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特許拒絶査定不服審判

2022-005188

光源装置およびプロジェクター

審判番号
2022-005188
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-010295外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年04月07日
審決日
2023年02月13日
公報発行日
2023年05月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .575-Z (G03B) / P18 .121-Z (G03B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018- 10295「光源装置およびプロジェクター」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 8月 1日出願公開、特開2019-128465〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、平成30年1月25日に出願された特許出願であって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。 令和3年 8月18日付け:拒絶理由通知書 同年10月12日 :意見書、手続補正書の提出 令和4年 1月20日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同月25日 :原査定の謄本の送達) 同年 4月 7日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和4年4月7日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和4年4月7日にされた手続補正を却下する。 [補正の却下の決定の理由] 1 本件補正の内容 令和4年4月7日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について補正するものであり、次の(1)に示す本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載を、後記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載に補正するものである。下線は補正箇所を示す。 (1) 本件補正前の請求項1 「【請求項1】 ベース部材及び当該ベース部材に保持された複数の発光素子を備える光源ユニットと、 開口部を備え、前記ベース部材が前記開口部を被って固定された受熱板と、 前記開口部の内側において前記ベース部材に接触する部分を少なくとも備える熱拡散部材と、 前記熱拡散部材に固定された放熱フィンと、 を有し、 前記受熱板は、第1面と当該第1面とは反対側を向く第2面とを備え、 前記ベース部材は、前記第1面に固定され、 前記熱拡散部材は、前記第2面の側に配置され、前記受熱板の前記開口部を介して前記ベース部材に接触する第1接触部分と、前記受熱板に接触する第2接触部分を含み、 前記放熱フィンは、前記熱拡散部材の前記ベース部材側の面とは反対側の面に固定され、 前記光源ユニットからの熱は、前記ベース部材から前記第1接触部分を介して前記熱拡散部材に伝達され、さらに前記ベース部材から前記第1面を介して前記受熱板に伝達され、前記受熱板から前記第2接触部分を介して前記熱拡散部材に伝達され、前記熱拡散部材から前記放熱フィンに伝達されることを特徴とする光源装置。」 (2) 本件補正後の請求項1 「【請求項1】 ベース部材及び当該ベース部材に保持された複数の発光素子を備える光源ユニットと、 開口部を備え、前記ベース部材が前記開口部を被って固定された受熱板と、 前記開口部の内側において前記ベース部材に接触する部分を少なくとも備え、チャンバーを備える容器と、前記チャンバーに封入された作動流体とを有するベーパーチャンバーからなる熱拡散部材と、 前記熱拡散部材に固定された放熱フィンと、 を有し、 前記受熱板は、第1面と当該第1面とは反対側を向く第2面とを備え、 前記ベース部材は、前記第1面に固定され、 前記熱拡散部材である前記ベーパーチャンバーの前記容器は、前記第2面の側に配置され、前記受熱板の前記開口部を介して前記ベース部材に接触する突出部分の第1接触部分と、前記受熱板に接触する第2接触部分を含み、 前記放熱フィンは、前記熱拡散部材である前記ベーパーチャンバーの前記容器の前記ベース部材側の面とは反対側の前記第1接触部分と前記第2接触部分に対応する面に固定され、 前記光源ユニットからの熱は、前記ベース部材から前記熱拡散部材の前記第1接触部分に伝達され、さらに前記ベース部材から前記第1面を介して前記受熱板に伝達され、前記受熱板から前記熱拡散部材の前記第2接触部分に伝達され、前記熱拡散部材の前記作動流体が蒸発して前記容器内で熱拡散して、熱が前記熱拡散部材から前記放熱フィンの前記第1接触部分と前記第2接触部分に対応する面に伝達されることを特徴とする光源装置。」 2 本件補正の目的 (1) 本件補正は、以下のアからエの補正事項からなる。 ア 「熱拡散部材」について、「チャンバーを備える容器と、前記チャンバーに封入された作動流体とを有するベーパーチャンバーからなる」ものに限定すること。 イ 「熱拡散部材」の、「受熱板」の開口部を介してベース部材に接触する第1接触部分が、前記アで限定した「ベーパーチャンバー」の「容器」の「突出部分」であり、「熱拡散部材」の、前記受熱板に接触する第2接触部分が前記アで限定した「ベーパーチャンバー」の「容器」にあることを限定すること。 ウ 放熱フィンの「熱拡散部材」への固定箇所が、「ベーパーチャンバー」の「容器」の、「第1接触部分」と「第2接触部分」に対応する面であることを限定すること。 エ 光源ユニットからの熱の伝達について、「熱拡散部材」の「作動流体」が蒸発して容器内で熱拡散する点を限定するとともに、熱拡散した熱が、放熱フィンのうち「第1接触部分と前記第2接触部分に対応する面」に伝達される点を限定すること。 (2) そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と、本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 (3) よって、本件補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 3 独立特許要件についての当審の判断 本件補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するから、本件補正後の請求項1に記載された事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて、以下検討を行う。 (1) 本件補正発明 本件補正発明は、前記1(2)に摘記した本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。 (2) 引用文献に記載された事項及び引用発明等の認定 ア 引用文献1に記載された事項及び引用発明の認定 (ア) 引用文献1に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された本願出願前に発行された文献である特開2017-120348号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている。下線は合議体が付した。以下同様である。 a 段落【0001】~【0007】 「【技術分野】 【0001】 本発明は、光源装置、照明装置及びプロジェクターに関する。 