特許拒絶査定不服審判
2022-004708
端末、表示方法及びプログラム
- 審判番号
- 2022-004708
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2020-091820
- 請求日
- 2022年03月31日
- 審決日
- 2023年03月14日
- 公報発行日
- 2023年06月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】LINE株式会社
- 【請求人代理人】伊東 忠重
- 【請求人代理人】伊東 忠彦
- 【請求人代理人】宮崎 修
- 審判長/審判官
- 審判長 稲葉 和生
- 審判官 富澤 哲生
- 審判官 野崎 大進
- 分類
- P18 .121-WZ (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2020- 91820「端末、表示方法及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 9月17日出願公開、特開2020-149718〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成27年12月25日(パリ条約による優先権主張2014年12月31日 韓国)に出願された特願2015-253316号の一部を令和2年5月27日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 3年 5月11日付け:拒絶理由通知書
令和 3年 8月11日 :意見書、手続補正書の提出
令和 3年12月23日付け:拒絶査定
令和 4年 3月31日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提
出
令和 4年 9月28日付け:拒絶理由通知書
令和 4年11月29日 :意見書、手続補正書の提出
第2 本願発明
令和4年11月29日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「地図画像を表示する第1端末であって、
前記第1端末の位置情報を検出する検出部と、
前記第1端末とは異なる第2端末の第2位置に関する情報を受信する通信部と、
前記検出部によって検出された前記第1端末の位置情報および、前記第1端末のユーザによって入力された入力位置情報の少なくとも一方に基づく第1位置と、前記第2端末の位置に関する情報に基づく第2位置とを前記地図画像上に表示する表示部であって、前記表示部は、(i)前記端末のユーザによって入力された第1チャットメッセージを前記第1位置と共に、又は(ii)前記異なる端末のユーザによって入力された第2チャットメッセージを前記第2位置と共に、又は(iii)(i)及び(ii)の両方を、前記地図画像上に表示する、表示部と、
前記検出部によって検出された前記第1端末の位置情報と、前記第1端末のユーザによって入力された入力位置情報との間の第1距離が設定された距離よりも大きい場合、前記第1距離が設定された距離よりも大きいことを示す情報を出力する制御を行う制御部と、を備える。」
第3 拒絶の理由
令和4年9月28日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は、以下のとおりのものである。
本願請求項1,7,13に係る発明は、以下の引用文献1~3に記載された発明に基づいて、本願請求項2~6,8~12に係る発明は、以下の引用文献1~4に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:特開2010-197311号公報
引用文献2:特開2003-75185号公報
引用文献3:特開平4-367890号公報
引用文献4:特表2008-538464号公報
第4 引用文献の記載、引用発明等
1 引用文献1、引用発明
(1)当審拒絶理由にて引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審による。以下同様。)。
「【0011】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。図1は、本発明を適用した実施の一形態であるナビゲーションシステムのシステム構成図を示す。
【0012】
