特許拒絶査定不服審判
2022-010134
界面活性剤として適した組成物
- 審判番号
- 2022-010134
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-546066外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年06月30日
- 審決日
- 2024年06月11日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (C11D) / P18 .575-Z (C11D) / P18 .536-Z (C11D) / P18 .537-Z (C11D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-546066「界面活性剤として適した組成物」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 5月17日国際公開、WO2018/087105、令和 2年 1月 9日国内公表、特表2020-500252〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)11月7日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2016年11月8日(以下「優先日」という。) (EP)欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、令和3年6月23日付けの拒絶理由通知に対して、同年9月28日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和4年2月24日付けで拒絶査定がなされ(以下「原査定」ともいう。謄本送達は同年3月1日。)、これに対して令和4年6月30日に審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年6月30日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正後の特許請求の範囲
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1~9の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「【請求項1】
2種以上の一般式(I)
【化1】
[図:0001415640000001.jpg]
の化合物(式中、Rは、非置換の直鎖C12-アルキル及びC14-アルキルの混合物であり、G1はアラビノース及び/又はラムノース、又はG1はグルコース、アラビノース及びキシロースの混合物であり、xは、1~10の範囲にあって平均値を指し、且つ前記2種以上の化合物はG1及び/又はxが異なる)を含む、洗濯処理における抗灰色化剤としての組成物。
【請求項2】
一般式(I)において、xが1.05~2.5の範囲にある、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
G1がアラビノース及び/又はラムノースであり、xが1.05~2.5の範囲にある、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
G1がアラビノース及び/又はラムノースであり、xが1.10~1.8の範囲にある、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記2種以上の一般式(I)の化合物はRが異なる、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に定義する組成物を含む乾燥配合物又は液体配合物。
【請求項7】
前記配合物が、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、酵素、漂白剤、過酸素化合物(peroxygen compounds)、蛍光増白剤、錯化剤、シリコン系消泡剤、漂白剤、着色剤、染料移行防止剤及びそれらの混合物を含む群から選択される添加剤をさらに含む、請求項6に記載の乾燥配合物又は液体配合物。
【請求項8】
前記配合物が、単回用量の配合物、又は600g/lを超える嵩密度を有する高濃度の粉末配合物である、請求項6又は7に記載の乾燥配合物又は液体配合物。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか一項に記載の2種以上の一般式(I)
【化3】
[図:0001415640000002.jpg]
の化合物(式中、Rは、非置換の直鎖C12-アルキル及びC14-アルキルの混合物であり、G1はアラビノース及び/又はラムノース、又はG1はグルコース、アラビノース及びキシロースの混合物であり、xは、1~10の範囲にあって平均値を指し、且つ前記2種以上の化合物はG1及び/又はxが異なる)を含む組成物を、洗濯処理における抗灰色化剤として使用する方法。」
2 本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和3年9月28日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~11の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
