2022-004380
遊技機
- 審判番号
- 2022-004380
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-103090外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年03月24日
- 審決日
- 2023年05月30日
- 公報発行日
- 2023年08月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】京楽産業.株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人エビス国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
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本願は、令和1年5月31日の出願であって、令和3年2月26日付けで拒絶理由の通知がされ、これに対して同年4月30日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年7月8日付けで拒絶理由の通知(最後)がされ、これに対して同年9月9日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年12月16日付けで令和3年9月9日の手続補正について補正の却下の決定がされるとともに同日付けで拒絶の査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対して令和4年3月24日に拒絶査定不服審判の請求がされ、その審判の請求と同時に手続補正がされたものである。
第2 令和4年3月24日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年3月24日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。符号A等は、分説するために合議体が付した。)
「【請求項1】A 遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機において、B 始動領域への遊技球の入球に基づき判定情報を取得する取得手段と、C 前記判定情報に基づき前記特別遊技を実行するか否かを判定する判定手段と、続きを表示(全26行)D 前記判定の結果に応じた変動演出を実行する演出制御手段と、を備え、E 前記演出制御手段は、E1 演出図柄の変動表示を伴って前記変動演出を実行し、当該変動表示の開始から所定時間が経過した後に前記判定の結果を示す態様で前記演出図柄を仮停止表示させた後に停止表示させることが可能であって、E2 前記変動表示の実行中に所定の獲得条件が成立した場合と、前記仮停止表示の実行中に前記所定の獲得条件が成立した場合と、前記停止表示の実行中に前記所定の獲得条件が成立した場合とにおいて前記特別遊技が実行される可能性を示唆する遊技特典を獲得することが可能な獲得演出と、E3 当該獲得が行われた後に所定の放出条件が成立すると獲得した前記遊技特典を放出する放出演出と、E4 当該放出演出により放出した前記遊技特典に応じた所定演出と、を実行可能であり、E5 前記遊技特典のうち所定の遊技特典において、前記獲得演出の実行後から前記放出演出の実行までの間、前記所定演出の内容を明確に報知することがなく、E6 前記獲得した遊技特典を前記放出演出で放出せずに前記特別遊技を実行することが可能であり、E7 当該特別遊技が終了した後に前記放出しなかった遊技特典を放出可能であるF 遊技機。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和3年4月30日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】A 遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機において、B 始動領域への遊技球の入球に基づき判定情報を取得する取得手段と、C 前記判定情報に基づき前記特別遊技を実行するか否かを判定する判定手続きを表示(全25行)段と、D 前記判定の結果に応じた変動演出を実行する演出制御手段と、を備え、E 前記演出制御手段は、E1’演出図柄の変動表示を伴って前記変動演出を実行し、当該変動表示の開始から所定時間が経過した後に前記判定の結果を示す態様で前記演出図柄を停止表示させ、E2’前記変動表示の実行中に所定の獲得条件が成立した場合と、前記停止表示の実行中に前記所定の獲得条件が成立した場合とにおいて遊技特典を獲得する獲得演出と、E3 当該獲得が行われた後に所定の放出条件が成立すると獲得した前記遊技特典を放出する放出演出と、E4 当該放出演出により放出した前記遊技特典に応じた所定演出と、を実行可能であり、E5 前記遊技特典のうち所定の遊技特典において、前記獲得演出の実行後から前記放出演出の実行までの間、前記所定演出の内容を明確に報知することがなく、E6 前記獲得した遊技特典を前記放出演出で放出せずに前記特別遊技を実行することが可能であり、E7 当該特別遊技が終了した後に前記放出しなかった遊技特典を放出可能であるF 遊技機。」
2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「当該変動表示の開始から所定時間が経過した後に前記判定の結果を示す態様で」「停止表示させ」る「前記演出図柄」について、「仮停止表示させた後に」停止表示させ「ることが可能であ」ることを特定し(構成E1)、「獲得演出」で「獲得する」「遊技特典」が、「前記特別遊技が実行される可能性を示唆する」ものであり、「前記仮停止表示の実行中に前記所定の獲得条件が成立した場合」に「特典遊技を獲得する」「ことが可能」であることを特定する(構成E2)ものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、本件補正は、構成E1に関し、出願当初の明細書(以下「当初明細書」という。)の段落【0167】、【0859】、図78等の記載、構成E3に関し、当初明細書の段落【0831】の記載に基づくものといえ、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、本件補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしている。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明の認定
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
