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特許拒絶査定不服審判

2022-004916

撮像装置、撮像方法、並びにプログラム

審判番号
2022-004916
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-563268
請求日
2022年04月04日
審決日
2023年05月15日
公報発行日
2023年08月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ソニーグループ株式会社
  • 【請求人代理人】西川 孝
  • 【請求人代理人】稲本 義雄
  • 【請求人代理人】三浦 勇介
審判長/審判官
  • 審判長 瀬川 勝久
  • 審判官 野村 伸雄
  • 審判官 松川 直樹
分類
P18 .113-Z (G03B) / P18 .121-Z (G03B) / P18 .575-Z (G03B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-563268「撮像装置、撮像方法、並びにプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 7月26日国際公開、WO2018/135313〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年)1月5日(優先権主張 平成29年1月20日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯の概要は、以下のとおりである。 令和 3年 9月29日付け:拒絶理由通知書 令和 3年12月 6日 :意見書、手続補正書の提出 令和 3年12月24日付け:拒絶査定 令和 4年 4月 4日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和4年4月4日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和4年4月4日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。 「【請求項1】 撮像素子と、 前記撮像素子に入射する光の遮光状態を制御することで前記撮像素子の露光を行うメカシャッタと、 前記撮像素子の読出しタイミングを制御することで前記撮像素子の露光を行う電子シャッタと、 前記電子シャッタを走行させる電子シャッタ駆動部と、 前記メカシャッタを走行させるメカシャッタ駆動部と、 前記電子シャッタにより後幕の制御が行われた後に、前記メカシャッタが駆動されるように前記メカシャッタ駆動部に対して駆動指示を行う制御部と を備える撮像装置。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の、令和3年12月6日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「【請求項1】撮像素子と、 前記撮像素子に入射する光の遮光状態を制御することで前記撮像素子の露光を行うメカシャッタと、 前記撮像素子の読出しタイミングを制御することで前記撮像素子の露光を行う電子シャッタと、 前記電子シャッタを走行させる電子シャッタ駆動部と、 前記メカシャッタを走行させるメカシャッタ駆動部と、 前記電子シャッタにより前記撮像素子の露光が制御されている場合、前記メカシャッタ駆動部に対して、前記電子シャッタによる制御で前記撮像素子の露光が終了した後、終了した直後、または制御の途中に、前記メカシャッタ駆動部に対して駆動指示を行う制御部と を備える撮像装置。」 2 補正の適否 本件補正のうち請求項1についての補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「制御部」について、「前記電子シャッタにより前記撮像素子の露光が制御されている場合、前記メカシャッタ駆動部に対して、前記電子シャッタによる制御で前記撮像素子の露光が終了した後、終了した直後、または制御の途中に、前記メカシャッタ駆動部に対して駆動指示を行う」を「前記電子シャッタにより後幕の制御が行われた後に、前記メカシャッタが駆動されるように前記メカシャッタ駆動部に対して駆動指示を行う」と限定するものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下に検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献の記載事項 ア 引用文献1 本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2011-99965号公報(以下「引用文献1」という。令和3年12月24日付け拒絶査定の引用文献3。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は、当審で付した。以下同じ。)。 「【0012】 図1は撮像装置の構成例を示すブロック図であり、撮像装置はカメラ本体1と、これに着脱可能な撮影レンズ2を備える。