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特許拒絶査定不服審判

2022-010672

遊技機

審判番号
2022-010672
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-019416外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年07月08日
審決日
2023年01月17日
公報発行日
2023年04月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018- 19416「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 8月22日出願公開、特開2019-136133〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年2月6日に出願した特願2018-19416であって、令和3年9月15日付けで拒絶の理由が通知され、同年11月17日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和4年4月4日付け(送達日:同月13日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、同年7月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 令和4年7月8日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正について 本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲は、 (補正前:令和3年11月17日付け手続補正書でした手続補正) 「【請求項1】 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、 前記遊技の進行に伴って行われる演出である遊技中演出を実行する遊技中演出実行手段と、 所定の開始タイミングから前記遊技中演出の実行タイミングに至るまで行われる演出であって、当該遊技中演出が実行される旨を示唆する特定演出を実行する特定演出実行手段と、 前記遊技中演出について前記特定演出の実行を決定可能な決定手段と、を備え、 前記特定演出は、種類及び実行態様が異なる複数のパターンを有しており、 前記遊技中演出が複数実行される場合には、複数の前記特定演出を重複して実行可能であるとともに、各特定演出は、それぞれ異なる当該遊技中演出が実行される旨を示唆するように設定され、 前記決定手段は、 前記遊技中演出が複数実行される場合において、一の前記遊技中演出について一の前記特定演出の実行が決定される際、他の前記遊技中演出を示唆する前記特定演出の実行について、当該一の前記特定演出以外の前記特定演出から決定し得るように設定されていることを特徴とする遊技機。」から、 (補正後:令和4年7月8日付け手続補正書でした手続補正) 「【請求項1】 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、 前記遊技の進行に伴って行われる演出である遊技中演出を実行する遊技中演出実行手段と、 所定の開始タイミングから前記遊技中演出の実行タイミングに至るまで行われる演出であって、当該遊技中演出が実行される旨を示唆する特定演出を実行する特定演出実行手段と、 前記遊技中演出について前記特定演出の実行を決定可能な決定手段と、を備え、 前記特定演出は、実行態様が異なる複数のパターンを有しており、 前記遊技中演出が複数実行される場合には、複数の前記特定演出を重複して実行可能であるとともに、各特定演出は、それぞれ異なる当該遊技中演出が実行される旨を示唆するように設定され、 前記決定手段は、 前記遊技中演出が複数実行される場合において、一の前記遊技中演出について一の前記特定演出の実行が決定される際、他の前記遊技中演出を示唆する前記特定演出の実行について、当該一の前記特定演出と重複しないように、当該一の前記特定演出以外の前記特定演出から決定し得るように設定されていることを特徴とする遊技機。」に補正された(下線は、補正箇所を明示するために合議体が付した。)。 2 補正の適否 (1)本件補正 本件補正による特許請求の範囲の請求項1についての補正は、 ア 発明を特定するために必要な事項である「決定手段」による「他の前記遊技中演出を示唆する前記特定演出」が「当該一の前記特定演出以外の前記特定演出から決定し得るように設定されていること」について、「当該一の前記特定演出と重複しないように」という限定を加えるとともに、 イ 原査定の「付言」において、本件補正前の請求項1の「前記特定演出は、種類及び実行態様が異なる複数のパターンを有しており」との記載に関し、「種類」、「実行態様」とは、それぞれ、具体的にどのようなものを特定しているのか不明であり発明が不明確である旨の指摘に対応して、本件補正前の「種類及び実行態様」との記載を、「実行態様」と改めたものである。 (2)補正目的 本件補正のうち、上記(1)アの補正は、補正前の発明特定事項に限定を加えるものであって、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 また、上記(1)イの補正は、原査定において明確でないと指摘した事項について記載を正すためのものであるから、同法同条同項第4号に掲げる「明りようでない記載の釈明」を目的とする補正に該当する。 (3)新規事項 本件補正は、願書に最初に添付した明細書の【0243】、【0264】~【0272】、【0274】~【0288】及び同図面の図48、図49の記載からみて新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。 3 本件補正発明の独立特許要件についての検討 上記2(2)のとおり、本件補正は、全体としてみれば特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正であるから、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、本件補正により補正された次のとおりのものである(符号A等は分説のため合議体が付した。また、それぞれの符号により分説された事項を、以下では「特定A」等という。)。 本件補正発明 「【請求項1】 A 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、 B 前記遊技の進行に伴って行われる演出である遊技中演出を実行する遊技中演出実行手段と、 C 所定の開始タイミングから前記遊技中演出の実行タイミングに至るまで行われる演出であって、当該遊技中演出が実行される旨を示唆する特定演出を実行する特定演出実行手段と、 D 前記遊技中演出について前記特定演出の実行を決定可能な決定手段と、を備え、 C1 前記特定演出は、実行態様が異なる複数のパターンを有しており、 前記遊技中演出が複数実行される場合には、複数の前記特定演出を重複して実行可能であるとともに、各特定演出は、それぞれ異なる当該遊技中演出が実行される旨を示唆するように設定され、 D 前記決定手段は、 D1 前記遊技中演出が複数実行される場合において、一の前記遊技中演出について一の前記特定演出の実行が決定される際、他の前記遊技中演出を示唆する前記特定演出の実行について、当該一の前記特定演出と重複しないように、当該一の前記特定演出以外の前記特定演出から決定し得るように設定されている E ことを特徴とする遊技機。」 (2)引用文献1に記載された発明 原査定の拒絶理由において引用され、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-133040号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は合議体が付した。以下同様。)。 ア 記載事項等 (ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行い、表示結果を導出表示する可変表示手段に特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。 ・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかしながら、上述したような遊技機では、示唆演出が示唆するタイミングに特定演出を実行するだけのものであり、演出のバリエーションに乏しく、興趣に欠けていた。 【0008】 そこで、本発明は、演出のバリエーションが豊富で興趣性を向上させた遊技機を提供することを目的とする。」 (イ)「【発明を実施するための形態】 【0015】 以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。」 (ウ)「【0058】 図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。・・・ ・・・ 【0070】 演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。」 (エ)「【0247】 次いで、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄の変動表示中に演出表示装置9において特定演出の実行の有無および示唆演出の態様を決定する特定演出設定処理(図25に後述)を実行する(ステップS8003)。特定演出は、大当りの発生に対する信頼度を示す演出である。本実施の形態における特定演出には、一発告知演出(以下、一発告知ともいう)と、役物演出と、ウィンドウ演出とがある。一発告知は、大当りが発生する旨を遊技者に告知する演出であり、本実施の形態では、演出表示装置9に「勝ったな・・・」といった文字情報を表示するものとするが、いずれの演出部材を用いるものであってもよい。例えば、打球操作ハンドル5内に設けられたLEDを点灯させたり、スピーカ27から特殊な音声を出力したり、演出用役物127に特定の動作をさせたり、いずれの演出であってもよい。役物演出は、演出用役物127を動作させる演出であり、具体的には、可動部材用モータ128を駆動することにより演出用役物127を動作させる演出である。ウィンドウ演出は、演出表示装置9にウィンドウを表示する演出であり、大きなウィンドウを表示するウィンドウ(大)と、小さなウィンドウを表示するウィンドウ(小)とがあり、表示されるウィンドウが大きいほど大当りの発生に対する信頼度が高いものである。なお、ウィンドウの色や、ウィンドウの枠の色や、ウィンドウ内に表示されるキャラクタやセリフなどによって大当りの発生に対する信頼度が異なるものとしてもよい。また、1回の変動中には、これらの特定演出を3回まで実行可能であり、且つ、複数の特定演出を同時に実行しないようになっている。すなわち、1回の変動中には、上述した4つの特定演出(一発告知、役物演出、ウィンドウ(大)、ウィンドウ(小))のうち3つを上限とした特定演出を実行可能である。 