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ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2017-189418号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は、合議体が付した。)。
a「【0016】
図2は、遊技機100の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
・・・
【0054】
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口128が開放されるとともに当該大入賞口128への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
【0055】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
・・・
【0071】
以上のように、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合には、まず、図6に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定される。そして、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、図7に示すハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
【0072】
一方、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、決定された大当たり図柄(特別図柄の種別)、大当たり当選時の遊技状態等に応じ、図7に示す大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。
・・・
【0074】
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0~238の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得される。そして、上記の変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、図示のように変動パターン番号が決定される。
【0075】
このように、大役抽選が行われると、大役抽選結果、決定された図柄種別、遊技状態、保留数、保留種別等に応じて、変動モード番号、変動パターン番号が決定される。これら変動モード番号、変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するものであり、そのそれぞれに、変動演出の態様および時間が対応付けられている。なお、以下では、変動モード番号および変動パターン番号を総称して変動情報と呼ぶ場合がある。」
b「【0374】
(演出図柄の説明)
図44は、演出図柄210a、210b、210cを説明する図である。上記したように、主制御基板300では、大役抽選が行われると、変動モード番号および変動パターン番号が決定され、変動コマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330では、受信した変動コマンドに基づいて変動演出の実行パターンを決定するとともに、決定した実行パターンで変動演出を実行制御する。
【0375】
変動演出の実行パターンは多数設けられているが、いずれも、演出表示部200aに、3つの図柄構成群210A、210B、210Cが変動表示された後に、いずれかの演出図柄210a、210b、210cが演出表示部200aに停止表示され、演出表示部200aにおける演出図柄210a、210b、210cの最終的な停止表示態様によって、大役抽選の結果が報知される点で共通している。」
c「【0429】
図54は、獲得演出の一例を説明する図であり、図55は、権利使用演出を説明する図である。本実施形態の特殊演出は、獲得演出と権利使用演出とを含んで構成される。特殊演出の実行が決定されると、変動演出の開始直後、あるいは、変動演出の開始から所定時間(例えば10秒程度)が経過したところで、まず、獲得演出が実行される。獲得演出は、導入パート、メインパート、報知パートに大別される。獲得演出が実行されると、まず、導入パート用の演出として、図54(a)に示すように、演出表示部200aに「カラーストックチャンス」と表示された後、図54(b)に示すように「ボタンを押してSTOCKをゲットしろ」と表示される。つまり、導入パートは、獲得演出の内容を説明するパートとなっている。
【0430】
上記のようにして導入パート用の演出が実行されると、続いてメインパート用の演出が実行される。メインパートでは、ボタン演出が4回繰り返して行われる。このボタン演出は、成功パターンと失敗パターンの2種類が設けられており、4回のボタン演出のうち、少なくとも2回が成功パターンとなる。具体的には、ボタン演出では、図54(c)に示すように、演出表示部200aの中央に「STOCK」と表示されるとともに、演出ボタン208の押下操作を促す画像が表示される。また、このとき、演出表示部200aの右上には「あと4回」と表示され、ボタン演出の残りの回数、すなわち、演出ボタン208の残りの押下可能回数が報知される。
【0431】
そして、ボタン演出の開始と同時に、演出ボタン208の操作を有効とみなす操作有効期間が設定される。ここで、ボタン演出が成功パターンであれば、操作有効期間中に演出ボタン208の操作が検出されるか、もしくは、演出ボタン208の操作が検出されることなく操作有効期間が終了したところで、図54(d)に示すように、「STOCK」の文字に重ねて、「GET」の文字が表示される。これにより、1回目のボタン演出が終了となり、続けて2回目のボタン演出が実行される。
【0432】
なお、ここでは、2回目のボタン演出も成功パターンであったとする。したがって、2回目のボタン演出においても、1回目のボタン演出と同様、図54(e)、(f)に示すように、「STOCK」の文字に重ねて、「GET」の文字が表示されることとなる。
【0433】
また、ここでは、3回目のボタン演出が失敗パターンであったとする。この失敗パターンにおいても、成功パターンと同様、図54(g)に示すように、演出表示部200aの中央に「STOCK」と表示されるとともに、演出ボタン208の押下操作を促す画像が表示される。そして、操作有効期間中に演出ボタン208の操作が検出されるか、もしくは、演出ボタン208の操作が検出されることなく操作有効期間が終了したところで、図54(h)に示すように、演出表示部200aに「失敗」と表示される。
