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特許拒絶査定不服審判

2022-006700

切断デバイスおよび方法

審判番号
2022-006700
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-546654外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年05月02日
審決日
2023年12月27日
公報発行日
2024年06月28日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .113-WZ (B23K) / P18 .121-WZ (B23K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-546654「切断デバイス及び方法」拒絶査定不服審判事件〔2017年(平成29年)9月14日国際公開,WO2017/153825、平成31年4月11日国内公表、特表2019-509899〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2016年(平成28年)12月9日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2016年3月9日 (BE)ベルギー王国)を国際出願日とする出願であって、出願後の手続の経緯は、概略、以下のとおりである。 令和2年10月23日付け:拒絶理由を通知 令和3年 1月27日 :意見書、手続補正書の提出 令和3年 6月22日付け:拒絶理由を通知 令和3年 9月29日 :意見書、手続補正書の提出 令和3年12月13日付け:拒絶をすべき旨の査定 令和4年 5月 2日 :審判請求書の提出 令和5年 3月29日付け:拒絶理由を通知(以下、この通知を「当審拒絶理由通知」という。) 令和5年 7月 3日 :意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 本願の請求項1~31に係る発明(このうち請求項1に係る発明を、以下「本願発明」という。)は、令和5年7月3日提出の手続補正書により補正をした特許請求の範囲の請求項1~31に記載した事項により特定されるとおりのものであって、このうち、本願発明を特定する請求項1に記載した事項は以下のとおりである。(下線は、上記補正の補正箇所に付したものである。) 「 【請求項1】 ボール紙、具体的には段ボール紙などの剛性材料のシートを切断するためのデバイスであって、 入力から出力への搬送方向に沿った前記シートの制御された移動のための搬送システムであって、前記シートは、前記搬送方向に平行な搬送平面内にあり、前記搬送システムは、前記シートを制御された様式で前記搬送方向の両方の向きに移動させるように適応されている、搬送システムと、 前記シートを加工するための切断システムであって、前記切断システムは、1つ以上のレーザビームを生み出すための1つ以上のレーザを備え、前記レーザビームの1つ以上の少なくとも一部が前記搬送平面をビーム方向に沿って切断するように前記レーザビームの1つ以上を制御するための1つ以上の光学システムを備え、前記光学システムの少なくとも1つは、前記搬送平面を切断する前記1つ以上のレーザビームを移動させるように適応され、前記光学システムの少なくとも1つは、前記1つ以上のレーザビームを切断方向に沿って移動させるために、軸に沿って移動するよう構成され、前記光学システムの少なくとも1つが沿って移動するよう構成されている前記軸は、前記搬送方向に垂直であり、前記搬送平面及び前記切断方向に平行である、切断システムと、を備えるデバイスにおいて、 前記シートに関して前記ビーム方向に沿った前記切断システムに対する前記シートの位置に最小限のばらつきが存在するように、前記搬送システムは、前記移動中に少なくとも2つの握持点または握持ゾーンで前記シートを締め付けることにより、前記シートを握持するように適応され、 前記搬送システムは、前記シートを前記握持点または前記握持ゾーン内の前記搬送平面の第1の側と第2の側とで締め付けることにより前記シートを握持するために好適であり、 前記第1の側は、前記1つ以上のレーザが配置される側であり、前記第2の側は、前記第1の側の反対側であり、前記第1の側の前記握持点または前記握持ゾーンは、前記少なくとも1つの前記光学システムが移動する前記軸に対して固定距離に位置決めされていることを特徴とする、デバイス。」 第3 当審拒絶理由通知 1 理由の概要 当審拒絶理由通知において、本願発明に対して通知した拒絶理由の概要は、以下のとおりである。 A.(新規性)本願発明は、引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 B.(進歩性)本願発明は、引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 2 引用文献 引用文献1:米国特許出願公開第2010/0132526号明細書 第4 引用文献1の記載事項・引用発明 1 引用文献1の記載事項 (1)明細書 「[0039] FIG. 1 represents a schematic side view of an apparatus 11 for holding a plate-like material during a separation process. An apparatus 11 of this type serves for holding the plate-like material 12 processed by a separating device 14. During the separation process a beam 16 is directed at the plate-like material 12 from the separating head or cutting head of the separating device 14. This beam 16 can be provided in the form of electromagnetic radiation, e.g., a laser beam, or in the form of a water jet, or the like. The apparatus 11 includes two transport tables 17, 18 between which a gap 19 is formed. The transport tables 17, 18 have each a respective transport belt 21. The transport belts 21 are arranged independently of each other and guided and tensioned by a plurality of cylinders 22, 23, 24, 25. Between the cylinders 22, 23 and 24, 25, respectively, a contact surface 27 for the plate-like material 12 is formed. The transport tables 17, 18 can each be provided on a machine frame or can be provided on a common machine frame. Alternatively, the respective contact surfaces 27 of the transport tables 17, 18 can also be variably adjustable in the longitudinal sense, such that prior, during, or after the separation process, the respective contact surfaces 27 of the transport tables 17, 18 can be variable in their dimensions independently of each other. [0039](翻訳)図1は、分離工程の間に板状材料を保持するための装置11の概略側面図を示している。