商標拒絶査定不服審判
2022-007337
セイウン、セーウン
- 審判番号
- 2022-007337
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-074973
- 請求日
- 2022年05月16日
- 審決日
- 2023年12月18日
- 公報発行日
- 2024年03月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】カリモク家具株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人飯島国際商標特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 雅也
- 審判官 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T18 .261-Z (W20) / T18 .262-Z (W20) / T18 .263-Z (W20)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-74973拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「セイウン」の片仮名を標準文字で表してなり、第20類「家具,美容院用椅子,理髪用椅子,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。),クッション,座布団,まくら,マットレス,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),植物の茎支持具(金属製のものを除く。),犬小屋,小鳥用巣箱,ペット用ベッド,きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),ハンガーボード,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,日よけ,つい立て,びょうぶ,ベンチ,木製又はプラスチック製の立て看板,葬祭用具,木製彫刻」を指定商品として、令和3年6月16日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年11月10日付けで拒絶理由の通知がされ、同年12月16日受付で意見書が提出されたが、同4年3月8日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年5月16日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、次の1及び2のとおりであり(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
そして、原査定は、本願商標は、引用商標と同一又は類似であって、その指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
1 登録第758264号商標(以下「引用商標1」という。)
引用商標1は、「青雲」の漢字を縦書きに表してなり、昭和41年6月15日に登録出願、第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同42年10月11日に設定登録、その後、平成19年12月12日に指定商品を第6類「金庫,金属製建具,金属製靴ぬぐいマット,金属製立て看板,金属製の可搬式家庭用温室,金属製の墓標及び墓碑用銘板」、第14類「貴金属製宝石箱,記念カップ,記念たて」、第16類「紙製テーブルクロス」、第17類「農業用プラスチックフィルム」、第19類「建具(金属製のものを除く。),灯ろう,可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。),墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。)」、第20類「家具,洗面化粧台,屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,つい立て,びょうぶ,ベンチ,アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板,食品見本模型,人工池,葬祭用具」、第21類「花瓶及び水盤,風鈴,ガラス製又は磁器製の立て看板,香炉」及び第31類「生花の花輪」並びに第11類、第22類、第24類、第26類及び第27類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、さらに、同29年6月27日に第6類、第14類、第16類、第17類、第19類ないし第21類及び第31類のみについて商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
2 登録第762132号商標(以下「引用商標2」という。)
