文献1の記載事項、及び上記イに記載した認定事項から、引用文献1には、第13実施形態の態様20として、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
なお、a等の符号は、本願補正発明の構成A等に対応させて合議体により付与した。
(引用発明)
「a 遊技球発射機構と(【1641】)、b 遊技盤30の前面に形成され、遊技球発射機構から発射された遊技球が流下する遊技領域PAと(【1641】)、c 遊技盤30には、第1入賞口32a、第2入賞口32b、第3入賞口32c、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、および、可変入賞装置36が設けられ(【1642】、【1643】)、可変入賞装置36の大入賞口36aに入球した遊技球を検知する大入賞口検知センサー44aと、第1始動口33に入球した遊技球を検知する第1始動口検知センサー44bと、第2始動口34に入球した遊技球を検知する第2始動口検知センサー44cと、第1入賞口32aに入球した遊技球を検知する第1入賞口検知センサー44dと、第2入賞口32bに入球した遊技球を検知する第2入賞口検知センサー44eと、第3入賞口32cに入球した遊技球を検知する第3入賞口検知センサー44fと、スルーゲート35を通過した遊技球を検知するスルーゲート検知センサー44gなどの各入球口に設けられた入球検知センサーと(【1647】、【1672】)、続きを表示(全40行)ea 入力側には、各入球口に設けられた入球検知センサーが接続され(【1672】)、送信側には、払出制御装置70が接続され(【1675】)、各入球検知センサー44a~44hから受信している信号を読み込み(【1719】)、遊技球の付与に対応した入球が発生している場合には、その入球箇所に応じて、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタへの加算処理が実行され、これらカウンタのいずれかが「1」以上となっている場合には、払出制御装置70に送信される賞球コマンドの設定を行う(【1773】)主側CPU62xを搭載する(【1788】)主制御装置60の主側MPU62(【1668】、【1679】、【1713】)と、ga 主側MPU62に搭載され、主側CPU62x、検査機320と接続し、払出制御装置70と接続しないものであり(認定事項ア、【1788】)、各入球口への遊技球の入球情報に基づいて、役物比率(第2始動口34及び大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/賞球として払い出された遊技球の合計個数)の値、連続役物比率(大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/賞球として払い出された遊技球の合計個数)の値、出玉率(賞球として払い出された遊技球の合計個数/遊技盤30に発射された遊技球の個数)の値などの、各種の遊技履歴情報を算出する遊技履歴管理チップ300と(【1685】、【1697】~【1699】、【1788】)、k を備えるパチンコ機10(【1629】、【1636】)であって、eb 主側MPU62は、主側MPU62が、遊技球が各入球部に入球した場合に賞球として払い出す遊技球の個数を決定するときに参照するものであって、各入球部に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数である賞球数データが記憶されている主側ROM63と、遊技履歴管理チップ300を備え(【1668】、【1679】~【1682】)、ec 主側MPU62の主側CPU62xは(【1707】)、電源投入に伴い起動されるメイン処理において最初に実行される初期設定処理において(認定事項イ)、主側ROM63に記憶されている賞球数データを遊技履歴管理チップ300に送信し、当該賞球数データを受信した遊技履歴管理チップ300は、賞球数データを賞球数データ記憶用メモリ306に記憶し、記憶が完了したことを示す設定完了コマンドを主側MPU62に送信し(【1709】)、主側MPU62が設定完了コマンドを受信していると判定した場合には、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行い(【1710】)、各遊技回の遊技を進行させるタイマ割込み処理を定期的に実行し(【0128】、【1711】)、主側MPU62が設定完了コマンドを受信するまでは、タイマ割込み処理の発生を許可するための割込み許可の設定を行なわないものであり(【1710】)、ed また、各入球検知センサー44a~44hから受信している信号を読み込み、入球検知情報を遊技履歴管理チップ300に出力し(【1719】、【1720】)、g 遊技履歴管理チップ300は、gb 各入球口への遊技球の入球個数を記憶するレジスタ304と、主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する賞球数データ記憶用メモリ306と、主側ROM63から取得した演算実行条件を記憶する演算実行条件記憶用メモリ307と、算出された遊技履歴情報を記憶する演算結果記憶用メモリ309を備え(【1685】)、レジスタ304は、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のレジスタによって構成され(【1691】)、賞球数データ記憶用メモリ306は、パチンコ機10に設定されている賞球数データを記憶するためのメモリであり(【1695】)、演算実行条件記憶用メモリ307は、パチンコ機10に設定されている演算実行条件を記憶するためのメモリであり(【1696】)、演算結果記憶用メモリ309は、CPU308によって算出された遊技履歴情報を記憶するメモリであり、電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性のメモリによって構成されており(【1703】)、gc 各入球口への遊技球の入球個数と各入球口に設定された賞球数とに基づいて遊技履歴情報を算出するCPU308と、をさらに備え(【1685】)、CPU308は、受信した賞球数データを賞球数データ記憶用メモリ306に記憶させ、賞球数データ記憶用メモリ306に記憶された賞球数データと、レジスタ304に記憶された各入球口への遊技球の入球個数とに基づいて、各種の遊技履歴情報を算出するための演算処理を実行し(認定事項ウ)、i、j