【背景技術】 【0002】 従来、光源装置と、当該光源装置から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成する光変調装置と、形成された画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する投射光学装置と、を備えるプロジェクターが知られている。このようなプロジェクターに用いられる光源装置として、青色波長域のレーザー光、及び、当該レーザー光によって励起される蛍光物質から生じる赤色波長域から緑色波長域の光を合成して、白色光を出射する光源装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。 この特許文献1に記載の光源装置は、筐体部と、当該筐体部に保持される2つの光源部及び1つの蛍光体ユニットとを備える。これらにうち、光源部は、1以上の固体光源を有し、蛍光体ユニットは、光源部からの光を受けて白色光を生成及び出射する。 このような光源装置において、それぞれの光源部の後方側にはヒートシンクが設けられている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】特開2014-238485号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ところで、固体光源は、点灯時に熱を発生させる一方で、高温状態が続くと寿命が短縮されるため、適切な冷却が必要である。 しかしながら、上記特許文献1に記載の光源装置では、1以上の固体光源を有する光源部の後方側(光出射側とは反対側)に配置されたヒートシンクに対して、当該ヒートシンクの後方側の面に冷却気体を送出すると、一部の冷却気体のみが光源部に流通し、他の冷却気体は、光源部に流通せずに、フィン間を通り抜けて排出されてしまう。このため、光源部の冷却効率が高くないという問題がある。 【0005】 本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、光源部を効率よく冷却できる光源装置、照明装置及びプロジェクターを提供することを目的の1つとする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明の第1態様に係る光源装置は、光を出射する光源部と、前記光源部にて生じた熱を受熱する受熱部と、前記受熱部から伝導された熱を放熱する放熱部と、を備え、前記放熱部は、第1方向及び前記第1方向に直交する第2方向により規定される平面に沿って延出し、前記第1方向及び前記第2方向のそれぞれに直交する第3方向にそれぞれ対向配置される複数の板状体と、前記複数の板状体において前記第2方向側に位置し、前記受熱部と接続される接続部と、前記放熱部において前記第2方向とは反対方向側で、前記接続部に応じた位置に位置する開口部と、前記放熱部において前記第2方向とは反対方向側で、前記開口部の周囲に位置する遮蔽部と、を有することを特徴とする。 【0007】 なお、このような光源部としては、LD(Laser Diode)やLED(Light Emitting Diode)等の固体光源を有する構成や、超高圧水銀ランプ等の光源ランプを有する構成を例示できる。 上記第1態様によれば、第2方向に沿って冷却気体が放熱部に流通する場合、当該冷却気体は、遮蔽部により遮られて開口部から放熱部内に導入される。この冷却気体は、複数の板状体の間を第2方向に流通するが、当該開口部は、受熱部と接続される接続部に応じた位置に位置する。このため、複数の板状体間を第2方向に流通した冷却気体は、受熱部から熱が伝導されて高温となる接続部に、最短距離で流通する。これによれば、当該冷却気体の流通により、接続部を効率よく冷却できる。従って、遮蔽部によって開口部に冷却気体を導くことができ、これにより、接続部に確実かつ効果的に冷却気体を流通させることができるので、受熱部、ひいては、光源部を効率よく冷却できる。また、このように光源部が冷却されるので、光源部、ひいては、光源装置の長寿命化を図ることができる。」 b 段落【0024】、【図2】 「【0024】 [光源装置の構成] 光源装置5は、励起光を出射する光源部51を有する。 光源部51は、基板511と、LD(Laser Diode)であり、当該基板511に配列される複数の固体光源512と、各固体光源512に応じてそれぞれ設けられる平行化レンズ513とを有し、照明光生成装置6に向けて青色光である励起光を出射する。なお、本実施形態では、固体光源512は、ピーク波長が440nmの励起光を射出するLDであるが、ピーク波長が446nmの励起光を出射するLDを採用してもよく、ピーク波長が440nm及び446nmの励起光をそれぞれ出射するLDを混在させてもよい。これら固体光源512から出射された励起光は、平行化レンズ513により平行化されて照明光生成装置6に入射される。なお、本実施形態では、各固体光源512から出射される励起光は、S偏光光である。 この他、図2では図示を省略するが、光源装置5は、基板511に接続される受熱部52と、当該受熱部52に接続される放熱部53と、を備える。これらについては、後に詳述する。」 「【図2】 [図:0001396887000001.jpg] 」 c 段落【0035】~【0043】、【図3】 「【0035】 [光源装置の構成] 図3は、光出射側から見た光源装置5を示す斜視図である。なお、図3においては、放熱部53を構成するカバー部材55の図示を省略している他、見易さを考慮して、平行化レンズ513及び収容部5141の一部についてのみ符号を付す。 光源装置5は、図3に示すように、上記光源部51と、当該光源部51の支持部材514に接続される受熱部52と、当該受熱部52に接続される放熱部53とを備える。 【0036】 [光源部の構成] 光源部51は、それぞれ上記した基板511、固体光源512及び平行化レンズ513を有する他、これらを支持する支持部材514を更に有する。 支持部材514は、略直方体形状に形成され、固体光源512(図3では図示省略)及び平行化レンズ513がそれぞれ1つずつ収容される略円筒状の孔部である収容部5141を複数有する。これら収容部5141は、支持部材514において上記照明光軸Ax1に直交する矩形状の面514Aに、当該面514Aの長手方向及び短手方向に沿って配列されており、これにより、各収容部5141に収容された固体光源512及び平行化レンズ513は、照明光軸Ax1に直交する平面内にマトリクス状に配列される。 また、支持部材514において、固体光源512からの励起光の出射方向とは反対方向側には、上記基板511が配置される。 【0037】 このような支持部材514は、熱伝導性を有する金属により形成されている。このため、支持部材514は、基板511、固体光源512及び平行化レンズ513を安定して支持する機能の他、これらと接触することにより伝導された熱を放熱するとともに、当該熱を受熱部52に伝導する機能も有する。 【0038】 なお、以下の説明では、光源部51から出射される励起光の進行方向を+Z方向とし、当該+Z方向に対してそれぞれ直交する二方向を+X方向及び+Y方向とする。これら+X方向及び+Y方向のうち、+X方向を、上記面514Aの長手方向に沿う一方向とし、+Y方向を、当該面514Aの短手方向に沿う一方向とする。より詳述すると、面514Aの長手方向が左右方向となり、短手方向が上下方向となるように、当該面514Aを見た場合に、左から右に向かう方向を+X方向とし、下から上に向かう方向を+Y方向とする。なお、面514Aが矩形以外の形状を有する場合や、固体光源512及び平行化レンズ513がランダムに配列される場合でも、+Z方向にそれぞれ直交し、かつ、互いに直交する二方向のうち、一方を+X方向とし、他方を+Y方向とすればよい。 