引用商標2は、「青雲」の漢字を縦書きに表してなり、昭和40年11月25日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同42年11月16日に設定登録、その後、平成20年3月5日に指定商品を第6類「金属製のネームプレート及び標札,犬用鎖,金属製のきゃたつ及びはしご,金属製郵便受け,金属製帽子掛けかぎ」、第18類「愛玩動物用被服類」、第19類「石製郵便受け」、第20類「ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),植物の茎支持具,愛玩動物用ベッド,犬小屋,小鳥用巣箱,きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),ハンガーボード」及び第21類「植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ,愛玩動物用食器,愛玩動物用ブラシ,犬のおしゃぶり,小鳥かご,小鳥用水盤」を含む第4類ないし第6類、第8類、第10類、第11類、第16類、第18類ないし第21類、第24類及び第26類ないし第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ、さらに、同29年9月12日に第4類ないし第6類、第8類、第16類及び第18類ないし第21類のみについて商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)商標の類否について
ア 本願商標について
本願商標は、前記第1のとおり、「セイウン」の片仮名を標準文字で表してなるものであり、「セイウン」の称呼を生じるものである。
そして、「セイウン」の読みに相当する語としては、「青雲」や「星雲」などがあることからすると、本願商標からは、「青雲」又は「星雲」などの観念を生じる場合があるというのが相当である。
イ 引用商標について
引用商標は、前記第2のとおり、「青雲」の漢字を縦書きに表してなるものであるから、「セイウン」の称呼を生じ、「青雲」の観念を生じるものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを比較すると、両者は、片仮名か漢字か及び横書きか縦書きかの違いを有するから、外観においては相違する。
しかしながら、本願商標及び引用商標は、いずれも特徴的な図形を伴うものでも特徴的なデザインを施されたものではなく、一般的な書体で表されているものであるから、両者の外観上の相違が両者を別異のものであることを認識させるほど強い印象を与えるものではない。
次に、称呼においては、本願商標及び引用商標はいずれも「セイウン」の称呼を生じるものであるから、称呼を共通にする。
さらに、観念においては、本願商標からは「青雲」又は「星雲」などの観念を生じる場合があるのに対し、引用商標からは「青雲」の観念を生じるものであるから、本願商標から「青雲」の観念を生じる場合には、観念を共通にする。
そうすると、本願商標と引用商標との外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、たとえ外観において相違するとしても、外観上の相違は両者を別異のものであることを認識させるほど強い印象を与えるものではないことからすると、称呼を共通にし、観念を共通にする場合のある両者は、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(2)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
ア 本願商標の指定商品中「家具」は、引用商標1の指定商品中、第6類「金庫,金属製建具」、第14類「貴金属製宝石箱」、第19類「建具(金属製のものを除く。)」及び第20類「家具,洗面化粧台」と同一又は類似する商品である。
イ 本願商標の指定商品中「ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。)」は、引用商標2の指定商品中、第6類「金属製のネームプレート及び標札」及び第20類「ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。)」と同一又は類似する商品である。
ウ 本願商標の指定商品中「植物の茎支持具(金属製のものを除く。)」は、引用商標2の指定商品中、第20類「植物の茎支持具」及び第21類「植木鉢,家庭園芸用の水耕式植物栽培器,じょうろ」と同一又は類似する商品である。
エ 本願商標の指定商品中「犬小屋,小鳥用巣箱,ペット用ベッド」は、引用商標2の指定商品中、第6類「犬用鎖」、第18類「愛玩動物用被服類」、第20類「愛玩動物用ベッド,犬小屋,小鳥用巣箱」及び第21類「愛玩動物用食器,愛玩動物用ブラシ,犬のおしゃぶり,小鳥かご,小鳥用水盤」と同一又は類似する商品である。
オ 本願商標の指定商品中「きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。)」は、引用商標2の指定商品中、第6類「金属製のきゃたつ及びはしご」及び第20類「きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。)」と同一又は類似する商品である。
カ 本願商標の指定商品中「郵便受け(金属製又は石製のものを除く。)」は、引用商標2の指定商品中、第6類「金属製郵便受け」、第19類「石製郵便受け」及び第20類「郵便受け(金属製又は石製のものを除く。)」と同一又は類似する商品である。
キ 本願商標の指定商品中「帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。)」は、引用商標2の指定商品中、第6類「金属製帽子掛けかぎ」及び第20類「帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。)」と同一又は類似する商品である。
