特許拒絶査定不服審判
2022-006103
抵抗器の製造方法
- 審判番号
- 2022-006103
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-155152
- 請求日
- 2022年04月22日
- 審決日
- 2023年03月27日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】KOA株式会社
- 【請求人代理人】廣澤 哲也
- 【請求人代理人】郷戸 学
- 【請求人代理人】金沢 充博
- 審判長/審判官
- 審判長 酒井 朋広
- 審判官 山本 章裕
- 審判官 畑中 博幸
- 分類
- P18 .121-Z (H01C) / P18 .575-Z (H01C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第159条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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特願2017-155152「抵抗器の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 3月 7日出願公開、特開2019- 36571〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成29年8月10日の出願であって、令和3年7月27日付けで拒絶理由が通知され、同年9月22日に意見書及び手続補正書が提出され、令和4年2月2日付けで拒絶査定されたところ、同年4月22日に拒絶査定不服審判が請求され、同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和4年4月22日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年4月22日にされた手続補正を却下する。
[理由]
1 補正の概要
令和4年4月22日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)は、令和3年9月22日に手続補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された発明特定事項により特定される、
「 【請求項1】
電極用金属と抵抗体金属を準備し、
前記電極用金属と前記抵抗体金属と前記電極用金属を重ね、熱を加え、且つ、重ねた方向から圧力を加えて圧縮することで、前記電極用金属と前記抵抗体金属の双方の原子を互いに拡散させて一体化した抵抗器母材を形成し、
前記抵抗器母材を、前記重ねた方向と直交する方向から圧力を加えて薄板状とし、
前記薄板状とした抵抗器母材から個別の抵抗器を得ることにより、前記電極用金属と前記抵抗体金属は前記抵抗体金属の厚みで形成された接合面を有するとともに、前記電極用金属と前記抵抗体金属の接合部における電極面を平滑とした、抵抗器の製造方法。」
との発明(以下、「本願発明」という。)を、
「 【請求項1】
電極用金属と抵抗体金属を準備し、
前記電極用金属と前記抵抗体金属と前記電極用金属を重ね、熱を加え、且つ、重ねた方向から圧力を加えて圧縮することで、前記電極用金属と前記抵抗体金属の双方の原子を互いに拡散させて一体化した抵抗器母材を形成し、
一体化した前記抵抗器母材において、前記電極用金属と前記抵抗体金属との接合面の幅は、前記抵抗体金属の厚みよりも大きく、
前記抵抗器母材を、前記重ねた方向と直交する方向から圧力を加えて薄板状とし、
前記薄板状とした抵抗器母材から個別の抵抗器を得ることにより、前記電極用金属と前記抵抗体金属は前記抵抗体金属の厚みで形成された接合面を有するとともに、前記電極用金属と前記抵抗体金属の接合部における電極面を平滑とした、抵抗器の製造方法。」
(下線部は、補正箇所を示す。)
との発明(以下、「本件補正発明」という。)とする補正を含むものである。
2 補正の適否
(1)補正の目的要件
上記補正の内容は、圧縮されることで形成される「一体化した抵抗器母材」に関して、「前記電極用金属と前記抵抗体金属との接合面の幅は、前記抵抗体金属の厚みよりも大き」いと、接合面の幅と抵抗体金属の厚みの大小を特定するものであるから、上記補正は構成を限定する補正であり、上記補正の前後で産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当し、特許法第17条の2第5項第2号に規定された事項を目的とするものである。
(2)独立特許要件について
上記補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件補正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か、すなわち、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものか否かについて検討する。