パチンコ機10は、背面に、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52とを備え(【1636】)、第1制御ユニット51は、主制御装置60を備え、主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有し、主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容され(【1637】)、主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成される主側MPU62を備え(【1668】、【1679】)、第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備え、音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、各種コマンドに対応した処理や、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行い(【1638】、【1677】)、音声発光制御装置90は、主側MPU62、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47、表示制御装置100と接続し、払出制御装置70と接続しておらず(認定事項エ)、また、音声発光制御装置90は、主側MPU62の出力側には接続されているが、主側MPU62の入力側には接続されていないものであり(認定事項オ)、音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子であるMPU92が搭載され(【0336】)、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備える図柄表示装置を制御し(【1638】)、gd 7つの発光ダイオードによって構成された7セグメント表示器を背面に設け、当該7セグメント表示器に遊技履歴情報に関連した情報を表示する(【1909】)k パチンコ機10(【1636】)。」
(2-2) 引用文献2
原査定の拒絶理由において引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017-148359号公報(平成29年8月31日公開。以下「引用文献2」という。)には、以下の記載がある(下線は合議体が付した。)。
「【0009】[第1実施形態]以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。【0010】〔遊技機全体図〕図1は、遊技機を説明する図である。」
・・・
【0095】
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100(主基板)を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
・・・
【0348】
なお、変形例として、排出球数の値、獲得球数の値、各役物別獲得球数領域の値をデータとして演出制御装置300に送信し、演出制御装置300において、出玉率や役物比率を計算してもよい。」
「【0802】[第2実施形態]図82と図83を参照して、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、遊技制御装置100により表示制御が実行される排出球数表示部66、出玉率表示部67、役物比率表示部68の他に、払出制御装置200により表示制御が実行される排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853が備えられる。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。・・・【0810】また、払出制御装置200は、払出コマンドに基づいて、排出球数、出玉率(獲得球数、賞球数の合計)、役物比率を算出するとともに、払出制御装置200に設けられた排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853に表示する表示制御を行う。なお、ここでの払出コマンドには、入賞口(入賞領域)への一の入賞を単位とした払出コマンド(A1719)とアウト球検出コマンド(A2017)の両方を含むものとする。なお、払出制御装置200が、遊技制御装置100で算出した排出球数、出玉率、役物比率を受信して、払出制御装置200に設けられた排出球数表示部851、出玉率表示部852、役物比率表示部853に表示する構成も可能である。」
「【0819】さらに、排出球数、出玉率、役物比率は、第1実施形態及び第2実施形態のように、遊技制御装置100、払出制御装置200、及び/又は、演出制御装置300においてユーザプログラムによって算出する以外に、遊技制御装置100、払出制御装置200、及び/又は、演出制御装置300のCPU自身に算出機能(ハード的な算出機能)を持たせて、内部レジスタにパラメータをセットすること(遊技球の発射(排出)、入賞を検知する毎に情報をセットするなど)によって、排出球数、出玉率、役物比率が自動的に算出されるようにしてもよい。」
以上によれば、引用文献2には、以下の事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されているものと認められる。
(引用文献2記載事項)
「遊技機において、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)とは別の、払出制御装置200又は演出制御装置300が出玉率や役物比率を計算すること。」
(3) 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、見出しは(a)等とし、本願補正発明の分説に対応させている。
(a) 引用発明の「遊技球発射機構」は、本願補正発明の「発射手段」に相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Aを備える。
(b) 引用発明の「遊技球発射機構から発射された遊技球が流下する遊技領域PA」は、本願補正発明の「該発射手段によって発射された遊技球が流下する流下領域」に相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Bを備える。
