特許拒絶査定不服審判
2022-011615
情報提供装置
- 審判番号
- 2022-011615
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-533459外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年07月26日
- 審決日
- 2023年03月10日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ジャム
- 【請求人代理人】弁理士法人一色国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (G06F) / P18 .575-Z (G06F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-533459「情報提供装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 2月15日国際公開、WO2018/030350〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2017年8月7日を国際出願日(優先権主張 2016年(平成28年)8月8日(以下、「優先日」という。) 日本国)とする出願であって、平成31年2月7日に手続補正がなされ、令和2年8月6日に手続補正がなされ、令和3年10月13日付けで拒絶理由が通知され、これに対して令和3年12月17日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、令和4年4月22日付けで拒絶査定がなされた(以下、「原査定」という。)。これに対して、令和4年7月26日に審判請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和4年7月26日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年7月26日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項2の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「【請求項2】
コンピュータシステムによって構成されて、利用者により入力されたクエリに応動して提供情報を出力する情報提供装置であって、
提供情報と、クエリ毎に提供情報に照会される構成を規定したクエリの構成とを記憶する記憶手段と、
クエリの構成のみを提供情報に照会し、当該照会したクエリの構成に基づいて提供情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した提供情報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする情報提供装置。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和3年12月17日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項2の記載は次のとおりである。
「【請求項2】
コンピュータシステムによって構成されて、利用者により入力されたクエリに応動して提供情報を出力する情報提供装置であって、
照会可能なクエリの構成と、提供情報とを記憶する記憶手段と、
クエリの構成に基づいて提供情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した提供情報を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする情報提供装置。」
2 補正の適否
本件補正は、補正前の請求項2に記載された発明の「照会可能なクエリの構成」について、「クエリ毎に提供情報に照会される構成を規定したクエリの構成」として「クエリの構成」の「照会」の具体的な構成を限定し、さらに、「クエリの構成に基づいて提供情報を抽出する」について「クエリの構成のみを提供情報に照会し、当該照会したクエリの構成に基づいて提供情報を抽出する」として「提供情報を抽出する」ことの具体的な構成を限定したものである。
そして、本件補正前の請求項2に記載された発明と本件補正後の請求項2に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一である。したがって、請求項2についての本件補正は特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項2に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か(特許出願の際独立して特許を受けることができるものか否か)を検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献、引用発明
ア 引用文献1
(ア)引用文献1の記載事項
本願の優先日前に頒布又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、原査定の理由において引用された、特開2006-127525号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は、当審において付加した。以下、同じ。)
A 「【技術分野】
【0001】
この発明は撮像画像を管理する情報管理技術に関し、より詳細には人間が記憶を思い出すのと類似した柔軟性のある態様で画像を検索管理できるようにするものである。なお情報処理を実行する移動体を、移動体情報処理装置または単に移動体と呼ぶこともある。」
