2022-011592
光トランシーバ
- 審判番号
- 2022-011592
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-525765外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年07月26日
- 審決日
- 2023年10月12日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .113-Z (G02B) / P18 .575-Z (G02B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
本願は、2019年(令和元年)6月19日(優先権主張 平成30年6月19日。以下「優先日」という。)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 令和4年7月26日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年7月26日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「筐体と、前記筐体内において光部品の位置決めをする位置決め部材と、前記筐体内に収容され、発熱部品が実装された基板と、を備え、前記位置決め部材は、前記光部品の前記筐体内における位置を決定するとともに、前記基板の一方の面側において前記基板と前記筐体とを熱的に接続し、前記発熱部品から前記基板を介して伝導した熱を前記筐体へ放熱し、前記基板の他方の面側において前記発熱部品と前記筐体とを熱的に接続する熱伝導性部材を更に備える、光トランシーバ。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和4年1日5日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「筐体と、前記筐体内において光部品の位置決めをする位置決め部材と、前記筐体内に収容され、発熱部品が実装された基板と、を備え、前記位置決め部材は、前記光部品の前記筐体内における位置を決定するとともに、前記基板と前記筐体とを熱的に接続し、前記発熱部品から前記基板を介して伝導した熱を前記筐体へ放熱する、光トランシーバ。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「位置決め部材」の「前記基板と前記筐体とを熱的に接続」する位置について、「前記基板の一方の面側において」との限定を付加するものであるとともに、「光トランシーバ」について、「前記基板の他方の面側において前記発熱部品と前記筐体とを熱的に接続する熱伝導性部材を更に備える」との限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明の認定
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
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ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された刊行物である又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2013-84006号公報(平成25年5月9日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。
「【技術分野】【0001】本発明は、波長可変レーザモジュールを用いた光送受信器に関するものである。」
「【背景技術】【0002】従来、固定波長レーザを用いた光送受信器が知られている。この固定波長レーザを用いた光送受信器は、現在では、300pin型の標準パッケージとして規格化されている。」
「【0025】図1(a)は、本実施形態に係る光送受信器の裏面からみた概略断面図であり、図1(b)はその表面からみた概略断面図、図1(c)はその斜視図、図2(a)はその2Aー2A線断面図、図2(b)はその2Bー2B線断面図である。」
「【0026】図1,2に示すように、光送受信器1は、波長可変レーザモジュール(ITLA)2と、波長可変レーザモジュール2からの光を変調して出力する光変調器3と、入力された光信号を受光する受光素子4と、外部通信基板と電気的に接続される多ピンのコネクタ5とを主に備える。本実施形態では、光変調器3としてLN(LiNbO3(ニオブ酸リチウム))変調器、受光素子4としてAPD(Avalanche Photodiode)を用いる。」
「【0027】光送受信器1は、筐体9内に、波長可変レーザモジュール2と、光変調器3、受光素子4、コネクタ5を搭載した回路基板6とを有し、コネクタ5からの電気信号を波長可変レーザモジュール2と光変調器3にて光信号に変換して送信光ファイバ7に出力し、受信光ファイバ8からの光信号を受光素子4で電気信号に変換してコネクタ5から出力するものである。」
「【0035】IC10とドライバIC12は、回路基板6の裏面Rに配置される。IC10は、コネクタ5近傍の光変調器3側に配置され、ドライバIC12は、光変調器3の近傍に配置される。」