2種以上の一般式(I)
【化1】
[図:0001415640000003.jpg]
の化合物(式中、Rは、非置換の直鎖C8~C20-アルキルであり、G1はアラビノース及び/又はラムノース、又はG1はグルコース、アラビノース及びキシロースの混合物であり、xは、1~10の範囲にあって平均値を指し、且つ前記2種以上の化合物はR及び/又はG1及び/又はxが異なる)を含む、抗灰色化剤としての組成物。
【請求項2】
一般式(I)において、Rが非置換の直鎖C10~C20-アルキル、非置換の直鎖C10~C18-アルキル、非置換の直鎖C12~C18-アルキル、又は、非置換の直鎖C12-アルキル、C14-アルキル、C16-アルキル及びC18-アルキルの混合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
一般式(I)において、Rが非置換の直鎖C12-アルキル及びC14-アルキルの混合物である、請求項1から2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
一般式(I)において、xが1.05~2.5の範囲、又は1.10~1.8の範囲にある、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
一般式(I)において、Rが非置換の直鎖C10~C18-アルキルであり、G1がアラビノース及び/又はラムノースであり、xが1.05~2.5の範囲にある、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
一般式(I)において、Rが非置換の直鎖C12~C18-アルキルであり、G1がアラビノース及び/又はラムノースであり、xが1.10~1.8の範囲にある、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記2種以上の一般式(I)の化合物はRが異なる、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に定義する組成物を含む乾燥配合物又は液体配合物。
【請求項9】
前記配合物が、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、酵素、漂白剤、過酸素化合物(peroxygen compounds)、蛍光増白剤、錯化剤、ポリマー、セッケン、シリコン系消泡剤、漂白剤、着色剤、染料移行防止剤及びそれらの混合物を含む群から選択される添加剤をさらに含む、請求項8に記載の乾燥配合物又は液体配合物。
【請求項10】
前記配合物が、単回用量の配合物、又は600g/lを超える嵩密度を有する高濃度の粉末配合物である、請求項8又は9に記載の乾燥配合物又は液体配合物。
【請求項11】
請求項1から7のいずれか一項に記載の2種以上の一般式(I)
【化3】
[図:0001415640000004.jpg]
の化合物(式中、Rは、非置換の直鎖C8~C20-アルキルであり、G1はアラビノース及び/又はラムノース、又はG1はグルコース、アラビノース及びキシロースの混合物であり、xは、1~10の範囲にあって平均値を指し、且つ前記2種以上の化合物はR及び/又はG1及び/又はxが異なる)を含む組成物を、洗濯処理における抗灰色化剤として使用する方法。」
3 本件補正の目的
本件補正は、請求項1の「一般式(I)の化合物」の式中の「Rは、非置換の直鎖C8~C20-アルキル」について、請求項3の記載に基づいて「Rは、非置換の直鎖C12-アルキル及びC14-アルキルの混合物」に限定する補正事項を含むものである。
また、本件補正は、請求項1の「2種以上の一般式(I)の化合物」の「前記2種以上の化合物はR及び/又はG1及び/又はxが異なる)」について、2種以上の化合物の組み合わせから「R」を含む組み合わせを削除し、「前記2種以上の化合物はG1及び/又はxが異なる)」に限定する補正事項を含むものである。
また、本件補正は、請求項1の「抗灰色化剤としての組成物」について、請求項11の記載に基づいて、「洗濯処理における抗灰色化剤としての組成物」に限定する補正事項を含むものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正事項を含むものである。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明1」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであるか)について以下で検討する。
4 独立特許要件についての判断
(1)本件補正発明1
本件補正発明1は、前記1に記載したとおりのものである。
(2)原査定で引用された引用文献及びその記載事項
ア 引用文献
引用文献1:特表平9-507519号公報
引用文献2:特表平8-501579号公報
引用文献3:特表平9-501195号公報
引用文献6:特開2006-160822号公報
引用文献9:国際公開第2008/135646号
引用文献11:特開2014-125474号公報(周知技術を示す文献)
