2022-001948
遊技機
- 審判番号
- 2022-001948
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-239342外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年02月09日
- 審決日
- 2022年12月13日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続の経緯
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本願は、令和1年12月27日の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
同年 6月 7日 :意見書、手続補正書の提出
同年11月 1日付け:補正の却下の決定(同年6月7日付けの補正を却下)、
拒絶査定(以下「原査定」という。)
同年 同月 9日 :原査定の謄本の送達
第2 令和4年2月9日に提出された手続補正書による補正の却下の決定
〔補正の却下の決定の結論〕
令和4年2月9日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、令和2年12月25日提出の手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、
「遊技を制御する主制御部と、遊技情報を表示する情報表示部と、が実装された基板と、前記基板を収容する基板ケースと、透光性が高い透光部と、所定の情報が記されている情報記載部と、を有するシールと、を備え、前記シールは、前記基板ケース上において、前記情報表示部に重ならない位置に貼付され、続きを表示(全14行)前記基板ケースを介して前記情報表示部を視認可能であり、前記情報表示部は、複数の表示部を備え、所定の初期表示を行ったあと、前記複数の表示部のうち全ての表示部を用いて前記遊技情報を表示可能であり、所定の変更操作が行われた場合、設定変更モードを実行し、前記設定変更モードの実行中に設定変更終了操作が行われると、前記設定変更モードを終了して前記遊技を実行可能とし、所定の確認操作が行われた場合、設定確認モードを実行し、前記設定確認モードの実行中に設定確認終了操作が行われると、前記設定確認モードを終了して前記遊技を実行可能とし、前記情報表示部は、前記設定変更モード中は前記情報表示部における特定の表示部を用いて設定値を表示し、前記設定変更終了操作に基づいて前記特定の表示部における設定値の表示を終了し、その後に前記初期表示を実行し、前記設定確認モード中は前記特定の表示部を用いて設定値を表示し、前記設定確認終了操作に基づいて前記特定の表示部における設定値の表示を終了し、その後に前記初期表示を実行する、ことを特徴とする遊技機。」とあったものを、
「遊技を制御する主制御部と、遊技情報を表示する情報表示部と、が実装された基板と、前記基板を収容する基板ケースと、ホログラムを用いた透かし加工を施した第1加工シールと、前記第1加工シールとは異なるホログラム加工を施した不透明な第2加工シールと、続きを表示(全20行)を備え、前記基板ケースは、基体とカバー体とを備え、前記第1加工シールは、前記カバー体にのみ貼付されており、前記基板ケースの開封に伴って破断されることがなく、前記第2加工シールは、前記基板ケースの開封に伴って破断され、前記第1加工シールは、透光性が高い透光部と、所定の情報が記されている情報記載部と、を有し、前記基板ケース上において、前記情報表示部に重ならない位置に貼付され、前記透かし加工を施した前記透光部を介して前記基板ケース内を視認可能であり、前記基板ケースを介して前記情報表示部を視認可能であり、前記情報表示部は、複数の表示部を備え、所定の初期表示を行ったあと、前記複数の表示部のうち全ての表示部を用いて前記遊技情報を表示可能であり、所定の変更操作が行われた場合、設定変更モードを実行し、前記設定変更モードの実行中に設定変更終了操作が行われると、前記設定変更モードを終了して前記遊技を実行可能とし、所定の確認操作が行われた場合、設定確認モードを実行し、前記設定確認モードの実行中に設定確認終了操作が行われると、前記設定確認モードを終了して前記遊技を実行可能とし、前記情報表示部は、前記設定変更モード中は前記情報表示部における特定の表示部を用いて設定値を表示し、前記設定変更終了操作に基づいて前記特定の表示部における設定値の表示を終了し、その後に前記初期表示を実行し、前記設定確認モード中は前記特定の表示部を用いて設定値を表示し、前記設定確認終了操作に基づいて前記特定の表示部における設定値の表示を終了し、その後に前記初期表示を実行する、ことを特徴とする遊技機。」とする補正である(なお、下線は補正前後の箇所を明示するために合議体が付した。)。
