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商標拒絶査定不服審判

2025-018581

カゼ、フー

審判番号
2025-018581
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2024-123167
請求日
2025年11月21日
審決日
2026年05月25日
公報発行日
2026年08月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社常盤堂雷お▲こ▼し本舖
  • 【請求人代理人】澤木 紀一
  • 【請求人代理人】小山 輝晃
審判長/審判官
  • 審判長 真鍋 伸行
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 田中 瑠美
分類
T18 .261-Z (W30) / T18 .262-Z (W30) / T18 .263-Z (W30)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第50条、商標法第38条第5項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2024-123167拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和6年11月18日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和7年5月29日付け:拒絶理由通知書 令和7年7月8日 :意見書の提出 令和7年8月25日付け:拒絶査定 令和7年11月21日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「風」の文字を標準文字で表してなり、第30類「茶,コーヒー,ココア,氷,菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆(生のもの),穀物の加工品,チョコレートスプレッド,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,おにぎり,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,パスタソース,米,食用粉類」を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6633757号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、令和3年11月15日登録出願、第9類「アプリケーションソフトウェア」、第30類「自家焙煎したコーヒー豆,テイクアウト・デリバリー用のコーヒー・サンドイッチ・デザート菓子」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、同4年10月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、かつ、その商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である。(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。 また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標は、その構成部分全体によって他人の商標と識別されるものとして考案されているものであるから、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは原則として許されない。しかし、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えると認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合等、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められない場合には、その構成部分の一部を抽出し、当該部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されると解すべきである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・集民228号561頁参照)。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本願商標について 本願商標は、「風」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、「空気の流れ」等を意味する「風(かぜ)」を理解、認識させるものであるから(出典:株式会社岩波書店「広辞苑 第七版」)、当該文字に相応して、「カゼ」の称呼を生じ、「空気の流れ」ほどの観念を生じるものである。 イ 引用商標について 引用商標は、上段に筆記体の「l」のような形状からなる図形(以下「図形部分」という。)を配し、下段に「KAZE」の欧文字(以下「文字部分」という場合がある。)を横書きに表した構成よりなるところ、図形部分と文字部分とは、相互に一定の間隔を空けて、重なり合うことなく、独立して表されていることから、視覚上分離して看取されるものである。 そして、引用商標の構成中、上段の図形部分は、これに接する取引者、需要者をして、直ちに特定の文字又は事物を表したものであると認識させるものではなく、特段の称呼及び観念を生じないものである。 また、下段の文字部分である欧文字「KAZE」は、辞書類に載録された既成語ではないものの、その構成文字に相応して生じる「カゼ」を読みとする日本語として「風」及び「風邪」(風の病、感冒)の語が辞書等に載録されており(前掲書)、我が国の需要者に一般に親しまれているものであるから、当該文字部分からは、「風」及び「風邪」の文字を想起させるものといえる。 そして、図形部分と文字部分とが、観念的に密接な関連性を有しているとは考え難く、一連一体となった何かしらの称呼が生じるともいえず、また、図形部分及び文字部分は、指定商品及び指定役務との関係で、当該商品の品質又は役務の質を表すものともいえない。 そうすると、引用商標を構成する各構成部分は、間隔を空けて配置され、視覚的に分離して看取されるのみならず、他にこれらを常に一体不可分のものとして把握しなければならない特段の事情を見いだすことのできないものであるから、それぞれが独立して自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当であって、引用商標の構成中、「KAZE」の文字部分を要部として抽出し、これを他人の商標と比較して、商標そのものの類否を判断することも許されるというべきである。 よって、引用商標は、その要部の一である「KAZE」の文字部分(以下「引用要部」という。)に相応して、「カゼ」の称呼を生じ、上記のとおり「風」及び「風邪」の文字を想起させることから、「空気の流れ」、「風の病」ほどの観念を生じるものである。 ウ 本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標は、それぞれ上記ア及びイのとおりであるところ、両者は、外観について、全体の構成において相違するとしても、本願商標と引用要部との比較においては、漢字と欧文字とで、文字種が相違するものの、商標の使用において、その構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われていることに鑑みれば、本願商標と引用要部は、それぞれの文字を置き換えたものとして、取引者、需要者に認識される場合も少なくないものであるから、両者における文字種の相違が出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとまではいえないものである。 また、称呼について、本願商標と引用要部は、「カゼ」の称呼を共通にするものである。 さらに、観念について、本願商標と引用要部は、「空気の流れ」ほどの観念を共通にする場合があるものである。 そうすると、両商標は、全体の外観においては相違するものの、本願商標と引用要部とは、外観上の差異が強い印象を与えるものとはいえず、称呼を共通にし、さらに観念を共通にする場合があるものであって、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。 エ 本願の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について 本願の指定商品中の第30類「コーヒー,ココア,菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ」は、引用商標の指定商品及び指定役務中の第30類「自家焙煎したコーヒー豆,テイクアウト・デリバリー用のコーヒー・サンドイッチ・デザート菓子」(以下「引用商標の指定商品」という。)と同一又は類似の商品である。 オ 小括 上記アないしエによれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (3)請求人の主張について ア 請求人は、原審は、外観から生ずる称呼が同じであれば、漢字からなる商標を使用した商品と片仮名・平仮名あるいは欧文字からなる商標が使用された商品について、需要者が、これらを同じ出所に係る商品であると認識するということを述べていると考えられるが誤りである旨述べ、商標法第50条においては、「登録商標の使用」について、「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標」、「平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」、「外観において同視される図形からなる商標」(商標法第38条第5項)が例示され、これらは社会通念上同一と認められる商標と規定しており、ここで同一の称呼及び観念を生ずる商標とは商標の構成から生ずる「呼び名」及び「意味・内容」のいずれをも同じくする商標をいうものとされているが、同一の称呼が生ずる漢字からなる商標と、ローマ字からなる商標を社会通念上同一と認められる商標とは条文には規定していないから、原査定の認定は商標法第50条の規定から逸脱するものである旨主張する。 しかしながら、商標法第38条第5項は、同法第50条における「登録商標」に含まれる商標について規定したものであって、同一の商標のみならず、類似する商標も対象とした同法第4条第1項第11号における商標の類否判断の基準となるものではない。そして、上記(1)で述べたとおり、商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであり、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであるところ、上記(2)ア及びイで述べたとおり、本願商標からは、「カゼ」の称呼を生じ、「空気の流れ」ほどの観念を生じる一方、引用要部からも、「カゼ」の称呼を生じ、「空気の流れ」ほどの観念をも生じるものであることから、本願商標と引用商標との類否については、上記(2)ウで述べたとおりであり、同人の上記主張によって当該判断が否定されるものではない。 イ 請求人は、過去の審決における併存登録例を挙げ、本願商標と引用商標は非類似である旨主張する。 しかしながら、商標の類否の判断は、出願された商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断すべきものであり、また、請求人の挙げる審決例と本件商標とは、商標の具体的構成や指定商品及び指定役務の分野等を異にするものであるから、当該審決例によって、直ちに本願商標に係る判断が左右されるものではない。 そして、本願商標と引用商標とが類似の商標であることは、上記(2)ウのとおりである。 ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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2025-018581

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