このタイプの装置11は、分離装置14によって加工された板状材料12を保持する働きをする。分離工程の間、分離装置14の分離ヘッド又は切削ヘッドから板状材料12に向けてビーム16が生成される。このビーム16は、例えばレーザビームである電磁放射、水ジェットのような形で提供することができる。装置11は、間に間隙19が形成される2つの搬送テーブル17、18を有している。搬送テーブル17、18は、それぞれ搬送ベルト21を有している。搬送ベルト21は、互いに独立して配置され、複数のシリンダ22、23、24、25に案内され張設されている。シリンダ22、23と24、25との間に、それぞれ板状材料12のための接触面27が形成されている。搬送テーブル17、18は、それぞれ機械フレーム上に設けることができ、あるいは共通の機械フレーム上に設けることができる。また、搬送テーブル17、18の各接触面27は、分離工程前、分離工程中、又は分離工程後に、長手方向に可変式に調節できるし、搬送テーブル17、18のそれぞれの接触面27は、互いに独立して寸法を変化させることができる。 [0040] The separating device 14 is movable in the y-direction along the gap 19 during the machining of the plate-like material 12. Furthermore, the separating device 14 can be displaceable in and against a feed direction of the plate-like material 12, which corresponds to the x-direction. A working range of the separating device 14 is defined by the maximum distance of movement of the separating head or cutting head in the x-direction and in the y-direction, provided the separating device 14 is actually movable in the y-direction. For machining the plate-like material 12, the gap 19 is designed to be positioned beneath the separating device 14. During the machining of the plate-like material 12, the cylinders 22, 24 assigned to the gap 19 can be moved, e.g., in a synchronous manner, within a working range of the separating device 14. This may be carried out by a change in the position of the cylinders 22, 24 or by a displacement of the transport tables 17, 18 relative to each other. [0040](翻訳)分離装置14は、板状材料12の加工の際に、間隙19に沿ってy方向に移動可能である、さらに、分離装置14は板状材料12の送り方向を送り込み方向と反対方向に切り換えることができ、これはx方向に対応する。分離装置14の作業範囲は、分離ヘッド又は切削ヘッドのx方向とy方向への移動の最大距離により規定され、分離装置14は、実際には、y方向に移動可能に設けられている。板状材料12を機械加工するために、間隙19は分離装置14の下方に配置されるように設計される。板状材料12の加工の間、間隙19に割り当てられているシリンダ22、24は、例えば、同期して分離装置14の動作範囲内で動くことができる。これは、シリンダ22、24の位置の変化によって、又は、搬送テーブル17、18が互いに対して移動することによって行うことができる。 [0041] The transport tables 17, 18 each include at least one holding device 31 that allows the plate-like material 12 to be positioned with a first surface 32 of the plate-like material 12, i.e. with a top surface on which the cutting beam 16 impinges during the separation process, relative to the contact surface 27 and be guided along said surface. Thus a so-called overhead arrangement or unsupported arrangement is created, in which a second surface 33, opposite the first surface 32, is provided in a self-supporting manner. Owing to the positioning of the first surface 32 relative to the contact surface 27 of the transport tables 17, 18, a burr produced in the course of the separating process will never touch the contact surface 27 of the transport tables 17, 18. Moreover, slag and cutting dust produced during the laser beam cutting are prevented from adhering to the contact surfaces 27 of the transport tables 17, 18. In addition, the attractive force of the holding device 31 employed for positioning the plate-like material 12 relative to the contact surface 27 of the transport tables 17, 18, a compensation of workpiece deformations can be achieved. At the same time, the application of a suction force makes it possible to prevent undesirable vibrations, which enhances the machining quality. [0041](翻訳)搬送テーブル17、18は、それぞれ少なくとも一つの保持装置31を含んでおり、この保持装置31により、分離プロセスの間は切断ビーム16が突き当たる端面となる板状材料12の第1の表面32が接触面27に配置され、板状材料12が当該接触面に沿って案内されることを可能にする。