2 補正の適否について
(1)補正の目的について
ア 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「基板ケース」が「基体とカバー体とを備え」るものに限定するものである。
イ 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「シール」に関し、「ホログラムを用いた透かし加工を施した第1加工シールと、前記第1加工シールとは異なるホログラム加工を施した不透明な第2加工シールと、」「を備え」と限定し、さらに、「第1加工シール」について、「前記カバー体にのみ貼付されており、前記基板ケースの開封に伴って破断されることがなく」、「透光性が高い透光部と、所定の情報が記されている情報記載部と、を有」し、「前記透かし加工を施した前記透光部を介して前記基板ケース内を視認可能であ」るものに限定するとともに、「第2加工シール」について、「前記基板ケースの開封に伴って破断され」るものに限定するものである。
ウ 上記ア及びイからみて、本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項について
本件補正は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面における【0235】、【0236】、【0302】、図44,図51、図63及び図64等の記載に基づくものであり、新たな技術事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)についても、以下、検討する。
(1)本願補正発明
本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである(なお、A~Rについては、分説するため合議体が付した。以下A等を付した事項を「特定事項A」等という。)。
「A 遊技を制御する主制御部と、遊技情報を表示する情報表示部と、が実装された基板と、B 前記基板を収容する基板ケースと、C ホログラムを用いた透かし加工を施した第1加工シールと、D 前記第1加工シールとは異なるホログラム加工を施した不透明な第2加工シールと、続きを表示(全20行)を備え、E 前記基板ケースは、基体とカバー体とを備え、F 前記第1加工シールは、前記カバー体にのみ貼付されており、前記基板ケースの開封に伴って破断されることがなく、G 前記第2加工シールは、前記基板ケースの開封に伴って破断され、H 前記第1加工シールは、透光性が高い透光部と、所定の情報が記されている情報記載部と、を有し、前記基板ケース上において、前記情報表示部に重ならない位置に貼付され、I 前記透かし加工を施した前記透光部を介して前記基板ケース内を視認可能であり、J 前記基板ケースを介して前記情報表示部を視認可能であり、K 前記情報表示部は、複数の表示部を備え、所定の初期表示を行ったあと、前記複数の表示部のうち全ての表示部を用いて前記遊技情報を表示可能であり、L 所定の変更操作が行われた場合、設定変更モードを実行し、M 前記設定変更モードの実行中に設定変更終了操作が行われると、前記設定変更モードを終了して前記遊技を実行可能とし、N 所定の確認操作が行われた場合、設定確認モードを実行し、O 前記設定確認モードの実行中に設定確認終了操作が行われると、前記設定確認モードを終了して前記遊技を実行可能とし、P 前記情報表示部は、前記設定変更モード中は前記情報表示部における特定の表示部を用いて設定値を表示し、前記設定変更終了操作に基づいて前記特定の表示部における設定値の表示を終了し、その後に前記初期表示を実行し、Q 前記設定確認モード中は前記特定の表示部を用いて設定値を表示し、前記設定確認終了操作に基づいて前記特定の表示部における設定値の表示を終了し、その後に前記初期表示を実行する、R ことを特徴とする遊技機。」
(2)引用例1
ア 引用例1の記載事項
