商標拒絶査定不服審判
2022-007645
プリンタブルヘンプウエアケイズメードインワカヤマジャパン、プリンタブルヘンプウエアカゼメードインワカヤマジャパン、プリンタブルヘンプウエアケーズメードインワカヤマジャパン、プリンタブルヘンプウエアケーズ、プリンタブルヘンプウエアカゼ、プリンタブルヘンプウエア、プリンタブルヘンプ、ケーズ、カゼ、ケイエイゼットイー、メードインワカヤマジャパン
- 審判番号
- 2022-007645
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-060396
- 請求日
- 2022年05月23日
- 審決日
- 2022年12月13日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】合同会社WAKAYAMA WOODYS
- 【請求人代理人】向口 浩二
- 審判長/審判官
- 審判長 豊田 純一
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 岩谷 禎枝
- 分類
- T18 .261-Z (W25) / T18 .262-Z (W25) / T18 .263-Z (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 60396拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1の構成よりなり、第25類「被服」を指定商品として、令和3年5月1日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年10月4日付けで拒絶の理由が通知され、同年11月9日に意見書が提出されたが、同4年3月4日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年5月23日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6468175号商標(以下「引用商標」という。)は、「KAZE」の欧文字を黒色のゴシック体で横書きに表してなり、令和2年11月20日に登録出願、第25類「被服,作業服のズボン,作業服,帽子」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第12類、第25類、第35類、第37類並びに第41類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同3年11月9日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標の構成中の「KAZE」の欧文字と引用商標は、外観が相違するとしても、「カゼ」の称呼及び「風」の観念を共通にする類似の商標であるから、これらを総合的に判断すれば、両商標は類似する商標というべきであり、また、本願の指定商品と引用商標に係る指定商品とは同一又は類似の商品であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1に示すとおり、平行線(上の線は、一部欠損している。以下単に平行線という。)の間に「K」の欧文字、その横に、デザイン化された緑色の文字、その横に「Z」の欧文字及びその横に「E」の欧文字を書し、一部欠損した上の線の上部に、前後に「-」を配した「PRINTABLE HEMP WEAR」の欧文字(以下「-PRINTABLE HEMP WEAR-」という。)を横書きし、下の線の下部に「Made in Wakayama JAPAN」の欧文字を横書きしてなるものである。
ところで、本願商標の構成中のデザイン化された緑色の文字は、近時の商標におけるレタリングの手法として、その構成中の一部の文字を、同一称呼の生じる範囲内で文字種の変換をすること、又は、一部の文字をデザイン化することは、一般的に行われており、当該文字は、格別特異な態様ともいえず、さらに、「K」の欧文字と「ZE」の欧文字の間に配されていることからすると、これは、欧文字「A」をデザイン化したものと容易に看取し得るものといえるから、本願商標の構成中の「K」の欧文字、デザイン化された緑色の文字、「Z」の欧文字及び「E」の欧文字は、構成全体として「KAZE」の欧文字を横書きしたもの(以下「KAZE」という。)と認識し得るものであり、「KAZE」は、「空気の流れ」を意味する「風」の漢字又は「感冒」を意味する「風邪」(いずれも「広辞苑 第7版」株式会社岩波書店)の漢字を欧文字で表したものと判断し得るものであり、本願の指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を有さないと判断するべき特段の事情はない。
他方、本願商標の構成中の「-PRINTABLE HEMP WEAR-」は、「KAZE」に比べて小さく書されており、「PRINTABLE」の英語は「印刷できる」を、「HEMP」の英語は「麻」を、「WEAR」の英語は「衣服」(いずれも「ジーニアス英和辞典 第5版」株式会社大修館書店)を意味する語であることから、「-」の記号は、特定の意味合いを生じないとしても、「-PRINTABLE HEMP WEAR-」は、構成全体として、「印刷できる麻の衣服」の意味合いを生じるため、本願の指定商品との関係においては、自他商品の識別標識としての機能は非常に弱いものであり、また、本願商標の構成中の「Made in Wakayama JAPAN」の欧文字は、「KAZE」に比べて小さく書されており、本願の指定商品との関係においては、「(日本の)和歌山製の製品」であることを認識させるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有さないと判断するのが相当である。
加えて、本願商標の構成中の平行線は、特定の称呼及び観念を生じるものと判断しなければならない特段の事情はないものであるが、平行線の間に「KAZE」が配されていることからすると、「KAZE」を視覚的に際立たせる効果を有しているといえる。
そして、本願商標の構成文字全体から生じる「プリンタブルヘンプウエアカゼメイドインワカヤマジャパン」の称呼は冗長である。