【0434】
なお、図示は省略するが、ここでは、3回目のボタン演出に続いて、4回目のボタン演出が成功パターンで実行されたとする。このようにして、ボタン演出が4回実行されると、メインパートが終了となり、続いて報知パート用の演出が実行される。この報知パートでは、メインパートにおけるボタン演出の成功回数、すなわち、「STOCK」の獲得数が遊技者に報知される。ここでは、メインパートで「STOCK」を3個獲得したため、図54(i)に示すように、演出表示部200aに「STOCK×3 GET」と表示される。このように、獲得演出では、「STOCK」を必ず2~4個獲得することができ、その獲得数が報知されたところで、当該獲得演出が終了となる。
【0435】
そして、獲得演出が終了すると、演出表示部200aには、獲得演出の開始前と同様の背景画像が表示されるとともに、演出図柄210a、210b、210cが通常どおりに変動表示される。このとき、図54(j)に示すように、演出表示部200aの上部には、獲得演出における「STOCK」の獲得数と同数のストックアイコン212(ここでは212a、212b、212cで示す)が表示される。
【0436】
ここで、ストックアイコン212は、色情報を示す5種類の表示パターンと、色情報を不明とした1つの表示パターンとからなる、合計6種類の表示パターンが設けられている。具体的には、ストックアイコン212は、青色を示す「BLUE STOCK」、緑色を示す「GREEN STOCK」、赤色を示す「RED STOCK」、金色を示す「GOLD STOCK」、虎柄を示す「TIGER STOCK」の5種類の色情報を示す表示パターンを備えている。また、色情報を不明としたストックアイコン212は、「??? STOCK」と表示される。この色情報を不明としたストックアイコン212は、演出表示部200aに白色で表示され、その他のストックアイコン212は、表示される文字の色で演出表示部200aに表示される。
【0437】
そして、獲得演出の終了後は、通常の変動演出と同様に、所定のタイミングで各要素演出が実行される。このとき、獲得演出、より詳細には、ボタン演出は、変動演出中に実行されるいずれかの要素演出を対象として実行されており、獲得演出の終了後であって、対象の要素演出の開始前に、権利使用演出が実行される。例えば、獲得演出の対象の要素演出として、演出図柄210a、210b、210cの1回目の変動表示中に実行される会話予告が決定されていたとする。
【0438】
この場合には、対象の要素演出の開始2秒前に、図55(a)に示すように、権利使用演出が実行される。ここでは、3つのストックアイコン212のうち、もっとも左側に表示されているストックアイコン212aが、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示される。このようにして権利使用演出が実行された直後に、図55(b)に示すように、対象の要素演出である会話予告が実行される。このとき、図55(a)に示すように、ストックアイコン212aは、緑色の色情報を有しているため、図55(b)に示すように、会話予告は、吹き出しの色が緑色となっている。つまり、会話予告の実行パターンは、権利使用演出で放出されたストックアイコン212aの色情報を有する実行パターンとなっている。
【0439】
そして、実行される変動演出が擬似連続リーチ変動パターンであった場合には、図55(c)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが擬似態様となり、その後、2回目の変動表示が行われる。そして、獲得演出の対象の要素演出として、演出図柄210a、210b、210cの2回目の変動表示中の会話予告が決定されていたとする。この場合には、対象の要素演出の開始2秒前に、図55(d)に示すように、権利使用演出が実行される。ここでは、残りの2つのストックアイコン212のうち、もっとも左側に表示されているストックアイコン212bが、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示される。
【0440】
このようにして権利使用演出が実行された直後に、図55(e)に示すように、対象の要素演出である会話予告が実行される。このとき、図55(d)に示すように、ストックアイコン212bは、赤色の色情報を有しているため、図55(e)に示すように、会話予告は、吹き出しの色が赤色(図中クロスハッチングで示す)となっている。
【0441】
その後、図55(f)~(h)に示すように、演出図柄210a、210b、210cがリーチ態様となり、リーチ発展演出が実行されたとする。この間も、演出表示部200aの上部には、残りの1つのストックアイコン212が表示されたままとなっている。そして、獲得演出の対象の要素演出として、リーチ発展演出中のカットイン予告が決定されていたとする。この場合には、対象の要素演出の開始2秒前に、図55(i)に示すように、権利使用演出が実行される。ここでは、残りの1つのストックアイコン212cが、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示される。
【0442】
このようにして権利使用演出が実行された直後に、図55(j)に示すように、対象の要素演出であるカットイン予告が実行される。このとき、図55(i)に示すように、ストックアイコン212cは、赤色の色情報を有しているため、図55(j)に示すように、カットイン予告は、背景の色が赤色(図中クロスハッチングで示す)となっている。
【0443】
以上のように、獲得演出で獲得したストックアイコン212が全て権利使用演出で放出されるとともに、獲得演出の対象に決定された全ての要素演出が終了したところで、特殊演出が終了となる。このようにして特殊演出が終了した後も、特殊演出が実行されない場合と同様に変動演出が実行されることとなる。
【0444】
上記の特殊演出によれば、予告演出をはじめとする要素演出が、当該変動演出中に実行されることを、遊技者に事前に報知する。このとき、当該変動演出中に実行される要素演出の最低回数が遊技者に報知されるものの、いずれの要素演出が実行されるのかは特定されない。したがって、特殊演出の実行により、各要素演出に対する遊技者の意識を継続的に高めることが可能となる。
【0445】
なお、本実施形態では、色を異にする複数の実行パターンを有する全ての要素演出において、デフォルト→青→緑→赤→金→虎の順で大当たりの信頼度が高くなるように、選択比率の設定がなされている。つまり、色と信頼度との関係は、全ての要素演出で共通化されている。
【0446】
