特許拒絶査定不服審判
2022-006699
インターホンシステム、制御方法、及びプログラム
- 審判番号
- 2022-006699
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-024329外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年05月02日
- 審決日
- 2023年06月01日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】パナソニックIPマネジメント株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人北斗特許事務所
- 分類
- P18 .121-WY (H04M)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-24329「インターホンシステム、制御方法、及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和元年8月22日出願公開、特開2019-140618、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成30年2月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年6月21日付け:拒絶理由通知書
令和3年8月30日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年1月28日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和4年5月 2日 :審判請求書の提出
令和5年1月19日付け:拒絶理由通知書(以下「当審拒絶理由」とい
う。)
令和5年3月27日 :意見書、手続補正書の提出
第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。
本願請求項1~5、7~11に係る発明は、以下の引用文献A~Fに基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
A.特開平08-322038号公報
B.特開2004-180086号公報
C.特開2009-206784号公報
D.特開2004-208077号公報
E.特開2009-065479号公報
F.特開2002-125059号公報
第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。
本願請求項1、3~5、7~11に係る発明は、以下の引用文献1、2、5、6に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1.特開平08-322038号公報(拒絶査定時の引用文献A)
2.特開2004-180086号公報(拒絶査定時の引用文献B)
5.特開2009-065479号公報(拒絶査定時の引用文献E)
6.特開2002-125059号公報(拒絶査定時の引用文献F)
第4 本願発明
本願の請求項1~15に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」~「本願発明15」という。)は、令和5年3月27日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1~15は、以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
第1管理領域に設けられたインターホン親機と、
開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機と、を備え、
前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能なインターホンシステムであって、
前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部を更に備え、
前記インターホン子機は、
前記第2管理領域を撮像する第1撮像部を有し、
前記インターホン親機は、
前記第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を録画する録画部を有し、
前記第2撮像部は、前記インターホン子機と別体に設けられており、
前記インターホン親機は、前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合に、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記録画部による録画を行う、
インターホンシステム。
【請求項2】
前記インターホン親機は、前記延長期間において前記録画部による録画を停止するための停止操作を受け付ける親機側操作部を更に有する、
請求項1に記載のインターホンシステム。
【請求項3】
前記インターホン親機は、前記録画部による録画を開始してから前記延長期間が終了するまでの間、前記録画部による録画を継続する、
請求項1又は2に記載のインターホンシステム。
【請求項4】
第1管理領域に設けられたインターホン親機と、
開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機と、
前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部と、を備え、
前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能なインターホンシステムであって、
前記インターホン子機は、
前記第2管理領域を撮像する第1撮像部を有し、
前記インターホン親機は、
前記第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を表示する親機側表示部と、
前記第1映像と前記第2映像との少なくとも一方を録画する録画部と、の少なくとも一方を有し、
前記第2撮像部は、前記インターホン子機と別体に設けられており、
前記第1映像に含まれる顔画像に基づいて顔認証を行う認証部を更に備え、
前記信号出力部は、前記認証部の認証結果に応じて前記解錠信号を出力し、
前記インターホン親機は、前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合に、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記親機側表示部による表示と前記録画部による録画との少なくとも一方を行う、
インターホンシステム。
【請求項5】
第1管理領域に設けられたインターホン親機と、
開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機と、
前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部と、を備え、
前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能なインターホンシステムであって、
前記インターホン子機は、
前記第2管理領域を撮像する第1撮像部を有し、
前記インターホン親機は、
前記第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を表示する親機側表示部と、
前記第1映像と前記第2映像との少なくとも一方を録画する録画部と、の少なくとも一方を有し、
前記第2撮像部は、前記インターホン子機と別体に設けられており、
前記インターホン親機は、前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合に、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記親機側表示部による表示と前記録画部による録画との少なくとも一方を行い、
前記延長期間の終了タイミングが、前記第1撮像部と前記第2撮像部とで別々に設定可能である、
インターホンシステム。
【請求項6】
前記インターホン親機は、前記延長期間において前記親機側表示部による表示及び前記録画部による録画を停止するための停止操作を受け付ける親機側操作部を更に有する、
請求項4又は5に記載のインターホンシステム。
【請求項7】
前記インターホン親機は、前記親機側表示部による表示と前記録画部による録画との少なくとも一方を開始してから前記延長期間が終了するまでの間、前記親機側表示部による表示と前記録画部による録画との少なくとも一方を継続する、
請求項4~6のいずれか1項に記載のインターホンシステム。
【請求項8】
前記インターホン親機は、前記親機側表示部を有し、
前記親機側表示部は、前記第1映像と前記第2映像との両方を同時に表示可能である、
請求項4~7のいずれか1項に記載のインターホンシステム。
【請求項9】
前記インターホン子機は、前記開閉部材の解錠操作を受け付ける子機側操作部を更に有し、
前記信号出力部は、前記子機側操作部が前記解錠操作を受け付けた場合に前記解錠信号を出力する、
請求項1~3、5のいずれか1項に記載のインターホンシステム。
【請求項10】
前記延長期間は可変である、