「【0042】さて、本実施形態に係る光送受信器1では、図2(a),(b)に示すように、回路基板6の表面F側の筐体9、すなわち筐体9の上壁9aに、筐体9内で発生する熱を放熱するための放熱フィン13が一体に形成される。【0043】この放熱フィン13が形成された筐体9の上壁9aに、波長可変レーザモジュール2の上面を接触させると共に、回路基板6の表面Fに搭載した受光素子4、制御回路11を接触させ、熱的に密接させる。これにより、波長可変レーザモジュール2、受光素子4、制御回路11で発生した熱は、筐体9の上壁9aと放熱フィン13を介して外部に放熱されるようになる。【0044】本実施形態では、波長可変レーザモジュール2、受光素子4、制御回路11の高さが異なるため、波長可変レーザモジュール2よりも高さが低い受光素子4、制御回路11の上方の筐体9の上壁9aに、筐体9の上壁9aから筐体9内部に(図2(a),(b)では下方に)突出する突起部(肉厚部)9bを一体に形成し、この突起部9bを受光素子4、制御回路11に接触させるようにした。これにより、受光素子4、制御回路11で発生した熱は、突起部9b、筐体9の上壁9a、放熱フィン13を介して外部に放熱されるようになる。」
「【0054】回路基板6の裏面Rに配置したIC10、ドライバIC12で発生した熱については、回路基板6に形成したスルーホール15と筐体9の上壁9aに形成した突起部9cからなる熱伝導部材14を介して、放熱フィン13から外部に放出する。これにより、回路基板6の裏面Rに搭載した発熱電子部品(IC10、ドライバIC12)についても、放熱フィン13に至る熱的な距離を短くすることができ、効果的に放熱を行うことが可能となる。」
「【図1】(a)[図:0001404236000001.jpg]」
「【図1】(b)[図:0001404236000002.jpg]」
「【図2】(b)[図:0001404236000003.jpg]」
(イ)上記(ア)によれば、引用文献1には、実施形態(図1~2)に係る光送受信器1について、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
a 図2(b)(光送受信器の断面図)及び図1(b)(光送受信器の表面からみた概略断面図)によれば、「受光素子4」は、高さ方向が低い略直方体形状であって、その左右側面に複数の突起物が設けられている構造からなることが見て取れるところ、このような形状の構造を有する「受光素子4」は、光入出力機構を有するパッケージについての技術常識(例えば、特開2006-65358号公報の図1及び【0023】を参照。)に照らせば、受光要素とそれが収容されたパッケージとから構成されていると認められる。
そして、上記パッケージは、図2(b)によれば、回路基板6及び筐体9の上壁9aから筐体9内部に突出する突起部9bに接していることが見て取れる。
b 図2(b)によれば、回路基板6の裏面Rに配置した発熱電子部品(IC10、ドライバIC12)と筐体9の下壁との間には、空間が設けられていることが見て取れる。
(ウ)上記(ア)及び(イ)によれば、引用文献1には、実施形態(図1~2)に係る光送受信器1について、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(引用発明を認定する際の根拠箇所を参考までに括弧内に示した。)。
「波長可変レーザモジュール(ITLA)2と、波長可変レーザモジュール2からの光を変調して出力する光変調器3と、入力された光信号を受光する受光素子4と、外部通信基板と電気的に接続される多ピンのコネクタ5とを主に備える光送受信器1であって、(【0026】)光送受信器1は、筐体9内に、波長可変レーザモジュール2と、光変調器3、受光素子4、コネクタ5を搭載した回路基板6とを有しており、(【0027】)回路基板6の裏面Rに、IC10とドライバIC12が配置されており、(【0035】)受光素子4は、受光要素とそれが収容されたパッケージとから構成されており、前記パッケージは、回路基板6及び筐体9の上壁9aから筐体9内部に突出する突起部9bに接しており、(上記(イ)a)回路基板6の表面F側の筐体9、すなわち筐体9の上壁9aに、筐体9内で発生する熱を放熱するための放熱フィン13が一体に形成され、(【0042】)この放熱フィン13が形成された筐体9の上壁9aに、波長可変レーザモジュール2の上面を接触させると共に、回路基板6の表面Fに搭載した受光素子4、制御回路11を接触させ、熱的に密接させるものであり、これにより、波長可変レーザモジュール2、受光素子4、制御回路11で発生した熱は、筐体9の上壁9aと放熱フィン13を介して外部に放熱されるようになり、(【0043】)前記突起部9bを受光素子4、制御回路11に接触させるようにしたことにより、受光素子4、制御回路11で発生した熱は、突起部9b、筐体9の上壁9a、放熱フィン13を介して外部に放熱されるようになり、(【0044】)回路基板6の裏面Rに配置した発熱電子部品(IC10、ドライバIC12)で発生した熱については、回路基板6に形成したスルーホール15と筐体9の上壁9aに形成した突起部9cからなる熱伝導部材14を介して、放熱フィン13から外部に放出し、(【0054】)、回路基板6の裏面Rに配置した発熱電子部品(IC10、ドライバIC12)と筐体9の下壁との間には、空間が設けられている、(上記(イ)b)光送受信器1。」