ア 本件補正発明
本件補正発明は、上記「1 補正の概要」の項の「本件補正発明」のとおりのものと認める。
イ 引用発明
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された、本願出願前に公開された文献である特開2000-114009号公報(以下、「引用文献」という。)には、以下の記載がある。なお、下線は当審で付した。
「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プリント回路基板への実装に適し、かつ電流検出用に適する抵抗器と、その実装方法と、製造方法とに関するものである。
・・・略・・・
【0006】
【従来の技術の問題点】前者の特許第2562410号に示された方法では複数の金属を溶接するために抵抗器の小型化が困難であり、プリント配線板に高密度に実装することが困難になるという問題があった。また溶接工程があるため、溶接に伴う歪みや変形の発生が避けられず、製品の抵抗値の精度のばらつきが大きくなるばかりでなく、精度が安定したものを多数得ることも困難であった。」
「【0025】この熱間接合は水素ガス中などの還元雰囲気内で700~800°Cに加熱して所定時間保持することにより行われる。この間に溝26内で密着する2種類の合金が互いにまたは一方から他方に拡散し、両合金が確実に接合される。」
「【0042】
【他の実施態様】図18は他の実施態様の製造工程を示す図である。この実施態様は長板状の抵抗素子部の素材(抵抗素材、ベース材)24と2本の接続端子の素材(端子素材、電極材)20とを凸条120と溝122とで嵌合し熱間接合したものである。
【0043】すなわち抵抗素材24の長手方向の2辺に沿った2つの端面にそれぞれ凸条120、120を形成し、これらの凸条120、120に端子素材20、20に形成した溝122、122を嵌合し、これらを嵌合方向(図18の(A)に示した矢印P方向)に加圧して熱間接合する。このようにして図18の(B)に示す接合体124を得る。
【0044】この接合体124をその長手方向に圧延し、図18(C)に示すように所定の厚さにする。この圧延体126をその長手方向に略直交する切断ライン128で切断し、図18(D)に示す抵抗器130を得ることができる。すなわち抵抗素材24の部分が抵抗素子部132となり、その両端に接続端子部134が熱間接合された抵抗器130が得られる。」
「【0050】抵抗素子部には安定した微小な抵抗値が得られる銅、ニッケル、マンガン、クロムなどの合金を用いることができ(請求項9)、接続端子部には抵抗素子部との熱間接合が可能であって電気抵抗が小さい金属、例えば銅、金、銀、ニッケルやこれらを含む合金が適する(請求項10)。支持板は伝熱性が良い金属板やセラミック板が適する(請求項11)。」
「【図18】
[図:0001397849000001.jpg]
」
(イ)上記の記載によれば、引用文献には次の事項が記載されている。
a.段落【0001】によれば、電流検出用に適する抵抗器の製造方法に関するものである。
b.段落【0042】によれば、「抵抗素子部」の素材を「抵抗素材」、「接続端子」の素材を「端子素材」と称している。段落【0042】ないし【0044】に記載された「他の実施態様」には「抵抗素材24」「端子素材20」の具体的な素材は記載されていない。しかしながら、【0050】によれば、抵抗素子部には安定した微小な抵抗値が得られる銅、ニッケル、マンガン、クロムなどの合金が、接続端子部には抵抗素子部との熱間接合が可能であって電気抵抗が小さい金属、例えば銅、金、銀、ニッケルやこれらを含む合金が使用されていると考えるのが自然であるから、「抵抗素材」は微少な抵抗値が得られる金属、及び「接続端子」は電気抵抗が小さい金属からなるといえる。
c.段落【0043】【0044】によれば、以下の製造方法が記載されている。
抵抗素材24の長手方向の2辺に沿った2つの端面にそれぞれ凸条120、120を形成し、これらの凸条120、120に端子素材20、20に形成した溝122、122を嵌合し、これらを嵌合方向に加圧して熱間接合し接合体124を得、この接合体124をその長手方向に圧延し所定の厚さとした圧延体126を得、その長手方向に略直交する切断ライン128で切断して抵抗器130を得る。
d.段落【0025】によれば、引用文献の明細書において「熱間接合」は、密着する2種類の合金が互いにまたは一方から他方に拡散し、両合金が確実に接合される接合を意味している。
(ウ)以上を総合すると、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「抵抗素材は微少な抵抗値が得られる金属、及び接続端子は電気抵抗が小さい金属からなり、抵抗素材の長手方向の2辺に沿った2つの端面にそれぞれ凸条を形成し、これらの凸条に端子素材に形成した溝を嵌合し、これらを嵌合方向に加圧して、密着する2種類の合金が互いにまたは一方から他方に拡散し両合金が確実に接合される熱間接合により接合体を得、この接合体をその長手方向に圧延し所定の厚さとした圧延体を得、その長手方向に略直交する切断ラインで切断して抵抗器を得る、電流検出用に適する抵抗器の製造方法。」