B 「【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1はこの発明の第1の実施例を概略的に示すものであり、この図において、情報管理装置は、情報入力部101、事象属性入力部102、情報データベース103、情報登録部104、情報出力部105、検索キー入力部106、属性データベース107および情報検索部108を有している。情報入力部101はテキスト、イメージ等種々の情報を入力するものである。事象属性入力部102は情報入力部101に生起した事象の属性および情報入力に起因して生起した事象の属性を検出する。情報登録部104は情報と検出属性値とを情報データベース103に登録する。検索キー入力部106はユーザーからの検索キー等の検索情報を受け付け、属性データベース107は検索情報に基づいて対応する属性値を出力する。情報検索装置108は属性値を含む検索指示を情報データベースに対して送出し、検索結果を情報出力部105に転送し、検索結果を出力させる。」
C 「【0025】
つぎに第1の実施例の具体的な構成例を図2をも参照して説明する。図2において、情報入力部101は電子カメラ201である。電子カメラ201は撮影した画像を画像データに変換して登録コマンド発生装置204(情報登録部104)に出力する装置であり、たとえば電子撮像素子を用いた富士写真フィルム株式会社のDS-200FDIJE(商標または製品名である)を用いることができる。
・・・中略
【0027】
移動体に生起する事象の属性を入力する事象属性入力部102はグローバル・ポジショニング・システム(以下GPSとする)202である。GPS202は複数の衛星と通信を行い「情報入力した時、移動体がある地点にあった」という事象の属性として少なくとも予め定められた経度、緯度、時刻、高度、速度のいずれか1つまたは複数を測定し、所定の属性の属性値として、登録コマンド発生装置204(情報登録部104)に送出する。GPS202は例えばソケット・コミュニケーション社のモーバイルGPS装置GP803(商標または製品名)を用いることができる。
・・・中略
【0032】
さらに、図2の構成例では、情報データベース103は、画像情報を蓄積し、画像情報に付与された座標データを検索キーとして検索できるように管理される画像情報データベース203である。画像情報データベース203は株式会社リコーの拡張リレーショナルデータベース管理システムであるG-BASE(商標または製品名)を用いることができる。G-BASEでは、画像情報のデータを不定長のバイナリ文字列として格納し、属性として座標データを付与するようにスキーマを設計することで、座標データを検索キーとして検索できるように画像情報を管理する。G-BASEでは、標準SQLを拡張した操作言語GSQLを用いて画像情報の登録と検索を行える。操作言語GSQLの詳細については株式会社リコーのG-BASEマニュアル第5分冊に説明されている。
【0033】
情報登録部104は、登録コマンド発生装置204であり、この登録コマンド発生装置204はGSQLに基づいて情報の登録式を生成し、画像情報データベース203(情報データベース103)に出力する。すなわち、登録コマンド発生装置204は、電子カメラ201からの情報のデータと、GPS202からの属性値とを引数とする、GSQLに基づいた所定の情報登録コマンドを生成し、G-BASEすなわち画像情報データベース203に送出する。
【0034】
検索キー入力部106は、文字または文字列を入力し、地名データベース207(属性データベース107)に出力するキーボード装置206である。キーボード装置206に代えてメニュー形式のユーザインターフェースを用いてもよい。このユーザインタフェースは、ディスプレイ上に1つ以上の選択肢のリストをメニューとして表示し、キーボード、マウス、タブレットデジタイザ等で選択肢の1または複数を選択することで、対応する番号、文字、文字列を生成する。メニュー形式のユーザインターフェースはXウィンドウシステムのソフトウェアツールキットを用いて簡単に実現できる(O’Reilly & Associates, Inc.のX View Programming Mannual Volume Seven 2’nd edition Forth printingのpp237-267およびpp588-592)。
【0035】
また検索キー入力部106は手書き文字または印刷も時を認識するOCR装置でもよい。また疑似ペンによってタブレット上で文字を書き、この文字を認識するシャープ社製のPI-3000(商標または製品名)等の手書き文字認識装置でもよい。
【0036】
属性データベース107は、地名を入力すると、経度と緯度の組で表される1または複数の座標を出力する地名データベース207である。地名データベース207は図4、図5に示すように複数の地名座標レコードからなる地名座標管理表を用いる。地名座標レコードは座標フィールド、地名フィールド、およびレコード終端識別子を有する。地名フィールドは1または複数の地名を表す文字列が記録され、座標フィールドには対応する1または複数の座標を記録している。地名が入力されたときに、その文字または文字列を各レコードの地名フィールドの地名とマッチングさせ、一致した場合、そのレコードの座標フィールドの座標を出力する。一致しない場合にはエラーを出力する。
【0037】
情報検索部108は、GSQLの文法に則った情報検索式を生成し、画像情報データベース203(情報データベース103)に出力する検索コマンド発生装置208である。この検索コマンド発生装置208は、ユーザに指示に基づいて地名データベース207から出力された1または複数の座標値を引数とするGSQLに基づいた所定の情報検索コマンドを発生し、画像情報データベース203(G-BASE)に出力する。
【0038】
なお登録コマンド発生装置204(情報登録部104)および検索コマンド発生装置208(情報検索部108)を別々に構成せず、1つの装置で構成し、入力データに応じて検索コマンドと登録コマンドとを切り替えて出力するGSQLコマンド発生装置として構成してもよい。
【0039】
情報出力部105は画像情報データベース203から出力される画像情報を表示する通常の液晶ディスプレイ装置205である。もちろんプラズマディスプレイやCRTディスプレイを用いてもよい。またプリンタを用いてもよい。」
D 「【0040】
つぎに図2の構成例における情報の登録および検索(登録コマンド発生装置204および検索コマンド発生装置208の動作)の詳細を説明する。
・・・中略・・・
【0042】