(3)対比、一致点及び相違点の認定
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア)本件補正発明の「筐体と、」との特定事項について
引用発明の「筐体9」は、本件補正発明の「筐体」に相当する。
よって、引用発明は、本件補正発明の上記特定事項を満たしている。
(イ)本件補正発明の「前記筐体内において光部品の位置決めをする位置決め部材と、」との特定事項について
引用発明の「受光素子4」は、「筐体9内」に存在するとともに、「受光要素とそれが収容されたパッケージ」とから構成されているところ、当該「受光要素」は、本件補正発明の「光部品」に相当する。そして、当該「パッケージ」は、上記のとおり「筐体9」内にあるものであり、しかも、「パッケージ」はその中に存在する「受光要素」の位置決めをしているといえるから、当該「パッケージ」は、本件補正発明の「位置決め部材」に相当し、本件補正発明でいう「前記筐体内において光部品の位置決めをする」ものといえる。
よって、引用発明は、本件補正発明の上記特定事項を満たしている。
(ウ)本件補正発明の「前記筐体内に収容され、発熱部品が実装された基板と、を備え、」との特定事項について
引用発明の「回路基板6」は「筐体9内」に存在することから、当該「回路基板6」は、本件補正発明の「基板」に相当し、本件補正発明でいう「前記筐体内に収容され」たものといえる。そして、当該「回路基板6」は、その「裏面R」に「IC10とドライバIC12」が配置されており、当該「IC10とドライバIC12」は「発熱電子部品」であるとされているから、当該「IC10とドライバIC12」は本件補正発明の「発熱部品」に相当し、当該「回路基板6」は本件補正発明でいう「発熱部品が実装された」ものといえる。
よって、引用発明は、本件補正発明の上記特定事項を満たしている。
(エ)本件補正発明の「前記位置決め部材は、前記光部品の前記筐体内における位置を決定するとともに、」との特定事項について
上記(イ)と同様の理由で、引用発明は、本件補正発明の上記特定事項を満たしている。
(オ)本件補正発明の「(前記位置決め部材は、)前記基板の一方の面側において前記基板と前記筐体とを熱的に接続し、前記発熱部品から前記基板を介して伝導した熱を前記筐体へ放熱し、」との特定事項について
a 引用発明の「回路基板6の表面F」は、本件補正発明の「基板の一方の面」に相当する。
b 引用発明は、「回路基板6の表面F側の筐体9、すなわち筐体9の上壁9aに、筐体9内で発生する熱を放熱するための放熱フィン13が一体に形成され」るものであり、「この放熱フィン13が形成された筐体9の上壁9aに、」「回路基板6の表面Fに搭載した受光素子4」「を接触させ、熱的に密接させるものであり、これにより、」「受光素子4」「で発生した熱は、筐体9の上壁9aと放熱フィン13を介して外部に放熱されるようにな」るものであるから、引用発明の「受光素子4」は、「回路基板6の表面F」側において、「筐体9」と熱的に接続しているといえる。また、引用発明では、当該「受光素子4」に含まれる「パッケージ」は、「回路基板6及び筐体9の上壁9aから筐体9内部に突出する突起部9bに接して」いるものである。
このように、引用発明の「パッケージ」は、「回路基板6」と「筐体9」の双方に接するととともに、当該「パッケージ」を構成する「受光素子4」は、「回路基板6の表面F」側において、「筐体9」と熱的に接続していることから、引用発明は、本件補正発明でいう「(前記位置決め部材は、)前記基板の一方の面側において前記基板と前記筐体とを熱的に接続」するものといえる。
c 引用発明の「IC10とドライバIC12」(本件補正発明の「発熱部品」に相当。)は、「回路基板6の裏面R」に配置されているところ、「回路基板6」であっても熱伝導性をもつことは自明である。そして、上記bのとおり、引用発明は、「パッケージ」(本件補正発明の「位置決め部材」に相当。)が、「回路基板6」と「筐体9」の双方に接するとともに、本件補正発明でいう「前記基板の一方の面側において前記基板と前記筐体とを熱的に接続」するものである。
そうすると、引用発明は、本件補正発明でいう「(前記位置決め部材は、)前記発熱部品から前記基板を介して伝導した熱を前記筐体へ放熱」するものといえる。
d よって、引用発明は、本件補正発明の上記特定事項を満たしている。
(カ)本件補正発明の「前記基板の他方の面側において前記発熱部品と前記筐体とを熱的に接続する熱伝導性部材を更に備える、」との特定事項について
引用発明の「回路基板6の裏面R」は、本件補正発明の「前記基板の他方の面側」に相当する。
よって、本件補正発明は、「前記基板の他方の面側において前記発熱部品と前記筐体とを熱的に接続する熱伝導性部材を更に備える」ものであるが、引用発明は、「回路基板6の裏面Rに配置した発熱電子部品(IC10、ドライバIC12)で発生した熱については、回路基板6に形成したスルーホール15と筐体9の上壁9aに形成した突起部9cからなる熱伝導部材14を介して、放熱フィン13から外部に放出」している。
(キ)本件補正発明の「光トランシーバ」との特定事項について
引用発明の「光送受信器1」は、本件補正発明の「光トランシーバ」に相当する。