ナビゲーションサービスを受ける各通信端末は、無線通信手段を利用して各基地局と通信することによって通信ネットワークに接続される。ナビゲーションサービスを提供する経路検索サーバ装置、地図情報サーバ装置、交通情報サーバ装置、その他のサーバ装置は通信ネットワークに接続されている。ここで、サービスを提供する側はこのように複数の装置であっても良いし、1つの装置でサービスを提供する形態であっても良い。また、各サーバは全て通信ネットワークで繋がっている必要はなく、ナビゲーションサービスの提供の中心となる装置に繋がって、情報を提供する形態でも良い。
【0013】
地図情報サーバ装置は、各通信端末装置に送信する最新の地図情報を記憶している。経路検索サーバ装置は、各通信端末装置から受信した情報に基づいて、最適経路あるいは複数の推奨経路を算出して、その結果を各通信端末装置に送信する。この計算には地図情報サーバ装置の地図情報、交通情報サーバ装置の交通情報、その他のサーバ装置の情報等を使用する。」
【0014】
各通信端末装置は、後述するように、ナビゲーションサービスを提供する装置から地図情報、ルート検索の結果及び関連情報等を受信することによって、その受信した情報を使用して、自装置でナビゲーション機能を実行する。」
「【0091】
<ナビゲーション機能>
ナビゲーション機能は、自装置の位置情報や進む速度、ジャイロ等の各センサーの出力等を利用して、自動車等の移動装置の運行時に、運転者に対して装置の表示画面上に地図と現在位置などを表示し、さらに現在位置から目的地への走行経路案内を行なう機能である。そして、前述した位置情報や地図情報を使用してナビゲーション機能を実行する。また、ナビゲーション機能を補助する機能として、後述するいろいろな機能があるので、それも合わせて説明する。」
「【0133】
(ルート案内)
次に、ルート検索の結果である推奨ルートのうちの1つを選択すると、ルート案内を開始することができる。ルート案内機能は、目的地までの経路を進むときに、音声や表示画面を使用して進むべき方向をユーザに知らせる機能である。
【0134】
ルート検索機能によって提示されて複数の推奨ルートのうちの1つを選択して経路を設定すると、地図を表示する。その地図上には自装置の位置(スタート位置)と目的地の位置(ゴール位置)にそれぞれのマーク(マークやアイコン等を含む)が表示される。そしてルート案内が開始されると、定期的に自装置の位置情報を取得し、その取得した自装置の位置情報に基づいて地図上に自装置のマークを表示する。また、後述する通信端末同士で自分の位置と相手の位置を表示する技術(多者間地図情報表示機能)も適用できる。
【0135】
また、地図上には経路を示す情報(例えば赤色の太い線)が描画される。また、目的地までの距離あるいは残距離、残り到着時間、到着時刻、地図の縮尺情報(スケール表示)、方位表示マーク、交差点での曲がる方向、日時情報、警告情報等が表示され、適宜更新される。また、通常は2次元の地図情報を表示するが、3次元の地図情報(立体的に描画された地図情報)に表示するように切り替えても良い。また、2次元の地図と3次元の地図を同一画面上に表示しても良い。また、2次元の地図と同様に3次元の地図上に目的地あるいは目的物の位置を示すマークをその位置情報を使用して表示させても良い。」
「【0154】
<プレゼンス機能>
(位置情報を利用したプレゼンス機能)
次に、ナビゲーション機能に使用するプレゼンス機能について説明する。位置情報取得手段によって取得した位置情報に基づいて、装置を使用しているユーザがどのような使用状態なのかを示す状態情報(プレゼンス機能のステータス情報)を決定して、他の装置がその状態情報を取得できるようにするものである。例えば、自装置にあらかじめ所定の位置情報(自宅、会社の位置情報)を登録しておき、自装置が位置情報取得手段によって取得した位置情報が、自宅の位置情報を含む所定の領域内にいる場合には「在宅」というステータスを割り当て、また会社の位置領域内にいる場合には「仕事中」というステータスを割り当て、また自宅でも会社でもない場合には「外出中」というステータスを割り当てる。また、他の実施例で説明した「移動態様」をステータスとすることも可能である。」
「【0160】
(インテリジェントプレゼンス機能)
前述したプレゼンス機能は、通信端末装置にプレゼンスサーバ機能を持たせたものであり、複数の他の装置のプレゼンス情報を表示することも可能である。しかしながら、1つの通信端末装置に複数の他の通信端末装置のプレゼンス情報を表示しようとすると、表示しようとする他の通信端末装置の数だけ、他の装置に対してプレゼンス情報の問い合わせを行う必要があり、その数が増えると通信時間、通信量が増えることになる。また同様に問い合わせを受ける端末においても、問い合わせを受ける回数が増えることにもなる。そこで、そのような不具合を解決するために、プレゼンス機能を提供する専用のプレゼンスサーバ装置を使用する方法を以下で説明する。