電子カメラ201を起動すると、電子カメラ201で撮影した画像情報のデータが入力され、登録コマンド発生装置204に送出される。電子カメラ201の起動信号に応じて起動と同時にGPS202から日付、時刻、緯度、経度、高度の事象属性の1または複数の属性値が測定される。この構成例では、属性情報として緯度および経度を用い、緯度および経度の組を登録コマンド発生装置204に送る。もちろん他の属性を用いてもよい。
【0043】
例えば電子カメラ201を起動して「JR渋谷駅」でJR山手線の時刻表を撮影すると、「時刻表の画像データ」が登録コマンド発生装置204に送出される。これと同時に電子カメラ201の起動に応じて、「JR渋谷駅で撮影した」ことを表す事象の属性として経度と緯度の組である座標の値(X1,X2)がGPS202で自動的に測定され登録コマンド発生装置204に送出される。」
E 「【0046】
つぎに情報の検索について説明する。検索は情報を入力した場所の地名またはその場所を含む地域の地名を用いて行うとする。
【0047】
さて、キーボード206地名を入力すると、対応する文字列が地名データベース207に送出され、地名データベース207は対応する1または複数の座標あるいは地図上の矩形領域を表す2つの座標の組を1または複数出力する。
【0048】
図3に示すように、地図に対して等間隔で縦分割線および横分割線を設け、矩形領域を規定する。図のA、B、C、Dで規定される矩形領域について各頂点A、B、C、Dの座標を(XN,YN)、(XN+1,YN)、(XN,YN+1)、(XN+1,YN+1)で表す。矩形領域は対角線をなす2つの頂点座標で規定できるので、AとDの座標の組{(XN,YN),(XN+1,YN+1)}を用いて矩形領域を表す。なお1つの矩形領域には1以上の地名が存在するものとする。
【0049】
図4は、地名対座標管理表(図5)の地名座標レコードのフォーマットを示す。1つのレコードは1つの矩形領域を表す2つの座標を表す座標フィールドと、1または複数の地名を格納する地名フィールドからなっている。地名フィールドは、格納する地名の数に依存して可変長であるため、地名のリストとして管理し、地名のリストの最後に特別な識別子として終端記号を格納する。もちろん他の可変長レコードの管理手法を用いてもよいし、固定長としてもよい。例えば所定数の地名フィールドと所定数の座標フィールドとで地名対座標管理表を構成し、1つの領域を複数のレコードで表現してもよい。
【0050】
図5は複数の地名座標レコードで地名対座標管理表が構成される例を示す。
・・・中略・・・
【0055】
検索コマンド発生装置208は地名データベース207から与えられた複数の座標の組から画像情報データベース203を検索するためのGSQL式を生成する。この構成例では以下のGSQL式が生成される。
[GSQL式1-4]
DECLARE LOCAL TEMPORARY TABLE temp1(
latitudeflag CHARACTER(1),
KEIDO INTEGER(8),
longitedeflag CHARACTER(1),
IDO INTEGER(9),
IMAGE VARIABLE CHARACTER
);
[GSQL式1-5]
INSERT INTO temp.temp1
SELECT latitudeflag,KEIDO,longitudeflag,IDO,IMAGE
FROM imageDB
WHERE latitudeflag=’E’
AND KEIDO>=X11
AND KEIDO<=X12
AND longitudeflag=’N’
AND IDO>=Y11
AND IDO<=Y12;
[GSQL式1-6]
INSERT INTO temp.temp1
SELECT latitudeflag,KEIDO,longitudeflag,IDO,IMAGE
FROM imageDB
WHERE latitudeflag=’E’
AND KEIDO>=X31
AND KEIDO<=X32
AND longitudeflag=’N’
AND IDO>=Y31
AND IDO<=Y32;
[GSQL式1-7]
COMMIT;
[GSQL式1-8]
SELECT DISTINCT IMAGE
FROM temp.temp1;
以上のGSQL式は画像情報データベース203に送出され、これに応じて画像データが検索される。検索条件にある画像が記憶されていれば、座標および画像データが1行で表され座標画像対応表として出力される。検索条件に合う画像がなければ、何も出力されず、1つあるときには1行、複数あるときには対応する行数だけ出力される。座標画像対応表においては、1つの画像データと、「ある場所でその画像を入力した」事象の属性である経度と緯度の属性値を表す座標とが対応している。
【0056】
液晶ディスプレイ装置205は検索結果の座標画像対応表の第1行のイメージフィールドの文字列がイメージデータなのでこれを取り出す。画像データを画像情報データベース203に登録するときに、画像データをテキスト情報にエンコードしたイメージデータを記憶したので、復元するためにイメージデータをでコードする必要がある。この構成例では、エンコードにUNIX OSでよく知られるunencodeプログラムを用いたので、undecodeプログラムを用いる。MIMEエンコードプログラムを用いた場合にはMIMEデコードプログラムを用いる。一般にエンコード手法に依存してデコード手法が決定される。もちろんエンコードせずに画像データを登録しておけば、デコードを行う必要はない。またエンコードして登録した場合でもデコードせずに液晶ディスプレイ装置205に表示してもよい。
【0057】
デコードされた画像データは液晶ディスプレイ装置205に表示される。座標画像対応表が複数の行からなるときは以上の手順を繰り返し実行する。
・・・中略・・・
【0064】
この実施例では、情報を入力する際に生起する事象の属性の属性値を測定し、これを情報とともに記憶し、後に検索キーを属性値に変換し、この属性値を含む検索情報を用いて情報を検索している。これによれば、従来のように情報を入力する際に検索キーを付与する煩雑さがなく、また検索キーを生成するための前処理を行う必要もない。さらに事象の属性を用いた検索方法、例えば「渋谷駅で撮影した画像」という検索方法は、人間が記憶を思い出す方法と似た検索の機能を可能とするので、極めて柔軟な検索手法を提供し、移動体を含むネットワークシステムの情報管理の融通性を向上させることができる。」