よって、引用発明は、本件補正発明の上記特定事項を満たしている。
イ 上記アによれば、本件補正発明と引用発明とは、
「筐体と、前記筐体内において光部品の位置決めをする位置決め部材と、前記筐体内に収容され、発熱部品が実装された基板と、を備え、前記位置決め部材は、前記光部品の前記筐体内における位置を決定するとともに、前記基板の一方の面側において前記基板と前記筐体とを熱的に接続し、前記発熱部品から前記基板を介して伝導した熱を前記筐体へ放熱する、光トランシーバ。」である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点>
本件補正発明は「前記基板の他方の面側において前記発熱部品と前記筐体とを熱的に接続する熱伝導性部材を更に備える」のに対し、引用発明は「回路基板6の裏面Rに配置した発熱電子部品(IC10、ドライバIC12)で発生した熱については、回路基板6に形成したスルーホール15と筐体9の上壁9aに形成した突起部9cからなる熱伝導部材14を介して、放熱フィン13から外部に放出」している点。
(4)判断
ア 相違点についての判断
引用発明から出発した当業者が相違点に係る本件補正発明の構成に至るためには、引用発明の「IC10、ドライバIC12」(本件補正発明の「発熱部品」に相当。)で発生した熱を、「回路基板6に形成したスルーホール15と筐体9の上壁9aに形成した突起部9cからなる熱伝導部材14を介して、放熱フィン13から外部に放出」することに加えて、当該「IC10、ドライバIC12」と「筐体9の下壁」(本件補正発明でいう「前記基板の他方の面側」に存在することになる。)との間の位置に熱伝導部材を設けることによって、当該「筐体9の下壁」へ至るようにすれば足りる。
そこで、引用発明において上記の位置にこのような熱伝導部材を設けることに上記当業者が容易に至るかについて検討すると、発熱する部品からの熱の放熱経路を、1つだけではなく複数設けること、及び放熱経路の中で発熱する部品と筐体の間に熱伝導性部材を備えることは、いずれも周知技術(例えば、特開2015-65314号公報の【0031】、図2、及び、特開2015-135852号公報の【0021】、【0043】及び【図2】を参照。)であると認められる。そうすると、上記当業者であれば、放熱をより確実にするといった自明の課題を解決するために、上記周知技術を適用することは、容易に想到し得たことであり、そのように構成したことにより、当業者は、引用発明における「IC10、ドライバIC12」と「筐体9の下壁」との間の位置に熱伝導部材を設けるという構成に至り、その結果、当該「IC10、ドライバIC12」で発生した熱は、当該「筐体9の下壁」に至るようになる。
以上の次第で、当業者であれば、引用発明及び上記周知技術に基づいて、相違点に係る本件補正発明の構成に容易に至る。
イ 本件補正発明の効果について
本件補正発明の効果は、その構成が奏するものとして引用発明及び上記周知技術に基づいて当業者が予測し得たことにすぎないものである。
ウ 小括
したがって、本件補正発明は、引用発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
3 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条7項の規定に違反するので、同法第159条1項の規定において読み替えて準用する同法第53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和4年1月5日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、というものを含んでいる。
3 引用文献の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項は、前記第2の[理由]2(2)のアに記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、(i)「位置決め部材」の「前記基板と前記筐体とを熱的に接続」する位置についての「前記基板の一方の面側において」という特定事項を省くとともに、(ii)「光トランシーバ」について「前記基板の他方の面側において前記発熱部品と前記筐体とを熱的に接続する熱伝導性部材を更に備える」という特定事項を省いたものとなっている。
そして、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点(上記第2の2(3))からみて、本願発明では(i)及び(ii)に係る特定事項が省かれたことによって、本願発明と引用発明とは、
「筐体と、前記筐体内において光部品の位置決めをする位置決め部材と、前記筐体内に収容され、発熱部品が実装された基板と、を備え、前記位置決め部材は、前記光部品の前記筐体内における位置を決定するとともに、前記基板と前記筐体とを熱的に接続し、前記発熱部品から前記基板を介して伝導した熱を前記筐体へ放熱する、光トランシーバ。」である点で一致することになり、相違点はない。
そうすると、本願発明は、引用文献1に記載された発明である。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-011592