請求項1~9のいずれか1項に記載のインターホンシステム。
【請求項11】
前記第1映像と前記第2映像との少なくとも一方の映像、又は前記映像に含まれる画像を特定端末に出力する映像出力部を更に備える、
請求項1~10のいずれか1項に記載のインターホンシステム。
【請求項12】
第2管理領域に設けられたインターホン子機との間で通話可能であり、開閉部材によって前記第2管理領域と隔てられた第1管理領域に設けられたインターホン親機の制御方法であって、
前記インターホン子機の第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を録画する録画ステップを備え、
前記第2撮像部は、前記インターホン子機と別体に設けられており、
前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部が前記解錠信号を出力した場合に、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記録画ステップを行う、
制御方法。
【請求項13】
第2管理領域に設けられたインターホン子機との間で通話可能であり、開閉部材によって前記第2管理領域と隔てられた第1管理領域に設けられたインターホン親機の制御方法であって、
前記インターホン子機の第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を表示する表示ステップと、
前記第1映像と前記第2映像との少なくとも一方を録画する録画ステップと、の少なくとも一方を備え、
前記第2撮像部は、前記インターホン子機と別体に設けられており、
前記第1映像に含まれる顔画像に基づいて顔認証を行う認証部の認証結果に応じて、前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部が前記解錠信号を出力した場合に、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記表示ステップと前記録画ステップとの少なくとも一方を行う、
制御方法。
【請求項14】
第2管理領域に設けられたインターホン子機との間で通話可能であり、開閉部材によって前記第2管理領域と隔てられた第1管理領域に設けられたインターホン親機の制御方法であって、
前記インターホン子機の第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を表示する表示ステップと、
前記第1映像と前記第2映像との少なくとも一方を録画する録画ステップと、の少なくとも一方を備え、
前記第2撮像部は、前記インターホン子機と別体に設けられており、
前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部が前記解錠信号を出力した場合に、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記表示ステップと前記録画ステップとの少なくとも一方を行い、
前記延長期間の終了タイミングが、前記第1撮像部と前記第2撮像部とで別々に設定可能である、
制御方法。
【請求項15】
コンピュータシステムに、
請求項12~14のいずれか1項に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。」
第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献5の記載事項及び引用発明について
引用文献5には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は強調のため当審にて付与した。以下同様。)。
「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集合住宅インターホンシステムに関し、詳しくは、呼び出しに応答する居住者が来訪者を映像で確認できる集合住宅インターホンシステムに関する。」
「【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、従来の集合住宅インターホンシステムでは、居住者が終話操作をすると通話路が切断されて待受状態に戻った。従って、映像路も切断されてモニタに表示されされていた(当審注:「表示されていた」の誤記と認める。)来訪者映像も消えた。そのため、通話後に来訪者が迷うことなくオートドアの方へ進んだか確認したくても、映像も消えてしまうことでできなかった。
・・・(略)・・・
【0004】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、居住者が終話操作を行っても集合玄関機からの映像の出画がしばらく続き、更に誤って終話操作した場合には居室親機側から通話路の再接続ができる集合住宅インターホンシステムを提供することを目的としている。」
「【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、居室親機で終話操作しても、集合玄関機からの映像を表示し続けるので、居住者は来訪者がその後オートドアの方にスムーズに進むことができるか確認することができる。また、終話操作後であっても集合玄関機からの映像が出力されている状態であれば、居室親機側で通話操作を行うことで通話路が接続され、来訪者と通話を継続することができる。よって、居住者が間違って終話操作しても、通話路を再接続することができ、来訪者に迷惑をかけるようなことがない。」
「【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る集合住宅インターホンシステムの一例を示す構成図であり、1は来訪者が居住者を呼び出すために集合住宅のエントランス等に設置される集合玄関機、2は居住者が集合玄関機1からの呼び出しに応答するために各住戸内に設置される居室親機、3は集合玄関機1と居室親機2との間の通信を制御する制御機である。集合玄関機1は伝送線L1を介して制御機3に接続され、各居室親機2,2・・は伝送線L2を介して制御機3に接続されている。
【0012】
そして、集合玄関機1は、来訪者の撮像と合わせてオートドア付近も撮像するカメラ5、訪問先の居住者を選択すための(当審注:「選択するための」の誤記と認める。)操作部6、居住者と通話するためのマイク及びスピーカを備えた音響部7、集合玄関機1を制御する集合玄関機CPU8、制御機3と通信を行うための集合玄関機インターフェース(集合玄関機IF)9を備えている。
【0013】
また、居室親機2は、集合玄関機1のカメラ5で撮像された映像を表示するモニタ11と、集合玄関機1からの呼び出しに対する応答操作及び終話操作等を行う操作部12、来訪者と通話するためのマイク及びスピーカを備えた音響部13、居室親機2を制御する居室親機CPU14、制御機3と通信するための居室親機インターフェース(居室親機IF)15を備えている。
【0014】
また、制御機3は、集合玄関機1のカメラ5が撮像した映像信号を居室親機2に伝送する映像路を接続/切断制御する映像路制御部17、集合玄関機1と居室親機2との間の通話路を接続/切断制御する通話路制御部18、終話されてから所定時間(第1の所定時間)を計時する終話タイマ19、応答操作が成されてから所定時間(第2の所定時間)を計時する通話タイマ20、制御機3を制御する制御機CPU21、集合玄関機1と通信するための第1インターフェース(第1IF)22、居室親機2と通信するための第2インターフェース(第2IF)23を備えている。
【0015】
このように構成された集合住宅インターホンシステムは、次のように動作する。来訪者が集合玄関機1の操作部6にて居室親機2を選択して呼出操作を行うと、集合玄関機CPU8は、呼出操作を受けて呼出信号を集合玄関機IF9を介して制御機3に送信する。同時に、カメラ5を起動して撮像した映像信号を集合玄関機IFを介して制御機3に送信する。
【0016】
呼出信号を受信した制御機CPU21は、呼出信号に含まれる居室番号情報から該当する居室親機2に対して呼出信号を送信し、映像路制御部17と通話路制御部18に片方向接続信号を送信する。こうして、集合玄関機1からの音声信号及び映像信号が、選択された居室親機2(以下、通話居室親機2aとする)に送信可能となり、集合玄関機1のカメラ5が撮像している来訪者映像が通話居室親機2aのモニタ11に表示される。また、通話居室親機2aでは、居室親機CPU14が呼出信号を受けて音響部13から呼出音を鳴動させる。
【0017】
呼出音を受けて、居住者が通話居室親機2aの操作部12を応答操作(通話操作)すると(例えば、通話ボタンの押下操作をすると)、居室親機CPU14は通話信号を制御機3に対して発生する。この通話信号は居室親機IF15を介して制御機3に送信され、通話信号を受信した制御機CPU21は、通話路制御部18に双方向接続信号を送信する。この結果、通話路が形成され、集合玄関機1の音響部7と通話居室親機2aの音響部13との間で通話が可能となる。
【0018】
通話終了後、居住者により終話操作が成されると形成された通話路が切断される。例えば、操作部12の中の通話ボタンの再操作により終話は実施され、この操作で居室親機CPU14は、終話信号を制御機3に送信する。終話信号を受信した制御機CPU21は、通話路制御部18のみに切断信号を送信し、集合玄関機1と通話居室親機2aとの間の通話路の切断を行う。但し、映像路制御部17に切断信号は送信しないため、通話居室親機2aのモニタ11にカメラ5の撮像映像は引き続き表示される。