F 「【図1】
[図:0001398041000001.jpg]
」
G 「【図2】
[図:0001398041000002.jpg]
」
H 「【図3】
[図:0001398041000003.jpg]
」
I 「【図4】
[図:0001398041000004.jpg]
」
J 「【図5】
[図:0001398041000005.jpg]
」
(イ)引用発明
A 上記(ア)Bの段落【0019】には第1の実施例について、「情報管理装置は、情報入力部101、事象属性入力部102、情報データベース103、情報登録部104、情報出力部105、検索キー入力部106、属性データベース107および情報検索部108を有している」ことが記載されている。
また、上記(ア)Eの段落【0064】には、「この実施例では、情報を入力する際に生起する事象の属性の属性値を測定し、これを情報とともに記憶し、後に検索キーを属性値に変換し、この属性値を含む検索情報を用いて情報を検索している」ことが記載されている。
してみると、引用文献1には、“情報入力部101、事象属性入力部102、情報データベース103、情報登録部104、情報出力部105、検索キー入力部106、属性データベース107および情報検索部108を有し、情報を入力する際に生起する事象の属性の属性値を測定し、これを情報とともに記憶し、後に検索キーを属性値に変換し、この属性値を含む検索情報を用いて情報を検索できる情報管理装置”が記載されているといえる。
B 上記(ア)Cの段落【0025】には、“情報入力部101は電子カメラ201であって、電子カメラ201は撮影した画像を画像データに変換して登録コマンド発生装置204(情報登録部104)に出力する装置であ”ることが記載されている。
C 上記(ア)Cの段落【0027】には、“事象属性入力部102はグローバル・ポジショニング・システム(以下GPSとする)202であって、GPS202は複数の衛星と通信を行い「情報入力した時、移動体がある地点にあった」という事象の属性として少なくとも予め定められた経度、緯度を測定し、所定の属性の属性値として、登録コマンド発生装置204(情報登録部104)に送出するものであ”ることが記載され、さらに、上記(ア)Dの段落【0043】には、“GPS202で測定された経度と緯度の組である座標の値が登録コマンド発生装置204に送出される”ことが記載されている。
してみると、引用文献1には、“事象属性入力部102はグローバル・ポジショニング・システム(以下GPSとする)202であって、GPS202は複数の衛星と通信を行い「情報入力した時、移動体がある地点にあった」という事象の属性として少なくとも予め定められた経度、緯度を測定し、測定された経度と緯度の組である座標の値を所定の属性の属性値として、登録コマンド発生装置204(情報登録部104)に送出するものであ”ることが記載されているといえる。
D 上記(ア)Cの段落【0032】には、“情報データベース103は、画像情報を蓄積し、画像情報に付与された座標データをもとに検索できるように管理される画像情報データベース203であって、画像情報のデータを不定長のバイナリ文字列として格納し、属性として座標データが付与され、画像情報を座標データをもとに検索できるように管理でき、また、操作言語GSQLを用いて画像情報の登録と検索を行えるものであ”ることが記載されている。
さらに、上記(ア)Eの段落【0055】には、“情報データベース103は、検索コマンド発生装置208が地名データベース207から与えられた複数の座標の組から生成したGSQL式を受け、これに応じて画像データが検索され、検索条件にある画像が記憶されていれば、座標および画像データが1行で表された座標画像対応表を出力し、検索条件に合う画像がなければ、何も出力しないものであ”ることが記載されている。ここで、上記記載における「検索条件にある画像が記憶されていれば」との記載は、その後に記載されている「検索条件に合う画像がなければ」との記載からすると、「検索条件に合う画像が記憶されていれば」の誤記であると認められる。
してみると、引用文献1には、“情報データベース103は、画像情報を蓄積し、画像情報に付与された座標データをもとに検索できるように管理される画像情報データベース203であって、画像情報のデータは不定長のバイナリ文字列として格納され、属性として座標データが付与され、画像情報を座標データをもとに検索できるように管理でき、また、操作言語GSQLを用いて画像情報の登録と検索を行えるものであって、検索コマンド発生装置208が地名データベース207から与えられた複数の座標の組から生成したGSQL式を受け、これに応じて画像データが検索され、検索条件に合う画像が記憶されていれば、座標および画像データが1行で表された座標画像対応表を出力し、検索条件に合う画像がなければ、何も出力しないものであ”ることが記載されているといえる。
E 上記(ア)Cの段落【0033】には、“情報登録部104は、登録コマンド発生装置204であり、登録コマンド発生装置204は、電子カメラ201からの情報のデータと、GPS202からの属性値とを引数とする、GSQLに基づいた所定の情報登録コマンドを生成し、画像情報データベース203に送出するものであ”ることが記載されている。
F 上記(ア)Cの段落【0039】には、“情報出力部105は画像情報データベース203から出力される画像情報を表示する通常の液晶ディスプレイ装置205であ”ることが記載されている。
G 上記(ア)Bの段落【0019】には、「検索キー入力部106はユーザーからの検索キー等の検索情報を受け付け」ることが記載され、さらに、上記(ア)Cの段落【0034】には、“検索キー入力部106は、文字または文字列を入力し、地名データベース207(属性データベース107)に出力するキーボード装置206であ”ることが記載されている。
してみると、引用文献1には、“検索キー入力部106は、ユーザーが検索キー等の検索情報を文字または文字列として入力し、地名データベース207(属性データベース107)に出力するキーボード装置206であ”ることが記載されているといえる。