(c) 引用発明のbの「遊技領域PA」は、「遊技盤30の前面に形成され」ているから、引用発明の「遊技盤30」に「設けられ」た「第1入賞口32a、第2入賞口32b、第3入賞口32c、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、および、可変入賞装置36」は、本願補正発明の「該流下領域の所定の領域」に相当するといえる。
そうすると、引用発明の「可変入賞装置36の大入賞口36aに入球した遊技球を検知する大入賞口検知センサー44aと、第1始動口33に入球した遊技球を検知する第1始動口検知センサー44bと、第2始動口34に入球した遊技球を検知する第2始動口検知センサー44cと、第1入賞口32aに入球した遊技球を検知する第1入賞口検知センサー44dと、第2入賞口32bに入球した遊技球を検知する第2入賞口検知センサー44eと、第3入賞口32cに入球した遊技球を検知する第3入賞口検知センサー44fと、スルーゲート35を通過した遊技球を検知するスルーゲート検知センサー44gなどの各入球口に設けられた入球検知センサー」は、本願補正発明の「所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の所定検知手段」に相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Cを備える。
(e) 引用発明のeaの「主制御装置60の主側MPU62」の「入力側には、各入球口に設けられた入球検知センサーが接続され」ることは、本願補正発明の「該複数の所定検知手段と電気的に接続され」ることに相当する。
また、引用発明のeaの「主制御装置60の主側MPU62」の「主側CPU62x」が「各入球検知センサー44a~44hから受信している信号を読み込み、遊技球の付与に対応した入球が発生している場合には、その入球箇所に応じて、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタへの加算処理が実行され、これらカウンタのいずれかが「1」以上となっている場合には、払出制御装置70に送信される賞球コマンドの設定を行う」ことは、本願補正発明の「遊技に対する遊技価値を付与するための処理を実行する」ことに相当する。
してみると、引用発明のeaの「主制御装置60の主側MPU62」は、本願補正発明の「遊技価値付与手段」に相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Eを備える。
(g) 引用発明のgaの「各入球口への遊技球の入球情報に基づいて、役物比率(第2始動口34及び大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/賞球として払い出された遊技球の合計個数)の値、連続役物比率(大入賞口36aへの遊技球の入球に基づいて賞球として払い出された遊技球の個数/賞球として払い出された遊技球の合計個数)の値、出玉率(賞球として払い出された遊技球の合計個数/遊技盤30に発射された遊技球の個数)の値などの、各種の遊技履歴情報を算出する遊技履歴管理チップ300」は、本願補正発明の「所定の処理を実行する処理実行手段」に相当する。
また、引用発明のgaの「遊技履歴管理チップ300」が「主側MPU62に搭載され、主側CPU62x」「と接続」することは、本願補正発明の「処理実行手段」が「前記遊技価値付与手段と電気的に接続され」ることに相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Gを備える。
(e1) 引用発明のebの「主側MPU62が、遊技球が各入球部に入球した場合に賞球として払い出す遊技球の個数を決定するときに参照する」ことは、本願補正発明の「前記所定検知手段の検知に対して参照される」ことに相当する。
また、引用発明のebの「各入球部に遊技球が入球した場合に賞球として払い出される遊技球の個数である賞球数データ」は、本願補正発明の「前記遊技に対する遊技価値を付与するための処理に用いられる情報であって、前記所定検知手段の検知に対して参照される参照用情報」といえる。
したがって、引用発明のebの「賞球数データ」は、本願補正発明の「参照用情報」に相当し、引用発明のebの「賞球数データが記憶されている主側ROM63」は、本願補正発明の「第1参照用情報記憶手段」に相当する。
そして、引用発明のebの「主側MPU62は」、「主側ROM63」を備えることは、本願補正発明の「前記遊技価値付与手段は」、「第1参照用情報記憶手段」を備えることに相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項E、E1を備える。
(e2) 引用発明のecの「電源投入」、「各遊技回の遊技を進行させるタイマ割込み処理」は、本願補正発明の「当該遊技機への電力の所定の供給」の「開始」、「遊技価値の付与を制御する処理」に、それぞれ相当し、上記(e1)より、引用発明の「主側ROM63」、「賞球数データ」は、本願補正発明の「第1参照用情報記憶手段」、「参照用情報」に、それぞれ相当する。
そうすると、引用発明のecの「電源投入に伴い起動されるメイン処理において最初に実行される初期設定処理において」、「主側ROM63に記憶されている賞球数データを遊技履歴管理チップ300に送信し」、その後に、「各遊技回の遊技を進行させるタイマ割込み処理を定期的に実行する」「主側MPU62の主側CPU62x」は、本願補正発明の「当該遊技機への電力の所定の供給が開始された後であって遊技価値の付与を制御する処理の実行を開始する前に、前記第1参照用情報記憶手段に記憶されている前記参照用情報に対応した参照用情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第1送信手段」に相当し、引用発明の「主側MPU62」が「主側CPU62x」を備えることは、本願補正発明の「前記遊技価値付与手段」が「第1送信手段」を備えることに相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項E、E2を備える。
(e3) 引用発明のedの「各入球検知センサー44a~44hから受信している信号」は、本願補正発明の「前記所定検知手段による検知に基づいて取得された情報である入球情報」に相当する。
そして、引用発明のec、edの「各入球検知センサー44a~44hから受信している信号を読み込み、入球検知情報を遊技履歴管理チップ300に出力」する「主側MPU62の主側CPU62x」は、本願補正発明の「入球情報に基づく所定情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第2送信手段」に相当し、引用発明の「主側MPU62」が「主側CPU62x」を備えることは、本願補正発明の「前記遊技価値付与手段」が「第2送信手段」を備えることに相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項E、E3を備える。