また、+Z方向の反対方向を-Z方向とする。-X方向及び-Y方向も同様である。 なお、+Y方向は、本発明の第1方向に相当し、+Z方向は、本発明の第2方向に相当し、+X方向は、本発明の第3方向に相当する。 【0039】 [受熱部の構成] 受熱部52は、熱伝導性を有する材料(例えば金属)により形成された略直方体状の平板状部材であり、上記支持部材514より+X方向及び+Y方向の寸法が大きく形成されている。この受熱部52における+Z方向側の面52Aの略中央には、支持部材514の長手方向が受熱部52の長手方向と一致するように、当該支持部材514における-Z方向側の面(面514Aとは反対側の面)が熱伝導可能に接続される。これにより、光源部51にて生じた熱が、支持部材514を介して受熱部52に伝導される。 【0040】 [放熱部の構成] 図4は、光出射側とは反対側から見た光源装置5を示す斜視図である。なお、図4においても、放熱部53を構成するカバー部材55については、図示を省略している。 放熱部53は、受熱部52と熱伝導可能に接続され、当該受熱部52から伝導される熱を、後述するファン72の駆動によって流通する冷却気体に放熱し、これにより、受熱部52、ひいては、光源部51を冷却する。 この放熱部53は、図3及び図4に示すように、本体部54と、後述する光源冷却装置7のダクト71に当該本体部54を接続するカバー部材55(図5及び図6参照)と、を有する。 【0041】 [本体部の構成] 本体部54は、+Y方向及び+Z方向により規定されるYZ平面に沿う複数の板状体541が+X方向に沿って対向配置された、いわゆるヒートシンクである。 この本体部54は、図4に示すように、-Z方向側の端面54B(複数の板状体541における-Z方向側の端部を繋いだ端面54B)に、開口部54B1及び遮蔽部54B2を有する。 開口部54B1は、板状体541間の隙間が露出する部分であり、-Z方向側から流通する冷却気体を本体部54内に導入する部分である。この開口部54B1は、全ての板状体541に冷却気体が流通するように、端面54Bにおける+X方向側の端部から-X方向側の端部までの全域に亘って形成されている。このような開口部54B1は、-Z方向側から見て受熱部52に対応する位置に位置し、本実施形態では、+Y方向における端面54Bの略中央に位置している。詳述すると、放熱部53を-Z方向側から見た場合に、開口部54B1は、当該開口部54B1の中心位置が、受熱部52の中心位置と略一致するように位置付けられる。 【0042】 遮蔽部54B2は、端面54Bにおいて開口部54B1の周囲に位置し、-Z方向側から+Z方向に沿って流通する冷却気体の一部を遮蔽して、上記開口部54B1を介して当該冷却気体を本体部54内に導く。本実施形態では、遮蔽部54B2は、端面54Bにおいて開口部54B1以外の部分であり、端面54Bの略中央に位置する開口部54B1を+Y方向側及び-Y方向側にて挟むように位置している。なお、-Z方向側から放熱部53(本体部54)を見た場合に、開口部54B1の中心位置が本体部54における中心位置から+Y方向側又は-Y方向側にずれている場合には、各遮蔽部54B2の+Y方向における寸法も、当該開口部54B1の中心位置に応じて変えられる。 このような遮蔽部54B2は、本実施形態では、端面54Bに平板状部材を取り付けることによって形成されている。しかしながら、これに限らず、各板状体541における-Z方向側の端部をそれぞれ同方向(例えば+X方向)に折り曲げることによって形成してもよい。 【0043】 また、本体部54は、図3及び図4に示すように、+Z方向側の端面54A(複数の板状体541における+Z方向側の端部を繋いだ端面54A)に、接続部54A1及び排出部54A2を有する。 接続部54A1は、上記受熱部52における-Z方向側の端面が熱伝導可能に接続される部位であり、本実施形態では、端面54Aにおける+Y方向の略中央に位置している。この接続部54A1の+Y方向における寸法は、受熱部52の+Y方向における寸法と略一致している。このような接続部54A1は、遮蔽部54B2と同様に平板状部材を取り付けることによって構成されてもよく、各板状体541を折り曲げることによって構成されてもよく、何も付加及び加工されていない部位であってもよい。」 「【図3】 [図:0001396887000002.jpg] 」 (イ) 引用発明の認定 前記(ア)において摘記した事項を総合すると、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 [引用発明] 「光源部51と、当該光源部51の支持部材514に接続される受熱部52と、当該受熱部52に接続される放熱部53とを備える光源装置5であって、(【0035】) 光源部51は、基板511と、LD(Laser Diode)であり、当該基板511に配列される複数の固体光源512を有し、(【0024】) 光源部51は、基板511、固体光源512及び平行化レンズ513を有する他、これらを支持する支持部材514を更に有し、(【0036】) 支持部材514は、基板511、固体光源512及び平行化レンズ513を安定して支持する機能の他、これらと接触することにより伝導された熱を放熱するとともに、当該熱を受熱部52に伝導する機能も有し、(【0037】) 受熱部52は、熱伝導性を有する材料(例えば金属)により形成された略直方体状の平板状部材であり、受熱部52における+Z方向側の面52Aの略中央には、支持部材514の長手方向が受熱部52の長手方向と一致するように、当該支持部材514における-Z方向側の面(面514Aとは反対側の面)が熱伝導可能に接続され、これにより、光源部51にて生じた熱が、支持部材514を介して受熱部52に伝導され、(【0039】) 放熱部53は、本体部54を有し、(【0040】) 本体部54は、+Y方向及び+Z方向により規定されるYZ平面に沿う複数の板状体541が+X方向に沿って対向配置された、いわゆるヒートシンクであり、(【0041】) 本体部54は、+Z方向側の端面54Aに、接続部54A1を有し、該接続部54A1は、受熱部52における-Z方向側の端面が熱伝導可能に接続される、(【0043】) 光源装置5。」 イ 引用文献2に記載された事項の認定 (ア) 引用文献2に記載された事項 原査定の拒絶の理由において引用された本願出願前に発行された文献である特開2009-188377号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の事項が記載されている。 a 段落【0015】~【0021】 「【実施例1】 【0015】 図2は、本発明の第1実施形態による放熱モジュール2の概略図である。放熱モジュール2は、支持部材20、二相熱交換装置21、及びヒートシンク23を有する。二相熱交換装置21は、支持部材20とヒートシンク23との間に配置され、収納された二相熱交換装置21は、支持部材20とヒートシンク23に対し、垂直方向に隣接される。図2の放熱モジュール2は上下逆に置かれ、従って熱源(図示せず)に対する放熱モジュール2の位置関係は、明確に示せることに留意する。すなわち放熱モジュール2の支持部材20の底面部202は、実際の出願では熱源上に配置される。本実施形態では、二相熱交換装置21は、平板型ヒートパイプである。 【0016】 同時に図2、図3を参照すると、図3は、図2の放熱モジュール2の分解図である。支持部材20は、本体201を有する。支持部材20の本体201は、底面部202、及び底面部202の外周に設置された少なくとも2つの側壁部203を有する。本実施形態では、支持部材20の本体201は、2組の対向側壁部203を構成する4つの側壁部203を備える。二相熱交換装置21を収納するための収容空間204は、支持部材20の本体201の底面部202、及び側壁部203によって形成される。