【0248】 また、示唆演出は、特定演出の発生タイミングを該特定演出の発生タイミングよりも所定時間前から示唆する演出であり、本実施の形態では、特定演出が発生するタイミングまでの残り時間を、特定演出の発生タイミングよりも5秒前から演出表示装置9に表示する演出(以下、カウントダウン演出ともいう)である。このカウントダウン演出を行ったときには、残り時間を示すカウンタがゼロになった時点で、いずれかの特定演出が発生する。なお、カウントダウン演出の開始タイミングは特定演出の発生タイミングの5秒前に限らず、5秒前よりも前であっても後であってもよい。また、複数種類の開始タイミングから一の開始タイミングを選択して実行するものとしてもよい。例えば、特定演出の発生タイミングの3秒前、5秒前、7秒前からいずれかの開始タイミングを抽選によって選択し、実行するものとしてもよい。なお、本実施の形態では、演出表示装置9に表示するカウンタの大きさが異なる示唆演出の態様として、カウンタを大きく表示する「大表示」と、「大表示」よりもカウンタを小さく表示する「小表示」とが設けられている。なお、詳細は後述するが、本実施の形態では、大当りであるか否かに基づいて特定演出の実行の有無および実行する場合には特定演出の種類を決定するとともに、実行する特定演出の種類に基づいて示唆演出の態様を決定し、決定した示唆演出と特定演出とを所定のタイミングで実行する構成としてある。以下、特定演出と示唆演出とを「予告演出」と総称することがある。なお、ステップS8003では、更に、示唆演出や特定演出とは異なる他の演出(例えば、ステップアップ演出)の実行の有無や態様を設定する処理を行うこととしてもよい。 【0249】 次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。 【0250】 図24は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、および音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。」 (オ)「【0254】 図25は、特定演出設定処理を示すフローチャートである。特定演出設定処理において、まず、演出制御用CPU101は、特定演出を実行可能な変動パターンであるか否かを判定する(ステップS2501)。具体的には、変動時間が所定時間(3回の示唆演出および特定演出が実行できる程度の予め定められた時間)以上であるか否かを判定することにより、特定演出の実行が可能な変動パターンであるか否かを判定するが、これに限るものではない。例えば、開始する変動の変動パターンが、予め定められた変動パターンであるか否かを判定することにより、特定演出を実行可能な変動パターンであるか否かを判定することとしてもよい。 【0255】 特定演出の実行が可能であると判定した場合、演出制御用CPU101は、大当りであるか否かを判定し(ステップS2502)、大当りである場合、大当り用特定演出パターン抽選テーブルを選択し(ステップS2503)、はずれの場合、はずれ用特定演出パターン抽選テーブルを選択し(ステップS2504)、複数の特定演出のうちいずれの特定演出を実行するかを決定する特定演出パターン抽選を行う(ステップS2505)。ステップS2505では、具体的には、特定演出を選択するための乱数を取得するとともに、取得した乱数値と、ステップS2503またはS2504にて選択した特定演出パターン抽選テーブルに含まれる判定値とを比較し、特定演出パターンを選択することにより、いずれの特定演出を実行するかを決定する。特定演出パターンとは、1回の変動中に実行する特定演出の組み合わせがパターン化されたものである。なお、乱数値を取得するタイミングはいずれのタイミングであってもよく、入賞タイミングなどであってもよい。 【0256】 ここで、図26および図27を用いて、特定演出パターン抽選テーブルについて説明する。特定演出パターン抽選テーブルは、上述したように、特定演出パターン抽選(ステップS2505)に用いるためのテーブルである。特定演出パターン抽選テーブルには、大当り用特定演出パターン抽選テーブルと、はずれ用特定演出パターン抽選テーブルとがあり、各特定演出パターン抽選テーブルには、特定演出パターン毎に、各特定演出の実行の有無(実行する場合は「○」、実行しない場合は「×」)と選択割合とが含まれている。 ・・・ 【0258】 図27は、大当り用特定演出パターン抽選テーブルを示す説明図である。図27に示す大当り用特定演出パターン抽選テーブルには、特定演出パターン11~特定演出パターン25についての各特定演出の実行の有無と、選択割合とが含まれている。例えば、特定演出パターン11は、いずれの特定演出も実行しない演出パターンであり、選択割合は1/200である。また、特定演出パターン25は、ウィンドウ(大)、役物演出、一発告知を実行する演出パターンであり、選択割合は5/200である。他の特定演出パターンの詳細については、図示の通りである。 ・・・ 【0264】 図28は、示唆演出態様抽選テーブルを示す説明図である。示唆演出態様抽選テーブルは、特定演出毎に、対応する示唆演出の判定値および選択割合が含まれている。例えば、特定演出がウィンドウ(小)である場合、取得した乱数値が0~49のいずれかであれば小表示が選択され、その割合は50/50である。すなわち、特定演出がウィンドウ(小)であれば示唆演出として小表示を選択するようになっている。また、特定演出がウィンドウ(大)である場合、取得した乱数値が0~29のいずれかであれば小表示が選択され、その割合は30/50である。