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原査定で引用文献1として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特許第6581264号公報(令和1年9月25日発行、以下「引用例1」という。)には、遊技機に関し、次の事項が図とともに記載されている。なお、下線は合議体が付した。以下同じ。
(ア)「【0666】(第4実施形態)以下に本発明の実施形態の一例である第4実施形態について、図57~図72を参照して説明する。まず、図57~図65を参照し、遊技機1P(パチンコ機)について説明する。・・・略・・・【0687】図61に示すように、基板ケース3Pは、制御基板501及びROM502を視認可能で且つ接触困難に収納する箱形のケースである。また、基板ケース3Pは、制御基板501に実装された複数のコネクタ771~776(図63(b)参照)を視認可能に制御基板501を内包する。基板ケース3Pは、例えば、透明なプラスチック等の光透過性を有する部材で形成されている。【0688】基板ケース3Pは、制御基板501を内包する複数の部材511、及び封印シール7Pを切断する切断部材6Pを備えている。複数の部材511は、内ケース40P、外ケース45P、及びキャップ8Pを含む。内ケース40Pは、外ケース45Pと組み合わされることで、制御基板501を内包する内包部581を形成する。外ケース45Pは、基板ケース3Pにおいて、ROM502側である後側に設けられている。内ケース40Pは、基板ケース3Pにおいて、ROM502側とは反対側である前側に設けられている。尚、図60(c)においては、透明な基板ケース3Pに内包された制御基板501に設けられた電気部品のうち、ROM502のみを図示しており、他の電気部品は図示を省略している(図65(a)等も同様)。」
(イ)「【0777】(第5実施形態)次に、図73-1~図73-6を参照して、本発明の実施形態の一例である第5実施形態について説明する。なお、以下に説明する第5実施形態において、第4実施形態と同じ構成のものは、第4実施形態と同じ符号を使用して詳細な説明を省略する。【0778】まず、図73-1~図73-4を参照して、第5実施形態に係る基板ケース1700及び制御基板1705の構成の概要について説明する。図73-1は、第5実施形態に係る制御基板1705が収納された基板ケース1700の背面図である。図73-2(a)は、シール部1710の構成を説明する概略図であり、図73-2(b)は、デートマーク部1720の構成を説明する概略図である。図73-3(a)は、開封禁止シール部1730の構成を説明する概略図であり、図73-3(b)は、開封禁止シール部1730が基板ケース1700に貼付された状態を説明する概略図である。図73-4は、情報表示器1750の表示の構成を説明する概略図である。」
(ウ)「【図73-1】[図:0001394796000001.jpg]」
(エ)「【0779】
図73-1に示すように、第5実施形態の遊技機1Pにおいては、制御基板1705と、制御基板1705を収納する基板ケース1700と、を備える。基板ケース1700は、第4実施形態の変形例である基板ケース1551と略同様の構成であるが、後述するシール部1710、デートマーク部1720、開封禁止シール1730、RAMクリア操作部1785、を備えている。制御基板1705は、第4実施形態の変形例である制御基板501と略同様の構成であるが、後述する情報表示器1750、操作キー部1780、RAMクリアボタン、を備えている。
【0780】
シール部1710は、光透過性を有する素材で形成されており、基板ケース1700の外ケース45Pの左右方向中央部の上部に貼り付けられている。なお、シール部1710は、夫々、複数の電子部品595(図示を省略)等を跨いで配置されている。デートマーク部1720は、基板ケース1700の外ケース45Pの左右方向中央部の下部に、外ケース45Pの正面側において外ケース45Pから凸形状となるように形成されている。開封禁止シール部1730は、基板ケース1700における左右方向右端部に形成されたシール貼付部1701に貼付されている。なお、シール貼付部1701は、キャップ8Pによって覆われる部分である。RAMクリア操作部1785は、基板ケース1700の外ケース45Pの左右方向右部の下部に形成されており、制御基板1705のRAMクリアボタンを操作可能に構成されている。操作キー部1780は、特定の鍵を差込み回転操作が可能な構造のものであり、特定の鍵を差込み口が基板ケース1700の外ケース45Pから露出していることで、制御基板1705が基板ケース1700に収納された状態で操作可能に設けられている。なお、操作キー部1780は、遊技機1Pの遊技を制御するメインCPUに対して、操作キー部1780が操作されたか否かの信号が送信可能に接続されている。
