商標拒絶査定不服審判
2022-017985
ジュンナマメン、ジュンセーメン、ジュンナマ、ジュンセー、ナマメン、セーメン
- 審判番号
- 2022-017985
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-145980
- 請求日
- 2022年11月09日
- 審決日
- 2023年06月12日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】木村 健人
- 【請求人代理人】中村 雅典
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .13 -Z (W3043) / T18 .16 -Z (W3043) / T18 .272-Z (W3043)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法3条1項6号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第1項第6号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021-145980拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年11月24日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 5月17日付け:拒絶理由通知書
令和4年 7月 5日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 9月16日付け:拒絶査定
令和4年11月 9日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「純生麺」の文字を標準文字で表してなり、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、前記第1の原審における手続補正書により、第30類「穀物の加工品、うどんの麺、調理済み麺類、調味料(但し「みそ」を除く。)、香辛料」及び第43類「飲食物の提供、うどん又はそばの提供、和食の提供、宿泊施設の提供」と補正されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原審において、以下のとおり認定、判断し、拒絶したものである。
1 本願商標は、「純生麺」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「純」の文字は、「他の物が少しもまじらないこと。自然のままで、つくりかざらないさま。」を、また、「生麺」の文字は、「加熱・乾燥していない麺。食感はよいが保存がきかない。」の意味をそれぞれ有する語であるから、本願商標は、全体として、「他の物が少しもまじらない加熱・乾燥していない麺」ほどの意味合いを容易に認識させる。そして、本願の指定商品を取り扱う業界において、「純生麺」の文字が使用されている実情があるから、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、「他の物が少しもまじらない加熱・乾燥していない麺」、「他の物が少しもまじらない加熱・乾燥していない調理済みの麺」及び「他の物が少しもまじらない加熱・乾燥していない麺のための調味料・香辛料」であること、すなわち、商品の品質、原材料、用途を表示したものと認識するにすぎないというのが相当である。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、本願の指定商品中、上記の商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから同法第4条第1項第16号に該当する。
2 本願商標は、前記1のとおり、全体として、「他の物が少しもまじらない加熱・乾燥していない麺」ほどの意味合いを容易に認識させる。そして、本願の指定役務を取り扱う業界において、「純生麺」の文字が使用されている実情があるから、本願商標をその指定役務に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、「他の物が少しもまじらない加熱・乾燥していない麺」が提供されるという役務の特性や優位性を表した宣伝広告を、普通に用いられる方法で表したものと理解するに止まり、取引者、需要者が、何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものであると言わざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、本願商標の文字に照応する役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
第4 当審における審尋
当審において、令和5年2月2日付け審尋により、別掲に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
1 本願商標からは、「ゆでたり乾燥させたりしていない麺だけでゆでたり乾燥させたりしていない麺」程の不得要領な意味合いが認識されるにすぎない。
2 指定商品を取り扱う業界(例えば「生めん類」を取り扱う業界)は、きわめて規模が大きく、個別業者(別掲のウェブサイト)の存在は微々たるものといわざるを得ず、これらの存在は「業界の実情」を云々する根拠になり得ない。
3 生めん業界では、業界団体である全国生めん類公正取引協議会が「生めん類の表示に関する公正競争規約」、「規約第3条(必要な表示事項)及び施行規則第1条(品名等の表示基準)」において、生めん類には、「なま(生)」「ゆで」「むし(蒸し)」「油揚げ」「半なま(半生)」の5種類があり、事業者は生めん類の包装又は容器にこれらの表示をしなければならないとされており、前記5種類が麺の種類やカテゴリーを示すものとして業界全体で認識されていることから、審尋における12件の証左のみで、麺の種類やカテゴリーとして業界で認識されているとするのは何ら客観性が認められない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
