審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2022-013543

遊技機

審判番号
2022-013543
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-208698外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年08月29日
審決日
2023年06月06日
公報発行日
2023年08月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-208698「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 5月27日出願公開、特開2021- 78730〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、令和1年11月19日の出願であって、令和3年11月22日付けで拒絶の理由が通知され、令和4年1月31日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年5月18日付け(送達日:同月31日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年8月29日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 令和4年8月29日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

本件補正を却下する。

[理由]

1 本件補正について

本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、

(補正前:令和4年1月31日に提出された手続補正書でした手続補正)

「【請求項1】
遊技者が操作可能な操作部を備えた遊技機において、
演出を実行可能な演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、
続きを表示(全13行)
前記操作部は、第1操作部と、第2操作部と、第3操作部と、が含まれる複数の操作部で構成されており、
前記演出実行手段は、前記操作部の操作に基づいた結果に応じた態様で前記演出を実行することが可能であり、
前記第1操作部の操作が行われたときには、前記第1操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で前記演出が実行されるようになっており、
前記第2操作部の操作が行われたときには、前記第2操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で前記演出が実行されるようになっており、
前記第3操作部の操作が行われたときには、前記第3操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で前記演出が実行されないようになっており、
前記第1操作部の操作に基づいた結果に応じて実行される前記演出の態様と、前記第2操作部の操作に基づいた結果に応じて実行される前記演出の態様と、が同一となり得ることがあり、
前記演出の態様を切り替える契機には、変動ゲームが実行されているときに前記第1操作部又は前記第2操作部が操作されることがあり、
実行中の変動ゲームで前記契機が生じたときに前記演出の態様が切り替わるタイミングには、前記実行中の変動ゲームの次の変動ゲームの開始時があり、
前記第1操作部又は前記第2操作部が操作されてから次の変動ゲームが開始するまでの間は、切り替わる演出の態様が何れの演出の態様であるかを報知する演出画像が表示されることを特徴とする遊技機。」から、

(補正後:令和4年8月29日に提出された手続補正書でした手続補正)

「【請求項1】
A 遊技者が操作可能な操作部を備えた遊技機において、
B 演出を実行可能な演出実行手段と、
C 前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、
続きを表示(全15行)
A1 前記操作部は、第1操作部と、第2操作部と、第3操作部と、が含まれる複数の操作部で構成されており、
C1 前記演出実行手段は、前記操作部の操作に基づいた結果に応じた態様で前記演出を実行することが可能であり、
A3 前記第1操作部の操作が行われたときには、前記第1操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で前記演出が実行されるようになっており、
A4 前記第2操作部の操作が行われたときには、前記第2操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で前記演出が実行されるようになっており、
A5 前記第3操作部の操作が行われたときには、前記第1操作部及び前記第2操作部の操作が行われたときのように前記演出の態様が替わらず、前記第3操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で前記演出が実行されないようになっており、
A6 前記第3操作部の操作が行われたときには、前記遊技機が備えるスピーカの音量又は前記遊技機が備える装飾ランプの光量が変更されるようになっており、
A9 前記第1操作部の操作に基づいた結果に応じて実行される前記演出の態様と、前記第2操作部の操作に基づいた結果に応じて実行される前記演出の態様と、が同一となり得ることがあり、
C2 前記演出の態様を切り替える契機には、変動ゲームが実行されているときに前記第1操作部又は前記第2操作部が操作されることがあり、
C3 実行中の変動ゲームで前記契機が生じたときに前記演出の態様が切り替わるタイミングには、前記実行中の変動ゲームの次の変動ゲームの開始時があり、
C4 前記第1操作部又は前記第2操作部が操作されてから次の変動ゲームが開始するまでの間は、切り替わる演出の態様が何れの演出の態様であるかを報知する演出画像が表示される
A ことを特徴とする遊技機。」へと補正された(なお、符号A等は分説のため合議体が付し、分説されたそれぞれの発明を特定するために必要な事項を、以下「特定事項A」等という。また、便宜上、符号A2、A7、A8は用いていない。)。

2 補正の適否

(1)本件補正

本件補正による特許請求の範囲の請求項1についての補正は、発明を特定するために必要な事項である「第3操作部の操作が行われたときに」実行される演出について、「前記第1操作部及び前記第2操作部の操作が行われたときのように前記演出の態様が替わらず、」という限定を加えるとともに、発明を特定するために必要な事項である「第3操作部の操作が行われたときに」生じる操作の結果について、「前記第3操作部の操作が行われたときには、前記遊技機が備えるスピーカの音量又は前記遊技機が備える装飾ランプの光量が変更されるようになっており、」という限定を加えるものである。

(2)補正目的

本件補正のうち、上記(1)の補正は、補正前の発明特定事項に限定を加えるものであって、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。

(3)新規事項

本件補正は、願書に最初に添付した明細書の【0011】、【0012】、【0074】、【0115】、【0125】、【0126】の記載からみて新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

3 本件補正発明の独立特許要件についての検討

上記2(2)のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正であるから、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(1)本件補正発明

本件補正発明は、本件補正により補正された前記1に「補正後」として示したとおりのものである。

(2)引用文献1に記載された発明

原査定の拒絶理由において引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2018-99426号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は合議体が付した。以下同様。)。