ウ 引用発明との対比
(ア)本件補正発明と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
a.引用発明の「抵抗素材」は微少な抵抗値が得られる金属、及び「接続端子」は電気抵抗が小さい金属からなるから、本件補正発明の「抵抗体金属」「電極用金属」にそれぞれ相当する。
b.引用発明においても「抵抗素材」「端子素材」を予め準備しなければならないから、本件補正発明の「電極用金属と抵抗体金属を準備」する工程を有することは明らかである。
c.引用発明では、抵抗素材の端面に形成された凸条に端子素材の溝を嵌合するように抵抗素材と端子素材を重ねて、これらを嵌合方向に加圧し、密着する2種類の合金が互いにまたは一方から他方に拡散し両合金が確実に接合される熱間接合により接合しているから、当該「熱間接合」する工程が、本件補正発明の「前記電極用金属と前記抵抗体金属と前記電極用金属を重ね、熱を加え、且つ、重ねた方向から圧力を加えて圧縮することで、前記電極用金属と前記抵抗体金属の双方の原子を互いに拡散させて一体化」する工程に相当する。そして引用発明において熱間接合により得られる「接合体」が、本件補正発明の「抵抗器母材」に相当する。
d.本件補正発明では「一体化した前記抵抗器母材において、前記電極用金属と前記抵抗体金属との接合面の幅は、前記抵抗体金属の厚みよりも大きく」構成されるのに対して、当該構成を引用発明が有していない点で相違している。
e.引用発明では「接合体をその長手方向に圧延し所定の厚さとした圧延体を得」ている。ここで、「長手方向に圧延する」ことは、図18を参照すれば、抵抗素材と端子素材を重ねた方向である図18(A)の矢印Pの方向に対して直交する方向から圧力をかけられて圧延されたことになるから、本件補正発明の「前記抵抗器母材を、前記重ねた方向と直交する方向から圧力を加えて薄板状」とする構成に相当し、引用発明の「圧延体」が本件補正発明の「薄板状」に相当する。
f.引用発明の「その長手方向に略直交する切断ラインで切断して抵抗器を得る」ことは、本件補正発明の「前記薄板状とした抵抗器母材から個別の抵抗器を得る」ことに相当する。
g.本件補正発明は「前記電極用金属と前記抵抗体金属は前記抵抗体金属の厚みで形成された接合面を有する」のに対し、引用発明では当該構成が明確ではない点で相違する。
h.本件補正発明では「前記電極用金属と前記抵抗体金属の接合部における電極面を平滑とし」ているのに対して、引用発明では当該構成が明確ではない点で相違する。
i.引用発明の「電流検出用に適する抵抗器の製造方法」は本件補正発明の「抵抗器の製造方法」に相当する。
(イ)したがって、本件補正発明と引用発明とは以下の点で一致し、相違する。
(一致点)
「 電極用金属と抵抗体金属を準備し、
前記電極用金属と前記抵抗体金属と前記電極用金属を重ね、熱を加え、且つ、重ねた方向から圧力を加えて圧縮することで、前記電極用金属と前記抵抗体金属の双方の原子を互いに拡散させて一体化した抵抗器母材を形成し、
前記抵抗器母材を、前記重ねた方向と直交する方向から圧力を加えて薄板状とし、
前記薄板状とした抵抗器母材から個別の抵抗器を得る、抵抗器の製造方法。」
(相違点1)
本件補正発明は「一体化した前記抵抗器母材において、前記電極用金属と前記抵抗体金属との接合面の幅は、前記抵抗体金属の厚みよりも大きく」構成されているのに対して、引用発明は当該構成を有していない点。
(相違点2)
本件補正発明は「前記電極用金属と前記抵抗体金属は前記抵抗体金属の厚みで形成された接合面を有する」のに対し、引用発明では当該構成が明確ではない点。
(相違点3)
本件補正発明では「前記電極用金属と前記抵抗体金属の接合部における電極面を平滑とし」ているのに対して、引用発明では当該構成が明確ではない点。
エ 判断
(ア)上記相違点1について検討する。
本件補正発明の「一体化した前記抵抗器母材において、前記電極用金属と前記抵抗体金属との接合面の幅は、前記抵抗体金属の厚みよりも大きく」構成することの技術的意義については、本件明細書を参照しても何ら記載されていない。
また、当該構成は審判請求時の補正により追加された構成であり、審判請求書において、請求人は補正の根拠を図2の記載と段落【0013】【0015】の記載から、抵抗体金属12aの圧縮前の「幅」と「厚み」が同等の長さであるとして、これを上下方向に圧縮することにより、「厚み」は圧縮(0~40%程度)し、「幅」は膨張し(0~40%程度)、「接合面の幅」が「前記抵抗体金属の厚みよりも大きく」なっているとしている(審判請求書3ページ10ないし26行参照)。