引用文献12:特表平4-500967号公報(周知技術を示す文献)
イ 引用文献2の記載事項
引用文献2には以下の事項が記載されている。
「1.a)式(I)
R1-O-[G]p (I)
(式中、R1は1ないし22個の炭素原子を有するアルキル基またはアルケニル基、[G]は5または6個の炭素原子を有する糖類、並びにpは1ないし10の数を示す。)
で表されるアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド、および
b)式(II)
[図:0001415640000005.jpg]
(式中、R2COは12ないし22個の炭素原子および0、1、2または3個の二重結合を有する脂肪族アシル基、n=2または3、並びにXはハロゲン化物、メトスルフェートまたはメトホスフェートを示す。〕
で表されるエステルクァット、並びに
場合により他のアニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤および/または両性または双性界面活性剤を含有する洗剤混合物。」
「7.アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドとエステルクァットとの混合物を(洗剤に対して)10ないし30重量%、および場合により他の界面活性剤並びに典型的な助剤および添加剤を含有する粉末状一般洗剤。
8.アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドとエステルクァットとの混合物を(洗剤に対して)10ないし70重量%、および場合により他の界面活性剤並びに典型的な助剤および添加剤を含有する液状一般洗剤。」
「15.洗濯用洗剤、食器洗浄用洗剤および清浄用製剤、さらに髪の手入れ用および人的衛生用製品の製造のための請求項1に記載の洗剤混合物の使用。」
「アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドは、適切な有機化学調製法により得られる既知の物質である。それらの製造方法の一つは、例えば脂肪アルコールを用いたグルコースの酸触媒アセタール化に基づく。欧州特許出願公開第0301298号は、広範囲で入手可能な文献の一例として挙げられる。
アルドースまたはケトース、とりわけ(容易に入手できるため)グルコースから誘導されるアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドが好ましい。すなわち好ましいアルキルオリゴグリコシドはアルキルオリゴグルコシドである。」(第7頁第2~9行)
「産業上の利用
本発明の洗剤混合物は、優れた洗浄性能、髪および繊維の柔軟化特性、髪および繊維の帯電防止仕上げ、櫛通り性の向上および優れたエコトキシコロジー的適合性を特徴とする。
すなわち、本発明は、洗濯用洗剤、食器洗浄用洗剤および清浄製剤、髪の手入れ用および個人用衛生製品、並びに貯油層からの原油の採掘促進のための使用にも関する。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例
I.使用した物質
1.デヒドール(Dehydol、商標登録)LT7[ドイツ、デュッセルドルフ在、ヘンケル(Henkel KGaA)の製品]:工業用C12/18ヤシ油脂肪アルコールへの平均7モルのエキレンオキサイド(EO)の付加物。
2.テキサポン(Texapon、商標登録)NSO(へンケルの製品):C12/14ヤシ油脂肪アルコール2EO硫酸ナトリウム塩。
3.プランタレン(Plantaren、商標登録)APG600(ヘンケルの製品):平均オリゴマー化度(DP度)1.3のC12/14ヤシ油アルキルオリゴグルコシド。
4.プランタレンAPG225(ヘンケルの製品):平均オリゴマー化度(DP度)1.6のC8/10アルキルオリゴグルコシド。
5.デヒクワルト(Dehyquart、商標登録)AU-36[スペイン、バルセロナ在、プルクラ(Pulcra S.A.)の製品]:工業用C16/18牛脂肪酸トリエタノールアミンのモノ/ジエステルと硫酸ジメチルとの反応生成物。
II.配合実施例
実施例1:柔軟化特性を有する液体洗剤
デヒドールLT7 15重量%
テキサポンNSO 44重量%
プランタレンAPG-600 15重量%
デヒクワルトAU-36 8重量%
クメンスルホネートNa塩 4重量%
水 100重量%とする
上記の水性洗剤混合物は、優れた洗浄および柔軟化特性を有し、さらに処理した繊維に帯電防止効果を与える。
実施例2:研究室用清浄剤
プランタレンAPG-225 7重量%
デヒクワルトAU-36 10重量%
水 100重量%とする
上記の水性洗剤混合物は優れた清浄および消毒特性を示す。
実施例3:柔軟化特性を有する一般洗剤
プランタレンAPG-600 15重量%
デヒクワルトAU-36 4.5重量%
トリポリリン酸ナトリウム 45重量%
炭酸ナトリウム 20重量%
珪酸ナトリウム 15重量%
プロテアーゼ 0.5重量%
上記の粉末混合物は大変優れた清浄特性を有する。カチオン界面活性剤を含有する典型的な洗剤に比べて、汚れが繊維に再吸着しない。」(第11頁第26行~第13頁第15行)
ウ 引用文献9の記載事項