ア 記載事項

折りたたみ中(クリックで表示)
(ア)「【技術分野】
【0001】
遊技球が発射される遊技領域を備えた弾球遊技機に関する。
・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような構成を採用する遊技機は、従来機種として既に多数存在しているため、従来機種との差別化を図るために、遊技性のさらなる向上が求められている。
【0005】
本願発明は上記課題に鑑みたもので、遊技性のさらなる向上を図ることのできる遊技機を提供することを目的とする」
(イ)「【0011】
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機100は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機100の遊技機枠は、外枠101、前枠102、透明板103、扉104、上球皿105、下球皿106、発射ハンドル107、スピーカー108、演出ボタン109、十字キー110、装飾ランプ111を含む。・・・
・・・
【0013】
続きを表示(全11行)
遊技盤80は、レール82により区画された遊技領域81上に、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口20、第1作動口31、第2作動口32、一般入賞口33、アウト口34、演出表示装置60、センター飾り64を含む。・・・
・・・
【0030】
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、その押下態様に応じて演出内容等に変化が加えられる。演出ボタン109は、上球皿105近傍の外壁面に設けられる。十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり、上球皿105の左方の外壁面に設けられる。
・・・
【0045】
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ150は、ぱちんこ遊技機100の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板200は、ぱちんこ遊技機100の全体動作を制御し、とくに第1始動口11、第2始動口12へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板300は、液晶ユニット151を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板200による判定結果に応じて演出的な表示内容を変動させる。」
(ウ)「【0210】
(実施例)
以下、本実施例の特徴的な構成について説明する。本実施例のぱちんこ遊技機は、通常遊技中の演出態様として、図柄変動に応じた演出が表示される第1演出モードと、図柄変動によらずに物語性を有する映像が継続して表示される第2演出モードとが用意される。第1演出モードは、上述の前提技術にて説明したような変動演出が実行されるモードであり、図柄変動の表示過程に応じたリーチ演出や予告演出などが実行される。第1演出モードでは、図柄の変動時間に応じた演出を楽しみながら通常遊技を進める。一方、第2演出モードでは、図柄変動よりも相対的に長い時間にわたる映像が図柄変動と並行して表示される。第2演出モードに用いる映像として、物語性を有する10分前後の映像が複数用意され、一つの映像の再生が終了すると次の映像の再生が開始される。第2演出モードでは、あらかじめ用意される映像を順次視聴しながら通常遊技を進める。本実施例では、初回大当りとなるまでの通常遊技において遊技者の操作入力により演出モードを選択できるよう構成されている。遊技者は、初回の大当りとなるまで自身の好みに応じた演出モードにしたがった遊技を楽しむことができる。
【0211】
図26は、第1演出モードにおける演出表示例を示す。演出表示装置60の画面中央には装飾図柄502が表示され、画面右下には保留状態を示す保留表示504が表示される。第1演出モードは、遊技者の注目が主に装飾図柄502の変動表示に向けられるように設計される演出モードであり、演出のメインとなる装飾図柄501が画面中央に大きく表示される。装飾図柄502は、画面の1/3以上の面積を占めるように表示され、例えば、画面の半分以上の面積を占めるように表示される。装飾図柄502には、図柄種類を識別するための数字、文字または記号に加え、図柄種類に対応する絵柄やキャラクタなどが付随して表示され、キャラクタ画像をアニメーションのように変化させたり、図柄全体にエフェクトを施したりする表示がなされる。第1演出モードでは、装飾図柄502にさまざまな装飾表示を付帯することにより、当否判定結果を演出的に示唆する装飾図柄をメインとした演出表示がなされる。
【0212】
第1演出モードでは、遊技中にスピーカー108の音量調整および装飾ランプ111の光量調整が可能であり、十字キー110の左右ボタンの押下により音量が変更され、十字キー110の上下ボタンの押下により光量が変更される。音量設定情報および光量設定情報はサブ基板300のサブRAM311に記憶され、十字キー110の押下により更新される。・・・音量設定情報および光量設定情報はサブ基板300のサブRAM311に記憶され、十字キー110の押下により更新される。このような操作入力が可能であることを示すため、画面の左下には入力操作を案内するために十字キー110を模した画像510が表示される。
・・・
【0214】
第1演出モードでは複数のステージが用意されており、各ステージにおける滞在回数(各ステージに滞在する期間になされた図柄変動の回数)や図柄変動時の演出内容が所定条件を満たした場合にステージが切り替えられる。例えば、図柄変動回数が20回に達した場合や20回目以降の図柄変動においてステージチェンジ演出が実行可能な種類の変動パターンが選択された場合に次のステージに切り替えられる。各ステージは、演出表示の背景画像が異なっており、例えば、演出の主役となるキャラクタの滞在場所が異なることが示される。滞在するステージに応じて異なった演出内容の表示が可能であり、例えば滞在場所にちなんだ演出内容が表示される。各ステージは、演出の主役となるキャラクタ別に設定されてもよく、ステージチェンジによってメインキャラクタが切り替えられ、設定されたキャラクタにちなんだ背景画像や演出内容が表示されてもよい。」
(エ)「【0228】
入球容易状態を伴わない通常遊技では、遊技者の操作入力により第1演出モードと第2演出モードとを切り替えることが可能である。遊技の開始前や遊技の中断中といった図柄が停止状態にある場合、遊技設定のためのメニュー画面を通じて演出モードの変更が可能である。メニュー画面では、演出モードの設定の他、第2演出モードにて再生する映像の選択も可能である。メニュー画面では、スピーカー108から出力される音量の設定や装飾ランプ111の光量設定も可能である。
【0229】
図29は、メニュー画面530の表示例を示す。メニュー画面530は、遊技が実行されていない待機デモの表示中や、図柄の停止表示中であって次の図柄変動がしばらく開始されない場合に演出ボタン109を押下することによって表示される。メニュー画面530には、演出モードを選択するためのモード選択画像532、音量調整のための音量設定画像534、光量調整のための光量設定画像536とが表示される。それぞれの画像には、サブメニュー画面に入るための操作方法が図示されている。例えば、演出ボタン109を押下することでモード選択画面に移行し、十字キー110の左右ボタンを押下することで音量設定画面に移行し、十字キー110の上下ボタンを押下することにより光量設定画面に移行する。
【0230】