また、取得した乱数値が30~49のいずれかであれば大表示が選択され、その割合は20/50である。特定演出が役物演出である場合、取得した乱数値が0~19のいずれかであれば小表示が選択され、その割合は20/50である。また、取得した乱数値が20~49のいずれかであれば大表示が選択され、その割合30/50である。特定演出が一発告知である場合、取得した乱数値が0~49のいずれかであれば大表示が選択され、その割合は50/50である。すなわち、特定演出が一発告知であれば示唆演出として大表示を100%の割合で選択するようになっている。」 (カ)「【0278】 なお、本実施の形態では、態様の異なる複数の示唆演出として、表示する大きさの異なる示唆演出を設けるものとしたが、態様が異なるものであればこれに限るものではない。例えば、文字や背景の色が異なるものや、特定演出の発生までの時間をカウントダウンする開始時間の異なるものや、スピーカ27から出力する音声の異なるものや、LEDの点灯態様(色や点灯間隔など)の異なるものなど、いずれのものであってもよい。また、本実施の形態では、2種類の示唆演出を設けるものとしたが、3種類以上の示唆演出を設けるものとしてもよい。」 (キ)「【0294】 また、本実施の形態では、特定演出の種類にかかわらず、所定の態様(大表示、小表示)の示唆演出を実行するものとしたが、これに限るものではなく、各特定演出に応じた示唆演出を実行するものとしてもよい。例えば、示唆演出の表示領域毎に示唆する特定演出が異なるものであってもよく、具体的には、ウィンドウ(小)を示唆する場合は演出表示装置9の右上にカウンタを表示する演出を、ウィンドウ(大)を示唆する場合は演出表示装置9の右下にカウンタを表示する演出を、役物演出を示唆する場合は演出表示装置9の左上にカウンタを表示する演出を、一発告知を示唆する場合は演出表示装置9の左下にカウンタを表示する演出を、それぞれの示唆演出とするようなものであってもよい。そういった場合、例えば、各示唆演出に用いるカウンタを常に停止表示させておき、いずれのカウンタのカウントダウンが開始されるかを遊技者に期待させるようなものであってもよい。また、複数の示唆演出を同時に実行するようなものであってもよい。具体的には、複数の示唆演出を同時に実行し、中断することなくカウントダウンを完了した示唆演出に対応する特定演出を実行するようなものとすれば、いずれの特定演出が発生するかを遊技者に期待させ、演出に注視させることができる。なお、複数の示唆演出を同時に実行する場合、複数のカウンタ表示が重なって遊技者による視認の妨げにならないよう、カウンタを通常の位置からずらして表示するようにしてもよい。また、複数の示唆演出を同時に実行する場合、各示唆演出はそれぞれ異なるタイミングに開始されるものであってもよいし、同時に開始されるものであってもよい。各示唆演出に対応する特定演出の実行タイミングが異なるものであれば、各示唆演出のカウンタの数値は異なるものとなる。具体的には、複数の示唆演出を同時に開始する時点Tが、特定演出Aの実行開始より3秒前であり、且つ、特定演出Bの実行開始より7秒前である場合、時点Tにおいて、特定演出Aに対する示唆演出Aのカウンタの数値は3秒であり、特定演出Bに対する示唆演出Bのカウンタの数値は7秒である。また、カウントダウンを完了したカウンタについては、そのまま継続して表示するものであってもよいし、消去するものであってもよい。」 (ク)図27 「 [図:0001396159000001.jpg] 」 ・【0258】には、「図27は、大当り用特定演出パターン抽選テーブルを示す説明図である。図27に示す大当り用特定演出パターン抽選テーブルには、特定演出パターン11~特定演出パターン25についての各特定演出の実行の有無と、選択割合とが含まれている。」と記載され、図27の表には、特定演出パターンが「特定演出パターン20」であるとき、特定演出が「ウィンドウ(小)」及び「一発告知」である欄に「○」が付され、同「ウィンドウ(大)」及び「役物演出」である欄に「×」が付されるとともに、割合の欄に「10/200」と記載されていることが看取される。 これより、引用文献1には、大当り用特定演出パターン抽選テーブルのうち、特定演出パターン20は、ウィンドウ(小)及び一発告知を実行する演出パターンであり、選択割合は10/200であることが記載されている(認定事項1)。 (ケ)図28 「 [図:0001396159000002.jpg] 」 イ 引用発明 上記アの記載事項等に基づき、引用文献1には次の引用発明が記載されていると認められる(符号a等は、本件補正発明の分説A等におおむね対応させて、合議体が付した。)。 引用発明 「a 主基板31に搭載され、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560と(【0058】)、 b~d 第2飾り図柄の変動表示中に演出表示装置9において特定演出の実行の有無および示唆演出の態様を決定する特定演出設定処理を実行する演出制御用CPU101と、を備え(【0247】)、 特定演出は、大当りの発生に対する信頼度を示す演出であり、特定演出には、一発告知演出(以下、一発告知ともいう)と、役物演出と、ウィンドウ演出とがあり、一発告知は、大当りが発生する旨を遊技者に告知する演出であり、役物演出は、演出用役物127を動作させる演出であり、ウィンドウ演出は、演出表示装置9にウィンドウを表示する演出であり、大きなウィンドウを表示するウィンドウ(大)と、小さなウィンドウを表示するウィンドウ(小)とがあり、表示されるウィンドウが大きいほど大当りの発生に対する信頼度が高いものであって、1回の変動中には、これらの特定演出を3回まで実行可能であり、且つ、複数の特定演出を同時に実行しないようになっていて(【0247】)、 