商標拒絶査定不服審判
2022-003702
ミツボシベントーイタダキ、ミツボシベントー、ミツボシ、イタダキ、チョー
- 審判番号
- 2022-003702
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-030090
- 請求日
- 2022年03月11日
- 審決日
- 2022年10月20日
- 公報発行日
- 2023年01月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社割烹かまいち
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 松江
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 飯田 亜紀
- 分類
- T18 .261-Z (W29303543) / T18 .262-Z (W29303543) / T18 .263-Z (W29303543)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 30090拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和2年3月19日の出願であって、同3年4月26日付けの拒絶理由の通知に対し、同年6月7日に意見書が提出され、同月15日付けの審査官通知に対し、同年7月20日に意見書が提出されたが、同年11月25日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同4年3月11日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第29類「乳製品,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,納豆,カレー・シチュー又はスープのもと」、第30類「茶,コーヒー及びココア,調味料,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として、令和2年3月19日に登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5862551号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成27年2月2日登録出願、第35類「弁当の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同28年7月1日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上部の上段に3個の黄色の星形の図形(以下「三ツ星図形」という。)を、その下段に三ツ星図形とほぼ同じ幅に収まるような小さな文字で表された「三ツ星弁当」の文字を普通に用いられる方法で書し(以下「三ツ星図形」と「三ツ星弁当」の文字をまとめて「上部部分」という場合がある。)、中央部には「頂」の文字を一際大きく表し(以下「中央部分」という場合がある。)、そして、下部には、中央部の「頂」の文字の読みを表したものと認められる「いただき」の文字とその右側に山をモチーフとしたと思しき図形(以下「山図形」という。)(以下、「いただき」の文字と「山図形」とをまとめて「下部部分」という場合がある。)を配した構成よりなるものである。
その構成中の「三ツ星」の文字は、「等級や格付けにおいて、星1つから星3つまでの3段階で評価すること。またはそうした評価システム。3段階で評価する評価システムにおける最高評価。」を意味する「3つ星」(「weblio辞書」における「実用日本語表現辞典」)の別表記と認められる語であり、三ツ星図形は前記内容を表したものと容易に認識し得るものであるから、当該「三ツ星図形」及び「三ツ星弁当」の文字からは、「3つ星評価の弁当」程の意味合いを認識するものである。
そうすると、上部部分は、本願の指定商品中、第30類「べんとう」との関係において、商品の品質を認識させる場合があり、自他商品の出所識別標識としての機能を有しない、若しくは弱いものといえる。
そして、中央部分の「頂」の文字は「ものの一番高いところ。」(広辞苑第七版 株式会社岩波書店)の意味を有する語であり、本願の指定商品との関係において、商品の品質等を認識させるという事情もないことから、当該文字は、自他商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものであり、下部部分の「いただき」の文字は、前記「頂」の文字の読みを表したものと容易に認識し得る。また、下部部分の右側に位置する山図形からは、特定の称呼や観念を生ずるものとはいえない。
以上の内容に鑑みるに、本願商標は、その構成全体から、上部部分、中央部分及び下部部分が一体となって特別な観念を有する、若しくは一連一体の称呼が生ずるなど、何らかの関連性を有しているともいえない。そして、中央部分の「頂」の文字は、上部部分及び下部部分に比し、顕著に目立つ大きさにて表されていることから、視覚上、最も強く看者の注意を引くものといえ、当該文字部分が、取引者、需要者において強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であるから、本願商標は、その構成全体をもって認識し、把握されるとともに、中央部分が、独立して、取引者及び需要者に対し商品の出所識別標識としての機能を果たす場合もあるといえる(以下、「頂」の文字部分を「本願商標の要部」という場合がある。)。
そうすると、本願商標からは、その構成全体より「ミツボシベントウイタダキ」の称呼を生じ、これより特定の観念は生じないほか、本願商標の要部である「頂」の文字から「イタダキ」の称呼をも生ずるものであり、当該文字は「ものの一番高いところ。」を意味する語であるから、「ものの一番高いところ。」の観念を生ずる。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、右側に「頂」の文字を一際大きく表し、左側に太陽と認識される赤い円を伴った山と思しき図形の下段に、「駅弁屋」及び「いただき」の文字を二段に横書きしてなり、「いただき」の文字の右側には「升」の図形(以下、左側の図形と文字とをまとめて「左側部分」という。)を配した構成からなるところ、引用商標は、「頂」の文字部分と左側部分とが一体となって特別な観念を有する、若しくは一連一体の称呼が生ずるなど、何らかの関連性を有しているともいえない。