図30は、モード選択画面540の表示例を示す。モード選択画面540は、メニュー画面530にて演出ボタン109を押下することにより表示されるサブメニュー画面である。モード選択画面540では、演出モードの選択候補として、第1演出モードに対応する「通常モード」の選択画像542と、第2演出モードに対応する「ドラマモード」の選択画像544とが表示される。選択対象がいずれであるかの視認性を高めるため、選択対象となる一方の画像はハイライト表示され、他方の画像はグレーアウト表示される。図30は、「ドラマモード」の選択画像544がハイライト表示された状態を示している。この状態で、十字キー110の左右ボタンを押下すると選択対象が切り替わり、「通常モード」の選択画像542がハイライト表示され、「ドラマモード」の選択画像544がグレーアウト表示される。それぞれの選択画像には、遊技中の画面イメージや、各演出モードの特徴を示す説明文などが含まれる。
【0231】
モード選択画面540の表示中に演出ボタン109を押下すると、選択されている演出モードの選択が確定され、サブRAM311に記憶されるモード選択情報が更新される。第1演出モードに対応する「通常モード」を選択した状態で演出ボタン109を押下すると、通常モードに決定された旨を示す画面が表示された後、メニュー画面530の表示に戻る。一方、第2演出モードに対応する「ドラマモード」を選択した状態で演出ボタン109を押下すると、ドラマモードに決定された旨を示す画面が表示された後、話数などを指定するための映像選択画面に移行する。なお、モード選択画面540にて所定時間(例えば、10秒、20秒、30秒、60秒など)にわたって入力操作がなされない場合、図29のメニュー画面530の表示に戻る。この場合、モード選択情報は更新されず、以前に設定されていたモード選択情報が維持される。」
(オ)「【0291】
(変形例16)
上述の実施例では、第1演出モードに複数のステージが用意され、各ステージにおける滞在回数や図柄変動時の演出内容が所定条件を満たした場合にステージが切り替えられる場合について示した。変形例においては、遊技者の操作入力によって複数のステージが切り替えられるように構成されてもよい。例えば、第1演出モードの遊技中に演出ボタン109を1回押下することで、次の演出ステージに切替可能となるように構成されてもよい。例えば、4つの演出ステージA,B,C,Dが用意される場合、演出ボタン109が1回押下されるごとに演出ステージがA→B→C→D→A→B→・・・というように所定の順序で切り替わるように構成されてもよい。その他、十字キー110の上ボタンを押下することで正順序(例えばA→B→C→D→A→B→・・・)で切り替えられ、十字キー110の下ボタンを押下することで逆順序(例えばA→D→C→B→A→D→・・)で切り替えられるよう構成されてもよい。
【0292】
続きを表示(全15行)
各演出ステージは、演出表示の背景画像が互いに異なっており、背景画像の切替により演出ステージが切り替えられたことが分かるように構成される。各演出ステージに対応する背景画像として、例えば、複数回の図柄変動期間にわたって継続する背景演出の表示過程を定める複数の背景表示パターンが用意され、その背景表示パターンにしたがって背景演出が表示される。・・・
【0293】
各演出ステージは、楽曲(BGM)が異なるように構成されてもよく、演出ステージが切り替えられる場合には、背景画像が切り替えられるだけではなく、BGMも併せて切り替えられてもよい。その他、各演出ステージは、演出に登場するキャラクタが異なってもよいし、リーチ演出の種類、予告演出の種類、予告演出の表示態様が異なってもよい。例えば、演出ステージA、Bでは、先読みによる予告演出の実行頻度が高く設定され、演出ステージCでは、先読みによる予告演出の実行頻度が低く設定され、演出ステージDでは、先読みによる予告演出が全く実行されないように設定されてもよい。また、演出ステージA,Bでは、ステップアップ予告演出が高頻度で実行される一方、演出ステージC,Dでは、ステップ予告演出が低頻度で実行されるか、全く表示されないように設定されてもよい。
・・・
【0298】
本変形例では、図柄変動中に演出ステージを切り替えるための演出切替操作がなされた場合、演出ステージを即時に切替可能とする第1期間(ステージ切替期間)と、演出ステージの即時の切替を待機して次の図柄変動の開始を契機に演出ステージを切り替える第2期間(ステージ切替待機期間)とが設けられる。第1期間は、装飾図柄の変動が開始して装飾図柄が高速で変動表示される期間に相当し、変動表示される装飾図柄の図柄種類の識別が困難または不能となる程度に高速で変動表示される期間に相当する。一方、第2期間は、第1期間の経過後に装飾図柄が第1期間よりも低速で変動表示されてから停止表示されるまでの期間に相当し、変動表示される装飾図柄の図柄種類の識別が容易または可能となる期間に相当する。装飾図柄が複数の図柄列で構成される場合、第1期間は、複数の図柄列の少なくとも一つの変動が開始され、複数の図柄列の全てが高速で変動表示される期間に相当する。一方、第2期間は、複数の図柄列の少なくとも一つの変動速度が第1期間よりも低速に切り替わるタイミングから、複数の図柄列が停止表示されるまでの期間に相当する。また、図柄停止または図柄停止の直前(例えば、図柄停止の3秒前や5秒前)から次の図柄変動が開始されるまでの期間として、演出切替操作の受け付けを不可とする第3期間(操作不可期間)が設けられる。この第3期間に演出切替操作をした場合、その操作は無効とされる。
・・・
【0304】
表示例3は、ステージ切替期間後の切替待機期間(第2期間)に演出切替操作を実行した場合の流れを示す。切替待機期間に演出切替操作を1回すると、ステージ変更が即時に反映されず、次の図柄変動が開始されるまでステージ変更を待機する状態となる。このとき、切替を予定している演出ステージがいずれであるかを示す表示がなされるとともに、次変動まで演出ステージの切替を待機している状態であることを示す表示がなされる。図示されるように、切替待機期間に演出ステージAからBに変更する演出切替操作がなされた場合、「次変動からステージB」などの文言が表示される切替待機状態となる。切替待機状態となった後にさらなる演出切替操作をすることも可能であり、次変動にて選択される予定の演出ステージを変更することが可能である。例えば、「次変動からステージB」が表示されている間に演出切替操作を実行すると、「次変動からステージC」の表示に変更され、次変動にて選択予定の演出ステージをBからCに変更できる。・・・
【0305】
表示例4は、切替待機期間に複数回の演出切替操作を実行した場合の流れを示し、最終的に選択される演出ステージが切替前の演出ステージと同じになる場合を示す。図示されるように、演出切替操作が4回実行されて次変動にて演出ステージAが選択対象となる場合、「次変動からステージA」の文言が表示される切替待機状態となる。しかしながら、この場合には演出ステージの変更を伴わないため、次の図柄変動の開始前後において演出内容が切り替えられず、当該図柄の変動表示中から次の図柄の変動表示中にわたって同じ演出ステージ(例えば演出ステージA)に対応する演出内容が継続して表示される。具体的には、次の図柄変動を契機とした背景画像やBGMのリセットはなされず、背景演出の表示やBGMの再生が連続して実行される。背景表示パターンにしたがった表示過程は図柄の変動表示過程と非同期であり、連続的に実行される図柄の変動開始タイミングと関係なく継続して表示されるためである。表示例4では、背景表示が継続して実行されるため、新たな図柄変動の開始を契機として表示がリセットされず、新たな図柄変動の開始タイミングの前後においても背景演出が継続的に表示される。その結果、切替待機期間に元の演出モードと同じ演出モードを選択した場合、演出切替操作がなされない場合と同様に演出内容が進行する。・・・」