示唆演出は、特定演出の発生タイミングを該特定演出の発生タイミングよりも所定時間前から示唆する演出であり、特定演出が発生するタイミングまでの残り時間を、特定演出の発生タイミングよりも、抽選によって選択された3秒前、5秒前、7秒前のいずれかから演出表示装置9に表示する演出(以下、カウントダウン演出ともいう)であり、このカウントダウン演出を行ったときには、残り時間を示すカウンタがゼロになった時点で、いずれかの特定演出が発生するものであり(【0248】)、 大当りであるか否かに基づいて特定演出の実行の有無および実行する場合には特定演出の種類を決定するとともに、実行する特定演出の種類に基づいて示唆演出の態様を決定し、決定した示唆演出と特定演出とを所定のタイミングで実行する構成としていて、特定演出と示唆演出とを予告演出と総称すると、演出制御用CPU101は、変動パターン、予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択し、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行い(【0248】~【0250】)、 c1 演出表示装置9に表示するカウンタの大きさが異なる示唆演出の態様として、カウンタを大きく表示する「大表示」と、「大表示」よりもカウンタを小さく表示する「小表示」とが設けられ(【0248】)、 態様の異なる複数の示唆演出として、表示する大きさの異なる示唆演出を設けるものとしたが、態様が異なるものであればこれに限るものではなく、例えば、文字や背景の色が異なるものや、特定演出の発生までの時間をカウントダウンする開始時間の異なるものや、スピーカ27から出力する音声の異なるものや、LEDの点灯態様(色や点灯間隔など)の異なるものなど、いずれのものであってもよく(【0278】)、 複数の示唆演出を同時に実行するようなものであってもよく、具体的には、複数の示唆演出を同時に実行し、中断することなくカウントダウンを完了した示唆演出に対応する特定演出を実行するようなものとすれば、いずれの特定演出が発生するかを遊技者に期待させ、演出に注視させることができ(【0294】)、 d1 特定演出設定処理において、まず、演出制御用CPU101は、変動時間が所定時間(3回の示唆演出および特定演出が実行できる程度の予め定められた時間)以上であるか否かを判定することにより、特定演出の実行が可能な変動パターンであるか否かを判定し(【0254】)、特定演出の実行が可能であると判定した場合、演出制御用CPU101は、大当りであるか否かを判定し、大当りである場合、大当り用特定演出パターン抽選テーブルを選択して、複数の特定演出のうちいずれの特定演出を実行するかを決定する特定演出パターン抽選を行い(【0255】)、 大当り用特定演出パターン抽選テーブルのうち、特定演出パターン20は、ウィンドウ(小)及び一発告知を実行する演出パターンであり、選択割合は10/200であり(【0258】、図27、認定事項1)、 特定演出がウィンドウ(小)であれば示唆演出として小表示を選択するようになっていて、特定演出が一発告知であれば示唆演出として大表示を100%の割合で選択するようになっている(【0264】、図28)、 e パチンコ遊技機1(【0015】)。」 (3)対比 分説にしたがい、本件補正発明と引用発明を対比する。 ア 特定Aについて 引用発明の 「プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する」こと、 「遊技制御用マイクロコンピュータ560」はそれぞれ、 本件補正発明の 「遊技の進行を制御する」こと、 「遊技制御手段」に相当する。 してみれば、引用発明の構成aは、本件補正発明の特定Aに相当する。 イ 特定Bについて 引用発明の 「大当りの発生に対する信頼度を示す演出であ」って「1回の変動中に」「3回まで実行可能であ」る「特定演出」、 「特定演出と示唆演出とを」「総称」した「予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択し、」「プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行」うこと、 「演出制御用CPU101」はそれぞれ、 本件補正発明の 「前記遊技の進行に伴って行われる演出である遊技中演出」、 「実行する」こと、 「遊技中演出実行手段」に相当する。 してみれば、引用発明の構成b~dは、本件補正発明の特定Bに相当する構成を含んでいる。 ウ 特定Cについて 引用発明の 「特定演出が発生するタイミングまでの残り時間を、特定演出の発生タイミングよりも、抽選によって選択された3秒前、5秒前、7秒前のいずれかから演出表示装置9に表示する演出(以下、カウントダウン演出ともいう)」、 「このカウントダウン演出を行ったときには、残り時間を示すカウンタがゼロになった時点で、いずれかの特定演出が発生する」こと、 「示唆演出」はそれぞれ、 本件補正発明の 「所定の開始タイミングから前記遊技中演出の実行タイミングに至るまで行われる演出」、 「当該遊技中演出が実行される旨を示唆する」こと、 「特定演出」に相当する。 また、上記イの検討を踏まえると、「特定演出と示唆演出とを」「総称」した「予告演出を実行する場合に」「演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行」う主体は、「演出制御用CPU101」であるから、引用発明の「演出制御用CPU101」は、本件補正発明の「特定演出実行手段」にも相当する。 