このように、いわゆる頭上配置又は無支持配置が形成されるが、第1表面32に対向する第2の表面33は、自己支持方式で設けられている。搬送テーブル17、18の接触面27に第1表面32を配置することにより、分離工程の間に生じるバリが搬送テーブル17、18の接触面27と接触することはない。さらに、レーザ切断時に生成されるスラグ及びダストが、該搬送テーブル17、18の接触面27に付着することが防止される。加えて、搬送テーブル17、18の接触面27に板状材料12を配置するために作用する保持装置31の吸引力は、ワーク変形の補償を達成することができる。同時に、吸引力を印加することにより、望ましくない振動を防止し、加工品質を向上させる。 [0042] Referring to FIG. 1, the holding device 31 is designed to consist of holding members 36 that provide negative pressure (suction). These holding members 36 can include, a plurality of individual suction apparatuses, one or several suction pads, and/or suction bars that extend in the feed direction and are oriented parallel with the transport belt 21. These holding members 36 can be provided in a separate arrangement between several transport belts. [0042](翻訳)図1を参照すると、保持装置31は、負圧(吸引力)を提供する保持部材36からなるように設計される。これらの保持部材36は、複数の個々の吸引装置と、一つまたは複数の吸引パッド、及び/又は送り込み方向に延び、搬送ベルト21と平行に位置する吸引バーを含むことができる。これらの保持部材36は、複数の搬送ベルトの間に離間した配置で与えることができる。 ・・・・・ [0044] Auxiliary members 38 are provided adjacent to the gap 19. The auxiliary members contact the second surface 33 of the plate-like material 12 and serve as a insertion support for workpieces, preventing them from tilting away. Such auxiliary members 38 can be in the form of flexible rollers, brush rollers, or drums. [0044](翻訳)補助部材38は、間隙19に隣接して設けられている。補助部材は、板状材料12の第2表面33と接触し、ワークピースを挿入するための支持体として機能し、これらが傾斜するのを防止する。このような補助部材38は可撓性のローラ、ブラシローラ、またはドラムの形態であることができる。 ・・・・・ [0046] FIG. 2 represents an embodiment, differing from FIG. 1. As far as the coinciding features are concerned, reference is made to FIG. 1. As shown in FIG. 2, additional auxiliary members 38 contact the second surface 33 of the plate-like material 12 as a means for securing transport thereof. These auxiliary members 38 can be driven in and against the transport direction of the plate-like material 12. In addition, the auxiliary members 38 are adjustable with respect to the distance separating them from each other and with respect to the thickness of the plate-like material 12. [0046](翻訳)図2は、図1と異なる実施の形態を示す。共通の特徴に関する説明については、図1を参照されたい。図2に示すように、補助部材38は、板状材料12の第2表面33に、その搬送を確実にするための手段として接触する。これらの補助部材38は、板状体12を送り込み方向、及び反対方向に駆動することができる。加えて、補助部材38は、お互いを隔てる距離に関して、及び板状材料12の厚さに関して調整可能である。 [0047] FIG. 3 represents another embodiment, differing from FIG. 2. As shown in FIG. 3, bearing members 41 are provided as an alternative to the plurality of individual auxiliary members 38. The bearing members 41 can be revolving supporting belts. The bearing members 41 provide enhanced security for the material transport, with the movement of the plate-like material 12 in and against the feed direction being caused by the transport tables 17, 18. The supporting belts of the bearing members 41 can have a very soft surface in order to avoid feedback during the machining of the plate-like material 12 that might otherwise be caused by contact with burrs formed on the second surface 33 of the plate-like material 12. [0047](翻訳)図3は、図2とは異なる別の実施形態を示す。図3に示すように、軸受部材41は、複数の個々の補助部材38に代わるものである。軸受部材41は、回転する支持ベルトとすることができる。軸受部材41は、搬送テーブル17、18により、板状材料12を送り込み方向、及び反対方向に動かして、材料搬送用に強化された確実性を提供する。軸受部材41の支持ベルトは非常に柔らかい表面を有することができるが、これは、そうしなければ、板状材料12の第2表面33上に形成されたバリと接触することによって引き起こされ得る板状材料12の機械加工中のフィードバックを回避するためである。 [0048] FIG. 4 represents a schematic view of the contact surface 27 of the transport tables 17, 18 having a further alternative configuration of the holding device 31. FIG. 5 shows a schematic side view of the apparatus of FIG. 4 in or against the feed direction of the plate-like material 12. The alternative configuration of the holding device 31 according to FIGS. 4 and 5 includes gripper members 46 that are applied to a lateral edge 47 or to an edge region of the plate-like material 12 adjacent thereto. In this way, the plate-like material 12 is positioned with respect to the contact surface 27 and moved in or against the feed direction. The gripper members 46 are movable relative to the width of the contact surface 27 and/or the width of the transport belt 21. Thus it is possible, for example, to machine plate-like materials 12 having a contoured lateral edge, as represented by the left lateral edge 47 of the plate-like material 12 shown in FIG. 4. Therefore, the flexibility for the processing of plate-like materials 12 is enhanced. Thus, not only a rectangular plate-like material 12 but also remainders of said plate-like material 12 can be held. The same is true, by analogy, of the configuration of a transport table 17, 18 having negative-pressure-creating holding members 36. The gripper members 46 can be quick-action gripping members or clamping members that are applied on the lateral edge 47 of the plate-like material 12. In addition, opposing gripper members 46, which are applied on opposite lateral edges 47, respectively, make it possible to apply a tension to the plate-like material 12. Thus, this holding device 31 can also be used independently of negative-pressure-creating holding members 36. [0048](翻訳)図4は、保持装置31のさらなる代替の構成を有する搬送テーブル17、18の接触面27の概略を示すものである。図5は、板状材料12が送り込み方向、及び反対方向である図4の装置の概略側面図を示す。図4と図5による保持装置31の別の構成は、横方向縁47又はそれに隣接する板状材料12の縁領域に適用される把持部材46を有している。このようにして、板状材料12は接触面27に配置され、送り込み方向、又は反対方向に移動される。把持部材46は接触面27の幅、及び/又は搬送ベルト21の幅方向に相対移動可能である。このようにして、例えば、輪郭付けされた外側エッジを有する板状材料12を、図4に図示される板状材料12の左縁部47によって表されるように加工することが可能になる。従って、板状材料12の処理の柔軟性が向上される。このように、矩形状の板状材料12だけでなく、前記板状材料12の残りの部分を保持することができる。負圧発生部材36を有する搬送テーブル17、18の構成についても、類推により同じことが言える。把持部材46は、板状材料12の側縁に適用できる急動可能な把持部材、又はクランプ部材になり得る。加えて、対向する把持部材46は、板状材料12の向かい合う側縁部47にそれぞれ適用され、板状材料12に張力を加えることが可能になる。このように、この保持装置31も負圧発生部材36とは独立して使用することができる。 ・・・・・ [0050] FIG. 6 schematically represents the loading and unloading of the apparatus 11 with plate-like material 12. The transport table 17 is realized in such a way as to be movable as an entire unit with respect to the separating device 14. Thus, it is possible for the transport table 17 to be movable towards a pile 51 of not yet machined, plate-like material 12 or non-processed material. Owing to the holding device 31 a simple pickup of the uppermost layer 52 of the plate-like material 12 is possible. Subsequently, the transport table 17 is moved to the separating device 14 and a gap 19 is adjusted. The transport belt 21 of the transport table 17 is set in motion, such that the plate-like material 12 is moved in the y-direction. As this feed movement is carried out, a first separation process may take place, even though the plate-like material 12 has not yet reached contact with the contact surface 27 of the second transport table 18. As soon as a leading end of the plate-like material 12 reaches the contact surface 27 of the second transport table 18, it will be positioned and held in place with respect to the contact surface 27 of the transport table 18 by the holding device 31 of the second transport table 18. The transport belts 21 of the first and second transport tables 17, 18 are driven, at least during this transition phase, in a synchronous manner. [0050](翻訳)図6は、板状材料12をローディング及びアンローディングする装置11を概略的に表す。