撮影レンズ2はフォーカスレンズ3と、フォーカスレンズ駆動部4を有する。フォーカスレンズ3は後述の撮像素子8の撮像面に被写体からの光束を結像させる。フォーカスレンズ駆動部4はフォーカスレンズ3を光軸方向に沿って移動可能に支持する支持機構と、駆動用のアクチュエータと、該アクチュエータの駆動回路を含む。 【0013】 カメラ本体1に取り付けられた測光部5には、撮影レンズ2を通過した光束を計測することにより被写体の輝度を計測するセンサが使用される。シャッタ駆動回路6は後述のシステム制御部14の指示に従ってシャッタ7の遮光部材を駆動してシャッタ7を開放する時間及び遮光する時間を制御する。シャッタ7はカメラ本体1に固定され、後述の撮像素子8の電荷蓄積に先立ってシャッタ駆動回路6により遮光部材であるシャッタ羽根を開放する。これにより撮像素子8への露光が可能となり、電荷蓄積の終了後にシャッタ7が閉じて撮像素子8が遮光され、撮影時以外の撮像素子8へのゴミの付着が防止される。 【0014】 撮像素子8にはフォーカスレンズ3を経て被写体からの光が結像し、該素子は撮像面に投影された画像を電気信号に変換する。また撮像素子8は、いわゆる電子シャッタ機能を有しており、画像信号の取り込み開始時点における電子シャッタとしての電子先幕の機能、及び画像信号の取り込み中止を行う電子後幕の機能を有する。すなわち、電子先幕の動作により画像信号の電荷蓄積が開始し、電子後幕の動作により所定の時間後に蓄積が終了する。その後、蓄積された画像信号の読出動作が行われ、後述する信号処理回路11に画像信号が送出される。 撮像素子8の移動機構9は、撮像素子8を撮影光軸に沿って前後に移動させることでフォーカスブラケット撮影を可能にする。その詳細については後述する。位置検出部10は撮像素子8の光軸方向における位置を検出し、検出信号を後述のシステム制御部14に送出する。」 「【0017】 システム制御部14はカメラ本体1及び撮影レンズ2の制御手段であり、AF制御に係る位相差検出機能やコントラスト検出機能、露光制御機能、撮像素子8の移動速度変更機能等を有する。システム制御部14は、例えばCPU(中央演算処理装置)を含むマイクロコンピュータユニットから構成されており、測光部5や位置検出部10、不図示の位相差検出部等からの信号をプログラムに従って処理することで上記の機能を実現する。例えばシステム制御部14は撮像素子8の電子シャッタ機能に係る制御のために、被写体の条件に応じた電荷蓄積時間を演算し、蓄積開始、終了、読出しのタイミングを制御する。すなわち、第1実施形態にて撮像素子8の電荷蓄積時間と露光時間は同義である。」 「【0026】 フォーカスブラケット撮影では、フォーカスレンズ3の予定結像面での撮影に加え、撮像素子8を光軸方向に沿って所定量ずらした位置でも撮影が行われる。この所定量は、被写体への追従性を考慮した場合、例えば被写界深度を超えた量で決定される。あるいはカメラの焦点状態検出系の製造誤差による測定結果のズレを考慮した場合、レンズの製造誤差によるフォーカスレンズ3の駆動位置のズレを積み重ねた結果と設計値のズレ等から所定量が決定される。また、予定結像面の前後において何コマ撮影するかについても選択が可能である。本例では設計位置を予定結像面の位置とした場合、その後ピント位置と前ピント位置でそれぞれ1コマ撮影するとして、合計3コマの撮影が行われものとし、コマ数分の撮影画像データはメモリ13に格納される。」 「【0029】 図6(a)は露光時間が短い場合、例えばTsが1/60秒の場合の動作を示す。図6(b)は露光時間が中程度の場合、例えばTs=1/30秒の場合の動作を示し、図6(c)は露光時間が長い場合、例えば長秒時としてTs=1/15秒の場合の動作を示している。ここで本実施形態での露光時間とは、撮像素子8の蓄積時間であることに注意を要する。 以下、図4及び図5のフローチャートに従い、まず図6(a)を参照しながらTs=1/60秒の場合の動作を説明する。尚、基本的な処理の流れはTsの値が1/60秒より短い場合でも同様である。 【0030】 S101で処理が開始し、電源のオン状態にてシステム制御部14はレリーズボタン15の状態を判定する(S102)。該ボタンの半押しによりSW1がオン状態となったと判定された場合、測光部5により被写体の測光が行われる。被写体の輝度に応じてシステム制御部14の露光制御により、不図示の絞り装置による光量制限量、及び撮像素子8の電子シャッタの露光時間としての蓄積時間が演算される。その後、蓄積時間Tsと所定の読出時間Tr、及び撮像素子8の像面位置の間隔dに基づいて、撮像素子8の移動速度Vsが計算される。すなわち、システム制御部14は「Vs=d/(Ts+Tr)」に基づき、撮像素子8の電荷蓄積中の移動速度Vsを算出する。この速度をもって3コマの撮像が行われる間、撮像素子8は停止することなく一定速度で移動する。また、演算と同時に、撮像素子8の待機位置である位置Aへのセット動作が行われる。セット動作とは、コイル9bが無通電の状態で保持板8aをスプリング16の付勢力により、ストッパ18に当接させることである。撮像素子8が確実に図2の位置Aに来るようにするために、コイル9bへの逆通電が行われ、これにより撮像素子8及び保持板8aが撮影レンズ2の側へ前進する(S103)。 