(カ)【図35】要部抜粋

「
[図:0001400215000001.jpg]
」

イ 引用発明

前記アの記載事項に基づき、引用文献1には、「変形例16」として、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

引用発明

「演出ボタン109、十字キー110を含む遊技機枠と演出表示装置60を含む遊技盤80を備えたぱちんこ遊技機100であって(【0011】、【0013】)、
演出ボタン109は、遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であり、十字キー110は、遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であり(【0030】)、サブ基板300は、演出表示装置60における表示内容を制御し(【0045】)、
通常遊技中の演出態様として、図柄変動に応じた演出が表示される第1演出モードと、図柄変動によらずに物語性を有する映像が継続して表示される第2演出モードとが用意され、第1演出モードは、変動演出が実行されるモードであり、図柄変動の表示過程に応じたリーチ演出や予告演出などが実行され(【0210】)、第1演出モードでは、演出表示装置60の画面中央には装飾図柄502が表示され、装飾図柄502にさまざまな装飾表示を付帯することにより、当否判定結果を演出的に示唆する装飾図柄をメインとした演出表示がなされ(【0211】)、
第1演出モードでは、遊技中にスピーカー108の音量調整および装飾ランプ111の光量調整が可能であり、十字キー110の左右ボタンの押下により音量が変更され、十字キー110の上下ボタンの押下により光量が変更され(【0212】)、
メニュー画面530は、遊技が実行されていない待機デモの表示中や、図柄の停止表示中であって次の図柄変動がしばらく開始されない場合に演出ボタン109を押下することによって表示され(【0229】)、モード選択画面540は、メニュー画面530にて演出ボタン109を押下することにより表示されるサブメニュー画面であって、モード選択画面540では、演出モードの選択候補として、第1演出モードに対応する「通常モード」の選択画像542と、第2演出モードに対応する「ドラマモード」の選択画像544とが表示され、十字キー110の左右ボタンを押下すると選択対象が切り替わり、「通常モード」の選択画像542がハイライト表示され、「ドラマモード」の選択画像544がグレーアウト表示され(【0230】)、モード選択画面540の表示中に演出ボタン109を押下すると、選択されている演出モードの選択が確定され(【0231】)、
第1演出モードでは複数のステージが用意されており(【0214】)、遊技者の操作入力によって複数のステージが切り替えられるように構成されてもよく、4つの演出ステージA,B,C,Dが用意される場合、十字キー110の上ボタンを押下することで正順序(例えばA→B→C→D→A→B→・・・)で切り替えられ、十字キー110の下ボタンを押下することで逆順序(例えばA→D→C→B→A→D→・・)で切り替えられるよう構成されてもよく(【0291】)、各演出ステージは、演出ステージA、Bでは、先読みによる予告演出の実行頻度が高く設定され、演出ステージCでは、先読みによる予告演出の実行頻度が低く設定され、演出ステージDでは、先読みによる予告演出が全く実行されないように設定されてもよく、また、演出ステージA,Bでは、ステップアップ予告演出が高頻度で実行される一方、演出ステージC,Dでは、ステップ予告演出が低頻度で実行されるか、全く表示されないように設定されてもよく(【0293】)、
図柄変動中に演出ステージを切り替えるための演出切替操作がなされた場合、演出ステージを即時に切替可能とする第1期間(ステージ切替期間)と、演出ステージの即時の切替を待機して次の図柄変動の開始を契機に演出ステージを切り替える第2期間(ステージ切替待機期間)とが設けられ、第1期間は、装飾図柄の変動が開始して装飾図柄が高速で変動表示される期間に相当し、第2期間は、第1期間の経過後に装飾図柄が第1期間よりも低速で変動表示されてから停止表示されるまでの期間に相当し(【0298】)、ステージ切替期間後の切替待機期間(第2期間)に演出切替操作を実行した場合、切替待機期間に演出切替操作を1回すると、ステージ変更が即時に反映されず、次の図柄変動が開始されるまでステージ変更を待機する状態となり、このとき、切替を予定している演出ステージがいずれであるかを示す表示がなされるとともに、次変動まで演出ステージの切替を待機している状態であることを示す表示がなされ、切替待機期間に演出ステージAからBに変更する演出切替操作がなされた場合、「次変動からステージB」などの文言が表示される切替待機状態となり、切替待機状態となった後にさらなる演出切替操作をすることも可能であり、例えば、「次変動からステージB」が表示されている間に演出切替操作を実行すると、「次変動からステージC」の表示に変更され、次変動にて選択予定の演出ステージをBからCに変更できる(【0304】)、
ぱちんこ遊技機100(【0011】)。」

(3)周知技術1

ア 引用文献2に記載の技術

本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-10572号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

(ア)「【実施例1】
【0032】
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。・・・
・・・
続きを表示(全11行)
【0034】
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67,ジョグダイヤルダイアル68,音量ボタン69,明暗ボタン70が備えられている。図2(1)に示すように、演出ボタン67とジョグダイヤル68とは、演出ボタン67の周囲にジョグダイヤル68が配置され、一つの操作ユニットを構成している。演出ボタン67は、所定期間中に遊技者が操作すると後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化する。ジョグダイヤル68は、遊技者が所定の回転操作を行うと、後述する演出モード(本発明の設定に相当)が変更でき、この操作は遊技中随時可能となっている。
【0035】
図2(2)に示すように、音量ボタン69は「大」「小」の二つのボタンで構成され、操作に応じた音量Lv(レベル)1~3が音量ボタン69の左方に配置された音量レベル表示装置69bに表示される。音量ボタン69の操作によって、演出音の出力を音量レベル1~3の何れかのレベル(本発明の設定に相当)に変更でき、この操作は遊技中随時可能となっている。図2(3)に示すように、明暗ボタン70は「明」「暗」の二つのボタンで構成され、操作に応じた明度Lv(レベル)1~3が明暗ボタン70の右方に配置された明度レベル表示装置70bに表示される。明暗ボタン70の操作によって、発光を行う演出器機(特に演出図柄表示装置6)の明るさを明暗レベル1~3の何れかのレベル(本発明の設定に相当)に変更でき、この操作は遊技中随時可能となっている。
・・・
【0088】
次に、図13を用いて、演出図柄表示装置6上で実施す演出モード(本発明の設定に相当)の種類を説明する。本実施例では、遊技者によるジョグダイヤル68の操作によって常時変更可能な演出モードとして、図に示す「戦闘機モード」「格闘モード」「レースモード」の3種類が用意されている。」

(イ)【図2】

「
[図:0001400215000002.jpg]
」

(ウ)引用文献2に記載の技術

前記(ア)、(イ)より、引用文献2には次の技術(以下「引用文献2に記載の技術」という。)が記載されていると認められる。

引用文献2に記載の技術

「上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67,ジョグダイヤルダイアル68,音量ボタン69,明暗ボタン70が備えられ、演出ボタン67とジョグダイヤル68とは、演出ボタン67の周囲にジョグダイヤル68が配置され、一つの操作ユニットを構成していて、ジョグダイヤル68は、遊技者が所定の回転操作を行うと、演出モードが変更でき、この操作は遊技中随時可能となっていて(【0034】)、
音量ボタン69は「大」「小」の二つのボタンで構成され、音量ボタン69の操作によって、演出音の出力を音量レベル1~3の何れかのレベルに変更でき、この操作は遊技中随時可能となっていて、明暗ボタン70は「明」「暗」の二つのボタンで構成され、明暗ボタン70の操作によって、発光を行う演出器機(特に演出図柄表示装置6)の明るさを明暗レベル1~3の何れかのレベルに変更でき、この操作は遊技中随時可能となっていて(【0035】)、
遊技者によるジョグダイヤル68の操作によって常時変更可能な演出モードとして、「戦闘機モード」「格闘モード」「レースモード」の3種類が用意されている(【0088】)パチンコ機50(【0032】)。 」

イ 引用文献3に記載の技術

本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2019-150386号公報(以下「引用文献3」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

(ア)「【0010】
遊技機100は、遊技を実行する遊技機であって、遊技媒体としての遊技球を用いて遊技を行う装置である。遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けて遊技機100にて遊技を行う。
・・・
【0024】
また、受皿ユニット107の上皿107bの右側には、機能ボタン201(入力装置)が設定されている。機能ボタン201は、上ボタン、下ボタン、左ボタン、右ボタン、音量調節ボタン、光量調節ボタンを有する。
【0025】
さらに、受皿ユニット107の上皿107bの中央には、上皿107bから上方に突出するようにして演出操作装置208(入力装置)が設置されている。演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付ける押下ボタン208aと、遊技者の引き倒しによる入力操作を受け付ける演出レバー208bと、演出レバー208bの入力操作に伴って回転する回転部208cとを有している。演出操作装置208は、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、窓110よりも下方位置に設けられている。演出操作装置208は、例えば演出表示装置の表示部に表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
【0026】
遊技者が演出操作装置208や機能ボタン201を操作することにより、入力信号が演出制御装置に入力される。これにより、演出制御装置は、演出内容(例えば演出表示装置の表示部に表示される演出の内容)を切り替えたり、音量や光量を切り替えたり、遊技者によるカスタマイズの内容を変更したり、図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出等) を発生させたりする。」