してみれば、引用発明の構成b~dは、本件補正発明の特定Cに相当する構成を含んでいる。 エ 特定Dについて 上記イより、引用発明の「特定演出」が本件補正発明の「遊技中演出」に相当し、上記ウより、引用発明の「示唆演出」が本件補正発明の「特定演出」に相当することを踏まえると、 引用発明の「大当りであるか否かに基づいて特定演出の実行の有無および実行する場合には特定演出の種類を決定するとともに、実行する特定演出の種類に基づいて示唆演出の態様を決定」することは、本件補正発明の「前記遊技中演出について前記特定演出の実行を決定可能」であることに相当し、引用発明の「演出制御用CPU101」は、本件補正発明の「決定手段」にも相当する。 してみれば、引用発明の構成b~dは、本件補正発明の特定Dに相当する構成を含んでいる。 オ 特定C1について (ア)上記ウより、引用発明の「示唆演出」が本件補正発明の「特定演出」に相当することを踏まえると、引用発明において、「演出表示装置9に表示するカウンタの大きさが異なる示唆演出の態様として、カウンタを大きく表示する「大表示」と、「大表示」よりもカウンタを小さく表示する「小表示」とが設けられ」ていることは、本件補正発明の「前記特定演出は、実行態様が異なる複数のパターンを有して」いることに相当する。 念のため、引用発明におけるカウントダウン演出におけるカウンタの大きさの違いが、本件補正発明の「実行態様が異なる」ことに相当しないと解した場合について検討すると、引用発明は、カウントダウン演出におけるカウンタの大きさの違いのみならず、さらに、「態様の異なる複数の示唆演出として、表示する大きさの異なる示唆演出を設けるものとしたが、態様が異なるものであればこれに限るものではなく、例えば、文字や背景の色が異なるものや、特定演出の発生までの時間をカウントダウンする開始時間の異なるものや、スピーカ27から出力する音声の異なるものや、LEDの点灯態様(色や点灯間隔など)の異なるものなど、いずれのものであってもよ」いとしている。出力される音声が異なる態様やLEDの点灯態様(色や点灯間隔など)の異なる態様は、視聴覚的な観点から、その種類や実行態様が異なるといえることは明らかであるから、引用発明は、本件補正発明の「前記特定演出は、実行態様が異なる複数のパターンを有して」いることに相当する構成を含んでいるといえる。 (イ)引用発明の構成b~dの「特定演出」が、「1回の変動中には、」「3回まで実行可能であ」ることは、本件補正発明の「前記遊技中演出が複数実行される場合」に相当する。 また、引用発明において、「複数の示唆演出を同時に実行するようなものであってもよ」いことは、本件補正発明の「複数の前記特定演出を重複して実行可能である」ことに相当する。 そして、引用発明の「複数の示唆演出を同時に実行し、中断することなくカウントダウンを完了した示唆演出に対応する特定演出を実行する」ことは、「示唆演出」としての「カウントダウン」が「完了」すると、それぞれの「示唆演出に対応する特定演出」が「実行」されることを表してるから、本件補正発明の「各特定演出は、それぞれ異なる当該遊技中演出が実行される旨を示唆するように設定され」ることに相当する。 (ウ)上記(ア)、(イ)より、引用発明の構成b~d、構成c1は、本件補正発明の特定C1に相当する構成を含んでいる。 カ 特定D1について 上記イより、引用発明の「特定演出」が本件補正発明の「遊技中演出」に相当し、上記ウより、引用発明の「示唆演出」が本件補正発明の「特定演出」に相当し、上記エより、引用発明の「演出制御用CPU101」が本件補正発明の「決定手段」に相当するとともに、上記オ(イ)より、引用発明の「特定演出」が、「1回の変動中には、」「3回まで実行可能であ」ることが、本件補正発明の「前記遊技中演出が複数実行される場合」に相当することを踏まえると、 引用発明の 「ウィンドウ(小)及び一発告知を実行する演出パターンであ」る「特定演出パターン20」が「選択」されること、 「特定演出がウィンドウ(小)であれば示唆演出として小表示を選択するようになってい」ること、 「特定演出が一発告知であれば示唆演出として大表示を100%の割合で選択するようになっている」ことはそれぞれ、 本件補正発明の 「前記遊技中演出が複数実行される場合」、 「一の前記遊技中演出について一の前記特定演出の実行が決定される」こと、 「他の前記遊技中演出を示唆する前記特定演出の実行について、当該一の前記特定演出と重複しないように、当該一の前記特定演出以外の前記特定演出から決定し得るように設定されている」ことに相当する。 してみれば、引用発明の構成d1は、本件補正発明の特定D1に相当する。 キ 特定Eについて 引用発明の「パチンコ遊技機1」は、本件補正発明の「遊技機」に相当し、引用発明の構成eは、本件補正発明の特定Eに相当する。 (4)当審の判断 上記(3)によれば、本件補正発明と引用発明は、 「A 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、 B 前記遊技の進行に伴って行われる演出である遊技中演出を実行する遊技中演出実行手段と、 C 所定の開始タイミングから前記遊技中演出の実行タイミングに至るまで行われる演出であって、当該遊技中演出が実行される旨を示唆する特定演出を実行する特定演出実行手段と、 D 前記遊技中演出について前記特定演出の実行を決定可能な決定手段と、を備え、 C1 前記特定演出は、実行態様が異なる複数のパターンを有しており、 前記遊技中演出が複数実行される場合には、複数の前記特定演出を重複して実行可能であるとともに、各特定演出は、それぞれ異なる当該遊技中演出が実行される旨を示唆するように設定され、 D 前記決定手段は、 D1 前記遊技中演出が複数実行される場合において、一の前記遊技中演出について一の前記特定演出の実行が決定される際、他の前記遊技中演出を示唆する前記特定演出の実行について、当該一の前記特定演出と重複しないように、当該一の前記特定演出以外の前記特定演出から決定し得るように設定されている E 遊技機。」 