放熱モジュール2の組立において、収納された二相熱交換装置21は、支持部材20の本体201の底面部202に取り付けられ、支持部材20の本体201の底面部202と、収納された二相熱交換装置21との間には、溶接材料がコーティングによって提供され、従って熱の伝わりにくさを低減でき、放熱効率を高めることができる。 【0017】 二相熱交換装置21は、その中に、水などの作動流体を用いた平板型ヒートパイプである。ウイック構造は、二相熱交換装置21の内部表面に形成され、ウイック構造の材質は、金属、合金、又は多孔質の非金属材料である。収納された作動流体は、二相熱交換装置21の蒸発端部で熱を吸収すると、作動流体が気相状態に変換して蒸発することによって、指定熱源から離れたところへ熱を移動させる。さらに、気化した作動流体は、二相熱交換装置21の凝縮端部で、液相状態に変換して液化すると、液化した作動流体は、ウイック構造を通じて蒸発端部へ戻ることによって、速やかに再循環して、絶えず伝熱する。 【0018】 さらに、支持部材20の本体201の底面部202は、収納された二相熱交換装置21を部分的に露出するために、1つの開口部205を有し、熱伝導体206は、支持部材20の本体201の底面部202の開口部205に外部接続し、収納された二相熱交換装置21と接する。本実施形態では熱伝導体206は、ヒートパイプ、ヒートコラム、又は硬い金属ブロックであることができる。熱源、又は放熱モジュール2と直接接する放熱モジュール2の支持部材20の底面部202は、熱伝導体206、及び熱源と接することによって、熱交換をおこなうことができる。 【0019】 さらに、支持部材20の本体201は、側壁部203の横にそれぞれ配置された少なくとも2つの係止要素207を有し、その結果、支持部材20は、熱源上に固定できる。本体201、及び係止要素207は、単一部材として一体に形成されるか、又は組み立て可能な2つの別体部品とする。本実施形態では、支持部材20の本体201の係止要素207は、外部締結部品(例えば、ネジ)によって貫通される穴部であり、熱源は、中央処理装置(CPU)、トランジスタ、サーバー、高水準のグラフィックカード、ハードドライブ、電源装置、車両制御装置、マルチメディア電子機構、無線通信局、又は高水準のゲーム機などの、高熱放射性電子部品であることができる。 【0020】 支持部材20は、熱源と二相熱交換装置21との間に配置されるので、二相熱交換装置21は、支持部材20に収納される時、支持部材20の底面部202の上側と完全に垂直方向に接続され、支持部材20の底面部202の下側は、熱源と接する。本実施形態では、収納された二相熱交換装置21は、ヒートシンク23と支持部材20との間に、垂直方向に隣接されてその間に差し込まれる。また二相熱交換装置21は、支持部材20と溶接接続され、その結果、二相熱交換装置21は、外力による均等でない圧力を受けても、又は熱い時に膨張し、冷たい時に収縮することに影響されても、より大きな圧力に耐える能力を持ち、従来の平板型ヒートパイプにおける変形、外観不良、及び接続剥離などの問題は解決でき、二相熱交換装置21の内部表面に設置されたウイック構造の均一性は、放熱モジュール2の放熱効率を高めるために、絶えず保持できる。 【0021】 さらに、支持部材20の本体201の底面部202の開口部205の形状は、適用する熱源の外形に従って相応じて変化できる。従来の平板型ヒートパイプ(さらに、専用金型によって特定の形状で形成される必要がある)と比較して、注目すべき点は、実施形態の二相熱交換装置21の構造は、適用する熱源に対して変更する必要がないということである。従って、実施形態の放熱モジュールの競争力を高め、その製造過程及び専用金型のコストを節約できる。」 b 段落【0022】、【図4A】、【図4B】 「【実施例2】 【0022】 しかし本発明の放熱モジュールは、前記第1実施形態に限定されない。例えば図4Aは、本発明の第2の実施形態による放熱モジュール4の分解図であり、図4Bは、図4Aの放熱モジュール4のすべての部品が組み立てられた時の、図4Aの組立放熱モジュール4のA-A’線断面構造を示す。放熱モジュール4は、開口部405を有する支持部材40、二相熱交換装置41、及び2つの異なる種類のフィン431、432を提供するヒートシンク43を有する。図2の放熱モジュール2と、図4Aの放熱モジュール4との間の最大の違いは、ヒートシンクの違いである。放熱モジュール2のヒートシンク23のすべてのフィンは、同等であるが、放熱モジュール4のヒートシンク43のフィンは、2種類に分類される。すなわち、ヒートシンク43のフィン431、432の数量、配置、及び方向性は、実際の要求に基づいて設計することができる。図4Bにおいて、支持部材40に収納された二相熱交換装置41は、支持部材40の開口部405に沿って部分的に突出し、その結果、二相熱交換装置41は、支持部材40の下部の熱源(図示せず)と直接接することができる。」 「【図4A】 [図:0001396887000003.jpg] 」 「【図4B】 [図:0001396887000004.jpg] 」 (イ) 図4Bの記載から認定した事項 引用文献2の【図4B】から、実施例2の放熱モジュール4の構成において、二相熱交換装置41の一方の面の支持部材40の開口部405と該開口部405以外の支持部材40に対向して、他方の面にフィン431が設けられていることが認められる。 (ウ) 引用文献2の明細書の記載から認定した事項 a(a) 引用文献2の【0022】、【図3】及び【図4A】によれば、引用文献2の「実施例1」の「放熱モジュール2」と「実施例2」の「放熱モジュール4」とでは、「ヒートシンク」、「二相熱交換装置」において異なるものの、「支持部材20」及び「支持部材40」、「開口部205」及び「開口部405」については同等の部材及び構成であると認められる。 (b) また、「二相熱交換装置21」及び「二相熱交換装置41」については、前者が「支持部材20」の「開口部205」に設けられた「熱伝導体206」と接しているのに対し、後者が「支持部材40」の「開口部405」から突出する構成である点で相違するがその他の点では同等の部材であると認められる。 (c) さらに、「ヒートシンク23」及び「ヒートシンク43」については、前者がすべて同等のフィンで構成されているのに対し、後者が2種類のフィン431及び432に分類されている点で相違するがその他の点では同等の部材とみなされる。 b(a) したがって、前記aを踏まえると、引用文献2の【0015】に記載された実施例1の「放熱モジュール2は、支持部材20、二相熱交換装置21、及びヒートシンク23を有する」構成と同様に、実施例2においても「放熱モジュール4は、支持部材40、二相熱交換装置41、及びヒートシンク43を有する」構成を有すると認められる。 また、同箇所に記載された実施例1の「二相熱交換装置21は、支持部材20とヒートシンク23との間に配置され、収納された二相熱交換装置21は、支持部材20とヒートシンク23に対し、垂直方向に隣接される」構成と同様に、実施例2においても「二相熱交換装置41は、支持部材40とヒートシンク43との間に配置され、収納された二相熱交換装置41は、支持部材40とヒートシンク43に対し、垂直方向に隣接される」構成を有すると認められる。 さらに、同箇所に記載された実施例1の「放熱モジュール2の支持部材20の底面部202は、・・・熱源上に配置される」構成と同様に、実施例2においても「放熱モジュール4の支持部材40の底面部は、・・・熱源上に配置される」構成を有すると認められる。 (b) 前記aを踏まえると、引用文献2の【0016】に記載された実施例1の「支持部材20は、本体201を有する。支持部材20の本体201は、底面部202、及び底面部202の外周に設置された少なくとも2つの側壁部203を有する」構成と同様に、実施例2においても「支持部材40は、本体を有する。