(g1) 引用発明のecの「主側MPU62の主側CPU62x」が「送信し」、「遊技履歴管理チップ300」が「受信した」「賞球数データ」及び「賞球数データ記憶用メモリ306」は、それぞれ、本願補正発明の「前記遊技価値付与手段から送信された前記参照用情報信号に対応した参照用情報」及び「第2参照用情報記憶手段」に相当する。
引用発明のecの「当該賞球数データを受信した遊技履歴管理チップ300は、賞球数データを賞球数データ記憶用メモリ306に記憶」することは、本願補正発明の「前記処理実行手段は、前記遊技価値付与手段から送信された前記参照用情報信号に対応した参照用情報を記憶する第2参照用情報記憶手段」「を備え」ることに相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項G、G1を備える。
(g2) 上記(e3)で検討したように、引用発明のec、edの「主側MPU62の主側CPU62x」が「遊技履歴管理チップ300に出力」する「入球検知情報」は、本願補正発明の「前記第2送信手段から送信された前記所定情報信号」に相当する。そして、引用発明のg、gbの「遊技履歴管理チップ300」が備える「レジスタ304」が「記憶する」「各入球口への遊技球の入球個数」は、本願補正発明の「前記第2送信手段から送信された前記所定情報信号」に相当する「入球検知情報」に基づくものと認められる。
引用発明のg、gbの「遊技履歴管理チップ300」が備える「賞球数データ記憶用メモリ306」が「記憶する」「主側ROM63から取得した賞球数データ」は、上記(e1)で検討した引用発明のebの「賞球数データ」と同様に、本願補正発明の「参照用情報」に相当する。
また、上記(g)より、引用発明のgaの「各種の遊技履歴情報を算出する」ことは、本願補正発明の「所定の処理を実行する」ことに相当する。
そうすると、引用発明のg、gcの「各入球口への遊技球の入球個数と各入球口に設定された賞球数とに基づいて遊技履歴情報を算出するCPU308」を備える「遊技履歴管理チップ300」は、本願補正発明の「前記第2送信手段から送信された前記所定情報信号と、前記第2参照用情報記憶手段に記憶された前記参照用情報とに基づいて前記所定の処理を実行する実行手段」に相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項G、G2を備える。
(g3) 引用発明のgbの「算出された遊技履歴情報を記憶する演算結果記憶用メモリ309」は、本願補正発明の「該実行手段による前記所定の処理の処理結果に関する情報である処理結果情報を記憶する処理結果情報記憶手段」に相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項G、G3を備える。
(g4) 引用発明のgdの「遊技履歴情報に関連した情報を表示する」「7セグメント表示器」は、本願補正発明の「前記処理結果情報に基づいて」「制御」される「所定の表示手段」に相当する。
引用発明が「7セグメント表示器」を制御する手段を備えていることは自明であり、この手段は、本願補正発明の「前記処理結果情報に基づいて所定の表示手段を制御する表示制御手段」に相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項G、G4と、「前記処理結果情報に基づいて所定の表示手段を制御する表示制御手段と、を備え」る点で共通する。
(i) 上記(e)より、引用発明の「主制御装置60の主側MPU62」は、本願補正発明の「遊技価値付与手段」に相当する。
また、上記(g)より、引用発明の「遊技履歴管理チップ300」は、本願補正発明の「所定の処理を実行する処理実行手段」に相当する。
そして、引用発明の「主制御装置60」が「有」する「主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成される主側MPU62を備え」るものであり、引用発明の「主側MPU62」は、遊技履歴管理チップ300を備え、引用発明の「主側MPU62」が半導体チップに集積された回路であることは明らかであるから、このことは、本願補正発明の「前記遊技価値付与手段と、前記処理実行手段とは、」「半導体チップに集積された集積回路を用いて構成され」ることに相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Iと、「前記遊技価値付与手段と、前記処理実行手段とは、」「半導体チップに集積された集積回路を用いて構成され」る点で共通する。
(e5) 引用発明のecの「主側MPU62の主側CPU62xは、電源投入に伴い起動されるメイン処理において最初に実行される初期設定処理において、主側ROM63に記憶されている賞球数データを遊技履歴管理チップ300に送信し」、「主側MPU62が設定完了コマンドを受信していると判定した場合には、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行い、各遊技回の遊技を進行させるタイマ割込み処理を定期的に実行」することは、本願補正発明の特定事項E5と、「前記遊技価値付与手段は、前記第1送信手段により前記参照用情報信号を送信した後」、「遊技を進行させるための特定処理の実行を開始するものであ」る点で共通する。
(j) 引用発明の「パチンコ機10」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。
また、上記(e)より、引用発明の「主制御装置60の主側MPU62」は、本願補正発明の「遊技価値付与手段」に相当するから、引用発明のi、jの「主側MPU62を備え」、「遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板を有」する「主制御装置60」は、本願補正発明の「前記遊技価値付与手段を備えて遊技の主たる制御を行う主制御手段」に相当する。