(イ)【図1】要部抜粋

「
[図:0001400215000003.jpg]
」

(ウ)引用文献3に記載の技術

前記(ア)、(イ)より、引用文献3には次の技術(以下「引用文献3に記載の技術」という。)が記載されていると認められる。

引用文献3に記載の技術

「上皿107bの右側には、機能ボタン201が設定され、機能ボタン201は、上ボタン、下ボタン、左ボタン、右ボタン、音量調節ボタン、光量調節ボタンを有する(【0024】)とともに、上皿107bの中央には、上皿107bから上方に突出するようにして演出操作装置208が設置され、演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付ける押下ボタン208aと、遊技者の引き倒しによる入力操作を受け付ける演出レバー208bと、演出レバー208bの入力操作に伴って回転する回転部208cとを有し、 演出操作装置208は、例えば演出表示装置の表示部に表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行され(【0025】)、
遊技者が演出操作装置208や機能ボタン201を操作することにより、演出内容(例えば演出表示装置の表示部に表示される演出の内容)を切り替えたり、音量や光量を切り替えたり、遊技者によるカスタマイズの内容を変更したり、図柄の変動中や大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出等) を発生させたりする(【0026】)遊技機100(【0010】)。」

ウ 周知技術1

前記ア、イより、

遊技機の分野において、

遊技者が遊技中に操作可能であって、演出の内容を切り替えるための操作手段を設けるとともに、当該演出の内容を切り替えるための操作手段とは別に、音量を切り替えるための操作手段及び光量を切り替えるための操作手段を設ける技術(以下「周知技術1」という。)は従来周知の技術であると認められる。

(4)対比

分説にしたがい、本件補正発明と引用発明を対比する。

ア 特定事項Aについて

引用発明の「遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であ」って「左右ボタン」及び「上下ボタン」を含んだ「十字キー110」は、本件補正発明の「遊技者が操作可能な操作部」に相当する。

また、引用発明の「ぱちんこ遊技機100」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。

してみれば、引用発明は、本件補正発明の特定事項Aに相当する構成を備える。

イ 特定事項Bについて

引用発明の「演出表示装置60」は、本件補正発明の「演出を実行可能な演出実行手段」に相当するから、引用発明は、本件補正発明の特定事項Bに相当する構成を備える。

ウ 特定事項Cについて

引用発明の「演出表示装置60における表示内容を制御」する「サブ基板300」は、本件補正発明の「前記演出実行手段を制御する演出制御手段」に相当するから、引用発明は、本件補正発明の特定事項Cに相当する構成を備える。

エ 特定事項C1について

前記アより、引用発明の「遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であ」って「左右ボタン」及び「上下ボタン」を含んだ「十字キー110」が本件補正発明の「遊技者が操作可能な操作部」に相当することを踏まえると、引用発明の「十字キー110の上ボタン」の「押下」又は「十字キー110の下ボタン」の「押下」という「遊技者の操作入力によって」「切り替えられるように構成されて」いる「第1演出モード」における「複数のステージ」である「4つの演出ステージA,B,C,D」は、本件補正発明の「操作部の操作に基づいた結果に応じた態様」に相当する。

また、前記ウより、引用発明の「演出表示装置60における表示内容を制御」する「サブ基板300」が本件補正発明の「演出制御手段」に相当することを踏まえると、引用発明の「第1演出モードは、変動演出が実行されるモードであり、図柄変動の表示過程に応じたリーチ演出や予告演出などが実行され」ることは、本件補正発明の「前記演出を実行することが可能であ」ることに相当する。

してみれば、引用発明は、本件補正発明の特定事項C1に相当する構成を備える。

オ 特定事項A3、A4、A9について

(ア)引用発明の「遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であ」って「左右ボタン」及び「上下ボタン」を含んだ「十字キー110」は、「遊技者の操作入力によって複数のステージが切り替えられるように構成され」る場合には、「十字キー110の上ボタンを押下することで正順序(例えばA→B→C→D→A→B→・・・)で切り替えられ」る一方、「十字キー110の下ボタンを押下することで逆順序(例えばA→D→C→B→A→D→・・)で切り替えられるよう構成されてもよ」いことが特定されていることを踏まえて、以下の事項について、検討する。

a 特定事項A3について

前記エの検討より、引用発明の「第1演出モードは、変動演出が実行されるモードであり、図柄変動の表示過程に応じたリーチ演出や予告演出などが実行され」ることは、本件補正発明の「演出が実行されるようになって」いることに相当する。

また、引用発明の「十字キー110の上ボタン」、「押下すること」はそれぞれ、本件補正発明の「第1操作部」、「操作が行われたとき」に相当する。

次に、引用発明の「十字キー110の上ボタンを押下すること」による「4つの演出ステージA,B,C,D」の切り替えが「正順序(例えばA→B→C→D→A→B→・・・)」であることは、例えば、「演出ステージA」(本件補正発明の「前記第1操作部の操作が行われる前における前記演出の態様」に対応)の次に「演出ステージ」「B」(同「異なる態様」に対応)に切り替わることを表しているから、本件補正発明の「前記第1操作部の操作が行われたときには、前記第1操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で」あることに相当する。

b 特定事項A4について

加えて、引用発明の「十字キー110の下ボタン」、「押下すること」はそれぞれ、本件補正発明の「第2操作部」、「操作が行われたとき」に相当し、引用発明の「十字キー110の下ボタンを押下すること」による「4つの演出ステージA,B,C,D」の切り替えが「逆順序(例えばA→D→C→B→A→D→・・)で切り替えられるよう構成されてもよ」いことは、例えば、「演出ステージA」(本件補正発明の「前記第2操作部の操作が行われる前における前記演出の態様」に対応)の次に「演出ステージ」「D」(同「異なる態様」に対応)に切り替わることを表しているから、本件補正発明の「前記第2操作部の操作が行われたときには、前記第2操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で」あることに相当する。

c 特定事項A9について

前記aより、引用発明の「十字キー110の上ボタン」、「押下すること」がそれぞれ、本件補正発明の「第1操作部」、「操作が行われたとき」に相当するから、引用発明の「十字キー110の上ボタンを押下すること」による「4つの演出ステージA,B,C,D」の切り替えが「正順序(例えばA→B→C→D→A→B→・・・)」であることは、例えば、「演出ステージA」の次に「演出ステージ」「B」(本件補正発明の「前記第1操作部の操作に基づいた結果に応じて実行される前記演出の態様」に対応)に切り替わることを表している一方、

前記bより、引用発明の「十字キー110の下ボタン」は、本件補正発明の「第2操作部」に相当し、引用発明の「十字キー110の下ボタンを押下すること」による「4つの演出ステージA,B,C,D」の切り替えが「逆順序(例えばA→D→C→B→A→D→・・)で切り替えられるよう構成されてもよ」いことは、例えば、「演出ステージC」の次に「演出ステージ」「B」(本件補正発明の「前記第2操作部の操作に基づいた結果に応じて実行される前記演出の態様」に対応)に切り替わることを表しているから、