商標法第3条第1項第3号が、「その商品の産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状(包装の形状を含む。)、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格」を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について商標登録を受けることができない旨規定しているのは、このような商標は、指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠くものであることによるものと解される。
そうすると、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するというためには、本件審決の時点において、本願商標が、その指定商品との関係で、その商品の産地、販売地、品質、形状その他の特性を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、本願商標の指定商品の取引者、需要者によって本願商標がその指定商品に使用された場合に、将来を含め、商品の上記特性を表示したものと一般に認識されるものであれば足りると解される(知財高裁平成27年(行ケ)第101076号、平成27年10月21日判決参照)。
2 本願商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、前記第2のとおり、「純生麺」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「純」の文字は「[接頭]名詞や形容動詞に付いて、そのものだけ、また、その状態だけで、他の要素がまじらない意を表す。」の意味を有し、「生麺」の文字は「[せいめん]なまの麺類。[なまめん]ゆでたり乾燥させたりしていない麺。」の意味を有する語(いずれも「デジタル大辞泉」株式会社小学館)として、いずれも一般に親しまれた語であるから、その構成全体からは「なまの麺類だけ」若しくは「ゆでたり乾燥させたりしていない麺だけ」程の意味合いを容易に認識し得るものである。
そして、本願の指定商品を取り扱う業界では、「純生麺」の文字が、乾燥工程を得ている「半生麺」や「乾麺」と同様に、麺のタイプの一種類を表す語として使用されていたり、「生麺」であることを強調する文字として使用されている事実があることは別掲のとおりである。
そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務中、第30類「穀物の加工品、うどんの麺、調理済み麺類」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、乾燥工程を得ていない「生麺である」程の、商品の品質を認識、理解させるにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表してなる標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、「生麺」以外の「穀物の加工品、うどんの麺」、「生麺」以外からなる「調理済み麺類」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 本願商標の商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、前記第2のとおり、「純生麺」の文字を標準文字で表してなるところ、前記2のとおり、その構成全体からは「なまの麺類だけ」若しくは「ゆでたり乾燥させたりしていない麺だけ」程の意味合いを容易に認識し得るものである。
そして、本願の指定商品及び指定役務中、第43類「飲食物の提供,うどん又はそばの提供,和食の提供」との関係においては、当該役務の提供の用に供する物(商品)である「穀物の加工品、うどんの麺、調理済み麺類」において「純生麺」の文字が、麺のタイプの一種類を表す語として使用されていたり、「生麺」であることを強調する文字として使用されている事実があることは別掲のとおりである。
そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務中、第43類「うどん又はそばの提供、その他のめん類の提供」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に提供される物(商品)が、乾燥工程を得ていない「生麺である」という役務の提供の用に供するもの(商品)の品質を表示したものと認識、理解させるにとどまり、本願商標は、需要者が何人かの業務にかかる役務であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、「うどん又はそばの提供,その他の麺類の提供」以外の「飲食物の提供、和食の提供」に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
4 請求人の主張について
請求人は、指定商品を取り扱う業界(例えば「生めん類」を取り扱う業界)は、きわめて規模が大きく、個別業者(別掲のウェブサイト)の存在は微々たるものといわざるを得ず、これらの存在は「業界の実情」を云々する根拠になり得ないうえ、生めん業界では、「生めん類の表示に関する公正競争規約」、「規約第3条(必要な表示事項)及び施行規則第1条(品名等の表示基準)」において、生めん類には、「なま(生)」「ゆで」「むし(蒸し)」「油揚げ」「半なま(半生)」の5種類があり、事業者は生めん類の包装又は容器にこれらの表示をしなければならないとされており、前記5種類が麺の種類やカテゴリーを示すものとして業界全体で認識されていることから、審尋における12件の証左のみで、麺の種類やカテゴリーとして業界で認識されているとするのは何ら客観性が認められない旨主張する。
しかしながら、本願商標は、その構成文字全体から「なまの麺類だけ」若しくは「ゆでたり乾燥させたりしていない麺だけ」程の意味合いを容易に認識し得るものであるうえ、審尋(別掲)において示した12件の使用例は、いずれも、商品の出所識別標識としてではなく、乾燥工程を得ている「半生麺」や「乾麺」と同様に、麺のタイプの一種類を表す語として使用されていたり、「生麺」であることを強調する文字として使用されている事実であるから、これらの内容を踏まえると、業界の規模に関係なく、何人もが使用を欲する標章であると推認し得るものといえる。
したがって、請求人の前記主張は、採用することができない。
5 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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