の点で一致し、相違するところはない。 してみれば、本件補正発明は、引用発明である。 (5)請求人の主張について ア 審判請求書において、請求人は、次の主張をしている。 「しかし、この引用文献1におけるカウントダウンによる示唆演出は、特定演出が開始される所定時間前に実行されるものとなっており、同タイミングにて重複して実行される(示唆演出によるカウントダウン表示が複数表示される)ものかどうかは定かではなく、上記補正後の請求項1に係る発明の「前記遊技中演出が複数実行される場合には、複数の前記特定演出を重複して実行可能であるとともに、・・・」という構成については、何ら開示されておりません。また、当該構成が開示されていない以上、当該構成を前提とする「前記決定手段は、前記遊技中演出が複数実行される場合において、一の前記遊技中演出について一の前記特定演出の実行が決定される際、他の前記遊技中演出を示唆する前記特定演出の実行について、当該一の前記特定演出と重複しないように、当該一の前記特定演出以外の前記特定演出から決定し得る」という構成も当然開示されておらず、その旨の示唆もなされておりません。 以上より、上記補正後の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明ではなく、新規性を有するものであり、特許法第29条第1項第3号の規定に違反するものではありません。」 イ しかし、本件補正発明の「前記遊技中演出が複数実行される場合には、複数の前記特定演出を重複して実行可能であるとともに、」(特定C1)とする点が引用発明との一致点であることは、上記「第2の3(3)オ(イ)」に記載したとおりである。 また、引用文献1におけるカウントダウンによる示唆演出が、同じタイミングで重複して実行されること、すなわち、示唆演出によるカウントダウン表示が複数表示されることについて、引用文献1の【0294】に、「また、複数の示唆演出を同時に実行するようなものであってもよい。具体的には、複数の示唆演出を同時に実行し、中断することなくカウントダウンを完了した示唆演出に対応する特定演出を実行するようなものとすれば、いずれの特定演出が発生するかを遊技者に期待させ、演出に注視させることができる。なお、複数の示唆演出を同時に実行する場合、複数のカウンタ表示が重なって遊技者による視認の妨げにならないよう、カウンタを通常の位置からずらして表示するようにしてもよい。また、複数の示唆演出を同時に実行する場合、各示唆演出はそれぞれ異なるタイミングに開始されるものであってもよいし、同時に開始されるものであってもよい。各示唆演出に対応する特定演出の実行タイミングが異なるものであれば、各示唆演出のカウンタの数値は異なるものとなる。」と記載されている。 また、引用発明の構成b~dでは、「1回の変動中には、これらの特定演出を3回まで実行可能であり、且つ、複数の特定演出を同時に実行しないようになってい」るが、「特定演出が発生するタイミングまでの残り時間を、特定演出の発生タイミングよりも、抽選によって選択された3秒前、5秒前、7秒前のいずれかから演出表示装置9に表示する演出(以下、カウントダウン演出ともいう)であり、このカウントダウン演出を行ったときには、残り時間を示すカウンタがゼロになった時点で、いずれかの特定演出が発生する」ものであれば、「複数の特定演出を同時に実行しないようになってい」ても、「抽選によって選択された3秒前、5秒前、7秒前のいずれかから」「示唆演出」が開始すると、示唆演出によるカウントダウン表示が複数表示されることが生じうることは明らかである。 このように、引用文献1には、カウントダウンによる示唆演出が、同じタイミングで重複して実行されること、すなわち、示唆演出によるカウントダウン表示が複数表示されることについて記載されていることは明らかであるから、請求人の主張を採用することはできない。 (6)まとめ したがって、本件補正発明は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 むすび 上記3において検討したことからみて、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年11月17日付け手続補正書により補正された、上記「第2の1」「(補正前:令和3年11月17日付け手続補正書でした手続補正)」に示した特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであって、合議体が分説をして以下に再掲する。また、それぞれの符号により分説された事項を、以下では「特定A」等という。 