搬送テーブル17は、分離装置14について全体をユニットとして移動することができるような方法で実現される。したがって、移動テーブル17は未加工板状材料12、又は処理していない材料のパイル51に向かって移動するように構成することができる。保持装置31により板状材料12の最上層52を簡単にピックアップすることが可能である。引き続いて、搬送テーブル17は、分離装置14に移動させられ、間隙19を調整する。搬送テーブル17の搬送ベルト21が動作状態に設定され、板状材料12がy方向に移動されるようになっている。この送り運動が行われると、たとえ板状材料12が、第2搬送テーブル18の接触面27との接触を達していなくても、第1の分離工程を行うことができる。板状材料12の先端が第2搬送テーブル18の接触面27に到達するとすぐに、第2搬送テーブル18の保持装置31によって搬送テーブル18の接触面27に対して位置決めされ、保持される。第1及び第2搬送テーブル17、18の搬送ベルト21は、少なくとも、この移行期間中に、同期した態様で駆動される。 [0051] After the machining of the plate-like material 12 has been accomplished, the transport table 18 may be transferred to an unloading position. In this unloading position, the residual grid is separated from the finished parts or workpieces. This may be done by transporting the machined, plate-like material 12 in the feed direction and by providing a collecting recipient directly under the cylinder 25 for receiving the workpieces, which are no longer subject to any holding force once they have left the contact surface 27. The residual grid can be pushed on top of a stack 54. [0051](翻訳)板状材料12の加工が遂行された後、搬送テーブル18は、アンローディング位置に移送されることができる。このアンローディング位置では、残材は、完成したパーツ又はワークピースから分離される。これは、加工された板状材料12を送り込み方向に搬送し、ワークピースを収容するために収集容器をシリンダ25の直下に設置して、ワークピースが保持力を受けなくなれば接触面27から脱落することで行われる。残材はスタック54の頂部に押しだすことができる。」 (2)図面 ア 図1 「 [図:0001410615000001.jpg] 」 イ 図2 「 [図:0001410615000002.jpg] ウ 図3 「 [図:0001410615000003.jpg] エ 図4 「 [図:0001410615000004.jpg] 」 オ 図5 「 [図:0001410615000005.jpg] 」 カ 図6 「 [図:0001410615000006.jpg] 」 2 引用文献1の記載事項の整理(< >内に原文の用語を記載。) (1)段落[0039]~[0040]、図1~5の記載からみて、装置11<apparatus>は、板状材料12<plate-like material>を切断するためのものである。 (2)段落[0039]~[0041]、図1~5の記載からみて、搬送テーブル17、18<transport table>は、板状材料12の送り方向であるx方向の移動のためのものであり、板状材料12は、x方向に平行な搬送テーブル17、18の接触面27<contact surface>に沿った平面内にあり、また、搬送テーブル17、18は、板状材料12をx方向の両方の向きに移動させる(図1の矢印を参照。)ものである。 (3)段落[0040]、図1~5の記載からみて、分離装置14<separating device>は、板状材料12を加工するためのものである。 そして、段落[0039]、図1~5の記載からみて、この分離装置14は、ビーム16<beam>を生成するための分離ヘッド<separating head>を備え、ビーム16が接触面27に平行な平面をz方向に沿って切断するようにビーム16を供給し、また、ビーム16を供給するのに光学系を備えることが明らかである。 また、段落[0039]~[0040]、図1~5の記載からみて、この分離装置14の光学系は、接触面27に沿った平面を切断するビーム16を移動させ(段落[0039])、ビーム16を切断方向に沿って移動させるために、y方向の軸に沿って移動するように構成され(段落[0040])、このy方向は、上記(2)におけるx方向に垂直であり、接触面27に沿った平面及び前記切断方向に平行である(段落[0039])。 (4)段落[0041]、[0046]~[0048]、図1~5の記載からみて、搬送テーブル17、18は、移動中に、少なくとも2つの保持装置31<holding device>及び接触面27と、補助部材38<auxiliary member>〔図2〕(又は軸受部材41〔図3〕あるいは把持部材46〔図4~5〕)で、板状材料12を保持して、移動を確実にしている。 (5)段落[0041]、図1~5の記載からみて、搬送テーブル17、18は、板状材料12を、保持装置31及び接触面27と、補助部材38(又は軸受部材41あるいは把持部材46)とで、接触面27に沿った平面の第1表面32<first surface>側と第2表面33<second surface>側で保持することにより板状材料12の移動を確実にしている。 (6)段落[0040]~[0042]、[0046]、図1~5の記載からみて、上記(5)の第1表面32側は、分離ヘッドが配置される側であり、第2表面33側は、第1表面32側の反対側である。 そして、段落[0040]には、分離装置14がy方向に沿った軸に沿って移動することが記載され、また、段落[0040]の「分離装置14の作業範囲は、x方向とy方向とに分離ヘッド又は切削ヘッドの移動の最大距離により規定され」と記載されていることから、分離装置14あるいは分離ヘッドは、分離プロセスの間(レーザビームによる板状材料12の切断中)はz方向には移動しないことが認められる。 搬送テーブル17、18は、板状材料12の厚さに対して調整可能である補助部材38(又は軸受部材41あるいは把持部材46)に対してはz方向位置決めの基準となるから、その保持装置31及び接触面27は分離装置14あるいは分離ヘッドと同様にz方向には移動しないものである。したがって、板状材料12の第1表面32側における保持装置31と接触面27は、前記光学系が移動する軸に対して固定距離に位置決めされているものである。 