商標拒絶査定不服審判
2022-003373
ウイルスクリア、ウイルス
- 審判番号
- 2022-003373
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2021-001236
- 請求日
- 2022年03月07日
- 審決日
- 2023年12月05日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社Life-do.Plus
- 【請求人代理人】小笠原 宜紀
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .261-Z (W05) / T18 .262-Z (W05) / T18 .263-Z (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2021- 1236拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和3年1月7日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 9月22日付け:拒絶理由通知書
令和3年10月11日 :意見書、手続補正書の提出
令和4年 1月12日付け:拒絶査定
令和4年 3月 7日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「ウイルスクリア」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
本願の指定商品は、上記1の手続補正書により、第5類「台所用消臭剤,台所用除菌剤,風呂用消臭剤,風呂用除菌剤,靴用消臭剤,靴用除菌剤,トイレ用消臭剤,トイレ用除菌剤,室内用消臭剤,室内用除菌剤,被服用消臭剤,被服用除菌剤,タバコ臭消臭剤,生ごみを含む廃棄物用消臭剤,生理用品用消臭剤,おむつ用消臭剤,カビ臭消臭剤,空気消臭剤,車内用消臭剤,除菌剤(洗濯用及び工業用のものを除く。),手指用除菌剤」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5362235号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成21年9月5日登録出願、第5類「消臭効果を有するスプレー式の室内用除菌・抗菌剤」を指定商品として、同22年10月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、「ウイルスクリア」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、「人や動物の細胞で増える病原体。」(出典:「三省堂国語辞典 第八版」株式会社三省堂)などを意味する「ウイルス」の語と、「透明。はっきり。きれいになくすこと。」(出典:同上)などを意味する「クリア」の語を結合してなるものと、容易に理解できるものであるから、具体的ないし明りょうな意味とはいえないまでも、「病原体をきれいになくすこと」ほどの意味合いが看取し得るものといえる。
そうすると、本願商標よりは、その構成文字に相応した「ウイルスクリア」の称呼が生じるものであり、また、「病原体をきれいになくすこと」ほどの観念が生じるというのが相当である。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲のとおり、縁取りによって表した「ウィルス」の文字、星形の図形及び「クリアー」の文字を横一列に表したものであるところ、一般に、複数の語の間に並列点として表される「・」(中黒)を円以外の形状にデザイン化することは広く行われており、請求人も上記1の審判請求書において述べているように、引用商標構成中の星の図形部分もその一類型といえるものであるから、同図形部分よりは、「・」と同様に、特段の称呼及び観念は生じないものというのが相当である。
そして、引用商標構成中の「ウィルス」の語は、英語「virus」に相当する日本語の表記として、「ウイルス」と同様に使用され、理解されているものであって、また、同構成中の「クリアー」の語は、英語「clear」に相当する日本語の表記として、「クリア」と同様に使用され、理解されているものであるから(参考:「三省堂国語辞典 第八版」株式会社三省堂)、これらを上述のごとき星の図形を介して結合してなる引用商標よりは、上記アと同様に、「病原体をきれいになくすこと」ほどの意味合いが看取し得るものといえる。
そうすると、引用商標よりは、その構成文字に相応した「ウィルスクリアー」の称呼が生じるといえ、また、「病原体をきれいになくすこと」ほどの観念が生じるというのが相当である。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、書体や図形及び長音符号の有無、「イ」の文字の大小において異なるものの、全体で7文字又は8文字の文字列のうち「ウ」「ル」「ス」「ク」「リ」及び「ア」の6文字を共通にするものであるから、外観上やや近似した印象を与えるものである。
そして、称呼においては、本願商標より生じる「ウイルスクリア」の称呼と、引用商標より生じる「ウィルスクリアー」とでは、語頭の「ウイ」及び「ウィ」と、語尾の長音の有無において異なるものであるところ、長音は前音に吸収され発音されることが少なくないのであって、全体で7音という決して短くはない称呼において、語尾における長音の有無が全体の語調、語感に与える影響は大きいとはいえない。
加えて、「イ」の文字を拗音や促音のごとく小さく表すことは、日本語においては標準的な表記ではなく、また、「ウィ」の文字に関しては、例えば上記イのとおり、英語「virus」に相当する日本語の表記である「ウイルス」の語が「ウィルス」と表記、発音されることもあるように、「ウイ」とほぼ同等に表記、発音されることが珍しくないことからすると、本願商標と引用商標との「イ」の文字の大小に起因する差異が、商標全体の外観の印象や称呼の語調、語感に及ぼす影響は、極めて限定的であるというべきであるから、本願商標と引用商標とは、外観及び称呼において類似するものというのが相当である。
また、観念においては、「病原体をきれいになくすこと」を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観及び称呼において類似するものであって、観念を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願商標と引用商標の指定商品の類否について
本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標と構成を同じくする商標が、商標法第3条第1項第3号の規定に該当することなく、登録査定(商標登録第6327656号)を受けた事実があることからすれば、本願商標は、その構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと理解され、特定の観念は生じないものであることは明らかである旨主張する。
しかしながら、特定の観念を生じさせない造語と理解されるものでなければ商標登録を受けることができないというべき根拠はなく、請求人の挙げる過去の登録例があることが、本願商標より特定の観念が生じないというべき理由とはならないのであって、また、「ウイルス」及び「クリア」の語は、いずれも我が国において広く使用、理解されており、国語辞典類にも掲載されている、一般に親しまれた平易な語であることからすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、それが「ウイルス」の語と「クリア」の語とを結合してなるものと容易に理解し、各語の意味合いから、全体として「病原体をきれいになくすこと」ほどの意味合いを看取し得るものというのが相当である。
イ 請求人は、商標審査基準に掲載されている事例を挙げ、その事例に照らせば本願商標と引用商標とは外観において類似していないとするべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた事例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標の類否については、上記(1)のとおりであるから、当該事例をもってその判断が左右されることはない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2022-003373