【0031】 撮像素子8が目標位置である位置Aに到達した否かの判定処理(S104)は、位置検出部10の検出出力と、システム制御部14が記憶している目標位置でのホール素子の出力とを比較することで行われる。両者が一致した場合、システム制御部14は撮像素子8が目標位置に到達したと判定する。位置Aへの到達判定が下された場合、S105に進むが、そうでない場合、S103に戻る。 【0032】 待機位置(位置A)にてコイル9bへの通電が停止され、撮像素子8及び保持板8aの移動が停止する(S105)。次に不図示の焦点状態検出部及びシステム制御部14によって、AF制御に係る位相差検出方式での測定が行われ(S106)、システム制御部14は測定結果に基づいてフォーカスレンズ駆動部4に指令を送りフォーカスレンズ3を移動させる。つまり位置Bを予定結像面として、被写体の距離に応じたフォーカスレンズ位置へとフォーカスレンズ3が移動する(S107)。つまり、このフォーカスレンズ位置は撮像素子8の予定結像面を位置Bとして演算した場合の位置である。 【0033】 次に撮影者による撮影続行の操作を確認すべく、システム制御部14はSW1の状態を判定する(S108)。その結果、SW1がオン状態であると判定された場合、S109に進むが、SW1がオフ状態であると判定された場合にはS103に戻る。 次にシステム制御部14はSW2の状態を判定する(S109)。レリーズボタン15の全押しによりSW2がオン状態であると判定された場合、S110に進むが、SW2がオフ状態であると判定された場合にはS108に戻る。 【0034】 S110ではシャッタ駆動回路6の指示によりシャッタ7が開放される。これよりフォーカスブラケット撮影が開始し、システム制御部14はコイル9bに正通電を行い、徐々にその通電量を増加させて前述の移動速度Vsを維持して撮像素子8及び保持板8aの後退を開始させる(S111)。同時に撮像素子8の電子シャッタ動作により、第1コマ目の撮像について露光が開始し、つまり画像信号の蓄積が開始し、1/60秒の蓄積時間の経過後に露光が終了する(S112)。続いて第1コマ目の読出しが行われる(S113)。図6(a)の上側のグラフ線に示すように、露光時間1/60秒は所定の基準時間(本例では1/30秒とする)よりも短い。この時のフォーカスブラケット撮影では複数回の撮像にてVs=Vrであるので、蓄積中及び読出し中のいずれの期間でも移動速度がVsであって、撮像素子8が定速にて停止することなく後退を続ける(図5のS114)。撮像素子8の後退は継続され、徐々にコイル9bへの通電量が増加して前述の移動速度Vsを維持して撮像素子8は、第2コマ目の撮像位置である位置Bに向かう。システム制御部14は撮像素子8が位置Bに到達したか否かを判定する(S115)。位置検出部10の検出出力と、システム制御部14が記憶している位置Bにおけるホール素子の出力が比較され、両者の一致によって目標位置Bへの撮像素子8の到達が判定される。位置Bへの到達判定が下された場合、S116に進むが、未到達の場合、S114に戻る。 【0035】 予定結像面である位置Bは、既に移動しているフォーカスレンズ3の予定結像面の位置である。被写体が前述の位相差検出時と同じ位置にあって、撮像装置1における製造誤差等を無視すれば、この位置において丁度ピントの合った撮影画像が得られることになる。 予定結像面における第2コマ目の撮影を行うため、撮像素子8の電子シャッタ動作により第2コマ目の撮像について露光が開始し、つまり電荷の蓄積が開始して、1/60秒の蓄積時間の経過後に露光が終了する(S116)。撮像素子8が適正露光に必要な時間分の蓄積を終えると、続いて第2コマ目の読出しが行われる(S117)。読出し中も前述の移動速度Vr(=Vs)でもって、撮像素子8は定速にて停止することなく後退を続ける(S118)。撮像素子8の後退は継続され、徐々にコイル9bへの通電量を増加させて前述の移動速度Vsを維持しつつ、撮像素子8は第3コマ目の撮影位置である位置Cに向かう。位置Cは既に移動しているフォーカスレンズ3の予定結像面の位置Bから所定量dだけ後退した位置であり、被写体の移動がなく、製造誤差等を無視すれば、前ピントとなる画像が得られる位置である。システム制御部14は、撮像素子8が位置Cに到達したか否かを判定する(S119)。位置検出部10の検出出力と、システム制御部14が記憶している位置Cでの位置検出部10の出力が比較され、両者の一致により目標位置Cへの到達が判定される。位置Cへの到達判定が下された場合、S120に進むが、未到達の場合にはS118に戻る。 【0036】 位置Cにおける第3コマ目の撮影を行うため、撮像素子8の電子シャッタ動作により第3コマ目の撮像について露光が開始し、つまり電荷の蓄積が開始し、1/60秒の蓄積時間の経過後に露光が終了する(S120)。撮像素子8が適正露光に必要な時間分の蓄積を終えると、続いて第3コマ目の読出しが行われる(S121)。次にシステム制御部14はシャッタ駆動回路6に指令を送り、シャッタ7が閉じて、撮像素子8が遮光される(S122)。 【0037】 撮像素子8及び保持板8aは第3コマ目の蓄積時間が経過するまでの間、前述の移動速度Vsを維持しながら移動する。