3 引用発明 上記1~2より、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「板状材料12<plate-like material>を切断するための装置11<apparatus>であって、 x方向の前記板状材料12の移動のための搬送テーブル17、18<transport table>であって、前記板状材料12は、x方向に平行な搬送テーブル17、18の接触面27<contact surface>に沿った平面内にあり、前記搬送テーブル17、18は、前記板状材料12をx方向の両方の向きに移動させる、搬送テーブル17、18と、 前記板状材料12を加工するための分離装置14<separating device>であって、前記分離装置14は、ビーム16<beam>を生成するための分離ヘッド<separating head>を備え、前記ビーム16が前記接触面27に平行な平面をz方向に沿って切断するようにビーム16を供給する光学系を有し、前記光学系は前記接触面27に沿った平面を切断するビーム16を移動させ、ビーム16を切断方向に沿って移動させるために、y方向の軸に沿って移動するように構成され、前記光学系が沿って移動するy方向の軸は、前記x方向に垂直であり、前記接触面27に沿った平面及び前記切断方向に平行である分離装置14と、を備える装置11において、 前記搬送テーブル17、18は、前記移動中に、少なくとも2つの保持装置31<holding device>及び前記接触面27と、補助部材38<auxiliary member>(又は軸受部材41<bearing member>あるいは把持部材46<gripper member>)との間で、板状材料12を保持して、移動を確実にし、 前記搬送テーブル17、18は、前記板状材料12を、前記保持装置31及び前記接触面27と、補助部材38(又は軸受部材41あるいは把持部材46)との間で、前記接触面27に沿った平面の第1表面32<first surface>側と第2表面33<second surface>側で保持することにより前記板状材料12の移動を確実にし、 前記第1表面32側は、分離ヘッドが配置される側であり、前記第2表面33側は、前記第1表面32側の反対側であり、前記第1表面32側の前記保持装置31及び前記接触面27は、前記光学系が移動する軸に対して固定距離に位置決めされている、装置11。」 第5 当審の判断 1 本願発明と引用発明の対比 (1)引用発明の「板状材料12」は、本願発明の「ボール紙、具体的には段ボール紙などの剛性材料のシート」が、ボール紙及び段ボール紙に限定されない剛性材料のシートにまで及ぶため、これに含まれることは明らかであることから、この本願発明の「ボール紙、具体的には段ボール紙などの剛性材料のシート」に相当し、同様に「装置11」は「デバイス」に相当する。 (2)引用発明の「x方向」は本願発明の「入力から出力への搬送方向」に、同様に「搬送テーブル17、18」は「搬送システム」に相当する。そして、引用発明の「x方向の前記板状材料12の移動のための搬送テーブル17、18」は、搬送テーブルが制御されていることは明らかであるから、本願発明の「入力から出力への搬送方向に沿った前記シートの制御された移動のための搬送システム」に相当する。 (3)引用発明の「x方向に平行な搬送テーブル17、18の接触面27に沿った平面内」は本願発明の「搬送方向に平行な搬送平面内」に相当し、同様に引用発明の「前記板状材料12をx方向の両方の向きに移動させる」は、当然に制御された様式に適応されていることが前提で行われるから、「前記シートを制御された様式で前記搬送方向の両方の向きに移動させるように適応されている」に相当する。 (4)引用発明の「分離装置14」は本願発明の「切断システム」に、同様に、「ビーム16」は「1つ以上のレーザビーム」に、「分離ヘッド」は「1つ以上のレーザ」に、「光学系」は「光学システム」に、「z方向」は「ビーム方向」に、それぞれ相当する。そして、引用発明の「前記分離装置14は、ビーム16を生成するための分離ヘッドを備え、前記ビーム16が前記接触面27に平行な平面をz方向に沿って切断するようにビーム16を供給する光学系を有」することは、本願発明の「前記切断システムは、1つ以上のレーザビームを生み出すための1つ以上のレーザを備え、前記レーザビームの1つ以上の少なくとも一部が前記搬送平面をビーム方向に沿って切断するように前記レーザビームの1つ以上を制御するための1つ以上の光学システムを備え」ることに相当する。 (5)引用発明の「前記接触面27に沿った平面を切断する」は本願発明の「前記搬送平面を切断する」に相当し、同様に「ビーム16を移動させ」は「1つ以上のレーザビームを移動させるように適応され」に相当し、ビーム16の移動には、上記(4)の分離装置14が備える1つ以上の光学系が関与することが明らかであるから、引用発明の「前記光学系は前記接触面27に沿った平面を切断するビーム16を移動させ、ビーム16を切断方向に沿って移動させるために、y方向の軸に沿って移動するように構成され」は本願発明の「前記光学システムの少なくとも一つは、前記搬送平面を切断する前記1つ以上のレーザビームを移動させるように適応され」に相当する。 (6)引用発明の「ビーム16を切断方向に沿って移動させるために、y方向の軸に沿って移動するように構成され」は、上記(5)と同様に、分離装置14が備える1つ以上の光学系が関与することが明らかであり、ビーム16を切断方向に沿って移動させるために、y方向の軸に沿って移動するのであるから、本願発明の「前記光学システムの少なくとも1つは、前記1つ以上のレーザビームを切断方向に沿って移動させるために、軸に沿って移動するよう構成され」に相当する。 (7)引用発明の「前記光学系が沿って移動する前記y方向の軸は、前記x方向に垂直であり、前記接触面27に沿った平面及び前記y方向に平行である」は、y方向の軸は分離システムが備える光学システムが沿って移動する方向の軸であり、x方向は搬送方向であるから、本願発明の「前記光学システムの少なくとも1つが沿って移動するよう構成されている前記軸は、前記搬送方向に垂直であり、前記搬送平面及び前記切断方向に平行である」に相当する。 (8)引用発明の「少なくとも2つの保持装置31及び前記接触面27と、補助部材38(又は軸受部材41あるいは把持部材46)」は本願発明の「少なくとも2つの握持点または握持ゾーン」に相当し、引用発明の「搬送テーブル17、18」が、「移動中に、少なくとも2つの保持装置31及びと補助部材38(又は軸受部材41あるいは把持部材46)で、板状材料12を保持して、移動を確実に」することは、板状材料のビーム方向の位置を支持して輸送を確実(段落[0046])にしているから、本願発明の「搬送システム」が「前記シートに関して前記ビーム方向に沿った前記切断システムに対する前記シートの位置に最小限のばらつきが存在するように、前記搬送システムは、前記移動中に少なくとも2つの握持点または握持ゾーンで前記シートを締め付けることにより、前記シートを握持するように適応され」ていることに相当する。 (9)引用発明の「接触表面27に沿った平面」の「第1表面32側」は本願発明の「搬送平面」の「第1の側」に、同様に「第2表面33側」は「第2の側」に相当し、引用発明の「搬送テーブル17、18」が、「前記板状材料12を、保持装置31と補助部材38とで、前記接触面27に沿った平面の第1表面32側と第2表面33側で保持することにより前記板状材料12の移動を確実に」することは、本願発明の「搬送システム」が、「前記シートを前記握持点または前記握持ゾーン内の前記搬送平面の第1の側と第2の側とで締め付けることにより前記シートを握持するために好適で」あることに相当する。 (10)引用発明の「前記第1表面32側の前記保持装置31及び前記接触面27」は本願発明の「前記第1の側の前記握持点または前記握持ゾーン」に相当する。そして、引用発明の「前記第1表面32側は、分離ヘッドが配置される側であり、前記第2表面33側は、前記第1表面32側の反対側であり、前記第1表面32側の前記接触面27は、前記光学系が移動する軸に対して固定距離に位置決めされている」ことは、本願発明の「前記第1の側は、前記1つ以上のレーザが配置される側であり、前記第2の側は、前記第1の側の反対側であり、前記第1の側の前記握持点または前記握持ゾーンは、前記少なくとも1つの前記光学システムが移動する前記軸に対して固定距離に位置決めされていること」に相当する。 