H 上記(ア)Cの段落【0036】、図3(上記(ア)H)、図4(上記(ア)I)、図5(上記(ア)J)には、“属性データベース107は、地名を入力すると、経度と緯度の組で表される1または複数の座標を出力する地名データベース207であって、地名データベース207は複数の地名座標レコードからなる地名座標管理表を用いるものであって、ここで、地名座標レコードは座標フィールド、地名フィールド、およびレコード終端識別子を有し、地名フィールドは1または複数の地名を表す文字列が記録され、座標フィールドには地名に対応する1または複数の座標を記録しており、地名が入力されたときに、その文字または文字列を各レコードの地名フィールドの地名とマッチングさせ、一致した場合、そのレコードの座標フィールドの座標を出力し、一致しない場合にはエラーを出力するものであ”ることが記載されている。
さらに、上記(ア)Eの段落【0048】、【0049】、図3(上記(ア)H)、図4(上記(ア)I)には、“地名座標レコードの座標フィールドには、1つの矩形領域を表す2つの座標が記録される”ことが記載されている。
また、上記(ア)Eの段落【0047】には、「キーボード206地名を入力すると、対応する文字列が地名データベース207に送出され、地名データベース207は対応する1または複数の座標あるいは地図上の矩形領域を表す2つの座標の組を1または複数出力する」ことが記載されている。
してみると、引用文献1には“属性データベース107は、地名を入力すると、経度と緯度の組で表される矩形領域を表す2つの座標の組を1または複数出力する地名データベース207であって、地名データベース207は複数の地名座標レコードからなる地名座標管理表を用いるものであって、ここで、地名座標レコードは座標フィールド、地名フィールド、およびレコード終端識別子を有し、地名フィールドは1または複数の地名を表す文字列が記録され、座標フィールドには地名に対応する1つの矩形領域を表す2つの座標を記録しており、地名が入力されたときに、その文字または文字列を各レコードの地名フィールドの地名とマッチングさせ、一致した場合、そのレコードの座標フィールドの矩形領域を表す2つの座標の組を1または複数出力し、一致しない場合にはエラーを出力するものであ”ることが記載されているといえる。
I 上記(ア)Cの段落【0037】には、“情報検索部108は、GSQLの文法に則った情報検索式を生成し、画像情報データベース203(情報データベース103)に出力する検索コマンド発生装置208であって、この検索コマンド発生装置208は、ユーザーの指示に基づいて地名データベース207から出力された1または複数の座標値を引数とするGSQLに基づいた所定の情報検索コマンドを発生し、画像情報データベース203に出力するものであ”ることが記載されている。
また、段落【0055】には、「検索コマンド発生装置208は地名データベース207から与えられた複数の座標の組から画像情報データベース203を検索するためのGSQL式を生成する。この構成例では以下のGSQL式が生成される。
[GSQL式1-4]
DECLARE LOCAL TEMPORARY TABLE temp1(
latitudeflag CHARACTER(1),
KEIDO INTEGER(8),
longitedeflag CHARACTER(1),
IDO INTEGER(9),
IMAGE VARIABLE CHARACTER
);
[GSQL式1-5]
INSERT INTO temp.temp1
SELECT latitudeflag,KEIDO,longitudeflag,IDO,IMAGE
FROM imageDB
WHERE latitudeflag=’E’
AND KEIDO>=X11
AND KEIDO<=X12
AND longitudeflag=’N’
AND IDO>=Y11
AND IDO<=Y12;
[GSQL式1-6]
INSERT INTO temp.temp1
SELECT latitudeflag,KEIDO,longitudeflag,IDO,IMAGE
FROM imageDB
WHERE latitudeflag=’E’
AND KEIDO>=X31
AND KEIDO<=X32
AND longitudeflag=’N’
AND IDO>=Y31
AND IDO<=Y32;
[GSQL式1-7]
COMMIT;
[GSQL式1-8]
SELECT DISTINCT IMAGE
FROM temp.temp1;
以上のGSQL式は画像情報データベース203に送出され」ると記載されている。
してみると、引用文献1には、“情報検索部108は、GSQLの文法に則った情報検索式を生成し、画像情報データベース203(情報データベース103)に出力する検索コマンド発生装置208であって、この検索コマンド発生装置208は、ユーザーの指示に基づいて地名データベース207から出力された1または複数の座標値を引数とするGSQLに基づいた
[GSQL式1-4]
DECLARE LOCAL TEMPORARY TABLE temp1(
latitudeflag CHARACTER(1),
KEIDO INTEGER(8),
longitedeflag CHARACTER(1),
IDO INTEGER(9),
IMAGE VARIABLE CHARACTER
);
[GSQL式1-5]
INSERT INTO temp.temp1
SELECT latitudeflag,KEIDO,longitudeflag,IDO,IMAGE
FROM imageDB
WHERE latitudeflag=’E’
AND KEIDO>=X11
AND KEIDO<=X12
AND longitudeflag=’N’
AND IDO>=Y11
AND IDO<=Y12;
[GSQL式1-6]
INSERT INTO temp.temp1
SELECT latitudeflag,KEIDO,longitudeflag,IDO,IMAGE
FROM imageDB
WHERE latitudeflag=’E’
AND KEIDO>=X31
AND KEIDO<=X32
AND longitudeflag=’N’
AND IDO>=Y31
AND IDO<=Y32;
[GSQL式1-7]
COMMIT;
[GSQL式1-8]