そうすると、引用発明のi、jの「主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、各種コマンドに対応した処理や、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行」う「音声発光制御装置90」は、本願補正発明の「前記主制御手段からの命令に基づいて処理を実行する副制御手段」に相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Jと、「前記遊技機は、
前記遊技価値付与手段を備えて遊技の主たる制御を行う主制御手段と、
前記主制御手段からの命令に基づいて処理を実行する副制御手段と、を備え」る点で共通する。
(k) 引用発明の「パチンコ機10」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。
よって、引用発明は、本願補正発明の特定事項Kを備える。
以上のことから、本願補正発明と引用発明は、
「A 発射手段と、B 該発射手段によって発射された遊技球が流下する流下領域と、C 該流下領域の所定の領域を通過した遊技球を検知する複数の所定検知手段と、E 該複数の所定検知手段と電気的に接続され、遊技に対する遊技価値を付与するための処理を実行する遊技価値付与手段と、続きを表示(全23行)G 該遊技価値付与手段と電気的に接続され、所定の処理を実行する処理実行手段と、K を備える遊技機であって、E 前記遊技価値付与手段は、E1 前記遊技に対する遊技価値を付与するための処理に用いられる情報であって、前記所定検知手段の検知に対して参照される参照用情報を記憶する第1参照用情報記憶手段と、E2 当該遊技機への電力の所定の供給が開始された後であって遊技価値の付与を制御する処理の実行を開始する前に、前記第1参照用情報記憶手段に記憶されている前記参照用情報に対応した参照用情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第1送信手段と、E3 前記所定検知手段による検知に基づいて取得された情報である入球情報に基づく所定情報信号を前記処理実行手段に対して送信する第2送信手段と、を備え、G 前記処理実行手段は、G1 前記遊技価値付与手段から送信された前記参照用情報信号に対応した参照用情報を記憶する第2参照用情報記憶手段と、G2 前記第2送信手段から送信された前記所定情報信号と、前記第2参照用情報記憶手段に記憶された前記参照用情報とに基づいて前記所定の処理を実行する実行手段と、G3 該実行手段による前記所定の処理の処理結果に関する情報である処理結果情報を記憶する処理結果情報記憶手段と、を備え、G4’ 前記処理結果情報に基づいて所定の表示手段を制御する表示制御手段を備え、I’ 前記遊技価値付与手段と、前記処理実行手段とは、半導体チップに集積された集積回路を用いて構成され、E5’ 前記遊技価値付与手段は、前記第1送信手段により前記参照用情報信号を送信した後、遊技を進行させるための特定処理の実行を開始するものであり、J’ 前記遊技機は、前記遊技価値付与手段を備えて遊技の主たる制御を行う主制御手段と、前記主制御手段からの命令に基づいて処理を実行する副制御手段と、を備えるK 遊技機。」
の点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1](特定事項G、G4)
本願補正発明では、「処理実行手段」が「前記処理結果情報に基づいて所定の表示手段を制御する表示制御手段」を備えるのに対し、
引用発明では、いずれの構成が「7セグメント表示器」を制御する手段を備えるのか不明である点。
[相違点2](特定事項I)
「前記遊技価値付与手段」(主側MPU62)と、「前記処理実行手段」(遊技履歴管理チップ300)を「構成」するのに「用い」られる「半導体チップに集積された集積回路」が、
本願補正発明では、「それぞれ異なる」のに対して、
引用発明では、「それぞれ異なる」のか否か不明である点。
[相違点3](特定事項E、E5)
「遊技価値付与手段」(主側MPU62)は、「前記第1送信手段により前記参照用情報信号を送信した後」(主側ROM63に記憶されている賞球数データを送信した後)、
本願補正発明では、「該参照用情報信号に対応した参照用情報が前記第2参照用情報記憶手段に記憶されたか否かにかかわらず遊技を進行させるための特定処理の実行を開始するものであ」るのに対し、
引用発明では、「該参照用情報信号に対応した参照用情報が前記第2参照用情報記憶手段に記憶された場合」(賞球数データを賞球数データ記憶用メモリ306に記憶し、記憶が完了したことを示す設定完了コマンドを主側MPU62に送信し、主側MPU62が設定完了コマンドを受信していると判定した場合)に限り、「遊技を進行させるための特定処理の実行を開始する」(各遊技回の遊技を進行させるタイマ割込み処理を定期的に実行する)ものである点。
[相違点4](特定事項G、G5)
「第2参照用情報記憶手段」(賞球数データ記憶用メモリ306)が、
本願補正発明では、「電源が断された場合に」、「記憶していた前記参照用情報を失い得るものであ」るのに対して、
引用発明では、「電源が断された場合に」、「記憶していた前記参照用情報を失い得るものであ」るか否か不明である点。
[相違点5](特定事項J)
「処理実行手段」(遊技履歴管理チップ300)が、
本願補正発明では、(主制御手段からの命令に基づいて処理を実行する)「副制御手段に設けられ」るのに対して、
引用発明では、「副制御手段」(音声発光制御装置90等)ではなく、「主制御手段」(主制御装置60)に設けられる点。
(4) 判断
事案に鑑み、相違点5、3、1、2、4の順に検討する。
ア 相違点5について(特定事項J)
まず、相違点5について検討する。
(ア) 引用発明は、引用文献1において第13実施形態の態様20として記載された発明であるところ、上記(2-1)アから、引用文献1の【1912】には、第13実施形態の態様21について、「上記第13実施形態及び上記の他の態様において、音声発光制御装置90が遊技履歴情報を算出する構成としてもよい」こと、「具体的には、例えば、主制御装置60の主側CPU62xが初期設定処理において主側ROM63の賞球数データ記憶エリアに記憶されている賞球数データを含む信号を音声発光制御装置90に送信する構成とし、音声発光制御装置90は、取得した賞球数データと、主制御装置60から送信される遊技球の入球情報とに基づいて遊技履歴情報を算出し、当該算出した遊技履歴情報を図柄表示装置41に表示させる構成としてもよい」こと、【1917】には、「上記第13実施形態及び上記の態様1から態様24に含まれる1又は複数の構成を適宜差し替えたり組み合わせた構成を採用してもよい」ことが記載されている。