支持部材40の本体は、底面部、及び底面部の外周に設置された少なくとも2つの側壁部を有する」構成を有すると認められる。 また、同箇所に記載された実施例1の「二相熱交換装置21は、支持部材20の本体201の底面部202に取り付けられ、支持部材20の本体201の底面部202と、収納された二相熱交換装置21との間には、溶接材料がコーティングによって提供され、従って熱の伝わりにくさを低減でき、放熱効率を高めることができる」構成と同様に、実施例2においても「二相熱交換装置41は、支持部材40の本体の底面部に取り付けられ、支持部材40の本体の底面部と、収納された二相熱交換装置41との間には、溶接材料がコーティングによって提供され、従って熱の伝わりにくさを低減でき、放熱効率を高めることができる」構成を有すると認められる。 (c) 前記aを踏まえると、引用文献2の【0017】に記載された実施例1の「二相熱交換装置21」は、「その中に、水などの作動流体を用いた平板型ヒートパイプである。ウイック構造は、二相熱交換装置21の内部表面に形成され、・・・収納された作動流体は、二相熱交換装置21の蒸発端部で熱を吸収すると、作動流体が気相状態に変換して蒸発することによって、指定熱源から離れたところへ熱を移動させる。さらに、気化した作動流体は、二相熱交換装置21の凝縮端部で、液相状態に変換して液化すると、液化した作動流体は、ウイック構造を通じて蒸発端部へ戻ることによって、速やかに再循環して、絶えず伝熱する」構成を有するところ、実施例2においても「二相熱交換装置41」は同様の構成を有すると認められる。 (d) 前記aを踏まえると、引用文献2の【0020】に記載された実施例1の「支持部材20の底面部202の下側は、熱源と接する」構成と同様に、実施例2においても「支持部材40の底面部の下側は、熱源と接する」構成を有すると認められる。 (エ) 引用文献2技術事項の認定 前記(ア)に摘記した事項、前記(イ)及び(ウ)において認定した事項を総合すると、引用文献2には次の技術事項が記載されていると認められる(以下「引用文献2技術事項」という。)。 [引用文献2技術事項] 「 支持部材40、二相熱交換装置41及びヒートシンク43を有する放熱モジュール4であって、 二相熱交換装置41は、支持部材40とヒートシンク43との間に配置され、収納された二相熱交換装置41は、支持部材40とヒートシンク43に対し、垂直方向に隣接され、 放熱モジュール4の支持部材40の底面部は、熱源上に配置され、(【0015】及び前記(ウ)認定事項) 支持部材40は、本体を有し、 支持部材40の本体は、底面部、及び底面部の外周に設置された少なくとも二つの側壁部を有し、 二相熱交換装置41は、支持部材40の本体の底面部に取り付けられ、支持部材40の本体の底面部と、収納された二相熱交換装置41との間には、溶接材料がコーティングによって提供され、したがって、熱の伝わりにくさを低減でき、放熱効率を高めることができ、(【0016】及び前記(ウ)認定事項) 二相熱交換装置41は、その中に、水などの作動流体を用いた平板型ヒートパイプであり、 ウイック構造は、二相熱交換装置41の内部表面に形成され、 収納された作動流体は、二相熱交換装置41の蒸発端部で熱を吸収すると、作動流体が気相状態に変換して蒸発することによって、指定熱源から離れたところへ熱を移動させ、 気化した作動流体は、二相熱交換装置41の凝縮端部で、液相状態に変換して液化すると、液化した作動流体は、ウイック構造を通じて蒸発端部へ戻ることによって、速やかに再循環して、絶えず伝熱し、(【0017】及び前記(ウ)認定事項) 熱源は、高熱放射性電子部品であることができ、(【0019】) 支持部材40の底面部の下側は、熱源と接しており、(【0020】及び前記(ウ)認定事項) 放熱モジュール4は、開口部405を有する支持部材40、二相熱交換装置41、及び2つの異なる種類のフィン431、432を提供するヒートシンク43を有し、 放熱モジュール4のヒートシンク43のフィンは、2種類に分類され、 支持部材40に収納された二相熱交換装置41は、支持部材40の開口部405に沿って部分的に突出し、その結果、二相熱交換装置41は、支持部材40の下部の熱源と直接接しており、(【0022】) 二相熱交換装置41の一方の面の支持部材40の開口部405と該開口部405以外の支持部材40に対向して、他方の面にフィン431が設けられている、(前記(イ)認定事項) 放熱モジュール4。」 ウ 引用文献5に記載された事項と技術常識1の認定 (ア) 引用文献5の記載事項 当審において新たに引用する、本願出願前に発行された文献である特開2003-214779号公報(以下「引用文献5」という。)には、次の事項が記載されている。 「【0007】平板型ヒートパイプは、ベーパーチャンバーと称されることがあり、モバイルに使用されるものは特に、モバイルベーパーチャンバーと称される。したがって、前記モバイルベーパーチャンバーによれば、作動流体の蒸発潜熱によって熱を輸送できるので、これを伝熱板に沿わせて配置することにより、電子部品からヒートシンクへの熱の輸送量が格段に増大して電子部品をより効率よく冷却することができる。」 「【0016】 【発明の実施の形態】つぎに、図面を参照して説明する。図1は請求項1の発明に係る平板型ヒートパイプの一具体例を示す斜視図であり、図2はその断面図である。この平板型ヒートパイプ1は、気密状態に密閉したコンテナ(中空密閉容器)2の内部に、空気などの非凝縮性ガスを脱気した状態で水などの凝縮性の流体を作動流体として封入し、さらに実効毛細管半径の小さいウイック3を入熱部側に配置し、かつ実効毛細管半径が大きいウイック4を放熱部側に配置した熱伝導装置である。」 「【図2】 [図:0001396887000005.jpg] 」 (イ) 技術常識1の認定 前記(ア)に摘記した引用文献5の記載に例示されるように、次の事項は、本願の出願日前において、当業者にとって技術常識であったと認められる(以下「技術常識1」という。) [技術常識1] 「平板型ヒートパイプは、ベーパーチャンバーと称されるものであり、中空密閉容器の内部に水などの凝縮性の流体を作動流体として封入したものであること。」 (3) 対比・判断 ア 対比 (ア) 対比分析 本件補正発明と引用発明を対比する。 a 「光源装置」の発明である本件補正発明と「光源装置5」の発明である引用発明は、光源装置の発明である点で一致する。 b(a) 引用発明の「光源部51」及び「支持部材514」は、それぞれ本件補正発明の「光源ユニット」及び「ベース部材」に相当する。 (b) 引用発明の「LD(Laser Diode)」である「固体光源512」は、本件補正発明の「発光素子」に相当する。 (c) 引用発明の「光源部51」は、「支持部材514」及び「複数の固体光源512」を有し、「支持部材514」は「固定光源512」を支持していることから、引用発明の「光源部51」は、「支持部材514」及び「当該支持部材514に支持(保持)された複数の固体光源512」を有しているといえる。 (d) したがって、本件補正発明と引用発明は、「ベース部材及び当該ベース部材に保持された複数の発光素子を備える光源ユニット」を有する点で一致する。 c(a) 引用発明の「受熱部52」は、熱伝導性を有する材料(例えば金属)により形成された略直方体状の平板状部材であるから、本件補正発明の「受熱板」に相当する。 (b) ここで、引用発明の「受熱部52」の面は、「支持部材514」の面と熱伝導可能に接続していることから、両者が固定されていることは自明である。 (c) したがって、本件補正発明と引用発明は、「ベース部材が固定された受熱板」を有する点で共通する。 d 引用発明の「放熱部53」は、「本体部54」を有し、当該本体部54は、「+Y方向及び+Z方向により規定されるYZ平面に沿う複数の板状体541が+X方向に沿って対向配置された、いわゆるヒートシンクであ[る]」ことから、引用発明における「本体部54」は、フィン構造であるといえる。 