そして、ストックアイコン212は色情報を有しており、対象の要素演出は、ストックアイコン212が有する色情報と同じか、もしくは、ストックアイコン212が有する色情報よりも信頼度の高い色の実行パターンで必ず実行される。このように、対象の要素演出がいずれであるのかを不明としつつも、大当たりの信頼度を事前に示唆することにより、遊技者に継続して期待感を付与することができる。」
d「【図54】
[図:0001399978000001.jpg]
【図55】
[図:0001399978000002.jpg]
」
(イ)上記記載から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる(符号a等は、符号A等に概ね対応させて合議体が付した。)。
「abc 遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられており(【0016】)、遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(大役抽選)が行われ、この大役抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口128が開放されるとともに当該大入賞口128への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され(【0054】)、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大当たり決定乱数が取得され(【0055】)、d 大役抽選結果が「ハズレ」であった場合には、リーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定され、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定され(【0071】)、一方、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、決定された大当たり図柄(特別図柄の種別)、大当たり当選時の遊技状態等に応じ、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定され(【0072】)、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、1つの変動パターン乱数が取得され、上記の変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号が決定され(【0074】)、これら変動モード番号、変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するものであり、そのそれぞれに、変動演出の態様および時間が対応付けられており(【0075】)、続きを表示(全14行)e 主制御基板300では、大役抽選が行われると、変動モード番号および変動パターン番号が決定され、変動コマンドが副制御基板330に送信され、副制御基板330では、受信した変動コマンドに基づいて変動演出の実行パターンを決定するとともに、決定した実行パターンで変動演出を実行制御され(【0374】)、e1 変動演出の実行パターンは、演出表示部200aに、3つの図柄構成群210A、210B、210Cが変動表示された後に、いずれかの演出図柄210a、210b、210cが停止表示され、演出表示部200aにおける演出図柄210a、210b、210cの最終的な停止表示態様によって、大役抽選の結果が報知され(【0375】)、e2 特殊演出は、獲得演出と権利使用演出とを含んで構成され、特殊演出の実行が決定されると、変動演出の開始直後、あるいは、変動演出の開始から所定時間(例えば10秒程度)が経過したところで、まず、獲得演出が実行され、獲得演出は、導入パート、メインパート、報知パートに大別され、獲得演出が実行されると、まず、導入パート用の演出として、演出表示部200aに「カラーストックチャンス」と表示された後、「ボタンを押してSTOCKをゲットしろ」と表示され(【0429】)、導入パート用の演出が実行されると、続いてメインパート用の演出が実行され、メインパートでは、ボタン演出が4回繰り返して行われ、ボタン演出は、成功パターンと失敗パターンの2種類が設けられ、ボタン演出では、演出表示部200aの中央に「STOCK」と表示されるとともに、演出ボタン208の押下操作を促す画像が表示され(【0430】)、ボタン演出の開始と同時に、演出ボタン208の操作を有効とみなす操作有効期間が設定され、ボタン演出が成功パターンであれば、操作有効期間中に演出ボタン208の操作が検出されるか、もしくは、演出ボタン208の操作が検出されることなく操作有効期間が終了したところで、「STOCK」の文字に重ねて、「GET」の文字が表示され(【0431】)、ボタン演出が4回実行されると、メインパートが終了となり、続いて報知パート用の演出が実行され、報知パートでは、メインパートにおけるボタン演出の成功回数、すなわち、「STOCK」の獲得数が遊技者に報知され(【0434】)、獲得演出が終了すると、演出表示部200aには、獲得演出の開始前と同様の背景画像が表示されるとともに、演出図柄210a、210b、210cが通常どおりに変動表示され、このとき、演出表示部200aの上部には、獲得演出における「STOCK」の獲得数と同数のストックアイコン212が表示され(【0435】)、e3e4 獲得演出は、変動演出中に実行されるいずれかの要素演出を対象として実行されており、獲得演出の終了後であって(【0437】)、対象の要素演出の開始2秒前に、権利使用演出が実行され、3つのストックアイコン212のうち、もっとも左側に表示されているストックアイコン212aが、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示され、このようにして権利使用演出が実行された直後に、対象の要素演出である会話予告が実行され、このとき、ストックアイコン212aは、緑色の色情報を有しているため、会話予告は、吹き出しの色が緑色となっており(【0438】)、獲得演出の対象の要素演出として、リーチ発展演出中のカットイン予告が決定されていたとすると、対象の要素演出の開始2秒前に、権利使用演出が実行され、ここでは、残りの1つのストックアイコン212cが、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示され(【0441】)、このようにして権利使用演出が実行された直後に、対象の要素演出であるカットイン予告が実行され、このとき、ストックアイコン212cは、赤色の色情報を有しているため、カットイン予告は、背景の色が赤色となっており(【0442】)、e5 ストックアイコン212は色情報を有しており、対象の要素演出は、ストックアイコン212が有する色情報と同じか、もしくは、ストックアイコン212が有する色情報よりも信頼度の高い色の実行パターンで必ず実行され、対象の要素演出がいずれであるのかを不明としつつも、大当たりの信頼度を事前に示唆することにより、遊技者に期待感を付与することができる(【0446】)、f 遊技機100(【0016】)。」