SELECT DISTINCT IMAGE
FROM temp.temp1;
からなる情報検索コマンドを発生し、画像情報データベース203に出力するものである”ことが記載されているといえる。
J 以上、上記AないしIにおいて検討した事項から、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「情報入力部101、事象属性入力部102、情報データベース103、情報登録部104、情報出力部105、検索キー入力部106、属性データベース107および情報検索部108を有し、情報を入力する際に生起する事象の属性の属性値を測定し、これを情報とともに記憶し、後に検索キーを属性値に変換し、この属性値を含む検索情報を用いて情報を検索できる情報管理装置において、
情報入力部101は電子カメラ201であって、電子カメラ201は撮影した画像を画像データに変換して登録コマンド発生装置204(情報登録部104)に出力する装置であり、
事象属性入力部102はグローバル・ポジショニング・システム(以下GPSとする)202であって、GPS202は複数の衛星と通信を行い「情報入力した時、移動体がある地点にあった」という事象の属性として少なくとも予め定められた経度、緯度を測定し、測定された経度と緯度の組である座標の値を所定の属性の属性値として、登録コマンド発生装置204(情報登録部104)に送出するものであり、
情報データベース103は、画像情報を蓄積し、画像情報に付与された座標データをもとに検索できるように管理される画像情報データベース203であって、画像情報のデータは不定長のバイナリ文字列として格納され、属性として座標データが付与され、画像情報を座標データをもとに検索できるように管理でき、また、操作言語GSQLを用いて画像情報の登録と検索を行えるものであって、検索コマンド発生装置208が地名データベース207から与えられた複数の座標の組から生成したGSQL式を受け、これに応じて画像データが検索され、検索条件に合う画像が記憶されていれば、座標および画像データが1行で表された座標画像対応表を出力し、検索条件に合う画像がなければ、何も出力しないものであって、
情報登録部104は、登録コマンド発生装置204であり、登録コマンド発生装置204は、電子カメラ201からの情報のデータと、GPS202からの属性値とを引数とする、GSQLに基づいた所定の情報登録コマンドを生成し、画像情報データベース203に送出するものであって、
情報出力部105は画像情報データベース203から出力される画像情報を表示する通常の液晶ディスプレイ装置205であって、
検索キー入力部106は、ユーザーが検索キー等の検索情報を文字または文字列として入力し、地名データベース207(属性データベース107)に出力するキーボード装置206であって、
属性データベース107は、地名を入力すると、経度と緯度の組で表される1つの矩形領域を表す2つの座標の組を1または複数出力する地名データベース207であって、地名データベース207は複数の地名座標レコードからなる地名座標管理表を用いるものであって、ここで、地名座標レコードは座標フィールド、地名フィールド、およびレコード終端識別子を有し、地名フィールドは1または複数の地名を表す文字列が記録され、座標フィールドには地名に対応する1つの矩形領域を表す2つの座標を記録しており、地名が入力されたときに、その文字または文字列を各レコードの地名フィールドの地名とマッチングさせ、一致した場合、そのレコードの座標フィールドの矩形領域を表す2つの座標の組を1または複数出力し、一致しない場合にはエラーを出力するものであって、
情報検索部108は、GSQLの文法に則った情報検索式を生成し、画像情報データベース203(情報データベース103)に出力する検索コマンド発生装置208であって、この検索コマンド発生装置208は、ユーザーの指示に基づいて地名データベース207から出力された1または複数の座標値を引数とするGSQLに基づいた
[GSQL式1-4]
DECLARE LOCAL TEMPORARY TABLE temp1(
latitudeflag CHARACTER(1),
KEIDO INTEGER(8),
longitedeflag CHARACTER(1),
IDO INTEGER(9),
IMAGE VARIABLE CHARACTER
);
[GSQL式1-5]
INSERT INTO temp.temp1
SELECT latitudeflag,KEIDO,longitudeflag,IDO,IMAGE
FROM imageDB
WHERE latitudeflag=’E’
AND KEIDO>=X11
AND KEIDO<=X12
AND longitudeflag=’N’
AND IDO>=Y11
AND IDO<=Y12;
[GSQL式1-6]
INSERT INTO temp.temp1
SELECT latitudeflag,KEIDO,longitudeflag,IDO,IMAGE
FROM imageDB
WHERE latitudeflag=’E’
AND KEIDO>=X31
AND KEIDO<=X32
AND longitudeflag=’N’
AND IDO>=Y31
AND IDO<=Y32;
[GSQL式1-7]
COMMIT;
[GSQL式1-8]
SELECT DISTINCT IMAGE
FROM temp.temp1;
からなる情報検索コマンドを発生し、画像情報データベース203に出力するものである、
情報管理装置。」
(3)引用発明との対比・判断
本件補正発明と引用発明とを対比する。
ア 情報提供装置における「クエリ」とは、検索のために実際に入力される単語や単語の組み合わせである。
そして、引用発明の「検索キー」は、「ユーザー」により「文字または文字列として入力」される「検索情報」であるから、本件補正発明の「利用者により入力されたクエリ」に相当する。
また、引用発明の「情報」、「画像情報」は、検索結果としてユーザーに“提供”される情報であるから、本件補正発明の「提供情報」に相当する。