したがって、本件補正発明と引用発明は、「放熱フィンを有する」点で共通する。 e(a) 引用発明において、「受熱部52における+Z方向側の面52Aの略中央には、当該支持部材514における-Z方向側の面が熱伝導可能に接続され、これにより、光源部51にて生じた熱が、支持部材514を介して受熱部52に伝導され」、「本体部54は、+Z方向側の端面54Aに、接続部54A1を有し、該接続部54A1は、受熱部52における-Z方向側の端面が熱伝導可能に接続され」ている。 (b) 前記c(a)を踏まえると、引用発明の「受熱部52における+Z方向側の面52A」及び「受熱部52における-Z方向側の端面」は、それぞれ本件補正発明の「第1面」及び「第2面」に相当する。 (c) したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記受熱板は、第1面と当該第1面とは反対側を向く第2面とを備える」点で一致する。 f(a) 前記cで検討したとおり、「受熱部52」の面において「支持部材514」は、固定されていると認められる。 (b) したがって、前記eの検討結果も踏まえると、本件補正発明と引用発明は、「前記ベース部材は、前記第1面に固定されている」点で一致する。 g(a) 前記eにおいて検討したとおり、引用発明において、「本体部54は、+Z方向側の端面54Aに、接続部54A1を有し、該接続部54A1は、受熱部52における-Z方向側の端面が熱伝導可能に接続され」ている。 (b) 一方、本件補正発明は、「前記熱拡散部材である前記ベーパーチャンバーの前記容器は、(受熱板の)前記第2面の側に配置され、」「前記放熱フィンは、前記熱拡散部材である前記ベーパーチャンバーの前記容器の前記ベース部材側の面とは反対側の前記第1接触部分と前記第2接触部分に対応する面に固定され」ている。 (c) 前記(a)及び(b)を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、「放熱フィンは、受熱板の第2面側に配置されている」点で共通する。 h 引用発明において、「受熱部52における+Z方向側の面52Aの略中央には、当該支持部材514における-Z方向側の面が熱伝導可能に接続され、これにより、光源部51にて生じた熱が、支持部材514を介して受熱部52に伝導され」、「本体部54は、+Z方向側の端面54Aに、接続部54A1を有し、該接続部54A1は、受熱部52における-Z方向側の端面が熱伝導可能に接続され」ているから、本件補正発明と引用発明は、「前記光源ユニットからの熱は、前記ベース部材から前記第1面を介して前記受熱板に伝達され、前記放熱フィンに伝達される」点で共通する。 (イ) 一致点及び相違点の認定 前記(ア)の対比分析の検討結果をまとめると、本件補正発明と引用発明は、次の一致点において一致し、後記の相違点において相違する。 a 一致点 「 ベース部材及び当該ベース部材に保持された複数の発光素子を備える光源ユニットと、 前記ベース部材が固定された受熱板と、 放熱フィンと、 を有し、 前記受熱板は、第1面と当該第1面とは反対側を向く第2面とを備え、 前記ベース部材は、前記第1面に固定され、 前記放熱フィンは、前記第2面側に配置され、 前記光源ユニットからの熱は、前記ベース部材から前記第1面を介して前記受熱板に伝達され、前記放熱フィンに伝達される光源装置」 である点。 b 相違点 本件補正発明においては、 受熱板が、開口部を備え、前記ベース部材が前記開口部を被って固定されており、 前記開口部の内側において前記ベース部材に接触する部分を少なくとも備え、チャンバーを備える容器と、前記チャンバーに封入された作動流体とを有するベーパーチャンバーからなる熱拡散部材を有し、 放熱フィンが前記熱拡散部材に固定され、 前記熱拡散部材である前記ベーパーチャンバーの前記容器は、(前記受熱板の)前記第2面の側に配置され、前記受熱板の前記開口部を介して前記ベース部材に接触する突出部分の第1接触部分と、前記受熱板に接触する第2接触部分を含み、 前記放熱フィンは、前記熱拡散部材である前記ベーパーチャンバーの前記容器の前記ベース部材側の面とは反対側の前記第1接触部分と前記第2接触部分に対応する面に固定され(以上を「部分相違点A」という。)、 前記光源ユニットからの熱は、前記ベース部材から前記熱拡散部材の前記第1接触部分に伝達され、さらに前記ベース部材から前記第1面を介して前記受熱板に伝達され、前記受熱板から前記熱拡散部材の前記第2接触部分に伝達され、前記熱拡散部材の前記作動流体が蒸発して前記容器内で熱拡散して、熱が前記熱拡散部材から前記放熱フィンの前記第1接触部分と前記第2接触部分に対応する面に伝達される(以上を「部分相違点B」という。)、 のに対し、 引用発明においては、 「受熱部52」(本件補正発明の「受熱板」に相当する。)が開口部を有しておらず、 「前記開口部の内側において前記ベース部材に接触する部分を少なくとも備え、チャンバーを備える容器と、前記チャンバーに封入された作動流体とを有するベーパーチャンバーからなる熱拡散部材」を有しておらず、したがって、放熱フィンは熱拡散部材に固定されておらず、 「光源部51」にて生じた熱は「支持部材514」を介して「受熱部52」に伝導される点。 イ 判断 (ア) 引用発明に引用文献2技術事項を適用する動機付けについて 引用文献1の【0005】に記載されるように、引用発明においては、光源部を効率よく冷却することを目的としているところ、引用文献2技術事項においても高熱放射性電子部品を対象に冷却することを目的としており、これらの目的は共通している。 したがって、共通の目的の下で、引用発明の熱を供給する部材である、「光源部51」の「支持部材514」に対して、引用文献2技術事項の構成からなる放熱モジュールを採用することは、当業者にとっては、適宜なし得る設計事項にすぎない。 (イ) 部分相違点Aについて a 引用文献2技術事項と本件補正発明の部分相違点Aに係る構成の対比 (a) 次の<引用文献2技術事項>の欄に記載した引用文献2技術事項の技術事項は、それぞれ、対応する<本件補正発明>の欄に記載した次の本件補正発明の構成に相当する。 <引用文献2技術事項> <本件補正発明> 支持部材40 受熱板 開口部405 開口部 二相熱交換装置41 熱拡散部材 ヒートシンク43 放熱フィン (b) 引用文献2技術事項において、「支持部材40の底面部の下側は、熱源と接して」おり、「支持部材40」は「開口部405」を有しているから、「開口部405」を被って「支持部材40」と「熱源」が接していると認められる。 また、引用文献2技術事項の放熱モジュール4において、適切に伝熱する観点から各部材がそれぞれ相対的に固定されていることは明らかであって、「支持部材40」と「熱源」が固定されていることは自明である。 さらに、本件補正発明の「ベース部材」は光源ユニットで発生した熱を受熱板側に伝える部材であり、引用文献2の「熱源」と、「熱を供給する部材」である点で共通する。 したがって、本件補正発明と引用文献2技術事項は、「開口部を備え、熱を供給する部材が前記開口部を被って固定された受熱板」である点で共通する。 (c) 引用文献2技術事項において、「支持部材40に収納された二相熱交換装置41は、支持部材40の開口部405に沿って部分的に突出し、その結果、二相熱交換装置41は、支持部材40の下部の熱源と直接接」していることが記載されており、「二相熱交換装置41」は、「支持部材40」の「開口部」の内側において、「熱源」と接触する部分を備えていると認められる。 