【0161】
まず、プレゼンス機能を使用するユーザは通信端末装置を使用して(他の装置、例えばPCからでも良い)、プレゼンスサーバ装置にグループ(例えば家族用、会社用、友達用等)で使用する領域を確保(作成)して、自分の通信端末装置の識別情報をその作成したグループに登録する(複数のグループを作成することができる)。グループへ登録する情報としては、グループ名、自装置の識別情報、名称、ステータスとそのステータスに対応する位置情報(領域情報)、テキストデータ等がある。またその他の登録情報としては、カテゴリー名、キーワード等があり、検索用として使用することができる(もちろん他の登録データも検索の対象とすることができる)。他のユーザもそのグループに装置の識別情報を登録することができる。また、同一グループに同一名称で複数の識別情報(例えば携帯電話とPC)を登録できるようにしても良い。また、プレゼンス機能の設定情報としては、プレゼンス機能を使用するか使用しないかを決める情報(オンオフ情報)を設定することができる。
【0162】
プレゼンスサーバ装置は、登録されている端末装置の位置情報を収集するために、プレゼンス機能をオンにしている端末装置に対して、定期的に(あるいは所定の時刻、所定の間隔)、位置情報を問い合わせ、受信した位置情報をその端末識別情報に関連付けて記憶する。あるいは、位置情報の収集は、端末装置側から定期的にあるいは端末装置の位置が変わってステータスが変化した(端末装置で位置の変化を判断する)ときにサーバ装置に位置情報を送信するようにしても良い。また、装置のステータスに応じて位置情報の収集周期を変化させても良い。例えば「外出中」の場合には、サンプリング周期を短く(あるいは長く)する。」
「【0169】
(インテリジェントナビゲーション)
図16を用いて、インテリジェントプレゼンス機能を使用してナビゲーションを行う方法について説明する。まず、「ナビゲーション機能」を使用して、目的地を設定しナビゲーションを開始する。このとき、自装置の位置情報に基づいてメモリに記憶している地図情報(位置情報に基づいた領域の地図情報)を表示する。次にプレゼンスサーバ装置から他の装置の位置情報を受信する。
【0170】
次に、位置情報に基づいた地図上の位置に、自装置のマークおよび他の装置のマークを表示する。マークはプレゼンス機能で使用しているアイコンでも良い。そして、装置の過去の位置情報に基づいて装置が進んでいる方向を示すマーク(例えば矢印)をそれぞれの装置毎に表示する。また、装置の過去の位置情報に基づいて装置が移動した軌跡を装置毎に地図上に表示するようにしても良い。各装置について、その名称、自装置からの距離、移動速度、自装置から見てどの方角にいるか等の情報(ステータス情報)を表示する(これらのテキストデータは地図情報の表示(地図表示領域)とは区別されたテキスト表示領域に表示するようにしても良い)。また、チャット機能を用意して、チャット内容を装置毎に表示するようにしても良い。」
「【図1】
[図:0001397800000001.jpg]
」
「【図16】
[図:0001397800000002.jpg]
」
(2)上記(1)から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「ナビゲーションサービスを受ける通信端末であって、
通信端末は、自装置でナビゲーション機能を実行し、
ナビゲーション機能は、自装置の位置情報や進む速度、ジャイロ等の各センサーの出力等を利用して、自動車等の移動装置の運行時に、運転者に対して装置の表示画面上に地図と現在位置などを表示し、さらに現在位置から目的地への走行経路案内を行なう機能であり、
ルート案内機能は、目的地までの経路を進むときに、音声や表示画面を使用して進むべき方向をユーザに知らせる機能であり、
ルート案内が開始されると、定期的に自装置の位置情報を取得し、その取得した自装置の位置情報に基づいて地図上に自装置のマークを表示し、
地図上には経路を示す情報(例えば赤色の太い線)が描画され、また、目的地までの距離あるいは残距離、残り到着時間、到着時刻、地図の縮尺情報(スケール表示)、方位表示マーク、交差点での曲がる方向、日時情報、警告情報等が表示され、適宜更新され、
ナビゲーション機能に使用するプレゼンス機能は、位置情報取得手段によって取得した位置情報に基づいて、装置を使用しているユーザがどのような使用状態なのかを示す状態情報(プレゼンス機能のステータス情報)を決定して、他の装置がその状態情報を取得できるようにするものであり、
