2022-013808
ラベル投入装置
- 審判番号
- 2022-013808
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-096892外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年09月03日
- 審決日
- 2023年11月21日
- 公報発行日
- 2024年09月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ナベル
- 分類
- P18 .121-WZ (B65B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 10項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成30年5月21日に出願され、その手続の経緯は、以下のとおりである。
第2 本願発明
令和4年3月21日(受付日)の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1には、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】卵パックの2列に並んだ卵の間に形成されたラベル配置領域に沿って搬送される卵パックに長方形状のラベルを一枚ずつ投入するラベル投入装置であって、立たせたラベルの下縁の長辺を前記ラベル配置領域に沿わせ、前記ラベルを長辺に沿った方向へ放出する放出機構を備えたラベル投入装置。」
(以下、請求項1に係る発明を「本件発明1」という。)
第3 当審の拒絶理由通知書の概要
当審の拒絶の理由である、令和5年6月23日付け拒絶理由通知の理由の概要は、以下のとおりである。
本願請求項1、2に係る発明は、以下の引用文献1、2に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献一覧>
1.実願昭51-130681号(実開昭53-50766号)のマイクロフィルム
2.特開2004-10102号公報
第4 当審の判断
1 引用文献1、2に記載された事項、引用発明
(1)引用文献1
ア 引用文献1には、次の事項が記載されている。
「2.実用新案登録請求の範囲(1) 水平に対し傾斜した状態でラベルを保持し、かつその状態でラベルの保持を解除するラベル保持手段を備えたラベル挿入装置。(2) ラベルを保持する手段が、ラベルを挾持する上下互に接するベルトであって、ラベル挾持方向が水平から傾斜方向へとねじれている実用新案登録請求の範囲第1項記載のラベル挿入装置。」
「 次に実施例図によって本考案を詳述する。第1図で1はラベルを積重ねて収容するラベルカートリッジで、2は上記ラベルを下から一枚ずつ引出すためのゴム等で造られたフリクションローラである。3,4はそれぞれ引出されたラベルをコンベアll上に運ぶための上,下のラベル輸送用ベルトで、ラベルを挾むように互に接しており、上ベルト3はプーリ6,7,8間に、下ベルト4はプーリ9,10間に張られている。ここでプーリ6,9および7,10の関係は第3図(a)に示すように6,9の場所では上下のプーリは正しく垂直方向上下に配置されているが、7,10の場所では第3図(b)に示すようにプーリ10がプーリ9の位置に対する正規の位置に比べてプーリ自身の幅より稍大き目に右方向(矢印で示すコンベア11の移送方向に対して反対方向)に、距離d1だけずれており、更に稍上方に、距離d2だけ移動した位置にある。このため第2図に示すようにベルト4は稍ねじれてプーリ6,9の位置では上下ベルトが正しく接していたのが、プーリ7,10の位置では下のベルト4が上のベルト3からずれて3より稍上方に来るので、ラベルカートリッジ1から引出されたラベルLはプーリ6,9の位置ではx方向に関しては水平に挾まれて移動させられるが、7,10の位置に近づくにつれてラベルはL2で示すようにx方向において斜めに傾くようになっている。このような構成になっており、パック5は、コンベアベルト11に載置されてラベル挿入装置下方に輸送され、その輸送タイミングに合わせてカートリッジから水平に取出されたラベルは上記偏位置にあるプーリ10の作用で斜めに傾き、その儘の状態で上下ベルト3,4の挟持から離脱してコンベア11に対し斜め前方に落下し、第4図に示すように充填された鶏卵パック上の所定箇所に確実に供給できることになり、ベルト3,4を極度に下の移送物品(卵)に近接させて架設する必要がない。」(明細書第3ページ第5行~第5ページ第2行)