イ 引用文献2
原査定に引用され、本願の出願日前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-200432号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。
「【0135】特別抽選演出処理では、演出制御手段300は、第1特別図柄あるいは第2特別図柄の変動表示および停止表示に合わせるように特別変動演出を演出装置176に実行させる。本実施形態では演出制御手段300は、図9に示すように、液晶ディスプレイ32の中央部において「1」から「8」までの8種類の数字画像を3カ所で循環的に変動させることにより特別図柄画像404を変動表示させ、第1当否決定処理あるいは第2当否決定処理において大当たりの当選フラグがON状態にされたか否かに応じた態様で3つの数字画像を停止表示させることにより特別図柄画像404を停止表示させるとともに、液晶ディスプレイ32においてキャラクタ画像を動作させたり背景画像を変化させたりする変動演出画像を表示させることにより、特別変動演出を液晶ディスプレイ32において実行する。」
「【0171】ここで本実施形態では、例えば通常リーチ演出2と特定リーチ演出2のように、同一の数字が付されたリーチ演出は、特別図柄画像404が停止表示される前までは同一の演出が実行されるように演出データが構成されているが、各特定リーチ演出では、図21(A)に示すように、特別図柄画像404がリーチハズレ状態で停止表示されると、図21(B)に示すように、「寿」アイテムを獲得したことを示す演出画像が表示されるように演出データが構成されている一方で、各通常リーチ演出では、特別図柄画像404がリーチハズレ状態で停止表示されても、あるいは特別図柄画像404が大当たり状態で停止表示されても、「寿」アイテムを獲得したことを示す演出画像は表示されないように演出データが構成されている。従って本実施形態では、いずれの通常リーチ演出あるいは特定リーチ演出が実行されても、特別図柄画像404が停止表示されるまで大当たりが当選したか否か、および「寿」アイテムが獲得できるか否かを遊技者が判別することができないようになっている。」
「【図21】[図:0001399978000003.jpg]」
ウ 引用文献3
原査定に引用され、本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特許第6459452号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。
「【0170】そして、ルーレットでの失敗(或いはメッセージ内容に対する失敗)を経て「次の段階の弱リーチ」に進展する場合には、例えば、図13(e)に示すように、メイン液晶160における「一」図柄のリーチ表示が消去され、サブ液晶161がメイン液晶160の前に上昇する。そして、メイン液晶160において、サブ液晶161を強調する表示が行われ、図13(f)に示すように、サブ液晶161にストックされていた「二」図柄がメイン液晶160に放出されて移動し、放出された図柄(放出図柄)である「二」の装飾図柄190a,190cにより、リーチ(放出リーチ)の表示が行われる。以下では、ルーレットで失敗した後に行われる弱リーチのリーチ演出を「追っかけリーチ」、或いは「放出リーチ」と称する。そして、この追っかけリーチとなった後には、図13(f)に示すように、サブ液晶161が下降して元の待機位置に戻るようになっている。また、本実施例では、この追っかけリーチは、放出演出によりリーチになる演出となっている。」
「【0247】さらに、ストック図柄を、特別遊技を跨いで使用する演出態様も考えられる。具体的には、「二」図柄と「三」図柄がストックされ、「二」図柄が放出されて大当りが発生した場合に、「三」図柄を残存させて持ち越し、特別遊技の終了後に比較的早い段階で、ストックされている「三」図柄の放出演出を行う、といったものを例示できる。この場合、例えば、「三」図柄がストックされた状態で、「二」図柄のスペシャルリーチが発生し、そのまま大当りとなる、といった演出が可能となる。そして、大当りの発生時における保留中に、大当りの保留抽選値が存在すれば、大当りとなる保留抽選値に基づく特別図柄の変動の際に、残存していた「三」図柄を用いて、所謂保留連荘の演出を行う、といったことも可能となる。また、保留連荘以外にも、例えば「二」図柄が放出され且つ「三」図柄を残存させた状態で大当りした場合、一旦「二二二」で仮停止した後に、「三三三」に変化することが確定的になる(つまり、確変昇格が確定的となる。)といった演出も可能となる。」
「【図13】[図:0001399978000004.jpg]」
エ 引用文献4
本願の出願日前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2018-202096号公報(以下「引用文献4」という。)には、次の記載がある。
「【0424】また、役物演出(Ta1~Ta3)の実行が決定され、更に、ストック獲得演出(Sa1-1、Sa2-1、Sa3-1)の実行が決定されると、ストック獲得演出(Sa1-1、Sa2-1、Sa3-1)の実行ポイントが決定される。ここで、ストック獲得演出(Sa1-1、Sa2-1、Sa3-1)の実行ポイントは、図56に示すように、8つ設けられている。具体的には、役物演出(Ta1~Ta3)が実行される対象変動演出の3回前の変動演出の開始時(SP1)、対象変動演出の2回前の変動演出の開始時(SP2)、対象変動演出の1回前の変動演出の開始時(SP3)、対象変動演出の開始時(SP4)、対象変動演出における演出図柄210a、210b、210cの2回目の変動表示(再変動表示)時(SP5)、対象変動演出における演出図柄210a、210b、210cの3回目の変動表示(再変動表示)時(SP6)、対象変動演出における演出図柄210a、210b、210cの4回目の変動表示(再変動表示)時(SP7)、対象変動演出におけるリーチ表示時(SP8)が、獲得ポイントとして設定されている。」
「【図56】[図:0001399978000005.jpg]」
(3)対比
ア 本件補正発明と引用発明とを分説ごとに対比する。
(ア)構成Aについて
引用発明の構成abcにおける「大役遊技」は、「大入賞口128が開放されるとともに当該大入賞口128への遊技球の入球が可能となる」から、本件補正発明の構成Aにおける「遊技者に有利な特別遊技」に相当する。