プレゼンス機能を使用するユーザは通信端末装置を使用して、プレゼンスサーバ装置にグループで使用する領域を確保(作成)して、自分の通信端末装置の識別情報をその作成したグループに登録し、
プレゼンスサーバ装置は、登録されている端末装置の位置情報を収集するために、プレゼンス機能をオンにしている端末装置に対して、定期的に(あるいは所定の時刻、所定の間隔)、位置情報を問い合わせ、受信した位置情報をその端末識別情報に関連付けて記憶し、
「ナビゲーション機能」を使用して、目的地を設定しナビゲーションを開始し、このとき、自装置の位置情報に基づいてメモリに記憶している地図情報(位置情報に基づいた領域の地図情報)を表示し、次にプレゼンスサーバ装置から他の装置の位置情報を受信し、
次に、位置情報に基づいた地図上の位置に、自装置のマークおよび他の装置のマークを表示し、各装置について、その名称、自装置からの距離等の情報(ステータス情報)を表示し、また、チャット機能を用意して、チャット内容を装置毎に表示する、
通信端末。」
2 周知技術
(1)周知技術1
ア 韓国公開特許第10-2013-0100864号公報(以下、「周知例1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。
「
[図:0001397800000003.jpg]
」
(当審訳: [0043]また、第1移動端末と第2移動端末は、実施例として、チャットが可能である。すなわち、第1移動端末(200)は、第1ユーザが入力するメッセージを第2移動端末(210)に送信し、第2移動端末(210)も、第2ユーザが入力するメッセージを第1移動端末(200)に送信することができる。また、第1移動端末及び第2移動端末は、自分の送ったメッセージを地図上で自分の位置に吹き出しで表示することができ、相手の送ったメッセージを地図上で相手の位置に吹き出しで表示することができる。)
「
[図:0001397800000004.jpg]
」
(当審訳: [0087]図9を参照すると、第2移動端末は、クーポン加盟店の位置を目的地とする道案内を行う画面を表示しながら、第1移動端末とのチャット機能も提供する。画面(900)は、道案内のためのコメント表示ウィンドウ(910)、地図表示ウィンドウ、チャットメッセージ作成ウィンドウ(930)を含み得る。地図表示ウィンドウは、第2移動端末の現在位置(901)、クーポン加盟店の位置(902)及び第1移動端末の位置(903)を1つの地図上に表示し得る。チャットメッセージ作成ウィンドウ(930)は、ユーザの選択入力によって第1移動端末に送信するメッセージを作成し得る。
[0088]一方、第2移動端末は、505段階で、自分の現在位置情報を第1移動端末に周期的に送信し得る。そして、第2移動端末は、506段階で、第1移動端末とチャットメッセージを交換し得る。
[0089]第2移動端末は、第1移動端末と少なくとも1つのチャットメッセージを交換する場合、そのチャットメッセージを地図上に吹き出しで表示し得る。
[0090]実施例として、第2移動端末は、そのチャットメッセージが第1移動端末から第2移動端末に受信されたメッセージの場合、そのチャットメッセージの吹き出しをその第1移動端末の位置の周辺に表示し得る。
[0091]また、第2移動端末は、そのチャットメッセージが第2移動端末から第1移動端末に送信されたメッセージの場合、そのチャットメッセージの吹き出しを第2移動端末の位置周辺に表示し得る。例えば、第2移動端末は、画面(900)で吹き出し(920)を第2移動端末(当審注:「第1移動端末」の誤記と認める。)の位置(903)周辺に表示した。
[0092]第1移動端末の場合も同様である。
[0093]図10を参照すると、第1移動端末は、第2移動端末から受信したチャットメッセージを第2移動端末の位置(1003)の周辺の吹き出し(1010)に表示し、自分が第1移動端末で送信したチャットメッセージを第1移動端末の位置(1001)の周辺の吹き出し(1020)に表示し得る。)
(図9)「
[図:0001397800000005.jpg]
」
(当審訳:
第2移動端末の画面
(910の上) 戻る 道路道案内
(910) 13m先GS25で左折してください。
(920) もうすぐです。先に入ってます~
(930) あなたはどのくらいかかる? 送信)
(図10)「
[図:0001397800000006.jpg]
」
(当審訳:
第1移動端末の画面
(1040) 戻る 友達の位置を見る
(1010) あなたはどのくらいかかる?