「第1図[図:0001413711000001.jpg]」
「第2図[図:0001413711000002.jpg]」
「第3図[図:0001413711000003.jpg]」
「第4図[図:0001413711000004.jpg]」
第2図及び第4図から、ラベルLが長方形状であることが看取される。
第1図~第4図、特に、第3図(b)の最下部の矢印がコンベア11の移送方向を示していることから、コンベア11上のパック5は、パック5の卵収容部の短手方向に沿って搬送されることが看取される。
第1図から、上ベルト3はプーリ6とプーリ8の間に張られ、プーリ6とプーリ8の間にプーリ7が配置されており、下ベルト4はプーリ9とプーリ10の間に張られていることが看取される。
また、第1図及び第3図から、プーリ7とプーリ8との間のベルトの下方には、下ベルト4が存在しないことが看取される。
第4図から、ラベルLの長辺が下となるように、コンベア11で搬送されるパック5に配置されることが看取される。
イ 引用文献1に記載された発明
上記(1)アの記載を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「コンベア11上のパック5は、パック5の卵収容部の短手方向に沿って搬送され、上、下のラベル輸送用ベルト3、4は、水平に対して傾斜した状態で長方形状のラベルLを保持し、かつその状態でラベルLの保持を解除するものであり、ラベルLを挾むように互に接しており、上ベルト3はプーリ6とプーリ8の間に張られ、プーリ6とプーリ8の間にプーリ7が配置され、下ベルト4はプーリ9とプーリ10の間に張られており、プーリ7とプーリ8との間のベルトの下方には、下ベルト4が存在せず、プーリ6、9の場所では上下のプーリは正しく垂直方向上下に配置されているが、プーリ7、10の場所ではプーリ10がプーリ9の位置に対する正規の位置に比べてプーリ自身の幅よりやや大き目に右方向に、距離d1だけずれており、更にやや上方に、距離d2だけ移動した位置にあり、このためベルト4はややねじれてプーリ6、9の位置では上下ベルトが正しく接していたのが、プーリ7、10の位置では下のベルト4が上のベルト3からずれて3よりやや上方に来るので、ラベルLはプーリ6、9の位置では水平に挟まれて移動させられるが、プーリ7、10の位置に近づくにつれて斜めに傾き、ラベル輸送用ベルト3、4の挟持から離脱してコンベア11に対し斜め前方に落下し、パック5の2列に並んだ卵の間の領域に確実に供給され、ラベルLの長辺が下となるように、コンベア11で搬送されるパック5に配置される、ラベル挿入装置。」
(2)引用文献2
ア 引用文献2には、次の事項が記載されている。
「【0026】<ラベル投入装置>次にラベル投入装置の構成について説明する。図2は、ラベル投入装置の側面図、図3は平面図、図4は背面図、図5は正面図である。図2に最も分かりやすく示すように、ラベル投入装置は、ラベル収容部Aと、ラベル供給部Bと、ラベル投入部Cとを有する。以下、各部について説明する。」
「【0032】次にラベル投入部Cについて説明する。ラベル投入部Cは、取り出しローラ39により取り出された1枚のラベルLを一時的に収容しておく空間及びラベルをパックに投入する投入通路が形成されている。また、投入通路を開閉する機構が設けられている。【0033】まず、第1ガイド板40と第2ガイド板41(これらはガイド機構に相当)とを備えている。第2ガイド板41は固定されているが、第1ガイド板40は開閉可能に駆動される。第1ガイド板40は、回動軸40a回りに回転可能に構成されている(図5参照)。この第1ガイド板40と第2ガイド板41により、略V字状の空間が形成される。第1ガイド板40を駆動するロータリソレノイド44が設けられ、このロータリソレノイド44に駆動レバー43が結合される。駆動レバー43は、回転中心43bを中心として回転可能である。また、駆動レバー43の先端部にはU字溝43aが形成され、駆動ピン42が嵌合される。この駆動ピン42は、第1ガイド板40に対して、一体結合されている。