そうすると、引用発明の構成abcにおける「遊技機100」は、「大役遊技が実行され」るから、引用発明は、本件補正発明の構成A(「遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機において、」)を備える。
(イ)構成Bについて
引用発明の構成abcにおける「第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると」「取得され」る「大当たり決定乱数」は、「第1始動口120または第2始動口122」が、本件補正発明の構成Bの「始動領域」に相当するから、本件補正発明の構成Bにおける「始動領域への遊技球の入球に基づき」「取得」される「判定情報」に相当する。
そうすると、引用発明は、本件補正発明の構成B(「始動領域への遊技球の入球に基づき判定情報を取得する取得手段と、」)に相当する構成を備える。
(ウ)構成Cについて
引用発明の構成abcによれば、「遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(大役抽選)が行われ」るところ、「大役抽選」は、「大当たりに当選すると、」「大入賞口128が開放されるとともに当該大入賞口128への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行」されることとなるから、本件補正発明の構成Cの「前記特別遊技を実行するか否かを判定する」ことに相当する。
そして、上記(イ)で検討したとおり、引用発明の構成abcにおける「大役抽選」は、「第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると」「取得され」る「大当たり決定乱数」(判定情報)に基づくものといえる。
以上から、引用発明は、本件補正発明の構成C(「前記判定情報に基づき前記特別遊技を実行するか否かを判定する判定手段と、」)に相当する構成を備える。
(エ)構成Dについて
引用発明の構成dによれば、「大役抽選結果」が「ハズレ」であるか「大当たり」であるかに応じたリーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定され、これらと「第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球する」ことで「取得され」た「1つの変動パターン乱数」「とに基づいて、変動パターン番号が決定され」、「これら変動モード番号、変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するものであり、そのそれぞれに、変動演出の態様および時間が対応付けられて」いる。
そうすると、引用発明の構成dは、「大役抽選結果」が「ハズレ」であるか「大当たり」であるか(前記判定の結果)に応じた変動演出パターンが決定することを特定しているといえる。そして、引用発明の構成eによれば、「副制御基板330」は、「主制御基板300」が「送信」した「変動コマンド」「に基づいて変動演出の実行パターンを決定するとともに、決定した実行パターンで変動演出を実行制御」するものであるから、引用発明の構成eにおける「副制御基板330」は 本件補正発明の構成Dにおける「前記判定の結果に応じた変動演出を実行する演出制御手段」に相当する。
以上から、引用発明は、本件補正発明の構成D(「前記判定の結果に応じた変動演出を実行する演出制御手段と、を備え、」)に相当する構成を備える。
(オ)構成Eについて
上記(エ)で検討したとおり、引用発明の構成eにおける「副制御基板330」は、本件補正発明の構成Eにおける「前記演出制御手段」に相当する。
したがって、引用発明は、本件補正発明の構成E(「前記演出制御手段は、」)に相当する構成を備える。
(カ)構成E1について
引用発明の構成e1における「変動演出」は、「演出表示部200aに、3つの図柄構成群210A、210B、210Cが変動表示された後に、いずれかの演出図柄210a、210b、210cが演出表示部200aに停止表示」するものであるから、本件補正発明の構成Eにおける「演出図柄の変動表示を伴って」「実行」される「前記変動演出」に相当する。
引用発明の構成e1における「演出表示部200aにおける演出図柄210a、210b、210cの最終的な停止表示態様」は、本件補正発明の構成Eにおける「前記判定の結果」に相当する。
そうすると、引用発明と本件補正発明の構成E1(「演出図柄の変動表示を伴って前記変動演出を実行し、当該変動表示の開始から所定時間が経過した後に前記判定の結果を示す態様で前記演出図柄を仮停止表示させた後に停止表示させることが可能であって、」)とは、「演出図柄の変動表示を伴って前記変動演出を実行し、当該変動表示の開始から所定時間が経過した後に前記判定の結果を示す態様で前記演出図柄を停止表示させることが可能であって、」において共通する。
(キ)構成E2について
引用発明の構成e2によれば、「変動演出の開始直後、あるいは、変動演出の開始から所定時間(例えば10秒程度)が経過したところで、まず、獲得演出が実行され、」「操作有効期間中に演出ボタン208の操作が検出されるか、もしくは、演出ボタン208の操作が検出されることなく操作有効期間が終了したところで、「STOCK」の文字に重ねて、「GET」の文字が表示され」るところ、「操作有効期間中に演出ボタン208の操作が検出されるか、もしくは、演出ボタン208の操作が検出されることなく操作有効期間が終了」することは、本件補正発明の構成E2における「前記変動表示の実行中に所定の獲得条件が成立した場合」に相当する。
また、引用発明の構成e5によれば、獲得演出において獲得された「ストックアイコン212」は、「色情報を有しており、」「対象の要素演出がいずれであるのかを不明としつつも、大当たりの信頼度を事前に示唆する」ものであるから、本件補正発明の構成E2における「前記特別遊技が実行される可能性を示唆する遊技特典」に相当するので、引用発明の構成e2の「「STOCK」の文字に重ねて、「GET」の文字が表示され」る演出は、本件補正発明の構成E2における「獲得演出」に相当する。
そうすると、引用発明と本件補正発明の構成E2(「前記の変動表示の実行中に所定の獲得条件が成立した場合と、前記仮停止表示の実行中に前記所定の獲得条件が成立した場合と、前記停止表示の実行中に前記所定の獲得条件が成立した場合とにおいて前記特別遊技が実行される可能性を示唆する遊技特典を獲得することが可能な獲得演出と、」)とは、「前記変動表示の実行中に所定の獲得条件が成立した場合において前記特別遊技が実行される可能性を示唆する遊技特典を獲得することが可能な獲得演出と、」において共通する。
(ク)構成E3について