(1020) もうすぐです。先に入ってます~
(1030) 5分で着きます~ 送信)
イ 米国特許出願公開第2013/0326366号明細書には、図面とともに次の事項が記載されている。
「[0051]As shown in FIG. 1, the user terminal apparatus 100 according to an exemplary embodiment includes a display 110, a communicator 120, and a controller 130.]
(当審訳: [0051]図1に示すように、実施形態に係るユーザ端末装置100は、表示部110、通信部120、及び制御部130を含む。)
「[0055]According to an exemplary embodiment, information indicating where the user terminal apparatus 100 and other terminal apparatuses are currently located may be displayed on the map displayed on the display panel as shown in FIG. 3.」
(当審訳: [0055]例示的な実施形態によれば、図3に示すように、表示パネルに表示される地図には、ユーザ端末装置100や他の端末装置が現在どこに位置しているかを示す情報が表示されてもよい。)
「[0058]The communicator 120 communicates with an external apparatus. More specifically, the communicator 120 may transmit a message to a server 300 or one other user terminal apparatus 200, or may receive a message from the server 300 or one other user terminal apparatus 200.」
(当審訳: [0058]通信部120は、外部の装置と通信する。より具体的には、通信部120は、サーバ300または1つの他のユーザ端末装置200にメッセージを送信することができ、サーバ300または1つの他のユーザ端末装置200からメッセージを受信することができる。)
「[0062]In particular, when a message is received, the controller 130 may control the display 110 to display the received message on a region corresponding to a location of one other user terminal apparatus 200 on the map.」
(当審訳: [0062]特に、メッセージが受信されると、制御部130は、地図上の1つの他のユーザ端末装置200の位置に対応する領域に受信したメッセージを表示するようにディスプレイ部110を制御することができる。)
「[0068]However, a location identifier may also be displayed to indicate that the message arises from that point on the map. As a result, the message may be displayed in a speech bubble form as shown in FIG. 3.」
(当審訳: [0068]しかし、位置識別子もまた、メッセージが地図上のその位置から生じることを示すために、表示されてもよい。その結果、図3に示すように、メッセージが吹き出しの形で表示されてもよい。)
(図3)「
[図:0001397800000007.jpg]
」
(図11)「
[図:0001397800000008.jpg]
」
(当審訳: 図11
[図:0001397800000009.jpg]
)
ウ 上記ア、イの記載は、いずれも、
「第1端末のユーザによって入力された第1チャットメッセージを第1端末の第1位置と共に地図画像上に表示し、前記第1端末とは異なる第2端末のユーザによって入力された第2チャットメッセージを第2端末の第2位置と共に前記地図画像上に表示すること」
との技術的事項を開示しているといえるものであり、当該技術的事項は周知技術(以下、「周知技術1」という。)である。
(1)周知技術2