【0034】ロータリソレノイド44を駆動することにより、駆動レバー43が図2の時計方向に所定量だけ回転される。これにより、図6に示すように、第1ガイド板40が開く方向に駆動され、投入通路が開放されるので、ラベルLをパック内に投入することができる。【0035】さらに、ラベルセンサー45(ラベル検出手段に相当)が設けられており、ラベルLの有無を検出する。ラベルがなくなったことが検出されると、取り出しローラ39を駆動して、次のラベルを投入する。図2において、鶏卵Eが収容されたパックPは、右から左へと搬送される(左から右でも良い)。パックPが到達したことを不図示のセンサーにより検出すると、ロータリソレノイド44を作動させて、ラベルLを投入するように作動する。図例のパックPは、2×5=10個入りのパックであり、鶏卵Eと鶏卵Eの間の空間にラベルLが投入される。【0036】そのほかの構成として、フレーム板46には、取り付け用溝46a,46bが2箇所形成されている。ラベル投入装置を取り付けるためには、第1取り付けバー23と第2取り付けバー24(図2参照)を上記の取り付け用溝46a,46bにそれぞれ嵌め込めばよい。ラベル投入装置を第2取り付けバー24に確実に固定するために、嵌合したあとに固定板47により固定する。かかる取り付け構造にすることで、ラベル投入装置の取り付け取り外しを容易にすることができる。また、ラベル投入装置の各部の制御を行う制御機構が設けられている。」
「【0039】<ラベル投入装置の配置構成例>図8は、ラベル投入装置の配置構成例を示す図である。図6の例では、パックPは図の右から左へと搬送されているが、図8の例では、図6の紙面に直交する方向に対応する方向に搬送されている。【0040】図8において、コンベア21の搬送経路に沿って、複数の(図では3つの)ラベル投入装置22が並べて配置されている。各ラベル投入装置22には、異なる種類のラベルがそれぞれ収容されている。どのパックにどのラベル投入装置22のラベルを投入させるかは、制御装置15(図1参照)からの指令に基づき制御される。【0041】コンベア21の搬送経路に平行に第1・第2取り付けバー23,24が設けられている。これら取り付けバー23,24に対して、ラベル投入装置22が固定されている(固定方法は図2参照)。ラベル投入装置22にパックPが送り込まれる手前に発光部25aと受光部25bとからなる光センサーが設けられている。この光センサーでパックPの到達を検出してからの搬送距離を求めることで、そのパックPがどのラベル投入装置22のところに到達したかを検出することができる。搬送距離は、コンベア21に連動したエンコーダからの出力パルス信号に基づいて演算可能である。」
「【図2】[図:0001413711000005.jpg]」
「【図6】[図:0001413711000006.jpg]」
「【図8】[図:0001413711000007.jpg]」
段落【0039】の「図6の例では、パックPは図の右から左へと搬送されているが、図8の例では、図6の紙面に直交する方向に対応する方向に搬送されている。」は、パックPの卵収容部の短手方向、あるいは、長手方向に沿って搬送されることを意味する。
イ 引用文献2に記載された技術的事項
上記(2)アの記載を総合すると、引用文献2には、次の技術的事項が記載されていると認められる(以下「引用文献2に記載された技術的事項」という。)。
「ラベル投入装置は、ラベル収容部Aと、ラベル供給部Bと、ラベル投入部Cとを有し、ラベル投入部Cは、取り出しローラ39により取り出された1枚のラベルLを一時的に収容しておく空間及びラベルをパックPに投入する投入通路が形成されており、立たせたラベルの下縁の長辺をパックPの鶏卵Eと鶏卵Eの間の空間に沿わせ、パックPの鶏卵Eと鶏卵Eの間の空間に長方形状のラベルを一枚ずつ立たせて下方向へ投入し、パックPは、パックPの卵収容部の短手方向、あるいは、長手方向に沿って搬送される、ラベル投入装置。」
2 対比
(1)本件発明1と引用発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
ア 引用発明における「パック5」は、本件発明1における「卵パック」に相当する。
引用発明における「長方形状の」「ラベルL」は、本件発明1における「長方形状の」「ラベル」に相当する。