そして、引用発明の「情報管理装置」は、「ユーザー」の入力した「検索キー」である「地名」を「属性値」である「矩形領域を表す2つの座標」に変換し、この「2つの座標」に含まれる「画像情報」を検索し、「液晶ディスプレイ装置205」に「画像情報」を出力するものであって、また、コンピュータシステムによって構成されていることは明らかであるから、引用発明の「情報管理装置」は、本件補正発明の「コンピュータシステムによって構成されて、利用者により入力されたクエリに応動して提供情報を出力する情報提供装置」に相当する。
イ 引用発明の「情報データベース103」は、「画像情報データベース203であって」「属性として座標データが付与され」た「画像情報のデータ」を「不定長のバイナリ文字列として格納」するものであって、「画像情報」を記憶しているといえる。
ここで、本件補正発明の「クエリ毎に提供情報に照会される構成を規定したクエリの構成」に関して、本願の明細書において特許請求の範囲に対応する部分以外には、「クエリの構成」なる記載はされていない。
しかしながら、段落【0026】に「本実施例の情報提供装置では、クエリに代わってクエリ属性を提供情報データベースに照会することとしている」と記載されていることから「クエリ属性」が「提供情報に照会される構成」に対応するものと認められる。
また、図4A、図4Bには、「クエリ」と「クエリ属性」との対応関係を示した図が記載され、さらに、段落【0027】に「図4Aに示したように、利用者端末から送付されてくるクエリ41のそれぞれに、一つ以上のクエリ属性42が対応付けされていてもよい」と記載されていることから、図4A、図4Bの「クエリ」毎に、一つ以上対応づけられた(規定された)「クエリ属性」が、本件補正発明の「クエリの構成」に対応するものと認められる。ここで、一つ以上であるから、「クエリ」に1対1に対応する「クエリ属性」も「クエリの構成」に含まれるものと認められる。
また、このことは、本件補正発明において「クエリの構成」について、「クエリ毎に提供情報に照会される構成を規定したクエリの構成」と記載されるのみであることからも、「クエリ」と「クエリの構成」(クエリ属性)が1対1で対応するものも含まれることは明らかである。
他方、引用発明の「属性データベース107」は、「地名データベース207であって」「複数の地名座標レコードからなる地名座標管理表を用いるものであ」って、さらに、「地名座標レコード」は、「座標フィールド、地名フィールド、およびレコード終端識別子を有し、地名フィールドは1または複数の地名を表す文字列が記録され、座標フィールドには対応する1つの矩形領域を表す2つの座標を記録し」たものである。
そして、引用発明は、「検索キー」である「地名が入力されたときに、その文字または文字列を各レコードの地名フィールドの地名とマッチングさせ、一致した場合、そのレコードの座標フィールドの矩形領域を表す2つの座標の組を1または複数を出力」し、この「2つの座標」と、「画像情報」の属性値である「座標」の値を比較することで、「画像情報」の検索を行うものであるから、引用発明の「1つの矩形領域を表す2つの座標」は、画像情報に照会される構成といえる。
さらに、「地名座標レコード」が、「1つの矩形領域を表す2つの座標」が記録された「座標フィールド」と、「検索キー」である「地名」の「地名フィールド」を対応づけているから、引用発明の「1つの矩形領域を表す2つの座標」は、「地名座標レコード」によって「地名フィールド」の地名毎に規定されているといえる。
してみると、引用発明の「1つの矩形領域を表す2つの座標」は、本件補正発明の「提供情報に照会される構成」に相当し、さらに、引用発明の「地名座標レコード」の「座標フィールド」の「1つの矩形領域を表す2つの座標」は、本件補正発明の「クエリ毎に提供情報に照会される構成を規定したクエリの構成」に相当する。
したがって、引用発明の「情報データベース103」及び「属性データベース107」は、本件補正発明の「提供情報と、クエリ毎に提供情報に照会される構成を規定したクエリの構成とを記憶する記憶手段」に相当する。
ウ 引用発明の「情報データベース103」は、「画像情報データベース203であって」、「画像情報」の「座標データ」の値が、「検索コマンド発生装置208が地名データベース207から与えられた複数の座標の組から生成したGSQL式」の「検索条件」に合っていれば、「座標および画像データが1行で表された座標画像対応表を出力」するものである。
ここで、引用発明の「検索コマンド発生装置208が地名データベース207から与えられた複数の座標の組」は、「1つの矩形領域を表す2つの座標」であって、「GSQL式」には、「GSQL」言語の演算子などは含まれるが、「画像情報」の「座標データ」の値と比較される「検索条件」としては「1つの矩形領域を表す2つの座標の(1または複数の)組」のみであることは明らかである。
してみれば、引用発明の「情報データベース103」は、「1つの矩形領域を表す2つの座標の(1または複数の)組」のみを「画像情報」の「座標データ」の値と照会し、この「1つの矩形領域を表す2つの座標の(1または複数の)組」に基づいて「画像情報」を抽出しているといえる。
したがって、引用発明の「情報データベース103」が、本件補正発明の「クエリの構成のみを提供情報に照会し、当該照会したクエリの構成に基づいて提供情報を抽出する抽出手段」に相当する構成を有することは明らかである。
エ 引用発明の「情報出力部105」は、「画像情報データベース203から出力される画像情報を表示する通常の液晶ディスプレイ装置205」であるから、本件補正発明の「前記抽出手段が抽出した提供情報を出力する出力手段」に相当する。
オ 結論
したがって、引用発明は、本件補正発明の発明特定事項の全てを備えているから、本件補正発明と引用発明との間に相違点は無く、本件補正発明は、引用文献1に記載された発明である。
よって、本件補正発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
カ 審判請求人の主張
なお、審判請求人は、審判請求書で、
「<本願発明の進歩性>
請求項1発明の事項(2-2)あるいは(22-2)および(3)あるいは(23)に記載の「クエリの構成」は、上述したように、クエリ毎に、クエリに代わって提供情報に照会される構成を規定し、「提供情報を評価する構成」あるいは「提供情報を抽出する構成」を制御するものです。これは、多元的な利用者の要求に基づいて、一元的に提供情報を抽出あるいは評価して出力することができることにより、利用者の抽象的なクエリに応じて、客観的な情報提供の評価あるいは抽出が可能となるものです。