ア 当審拒絶理由にて引用された引用文献2は、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0014】(c)第1実施例の処理
図3は第1実施例の矢印案内情報の取得/表示処理フロー、図4は本発明の第1実施例の表示例である。ナビゲーション制御装置11は、携帯電話機8を用いて情報センター6に対して自車位置、目的地特定情報(例えば目的施設の電話番号)を提示し、目的地までの矢印案内情報を要求する。これにより、情報センター6は目的地までの矢印案内情報を作成してナビゲーション制御装置11にダウンロードする(ステップ101)。ナビゲーション制御装置11はダウンロードされた矢印案内情報を記憶すると共に、最初の交差点についての矢印案内描画データを作成し、図4(a)に示すように矢印案内画像をディスプレイユニット12に表示する(ステップ102)。なお、ナビゲーション制御装置11は、車両が交差点に設定距離まで接近すれば、交差点案内(交差点までの距離、交差点における左折/右折/直進方向など)を音声でスピーカ14より行なう。交差点までの距離は車両の現在位置(経緯度)と交差点位置(経緯度)を用いて計算することができる。
【0015】以後、矢印案内を継続しながら最後の交差点を通過したか監視し(ステップ103)、通過しなければ矢印案内を継続する。最後の交差点を通過すれば、目的地までの距離が設定距離より大きいかチェックし(ステップ104)、大きければ図4(b)の矢印案内画像を表示する。図4(b)の矢印案内では、目的地までの距離、道路名などを表示する。ステップ104において、目的地までの距離が設定距離以下になれば、目的地までの残距離描画データを作成し、図4(c)に示すように残距離案内画像を表示する。なお、ステップ103を省略し、最後の交差点を通過すれば、直ちに図4(c)の残距離案内画像を表示するように構成することもできる。」
「【図4】
[図:0001397800000010.jpg]
」
イ 上記アから、引用文献2には次の事項が記載されていると認められる。
「情報センター6が目的地までの矢印案内情報を作成してナビゲーション制御装置11にダウンロードし、ナビゲーション制御装置11はダウンロードされた矢印案内情報を記憶すると共に、最初の交差点についての矢印案内描画データを作成し、矢印案内画像をディスプレイユニット12に表示し、
以後、矢印案内を継続しながら最後の交差点を通過したか監視し、最後の交差点を通過すれば、目的地までの距離が設定距離より大きいかチェックし、大きければ矢印案内画像を表示し、目的地までの距離が設定距離以下になれば、目的地までの残距離描画データを作成し、残距離案内画像を表示する、
ナビゲーション制御装置11。」
ウ 当審拒絶理由にて引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記問題点を解決するために宅地ナビゲーション装置に距離計算部、距離判断部および表示中心切り換え部を設ける。距離計算部は、車両の現在位置Aと目的地乙との間の距離Lを計算する。距離判断部は、前記距離Lを所定距離L0と比較して大小を判断する。
【0008】表示中心切り換え部は、前記距離Lが所定距離L0よりも大きいときには車両の現在位置Aを中心に地図に表示せしめ、前記距離Lが所定距離L0よりも小さいときには車両の目的地乙を中心に地図に表示せしめる。」
エ 上記ウから、引用文献3には次の事項が記載されていると認められる。
「距離計算部、距離判断部および表示中心切り換え部を設け、距離計算部は、車両の現在位置Aと目的地乙との間の距離Lを計算し、距離判断部は、前記距離Lを所定距離L0と比較して大小を判断し、
表示中心切り換え部は、前記距離Lが所定距離L0よりも大きいときには車両の現在位置Aを中心に地図に表示せしめ、前記距離Lが所定距離L0よりも小さいときには車両の目的地乙を中心に地図に表示せしめる、
宅地ナビゲーション装置。」
オ 上記イの引用文献2の記載事項における「矢印案内画像」、上記エの引用文献3の記載事項における「車両の現在位置Aを中心に地図に表示」した状態は、いずれも、ナビゲーションにおいて、現在位置と目的地との間の距離が設定された距離よりも大きい場合、前記距離が設定された距離よりも大きいことを示す情報として出力されるといえるものであり、このように、
「ナビゲーションにおいて、現在位置と目的地との間の距離が設定された距離よりも大きい場合、前記距離が設定された距離よりも大きいことを示す情報を出力すること」
は周知技術(以下、「周知技術2」という。)である。
第5 対比