引用文献9には以下の事項が記載されている。なお、摘記事項の後ろに当審の仮訳を掲載した。
「
[図:0001415640000006.jpg]
[図:0001415640000007.jpg]
」
(請求項
1.以下を含む界面活性剤組成物:
i)組成物の70~99重量%の式(1)の少なくとも1種のアルキルグリコシド
R1O(G1)a(G2)b(G3)c(G4)d(G5)e (1)
式中、
R1は、1~4個のエチレン性不飽和を有する直鎖状または分枝状の、飽和または不飽和炭化水素ラジカルであり、1~36個の炭素原子を有し、好ましくは4~22個の炭素原子を有し、
G1、G2、G3、G4及びG5は、互いに独立して、ヘキソース、アラビノースおよびキシロースから選択されるオースの残基であり、
a、b、c、d及びeは、0又は1に等しく、a、b、c、d及びeの合計は、少なくとも1に等しい、
ii)組成物の1~30重量%の式(2)の少なくとも1つの化合物またはその塩、
H-(X-CHR2-CO)n-O-R3 (2)
式中、
X=NHの場合、R2は以下から選択されるラジカルである:―CH3、-(CH2)3-NH-C(NH)-NH2、-CH2-CO-NH2、-CH2-CO-OR3、-CH2-SH、-(CH2)2-CO-NH2、-(CH2)2-CO-OR3、H、-CH2-(C3H3N2)、-CH(CH3)-CH2-CH3、-CH2-CH(CH3)-CH3、-(CH2)4-NH2、-(CH2)2-S-CH3、-CH2-C6H5、-CH2-OH、-CH(OH)-CH3、-CH2-(C8H6N)、-CH2-(C6H4)-OH、-CH(CH3)―CH3
X=Nであるとき、R2は以下の環状ラジカルである:-(CH2)2-Y-であり、Yは、Xに連結したメチレン基-CH2-を表し、
R3は、R1と同一であってもよく、直鎖状または分枝状、1~4のエチレン性不飽和、1~36の炭素原子、好ましくは4~22の炭素原子を有する飽和または不飽和の炭化水素ラジカルであり、
nは1以上の整数;nが1より大きいとき、R2は、互いに同一であるか又は異なる、上述のいくつかのラジカルを表す。
2.式(1)のアルキルグリコシドがアルキルペントシドであることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
3.式(1)のアルキルグリコシドが、アルキルキシロシド、アルキルアラビノシドまたはそれらの混合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。)
「
[図:0001415640000008.jpg]
」
(22.0.1~50重量%の洗浄剤基剤と、1~99.9重量%の界面活性剤組成物とを含有することを特徴とする請求項1~5及び17~21のいずれか一項に記載の洗浄剤製品。)
「
[図:0001415640000009.jpg]
」
(本発明は、アミノ酸、ペプチドまたはタンパク質のアルキルグリコシドおよびアルコールエステルに基づく組成物の新しいファミリーに関する。
本発明の別の態様は、これらの組成物を調製する有利な方法に関する。
最後に、本発明は、特に洗剤、農薬および化粧品の分野における界面活性剤としての組成物の使用にも関する。)(第1頁第5~11行)
「
[図:0001415640000010.jpg]
」
(式(1)の化合物について:
R1は、アルキルタイプの基が好ましく、特に、1~36個の炭素原子、好ましくは4~22個の炭素原子を有するアルコール又は第一級若しくは第二級酸から誘導されるものが好ましい。アルキル基の典型的な例は、メチル、エチル、ブチル、オクチル、デシル基並びにアルコール又はカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びエルカ酸に由来する基であり、より一般的には、植物起源の酸又は植物起源の脂肪酸若しくは脂肪酸のエステルの水素化により合成されるアルコールに由来する基又はテルペン起源のアルコールに由来する基、例えばシトロネロール、ゲラニオール又はテトラヒドロゲラニオールである。ゲルベアルコールなどの工業用アルコールに由来するアルキル基、または石油化学起源のアルデヒドの水素化から得られるアルキル基を選択することもできる。
G1、G2、G3、G4およびG5については、還元糖、特にグルコース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、アラビノースまたはキシロースのような、ヘキソース及び/又はペントースの残基が好ましい。還元糖は、特に、オリゴ糖又は多糖の加水分解に由来する。)(第4頁第10~25行)
「
[図:0001415640000011.jpg]
」
(アルキルグリコシドは、純粋な又は混合された糖源から調製することができる。その結果、アルキルグリコシド、アルキルキシロシド、アルキルアラビノシドまたはこれら3種類のアルキルグリコシドの混合物に基づく組成物を調製することが可能である。)(第5頁下7行~下4行)
「
[図:0001415640000012.jpg]
」
(したがって、本発明の最終的な態様は、0.1重量%~50重量%の特定の配合基剤(洗剤、化粧品又は農薬基剤)及び1重量%~99重量%の本発明による界面活性剤組成物を含有することを特徴とする、洗剤、化粧品又は農薬製品に関する。