【0781】
情報表示器1750は、制御基板1705の左右方向右部の上角隅部に設けられており、制御基板501を覆う透明な樹脂からなる基板ケース1700の内部に配置される。また、情報表示器1750は、制御基板501(審決注:「1705」の誤記)に設けられているメインCPU、メインROM、メインRAMが設けられている位置とは異なる位置であって、基板ケース1700に設けられているRAMクリア操作部1785やシール部1710などによって視認が阻害されない位置に設けられる。また、情報表示器1750の周囲および近傍には、電子部品595等の制御基板1705上に設けられる複数の電子部品のいずれも設けられていない。このような情報表示器1750は、基板ケース1700に収納された制御基板1705上に設けられているにもかかわらず、目立つため、表示される情報の視認が容易となっている。
【0782】
ここで、情報表示器1750と図示しないアウト球検出スイッチとについて説明する。アウト球検出スイッチは、遊技領域に発射された全ての遊技球(本実施形態では、「アウト球」と称する。)を検知し、検知結果のデータを主制御基板300へ送信可能に接続ケーブルにて接続されている。情報表示器1750は、アウト球検出スイッチでの検知結果に基づきメインCPUにて算出された数値(後述する計算式による算出値である。)によって、遊技機1Pの種々の性能を表示するものである。なお、この情報表示器1750において表示される数値が、所定の範囲内であるか否かによって、遊技機1Pの性能が維持されているか否かを判断可能となる。
(オ)「【図73-2】[図:0001394796000002.jpg]」
(カ)「【0783】図73-2(a)に示すように、シール部1710は、シール部1560と略同様の構成であり、印刷部1711、コード部1712、情報表示部1713、記載領域1570、および覗き部1574を備えている。また、コード部1712のQRコード(登録商標)を所定の端末機にて読み取ることによって、所定の端末機に表示される情報には、情報表示部1713に記載された文字列が含まれている。つまり、特定の情報を含む所定の情報が、コード部1712のQRコード(登録商標)と情報表示部1713の文字列といったように、異なる態様にて表示されていることとなる。ここで、コード部1712と情報表示部1713の構成が、シール部1560のコード部1572と情報表示部1573の構成と異なる。具体的には、コード部1712の有色領域と情報表示部1713の有色領域とに跨って「EF001」の文字列が印刷された構成となっている。このような構成のシール部1710であれば、コード部1712の有色領域と情報表示部1713の有色領域とのうちのいずれかを削り取って不正に情報を変更したりすると、シール部1560に比べて変更した痕跡が明確になり易く、不正な情報の変更を抑止することができる。さらに、前述した通り、シール部1560によって覆われた位置に設けられた電子部品798は覗き部1574から視認可能となっているが、これは電子部品798の少なくとも一部又は全体が制御基板に対して垂直をなす方向から覗き部1574を介して視認可能であるだけでなく、制御基板に対して垂直ではなく所定の角度をなす方向から覗き部1574を介して視認可能であることも意味するものである。具体的には、シール部1560によって覆われた位置に設けられた電子部品であって、制御基板1705に対して垂直をなす方向からは有色領域1575によって視認困難となっているものは、シール部1560に対して垂直ではなく所定の角度をなす方向から覗き部1574を介して視認可能となっていることである。」
(キ)「【図73-3】[図:0001394796000003.jpg]」