しかしながら、明細書に添付される図面は本願発明の理解を補助するために示された略図であって寸法を正確に表したものとはいえない。また、段落【0013】には抵抗体金属12aの好ましい断面寸法例が「幅が0.5~5.0mm程度で、高さ(厚さ)が0.5~5.0mm程度」と寸法の範囲が同等であることが記載されているだけであって、幅と高さが同等であるとはされておらず、幅が高さに比べて十分に小さいものも含まれている。したがって、本件明細書の記載は「前記電極用金属と前記抵抗体金属との接合面の幅」が「抵抗体金属の厚みよりも大きく」なるものに限定されているとはいえないから、接合面の幅を抵抗体金属の厚みよりも大きく構成することに格別の技術的意義を有するものとは理解されない。
また仮に、抵抗器母材の幅を大きくすることで熱間圧接により強固な接合が行えるという意味があったとしても、それは抵抗器母材の幅を抵抗体金属の厚みよりも大きくすることによる技術的意義とはいえない。
したがって、抵抗器母材において、接合面の幅を抵抗体金属の厚みよりも大きくする点に格別の技術的意義は見いだせない。
一方、抵抗体金属の厚みは、抵抗体金属の比抵抗や断面積、要求される抵抗値に応じて適宜設計される事項であり、上述のように接合面の幅を抵抗体金属の厚みよりも大きくする点に格別の技術的意義はないことを踏まえれば、接合面の幅を抵抗体金属の厚みよりも大きく設計して相違点1に係る構成を採用することは、当業者が適宜なし得た程度の事項にすぎない。
(イ)上記相違点2について検討する
引用文献には明確に記載されていないものの、接合面の厚さが抵抗体金属の厚さ方向の全体に広がっていれば「前記電極用金属と前記抵抗体金属は前記抵抗体金属の厚みで形成された接合面を有する」ことになることを踏まえれば、相違点2とした構成とすることは当業者が格別困難であったとはいえない。
(ウ)上記相違点3について検討する。
本件明細書の段落【0004】に「接合部分近傍にビード(凹凸形状の溶接痕)が形成されると、ワイヤボンドはなるべく接合部分に近い所にする必要があるので、ビード(凹凸形状の溶接痕)により、ワイヤボンドのボンディング性が低下してしまうという問題がある。すなわち、電流検出用抵抗器の接合部分近傍の電極表面は平坦であることが望ましい。」と記載され、段落【0007】に「接合部分の近傍に溶接痕が生じないようにした抵抗器の製造方法を提供することを目的とする。」と記載されているように、本願は接合部に溶接痕の凹凸形状を生じないようにしたものであり、段落【0020】に「そして、溶接を用いないので、電極面は平滑な面となっている。」と記載されており、溶接を用いていない面を「平滑」な面と表記している。そうしてみると、電極面が「平滑」とは、電極面に溶接痕のような凹凸形状が生じていないことを示しているといえる。
引用発明においては、抵抗素材及び接続端子が接合する面は嵌合のための凸条と溝が形成されているものの、その表面には溶接痕のような凹凸形状はないから、引用発明も接合部における端子素材も同様に平滑であるといえ、この点で本件補正発明と相違するところはない。
したがって、相違点3は実質的な相違点とはいえない。
(3)小括
以上のとおり、本件補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合していない。
したがって、本件補正は、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和4年4月22日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし3に係る発明は、令和3年9月22日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(本願発明)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記「第2[理由]1」に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由のうち請求項1に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2000-114009号公報に記載された発明、及び周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
3 引用文献、引用発明
引用文献に記載された発明(引用発明)は、上記「第2[理由]2(2)イ(ウ)」に記載したとおりである。
4 引用発明との対比
本願発明は、前記「第2[理由]2(2)」で検討した本件補正発明から、相違点1とした「一体化した前記抵抗器母材において、前記電極用金属と前記抵抗体金属との接合面の幅は、前記抵抗体金属の厚みよりも大きく」とする限定を削除したものに相当する。
そうすると、上記「第2[理由]2(2)ウ」で述べた点を踏まえれば、上記本願発明と引用発明とは、上記相違点2及び3で相違し、その余の点で一致する。
5 判断
相違点2及び3についての判断は、上記「第2[理由]2(2)エ」の(イ)及び(ウ)に記載したとおりであるから、相違点1に係る構成が削除された本願発明も、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の請求項に論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-006103