特定の配合基剤は、意図される用途(化粧品、繊維製品、工業用洗浄剤、家庭用製品)に従って選択される。)(第26頁下6行~最終行)
「
[図:0001415640000013.jpg]
[図:0001415640000014.jpg]
」
(実施例2:脱デンプン小麦ふすま及びアミノ酸のアルコールエステルから誘導されるドデシルグリコシド及びテトラデシルグリコシドを含む本発明による界面活性剤組成物。
ドデシル及びテトラデシルグリコシド(APP C12/C14)、並びに、アミノ酸のドデシル及びテトラデシルエステル(AAE C12/C14)を含む組成物は、本発明に従って調製される。
APP C12/Cl4は、仏国特許出願第2723858号の実施例1に記載の方法に従って得られたペントースシロップに、ドデシルアルコール及びテトラデシルアルコールの混合物(COGNIS社のLOROL 1214S)をグラフトすることによって得られたアルキルグリコシドの混合物である。各主成分の割合はガスクロマトグラフィーにより測定される。
AAE C12/C14は、J.Biol.Chem.161,259-269,1945のプロトコールに従い、ドデシルアルコール及びテトラデシルアルコールの混合物(COGNIS社のLOROL 1214S)を、触媒量の硫酸の存在下で小麦グルテンの加水分解から得られるアミノ酸の混合物でエステル化することによって得られる。
成分 重量%
ドデシルグルコシド 5.6
テトラデシルグルコシド 2.8
ドデシルキシロシド 43.9
テトラデシルキシロシド 12.1
ドデシルアラビノシド 27.1
テトラデシルアラビノシド 8.5
APP C12/C14の説明
ドデシルグルコシドは、式(1)の化合物に相当し、ここでR1がドデシルラジカルであり、G1がグルコース残基であり、aが1に等しく、b、c、d及びeが0に等しい。
テトラデシルグルコシドは、式(1)の化合物に相当し、ここでR1はテトラデシルラジカルであり、G1はグルコース残基であり、aは1に等しく、b、c、d及びeは0に等しい。
ドデシルキシロシドは、式(1)の化合物に相当し、ここでR1はドデシルラジカルであり、G1はキシロース残基であり、aは1に等しく、b、c、d及びeは0に等しい。
テトラデシルキシロシドは、式(1)の化合物に相当し、ここでR1はテトラデシルラジカルであり、G1はキシロース残基であり、aは1に等しく、b、c、d及びeは0に等しい。
ドデシルアラビノシドは、式(1)の化合物に相当し、ここでR1はドデシルラジカルであり、G1はアラビノース残基であり、aは1に等しく、b、c、d及びeは0に等しい。
テトラデシルアラビノシドは、式(1)の化合物に相当し、ここでR1はテトラデシルラジカルであり、G1はアラビノース残基であり、aは1に等しく、b、c、d及びeは0に等しい。
成分 重量%
L-プロリン 10.1
L-グルタミン 30.3
L-ロイシン 6.3
L-アスパラギン 4.7
L-フェニルアラニン 4.6
L-セリン 4.2
その他<4% 39.8
小麦グルテン中のアミノ酸混合物の主成分の説明。
94.5gのAPP C12/C14と5.5gのAAE C12/C14を、100gの水に600℃で5分間機械攪拌して可溶化する。次に、組成物No.2が得られ、乾燥物に対する重量比は以下のとおりである:
成分/乾燥物 重量%
APP C12/C14 94.5
AAE C12/C14 5.5
組成物No.2の説明)(第34頁第1行~第35頁最終行)
(3)引用文献に記載された発明
ア 引用文献2に記載された発明
引用文献2(上記(2)イ参照。)の実施例3の一般洗剤、及び、同実施例3について「上記の粉末混合物は大変優れた清浄特性を有する。カチオン界面活性剤を含有する典型的な洗剤に比べて、汚れが繊維に再吸着しない。」との記載からみて、引用文献2から次の発明(以下「引用発明2」という。)が認定できる。
(引用発明2)
「プランタレンAPG-600(平均オリゴマー化度(DP度)1.3のC12/14ヤシ油アルキルオリゴグルコシド)15重量%、デヒクワルトAU-36(工業用C16/18牛脂肪酸トリエタノールアミンのモノ/ジエステルと硫酸ジメチルとの反応生成物)4.5重量%、トリポリリン酸ナトリウム45重量%、炭酸ナトリウム20重量%、珪酸ナトリウム15重量%、プロテアーゼ0.5重量%からなる柔軟化特性を有する一般洗剤である粉末混合物であって、当該粉末混合物は大変優れた清浄特性を有し、カチオン界面活性剤を含有する典型的な洗剤に比べて汚れが繊維に再吸着しない、粉末混合物。」
イ 引用文献9に記載された発明
引用文献9(上記(2)ウ参照。)の実施例2の界面活性剤組成物に着目し、請求項1を引用する請求項22の記載からみて、引用文献9から次の発明(以下「引用発明9」という。)が認定できる。
(引用発明9)