その後、蓄積及び読出しが終了すると、次回のフォーカスブラケット撮影に備えて撮像素子8を位置Aに復帰させる必要がある。そのため、システム制御部14は徐々にコイル9bへの通電量を減らして撮像素子8の移動速度をVsから減速させる。スプリング16の押圧力がコイル9bの電磁力を上回ると、撮像素子8の移動方向は後退から前進に転じる(S123)。移動方向の反転は徐々に行われるため、撮像素子8の支持機構に対して過大な負荷がかかることはない。システム制御部14は撮像素子8が位置Aに到達したか否かを判定する(S124)。その結果、位置Aへの到達判定が下された場合、S125に進むが、未到達の場合にはS123に戻る。 【0038】 S125にてコイル9bへの通電が停止し、撮像素子8の前進が停止する。その後、システム制御部14はSW1の状態を判定する(S126)。レリーズボタン15の状態が判定され、SW1がオフ状態の場合には上記一連の処理が終了する(S127)が、SW1がオン状態の場合、つまり、撮影者に連写撮影の意図があれば、図4のS102に戻って連続撮影が実行される。 【0039】 上記した複数回の撮像動作により、メモリ13には、撮影時の撮像素子8の位置が異なる3枚の画像データが記憶される。これらの画像データの中で最も評価値の高い画像データが最もピントの合った画像のデータとして選択され、該データが記録媒体20に記録され、他の画像のデータはメモリ13から消去される。画像の評価方法としては公知のコントラスト検出等が用いられ、システム制御部14は、例えば位相差検出方式のAF時に選択した焦点検出エリアに相当する領域における画像のコントラストを画像毎に求める。このようにして毎回の撮影毎に最良のピント状態の画像データのみを記録媒体に記録して保存することができる。」 図1、図4及び図5は、以下のとおりである。 【0012】を参照しつつ、図1を見ると、撮像装置は、シャッタ駆動回路6と、シャッタ7と、撮像素子8と、システム制御部14と、を備えることが、把握できる。 [図:0001399988000001.jpg] [図:0001399988000002.jpg] [図:0001399988000003.jpg] したがって、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる(以下、引用発明1の認定に用いた箇所の段落番号等を参考までに括弧内に付した。)。 「シャッタ駆動回路6と、シャッタ7と、撮像素子8と、システム制御部14と、を備え、(【0012】及び図1) シャッタ駆動回路6はシステム制御部14の指示に従ってシャッタ7の遮光部材を駆動してシャッタ7を開放する時間及び遮光する時間を制御し、シャッタ7は撮像素子8の電荷蓄積に先立ってシャッタ駆動回路6により遮光部材であるシャッタ羽根を開放し、これにより撮像素子8への露光が可能となり、電荷蓄積の終了後にシャッタ7が閉じて撮像素子8が遮光され、(【0013】) 撮像素子8は、画像信号の取り込み開始時点における電子シャッタとしての電子先幕の機能、及び画像信号の取り込み中止を行う電子後幕の機能を有し、電子先幕の動作により画像信号の電荷蓄積が開始し、電子後幕の動作により所定の時間後に蓄積が終了する電子シャッタ機能を有しており、(【0014】) システム制御部14は撮像素子8の電子シャッタ機能に係る制御のために、被写体の条件に応じた電荷蓄積時間を演算し、蓄積開始、終了、読出しのタイミングを制御し、(【0017】) フォーカスブラケット撮影では、フォーカスレンズ3の予定結像面での撮影に加え、撮像素子8を光軸方向に沿って所定量ずらした位置でも撮影が行われ、設計位置を予定結像面の位置とした場合、その後ピント位置と前ピント位置でそれぞれ1コマ撮影するとして、合計3コマの撮影が行われものとし、(【0026】) 撮像装置の基本的な処理の流れは、【0030】 シャッタ7が開放され、フォーカスブラケット撮影が開始し、 撮像素子8及び保持板8aの後退を開始させ、 同時に撮像素子8の電子シャッタ動作により、第1コマ目の撮像について露光が開始し、つまり画像信号の蓄積が開始し、1/60秒の蓄積時間の経過後に露光が終了すると、続いて第1コマ目の読出しが行われ、 撮像素子8が定速にて停止することなく後退を続け、撮像素子8が位置Bに到達したか否かを判定し、位置Bへの到達判定が下された場合、【0034】 撮像素子8の電子シャッタ動作により第2コマ目の撮像について露光が開始し、つまり電荷の蓄積が開始して、1/60秒の蓄積時間の経過後に露光が終了すると、続いて第2コマ目の読出しが行われ、 撮像素子8は定速にて停止することなく後退を続け、撮像素子8が位置Cに到達したか否かを判定し、位置Cへの到達判定が下された場合、【0035】 位置Cにおける第3コマ目の撮影を行うため、撮像素子8の電子シャッタ動作により第3コマ目の撮像について露光が開始し、つまり電荷の蓄積が開始し、1/60秒の蓄積時間の経過後に露光が終了し、撮像素子8が適正露光に必要な時間分の蓄積を終えると、続いて第3コマ目の読出しが行われ、次にシステム制御部14はシャッタ駆動回路6に指令を送り、シャッタ7が閉じて、撮像素子8が遮光され、(【0036】) その後、撮像素子8の移動速度をVsから減速させ、撮像素子8の移動方向は後退から前進に転じ、撮像素子8が位置Aに到達したか否かを判定し、その結果、位置Aへの到達判定が下された場合、撮像素子8の前進が停止し、一連の処理が終了するものである(【0037】及び【0038】) 撮像装置。