また、上記(2-2)から、引用文献2には、引用文献2記載事項として、「遊技機において、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)とは別の、払出制御装置200又は演出制御装置300が出玉率や役物比率を計算すること」が記載されている。
引用発明と引用文献2記載事項は、遊技機において、出玉率や役物比率を計算する点で構成が共通することから、引用発明において、引用文献2記載事項を適用し、出玉率や役物比率を計算することを含む「各種の遊技履歴情報を算出する」機能を、「遊技履歴管理チップ300」のかわりに、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)とは別の、「主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、各種コマンドに対応した処理や、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行」う「音声発光制御装置90」に持たせて、相違点5に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。
(イ) 上記(3)(g)で検討したように、引用発明の「遊技履歴管理チップ300」が本願補正発明の「処理実行手段」に相当するとともに、本願補正発明の「処理実行手段」に関連する特定事項については、上記(3)(e2)、(e3)、(g1)、(g2)、(g3)で検討したように、引用発明の「遊技履歴管理チップ300」が、
「該遊技価値付与手段と電気的に接続され、所定の処理を実行」し(特定事項G)、
「前記遊技価値付与手段」が(特定事項E)備える「第1送信手段」が「当該遊技機への電力の所定の供給が開始された後であって遊技価値の付与を制御する処理の実行を開始する前に、前記第1参照用情報記憶手段に記憶されている前記参照用情報に対応した参照用情報信号を」「送信」し(特定事項E2)、
「前記遊技価値付与手段」が(特定事項E)備える「第2送信手段」が「前記所定検知手段による検知に基づいて取得された情報である入球情報に基づく所定情報信号を前記処理実行手段に対して送信」し(特定事項E3)、
「前記遊技価値付与手段から送信された前記参照用情報信号に対応した参照用情報を記憶する第2参照用情報記憶手段と、前記第2送信手段から送信された前記所定情報信号と、前記第2参照用情報記憶手段に記憶された前記参照用情報とに基づいて前記所定の処理を実行する実行手段と、該実行手段による前記所定の処理の処理結果に関する情報である処理結果情報を記憶する処理結果情報記憶手段」「を備え」る(特定事項G、G1、G2、G3)
点で、本願補正発明と一致するところ、引用発明において、上記(ア)のように「遊技履歴管理チップ300」のかわりに「音声発光制御装置90」が「各種の遊技履歴情報を算出する」よう構成した場合においては、「遊技履歴管理チップ300」のかわりに「音声発光制御装置90」が、本願補正発明の「処理実行手段」に関連する各特定事項G、E2、E3、G1、G2、G3、Jを備える点で本願補正発明と一致し、新たな相違点は生じない。
イ 相違点3について(特定事項E、E5)
次に、相違点3について検討する。
(ア) 引用発明のg、gbによれば、「賞球数データ記憶用メモリ306」を備えるのは、「遊技履歴管理チップ300」であるが、上記ア(ア)で検討したように、「主側MPU62」が備える「遊技履歴管理チップ300」のかわりに、「音声発光制御装置90」が出玉率や役物比率を計算する場合には、「賞球数データ記憶用メモリ306」は、「主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する」ものであって、出玉率や役物比率の計算に必要な構成であるから、「音声発光制御装置90」が、「賞球数データ記憶用メモリ306」の「主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する」機能を有する手段(本願補正発明の「第2参照用情報記憶手段」に相当。)を備えるよう構成すべきことは自明である。
(イ) 引用発明のi、jより、「音声発光制御装置90は、主側MPU62の出力側には接続されているが、主側MPU62の入力側には接続されていない」ことから、「主制御装置60」と「音声発光制御装置90」は、「主制御装置60」から「音声発光制御装置90」にはコマンド等の信号を送信できるが、「音声発光制御装置90」から「主制御装置60」にはコマンド等の信号を送信できない、「主制御装置60」から「音声発光制御装置90」への一方向通信といえる。
(ウ) 上記(ア)のように、「音声発光制御装置90」が、「主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する」機能を有する手段を備えるよう構成する場合、引用発明のecの
「当該賞球数データを受信した遊技履歴管理チップ300は、賞球数データを賞球数データ記憶用メモリ306に記憶し、記憶が完了したことを示す設定完了コマンドを主側MPU62に送信し、主側MPU62が設定完了コマンドを受信していると判定した場合には、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行い、各遊技回の遊技を進行させるタイマ割込み処理を定期的に実行し、主側MPU62が設定完了コマンドを受信するまでは、タイマ割込み処理の発生を許可するための割込み許可の設定を行なわないものであり」
との構成を、仮に、
「当該賞球数データを受信した音声発光制御装置90は、賞球数データを「主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する」機能を有する手段に記憶し、記憶が完了したことを示す設定完了コマンドを主側MPU62に送信し、主側MPU62が設定完了コマンドを受信していると判定した場合には、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行い、各遊技回の遊技を進行させるタイマ割込み処理を定期的に実行し、主側MPU62が設定完了コマンドを受信するまでは、タイマ割込み処理の発生を許可するための割込み許可の設定を行なわないものであり」