「94.5gのAPP C12/C14と5.5gのAAE C12/C14からなる界面活性剤組成物であって、APP C12/C14は、ドデシルグルコシド5.6重量%、テトラデシルグルコシド2.8重量%、ドデシルキシロシド43.9重量%、テトラデシルキシロシド12.1重量%、ドデシルアラビノシド27.1重量%、テトラデシルアラビノシド8.5重量%の混合物であり、AAE C12/C14は、ドデシルアルコール及びテトラデシルアルコールの混合物を、触媒量の硫酸の存在下で小麦グルテンの加水分解から得られる、L-プロリン10.1重量%、L-グルタミン30.3重量%、L-ロイシン6.3重量%、L-アスパラギン4.7重量%、L-フェニルアラニン4.6重量%、L-セリン4.2重量%、その他(<4%)39.8重量%からなるアミノ酸の混合物でエステル化して得られる混合物であり、前記界面活性剤組成物と洗浄剤基剤を含む組成物が洗浄剤製品に用いられる、界面活性剤組成物。」
(4)本件補正発明1と引用発明2との対比、判断
ア 本件補正発明1と引用発明2とを対比すると、引用発明2における「プランタレンAPG-600(平均オリゴマー化度(DP度)1.3のC12/14ヤシ油アルキルオリゴグルコシド)」における「C12/14ヤシ油アルキル」は、本件補正発明1の「Rは、非置換の直鎖C8~C20-アルキル」に相当し、「平均オリゴマー化度(DP度)1.3」は、本件補正発明1の「xは、1~10の範囲にあって平均値を指し」に相当する。ここで、平均オリゴマー化度(DP度)1.3は少なくとも平均オリゴマー化度(DP度)が1と2以上である2種以上の化合物であることが明らかである。してみれば、引用発明2における「プランタレンAPG-600(平均オリゴマー化度(DP度)1.3のC12/14ヤシ油アルキルオリゴグルコシド)」は、本件補正発明1の「2種以上の一般式(I)の化合物(式中、Rは、非置換の直鎖C12-アルキル及びC14-アルキルの混合物であり、xは、1~10の範囲にあって平均値を指し、且つ前記2種以上の化合物はG1及び/又はxが異なる)」に相当する。
また、引用発明2における「柔軟化特性を有する一般洗剤である粉末混合物であって、当該粉末混合物は大変優れた清浄特性を有し、カチオン界面活性剤を含有する典型的な洗剤に比べて汚れが繊維に再吸着しない、粉末混合物」は、洗剤としての使用において汚れが繊維に再吸着しない、すなわち、抗灰色化剤としての機能を有することから、本件補正発明1の「洗濯処理における抗灰色化剤としての組成物」に相当する。
してみると、本件補正発明1と引用発明2の一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「2種以上の一般式(I)
【化1】
[図:0001415640000015.jpg]
の化合物(式中、Rは、非置換の直鎖C12-アルキル及びC14-アルキルの混合物であり、xは、1~10の範囲にあって平均値を指し、且つ前記2種以上の化合物はG1及び/又はxが異なる)を含む、洗濯処理における抗灰色化剤としての組成物。」
<相違点1>
本件補正発明1は、一般式(I)の化合物において「G1はアラビノース及び/又はラムノース、又はG1はグルコース、アラビノース及びキシロースの混合物」であるのに対し、引用発明2のC12/14ヤシ油アルキルオリゴグルコシドでは、G1に相当する部分がグルコースである点
イ 上記相違点1について検討する。引用文献2の第7頁第6~9行には、アルキルオリゴグルコシドと同様にアルキルオリゴグリコシドが好ましいこと、アルキルオリゴグリコシドとしてアルドースまたはケトースから誘導されるものが好ましいことが記載されている。ここで、アルドースにアラビノース、ラムノース、グルコース、キシロースが含まれることは技術常識である。してみれば、引用発明2の「C12/14ヤシ油アルキルオリゴグルコシド)」のG1に相当する部分について、グルコースに代えてアラビノース、ラムノース、グルコース、キシロース、またはこれらの混合物を採用し、「G1はアラビノース及び/又はラムノース、又はG1はグルコース、アラビノース及びキシロースの混合物」とすることは当業者が容易に想到しうるものである。
ウ 仮に、上記相違点1のうち、「G1はグルコース、アラビノース及びキシロースの混合物」とする点について、引用文献2の記載のみから容易に想到しえないとする場合についても、下記(5)での検討のとおり、引用文献9の実施例2にはG1に相当する部分がグルコース、アラビノース及びキシロースの混合物であるC12/C14アルキルオリゴグリコシドを含む界面活性剤組成物と洗浄剤基剤を含む組成物が記載されていることから、引用発明2の組成物に含まれるC12/14ヤシ油アルキルオリゴグルコシドのG1に相当する部分について、グルコースに代えて、グルコース、アラビノース及びキシロースの混合物を採用することは当業者が容易に想到しうるものである。
エ そして、本件補正発明1の効果として、本件明細書の実施例及び比較例の試験結果から、界面活性剤としての優れた効率、優れた抗灰色化性能を示すことが記載されている点について、引用文献2の実施例3の粉末混合物は「大変優れた清浄特性を有する」こと、「カチオン界面活性剤を含有する典型的な洗剤に比べて、汚れが繊維に再吸着しない」ことが記載されている、すなわち、界面活性剤としての優れた効率を有すること、優れた抗灰色化性能を有することが記載されているといえることから、本件補正発明1の効果は引用文献2の記載から予測しうる範囲のものである。
オ 審判請求人は令和4年6月30日に提出した審判請求書(4)において、「引用文献1~3、6、9、11~12は、上記式の2種以上の化合物を含む、洗濯用途の抗灰色化剤につき、記載及び示唆するものではないと思料します」と主張している。