(【0012】)」 イ 引用文献2 本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特公平6-95733号公報(以下「引用文献2」という。令和3年12月24日付け拒絶査定の引用文献1。)には、図面とともに、次の記載がある。 「〔作用〕本発明に係る電子スチルカメラでは既述したようにシャッタスピードの全域にわたって機械的シャッタと電子シャッタとが併用されるが、機械的シャッタの制御精度を維持し得る限界付近のシャッタスピードを基準にしてシャッタスピードがその基準となるシャッタスピードより低速域ではシャッタ動作は撮像手段の撮像面の露光時間が機械的シャッタの開閉制御により一義的に定まる機械的シャッタ主導型の動作モード(以下、メカニカルシャッタモード(M SHT)と称す)に切り換えられ、前記基準となるシャッタスピードより高速域では電子シャッタにより露光時間が定まる電子シャッタ主導型の動作モード(以下、電子シャッタモード(E SHT)と称する)に切り換えられる。」(3頁左欄18~31行) 「第1図は、本発明に係る電子スチルカメラの一実施例の全体構成が示されている。同図において、撮影光学系は、前群レンズ系としての例えばズームレンズ系10と、絞り12と、マスタレンズ系14とからなり、マスタレンズ系14は、測光光学系24へのビームスプリッタも兼ねている。16は、ファインダ光学系へのミラーで撮影時には光路外に跳ね上げられる。18は光学フィルタ、20はシャッタ(機械的シャッタ)である。シャッタ20は静止画撮影を行う動作モードであるスチルモードにおいては前記ミラーが跳ね上げられ、前記絞りが絞り込まれた後に所定秒時開かれるが、ビデオアダプタを接続することにより電子スチルカメラをムービーカメラとして機能させるムービーモードにおいては、開かれたままになる。22は撮像素子のCCDである。前記測光光学系24に取り込まれた一部の被写体光は、測光センサ26に受光され、測光アンプ28で増幅され、A/D変換器30を介して演算/制御回路32に入力される。この演算/制御回路32は、取り込んだ被写体の明るさ等の情報に基づきシャッタ駆動回路34及び絞り駆動機構を通じて、前記シャッタと絞りを制御し、適正露光量を得るものである。本実施例では、絞り駆動機構にステッピングモータ38とその駆動回路36とを採用し、前記演算/露出制御回路にそのステッピングモータを駆動するパルス数を制限する機能を持たせている。40は撮像素子(CCD)22を駆動しその電荷を読み出して増幅するCCD駆動回路/プリアンプ、42はCCD駆動回路/プリアンプ40の出力信号をビデオ信号に変換するエンコーダ、44はそのビデオ信号を増幅する記録アンプである。エンコーダ42からはエレクトロニックビューファインダ(電子ビューファインダ)またはモニタへの出力が得られ、記録アンプ44からは外部ビデオアダプタへの出力が得られる。記録アンプ44はまた、記録/再生切換スイッチ46を介して記録ヘッド48に接続されている。50は映像信号を記録する磁気ディスク、52はディスクモータ、54はモータ駆動回路、56はディスク50を定速回転させるためのサーボ回路、58は前記記録ヘッド48を送るモータ60の駆動回路である。70は、各回路部からの信号を取り込み、全体の動作を制御する制御回路、72はその制御下にタイミングパルスを発生させ、CCD22、演算/制御回路32、CCD駆動回路40、エンコーダ42等に出力するタイミングパルス発生回路、74はレリーズ、76はスチルモードとムービーモードとを切り換えスチル/ムービーモード切換手段、77はカメラの作動状態等を表示する表示部である。」(3頁右欄10行~4頁左欄5行) 「次にシャッタスピードが1/1000秒以上の高速領域における露光制御の動作内容を第6図に示す。この場合にはシャッタモードは電子シャッタモードに設定される(第6図(j))。同図において測光結果から演算/露出制御回路32により演算された実際の露光時間がTxであるとすると、この実際の露光時間Txにシャッタ幕の開閉に要する時間、本実施例では先幕が走行を開始してからシャッタが完全に開いた状態となる時刻までの時間Tiと後幕が走行を開始してから走行を終了するまでの時間Teを加算した値、即ちTx+Ti+Teより長い時間TYが新たに露光時間と決定される。これに対して時間TY-Teに相当するパルスが演算/露出制御回路32よりシャッタ駆動回路34を介してシャッタ20に時刻t10において出力される(第6図(b))。すると時刻t10より先幕が走行を開始し、時刻t11で完全にシャッタ幕が開いた状態となる(第6図(d))。更に時刻t11から時間TY-Te-Tiが経過した時点t13において後幕が走行を開始し、この時点から時間Teが経過した時刻t14で後幕の走行は終了し、シャッタ20が完全に閉じた状態となる(第6図(e))。このシャッタが開閉される前記露光時間TY内に撮像素子22の露光が行われる(第6図(c))。