2 一致点 上記1より、本願発明と引用発明は以下の点で一致する。 「ボール紙、具体的には段ボール紙などの剛性材料のシートを切断するためのデバイスであって、 入力から出力への搬送方向に沿った前記シートの制御された移動のための搬送システムであって、前記シートは、前記搬送方向に平行な搬送平面内にあり、前記搬送システムは、前記シートを制御された様式で前記搬送方向の両方の向きに移動させるように適応されている、搬送システムと、 前記シートを加工するための切断システムであって、前記切断システムは、1つ以上のレーザビームを生み出すための1つ以上のレーザを備え、前記レーザビームの1つ以上の少なくとも一部が前記搬送平面をビーム方向に沿って切断するように前記レーザビームの1つ以上を制御するための1つ以上の光学システムを備え、前記光学システムの少なくとも1つは、前記搬送平面を切断する前記1つ以上のレーザビームを移動させるように適応され、前記光学システムの少なくとも1つは、前記1つ以上のレーザビームを切断方向に沿って移動させるために、軸に沿って移動するよう構成され、前記光学システムの少なくとも1つが沿って移動するよう構成されている前記軸は、前記搬送方向に垂直であり、前記搬送平面及び前記切断方向に平行である、切断システムと、を備えるデバイスにおいて、 前記シートに関して前記ビーム方向に沿った前記切断システムに対する前記シートの位置に最小限のばらつきが存在するように、前記搬送システムは、前記移動中に少なくとも2つの握持点または握持ゾーンで前記シートを締め付けることにより、前記シートを握持するように適応され、 前記搬送システムは、前記シートを前記握持点または前記握持ゾーン内の前記搬送平面の第1の側と第2の側とで締め付けることにより前記シートを握持するために好適であり、 前記第1の側は、前記1つ以上のレーザが配置される側であり、前記第2の側は、前記第1の側の反対側であり、前記第1の側の前記握持点または前記握持ゾーンは、前記少なくとも1つの前記光学システムが移動する前記軸に対して固定距離に位置決めされている、デバイス。」 3 判断 (1)新規性に関する判断 本願発明と引用発明とは、上記2の一致点で一致し、相違点はないから、本願発明と引用発明は同一である。 (2)進歩性に関する判断 仮に、本願発明の搬送システムが、移動中に少なくとも2つの握持点または握持ゾーンでシートを締め付けることにより、シートを握持することについて、「前記シートに関して前記ビーム方向に沿った前記切断システムに対する前記シートの位置に最小限のばらつきが存在するように」「適応され」る点において、引用発明と相違するとしても、搬送方向に搬送されるシートに対して、搬送を円滑にするために、ビーム方向に沿ったシートの位置のばらつきを抑制することが望ましいことは技術常識であるから、この点は、当業者が適宜なし得たことであるといえる。また、シートを搬送するために、例えば上下のローラで挟持する握持手段により締め付けて握持すること自体も、文献を挙げるまでなく慣用技術であるといえる。したがって、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 請求人の主張 1 主張の概要 (1)請求人は、令和5年7月3日提出の意見書において、本願発明について、「シート材の第1の側(レーザが配置される側)の握持点または握持ゾーンが、光学システム系が移動する軸に対して固定距離に位置決めされること」を特定していること、すなわち本願の請求項1には「前記第1の側の前記握持点または前記握持ゾーンは、前記少なくとも1つの前記光学システムが移動する前記軸に対して固定距離に位置決めされていること」の発明特定事項(以下「1(1)の発明特定事項」という場合がある。)が記載されていることについて、当該発明特定事項が当審拒絶理由通知で引用した引用文献1~7には開示されていない旨を指摘し、当該発明特定事項により、本願発明に「握持点または握持ゾーンの配置により、切断されるシート材料がレーザから一定の距離(例えば、レーザの焦点距離内)に保持され、可能な限り最良の切断品質が確保される」という効果が得られる旨の主張をする。 そして、その具体的な根拠として、以下の(2)~(3)の主張をする。 (2)引用文献1~7には、シート材の第1の側(レーザが配置される側)において、光学システムが移動する軸に対して固定距離に位置決めされている握持点または握持ゾーンを開示しておらず、引用文献1のシステムは、搬送テーブル17、18に対して板状材料12を保持するための構成要素として、保持装置31、補助部材38、軸受部材41、把持部材46を有しているが、これらの要素は、本願発明の搬送システムの特徴とは異質のものであること。 (3)引用文献1の搬送テーブル17、18または保持装置31(板状材料12に対して分離装置14と同じ側にある構成要素)に関して、分離装置14が移動する軸に対して一定の距離に配置されることに関する開示はなく、むしろ、引用文献1の段落[0039]~[0040]、[0050]の記載からみて、搬送テーブル17、18とその一部である保持装置31が分離装置14に対して移動可能であり、分離装置14が移動する軸に対して、固定距離にはないこと。 2 上記1(2)の主張について (1)引用文献1における板状材料12の第1の側の握持点または握持ゾーンとしての搬送テーブル17、18の接触面27は、第4の2(10)のとおり、y方向に沿って移動する分離ヘッドとは、z方向に対して固定距離に位置決めされ、すなわち、光学システムが移動する軸としての「y軸方向に沿った軸」に対して固定距離に位置決めされている。よって、上記1(2)の主張の「シート材の第1の側(レーザが配置される側)において、光学システムが移動する軸に対して固定距離に位置決めされている握持点または握持ゾーンを開示していない」という点には根拠がない。 (2)また、上記1(2)の主張における、引用文献1の構成要素が本願発明の搬送システムの特徴とは異質のものであるという点について、段落[0046]における板状材料12を送り込み方向、及び反対方向に駆動することができることの記載、及び補助部材38、軸受部材41、及び把持部材46が、板状材料12の厚さに関して調整可能であることの記載からは、引用発明のこれらの構成要素は本願発明とは動作が類似し、機能が共通しているといえる。そして、段落[0041]には、保持装置31が吸引力を作用させて板状材料12を接触面27に配置することの記載はあるものの、引用発明の対向する補助部材38や軸受部材41と板状材料12の上下両表面に接触して搬送する機構は、本願発明の握持点または握持ゾーンと共通する。また、本願発明の握持点または握持ゾーンが、上記引用文献1の段落[0041]の記載の吸引力によるものとは異なり、実施形態における上下のローラで挟持することによるものに限られると仮定しても、上下のローラで挟持することによりシートを握持することは、出願前に慣用されていた技術であり、引用発明への適用を妨げる事情も認められない。 よって、引用文献1記載のシステムが有する搬送テーブル17、18に対して板状材料12を保持するための保持装置31、補助部材38、軸受部材41、把持部材46の構成要素が、本願発明の搬送システムとは異質なものであるとまではいえず、また、請求人も何が異質なのかを具体的に説明していない。 (3)したがって、上記1(2)の主張には根拠がない。 3 上記1(3)の主張について (1)搬送テーブル17、18は、板状材料12の厚さに対して調整可能である補助部材38(又は軸受部材41あるいは把持部材46)に対してはz方向位置決めの基準となる。