【0019】
そして制御機CPU21は、通話路の切断に合わせて終話タイマ19の計時をスタートさせる。その後、第1の所定時間が経過して終話タイマ19がタイムアップすると、制御機CPU21は映像路制御部17に切断信号を送信し、集合玄関機1と通話居室親機2aとの間に形成されている映像路を切断すると共に、集合玄関機1に対してカメラ停止信号を送信する。この制御により、終話操作後に表示を継続しているモニタは、所定時間が経過すると表示が消えるので、別途切断操作をしなくとも良い。」
「【0023】
このように、居室親機で終話操作しても、集合玄関機からの映像を表示し続けるので、応答した居住者は来訪者がその後オートドアの方にスムーズに進むことができるか確認することができる。更に、来訪者の進行に合わせて不審者等が同行していないかも合わせて確認でき、防犯上も効果を奏する。・・・(略)・・・
【0024】
尚、上記実施形態では、居室親機2のモニタ11に表示された映像は所定時間が経過したら終了するよう構成されているが、表示終了ボタンを設けて終了時間を待たずに終了できるようにしても良い。」
「【図1】
[図:0001397872000001.jpg]
」
したがって、上記引用文献5には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、説明の便宜のため、引用発明をA~Mの記号を付して分説した。
<引用発明>
「A 呼び出しに応答する居住者が来訪者を映像で確認できる集合住宅インターホンシステムに関し、居室親機で終話操作しても、集合玄関機からの映像を表示し続けるので、居住者は来訪者がその後オートドアの方にスムーズに進むことができるか確認することができるものであり、(【0001】、【0010】)
B 集合住宅インターホンシステムは、来訪者が居住者を呼び出すために集合住宅のエントランス等に設置される集合玄関機1と、居住者が集合玄関機1からの呼び出しに応答するために各住戸内に設置される居室親機2と、集合玄関機1と居室親機2との間の通信を制御する制御機3を備え、集合玄関機1は伝送線L1を介して制御機3に接続され、各居室親機2,2・・は伝送線L2を介して制御機3に接続され、(【0011】)
C 集合玄関機1は、来訪者の撮像と合わせてオートドア付近も撮像するカメラ5、訪問先の居住者を選択するための操作部6、居住者と通話するためのマイク及びスピーカを備えた音響部7、集合玄関機1を制御する集合玄関機CPU8、制御機3と通信を行うための集合玄関機インターフェース(集合玄関機IF)9を備え、(【0012】)
D 居室親機2は、集合玄関機1のカメラ5で撮像された映像を表示するモニタ11と、集合玄関機1からの呼び出しに対する応答操作及び終話操作等を行う操作部12、来訪者と通話するためのマイク及びスピーカを備えた音響部13、居室親機2を制御する居室親機CPU14、制御機3と通信するための居室親機インターフェース(居室親機IF)15を備え、(【0013】)
E 制御機3は、集合玄関機1のカメラ5が撮像した映像信号を居室親機2に伝送する映像路を接続/切断制御する映像路制御部17、集合玄関機1と居室親機2との間の通話路を接続/切断制御する通話路制御部18、終話されてから所定時間(第1の所定時間)を計時する終話タイマ19、制御機3を制御する制御機CPU21、集合玄関機1と通信するための第1インターフェース(第1IF)22、居室親機2と通信するための第2インターフェース(第2IF)23を備え、(【0014】)
F このように構成された集合住宅インターホンシステムの動作は、(【0015】)
G 来訪者が集合玄関機1の操作部6にて居室親機2を選択して呼出操作を行うと、集合玄関機CPU8は、呼出操作を受けて呼出信号を集合玄関機IF9を介して制御機3に送信し、同時に、カメラ5を起動して撮像した映像信号を集合玄関機IFを介して制御機3に送信し、(【0015】)
H 呼出信号を受信した制御機CPU21は、呼出信号に含まれる居室番号情報から該当する居室親機2に対して呼出信号を送信し、映像路制御部17と通話路制御部18に片方向接続信号を送信し、こうして、集合玄関機1からの音声信号及び映像信号が、選択された居室親機2(以下、通話居室親機2aとする)に送信可能となり、集合玄関機1のカメラ5が撮像している来訪者映像が通話居室親機2aのモニタ11に表示され、また、通話居室親機2aでは、居室親機CPU14が呼出信号を受けて音響部13から呼出音を鳴動させ、(【0016】)
I 呼出音を受けて、居住者が通話居室親機2aの操作部12を応答操作(通話操作)すると(例えば、通話ボタンの押下操作をすると)、居室親機CPU14は通話信号を制御機3に対して発生し、この通話信号は居室親機IF15を介して制御機3に送信され、通話信号を受信した制御機CPU21は、通話路制御部18に双方向接続信号を送信し、この結果、通話路が形成され、集合玄関機1の音響部7と通話居室親機2aの音響部13との間で通話が可能となり、(【0017】)
J 通話終了後、居住者により終話操作が成されると形成された通話路が切断され、但し、映像路制御部17に切断信号は送信しないため、通話居室親機2aのモニタ11にカメラ5の撮像映像は引き続き表示され、(【0018】)
K そして制御機CPU21は、通話路の切断に合わせて終話タイマ19の計時をスタートさせ、その後、第1の所定時間が経過して終話タイマ19がタイムアップすると、制御機CPU21は映像路制御部17に切断信号を送信し、集合玄関機1と通話居室親機2aとの間に形成されている映像路を切断すると共に、集合玄関機1に対してカメラ停止信号を送信し、この制御により、終話操作後に表示を継続しているモニタは、所定時間が経過すると表示が消え、(【0019】)
L このように、居室親機で終話操作しても、集合玄関機からの映像を表示し続けるので、応答した居住者は来訪者がその後オートドアの方にスムーズに進むことができるか確認することができ、更に、来訪者の進行に合わせて不審者等が同行していないかも合わせて確認でき、防犯上も効果を奏する、(【0023】)
M 集合住宅インターホンシステム。」
2 引用文献1の記載事項について
引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図1に基づいて説明する。この集合住宅用監視システムAは、以下の部材装置から構成されている。8は共同玄関を枠として示したものであり、ソレノイドにより駆動される電気錠9により施錠または解錠できるようになっている。
【0021】1はカメラ付きロビーインターホンで、1aは訪問者を映すテレビカメラで自動焦点機能を有している。1bは逆マスターキーであり、逆マスターキー1bに、マスターキー(図示せず)が差し込まれると、共同玄関8の電気錠9を施錠または解錠できるようになっている。また、1cはテンキーであり、集合住宅の住戸番号を入力したり、暗証番号を入力すれば、共同玄関8の電気錠9を解錠したりすることができるようになっている。1dは呼出ボタンである。また、カメラ付きロビーインターホン1には、訪問者が用件を話すマイクや、呼出しボタンで呼び出された住戸の住人の声や、応答メッセージを流すスピーカ等がある。
【0022】4は集合住宅の各住戸に設置される住宅情報盤で、モニタテレビ4aと、送受器4bが付いている。尚、2は情報を多重伝送したり、多重伝送された情報を分離するための映像制御盤である。3は分岐器である。また、管理人室5には、画像記録装置(VTR)5aと、警報監視盤5bと、モニタテレビ5cが設けられている。
【0023】図1に示す本実施例に係る集合住宅用監視システムAでは、新たな構成として、電気錠9の解錠・施錠に応答して、画像記録装置(VTR)5a及び/またはモニタテレビ5cをONまたはOFFに制御する信号を発令し、画像記録装置(VTR)5a及び/またはモニタテレビ5c駆動制御する制御装置10が設けられている。
【0024】ここに制御装置10は、電気錠9と画像録画装置5aに接続されており、電気錠9が解錠されたときに画像録画装置5aを駆動するが、電気錠9が施錠された後、映像制御盤2が画像録画装置5aに停止信号を送出した後に予め設定された遅延時間を保持して録画装置5aを停止し、あるいは警報監視盤5bから住宅情報盤4の通話終了検知信号が出力されたときに予め設定された遅延時間を保持して停止するようにしている。
【0025】次に、集合住宅用監視システムAの動作について説明する。訪問者が、テンキー1cに住戸番号を入力した後、呼び出しボタン1dを押す。すると、カメラ付きロビーインターホン1のカメラ1aがONになるのと同時に、住戸番号の指定された住宅情報盤4が呼び出し音を発生する。
【0026】これに応答して、住戸番号が指定された住人が、送受器4bを取ると、住宅情報盤4のモニタテレビ4aがONとなり、訪問者の映像が、モニタテレビ4aに映されるので、住人は、訪問者の顔を確認しながら用件を聞き、訪問者の顔及び用件を確認した後、住宅制御盤4に設けられた解錠キー(図示せず)を押す。すると、共同玄関8が解錠されるので、訪問者は、共同玄関8からロビー内に入ることができる。