1 本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明の「通信端末」は、「ナビゲーション機能」において「装置の表示画面上」に「地図」を「表示する」から、本願発明の「地図画像を表示する第1端末」に相当する。
(2)引用発明の「通信端末」は、「ナビゲーション機能」において「運転者に対して装置の表示画面上に地図と現在位置などを表示」し、「ルート案内機能」において「定期的に自装置の位置情報を取得し、その取得した自装置の位置情報に基づいて地図上に自装置のマークを表示」するものであり、また、「ナビゲーション機能に使用するプレゼンス機能」において「位置情報取得手段によって」「位置情報」を「取得する」ものである。
ここで、「位置情報取得手段」が、「現在位置」として「自装置の位置情報を取得」することは明らかであり、当然、「通信端末」自身(「自装置」)が備えるものであって、本願発明の「位置情報を検出する検出部」に相当する。
この点について、上記(1)を踏まえると、引用発明の「通信端末」は、本願発明の
「前記第1端末の位置情報を検出する検出部」
に相当する構成を備えるものである。
(3)引用発明の「通信端末」は、「プレゼンスサーバ装置から他の装置の位置情報を受信」するから、「他の装置の位置情報」を通信により「受信」する手段を備えており、ここで、「他の装置」、「他の装置の位置情報」、「受信」する手段は、それぞれ、本願発明の「前記第1端末とは異なる第2端末」、「第2端末の第2位置に関する情報」、「通信部」に相当する。
この点について、上記(1)を踏まえると、引用発明の「通信端末」は、本願発明の
「前記第1端末とは異なる第2端末の第2位置に関する情報を受信する通信部」
に相当する構成を備えるものである。
(4)引用発明の「通信端末」は、「目的地までの経路を進むときに、音声や表示画面を使用して進むべき方向をユーザに知らせる機能」である「ルート案内機能」において、「定期的に自装置の位置情報を取得し、その取得した自装置の位置情報に基づいて地図上に自装置のマークを表示」するものであるとともに、「プレゼンスサーバ装置から他の装置の位置情報を受信し、次に、位置情報に基づいた地図上の位置に、自装置のマークおよび他の装置のマークを表示する」ものであるから、「表示画面」に、「取得」された「自装置の位置情報」に基づく位置と、「目的地」の位置と、「他の装置」の位置とを表示するものである。
ここで、「目的地」が、「通信端末」において「ユーザ」自身によって入力可能であることは、ナビゲーション装置の技術常識から明らかであり、その場合の「目的地」の位置は、「通信端末」の「ユーザ」によって入力された入力位置情報に基づくものであるといえる。
そして、引用発明における「自装置の位置情報」に基づく位置および、「目的地」の位置の少なくとも一方は、本願発明の「第1位置」に相当し、引用発明の「表示画面」は、本願発明の「表示部」に相当する。
また、引用発明の「他の装置」の位置は、上記(3)を踏まえると、本願発明の「前記第2端末の位置に関する情報に基づく第2位置」に相当する。
以上のことについて、上記(2)を踏まえると、引用発明の「通信端末」は、本願発明の
「前記検出部によって検出された前記第1端末の位置情報および、前記第1端末のユーザによって入力された入力位置情報の少なくとも一方に基づく第1位置と、前記第2端末の位置に関する情報に基づく第2位置とを前記地図画像上に表示する表示部」
に相当する構成を備えるものである。
(5)引用発明の「チャット機能を用意して、チャット内容を装置毎に表示する」ことは、引用文献1の図16から見て取れる事項にも照らすと、上記(4)で述べた、引用発明の「表示画面」が「自装置の位置情報」に基づく位置等を表示するのと同じ「表示画面」でなされるものである。
そして、引用発明の「チャット内容」は、本願発明の「第1チャットメッセージ」又は「第2チャットメッセージ」に相当する。
以上のことについて、上記(4)を踏まえると、引用発明の「表示画面」が「チャット内容」を表示することと、本願発明の「前記表示部は、(i)前記端末のユーザによって入力された第1チャットメッセージを前記第1位置と共に、又は(ii)前記異なる端末のユーザによって入力された第2チャットメッセージを前記第2位置と共に、又は(iii)(i)及び(ii)の両方を、前記地図画像上に表示する」こととは、「前記表示部は、チャットメッセージを表示する」ことである点で共通する。
(6)引用発明の「通信端末」は、「ルート案内機能」において「目的地までの距離あるいは残距離」が「表示され」るから、「残距離」に関する情報を出力する制御を行う手段を備えるといえる。