本願発明 「【請求項1】 A 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、 B 前記遊技の進行に伴って行われる演出である遊技中演出を実行する遊技中演出実行手段と、 C 所定の開始タイミングから前記遊技中演出の実行タイミングに至るまで行われる演出であって、当該遊技中演出が実行される旨を示唆する特定演出を実行する特定演出実行手段と、 D 前記遊技中演出について前記特定演出の実行を決定可能な決定手段と、を備え、 C1’ 前記特定演出は、種類及び実行態様が異なる複数のパターンを有しており、 前記遊技中演出が複数実行される場合には、複数の前記特定演出を重複して実行可能であるとともに、各特定演出は、それぞれ異なる当該遊技中演出が実行される旨を示唆するように設定され、 D 前記決定手段は、 D1’ 前記遊技中演出が複数実行される場合において、一の前記遊技中演出について一の前記特定演出の実行が決定される際、他の前記遊技中演出を示唆する前記特定演出の実行について、当該一の前記特定演出以外の前記特定演出から決定し得るように設定されている E ことを特徴とする遊技機。」 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、概略、次の理由を含んでいる。 (新規性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった次の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 <引用文献> 1. 特開2014-133040号公報 3 引用文献1に記載の事項 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1の記載事項は、上記「第2の3(2)」に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、上記「第2の2(1)」において検討したとおり、本件補正発明において、 ア 発明を特定するために必要な事項である「決定手段」による「他の前記遊技中演出を示唆する前記特定演出」が「当該一の前記特定演出と重複しないように、当該一の前記特定演出以外の前記特定演出から決定し得るように設定されていること」について、「当該一の前記特定演出と重複しないように」という限定を省くとともに、 イ 明瞭でない記載の釈明を目的として補正した「前記特定演出は、実行態様が異なる複数のパターンを有しており」という記載を、「前記特定演出は、種類及び実行態様が異なる複数のパターンを有しており」との記載に戻すものである。 ウ そうすると、本願発明の特定A、B、C、D、D1’、Eに係る発明特定事項を全て含み、さらに、「決定手段」についてより限定されたものである本件補正発明の特定A、B、C、D、D1、Eは、上記「第2の3(4)」に示したとおり、引用発明と相違するところがないから、上記の限定を省いた本願発明の特定A、B、C、D、D1’、Eと引用発明とは一致する。 エ そこで、本願発明の特定C1’について、引用発明と対比する。 (ア)引用発明の「示唆演出」は、本件補正発明の「特定演出」に相当する。 そして、引用発明は、「演出表示装置9に表示するカウンタの大きさが異なる示唆演出の態様として、カウンタを大きく表示する「大表示」と、「大表示」よりもカウンタを小さく表示する「小表示」とが設けられ」ていることに加え、さらに、「態様の異なる複数の示唆演出として、表示する大きさの異なる示唆演出を設けるものとしたが、態様が異なるものであればこれに限るものではなく、例えば、文字や背景の色が異なるものや、特定演出の発生までの時間をカウントダウンする開始時間の異なるものや、スピーカ27から出力する音声の異なるものや、LEDの点灯態様(色や点灯間隔など)の異なるものなど、いずれのものであってもよ」いとしている。 出力される音声が異なる態様やLEDの点灯態様(色や点灯間隔など)の異なる態様は、視聴覚的な観点から、その種類や実行態様が異なるといえることは明らかであるから、引用発明は、本願発明の「前記特定演出は、種類及び実行態様が異なる複数のパターンを有して」いることに相当する構成を備えているといえる。 (イ)本願発明の特定C1’のその余の発明特定事項については、上記「第2の3(3)オ(イ)」で検討したとおりであるから、上記(ア)と併せると、引用発明の構成b~d、構成c1は、本願発明の特定C1’に相当する構成を含んでいる。 オ 上記ウ、エによれば、本願発明と引用発明は、 「A 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、 B 前記遊技の進行に伴って行われる演出である遊技中演出を実行する遊技中演出実行手段と、 C 所定の開始タイミングから前記遊技中演出の実行タイミングに至るまで行われる演出であって、当該遊技中演出が実行される旨を示唆する特定演出を実行する特定演出実行手段と、 D 前記遊技中演出について前記特定演出の実行を決定可能な決定手段と、を備え、 C1’ 前記特定演出は、種類及び実行態様が異なる複数のパターンを有しており、 前記遊技中演出が複数実行される場合には、複数の前記特定演出を重複して実行可能であるとともに、各特定演出は、それぞれ異なる当該遊技中演出が実行される旨を示唆するように設定され、 D 前記決定手段は、 D1’ 前記遊技中演出が複数実行される場合において、一の前記遊技中演出について一の前記特定演出の実行が決定される際、他の前記遊技中演出を示唆する前記特定演出の実行について、当該一の前記特定演出以外の前記特定演出から決定し得るように設定されている E 遊技機。」の点で一致し、相違するところはない。 してみれば、本願発明は、引用発明である。 5 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないので、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-010672

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