【0027】この集合住宅用監視システムAでは、住戸番号が指定された住人が、送受器4bを切ると同時に、カメラ1aとモニタテレビ4aがOFFの状態になる。・・・(略)・・・」
「【図1】
[図:0001397872000002.jpg]
」
したがって、当該引用文献1には、次の技術的事項が記載されていると認められる。
<引用文献1に記載された技術的事項>
「電気錠9により施錠または解錠できるようになっている共同玄関8を備える集合住宅用監視システムAにおいて、訪問者が、テンキー1cに住戸番号を入力した後、呼び出しボタン1dを押すと、カメラ付きロビーインターホン1のカメラ1aがONになるのと同時に、住戸番号の指定された住宅情報盤4が呼び出し音を発生し、これに応答して、住戸番号が指定された住人が、送受器4bを取ると、住宅情報盤4のモニタテレビ4aがONとなり、訪問者の映像が、モニタテレビ4aに映されるので、住人は、訪問者の顔を確認しながら用件を聞き、訪問者の顔及び用件を確認した後、住宅制御盤4に設けられた解錠キーを押すと、共同玄関8が解錠されるので、訪問者は、共同玄関8からロビー内に入ることができる、集合住宅用監視システムA。」
3 引用文献2の記載事項について
引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0020】
【発明の実態の形態】
以下、本発明の集合住宅インターホン装置をその好ましい実施の形態例について図面を参照して記述する。
【0021】
本発明の第1の実施例である集合住宅インターホン装置は図1に示すように、集合住宅のエントランスに設置され訪問者が居住者を呼び出すためのカメラ付集合玄関機4と、各居室毎に設置されカメラ付集合玄関機4からの画像を表示するためのモニタ20を有する居室親機1と、集合住宅のエントランスなどの共用部に設置される増設カメラ5が接続されカメラ付集合玄関機4および居室親機1を制御するための制御機3と、集合住宅の管理人室に設置される管理室親機7とを備え、制御機3に対して各端末が伝送線L1~L4によって接続されている。
【0022】
居室親機1は、カメラ付集合玄関機4の画像、増設カメラ5の画像をモニタ20に選択して表示するための切替ボタン22を有している。・・・(略)・・・」
「【0028】
このように、居室親機1の切替ボタン22を選択操作することにより、制御機3の切替表示CPU31aがその選択操作に応じてカメラ付集合玄関機4のカメラ41からの画像または増設カメラ5からの画像を取得して当該居室親機1に送出するので、当該居室親機1の切替ボタン22を選択操作するだけで必要な映像情報を容易に取得できる。これにより、例えば、居室親機1でカメラ付集合玄関機4と通話中に当該カメラ付集合玄関機4のカメラ41に撮影されない範囲に来訪者がいても、瞬時にその来訪者を増設カメラ5で確認できる。
【0029】
なお、この実施例1において、制御機3は、カメラ付集合玄関機4のカメラ41からの画像、増設カメラ5からの画像を同時に受信したときに全ての画像を居室親機1のモニタ20に予め定められたレイアウトで同時表示させるための制御を行なう同時表示CPU31bを有するようにしてもよい。」
「【図1】
[図:0001397872000003.jpg]
」
前記【図1】を参照すると、増設カメラ5は、カメラ付集合玄関機4と別に設けられていることが見て取れる。
したがって、当該引用文献2には、次の技術的事項が記載されていると認められる。
<引用文献2に記載された技術的事項>
「集合住宅のエントランスに設置され訪問者が居住者を呼び出すためのカメラ付集合玄関機4と、各居室毎に設置されカメラ付集合玄関機4からの画像を表示するためのモニタ20を有する居室親機1と、集合住宅のエントランスなどの共用部に設置される増設カメラ5が接続されカメラ付集合玄関機4および居室親機1を制御するための制御機3と、を備え、制御機3は、カメラ付集合玄関機4のカメラ41からの画像、増設カメラ5からの画像を同時に受信したときに全ての画像を居室親機1のモニタ20に同時表示させ、増設カメラ5は、カメラ付集合玄関機4と別に設けられる集合住宅インターホン装置。」
第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1) 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 「第1管理領域に設けられたインターホン親機と、開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機と、を備え、前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能なインターホンシステムであって、」について
(ア)引用発明の「集合住宅インターホンシステム」は、「居住者が集合玄関機1からの呼び出しに応答するために各住戸内に設置される居室親機2」を備えている(分説B)ことから、引用発明の「居室親機2」は、本願発明1の「インターホン親機」に相当し、引用発明の「居室親機2」が設置される「住戸内」は、本願発明1の「第1管理領域」に相当する。
(イ)引用発明の「集合住宅インターホンシステムは、来訪者が居住者を呼び出すために集合住宅のエントランス等に設置される集合玄関機1」を備え(分説B)、「集合玄関機1は、来訪者の撮像と合わせてオートドア付近も撮像するカメラ5」を備える(分説C)ことから、引用発明の「オートドア」は、「集合住宅のエントランス等に設置される集合玄関機1」付近にあるドアであるといえる。
また、一般に「オートドア」は、自動で開閉することは技術常識であることから、引用発明の「オートドア」は、本願発明1の「開閉部材」に相当するといえる。
(ウ)引用発明の「集合住宅インターホンシステム」は、「呼び出しに応答する居住者が来訪者を映像で確認できる」(分説A)ものであって、「居室親機で終話操作しても、集合玄関機からの映像を表示し続けるので、居住者は来訪者がその後オートドアの方にスムーズに進むことができるか確認することができるもの」(分説A)であるから、「来訪者が居住者を呼び出すため」の「集合玄関機1」が設置される「集合住宅のエントランス」(分説B)は、「居住者」のいる「住戸」からみて、「オートドア」の外側にあるといえる。
したがって、(ア)及び(イ)を踏まえると、引用発明の「集合住宅のエントランス」は、本願発明1の「開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域」に相当するといえ、引用発明の「集合住宅機1」は、本願発明1の「開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機」に相当するといえる。
(エ)引用発明において、「呼出信号」が「送信」され、「選択」された「居室親機2」は、「通話居室親機2a」と称され(分説H)、「集合住宅インターホンシステムの動作」として(分説F)、引用発明の「集合玄関機1」と「通話居室親機2a」との「間で通話が可能とな」る(分説I)ことから、引用発明の「通話居室親機2a」と「集合玄関機1」との間で、通話が可能であることは、本願発明1の「前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能」であることに相当する。
(オ)以上の(ア)~(エ)のことから、引用発明の「集合住宅インターホンシステム」は、本願発明1の「第1管理領域に設けられたインターホン親機と、開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機と、を備え、前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能なインターホンシステム」に相当する。
イ 「前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部を更に備え、」について
引用発明には、「オートドア」の解錠に関する構成については特定されていない。
ウ 「前記インターホン子機は、前記第2管理領域を撮像する第1撮像部を有し、」について
引用発明の「集合玄関機1は、来訪者の撮像と合わせてオートドア付近も撮像するカメラ5」を備える(分説C)ことから、当該「カメラ5」は、「来訪者の撮像」をする手段と、「オートドア付近も撮像」する手段の、合わせて2つの手段を有するといえる。
そして、前者の「来訪者の撮像」をする「カメラ5」の手段は、「来訪者」のいる「集合住宅のエントランス」(分説B)を撮像するといえることから、本願発明1の「前記第2管理領域を撮像する第1撮像部」に相当するといえる。
したがって、引用発明の「集合玄関機1」が「来訪者の撮像」をする「カメラ5」の手段を有することは、本願発明1の「前記インターホン子機は、前記第2管理領域を撮像する第1撮像部を有」することに相当する。
エ 「前記インターホン親機は、前記第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を録画する録画部を有し、」について
(ア)前記ウで示したように、引用発明の「集合玄関機1は、来訪者の撮像と合わせてオートドア付近も撮像するカメラ5」を備える(分説C)ことから、当該「カメラ5」は、「来訪者の撮像」をする手段と、「オートドア付近も撮像」する手段の、合わせて2つの手段を有するといえる。