また、ここで、「残距離」は、「現在位置」と「目的地」との間の距離であることが明らかである。
そして、本願発明の「残距離」は、上記(2)、(4)を踏まえると、本願発明の「前記検出部によって検出された前記第1端末の位置情報と、前記第1端末のユーザによって入力された入力位置情報との間の第1距離」に相当する。
また、引用発明における「残距離」に関する情報を出力する制御を行う手段と、本願発明の
「前記検出部によって検出された前記第1端末の位置情報と、前記第1端末のユーザによって入力された入力位置情報との間の第1距離が設定された距離よりも大きい場合、前記第1距離が設定された距離よりも大きいことを示す情報を出力する制御を行う制御部」
とは、
「前記検出部によって検出された前記第1端末の位置情報と、前記第1端末のユーザによって入力された入力位置情報との間の第1距離に関する情報を出力する制御を行う制御部」
である点で共通する。
2 上記1から、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致する。
(一致点)
「地図画像を表示する第1端末であって、
前記第1端末の位置情報を検出する検出部と、
前記第1端末とは異なる第2端末の第2位置に関する情報を受信する通信部と、
前記検出部によって検出された前記第1端末の位置情報および、前記第1端末のユーザによって入力された入力位置情報の少なくとも一方に基づく第1位置と、前記第2端末の位置に関する情報に基づく第2位置とを前記地図画像上に表示する表示部であって、前記表示部は、チャットメッセージを表示する、表示部と、
前記検出部によって検出された前記第1端末の位置情報と、前記第1端末のユーザによって入力された入力位置情報との間の第1距離に関する情報を出力する制御を行う制御部と、
を備える。」
3 また、本願発明と引用発明とは、以下の点で相違する。
(相違点1)
本願発明の「表示部」は、「(i)前記端末のユーザによって入力された第1チャットメッセージを前記第1位置と共に、又は(ii)前記異なる端末のユーザによって入力された第2チャットメッセージを前記第2位置と共に、又は(iii)(i)及び(ii)の両方を、前記地図画像上に表示する」のに対して、引用発明の「表示画面」は「チャット内容を装置毎に表示する」ものの、本願発明のような態様で表示するものではない点。
(相違点2)
「第1距離に関する情報」が、本願発明では、「第1距離が設定された距離よりも大きい場合、前記第1距離が設定された距離よりも大きいことを示す情報」であるのに対して、引用発明では、「残距離」、すなわち、「第1距離」そのものである点。
第6 当審の判断
以下、相違点1,2について検討する。
1 相違点1について
上記第4の2(1)ウのとおり、「第1端末のユーザによって入力された第1チャットメッセージを第1端末の第1位置と共に地図画像上に表示し、前記第1端末とは異なる第2端末のユーザによって入力された第2チャットメッセージを第2端末の第2位置と共に前記地図画像上に表示すること」は周知技術(周知技術1)であり、引用発明において、「チャット内容を装置毎に表示する」態様は、表示画面サイズや見やすさ等を考慮して最適化すべきものであるから、引用発明に周知技術1を適用して、「位置情報に基づいた地図上の位置に、自装置のマークおよび他の装置のマークを表示」するとともに、「装置毎」の「チャット内容」を「地図上」に表示することは、当業者が容易に想到し得ることである。
そして、その場合に、「自装置」、「他の装置」のいずれか一方のみの「チャット内容」が表示されることや、両方の「チャット内容」が表示されることは、周知例1の図9、図10からも明らかなように当然に想定されるから、相違点1に係る「(i)」ないし「(iii)」のいずれかの表示がなされるものとなることは自明である。
2 相違点2について
上記第4の2(2)オのとおり、「ナビゲーションにおいて、現在位置と目的地との間の距離が設定された距離よりも大きい場合、前記距離が設定された距離よりも大きいことを示す情報を出力すること」は周知技術(周知技術2)であり、一方、ナビゲーションにおいてユーザに有益な情報を伝えることは一般的な技術課題であるから、引用発明に周知技術2を適用して、相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。
3 作用効果について
本願発明の作用効果は、引用発明及び周知技術(周知技術1,2)から当業者が容易に予測し得る程度のものにすぎない。
4 小括
よって、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-004708