すなわち、シャッタレリーズが開始された後にタイミングパルス発生回路72より出力される同期信号 [図:0001399988000004.jpg] に同期して撮像素子22に蓄積された信号電荷の読み出しが行われるが、この読み出しを行う時点から実際の露光時間Txだけ手前の時刻t12において制御信号Tsがタイミングパルス発生回路72よりCCD駆動回路40に出力される。この結果、時刻t12で転送パルスが出力され、撮像素子22の残留電荷が排出されると同時に、この時点から時刻t13に至る時間Txだけ撮像素子22の撮像面において露光が行われる(第6図(f)、(g))。次いで同期信号 [図:0001399988000005.jpg] が出力される露光が終了した時刻t13から次の同期信号 [図:0001399988000006.jpg] が出力される時刻t15に至る期間において露光時間Tx内に撮像素子22に蓄積された信号電荷が読み出され、磁気ディスク50の所定のトラックに記録される。次にスチルモードにおいて撮影モードが高速連写モードに設定された場合の露光制御の動作内容を第7図に示す。同図において撮影モード切換スイッチ78をオン状態にし且つ連写スピード設定スイッチ80を接点aに切り換えた状態でレリーズボタン74を押すと、15駒/秒の高速連写が行われる。この高速連写モードはシャッタ20の動作を除けば1駒の撮影動作については第6図に示したシャッタスピードが高速である単写モードの場合と同じであるが、シャッタ20がシャッタリレーズが行われた時刻t20から連写駒数だけ撮影が終了する時刻t21までの期間中、開状態にある点で単写モードの場合と異なる。」(5頁左欄44行~右欄40行) 第1図から、撮像素子22と、シャッタ(機械的シャッタ)20と、シャッタ駆動回路34と、制御回路70と、CCD駆動回路/プリアンプ40を備えた電子スチルカメラが、見て取れる。 [図:0001399988000007.jpg] 5頁左欄44行~右欄40行及び第6図を参照しつつ第7図を見ると、シャッタ(機械的シャッタ)20が完全に開いた状態で、1駒目、2駒目又は3駒目の撮影動作は、時間Txだけ撮像素子22の撮像面において露光が行われ、撮像素子22に蓄積された信号電荷が読み出され、磁気ディスク50の所定のトラックに記録されるものであり、最終駒目の露光が終了した直後に、後幕が走行を開始し、この時点から時間Teが経過した時刻で後幕の走行は終了し、シャッタ(機械的シャッタ)20が完全に閉じた状態となることが、把握できる。 [図:0001399988000008.jpg] したがって、引用文献2には、次の発明(以下「引用発明2」という。)が記載されていると認められる(以下、引用発明2の認定に用いた箇所の頁等を参考までに括弧内に付した。)。 「撮像素子22と、 シャッタ(機械的シャッタ)20と、 前記シャッタ(機械的シャッタ)20を制御し、適正露光量を得るものであるシャッタ駆動回路34と、 各回路部からの信号を取り込み、全体の動作を制御する制御回路70と、 撮像素子(CCD)22を駆動しその電荷を読み出して増幅するCCD駆動回路/プリアンプ40と、 を備え、(3頁右欄10行~4頁左欄5行及び第1図) 機械的シャッタと電子シャッタとが併用され、(3頁左欄18~31行) 撮影モードが高速連写モードに設定された場合の露光制御の動作内容は、 シャッタ(機械的シャッタ)20が完全に開いた状態で、1駒目、2駒目又は3駒目の撮影動作は、時間Txだけ撮像素子22の撮像面において露光が行われ、撮像素子22に蓄積された信号電荷が読み出され、磁気ディスク50の所定のトラックに記録されるものであり、 最終駒目の露光が終了した直後に、後幕が走行を開始し、この時点から時間Teが経過した時刻で後幕の走行は終了し、シャッタ(機械的シャッタ)20が完全に閉じた状態となるものである(5頁左欄44行~右欄40行、第6図及び第7図) 電子スチルカメラ。(3頁右欄10行~4頁左欄5行及び第1図)」 (3)対比及び判断 ア 引用発明1を主引用発明とした場合 (ア)引用発明1の「撮像素子8」は、本件補正発明の「撮像素子」に、 引用発明1の「シャッタ7」は、本件補正発明の「メカシャッタ」に、 引用発明1の「電子シャッタ」は、本件補正発明の「電子シャッタ」に、 引用発明1の「シャッタ駆動回路6」は、本件補正発明の「メカシャッタ駆動部」に、 引用発明1の「撮像装置」は、本件補正発明の「撮像装置」に、 それぞれ相当する。 (イ)本件補正発明の「前記撮像素子に入射する光の遮光状態を制御することで前記撮像素子の露光を行うメカシャッタ」及び「前記メカシャッタを走行させるメカシャッタ駆動部」の構成について 引用発明1の「シャッタ駆動回路6はシステム制御部14の指示に従ってシャッタ7の遮光部材を駆動してシャッタ7を開放する時間及び遮光する時間を制御し、シャッタ7は撮像素子8の電荷蓄積に先立ってシャッタ駆動回路6により遮光部材であるシャッタ羽根を開放し、これにより撮像素子8への露光が可能となり、電荷蓄積の終了後にシャッタ7が閉じて撮像素子8が遮光され」るものであることから、シャッタ7は遮光部材であるシャッタ羽根を開放し撮像素子8への露光が可能となるものであり、また、シャッタ7が閉じて撮像素子8の遮光が可能となるものであり、そして、シャッタ駆動回路6はシャッタ7の遮光部材を駆動するものであるといえる。 