そして、引用発明において、前者の「来訪者の撮像」をする「カメラ5」の手段が撮像した「来訪者」の映像は、本願発明1の「前記第1撮像部が撮像した第1映像」に相当する。
(イ)前記(ア)を踏まえると、引用発明において、後者の「オートドア付近も撮像」する「カメラ5」の手段は、前者の「来訪者の撮像」をする「カメラ5」の手段とは、撮像する対象が異なるところ、両手段ともに、引用発明では「カメラ5」と称されているため、両者は「異なる手段」であるとは、特定されていない。
したがって、引用発明において、後者の「オートドア付近も撮像」する「カメラ5」の手段は、本願発明1の「前記第1撮像部とは異なる第2撮像部」とは、「第2撮像部」である点で共通し、引用発明において、後者の「オートドア付近も撮像」する「カメラ5」の手段が撮像する「オートドア付近」は、本願発明1の「前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像」とは、「第2撮像部が撮像した第2映像」である点で共通する。
(ウ)引用発明には、「来訪者の撮像と合わせてオートドア付近も撮像するカメラ5」が撮像した「来訪者」の映像や「オートドア付近」の映像を録画する構成については特定されていない。
(エ)前記(ア)~(ウ)を踏まえると、引用発明の「居室親機2」が、「集合玄関機1のカメラ5で撮像された映像」を「表示するモニタ11」を備えること(分説D)は、本願発明1の「前記インターホン親機は、前記第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を録画する録画部」を有することとは、「前記インターホン親機は、前記第1撮像部が撮像した第1映像と、第2撮像部が撮像した第2映像を扱う手段」を有する点で共通する。
オ 「前記第2撮像部は、前記インターホン子機と別体に設けられており、」について
前記ウで示したとおり、引用発明の「集合玄関機1は、来訪者の撮像と合わせてオートドア付近も撮像するカメラ5」を備えることから、当該「カメラ5」は、「来訪者の撮像」をする手段と、「オートドア付近も撮像」する手段の、合わせて2つの手段を有するといえるものの、引用発明には、後者の「オートドア付近も撮像」する手段が、集合玄関機1と「別体に設けられて」いるかどうかは、特定されていない。
カ 「前記インターホン親機は、前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合に、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記録画部による録画を行う、」について
(ア)引用発明では、「集合住宅インターホンシステム」の動作(分説F)として、「集合玄関機1」と「居室親機2」の間の通話の開始と、「モニタ11」への映像の表示については、以下のことが特定されている。
「来訪者が集合玄関機1の操作部6にて居室親機2を選択して呼出操作を行うと、集合玄関機CPU8は、呼出操作を受けて呼出信号を集合玄関機IF9を介して制御機3に送信し、同時に、カメラ5を起動して撮像した映像信号を集合玄関機IFを介して制御機3に送信し」(分説G)、「呼出信号を受信した制御機CPU21は、呼出信号に含まれる居室番号情報から該当する居室親機2に対して呼出信号を送信し、映像路制御部17と通話路制御部18に片方向接続信号を送信し、こうして、集合玄関機1からの音声信号及び映像信号が、選択された「通話居室親機2a」に送信可能となり、集合玄関機1のカメラ5が撮像している来訪者映像が通話居室親機2aのモニタ11に表示され」(分説H)、「居住者が通話居室親機2aの操作部12を応答操作(通話操作)すると、居室親機CPU14は通話信号を制御機3に対して発生し、この通話信号は居室親機IF15を介して制御機3に送信され、通話信号を受信した制御機CPU21は、通話路制御部18に双方向接続信号を送信し、この結果、通話路が形成され、集合玄関機1の音響部7と通話居室親機2aの音響部13との間で通話が可能とな」る(分説I)。
また、「集合玄関機1」と「居室親機2」の間の通話の終了と、「モニタ11」への映像の表示の終了については、以下のことが特定されている。
「通話終了後、居住者により終話操作が成されると形成された通話路が切断され、但し、映像路制御部17に切断信号は送信しないため、通話居室親機2aのモニタ11にカメラ5の撮像映像は引き続き表示され」(分説J)、「そして制御機CPU21は、通話路の切断に合わせて終話タイマ19の計時をスタートさせ、その後、第1の所定時間が経過して終話タイマ19がタイムアップすると、制御機CPU21は映像路制御部17に切断信号を送信し、集合玄関機1と通話居室親機2aとの間に形成されている映像路を切断すると共に、集合玄関機1に対してカメラ停止信号を送信し、この制御により、終話操作後に表示を継続しているモニタは、所定時間が経過すると表示が消え」る(分説K)。
そうすると、引用発明において、「モニタ11にカメラ5の撮像映像は引き続き表示され」る「居室親機2」と「集合玄関機1」との「通話終了後」の「終話タイマ19の計時をスタートさせ」てから「タイムアップ」までの時間、すなわち「第1の所定時間」は、本願発明1の「前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間」に相当する。
(イ)前記エ(ウ)に示したように、引用発明には、「来訪者の撮像と合わせてオートドア付近も撮像するカメラ5」が撮像した「来訪者」の映像や「オートドア付近」の映像を録画する構成については特定されていない。(分説D)
(ウ)前記(ア)及び(イ)を踏まえると、引用発明の「居室親機2」は、当該「居室親機2」と「集合玄関機1」との「通話終了後」の「終話タイマ19の計時をスタートさせ」てから「タイムアップ」までの時間、すなわち「第1の所定時間」において「モニタ11にカメラ5の撮像映像は引き続き表示され」ることと、本願発明1の「前記インターホン親機は、前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合に、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記録画部による録画を行う」こととは、「前記インターホン親機は、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において映像を扱う」点で共通する。
(2) 一致点・相違点
以上のことから、本願発明1と引用発明とは、以下の点において一致、及び相違する。
<一致点>
「 第1管理領域に設けられたインターホン親機と、
開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機と、を備え、
前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能なインターホンシステムであって、
前記インターホン子機は、
前記第2管理領域を撮像する第1撮像部を有し、
前記インターホン親機は、
前記第1撮像部が撮像した第1映像と、第2撮像部が撮像した第2映像を扱う手段を有し、
前記インターホン親機は、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において映像を扱う、
インターホンシステム。」
<相違点>
相違点1
開閉部材に関する構成について、本願発明1では、「前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部」を備えているのに対し、引用発明には、前記(1)イで示したように、「オートドア」の解錠に関する構成については特定されていない点。
また、これに付随して、インターホン親機とインターホン子機との通話終了後の延長期間において親機側録画部に録画が行われるのは、本願発明1では、「前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合」であるのに対し、引用発明には、そのような特定はされていない点。
相違点2
第1撮像部と第2撮像部は、本願発明1では、「異なる」ものであるのに対し、引用発明では、前記(1)ウで示したように、「集合玄関機1」が備える「カメラ5」(分説C)は、「来訪者の撮像」をする手段と、「オートドア付近も撮像」する手段の、合わせて2つの手段を有するといえるものの、両手段が「異なる」との特定はされていない点。
相違点3
インターホン親機の構成について、本願発明では、「前記第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を録画する録画部」を備えているのに対し、引用発明では、前記(1)エ(ウ)で示したように、「来訪者の撮像と合わせてオートドア付近も撮像するカメラ5」が撮像した「来訪者」の映像や「オートドア付近」の映像を録画する構成については特定されていない点。
また、これに付随して、本願発明1では、「前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記録画部による録画を行う」のに対し、引用発明には、そのような特定はされていない点。
相違点4