との構成(以下「仮に置き換えた構成」という。)に置き換えると、「音声発光制御装置90」が「設定完了コマンドを主側MPU62に送信」することになるが、上記(イ)で検討したように、「音声発光制御装置90」から(主側MPU62を備える)「主制御装置60」にコマンド等の信号を送信できないことから、「音声発光制御装置90」が「記憶が完了したことを示す設定完了コマンドを主側MPU62に送信」することができず、このため、「主側MPU62が設定完了コマンドを受信していると判定」することもなく、「各遊技回の遊技を進行させるタイマ割込み処理」が行われることがないため、遊技を進行させることができない。
(エ) 上記の「仮に置き換えた構成」のうち、「当該賞球数データを受信した音声発光制御装置90は、賞球数データを「主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する」機能を有する手段に記憶」することは、出玉率や役物比率の計算に直接的に必要であり、「主側MPU62が」「タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行」うことは、主側MPU62が各遊技回の遊技を進行させるタイマ割込み処理を実行するために不可欠なものであり、遊技の進行に必要であるが、「音声発光制御装置90」が「設定完了コマンドを主側MPU62に送信」するとの構成、及び「主側MPU62」が「タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行」う契機を「主側MPU62が設定完了コマンドを受信していると判定した場合」とする構成は、「音声発光制御装置90が賞球数データを「主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する」機能を有する手段に記憶し、記憶が完了したこと」を主側MPU62が確認するためのものであり、この確認を行うことは、出玉率や役物比率の計算にも、遊技の進行にも、直接的に必要ではなく、任意付加的な構成であることは明らかである。
メイン基板とその他のサブ基板との間の信号の送受信については、メイン基板からサブ基板への一方向通信であり、メイン基板はサブ基板からのコマンドを受信せずに遊技の制御を行うことが技術常識であり、メイン基板はサブ基板の状況とは無関係にタイマ割込処理(タイマ割込の許可)を実行することが周知技術(以下「周知技術1」という。)であることを考慮して、「音声発光制御装置90」が「設定完了コマンドを主側MPU62に送信」せず、「主側MPU62」が「タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行」うのを「主側MPU62が設定完了コマンドを受信していると判定した場合」に限らないこととすれば、遊技を進行できることは明らかである。
(オ) 以上によれば、引用発明に引用文献2記載事項を適用した場合に、上記(ウ)で述べた「遊技を進行させることができない」という自明の不具合が生じないように、上記技術常識及び周知技術1を考慮し、相違点3に係る本願補正発明の構成「前記遊技価値付与手段(主制御装置60の主側MPU62)は、前記第1送信手段(主側MPU62の主側CPU62x)により前記参照用情報信号を送信した後、該参照用情報信号に対応した参照用情報(賞球数データ)が前記第2参照用情報記憶手段(「主側ROM63から取得した賞球数データを記憶する」機能を有する手段)に記憶されたか否かにかかわらず遊技を進行させるための特定処理(各遊技回の遊技を進行させるタイマ割込み処理)の実行を開始する」ことは、当業者が容易に想到できたことである。
(カ) また、「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則(昭和六十年国家公安委員会規則第四号)」において、
「別表第3 不正な改造その他の変更を防止するための遊技機の構造に係る技術上の規格(第6条関係)(1) 基板に関する規格イ 主基板に関する規格は、次のとおりとする。…(ホ) 周辺基板が送信する信号を受信することができるものでないこと。」
ことが定められている。
引用発明に引用文献2記載事項を適用した場合に、上記(エ)(オ)で検討したように構成することで、上記規則にも合致するものとなることは明らかであり、上記規則の観点からも、上記(エ)(オ)で検討したように構成し、相違点3に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。
ウ 相違点1について(特定事項G、G4)
次に、相違点1について検討する。引用発明に引用文献2記載事項を適用した場合には、引用発明の構成gdの「7セグメント表示器」には、「音声発光制御装置90」が計算する「遊技履歴情報」に関連した情報が表示される。
「7セグメント表示器」を制御する手段を、その表示内容の基礎となる「遊技履歴情報」の計算を行う「音声発光制御装置90」に設けることとし、相違点1に係る本願補正発明の構成とすることが自然であり、そのように構成することに何の困難もない。
エ 相違点2について(特定事項I)
次に、相違点2について検討する。上記アで検討したように、引用発明に引用文献2記載事項を適用した場合に、「音声発光制御装置90」が本願補正発明の「処理実行手段」に相当することとなる。
そして、上記(3)(e)より、引用発明の「主制御装置60の主側MPU62」は、本願発明の「遊技価値付与手段」に相当する。
ここで、遊技機の技術分野において、遊技の主たる制御を司るメイン基板と、各種演出装置等の制御を司るサブ基板とが、別々の板体として構成されることは例を挙げるまでもなく周知技術であるから、メイン基板とサブ基板とを、それぞれ異なる半導体チップに集積された集積回路を用いて構成することも自ずと周知技術(以下「周知技術2」という。)であるといえる。
上記周知技術2を考慮すると、引用発明の「主側MPU62を備え」る「遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御基板(上記「メイン基板」に相当。)」と、「音声発光制御装置90に設けられ」「スピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行」う「音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91(上記「サブ基板」に相当。)」とを、それぞれ異なる半導体チップに集積された集積回路を用いて構成することにより、「主制御基板61」が備える「主側MPU62」(前記遊技価値付与手段)と、「音声発光制御基板91」が設けられた「音声発光制御装置90」(前記処理実行手段)とを、異なる半導体チップに集積された集積回路を用いて構成することとして、上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