したがって、引用発明1は、上記構成を満たす。 (ウ)本件補正発明の「前記撮像素子の読出しタイミングを制御することで前記撮像素子の露光を行う電子シャッタ」及び「前記電子シャッタを走行させる電子シャッタ駆動部」の構成について 引用発明1は「撮像素子8は、画像信号の取り込み開始時点における電子シャッタとしての電子先幕の機能、及び画像信号の取り込み中止を行う電子後幕の機能を有し、電子先幕の動作により画像信号の電荷蓄積が開始し、電子後幕の動作により所定の時間後に蓄積が終了する電子シャッタ機能を有しており」、引用発明1の「システム制御部14は撮像素子8の電子シャッタ機能に係る制御のために、被写体の条件に応じた電荷蓄積時間を演算し、蓄積開始、終了、読出しのタイミングを制御し」ていることから、電子シャッタは、被写体の条件に応じた電荷蓄積時間を演算し、蓄積開始、終了、読出しのタイミングを制御することで撮像素子8の露光を行う電子シャッタ機能を有しているといえ、システム制御部14は電子シャッタ機能に係る制御しているといえる。 したがって、引用発明1は、上記構成を満たす。 (エ)本件補正発明の「前記電子シャッタにより後幕の制御が行われた後に、前記メカシャッタが駆動されるように前記メカシャッタ駆動部に対して駆動指示を行う制御部」の構成について 引用発明1は「位置Cにおける第3コマ目の撮影を行うため、撮像素子8の電子シャッタ動作により第3コマ目の撮像について露光が開始し、つまり電荷の蓄積が開始し、1/60秒の蓄積時間の経過後に露光が終了し、撮像素子8が適正露光に必要な時間分の蓄積を終えると、続いて第3コマ目の読出しが行われ、次にシステム制御部14はシャッタ駆動回路6に指令を送り、シャッタ7が閉じて、撮像素子8が遮光され」るものであり、「電子シャッタとしての」「電子後幕の機能を有し」ており、「電子後幕の動作により所定の時間後に蓄積が終了する電子シャッタ機能を有して」いることから、電子シャッタ動作により第3コマ目の撮像について電子後幕の動作が行われた後に、システム制御部14はシャッタ駆動回路6に指令を送り、シャッタ7が閉じているものであるといえる。 したがって、引用発明1は、上記構成を満たす。 (オ)以上から、引用発明1は本件補正発明の構成をすべて満たしている。 したがって、本件補正発明は、引用発明1である。 また、仮に、相違点があったとしても、引用発明1において、当業者が適宜なし得た事項にすぎない。 イ 引用発明2を主引用発明とした場合 (ア)引用発明2の「撮像素子22」は、本件補正発明の「撮像素子」に、 引用発明2の「シャッタ(機械的シャッタ)20」は、本件補正発明の「メカシャッタ」に、 引用発明2の「電子シャッタ」は、本件補正発明の「電子シャッタ」に、 引用発明2の「シャッタ駆動回路34」は、本件補正発明の「メカシャッタ駆動部」に、 引用発明2の「電子スチルカメラ」は、本件補正発明の「撮像装置」に、 それぞれ相当する。 (イ)本件補正発明の「前記撮像素子に入射する光の遮光状態を制御することで前記撮像素子の露光を行うメカシャッタ」及び「前記メカシャッタを走行させるメカシャッタ駆動部」の構成について 引用発明2は、「シャッタ(機械的シャッタ)20と、前記シャッタ(機械的シャッタ)20を制御し、適正露光量を得るものであるシャッタ駆動回路34と、」を備えるものであることから、シャッタ(機械的シャッタ)20は制御され、適正露光量を得るものであり、シャッタ駆動回路34はシャッタ(機械的シャッタ)20を制御させるものであるといえる。 したがって、引用発明1は、上記構成を満たす。 (ウ)本件補正発明の「前記撮像素子の読出しタイミングを制御することで前記撮像素子の露光を行う電子シャッタ」及び「前記電子シャッタを走行させる電子シャッタ駆動部」の構成について 引用発明2は「シャッタ(機械的シャッタ)20が完全に開いた状態で、1駒目、2駒目又は3駒目の撮影動作は、時間Txだけ撮像素子22の撮像面において露光が行われ、撮像素子22に蓄積された信号電荷が読み出され、磁気ディスク50の所定のトラックに記録され」ていることから、電子シャッタは時間Txだけ撮像素子22の撮像面において露光が行われものといえる。また、引用発明2は「CCD駆動回路/プリアンプ40」は、「撮像素子(CCD)22を駆動しその電荷を読み出して増幅する」ものである。 したがって、引用発明2は、上記構成を満たす。 (エ)本件補正発明の「前記電子シャッタにより後幕の制御が行われた後に、前記メカシャッタが駆動されるように前記メカシャッタ駆動部に対して駆動指示を行う制御部」の構成について 引用発明2は「シャッタ(機械的シャッタ)20が完全に開いた状態で、1駒目、2駒目又は3駒目の撮影動作は、時間Txだけ撮像素子22の撮像面において露光が行われ、撮像素子22に蓄積された信号電荷が読み出され、磁気ディスク50の所定のトラックに記録されるものであり、最終駒目の露光が終了した直後に、後幕が走行を開始し、この時点から時間Teが経過した時刻で後幕の走行は終了し、シャッタ(機械的シャッタ)20が完全に閉じた状態となる」ように「制御回路70」は「全体の動作を制御」していることから、少なくとも1~3駒目の撮影動作が行われた後に、シャッタ(機械的シャッタ)20が完全に閉じた状態となるように制御回路70は全体の動作を制御しているといえる。 