第2撮像部とインターホン子機の構成について、本願発明1では、「前記第2撮像部は、インターホン子機と別体に設けられて」いるのに対し、引用発明では、前記(1)ウで示したように、「集合玄関機1」が備える「カメラ5」(分説C)は、「来訪者の撮像」をする手段と、「オートドア付近も撮像」する手段の、合わせて2つの手段を有するといえるものの、後者の「オートドア付近も撮像」する手段が、「集合玄関機1」と別体であるとの特定はされていない点。
(3) 相違点についての検討
事案に鑑みて、前記相違点3について先に検討すると、前記相違点3に係る本願発明1の「インターホン親機」に「前記第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を録画する録画部」を備え、「前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記録画部による録画を行う」構成は、前記引用発明並びに引用文献1、2及び6には記載されておらず、本願の出願前において周知技術であるともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても前記引用発明並びに引用文献1、2及び6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
2 本願発明2、3について
本願発明2、3は、本願発明1を引用する発明であって、本願発明1の前記相違点3と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、前記引用発明並びに引用文献1、2及び6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
3 本願発明4について
(1) 対比
本願発明4と引用発明とを対比する。
ア 「第1管理領域に設けられたインターホン親機と、開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機と、前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部と、を備え、前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能なインターホンシステムであって、」について
前記1(1)ア~イを踏まえると、引用発明の「集合住宅インターホンシステム」は、本願発明4の「第1管理領域に設けられたインターホン親機と、開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機と、前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部と、を備え、前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能なインターホンシステム」とは、
「第1管理領域に設けられたインターホン親機と、開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機と、を備え、前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能なインターホンシステム」である点で共通する。
イ 「前記インターホン子機は、前記第2管理領域を撮像する第1撮像部を有し、」について
前記1(1)ウを踏まえると、引用発明の「集合玄関機1」が「来訪者の撮像」をする「カメラ5」の手段を有することは、本願発明4の「前記インターホン子機は、前記第2管理領域を撮像する第1撮像部を有」することに相当する。
ウ 「前記インターホン親機は、前記第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を表示する親機側表示部と、前記第1映像と前記第2映像との少なくとも一方を録画する録画部と、の少なくとも一方を有し、」について
(ア)引用発明の「モニタ11」は、「居室親機2」に備えられ(分説D)、当該「モニタ11」は、「集合玄関機1のカメラ5で撮像された映像を表示する」(分説D)ものであるから、前記1(1)エ(ア)及び前記1(1)エ(イ)を踏まえると、本願発明4の「前記第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を表示する親機側表示部」とは、「前記第1撮像部が撮像した第1映像と、第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を表示する親機側表示部」である点で共通する。
(イ)前記1(1)エ(ウ)で示したように、引用発明には、「来訪者」の映像や「オートドア付近」の映像を録画する構成については特定されていないが、引用発明の「居室親機2」は、少なくとも「モニタ11」を有し、当該「モニタ11」は、「集合玄関機1のカメラ5で撮像された映像を表示する」(分説D)ものである。
(ウ)前記(ア)、(イ)、前記1(1)エ(ア)及び前記1(1)エ(イ)を踏まえると、引用発明の「居室親機2」が、少なくとも「集合玄関機1のカメラ5で撮像された映像を表示するモニタ11」を備える(分説D)ことは、本願発明4の「前記インターホン親機は、前記第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を表示する親機側表示部と、前記第1映像と前記第2映像との少なくとも一方を録画する録画部と、の少なくとも一方を有」することとは、
「前記インターホン親機は、前記第1撮像部が撮像した第1映像と、第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を表示する親機側表示部と、前記第1映像と前記第2映像との少なくとも一方を録画する録画部と、の少なくとも一方を有」する点で共通する。
エ 「前記第2撮像部は、前記インターホン子機と別体に設けられており、」について
前記1(1)オで示したとおり、引用発明には、「オートドア付近も撮像」する手段が、集合玄関機1と「別体に設けられて」いるかどうかは、特定されていない。
オ 「前記第1映像に含まれる顔画像に基づいて顔認証を行う認証部を更に備え、前記信号出力部は、前記認証部の認証結果に応じて前記解錠信号を出力し、」について
引用発明には、認証部に関する構成及び認証結果に応じて前記解錠信号を出力する構成については特定されていない。
カ 「前記インターホン親機は、前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合に、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記親機側表示部による表示と前記録画部による録画との少なくとも一方を行う、」について
(ア)引用発明の「居室親機2」は、少なくとも「モニタ11」を有し、当該「モニタ11」は、「集合玄関機1のカメラ5で撮像された映像を表示する」(分説D)ものである。
(イ)前記(ア)、前記1(1)カ(ア)及び前記1(1)カ(イ)を踏まえると、引用発明の「居室親機2」は、当該「居室親機2」と「集合玄関機1」との「通話終了後」の「終話タイマ19の計時をスタートさせ」てから「タイムアップ」までの時間、すなわち「第1の所定時間」において「モニタ11にカメラ5の撮像映像は引き続き表示され」ることと、本願発明4の「前記インターホン親機は、前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合に、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記親機側表示部による表示と前記録画部による録画との少なくとも一方を行う」ことは、「前記インターホン親機は、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記親機側表示部による表示と前記録画部による録画との少なくとも一方を行う」点で共通する。
(2) 一致点・相違点
以上のことから、本願発明4と引用発明とは、以下の点において一致、及び相違する。
<一致点>
「 第1管理領域に設けられたインターホン親機と、
開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機と、を備え、
前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能なインターホンシステムであって、
前記インターホン子機は、
前記第2管理領域を撮像する第1撮像部を有し、
前記インターホン親機は、
前記第1撮像部が撮像した第1映像と、第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を表示する親機側表示部と、前記第1映像と前記第2映像との少なくとも一方を録画する録画部と、の少なくとも一方を有し、
前記インターホン親機は、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記親機側表示部による表示と前記録画部による録画との少なくとも一方を行う、
インターホンシステム。」
<相違点>
相違点5
認証部及び開閉部材に関する構成について、本願発明4では、「前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部」を備え、「前記第1映像に含まれる顔画像に基づいて顔認証を行う認証部を更に備え、前記信号出力部は、前記認証部の認証結果に応じて前記解錠信号を出力」しているのに対し、引用発明には、前記1(1)イで示したように、認証部に関する構成及び認証結果に応じて「オートドア」の解錠のための信号を出力する構成については特定されていない点。