よって、上記2において引用文献1のシート材の第1の側の握持点または握持ゾーンとしての搬送テーブル17、18の接触面27が、光学システムが移動する軸としての「y軸方向に沿った軸」に対して固定距離に位置決めされているのと同様に、搬送テーブル17、18の接触面27に配置される保持装置31についても、光学システムが移動する軸としての「y軸方向に沿った軸」に対して固定距離に位置決めされているから、引用文献1に分離装置14が移動する軸に対して一定の距離に配置されることに関する開示がないとはいえない。 (2)次いで、上記1(3)の主張で、引用文献1の段落[0039]~[0040]、[0050]の記載からみて、搬送テーブル17、18とその一部である保持装置31が分離装置14に対して移動可能であり、分離装置14が移動する軸に対して、固定距離にはないとされている点について、以下、図6の図示内容も合わせて検討する。 当該段落のうち、段落[0039]の「搬送テーブル17、18の各接触面27は、分離工程前、分離工程中、又は分離工程後に、長手方向に可変式に調節できるし、搬送テーブル17、18のそれぞれの接触面27は、互いに独立して寸法を変化させることができる」との記載は、搬送テーブル17、18の各接触面27の長手方向の調整、及び寸法の変化に関する内容である。そして、段落[0040]の「板状材料12の加工の間、間隙19に割り当てられているシリンダ22、24は、例えば、同期して分離装置14の動作範囲内で動くことができる。これは、シリンダ22、24の位置の変化によって、又は、搬送テーブル17、18が互いに対して移動することによって行うことができる。」との記載は、加工中のシリンダ22、24の位置の変化により、あるいは搬送テーブル17、18が互いに対して移動することにより、間隙19を調整することに関する内容である。 よって、段落[0039]、[0040]のいずれにも、搬送テーブル17、18や保持装置31について、分離装置14とz方向の位置関係が変化すること、すなわち固定距離にはないことについては記載されていない。 次に、引用文献1の段落[0050]の記載内容、及び図6の図示内容に係る実施例(以下「図6の実施例」という。)においては、搬送テーブル17、18とその一部である保持装置31が分離装置14に対して移動可能であることは記載されている。しかしながら、その一方で、移動してから間隙19を調整した後は、板状材料12が搬送テーブル17の搬送ベルト21により移動され、搬送テーブル18の接触面27に到達すると接触面27に対して位置決めされ、保持されることについても記載されている。この間隙19を調整した後の状態では、搬送テーブル17、18とその一部である保持装置31がz方向には移動しないように固定され、第4の2(6)のとおりy方向には移動しz方向には移動しない分離装置14とは、分離装置14が移動するy方向の軸に対して一定の距離に配置されるが、この図6の実施例の内容からみて、引用文献1に分離装置14が移動する軸に対して一定の距離に配置されることに関する開示がないとはいえない。 また、本願発明の上記1(1)の発明特定事項は「前記第1の側の前記握持点または前記握持ゾーンは、前記少なくとも1つの前記光学システムが移動する前記軸に対して固定距離に位置決めされていること」を記載しているのみであって、文言上、引用文献1の上記図6の実施例が除かれていない。 これについて、本願明細書を参酌すると、段落【0057】記載の実施形態、あるいは段落【0104】の例1の実施形態には、第1の組のローラが切断システムに対して定置状態で取り付けられ、上記引用文献1の図6の実施例と異なり、切断中以外にも定常的に上記1(1)の発明特定事項の「位置決め」が行われるものが記載されている。 しかしながら、段落【0023】には「第1の組の握持要素はまた、これによって切断中に実質的に定置位置を保つようにさらに適応され、このようにして、レーザビームの焦点(または集束帯)がシートと実質的に重なり合うように切断システムがシートを切断することを保証する。」との記載があり、同じく段落【0056】には「第1の組のローラおよび第2の組のローラの両方が、互いに対して往復式に移動することができる」実施形態が記載されていることからみて、本願明細書には、上記1(1)の発明特定事項における「位置決め」が、切断中以外にも定常的に行われるものばかりが開示されているわけではないから、文言上、図6の実施例を除いていない当該発明特定事項が、上記段落【0057】記載の実施形態、あるいは段落【0104】の例1の実施形態のように第1の組のローラが切断システムに対して定置状態で取り付けられた構成のみにまで限定したものと解することはできない。 (3)したがって、引用文献1の段落[0039]~[0040]、[0050]、及び図6の記載を含めて検討しても、やはり、1(3)の主張には根拠がない。 4 上記1(1)の発明特定事項に対する予備的な検討 上記1(1)の発明特定事項に関し、仮に、引用発明に、上記3(2)で検討した図6の実施例に係る搬送テーブル17、18とその一部である保持装置31が分離装置14に対して移動可能であることが反映され、本願発明に、本願明細書の段落【0057】、【0104】の記載内容に係る第1の組のローラが切断システムに対して定置状態で取り付けられることが反映されていることで、両発明が相違するとしても、切断機械における切断されるワークの保持は切断中に適切に行われていれば足りるものであり、引用発明においてシートの切断中以外の時に、上記1(1)の発明特定事項の「位置決め」を行うか否か、すなわち、搬送テーブル17、18とその一部である保持装置31が分離装置14に対して移動を可能にするか否かは、当業者が適宜選択し得た設計的事項である。 また、本願発明において、この1(1)の発明特定事項の「位置決め」がシートの切断中以外にも定常的に行われることに関し、例えば、切断装置、搬送装置、あるいは切断装置(光学システム)が移動する軸、及びこれらの相互関係について、引用発明と顕著に異なる技術的な特徴を備えることが請求項1に記載されておらず、発明の詳細な説明で示唆されているものでもない。 さらに、本願発明が上記1(1)の発明特定事項により「握持点または握持ゾーンの配置により、切断されるシート材料がレーザから一定の距離(例えば、レーザの焦点距離内)に保持され、可能な限り最良の切断品質が確保されるという効果」を奏するとしても、引用発明と比較して格別顕著なものとはいえない。 したがって、本願発明が、上記1(1)の発明特定事項により引用発明と相違するとして検討しても、やはり引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。 5 小括 したがって、上記2、及び3で検討したとおり、1(2)、及び1(3)の主張に根拠がなく、本願発明は、上記1(1)の発明特定事項によって、当審拒絶理由通知書で引用した引用文献1に開示された引用発明と相違するといえないものであり、仮に相違するとしても、上記4で検討したとおり、当業者が引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものであるから、上記1の請求人の主張は採用することができない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献1に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 また、本願発明は、引用文献1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-006700

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  • 2024-013377拒絶査定不服審判 / 2025-10-29 / 原査定取消(特許/登録すべき)レーザ加工装置、レーザ加工装置の光学系
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