イ 引用発明における「パック5の2列に並んだ卵の間の領域」は、本件発明1における「卵パックの2列に並んだ卵の間に形成されたラベル配置領域」に相当する。
そうすると、引用発明の「コンベア11上のパック5は、パック5の卵収容部の短手方向に沿って搬送され」、「ラベルL」を「ラベル輸送用ベルト3、4の挟持から離脱してコンベア11に対し斜め前方に落下し、パック5の2列に並んだ卵の間の領域に確実に供給」する「ラベル挿入装置」と、本件発明1における「卵パックの2列に並んだ卵の間に形成されたラベル配置領域に沿って搬送される卵パックに長方形状のラベルを一枚ずつ投入するラベル投入装置」とは、「卵パックの2列に並んだ卵の間に形成されたラベル配置領域に長方形状のラベルを一枚ずつ配置する装置」という点に限り一致する。
ウ 引用発明における「ラベルLはプーリ6、9の位置では水平に挟まれて移動させられるが、プーリ7、10の位置に近づくにつれて斜めに傾」くことは、本件発明1における「ラベル」を「立たせ」ることに相当する。
また、引用発明のラベルLが「パック5の2列に並んだ卵の間の領域に確実に供給され、ラベルLの長辺が下となるように、コンベア11で搬送されるパック5に配置され」ることは、本件発明1の「ラベルの下縁の長辺を前記ラベル配置領域に沿わせ」ることに相当する。
よって、引用発明の「ラベルLはプーリ6、9の位置では水平に挟まれて移動させられるが、プーリ7、10の位置に近づくにつれて斜めに傾き、」「パック5の2列に並んだ卵の間の領域に確実に供給され、ラベルLの長辺が下となるように、コンベア11で搬送されるパック5に配置され」ることは、本件発明1の「立たせたラベルの下縁の長辺を前記ラベル配置領域に沿わせ」ることに相当する。
エ 引用発明の「上ベルト3はプーリ6とプーリ8の間に張られ、プーリ6とプーリ8の間にプーリ7が配置され、下ベルト4はプーリ9とプーリ10の間に張られており、プーリ7とプーリ8との間のベルトの下方には、下ベルト4が存在せず、
プーリ6、9の場所では上下のプーリは正しく垂直方向上下に配置されているが、プーリ7、10の場所ではプーリ10がプーリ9の位置に対する正規の位置に比べてプーリ自身の幅よりやや大き目に右方向に、距離d1だけずれており、更にやや上方に、距離d2だけ移動した位置にあり、このためベルト4はややねじれてプーリ6、9の位置では上下ベルトが正しく接していたのが、プーリ7、10の位置では下のベルト4が上のベルト3からずれて3よりやや上方に来るので、ラベルLはプーリ6、9の位置では水平に挟まれて移動させられるが、プーリ7、10の位置に近づくにつれて斜めに傾き、ラベル輸送用ベルト3、4の挟持から離脱してコンベア11に対し斜め前方に落下し、パック5の2列に並んだ卵の間の領域に確実に供給され、ラベルLの長辺が下となるように、コンベア11で搬送されるパック5に配置される」ことと、本件発明1の「立たせたラベルの下縁の長辺を前記ラベル配置領域に沿わせ、前記ラベルを長辺に沿った方向へ放出する放出機構を備え」ることとは、「立たせたラベルの下縁の長辺をラベル配置領域に沿わせ、ラベルを送り出す機構を備えた」という点に限り一致する。
(2)以上より、本件発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
[一致点]
「卵パックの2列に並んだ卵の間に形成されたラベル配置領域に長方形状のラベルを一枚ずつ配置する装置であって、立たせたラベルの下縁の長辺をラベル配置領域に沿わせ、ラベルを送り出す機構を備えたラベルを一枚ずつ配置する装置。」
[相違点1]
「卵パックの2列に並んだ卵の間に形成されたラベル配置領域に長方形状のラベルを一枚ずつ配置する装置」に関し、
本件発明1は、「卵パックの2列に並んだ卵の間に形成されたラベル配置領域に沿って搬送される卵パックに長方形状のラベルを一枚ずつ投入するラベル投入装置」であるのに対し、
引用発明は「コンベア11上のパック5は、パック5の卵収容部の短手方向に沿って搬送され」、「ラベルL」を「ラベル輸送用ベルト3、4の挟持から離脱してコンベア11に対し斜め前方に落下し、パック5の2列に並んだ卵の間の領域に確実に供給」する「ラベル挿入装置」である点。
[相違点2]
「立たせたラベルの下縁の長辺をラベル配置領域に沿わせ、ラベルを送り出す機構」に関し、
