特許拒絶査定不服審判
2022-002439
Aβ誘導性損傷抑制又は軽減剤
- 審判番号
- 2022-002439
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-549471
- 請求日
- 2022年02月18日
- 審決日
- 2024年01月09日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】リュー,ジュン
- 【請求人代理人】藤井 郁郎
- 【請求人】日本臓器製薬株式会社
- 【請求人代理人】藤井 郁郎
- 審判長/審判官
- 審判長 冨永 みどり
- 審判官 齋藤 恵
- 審判官 岡山 太一郎
- 分類
- P18 .575-WY (A61K) / P18 .113-WY (A61K) / P18 .121-WY (A61K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第6項特許法53条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第36条第4項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-549471「Aβ誘導性損傷抑制又は軽減剤」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 9月13日国際公開、WO2018/161211、令和 2年 4月16日国内公表、特表2020-511456、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)3月6日を国際出願日とする出願であって、主な手続の経緯は概略以下のとおりである。
令和 3年 2月15日付け 拒絶理由通知
令和 3年 5月20日 意見書及び補正書の提出
令和 3年10月15日付け 拒絶査定
令和 4年 2月18日 審判請求書及び手続補正書の提出
第2 令和4年2月18日受付の手続補正書による補正についての補正却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年2月18日受付の手続補正書による補正を却下する。
[理由]
1. 補正の内容
本件審判請求と同時に提出した令和4年2月18日受付の手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)は、令和3年5月20日受付の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1を、
「ワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物を含有する、HIF-1α及び/又はBaxの発現抑制剤。」
から
「ワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物を含有する、海馬におけるAβ誘導性損傷の抑制又は軽減のためのHIF-1α及び/又はBaxの発現抑制剤。」
とする補正を含むものである。
上記補正は、本件補正前の請求項1に係る発明のHIF-1α及び/又はBaxの発現抑制剤を、海馬におけるAβ誘導性損傷の抑制又は軽減のためのものに限定する補正を含むものであるから、特許請求の範囲の限定的減縮を目的とする補正を含んでいる。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明が、特許出願の際、独立して特許を受けることが可能であるかを判断する。
2. 補正の適否
本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)は、「ワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物を含有する、海馬におけるAβ誘導性損傷の抑制又は軽減のためのHIF-1α及び/又はBaxの発現抑制剤。」との記載から、請求項1に記載された発明は、文言上、「HIF-1α及び/又はBaxの発現抑制剤。」の発明であり、その用途が、「海馬におけるAβ誘導性損傷の抑制又は軽減のための」ものである。
明細書の記載及び審判請求書の説明を踏まえると、ワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物が、Baxの発現抑制剤であるということは、アポトーシス促進因子であるBaxの発現を抑制することにより、海馬におけるAβ誘導性損傷の抑制又は軽減に寄与すると理解できる。これに対し、HIF-1αは、低酸素状態でエリスロポエチン遺伝子のエンハンサー領域に結合するものであり、HIF-1αが海馬におけるAβ誘導性損傷の抑制又は軽減に対し、どのように結びつくのか、技術常識を考慮しても、明細書の記載から理解できない。
そうすると、明細書の発明の詳細な説明の記載は、本件補正発明がHIF-1αの発現抑制剤である場合の発明については、その技術的意義を理解することができる程度に、明確かつ十分に記載されたものでないから、明細書の発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号に適合するものでない。
したがって、本件補正は、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでないから、特許法第17条の2第6項において準用する第126条第7項に規定する要件を満たしていない。
3. まとめ
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する第126条第7項に違反するものであるから、同法159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明
令和4年2月18日の手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~5に係る発明は、令和3年5月20日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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