オ 相違点4について(特定事項G、G5)
引用発明のgbより、引用発明の「遊技履歴管理チップ300」に備えられた各種記憶手段のうち、「レジスタ304」及び「演算結果記憶用メモリ309」については、「電源の供給が絶たれても記憶を保持することが可能な不揮発性」の「レジスタ」及び「メモリ」によって構成されている。
しかしながら、「賞球数データ記憶用メモリ306」については、不揮発性のメモリであることが明記されておらず、揮発性のメモリであること、すなわち、電源の供給が絶たれると記憶を保持することが不可能なメモリであることを排除するものではない。
引用発明に引用文献2記載事項を適用した場合の、「賞球数データ記憶用メモリ306」の機能を備える手段を備える「音声発光制御装置90」においても同様である。
よって、引用発明に引用文献2記載事項を適用した場合の「音声発光制御装置90」における「賞球数データ記憶用メモリ306」の機能を備える手段(本願発明の「第2参照用情報記憶手段」に相当。)を、揮発性のメモリ(「電源が断された場合に」、「記憶していた前記参照用情報を失い得るもの」)により構成して、上記相違点4に係る本願発明の構成とすることは、発明の実施にあたって当業者が適宜選択しうる設計的事項にすぎない。
以上のことから、本願補正発明は、引用発明、引用文献2記載事項、周知技術1、周知技術2及び技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
カ 本件補正発明の奏する効果について
本件補正発明の奏する効果は、引用発明、引用文献2記載事項、技術常識、周知技術1及び周知技術2の奏する効果から、当業者が予測することができた程度のものである。
(5) 請求人の主張について
請求人は、令和4年9月6日提出の審判請求書の3.(4)において、以下を主張する。
「本願発明は、「前記遊技価値付与手段は、前記第1送信手段により前記参照用情報信号を送信した後、該参照用情報信号に対応した参照用情報が前記第2参照用情報記憶手段に記憶されたか否かにかかわらず遊技を進行させるための特定処理の実行を開始するものであり」という特徴的構成を有しています。これにより、仮に何らかのエラーによって、参照用情報の第2参照用情報記憶手段への記憶完了が確認できなかったとしても、遊技価値付与手段は、遊技において最も重要な遊技の実行を進行できるという格別な効果があります。これに対し、引用文献1では、設定完了コマンドの受信を待ってから、遊技の進行が開始されるため、何らかのエラーによって、賞球数データの賞球数データ記憶用メモリ306への記憶の完了が確認できなかった場合、遊技が開始できません。また、引用文献2には、上記したことが記載されているだけであり、本願発明の特徴的構成について記載も示唆もありません。よって、引用文献1-2に記載される発明に基づいて、当業者が本願発明を容易に想到することはできません。」
請求人の上記主張について検討する。本願補正発明の
「前記遊技価値付与手段は、前記第1送信手段により前記参照用情報信号を送信した後、該参照用情報信号に対応した参照用情報が前記第2参照用情報記憶手段に記憶されたか否かにかかわらず遊技を進行させるための特定処理の実行を開始するものであり」
との特定事項E5の構成により、参照用情報の第2参照用情報記憶手段への記憶完了が確認できなかったとしても、遊技価値付与手段は、遊技の実行を進行できることは、自明の効果であって、当業者が予測し得ない格別の効果とはいえない。
そして、引用発明に引用文献2記載事項を適用した場合に、上記(4)イ(エ)(オ)で検討したように、上記技術常識及び周知技術1を考慮し、相違点3に係る本願補正発明の特定事項E5の構成とすることは、当業者が容易に想到できたことであり、上記(4)イ(カ)で検討したように、「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則(昭和六十年国家公安委員会規則第四号)」の観点からも、相違点3に係る本願補正発明の特定事項E5の構成とすることは、当業者が容易に想到できたことである。
したがって、上記主張は採用することができない。
(6) 補正の却下についてのむすび
以上のとおり、本願補正発明は、引用発明、周知技術1、周知技術2、技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反してなされたものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という)は、上記第2の1に示した(本件補正前の請求項1)に記載された事項により特定されるとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、次の理由を含むものである。
(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開2017-164457号公報
2.特開2017-148359号公報
3 引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1に記載された発明は、上記第2の2-2(2-1)ウにおいて「引用発明」として認定したとおりであり、原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2に記載された事項は、上記第2の2-2(2-2)において、「引用文献2記載事項」として認定したとおりである。
4 対比・判断
上記第2の2-1でみたように、本願発明は、上記第2の2-2で独立特許要件を検討した本願補正発明のうち、特定事項E5を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに特定事項E5を加えたものである本願補正発明が、上記第2の2-2(4)に検討したとおり、引用発明、引用文献2記載事項、周知技術1、周知技術2、技術常識に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであることから、技術常識及び周知技術1に基いて当業者が容易になし得たことと認められる特定事項E5を削除した本願発明も、同様の理由により、引用発明、引用文献2記載事項及び周知技術2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用文献2記載事項及び周知技術2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-013959