そうすると、本願商標は、引用商標との類否を判断するに当たって、本願商標の構成中の自他商品の識別標識としての機能を有しない、又は、有するとしても非常に弱いものと認められる「-PRINTABLE HEMP WEAR-」、「Made in Wakayama JAPAN」の欧文字及び平行線を捨象し、他の構成文字に比して大きく顕著に表され、かつ、平行線により強調された「KAZE」を要部として抽出し、これのみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その構成文字全体に相応して「プリンタブルヘンプウエアカゼメイドインワカヤマジャパン」の称呼を生じるほか、その構成中、顕著に表された「KAZE」に相応して「カゼ」の称呼を生じ、「空気の流れ」及び「感冒」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、「KAZE」の欧文字を黒色のゴシック体で横書きに表してなるところ、構成文字に相応して、「カゼ」の称呼を生じ、上記(1)のとおり、「KAZE」の欧文字は、「風」の漢字又は「風邪」の漢字を欧文字で表したものと判断し得るものである。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して「カゼ」の称呼を生じ、「空気の流れ」及び「感冒」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを対比すると、両商標は、構成全体を見た場合、「-PRINTABLE HEMP WEAR-」及び「Made in Wakayama JAPAN」の欧文字の有無等の明らかな差異があることから、これらは外観において相違するが、本願商標の要部である「KAZE」と引用商標とを比較すると、本願商標の構成中の「A」が緑色で、かつ、図案化されている点について相違するものの、両者は、いずれも、「K」、「A」、「Z」及び「E」のつづりを共通にすることから、時と場所を異にした離隔的観察のもとでは外観上相紛らわしいものである。
また、称呼においては、本願商標の構成文字全体より生じる「プリンタブルヘンプウエアカゼメイドインワカヤマジャパン」の称呼と引用商標より生じる「カゼ」の称呼は、音数が明らかに相違するため、聴別できるものであるが、本願商標の要部である「KAZE」より生じる「カゼ」の称呼と引用商標より生じる「カゼ」の称呼は同一である。
そして、観念においては、本願商標の要部である「KAZE」及び引用商標から生じる「空気の流れ」及び「感冒」の観念は同一である。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において類似し、称呼及び観念を同一にするから、両商標は、相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当であって、これらを総合的に考慮すると、本願商標及び引用商標が同一又は類似の商品及び役務に使用された場合には、当該商品又は役務の出所を誤認混同するおそれがあるというべきである。
(4)本願の指定商品と引用商標に係る指定商品及び指定役務との類否について
本願の指定商品である第25類「被服」と引用商標に係る指定商品及び指定役務中、第25類「被服,作業服のズボン,作業服,帽子」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは、同一又は類似の商品及び役務である。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標に係る指定商品及び指定役務と同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、審判請求書において、「本願商標の構成中の「PRINTABLE HEMP WEAR」(審決注:「PrintableHempWear」の誤記と認める。)は、本願商標の構成態様において、小さく書されているとしても、請求人のハウスマーク的なブランド商標であり、商標登録を受けているから、本願商標の構成中「PRINTABLE HEMP WEAR」の欧文字は、強い識別力を発揮する要素として存在しているため、捨象されることはあり得ない。」旨主張する。
しかしながら、上記1(1)のとおり、本願商標の構成中の「-PRINTABLE HEMP WEAR-」は、構成全体として、「印刷できる麻の衣服」の意味合いを生じるため、本願の指定商品との関係においては、自他商品の識別標識としての機能は非常に弱いものであることからすると、当該文字部分が、本願商標において、強く支配的な印象を与える部分とはいい難いというべきである。
(2)請求人は、審判請求書において、「本願商標の構成中、欧文字「K」と「ZE」との間に配された図形は、極めて特徴的な独自性を有する図形であり、「A」の文字を普通に表示してなるものではない。また、本願商標の構成中の「K+図形+ZE」の部分のみを抽出して、この部分のみをもって他人の商標と比較して商標の類否を判断することができることを前提に、「K+図形+ZE」の部分が「KAZE」の欧文字に相当するとした上で、「KAZE」文字部分は、「風」の欧文字表記と認められることから「風」の観念が生じるとの認定は失当である。」旨主張する。
しかしながら、請求人が図形と主張する本願商標の構成中のデザイン化された緑色の文字は、上記1(1)のとおり、近時の商標におけるレタリングの手法として、その構成中の一部の文字を、同一称呼の生じる範囲内で文字種の変換をすること、又は、一部の文字をデザイン化することは、一般的に行われており、当該文字は、格別特異な態様ともいえず、さらに、「K」の欧文字と「ZE」の欧文字の間に配されていることからすると、これは、欧文字「A」をデザイン化したものと容易に看取し得るものといえるから、本願商標の構成中の「K」の欧文字、デザイン化された緑色の文字、「Z」の欧文字及び「E」の欧文字は、構成全体として「KAZE」の欧文字を横書きしたものと認識し得るものであり、「KAZE」は、「空気の流れ」を意味する「風」の漢字又は「感冒」を意味する「風邪」の漢字を欧文字で表したものと判断し得るものというのが相当である。
(3)請求人は、審判請求書において、過去の登録例を挙げて、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、また、当該登録例及び審決例と本願商標とは、商標の構成等を異にするものであるから、当該登録例によって、直ちに本願商標の認定が左右されるものではない。
(4)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、いずれも採用するべき事情はない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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