また、これに付随して、インターホン親機とインターホン子機との通話終了後の延長期間において親機側表示部による表示が行われるのは、前記(1)カで示したように、本願発明4では、「前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合」であるのに対し、引用発明には、そのような特定はされていない点。
相違点6
第1撮像部と第2撮像部は、本願発明4では、「異なる」ものであるのに対し、引用発明では、前記1(1)ウで示したように、「集合玄関機1」が備える「カメラ5」(分説C)は、「来訪者の撮像」をする手段と、「オートドア付近も撮像」する手段の、合わせて2つの手段を有するといえるものの、両手段が「異なる」との特定はされていない点。
相違点7
第2撮像部とインターホン子機の構成について、本願発明4では、「前記第2撮像部は、インターホン子機と別体に設けられて」いるのに対し、引用発明では、前記1(1)ウで示したように、「集合玄関機1」が備える「カメラ5」は、「来訪者の撮像」をする手段と、「オートドア付近も撮像」する手段の、合わせて2つの手段を有するといえるものの、後者の「オートドア付近も撮像」する手段が、「集合玄関機1」と別体であるとの特定はされていない点。
(3) 相違点についての検討
前記相違点5について検討すると、前記相違点5に係る本願発明4の「前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部」を備え、「前記第1映像に含まれる顔画像に基づいて顔認証を行う認証部を更に備え、前記信号出力部は、前記認証部の認証結果に応じて前記解錠信号を出力」する構成、及び、「前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合」に、インターホン親機とインターホン子機との通話終了後の延長期間において親機側表示部による表示が行われることについては、前記引用発明並びに引用文献1、2及び6には記載されておらず、本願の出願前において周知技術であるともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明4は、当業者であっても前記引用発明並びに引用文献1、2及び6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
4 本願発明5について
(1) 対比
本願発明5と引用発明とを対比する。
ア 「第1管理領域に設けられたインターホン親機と、開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機と、前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部と、を備え、前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能なインターホンシステムであって、」について
前記1(1)ア~イを踏まえると、引用発明の「集合住宅インターホンシステム」は、本願発明5の「第1管理領域に設けられたインターホン親機と、開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機と、前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部と、を備え、前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能なインターホンシステム」とは、
「第1管理領域に設けられたインターホン親機と、開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機と、を備え、前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能なインターホンシステム」である点で共通する。
イ 「前記インターホン子機は、前記第2管理領域を撮像する第1撮像部を有し、」について
前記1(1)ウを踏まえると、引用発明の「集合玄関機1」が「来訪者の撮像」をする「カメラ5」の手段を有することは、本願発明5の「前記インターホン子機は、前記第2管理領域を撮像する第1撮像部を有」することに相当する。
ウ 「前記インターホン親機は、前記第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を表示する親機側表示部と、前記第1映像と前記第2映像との少なくとも一方を録画する録画部と、の少なくとも一方を有し、」について
前記3(1)ウを踏まえると、引用発明の「居室親機2」が、少なくとも「集合玄関機1のカメラ5で撮像された映像を表示するモニタ11」を備える(分説D)ことは、本願発明5の「前記インターホン親機は、前記第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を表示する親機側表示部と、前記第1映像と前記第2映像との少なくとも一方を録画する録画部と、の少なくとも一方を有」することとは、
「前記インターホン親機は、前記第1撮像部が撮像した第1映像と、第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を表示する親機側表示部と、前記第1映像と前記第2映像との少なくとも一方を録画する録画部と、の少なくとも一方を有」する点で共通する。
エ 「前記第2撮像部は、前記インターホン子機と別体に設けられており、」について
前記1(1)オで示したとおり、引用発明には、後者の「オートドア付近も撮像」する手段が、集合玄関機1と「別体に設けられて」いるかどうかは、特定されていない。
オ 「前記インターホン親機は、前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合に、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記親機側表示部による表示と前記録画部による録画との少なくとも一方を行い、」について
前記3(1)カを踏まえると、引用発明の「居室親機2」は、当該「居室親機2」と「集合玄関機1」との「通話終了後」の「終話タイマ19の計時をスタートさせ」てから「タイムアップ」までの時間、すなわち「第1の所定時間」において「モニタ11にカメラ5の撮像映像は引き続き表示され」ることと、本願発明5の「前記インターホン親機は、前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合に、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記親機側表示部による表示と前記録画部による録画との少なくとも一方を行う」ことは、「前記インターホン親機は、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記親機側表示部による表示と前記録画部による録画との少なくとも一方を行う」点で共通する。
カ 「前記延長期間の終了タイミングが、前記第1撮像部と前記第2撮像部とで別々に設定可能である、」について
引用発明には、「モニタ11にカメラ5の撮像映像」を「引き続き表示」するまでの時間を、複数の撮像手段で別々に設定可能にすることは特定されていない。
(2) 一致点・相違点
以上のことから、本願発明5と引用発明とは、以下の点において一致、及び相違する。
<一致点>
「 第1管理領域に設けられたインターホン親機と、
開閉部材によって前記第1管理領域と隔てられた第2管理領域に設けられたインターホン子機と、を備え、
前記インターホン親機と前記インターホン子機との間で通話可能なインターホンシステムであって、
前記インターホン子機は、
前記第2管理領域を撮像する第1撮像部を有し、
前記インターホン親機は、
前記第1撮像部が撮像した第1映像と、第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を表示する親機側表示部と、前記第1映像と前記第2映像との少なくとも一方を録画する録画部と、の少なくとも一方を有し、
前記インターホン親機は、前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記親機側表示部による表示と前記録画部による録画との少なくとも一方を行う、
インターホンシステム。」
<相違点>
相違点8
開閉部材に関する構成について、本願発明5では、「前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部」を備えているのに対し、引用発明には、前記1(1)イで示したように、「オートドア」の解錠に関する構成については特定されていない点。
また、これに付随して、インターホン親機とインターホン子機との通話終了後の延長期間において親機側表示部による表示が行われるのは、本願発明5では、「前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合」であるのに対し、引用発明には、そのような特定はされていない点。
相違点9