引用発明において、「4つの演出ステージA,B,C,D」の切り替えが「正順序(例えばA→B→C→D→A→B→・・・)」であっても、「逆順序(例えばA→D→C→B→A→D→・・)で」あっても、いずれも同じ「演出ステージ」「B」に切り替わることがあることは、本件補正発明の「前記第1操作部の操作に基づいた結果に応じて実行される前記演出の態様と、前記第2操作部の操作に基づいた結果に応じて実行される前記演出の態様と、が同一となり得ることがあ」ることに相当する。

(イ)前記(ア)より、引用発明は、本件補正発明の特定事項A3、A4、A9に相当する構成を備える。

カ 特定事項A5、A6について

引用発明における「ぱちんこ遊技機100」の「スピーカー108の音量調整」「が可能であ」ること、「ぱちんこ遊技機100」の「装飾ランプ111の光量調整が可能であ」ることはそれぞれ、本件補正発明の特定事項A6の「前記遊技機が備えるスピーカの音量」「が変更されるようになって」いること、「前記遊技機が備える装飾ランプの光量が変更されるようになって」いることに相当する。

また、引用発明の「十字キー110」と本件補正発明の特定事項A5、A6の「第3操作部」とは、いずれも音量及び光量を変更する操作部であるという点で共通するから、引用発明の「十字キー110の左右ボタンの押下」又は「十字キー110の上下ボタンの押下」と、本件補正発明の特定事項A5、A6の「第3操作部の操作が行われたとき」とは、音量及び光量を変更する操作部の操作が行われたときである点で共通し、引用発明と本件補正発明の特定事項A6とは、前記音量及び光量を変更する操作部の操作が行われたときには、前記遊技機が備えるスピーカの音量又は前記遊技機が備える装飾ランプの光量が変更されるようになっているという点で共通する。

キ 特定事項A1について

前記オ、カの検討を踏まえると、引用発明の「十字キー110」と本件補正発明の特定事項A1の「前記操作部は、第1操作部と、第2操作部と、第3操作部と、が含まれる複数の操作部で構成されて」いることとは、操作部は、第1操作部としての機能と、第2操作部としての機能と、音量及び光量を変更する操作部としての機能を有する複数の操作部で構成されているという点で共通する。

ク 特定事項C2について

前記オ(ア)aより、引用発明の「十字キー110の上ボタン」が本件補正発明の「第1操作部」に相当し、前記オ(ア)bより、引用発明の「十字キー110の下ボタン」が本件補正発明の「第2操作部」に相当することに加え、

引用発明の「演出ステージを切り替えるための演出切替操作がなされた場合」、「図柄変動中」はそれぞれ、本件補正発明の「演出の態様を切り替える契機」、「変動ゲームが実行されているとき」「前記第1操作部又は前記第2操作部が操作されることがあ」ることに相当する。

そして、引用発明における「演出ステージを切り替えるための演出切替操作」は、「十字キー110の上ボタンを押下すること」及び「十字キー110の下ボタンを押下すること」であるから、引用発明において「演出切替操作がなされ」ることは、本件補正発明の「前記第1操作部又は前記第2操作部が操作されることがあ」ることに相当する

してみれば、引用発明は、本件補正発明の特定事項C2に相当する構成を備える。

ケ 特定事項C3について

前記クを踏まえと、引用発明の「図柄変動中に演出ステージを切り替えるための演出切替操作がなされた場合」は、本件補正発明の「実行中の変動ゲームで前記契機が生じたとき」に相当するとともに、引用発明の当該「図柄変動中」のうち、「第1期間の経過後に装飾図柄が第1期間よりも低速で変動表示されてから停止表示されるまでの期間に相当」する「第2期間」「に演出切替操作を実行した場合、切替待機期間に演出切替操作を1回すると、ステージ変更が即時に反映されず、次の図柄変動が開始されるまでステージ変更を待機する状態とな」って「次の図柄変動の開始を契機に演出ステージを切り替える」ことは、本件補正発明の「前記演出の態様が切り替わるタイミングには、前記実行中の変動ゲームの次の変動ゲームの開始時があ」ることに相当する。

してみれば、引用発明は、本件補正発明の特定事項C3に相当する構成を備える。

コ 特定事項C4について

前記ク、ケを踏まえると、引用発明の「図柄変動中」のうち、「第2期間」「に演出切替操作を実行した場合、切替待機期間に演出切替操作を1回すると、ステージ変更が即時に反映されず、次の図柄変動が開始されるまでステージ変更を待機する状態とな」っている期間は、本件補正発明の「前記第1操作部又は前記第2操作部が操作されてから次の変動ゲームが開始するまでの間」に相当する。

また、引用発明の「切替を予定している演出ステージがいずれであるかを示す表示がなされるとともに、次変動まで演出ステージの切替を待機している状態であることを示す表示がなされ」ることは、本件補正発明の「切り替わる演出の態様が何れの演出の態様であるかを報知する演出画像が表示される」ことに相当する。

してみれば、引用発明は、本件補正発明の特定事項C4に相当する構成を備える。

サ 一致点及び相違点

前記ア~コによれば、本件補正発明と引用発明は、

[一致点]

「A 遊技者が操作可能な操作部を備えた遊技機において、
B 演出を実行可能な演出実行手段と、
C 前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、
A1’ 前記操作部は、第1操作部としての機能と、第2操作部としての機能と、音量及び光量を変更する操作部としての機能を有する複数の操作部で構成されており、
続きを表示(全13行)
C1 前記演出実行手段は、前記操作部の操作に基づいた結果に応じた態様で前記演出を実行することが可能であり、
A3 前記第1操作部の操作が行われたときには、前記第1操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で前記演出が実行されるようになっており、
A4 前記第2操作部の操作が行われたときには、前記第2操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で前記演出が実行されるようになっており、
A6’ 前記音量及び光量を変更する操作部の操作が行われたときには、前記遊技機が備えるスピーカの音量又は前記遊技機が備える装飾ランプの光量が変更されるようになっており、
A9 前記第1操作部の操作に基づいた結果に応じて実行される前記演出の態様と、前記第2操作部の操作に基づいた結果に応じて実行される前記演出の態様と、が同一となり得ることがあり、
C2 前記演出の態様を切り替える契機には、変動ゲームが実行されているときに前記第1操作部又は前記第2操作部が操作されることがあり、
C3 実行中の変動ゲームで前記契機が生じたときに前記演出の態様が切り替わるタイミングには、前記実行中の変動ゲームの次の変動ゲームの開始時があり、
C4 前記第1操作部又は前記第2操作部が操作されてから次の変動ゲームが開始するまでの間は、切り替わる演出の態様が何れの演出の態様であるかを報知する演出画像が表示される
A 遊技機。」

である点で一致し、次の相違点で相違する。

[相違点]

・相違点1(特定事項A1、A6)