そして、このクエリの構成は、本願の全ての請求項に係る発明に共通した特徴的な要件であり、いずれの引用文献にも記載や示唆がないものであります。また、いずれの引用文献に基づいても「クエリの構成」に想到する動機付けも生じ得ないものと思料いたします。
・・・中略・・・
さらに、本願発明では、価格に関する属性を例に挙げると、属性として「¥100,001~¥200,000」等の「範囲内」で設定することも可能であるし、¥100,000以下、かつ¥200,000以上」等の「範囲外」で設定することも可能となります。これは、文献1発明が矩形領域の「範囲内」でしか画像データを抽出できないものとは全く異なる技術であります。
このように、本願発明は、上述したように、「きれいな画像」等といった抽象的な一つの「クエリ」に対して「光学式」、「A社」、「(+)」、「¥100,001~¥200,000」等といった、一つ以上複数の多元的で、かつ具体的な「属性」、「属性値」(属性の内容)、「評価情報」などを一元的に管理(制御)した「クエリの構成」(関係)を規定し、「クエリの構成」のみを提供情報に照会することで、「クエリの構成」に基づいて提供情報を評価/抽出するものであります。それによって、本願発明は、多元的な利用者の要求に基づいて、一元的に提供情報を評価したり抽出したりすることが可能なものとなり、利用者の抽象的なクエリに応じて、客観的な情報提供の評価あるいは抽出が可能となるものです。
一方、文献1発明は、具体的な撮影場所を抽象化して検索するもので、具体的なクエリ「JR渋谷駅」を抽象化した矩形領域に置換して検索するものです。例えば、座標値を住所に変えて説明すると、「JR渋谷駅」の住所が「東京都渋谷区道玄坂1丁目~2丁目」であるが具体的な住所が不明であるとして、クエリ「JR渋谷駅」を「東京都渋谷区」に置換して検索するもので、「JR渋谷駅」というクエリに「東京都渋谷区」で撮影された画像が抽出することになります。これは撮影場所(地名)などの一元的な利用者の要求を置換して抽象化したもので、検索漏れが減少しますが、目的以外のものが検索されるノイズが増加することは自明です。また、利用者の要求が一元的であることは自明で、文献1発明は、利用者の一元的な要求に基づき、一元的に提供情報を抽出するもので、本願発明の、「クエリ毎に、クエリに代わって提供情報に照会される構成を規定し、『提供情報を評価する構成』あるいは『提供情報を抽出する構成』を制御する」必要がありません。
そして、理由2,3の主要な根拠である引用文献1を含めた全ての引用文献には、「多元的な利用者の要求に基づき、一元的に提供情報を評価/抽出して出力する」、との目的についての記載や示唆がありません。もちろん、文献1発明や他の引用文献に記載された発明は、このような目的を達成するための構成も備えていません。
したがいまして、当業者であっても、引用文献に基づいて本願発明の構成に想到することは、困難であるとともに、本願発明の構成に想到する動機付けも生じ得ません。」(審判請求書16頁下から2行目―19頁8行)、
と主張している。
しかしながら、請求項2の記載には、「クエリの構成」に関して、「クエリ毎に提供情報に照会される構成を規定した」と記載されるのみで、「「きれいな画像」等といった抽象的な一つの「クエリ」に対して「光学式」、「A社」、「(+)」、「¥100,001~¥200,000」等といった、一つ以上複数の多元的で、かつ具体的な「属性」、「属性値」(属性の内容)、「評価情報」などを一元的に管理(制御)した」ものであることは記載されていない。
また、上記イで説示したように、請求項2の「クエリ毎に提供情報に照会される構成を規定したクエリの構成」には、当然、「クエリ」と「提供情報に照会される構成を規定したクエリの構成」が1対1に対応するような場合も含まれることは明らかである。
したがって、審判請求人の上記主張を採用することはできない。
(4)結語
以上検討したとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和4年7月26日付けの手続補正(本件補正)は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし11に係る発明は、令和3年12月17日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項2に係る発明(以下「本願発明」という。)は上記第2の1(2)に本件補正前の請求項2として記載したとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由の概要
理由2(新規性) この出願の請求項2、6、9、11に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
引用文献1:特開2006-127525号公報
3 引用文献、引用発明
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明は、上記第2の[理由](2)アで記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、上記第2の2で検討した本件補正発明から、「クエリの構成」の「照会」の内容に関して限定した「クエリ毎に提供情報に照会される構成を規定したクエリの構成」を「照会可能なクエリの構成」として、さらに、「提供情報を抽出する」ことの具体的な内容に関して限定した「クエリの構成のみを提供情報に照会し、当該照会したクエリの構成に基づいて提供情報を抽出する」を「クエリの構成に基づいて提供情報を抽出する」としたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2の[理由]2(3)に記載したとおり、引用文献1に記載された発明であるから、本願発明も、引用文献1に記載された発明である。
第4 むすび
以上のとおり、本願の請求項2に係る発明は引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-011615