引用発明の構成e3e4によれば、「獲得演出の終了後であって、対象の要素演出の開始2秒前に、権利使用演出が実行され」るところ、「獲得演出の終了後であって、対象の要素演出の開始2秒前」となることは、本件補正発明の構成E3における「当該獲得が行われた後に所定の放出条件が成立する」ことに相当するといえる。
また、引用発明の構成e3e4における「3つのストックアイコン212のうち、もっとも左側に表示されているストックアイコン212aが、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示され」る演出は、本件補正発明の構成E3における「獲得した前記遊技特典を放出する放出演出」に相当する。
同様に、引用発明の構成e3e4における「残りの1つのストックアイコン212cが、演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示され」る演出も、本件補正発明の構成E3における「獲得した前記遊技特典を放出する放出演出」に相当する。
よって、引用発明は、本件補正発明の構成E3(「当該獲得が行われた後に所定の放出条件が成立すると獲得した前記遊技特典を放出する放出演出と、」)相当する構成を備える。
(ケ)構成E4について
引用発明の構成e3e4における「権利使用演出が実行された直後に」「実行され」る「対象の要素演出である会話予告」の「吹き出しの色が緑色となって」いる演出は、「緑色の色情報を有している」「ストックアイコン212a」に依るものであるから、本件補正発明の構成E4における「当該放出演出により放出した前記遊技特典に応じた所定演出」に相当する。
同様に、引用発明の構成e3e4における「権利使用演出が実行された直後に」「実行され」る「対象の要素演出であるカットイン予告」の「背景の色が赤色となって」いる演出は、「赤色の色情報を有している」「ストックアイコン212c」に依るものであるから、本件補正発明の構成Eにおける「当該放出演出により放出した前記遊技特典に応じた所定演出」に相当する。
よって、引用発明は、本件補正発明の構成E4(「当該放出演出により放出した前記遊技特典に応じた所定演出と、を実行可能であり、」)に相当する構成を備える。
(コ)構成E5について
引用発明の構成e5によれば、「ストックアイコン212」は、「対象の要素演出がいずれであるのかを不明としつつも、大当たりの信頼度を事前に示唆する」ものであるところ、「対象の要素演出がいずれであるのかを不明と」することは、本件補正発明の構成E5における「前記所定演出の内容を明確に報知することがな」いことに相当する。
そして、引用発明の構成e3e4によれば、「もっとも左側に表示されているストックアイコン212a」及び「残りの1つのストックアイコン212c」が、「演出表示部200aの上部から中央に拡大しながら移動表示されるとともに、演出表示部200aに「放出」と表示され」「た直後に、対象の要素演出」「が実行され」るから、演出表示部200aに「放出」と表示する(放出演出の実行)までの間は、「対象の要素演出」(所定演出)は実行されない。
以上から、本件補正発明の構成E5における「前記獲得演出の実行後から前記放出演出の実行までの間、前記所定演出の内容を明確に報知することがな」いことに相当する。
よって、引用発明は、本件補正発明の構成E5(「前記遊技特典のうち所定の遊技特典において、前記獲得演出の実行後から前記放出演出の実行までの間、前記所定演出の内容を明確に報知することがなく、」)に相当する構成を備える。
(サ)構成Fについて
引用発明の構成abcにおける「遊技機100」は、本件補正発明の構成Fにおける「遊技機」に相当する。
イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
【一致点】
「A 遊技者に有利な特別遊技を実行可能な遊技機において、B 始動領域への遊技球の入球に基づき判定情報を取得する取得手段と、C 前記判定情報に基づき前記特別遊技を実行するか否かを判定する判定手段と、続きを表示(全20行)D 前記判定の結果に応じた変動演出を実行する演出制御手段と、を備え、E 前記演出制御手段は、E1’演出図柄の変動表示を伴って前記変動演出を実行し、当該変動表示の開始から所定時間が経過した後に前記判定の結果を示す態様で前記演出図柄を停止表示させることが可能であって、E2’前記変動表示の実行中に所定の獲得条件が成立した場合において前記特別遊技が実行される可能性を示唆する遊技特典を獲得することが可能な獲得演出と、E3 当該獲得が行われた後に所定の放出条件が成立すると獲得した前記遊技特典を放出する放出演出と、E4 当該放出演出により放出した前記遊技特典に応じた所定演出と、を実行可能であり、E5 前記遊技特典のうち所定の遊技特典において、前記獲得演出の実行後から前記放出演出の実行までの間、前記所定演出の内容を明確に報知することがない、F 遊技機。」
【相違点1】(構成E1)
前記判定の結果を示す態様で前記演出図柄を停止表示させる際に、本件補正発明では、前記判定の結果を示す態様で前記演出図柄を「仮停止表示させた後に」停止表示させることが可能であるのに対し、引用発明では、かかる特定がない点。
【相違点2】(構成E2)
前記特別遊技が実行される可能性を示唆する遊技特典を獲得することが可能な獲得演出が、
本件補正発明では、「前記変動表示の実行中に所定の獲得条件が成立した場合」以外に「前記仮停止表示の実行中に前記所定の獲得条件が成立した場合と、前記停止表示の実行中に前記所定の獲得条件が成立した場合」とにおいて実行可能であるのに対し、
引用発明では、「前記変動表示の実行中に所定の獲得条件が成立した場合」には実行可能であるものの、「前記仮停止表示の実行中に前記所定の獲得条件が成立した場合と、前記停止表示の実行中に前記所定の獲得条件が成立した場合」とにおいて実行可能であることは特定がない点。
【相違点3】(構成E6、E7)
本件補正発明では、「前記獲得した遊技特典を前記放出演出で放出せずに前記特別遊技を実行することが可能であり、当該特別遊技が終了した後に前記放出しなかった遊技特典を放出可能である」のに対し、引用発明では、かかる特定がない点。
(4)判断
以下、相違点について検討する。
ア 相違点1(構成E1)について
例えば特許第6067774号公報の段落【0098】に、「図10(F)に示す仮停止の後、特別図柄表示器において特別図柄が停止したことに応じて、仮停止した3つの装飾図柄51(当審注:左から「2」「4」「8」)は確定停止する」との記載があるとおり、判定の結果を示す態様で演出図柄を停止表示させる際に、判定の結果を示す態様で前記演出図柄を「仮停止表示させた後」に停止表示させることは、遊技機の分野における周知慣用技術であるから、引用発明において、かかる周知慣用技術を採用し、相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