遊技機が備えるスピーカの音量又は遊技機が備える装飾ランプの光量が変更するための操作を行う第3操作部について、本件補正発明は、「第3操作部」が、「第1操作部と、第2操作部と、」「が含まれる複数の操作部で構成されて」いる「操作部」に含まれている(特定事項A1、A6)のに対し、引用発明の「第1演出モード」における「十字キー110」は、「遊技者の操作入力によって複数のステージが切り替えられるように構成されてもよく、4つの演出ステージA,B,C,Dが用意される場合、十字キー110の上ボタンを押下することで正順序(例えばA→B→C→D→A→B→・・・)で切り替えられ、十字キー110の下ボタンを押下することで逆順序(例えばA→D→C→B→A→D→・・)で切り替えられるよう構成されてもよ」いという構成が備える機能を奏する一方、「第1演出モードでは、遊技中にスピーカー108の音量調整および装飾ランプ111の光量調整が可能であり、十字キー110の左右ボタンの押下により音量が変更され、十字キー110の上下ボタンの押下により光量が変更され」るという構成が備える機能を奏するものでもあるところ、引用発明の「第1演出モード」における「十字キー110」が、その操作により、遊技者の操作入力によって4つの演出ステージA,B,C,Dの切り替えを可能とする機能を有する場合に、両機能を奏するような「十字キー110」を含めた操作手段がどのように使い分けられているか不明である点。

・相違点2(特定事項A5)

遊技機が備えるスピーカの音量又は遊技機が備える装飾ランプの光量が変更するための操作を行う第3操作部について、本件補正発明は、「前記第3操作部の操作が行われたときには、前記第1操作部及び前記第2操作部の操作が行われたときのように前記演出の態様が替わらず、前記第3操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で前記演出が実行されないようになっており」(特定事項A5)とするのに対し、引用発明の「第1演出モード」における「十字キー110」が奏する前記両機能の関係が不明である点。

(5)判断

上記相違点について検討する。

相違点1及び2はいずれも、引用発明の「第1演出モード」における「十字キー110」が奏する前記両機能の関係に関わる点で関連するのでまとめて検討する。

ア 相違点1及び2は、先に記載したとおり、引用発明の「第1演出モード」における「十字キー110」が、その操作により、遊技者の操作入力によって4つの演出ステージA,B,C,Dの切り替えを可能とする機能と、その操作により、遊技中にスピーカー108の音量調整および装飾ランプ111の光量調整を可能とする機能という両機能を奏するように「十字キー110」を含めた操作手段がどのように使い分けられているか引用文献1の記載からは不明であることに起因するものである。

イ 周知技術1は、前記(3)ウに示したとおりであって、以下に再掲する。

周知技術1

「遊技者が遊技中に操作可能であって、演出の内容を切り替えるための操作手段を設けるとともに、当該演出の内容を切り替えるための操作手段とは別に、音量を切り替えるための操作手段及び光量を切り替えるための操作手段を設ける技術。」

ウ 引用発明の「十字キー110」について、「(実施例)」における、その操作により、遊技中にスピーカー108の音量調整および装飾ランプ111の光量調整を可能とする機能と、「(変形例16)」における、その操作により、遊技者の操作入力によって4つの演出ステージA,B,C,Dの切り替えを可能とする機能とをどのように実現するか引用文献1に明記されるものではないところ、引用発明と周知技術1とは、遊技機の分野において、遊技者の操作により、演出の内容を切り替えるとともに音量及び光量を切り替えるという課題が共通するとともに、複数の操作部を有し、各操作部毎に異なる機能を有するようにすることが、遊技機の技術分野における技術常識であるから、引用発明の「十字キー110」を含めた操作手段に周知技術1を適用することにより、「(変形例16)」における、その操作により、遊技者の操作入力によって4つの演出ステージA,B,C,Dの切り替えを可能とする機能を奏する「十字キー110」とは別に、各機能に対応して操作部を個別に設けるもの、すなわち、本件補正発明の「第3操作部」に相当する、演出の内容を切り替えるための操作手段とは別に、音量を切り替えるための操作手段及び光量を切り替えるための操作手段を設けるという前記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは当業者が容易に想到し得ることである。

エ また、引用発明の「十字キー110」を含めた操作手段に周知技術1を適用した場合、「演出の内容を切り替えるための操作手段とは別に、音量を切り替えるための操作手段及び光量を切り替えるための操作手段」を設けるのであるから、当該「音量を切り替えるための操作手段及び光量を切り替えるための操作手段」を操作しても演出の内容を切り替えるものでないことは明らかである。してみれば、引用発明に周知技術1を適用することは、「前記第3操作部の操作が行われたときには、前記第1操作部及び前記第2操作部の操作が行われたときのように前記演出の態様が替わらず、前記第3操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で前記演出が実行されないようになっており」という前記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることに等しい。

オ 請求人は、審判請求書において、本件補正発明(以下の審判請求書においては「本願発明1」と称している。)について次の主張をしている。

「3.本願発明が特許されるべき理由
・・・
本願発明1では、第1操作部の操作又は第2操作部の操作に基づいて演出の態様を替えることができるとともに、演出の態様を替える操作を行いながら第3操作部の操作に基づいてスピーカの音量又は装飾ランプの光量を変更することができる。つまり、第1操作部、第2操作部及び第3操作部の役割が明確であり、操作性を向上させることができる。
そして、演出の態様を替えることや、スピーカの音量又は装飾ランプの光量の変更は、カスタマイズ機能の一種であり、遊技者が自身の好みやその時の気分によって自由に変更できることが望ましい。したがって、本願発明1では、前述したように、演出の態様を替えることは第1操作部又は第2操作部を用いて行い、スピーカの音量又は装飾ランプの光量の変更は第3操作部を用いて行うというように操作性を向上させつつ、演出の態様を替えることや音量又は光量の変更といったカスタマイズの利便性を向上させ、その結果として興趣の向上を図ることができる。」

しかし、請求人が主張する作用効果は、引用発明、及び、演出の内容を切り替えるための操作手段とは別に、音量を切り替えるための操作手段及び光量を切り替えるための操作手段を設けるという遊技機分野における周知技術1、並びに、「各機能に対応して操作部を個別に設ける」という遊技機の技術分野における技術常識から予測し得るものであって、格別顕著なものであるとはいえない。

よって、請求人の主張を採用することはできない。

カ 以上の検討より、本件補正発明は、引用発明及び周知技術1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

4 むすび

上記3において検討したことからみて、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1 本願発明

本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和4年1月31日に提出された手続補正書により補正された、上記「第2の1」「(補正前:令和4年1月31日に提出された手続補正書でした手続補正)」に示した特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであって、以下に合議体が分説をして再掲する。また、補正前の特定事項C51は補正後の特定事項C5に対応し、便宜上、符号A2、A7、A8は用いていない。