そして、「頂」の文字は、左側部分に比して、顕著に目立つ大きさにて表されていることから、視覚上、最も強く看者の注意を引くものといえ、当該文字部分が、取引者、需要者において強く支配的な印象を与えるものとみるのが相当であるから、引用商標は、その構成全体をもって認識し、把握されるとともに、「頂」の文字部分が、独立して、取引者及び需要者に対し商品の出所識別標識としての機能を果たす場合もあるといえる(以下、「頂」の文字部分を「引用商標の要部」という場合がある。)。
また、「頂」の文字は「ものの一番高いところ。」(前掲書)の意味を有する語であり、本願の指定商品との関係において、商品の品質等を認識させるという事情もないことから、当該文字は、自他役務の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。
そうすると、引用商標は、その構成全体から「エキベンヤイタダキイタダキ」の称呼を生じ、これより特定の観念は生じないほか、引用商標の要部である「頂」の文字部分より、「イタダキ」の称呼をも生じ、「ものの一番高いところ。」の観念を生ずる。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標と引用商標は、それぞれ前記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、両者は全体の外観において、構成文字や図形に差異を有することから異なるものの、本願商標の要部と引用商標の要部との比較において、「頂」の文字を共通にする。
そして、称呼及び観念においては、本願商標の要部と引用商標の要部とは、「イタダキ」の称呼及び「ものの一番高いところ。」の観念を共通にする。
そうすると、本願商標と引用商標とは、構成全体の外観において相違するものの、本願商標の要部と引用商標の要部とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれがあるといえるから、本願商標と引用商標とは類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定役務との類否について
本願の指定商品及び指定役務中、第30類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,べんとう,ラビオリ」と、引用商標の指定役務である第35類「弁当の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは類似する商品及び役務である。
(5)小括
以上より、本願商標は引用商標と類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品及び指定役務中、第30類「ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,べんとう,ラビオリ」と、引用商標の指定役務である第35類「弁当の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは類似する商品及び役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)請求人の主張について
ア 請求人は、「頂」という文字は、「いただき」と読む場合に、物の上の部分を指す語句で、同語句はありとあらゆる物及び現象に妥当するため、取引者に対し特定の出所を識別させる機能はない旨主張する。
しかしながら、「頂」の文字は「ものの一番高いところ。」(広辞苑第七版 株式会社岩波書店)の意味を有する語であり、本願の指定商品との関係において、商品の品質等を認識させるという事情もないことから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ることは前記(1)のとおりである。
イ 請求人は、「頂」という文字表記だけでは、音読みで「ちょう」と判読するのが通常であり、「いただき」という文字の表記であるとは認識されない旨主張する。
しかしながら、「広辞苑第七版 株式会社岩波書店」には、「いただき【頂・戴き】」の見出しの下「1 ものの一番高いところ。」の記載があり、また、「三省堂国語辞典第八版 株式会社三省堂」には、「いただき【頂】」の見出しの下「<山、もの>の一番高い所。」の記載があるが、これら辞書には「ちょう【頂】」の記載はないことから、「頂」の文字からは、「いただき」の称呼が生じ、「ものの一番高いところ。」の観念が生ずるというのが自然といえる。
ウ 請求人は、審判請求書添付の「店名商標」及び「商品商標」をもって、「頂」の文字は様々な店名及び商品において使用されていることが確認でき、「頂」の文字には特定の出所及び商品を徴表する機能はないことが確認できる旨主張する。
しかしながら、「頂」の文字が、本願の指定商品との関係において、商品の品質等を認識させるという事情もないことから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ることは前記(1)のとおりであり、「頂」の文字が、商品や店名として使用されているとしても、一部には登録商標として使用されているものも見受けられるものであり、これらの使用例のみをもってただちに、該文字が、本願の指定商品を取り扱う業界において、自他商品の識別標識としての機能を有しないものとはいい得ない。
エ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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