しかしながら、上記アでの検討のとおり、本願補正発明1と引用発明2とは、洗濯用途の抗灰色化剤の点について両者に差異はない。また、引用発明2のC12/14ヤシ油アルキルオリゴグルコシドのアルキルオリゴグリコシドとしてアルドースまたはケトースから誘導されるものが好ましいことが記載されていることから、上記イでの検討のとおり、本件補正発明1の「上記式の2種以上の化合物」の「G1はアラビノース及び/又はラムノース、又はG1はグルコース、アラビノース及びキシロースの混合物」とする点についても引用文献2に記載又は示唆があるといえる。そして、下記(5)オでの検討のとおり、引用文献9にも「上記式の2種以上の化合物を含む、洗濯用途の抗灰色化剤」について記載又は示唆があるといえる。
よって、審判請求人の主張は採用することができない。
カ したがって、本件補正発明1は、引用発明2及び引用文献2の記載に基づいて、あるいは、引用発明2並びに引用文献2及び引用文献9の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(5)本件補正発明1と引用発明9との対比、判断
ア 本件補正発明1と引用発明9とを対比すると、引用発明9の「APP C12/C14」は、「ドデシルグルコシド」、「テトラデシルグルコシド」、「ドデシルキシロシド」、「テトラデシルキシロシド」、「ドデシルアラビノシド」、「テトラデシルアラビノシド」の混合物であり、実施例2の「ドデシルグルコシド」、「テトラデシルグルコシド」、「ドデシルキシロシド」、「テトラデシルキシロシド」、「ドデシルアラビノシド」、「テトラデシルアラビノシド」の説明において、請求項1に記載の式(1)におけるG1がグルコース残基、キシロース残基、又は、アラビノース残基である場合に相当し、すべてa=1、b、c、d、e=0である、すなわちG1の重合度が1であることが記載されていることから、本件補正発明1の「2種以上の一般式(I)の化合物」、「Rは、非置換の直鎖C12-アルキル及びC14-アルキルの混合物」、「G1はグルコース、アラビノース及びキシロースの混合物」、「xは、1~10の範囲にあって平均値を指し、且つ前記2種以上の化合物はG1及び/又はxが異なる」を充足する。
してみると、本件補正発明1と引用発明9の一致点及び相違点は次のとおりである。
<一致点>
「2種以上の一般式(I)
【化1】
[図:0001415640000016.jpg]
の化合物(式中、Rは、非置換の直鎖C12-アルキル及びC14-アルキルの混合物であり、G1はアラビノース及び/又はラムノース、又はG1はグルコース、アラビノース及びキシロースの混合物であり、xは、1~10の範囲にあって平均値を指し、且つ前記2種以上の化合物はG1及び/又はxが異なる)を含む、組成物。」
<相違点2>
本件補正発明1は、組成物が「洗濯処理における抗灰色化剤としての組成物」であるのに対し、引用発明9は、組成物が「洗浄剤製品に用いられる、界面活性剤組成物」である点
イ 上記相違点2について検討する。引用文献9の第26頁下6行~最終行には、「本発明の最終的な態様は、0.1重量%~50重量%の特定の配合基剤(洗剤、化粧品又は農薬基剤)及び1重量%~99重量%の本発明による界面活性剤組成物を含有することを特徴とする、洗剤、化粧品又は農薬製品に関する」こと、及び、「特定の配合基剤は、意図される用途(化粧品、繊維製品、工業用洗浄剤、家庭用製品)に従って選択される」ことが記載されている。してみれば、引用発明9における「洗浄剤製品に用いられる」について、洗浄剤製品として、繊維製品の用途に用いる洗剤、すなわち、洗濯処理に用いることは当業者が容易に想到しうるものであり、その際、引用発明9の界面活性剤組成物の洗濯処理における機能として、上記(4)アでの検討のとおり、引用文献2の実施例3に記載されたC12-C14アルキルオリゴグリコシドを含有する組成物が洗濯処理において抗灰色化剤として機能していることから、同様にC12-C14アルキルオリゴグリコシドを含有する引用発明9の組成物についても洗濯処理において抗灰色化剤として機能する蓋然性が高いといえる。
ウ 仮に、上記相違点2である「洗濯処理における抗灰色化剤としての組成物」とする点について、引用文献9の記載のみから容易に想到しえないとする場合についても、上記(4)アでの検討のとおり、引用文献2の実施例3には、C12-C14アルキルオリゴグリコシドを含有する組成物が洗濯処理において抗灰色化剤として機能していることが記載されているといえることから、引用発明9のC12-C14アルキルオリゴグリコシドを含有する界面活性剤組成物を「洗濯処理における抗灰色化剤」として用いることは、当業者が容易に想到しうるものである。
エ そして、本件補正発明1の効果について、上記イでの検討のとおり、引用発明9の界面活性剤組成物は洗濯処理における抗灰色化剤として機能する蓋然性が高いこと、あるいは、上記(4)エでの検討のとおり、引用文献2の実施例3の粉末混合物は、界面活性剤としての優れた効率を有すること、優れた抗灰色化性能を有することが記載されているといえることから、本件補正発明1の効果は引用文献9又は引用文献2の記載から予測しうる範囲のものである。