本願発明

「【請求項1】
A 遊技者が操作可能な操作部を備えた遊技機において、
B 演出を実行可能な演出実行手段と、
C 前記演出実行手段を制に御する演出制御手段と、を備え、
続きを表示(全14行)
A1 前記操作部は、第1操作部と、第2操作部と、第3操作部と、が含まれる複数の操作部で構成されており、
C1 前記演出実行手段は、前記操作部の操作に基づいた結果に応じた態様で前記演出を実行することが可能であり、
A3 前記第1操作部の操作が行われたときには、前記第1操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で前記演出が実行されるようになっており、
A4 前記第2操作部の操作が行われたときには、前記第2操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で前記演出が実行されるようになっており、
A51 前記第3操作部の操作が行われたときには、前記第3操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で前記演出が実行されないようになっており、
A9 前記第1操作部の操作に基づいた結果に応じて実行される前記演出の態様と、前記第2操作部の操作に基づいた結果に応じて実行される前記演出の態様と、が同一となり得ることがあり、
C2 前記演出の態様を切り替える契機には、変動ゲームが実行されているときに前記第1操作部又は前記第2操作部が操作されることがあり、
C3 実行中の変動ゲームで前記契機が生じたときに前記演出の態様が切り替わるタイミングには、前記実行中の変動ゲームの次の変動ゲームの開始時があり、
C4 前記第1操作部又は前記第2操作部が操作されてから次の変動ゲームが開始するまでの間は、切り替わる演出の態様が何れの演出の態様であるかを報知する演出画像が表示される
A ことを特徴とする遊技機。」

2 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由は、概略、次の理由を含んでいる。

(新規性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

<引用文献>

1. 特開2018-99426号公報

3 対比

本願発明は、前記「第2の2(1)」において検討したとおり、本件補正発明において、発明を特定するために必要な事項である「第3操作部の操作が行われたときに」実行される演出について、「前記第1操作部及び前記第2操作部の操作が行われたときのように前記演出の態様が替わらず、」という限定(特定事項C5)を省くとともに、発明を特定するために必要な事項である「第3操作部の操作が行われたときに」生じる操作の結果について、「前記第3操作部の操作が行われたときには、前記遊技機が備えるスピーカの音量又は前記遊技機が備える装飾ランプの光量が変更されるようになっており、」という限定(特定事項A6)という限定を省いたものである。

すなわち、「第3操作部の操作が行われたときに」について、その操作により演出の態様が替わらない旨、及び、音量又は光量が変更される旨の限定を省いた本願発明では、「第3操作部」を操作することにより、遊技機においてどのような変化が生じるかについて特定されるものではなくなった。

本願発明と引用発明を対比すると、前記「第2の2(4)」に記載した相当関係のうち、イ~オ、ク~コの相当関係(「本件補正発明」は「本願発明」と読み替える。)を有している。その余の特定事項について以下に検討する。

ア’ 特定事項Aについて

引用発明の「遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であ」る「演出ボタン109」及び「遊技者が遊技機へ方向指示を入力する操作入力手段であ」って「左右ボタン」及び「上下ボタン」を含んだ「十字キー110」は、本願発明の「遊技者が操作可能な操作部」に相当する。

また、引用発明の「ぱちんこ遊技機100」は、本願発明の「遊技機」に相当する。

してみれば、引用発明は、本願発明の特定事項Aに相当する構成を備える。

カ’ 特定事項A51について

(ア)引用発明の「遊技者が演出内容に応じて遊技機へ所定の指示を入力するために押下する操作入力手段であ」る「演出ボタン109」は、その「押下」によって、「メニュー画面530」の「表示」や、「サブメニュー画面」の「表示」、「選択されている演出モードの選択が確定され」るものである。

(イ)ここで、引用発明の「演出モード」は文言上、一見すると、本願発明の「演出の態様」に相当するように思える。

しかし、引用発明の「選択対象」の切替えは、「十字キー110の左右ボタンを押下する」ことにより行うことから、「第2の2(4)」に記載したオ(ア)aの相当関係より、引用発明の「十字キー110の上ボタン」が本願発明の「第1操作部」に相当し、同オ(ア)bの相当関係より、引用発明の「十字キー110の下ボタン」が本願発明の「第2操作部」に相当することに照らせば、引用発明の「十字キー110の左右ボタン」は、本願発明の「第1操作部」及び「第2操作部」のいずれにも相当しない。

(ウ)そうすると、引用発明の「演出ボタン109」は、本願発明の「第3操作部」に相当するとともに、引用発明の「演出ボタン109」の「押下」によって、「メニュー画面530」の「表示」や、「サブメニュー画面」の「表示」、「選択されている演出モードの選択が確定され」ることは、本願発明の「前記第3操作部の操作が行われる前における前記演出の態様とは異なる態様で前記演出が実行されないようになっており」という事項に相当する構成であるといえる。

(エ)してみれば、引用発明は、本願発明の特定事項A51に相当する構成を備える。

キ’ 特定事項A1について

前記カ’(ウ)より、引用発明の「演出ボタン109」が本願発明の「第3操作部」に相当するから、引用発明が「十字キー110の上ボタン」と「十字キー110の下ボタン」と「演出ボタン109」とを備えることは、本願発明の特定事項A1の「前記操作部は、第1操作部と、第2操作部と、第3操作部と、が含まれる複数の操作部で構成されて」いることに相当する。

サ’ 一致点

前記「第2の2(4)」に記載した相当関係のうち、イ~オ、ク~コの相当関係(「本件補正発明」は「本願発明」と読み替える。)及び前記ア’、カ’、キ’によれば、本願発明は、引用発明と相違するところはない。

4 むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないので、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2022-013543

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決307件(株式会社ニューギン)
  • 2025-018455拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社ニューギン
  • 2025-013070拒絶査定不服審判 / 2026-07-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社ニューギン
  • 2025-013071拒絶査定不服審判 / 2026-07-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社ニューギン
  • 2025-013072拒絶査定不服審判 / 2026-07-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社ニューギン
  • 2025-013073拒絶査定不服審判 / 2026-07-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社ニューギン
検索でもっと見る →
同じ根拠条文の審決1,526件(特許法29条1項3号)
  • 2025-008364拒絶査定不服審判 / 2026-06-02 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条1項3号
  • 2025-004818拒絶査定不服審判 / 2026-05-13 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条1項3号
  • 2025-002547拒絶査定不服審判 / 2025-11-19 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条1項3号
  • 2024-013997拒絶査定不服審判 / 2025-06-03 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条1項3号
  • 2024-005708拒絶査定不服審判 / 2025-01-21 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条1項3号
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)4,705件(113・A63F、121・A63F、575・A63F)
  • 2025-008364拒絶査定不服審判 / 2026-06-02 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、121・A63F、575・A63F
  • 2025-004818拒絶査定不服審判 / 2026-05-13 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、121・A63F、575・A63F
  • 2025-002547拒絶査定不服審判 / 2025-11-19 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、121・A63F、575・A63F
  • 2024-013997拒絶査定不服審判 / 2025-06-03 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、121・A63F、575・A63F
  • 2024-007297拒絶査定不服審判 / 2025-04-22 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 113・A63F、121・A63F、575・A63F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存