第1撮像部と第2撮像部は、本願発明5では、「異なる」ものであるのに対し、引用発明では、前記1(1)ウで示したように、「集合玄関機1」が備える「カメラ5」(分説C)は、「来訪者の撮像」をする手段と、「オートドア付近も撮像」する手段の、合わせて2つの手段を有するといえるものの、両手段が「異なる」との特定はされていない点。
相違点10
第2撮像部とインターホン子機の構成について、本願発明5では、「前記第2撮像部は、インターホン子機と別体に設けられて」のに対し、引用発明では、前記1(1)ウで示したように、「集合玄関機1」が備える「カメラ5」(分説C)は、「来訪者の撮像」をする手段と、「オートドア付近も撮像」する手段の、合わせて2つの手段を有するといえるものの、後者の「オートドア付近も撮像」する手段が、「集合玄関機1」と別体であるとの特定はされていない点。
相違点11
インターホン親機の構成について、本願発明5では、「前記延長期間の終了タイミングが、前記第1撮像部と前記第2撮像部とで別々に設定可能である」ものであるのに対し、引用発明では、前記(1)カで示したように、「モニタ11にカメラ5の撮像映像」を「引き続き表示」するまでの時間を、複数の撮像手段で別々に設定可能にすることは特定されていない点。
(3) 相違点についての検討
事案に鑑みて、前記相違点11について先に検討すると、前記相違点11に係る本願発明5の「前記延長期間の終了タイミングが、前記第1撮像部と前記第2撮像部とで別々に設定可能である」ようにする構成は、前記引用発明並びに引用文献1、2及び6には記載されておらず、本願の出願前において周知技術であるともいえない。
したがって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明5は、当業者であっても前記引用発明並びに引用文献1、2及び6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
5 本願発明6、7、8について
本願発明6は、本願発明4又は5を択一的に引用する発明であり、本願発明7は、本願発明4~6を択一的に引用する発明であり、本願発明8は、本願発明4~7を択一的に引用する発明である。
すると、本願発明6、7、8は、少なくとも、本願発明4の前記相違点5又は本願発明5の相違点11のいずれかと同様の構成を備えるものであり、本願発明4の前記相違点5、又は、本願発明5の前記相違点11のいずれかが相違点となるから、本願発明4又は本願発明5と同様な理由により、当業者であっても、前記引用発明並びに引用文献1、2及び6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
6 本願発明9について
本願発明9は、本願発明1~3又は5を択一的に引用する発明である。
すると、本願発明9は、少なくとも、本願発明1の前記相違点3又は本願発明5の前記相違点11のいずれかと同様の構成を備えるものであり、本願発明1の前記相違点3又は本願発明5の前記相違点11のいずれかが相違点となるから、本願発明1又は本願発明5と同様な理由により、当業者であっても、前記引用発明並びに引用文献1、2及び6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
7 本願発明10、11について
本願発明10は、本願発明1~9を択一的に引用する発明であり、本願発明11は、本願発明1~10を択一的に引用する発明である。
すると、本願発明10、11は、少なくとも、本願発明1の前記相違点3、本願発明4の前記相違点5又は本願発明5の前記相違点11のいずれかと同様の構成を備えるものであり、本願発明1の前記相違点3、本願発明4の前記相違点5又は本願発明5の前記相違点11のいずれかが相違点となるから、本願発明1、本願発明4又は本願発明5と同様の理由により、当業者であっても、前記引用発明並びに引用文献1、2及び6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
8 本願発明12について
本願発明12は、本願発明1とカテゴリーの異なる発明であって、本願発明1と引用発明との前記相違点3と同様の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、前記引用発明並びに引用文献1、2及び6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
9 本願発明13について
本願発明13は、本願発明4とカテゴリーの異なる発明であって、本願発明4と引用発明との前記相違点5と同様の構成を備えるものであるから、本願発明4と同じ理由により、当業者であっても、前記引用発明並びに引用文献1、2及び6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
10 本願発明14について
本願発明14は、本願発明5とカテゴリーの異なる発明であって、本願発明5と引用発明との前記相違点11と同様の構成を備えるものであるから、本願発明5と同じ理由により、当業者であっても、前記引用発明並びに引用文献1、2及び6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
11 本願発明15について
本願発明15は、本願発明12~14を択一的に引用する発明である。
すると、本願発明15は、少なくとも、本願発明12が有する前記相違点3、本願発明13が有する前記相違点5又は本願発明14が有する前記相違点11のいずれかと同様の構成を備えるものであり、本願発明12の前記相違点3、本願発明13の前記相違点5又は本願発明14の前記相違点11のいずれかが相違点となるから、本願発明12、本願発明13又は本願発明14と同様な理由により、当業者であっても、前記引用発明並びに引用文献1、2及び6に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
第7 原査定についての判断
令和5年3月27日の手続補正により、補正後の請求項1~3は、「前記第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を録画する録画部」を備え、「前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記録画部による録画を行う」技術的事項を有するものとなった。
また、補正後の請求項4は、「前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部」を備え、「前記第1映像に含まれる顔画像に基づいて顔認証を行う認証部を更に備え、前記信号出力部は、前記認証部の認証結果に応じて前記解錠信号を出力」し、「前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合」に、インターホン親機とインターホン子機との通話終了後の延長期間において親機側表示部による表示と前記録画部による録画との少なくとも一方が行われる」技術的事項を有するものとなった。
そして、補正後の請求項5は、「前記延長期間の終了タイミングが、前記第1撮像部と前記第2撮像部とで別々に設定可能である」技術的事項を有するものとなった。
同様に、補正後の請求項6~8は、前記請求項4又は前記請求項5に係るいずれかの技術的事項を有するものとなり、補正後の請求項9は、前記請求項1又は前記請求項5に係るいずれかの技術的事項を有するものとなり、補正後の請求項10~11は、前記請求項1、前記請求項4又は前記請求項5に係るいずれかの技術的事項を有するものとなり、補正後の請求項12~14はそれぞれ、前記請求項1、前記請求項4及び前記請求項5に係る技術的事項と同様の技術的事項を有するものとなり、補正後の請求項15は、前記請求項12、前記請求項13又は前記請求項14に係るいずれかの技術的事項を有するものとなった。
当該「前記第1撮像部が撮像した第1映像と前記第1撮像部とは異なる第2撮像部が撮像した第2映像との少なくとも一方を録画する録画部」を備え、「前記インターホン親機と前記インターホン子機との通話終了後の延長期間において前記録画部による録画を行う」技術的事項、「前記開閉部材を解錠するための解錠信号を出力する信号出力部」を備え、「前記第1映像に含まれる顔画像に基づいて顔認証を行う認証部を更に備え、前記信号出力部は、前記認証部の認証結果に応じて前記解錠信号を出力」し、「前記信号出力部が前記解錠信号を出力した場合」に、インターホン親機とインターホン子機との通話終了後の延長期間において親機側表示部による表示と前記録画部による録画との少なくとも一方が行われる」技術的事項、及び「前記延長期間の終了タイミングが、前記第1撮像部と前記第2撮像部とで別々に設定可能である」技術的事項は、いずれも原査定における引用文献A~F(引用文献A、B、E、Fは、当審拒絶理由における引用文献1、2、5、6)には記載されておらず、本願出願前における周知技術でもないので、本願発明1~15は、当業者であっても、原査定における引用文献A~Fに基づいて容易に発明できたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。
第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-006699