オ 審判請求人は、令和4年6月30日に提出した審判請求書(4)において、「引用文献1~3、6、9、11~12は、上記式の2種以上の化合物を含む、洗濯用途の抗灰色化剤につき、記載及び示唆するものではないと思料します」と主張している。
しかしながら、上記アでの検討のとおり、本願補正発明1と引用発明9とは、「G1はグルコース、アラビノース及びキシロースの混合物」とする点について両者に差異はない。また、引用発明9の界面活性剤組成物の用途として「洗濯処理における抗灰色化剤」とする点について、上記イでの検討のとおり、洗浄剤製品として、繊維製品の用途に用いる洗剤、すなわち、洗濯処理に用いることが記載されているといえること、ならびに、抗灰色化剤と機能しうる蓋然性が高いことから、引用文献9に記載又は示唆があるといえる。そして、上記(4)オでの検討のとおり、引用文献2にも「上記式の2種以上の化合物を含む、洗濯用途の抗灰色化剤」について記載又は示唆があるといえる。
よって、審判請求人の主張は採用することができない。
カ したがって、本件補正発明1は、引用発明9及び引用文献9の記載に基づいて、あるいは、引用発明9並びに引用文献9及び引用文献2の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(6)独立特許要件についての判断のむすび
以上のとおり、本件補正発明1は、(i)引用発明2及び引用文献2の記載に基づいて、あるいは、引用発明2並びに引用文献2及び引用文献9の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、(ii)引用発明9及び引用文献9の記載に基づいて、あるいは、引用発明9並びに引用文献9及び引用文献2の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、本件補正発明1は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
5 補正の却下の決定のむすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明1
本件補正は上記したとおり却下されたので、本願請求項1~11に係る発明は、本件補正前の令和3年9月28日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~11に記載された事項により特定されるものであり、その請求項1に係る発明(以下「本願発明1」という。)は、上記第2 2に記載したとおりのものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、令和3年6月23日付け拒絶理由通知書に記載した理由2~5であって、そのうち理由2は、要するに、
「理由2:(進歩性)この出願の請求項1~11に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1:特表平9-507519号公報
引用文献2:特表平8-501579号公報
引用文献3:特表平9-501195号公報
引用文献6:特開2006-160822号公報
引用文献9:国際公開第2008/135646号
引用文献11:特開2014-125474(周知技術を示す文献)
引用文献12:特表平4-500967号公報(周知技術を示す文献)」
というものである。
3 引用文献の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2、引用文献9に記載された発明はそれぞれ、上記第2 4(3)ア、イにおいて認定したとおりである。
4 対比・判断
本願発明1は上記第2 4(4)(5)で検討した本件補正発明1のうち、(iv)「Rは、非置換の直鎖C12-アルキル及びC14-アルキルの混合物」とする限定を削除し、「Rは、非置換の直鎖C8~C20-アルキル」とするもの、(v)「2種以上の一般式(I)の化合物」の「前記2種以上の化合物はG1及び/又はxが異なる)」について、2種以上の組み合わせに「R」を含む組み合わせを追加し、「前記2種以上の化合物はR及び/又はG1及び/又はxが異なる)」とするもの、ならびに、(vi)「洗濯処理における抗灰色化剤としての組成物」から「洗濯処理における」という限定を削除したものである。
そうすると、本願発明1の特定事項を全て含み、上記(iv)~(vi)の点について特許請求の範囲を限定的減縮する限定を加えたものである本件補正発明1が、上記第2 4(4)(5)での検討のとおり、(i)引用発明2及び引用文献2の記載に基づいて、あるいは、引用発明2並びに引用文献2及び引用文献9の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、(ii)引用発明9及び引用文献9の記載に基づいて、あるいは、引用発明9並びに引用文献9及び引用文献2の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願補正発明1も(i)、(ii)のとおりであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明、並びに、他の理由について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-010134