イ 相違点2(構成E2)について
引用文献2には、リーチハズレ状態で停止表示されると、「寿」アイテムを獲得したことを示す演出画像が表示されるようにし、特別図柄画像404(「演出図柄」に相当)が停止表示されるまで「寿」アイテムが獲得できるか否かを遊技者が判別することができないようにすることが記載されている(上記(2)イ参照)。
引用発明においても、引用文献2に記載の技術的事項と同様、「STOCK」の文字に重ねて「GET」の文字が表示されるのを、演出図柄が「停止表示」するまで実行しないようにし、「前記停止表示の実行中」に所定の獲得条件が成立した場合に実行可能とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
また、引用文献4には、ストック獲得演出の実行ポイントについて、対象変動演出における演出図柄の再変動表示時とすることが記載されており(上記(2)エ参照)、引用発明においても、対象変動演出における演出図柄の再変動表示時に、演出表示部200aに「カラーストックチャンス」と表示された後、「ボタンを押してSTOCKをゲットしろ」と表示することとし、引用文献2に記載の技術的事項を踏まえ、「STOCK」の文字に重ねて「GET」の文字が表示されるのを、演出図柄が当該再変動表示に対応する「仮停止表示」するまで実行しないようにし、「前記仮停止表示の実行中」に所定の獲得条件が成立した場合に実行可能とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
したがって、引用発明及び引用文献2及び引用文献4に記載の技術的事項に基づいて、当業者が相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
ウ 相違点3(構成E6、E7)について
引用文献3には、ストック図柄を、特別遊技を跨いで使用する演出態様も考えられ、「二」図柄と「三」図柄がストックされ、「二」図柄が放出されて大当りが発生した場合に、「三」図柄を残存させて持ち越すことが記載されている(上記(2)ウ参照)。
引用発明においても、引用文献3に記載の技術的事項と同様、所定の要素演出を獲得演出の対象とするストックアイコン212について、当該ストックアイコン212を放出演出で放出することなく特別遊技を実行することを可能なものとし、当該特別遊技が終了した後に前記放出しなかったストックアイコン212を放出可能とすることで、相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明、周知慣用技術及び引用文献2~4に記載された技術的事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
請求人は、審判請求書において、本願発明は、仮停止表示の実行中に所定の獲得条件が成立した場合にも特別遊技が実行される可能性を示唆する遊技特典を獲得することが可能であることを特徴部としており、これにより、仮停止表示の実行中にも遊技特典が獲得されるかに注目させることができ、単に停止表示の準備段階に過ぎなかった仮停止表示(期間)の遊技興趣を向上させることができるという旨主張するが、相違点2についての検討で示したとおり、引用発明及び引用文献2及び引用文献4に記載の技術的事項に基づいて、当業者が相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
したがって、本件補正発明は、引用発明、周知慣用技術及び引用文献2~4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する
第3 本願発明について
1 本願発明
令和4年3月24日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和3年4月30日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1~3に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1~3の記載事項は、それぞれ、上記第2の[理由]2(2)にア、イ、ウとして記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、上記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、構成E1に関し、判定の結果を示す態様で演出図柄を停止表示させる際に「仮停止表示させた後」に停止表示させることが可能であるとの限定事項を削除し、構成E2に関し、「仮停止表示の実行中に前記所定の獲得条件が成立した場合」において「前記特別遊技が実行される可能性を示唆する」遊技特典を獲得することが可能な獲得演出が可能であるとの限定事項を削除したものである。
そうすると、上記第2の[理由]2(3)での検討を踏まえると、相違点1は相違点でなくなり、本願発明と引用発明との相違点は、以下のとおりとなる。
【相違点2’】(構成E2’)
遊技特典を獲得する獲得演出が、
本願発明では、「前記変動表示の実行中に所定の獲得条件が成立した場合」以外に「前記停止表示の実行中に前記所定の獲得条件が成立した場合」において実行可能であるのに対し、
引用発明では、「前記変動表示の実行中に所定の獲得条件が成立した場合」には実行可能であるものの、「前記停止表示の実行中に前記所定の獲得条件が成立した場合」において実行可能であることは特定がない点。
【相違点3】(構成E6、E7)
本願発明では、「前記獲得した遊技特典を前記放出演出で放出せずに前記特別遊技を実行することが可能であり、当該特別遊技が終了した後に前記放出しなかった遊技特典を放出可能である」のに対し、引用発明では、かかる特定がない点。
上記相違点2’について検討するに、上記第2の[理由]2(4)イでの検討を踏まえると、引用発明においても、引用文献2に記載の技術的事項と同様、「STOCK」の文字に重ねて「GET」の文字が表示されるのを、演出図柄が停止表示するまで実行しないようにし、「前記停止表示の実行中」に所定の獲得条件が成立した場合に実行可能とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。
上記相違点3については、上記第2の[理由]2(4)ウで示したとおりである。
したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2及び引用文献3に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2022-004380