また、引用文献2技術事項において、「二相熱交換装置41は、その中に、水などの作動流体を用いた平板型ヒートパイプであり、ウイック構造は、二相熱交換装置41の内部表面に形成され、収納された作動流体は、二相熱交換装置41の蒸発端部で熱を吸収すると、作動流体が気相状態に変換して蒸発することによって、指定熱源から離れたところへ熱を移動させ、気化した作動流体は、二相熱交換装置41の凝縮端部で、液相状態に変換して液化すると、液化した作動流体は、ウイック構造を通じて蒸発端部へ戻ることによって、速やかに再循環して、絶えず伝熱」する構成を有することが記載されている。 ここで、「平板型ヒートパイプは、ベーパーチャンバーと称されるものであり、中空密閉容器の内部に水などの凝縮性の流体を作動流体として封入したものであること。」は技術常識であって(前記(2)ウ(イ)の「技術常識1」を参照)、引用文献2技術事項において、平板型ヒートパイプが「作動流体」を内蔵するための所定の「空間(チャンバー)」を備える「容器」を有することは自明であるから、引用文献2技術事項の「二相熱交換装置41」は、本件補正発明の「チャンバーを備える容器と、前記チャンバーに封入された作動流体」を有するものと認められる。 したがって、本件補正発明と引用文献2技術事項は、「前記開口部の内側において熱を供給する部材に接触する部分を少なくとも備え、チャンバーを備える容器と、前記チャンバーに封入された作動流体とを有するベーパーチャンバーからなる熱拡散部材」である点で共通する。 (d) 引用文献2技術事項において、「二相熱交換装置41は、支持部材40とヒートシンク43に対し、垂直方向に隣接され」た構成を有しており、「二相熱交換装置41」と「ヒートシンク43」は固定されていることは自明である。 したがって、本件補正発明と引用文献2技術事項は、「前記熱拡散部材に固定された放熱フィンとを有し」ている点で一致する。 (e) 前記(b)において説示したとおり、本件補正発明と引用文献2技術事項は、「前記受熱板は、第1面と当該第1面とは反対側を向く第2面とを備え、熱を供給する部材は、前記第1面に固定され」ている点で共通する。 (f) 引用文献2技術事項において、「二相熱交換装置41は、支持部材40の本体の底面部に取り付けられ、支持部材40の本体の底面部と、収納された二相熱交換装置41との間には、溶接材料がコーティングによって提供され、従って熱の伝わりにくさを低減でき、放熱効率を高めることができるよう構成され」ている。 また、前記(c)において説示したとおり、引用文献2技術事項において、「支持部材40に収納された二相熱交換装置41は、支持部材40の開口部405に沿って部分的に突出し、その結果、二相熱交換装置41は、支持部材40の下部の熱源と直接接」している。 したがって、引用文献2技術事項の「二相熱交換装置41」は、「開口部405」から突出して「熱源」と接する部分(本件補正発明の「第1接触部分」に相当する。)と、「支持部材40」と接する部分(本件補正発明の「第2接触部分」に相当する。)を有すると認められる。 以上から、本件補正発明と引用文献2技術事項は、「前記熱拡散部材である前記ベーパーチャンバーの前記容器は、前記第2面の側に配置され、前記受熱板の前記開口部を介して熱を供給する部材に接触する突出部分の第1接触部分と、前記受熱板に接触する第2接触部分を含」む点で共通する。 (g) 前記(d)において検討したとおり、引用文献2技術事項において、「二相熱交換装置41」と「ヒートシンク43」は固定されており、また、二相熱交換装置41の一方の面の支持部材40の開口部405と該開口部405以外の支持部材40に対向して、他方の面にフィン431が設けられており、「二相熱交換装置41」の「開口部405」から突出して「熱源」と接する部分(本件補正発明の「第1接触部分」に相当する。)と、「支持部材40」と接する部分(本件補正発明の「第2接触部分」に相当する。)にそれぞれ対応する部分に「ヒートシンク43」が配置されていると認められる。 したがって、本件補正発明と引用文献2技術事項は、「前記放熱フィンは、前記熱拡散部材である前記ベーパーチャンバーの前記容器の前記熱を供給する部材側の面とは反対側の前記第1接触部分と前記第2接触部分に対応する面に固定され」ている点で共通する。 (h) 前記(a)から(g)までの検討結果をまとめると、引用文献2技術事項は、本件補正発明の部分相違点Aに相当する次の構成を備えているといえる。 「開口部を備え、熱を供給する部材が前記開口部を被って固定された受熱板と、 前記開口部の内側において前記熱を供給する部材に接触する部分を少なくとも備え、チャンバーを備える容器と、前記チャンバーに封入された作動流体とを有するベーパーチャンバーからなる熱拡散部材と、 前記熱拡散部材に固定された放熱フィンとを有し、 前記熱拡散部材である前記ベーパーチャンバーの前記容器は、前記第2面の側に配置され、前記受熱板の前記開口部を介して前記熱を供給する部材に接触する突出部分の第1接触部分と、前記受熱板に接触する第2接触部分を含み、 前記放熱フィンは、前記熱拡散部材である前記ベーパーチャンバーの前記容器の前記熱を供給する部材側の面とは反対側の前記第1接触部分と前記第2接触部分に対応する面に固定され」ている構成。 b 部分相違点Aの想到の容易性について 前記(ア)において検討したとおり、引用発明に引用文献2技術事項を適用することは、当業者が容易に想到し得たことである。 そして、引用文献2技術事項を引用発明に適用した場合において、引用発明の「光源部51」の「支持部材514」は、本件補正発明の「ベース部材」に相当することも考慮すると、技術常識1も踏まえた前記a(h)の検討の結果から、部分相違点Aに係る構成は、引用発明の「支持部材514」に引用文献2技術事項を適用することにより得られるものである。 したがって、引用発明において本件補正発明の部分相違点Aに係る構成を備えるようにすることは、引用発明、引用文献2技術事項及び技術常識1に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。 (ウ) 部分相違点Bについて a 前記(イ)a(f)において検討したとおり、引用文献2技術事項の「二相熱交換装置41」は、「開口部405」を介して「熱源」と接する部分(本件補正発明の「第1接触部分」に相当する。)と、「支持部材40」と接する部分(本件補正発明の「第2接触部分」に相当する。)を有すると認められることから、「二相熱交換装置41」の「開口部405」を介して「熱源」と接する部分において、「熱源」から「二相熱交換装置41」に熱が伝達され、かつ、「二相熱交換装置41」の「支持部材40」と接する部分において、「支持部材40」から「二相熱交換装置41」に熱が伝達されていることは明らかである。 また、引用文献2技術事項において、「二相熱交換装置41」の構成は、前記(イ)a(c)において説示したとおりであるから、本件補正発明の「前記熱拡散部材の前記作動流体が蒸発して前記容器内で熱拡散し」た構成を有すると認められる。 さらに、前記(ア)a(g)において説示した点から、引用文献2技術事項において、本件補正発明の「熱が前記熱拡散部材から前記放熱フィンの前記第1接触部分と前記第2接触部分に対応する面に伝達される」作用を有することは自明である。 b 前記aを踏まえると、部分相違点Bに係る構成は、引用発明に、引用文献2技術事項の構成からなる放熱モジュールを適用することで自ずと導き出すことのできたものである。 (エ) 総合評価 前記(ア)から(ウ)までの検討結果をまとめると、部分相違点A及び部分相違点Bからなる相違点に係る構成は、技術常識1も考慮すると、全体として、引用発明に引用文献2技術事項を適用することにより得られるものであり、その適用は、当業者が適宜なし得る設計事項にすぎないものであって、当業者が容易に想到し得たものである。 そして、本件補正発明の奏する効果としては、引用発明、引用文献2技術事項及び技術常識1からは当業者が予測困難で、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。 