本件発明1は、「立たせたラベルの下縁の長辺を前記ラベル配置領域に沿わせ、前記ラベルを長辺に沿った方向へ放出する放出機構を備え」るものであるのに対し、
引用発明は、「上ベルト3はプーリ6とプーリ8の間に張られ、プーリ6とプーリ8の間にプーリ7が配置され、下ベルト4はプーリ9とプーリ10の間に張られており、プーリ7とプーリ8との間のベルトの下方には、下ベルト4が存在せず、プーリ6、9の場所では上下のプーリは正しく垂直方向上下に配置されているが、プーリ7、10の場所ではプーリ10がプーリ9の位置に対する正規の位置に比べてプーリ自身の幅よりやや大き目に右方向に、距離d1だけずれており、更にやや上方に、距離d2だけ移動した位置にあり、このためベルト4はややねじれてプーリ6、9の位置では上下ベルトが正しく接していたのが、プーリ7、10の位置では下のベルト4が上のベルト3からずれて3よりやや上方に来るので、ラベルLはプーリ6、9の位置では水平に挟まれて移動させられるが、プーリ7、10の位置に近づくにつれて斜めに傾き、ラベル輸送用ベルト3、4の挟持から離脱してコンベア11に対し斜め前方に落下し、パック5の2列に並んだ卵の間の領域に確実に供給され、ラベルLの長辺が下となるように、コンベア11で搬送されるパック5に配置される」点。
3 判断
(1)相違点1について
上記相違点1について検討する。
引用発明における、「ラベルL」を「ラベル輸送用ベルト3、4の挟持から離脱してコンベア11に対し斜め前方に落下し、パック5の2列に並んだ卵の間の領域に確実に供給」する「ラベル挿入装置」は、ラベルLをコンベア11上のパック5から離れた位置よりラベル配置領域に一枚ずつ供給する装置であるから、これは、「ラベルを一枚ずつ投入するラベル投入装置」であるともいえる。
また、引用文献2に記載された技術的事項における、「パックP」は、本件発明1における「卵パック」に相当する。また、引用文献2に記載された技術的事項における、「パックPの卵収容部の」「長手方向に沿って搬送される」ことは、本件発明1における「ラベル配置領域に沿って搬送される」ことと同じ方向である。
そして、引用文献1と引用文献2は、ラベルを配置する装置という共通の技術分野に属するものであり、卵パックの2列に並んだ卵の間に形成されたラベル配置領域に長方形のラベルを長辺を下縁にして配置するという共通の作用機能を有している。
そうすると、引用発明において、パックの搬送方向を引用文献2に記載された技術的事項のようにラベル配置領域に沿った方向に搬送されるようにして、上記相違点1に係る構成を備えるようにすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
(2)相違点2について
上記相違点2について検討する。
引用発明のラベル挿入装置の上ベルト3及び下ベルト4の構成によれば、上ベルト3と下ベルト4で搬送されるラベルLは、保持を解除された後も、上ベルト3と接してベルトの駆動方向に押し出されるようになるから、ラベル輸送用ベルト3、4によるラベルLの保持が解除されたとき、ラベルLの移動方向は、ラベル輸送用ベルト3、4がラベルLを搬送していたときの速度の慣性によるラベル輸送用ベルト3、4に沿った方向であることは、当業者に自明である。
引用発明において、ラベル輸送用ベルト3、4に沿った方向は、ラベルの長辺に沿った方向であるから、ラベル輸送用ベルト3、4の挟持から離脱する際のラベルの移動方向には「長辺に沿った方向」の速度成分を備えるものであり、「長辺に沿った方向へ放出する」ことを意味するから、上記相違点2に係る構成は実質的なものではない。
(3)効果について
本願明細書の【0008】には、発明の効果として、「卵パックのラベル配置領域に確実にラベルを投入可能なラベル投入装置を提供できる」と記載されている。しかしながら、本件発明1の効果は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて当業者が予測し得たものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
(4)まとめ
よって、本件発明1は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-013808