したがって、引用発明2は、上記構成を満たす。 (オ)以上から、引用発明2は本件補正発明の構成をすべて満たしている。 したがって、本件補正発明は、引用発明2である。 また、仮に、引用発明2の電子シャッタが最終駒目の場合を考えたとしても、1駒目等の撮影動作と同様に、最終駒目の撮影動作が行われた後に、シャッタ(機械的シャッタ)20が完全に閉じた状態となるように制御回路70は全体の動作を制御することは、当業者が適宜なし得た事項にすぎない。 ウ したがって、本件補正発明は、引用発明1又は引用発明2であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであり、また、本件補正発明は、引用発明1又は引用発明2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (4)審判請求人の主張について ア 本件審判請求人は、令和4年4月4日付けで提出された審判請求書において、引用文献1乃至6のいずれか、または組み合わせた場合に、電子シャッタとメカシャッタを組み合わせて撮像素子の露光を制御することに関する記載はあると仮に認めたとしても、電子シャッタにより後幕の制御が行われた後に、換言すれば、撮像処理に必要とされる露光の制御は電子シャッタにより終了された後に、露光の制御とは関係のない動作としてメカシャッタを駆動し、メカシャッタが駆動されたときにユーザが得ることができる体感を電子シャッタのときでも与えるようにすることに関する記載や示唆はないと思料すると、主張している。 イ 上記主張について、以下検討する。 上記アの主張については、前記(3)で説示したとおりである。また、露光の制御とは関係のない動作としてメカシャッタを駆動することは本件補正発明に特定されておらず、「露光の制御とは関係のない動作としてメカシャッタを駆動する」との主張は、本件補正発明の構成に基づかないものである。 以上から、審判請求人の上記主張は、採用することができない。 3 本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和4年4月4日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年12月6日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし13に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2の[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の請求項1に係る発明の拒絶の理由の概略は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1、2又は3に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、また、この出願の請求項1に係る発明は、本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1、2又は3に記載された発明に基いて、その優先権主張の日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1.特公平6-95733号公報 引用文献2.特開2002-176588号公報 引用文献3.特開2011-99965号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1(審決の引用文献2)及びその記載事項、並びに原査定の拒絶の理由で引用された引用文献3(審決の引用文献1)及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「制御部」について、「前記電子シャッタにより後幕の制御が行われた後に、前記メカシャッタが駆動されるように前記メカシャッタ駆動部に対して駆動指示を行う」との限定したものを「前記電子シャッタにより前記撮像素子の露光が制御されている場合、前記メカシャッタ駆動部に対して、前記電子シャッタによる制御で前記撮像素子の露光が終了した後、終了した直後、または制御の途中に、前記メカシャッタ駆動部に対して駆動指示を行う」としたものである。 そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明は、前記第2の[理由]2(3)に記載したとおり、引用発明1又は引用発明2であるから、本願発明は引用発明1又は引用発明2である。 また、仮に、相違点であったとしても、引用発明1又は引用発明2において、当業者が適宜なし得た事項にすぎない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、また、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2022-004916

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