したがって、本件補正発明は、引用発明、引用文献2技術事項及び技術常識1に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 ウ 請求人の主張等について (ア) 審判請求書の主張内容 請求人の主張は、概略次のとおりである。 本願請求項1の「前記光源ユニットからの熱は、前記ベース部材から前記熱拡散部材の前記第1接触部分に伝達され、さらに前記ベース部材から前記第1面を介して前記受熱板に伝達され、前記受熱板から前記熱拡散部材の前記第2接触部分に伝達され、前記熱拡散部材の前記作動流体が蒸発して前記容器内で熱拡散して、熱が前記熱拡散部材から前記放熱フィンの前記第1接触部分と前記第2接触部分に対応する面に伝達される」に対して、引用文献2の段落番号[0016]に、支持部材20の本体201の底面部202と、収納された二相熱交換装置21との間には、溶接材料がコーティングによって提供され、したがって熱の伝わりにくさを低減でき、放熱効率を高めることができる、と記載されている。しかしながら、その放熱は、熱源からの熱が二相熱交換装置21に輸送されるものの、二相熱交換装置21内の作動流体を気相状態に変換できるものと記載されていない。引用文献2は支持部材205の開口部を介した熱源から二相熱交換装置21に輸送された熱で作動流体を気相状態に変換するものであると認められる。第2接触部分に相当するところの受熱は、通常の熱伝導体としてのものにすぎず、二相熱交換装置21内の作動流体を気化するものと認められない。 よって、引用文献1および引用文献2を組み合わせても、本願請求項1の「前記光源ユニットからの熱は、前記ベース部材から前記熱拡散部材の前記第1接触部分に伝達され、さらに前記ベース部材から前記第1面を介して前記受熱板に伝達され、前記受熱板から前記熱拡散部材の前記第2接触部分に伝達され、前記熱拡散部材の前記作動流体が蒸発して前記容器内で熱拡散して、熱が前記熱拡散部材から前記放熱フィンの前記第1接触部分と前記第2接触部分に対応する面に伝達される」構成は、容易に想到し得るものではない。 (イ) 請求人の主張についての検討 前記イ(ウ)aにおいて説示したとおり、引用文献2において、「二相熱交換装置41」の「支持部材40」と接する部分(本件補正発明の「第2接触部分」に相当する。)においても、「支持部材40」から「二相熱交換装置41」に熱が伝達されている。 また、「二相熱交換装置41」は、前記イ(イ)a(c)において説示したとおり、「二相熱交換装置41の蒸発端部で熱を吸収すると、作動流体が気相状態に変換して蒸発することによって、指定熱源から離れたところへ熱を移動させ」て伝熱する構成を有することから、第2接触部分に相当するところの受熱においても、「二相熱交換装置41」内の作動流体を気化するものであることは明らかである。 なお、「蒸発」とは、液体又は固体の表面だけでおこる気化の現象をいい、液体では沸点以下の温度でおこり、蒸発は与えられた温度で気相の圧力(蒸気圧)が一定(飽和蒸気圧、昇華圧)になるまで進行し、そこで平衡状態に達するものである(岩波 理化学辞典 第4版、岩波書店、「蒸発」項目参照)。 請求人の主張するような「通常の熱伝導体」として第2接触部分に相当するところに受熱が生じると、前記したように、液体の温度が上昇し、飽和蒸気圧も上昇し、平衡状態に達するまで蒸発が生じることになるため、請求人による「通常の熱伝導体」としての受熱が生じて「作動流体を気化」しないという主張は、妥当とはいえない。 したがって、当該主張を前提とする請求人の主張は、採用できない。 (4) 独立特許要件の判断についてのまとめ 以上検討のとおり、本件補正発明は、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 本件補正の適否のまとめ よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 したがって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明について 本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~5に係る発明は、令和3年10月12日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定されるとおりのものであると認められるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は前記第2の1(1)に摘記した事項により特定されるとおりである。 2 原査定における拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由のうち、本願発明についての進歩性欠如の理由は、次のとおりである。 理由2(進歩性の欠如) 本願発明は、下記の引用文献1及び引用文献2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1:特開2017-120348号公報 引用文献2:特開2009-188377号公報 3 引用文献に記載された事項 上記引用文献1には、前記第2の3(2)ア(イ)において認定したとおりの引用発明が記載されていると認められる。 また、上記引用文献2に記載された技術事項(引用文献2技術事項)及び技術常識1は、前記第2の3(2)イ(エ)及び第2の3(2)ウ(イ)において認定したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、本件補正発明のうち、下記(1)~(4)の限定を省いたものである(前記第2の2(1)参照)。 (1) 「熱拡散部材」について、「チャンバーを備える容器と、前記チャンバーに封入された作動流体とを有するベーパーチャンバーからなる」ものに限定すること。 (2) 「熱拡散部材」の、「受熱板」の開口部を介してベース部材に接触する第1接触部分が、前記(1)で限定した「ベーパーチャンバー」の「容器」の「突出部分」であり、「熱拡散部材」の、前記受熱板に接触する第2接触部分が前記(1)で限定した「ベーパーチャンバー」の「容器」にあることを限定すること。 (3) 放熱フィンの「熱拡散部材」への固定箇所が、「ベーパーチャンバー」の「容器」の、「第1接触部分」と「第2接触部分」に対応する面であることを限定すること。 (4) 光源ユニットからの熱の伝達について、「熱拡散部材」の「作動流体」が蒸発して容器内で熱拡散する点を限定するとともに、熱拡散した熱が、放熱フィンのうち「第1接触部分と前記第2接触部分に対応する面」に伝達される点を限定すること。 そうすると、前記第2の3(3)アにおいて検討した事項を踏まえると、本願発明と引用発明の相違点は、第2の3(3)ア(イ)bに記載した相違点に包含されるものであると認められる。 そして、前記相違点に係る構成は、引用発明、引用文献2技術事項及び技術常識1から格別のものではないから、本願発明は、引用発明、引用文献2技術事項及び技術常識1に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。 また、本願発明の奏する作用効果としては、引用発明、引用文献2技術事項及び技術常識1からは予測困難で、かつ、格別顕著な効果を認めることはできない。 したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2技術事項及び技術常識1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上検討のとおりであるから、本願発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-005188

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