ク 本願商標の指定商品中「ハンガーボード」は、引用商標2の指定商品中、第20類「ハンガーボード」と同一である。
ケ 本願商標の指定商品中「屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン,日よけ」は、引用商標1の指定商品中、第6類「金属製靴ぬぐいマット」、第16類「紙製テーブルクロス」及び第20類「屋内用ブラインド,すだれ,装飾用ビーズカーテン」と同一又は類似する商品である。
コ 本願商標の指定商品中「つい立て,びょうぶ」は、引用商標1の指定商品中、第20類「つい立て,びょうぶ」と同一である。
サ 本願商標の指定商品中「ベンチ」は、引用商標1の指定商品中、第20類「ベンチ」と同一である。
シ 本願商標の指定商品中「木製又はプラスチック製の立て看板」は、引用商標1の指定商品中、第6類「金属製立て看板」、第20類「アドバルーン,木製又はプラスチック製の立て看板」及び第21類「ガラス製又は磁器製の立て看板」と同一又は類似する商品である。
ス 本願商標の指定商品中「葬祭用具」は、引用商標1の指定商品中、第6類「金属製の墓標及び墓碑用銘板」、第19類「墓標及び墓碑用銘板(金属製のものを除く。)」、第20類「葬祭用具」、第21類「香炉」及び31類「生花の花輪」と同一又は類似する商品である。
(3)小括
以上により、本願商標は、引用商標に類似する商標であって、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標の「セイウン」の片仮名は、特段の意味を有さない造語であり、「世運」、「青雲」、「星雲」等のいずれの読みを片仮名で表したものか不明といえるから、特定の観念を生じない旨主張している。
ところで、「商標の観念とは、商標自体が客観的に有する意味をいうのではなく、商標を見又は称呼することによりその商標を付した商品の需要者又は取引者が思い浮べるその商標の意味をいうものと解するのが相当である」(東京高裁、昭和48年(行ケ)第61号同49年11月14日判決)。
そうすると、たとえ「セイウン」の文字(語)それ自体は一般的な辞書に載録されていないことから造語といえるとしても、「セイウン」の読みに相当する語として「青雲」及び「星雲」などがあることからすれば、本願商標を称呼することにより、需要者又は取引者は、「青雲」又は「星雲」などの語を思い浮かべるというべきであり、本願商標からは当該観念が生じるというのが相当である。
(2)請求人は、片仮名は「仮名文字の一つ。現在では外来語や擬音語などの表記に用いる。」ものとして、漢字は「古代中国で作られた漢語。現在は中国・日本などで使用。象形・指事から発達した表語文字で、表音的にも用いる。」ものとして、それぞれ我が国において広くなじみがあり、親しまれている表現方法であることから、片仮名4文字で構成された商標と漢字2文字で構成された商標は、一見して誰もが理解できる明らかな相違がある商標同士として印象付け記憶されることなどから、本願商標と引用商標とは、外観上判然と区別し得る旨主張している。
ところで、「商標の外観上の類否を判断するに当たっては、時と場所を異にして離隔的に観察する方法によるべきである」(知財高裁、令和3年(行ケ)第10092号同4年1月27日判決)。
また、「商標の類否判断は、指定商品の需要者が通常有する注意力を基準として判断すべきである」(知財高裁、令和4年(行ケ)第10095号同5年2月22日判決)ところ、引用商標の指定商品と同一又は類似する本願商標の指定商品は「家具,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。)」等であり、これらの商品の需要者には一般の消費者が含まれるから、これらの需要者の通常有する注意力はさほど高いとはいえない。
そして、本願商標及び引用商標は、いずれも特徴的な図形を伴うものでも特徴的なデザインを施されたものではなく、一般的な書体で表されているものである。
このような一般的な書体で表されている商標に接する需要者は、その商標を構成する文字の外観(外形)を記憶するとはいい難く、むしろ当該文字から生じる称呼及び観念を記憶し、その称呼及び観念を頼りに取引に当たるというべきである。
そうすると、本願商標と引用商標との類否判断においては、時と場所を異にした離隔的観察によるべきであること、及び需要者の通常有する注意力がさほど高いとはいえないことをも踏まえれば、称呼及び観念が重要な役割を果たすというべきであり、そのため、両者の外観上の相違は両者を別異のものであることを認識させるほど強い印象を与えるものではないといわなければならない。
請求人の主張は、商標を対比させて観察する対比観察においていえることであり、商標の類否判断においては妥当ではない。
(3)請求人は、「セイウン」の自然称呼が生じる「Seyun」の文字からなる請求人の登録商標と同様に、本願商標は引用商標とは非類似と判断されるのが自然であり、かつ、合理的である旨主張している。
しかしながら、「Seyun」の文字からなる商標は、これをローマ字つづりの読みに倣って称呼すれば、「セユン」の称呼が生じるとみるのが自然であり、当該商標を「セイウン」と称呼することが自然であるというべき事情は見いだせないから、当該登録商標の存在によって、上記判断が左右されるものではない。
(4)以上により、請求人の主張は、いずれも採用できない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-007337