(ク)「【0785】図73-3(a)に示すように、開封禁止シール部1730は、所定の文字列が印字される情報表示部1731、QRコード(登録商標)等が印刷されるコード部1732、偽造困難なホログラムが形成されているホログラム表示部1735、を備えている。なお、コード部1732のQRコード(登録商標)を所定の端末機にて読み取ることによって、所定の端末機に表示される情報には、情報表示部1731に記載された文字列が含まれていてもよい。つまり、特定の情報を含む所定の情報が、コード部1732のQRコード(登録商標)と情報表示部1731の文字列といったように、異なる態様にて表示されていてもよい。【0786】図73-3(b)に示すように、また、開封禁止シール部1730がシール貼付部1701に貼付されると、基板ケース1700の内ケース40Pと外ケース45Pに跨って貼付されるように、内ケース40Pと外ケース45Pとが組合さったときの境界部1738の一部を覆うように貼付されることとなる。つまり、基板ケース1700に収納されている制御基板1705に接触するため、内ケース40Pと外ケース45Pとを分解すると、開封禁止シール部1730が破断されることとなる。つまり、開封禁止シール部1730は、シール部1705等といった種々の識別情報が付された識別表示部とは異なり、基板ケース1700を分解すると形状が変化する識別表示部である。また、開封禁止シール部1730の情報表示部1731およびコード部1732は、シール貼付部1701における遊技機1Pの背面側に全体が視認可能となるように開封禁止シール部1730が貼付されている。さらに、開封禁止シール部1730の情報表示部1731およびコード部1732は、基板ケース1700における基板ケース1700の厚み方向の天面に対して、基板ケース1700の厚み方向に一段低くなるような位置に設けられる。つまり、基板ケース1700におけるシール部1710と開封禁止シール部1730とでは、制御基板1705を制御基板1705の厚み方向に対して垂直をなす方向に延伸させた仮想面からの距離が異なるように構成されている。」
(ケ)
「【図73-4】[図:0001394796000004.jpg]」
(コ)「【0787】図73-4に示すように、情報表示器1750は、図示しない制御部と、横一列になるように構成された4つの7セグ表示部1770a~1770dと、各7セグ表示部の右下に形成された4つのドット表示部1775a~1775dから構成されている。また、情報表示器1750は、アウト球検出スイッチ302aによって検知された結果を受信した主制御基板300にて、その検知結果に基づき計測されたデータが出力されるように主制御基板300からのデータ出力を可能に接続されている。さらに、情報表示器1750は、遊技機1Pの電源がON状態のときには、常時点灯している。そして、情報表示器1750においては、正面から視認した場合に左側に位置する2つの7セグ表示部1770a、1770bおよび2つのドット表示部1775a、1775bを識別表示部1780aとし、右側に位置する2つの7セグ表示部1770c、1770dおよび2つのドット表示部1775c、1775dを比率表示部1780bとする。なお、4つの7セグ表示部1770a~1770dと、4つのドット表示部1775a~1775dとは回路が結線されているものとする。」
(サ)「【0792】また、遊技機1Pは、大当たり確率の設定を変更できるようなものであって、設定キー1780およびRAMクリア操作部1785のRAMクリアボタンの操作により大当たり確率の設定を変更可能である。具体的には、遊技機1Pの電源がONであって、設定キー部1780「ON」でRAMクリアボタン「ON」とすると、RAMクリアボタンの押圧回数に応じて、大当たり確率の設定を変更することができ、変更したい設定としたときに設定キー部1780「OFF」にすると設定を確定することができる。また、遊技機1Pの電源がONであって、設定キー1780「ON」でRAMクリアボタンを操作しないと、後述するように情報表示器1750に現在の遊技機1Pの大当たり確率の設定が表示され、設定の確認をすることができる。なお、遊技機1Pの出荷時、復旧情報の破損時、設定の変更中の電源の入り切り等で復旧エラー状態のときには、上述と同様に電源がONであって設定キー部1780「ON」でRAMクリアボタン「ON」とすると、設定変更が可能であるが、電源がONであって設定キー1780「ON」でRAMクリアボタンを操作しないと、遊技停止の状態となる。【0793】図73-6に示すように、具体的には、本実施形態の遊技機1Pでは、大当たり確率を第1設定(低確率:300分の1)~第6設定(高確率:250分の1)の6段階に設定可能である。この設定変更および設定確認において、情報表示部1750の右側に位置する7セグ表示部1770dでは、変更しようとする設定値または現在設定されている設定値に応じて、「1」~「6」が点灯される。さらに、設定変更をした場合に、設定変更の終了から5秒間は全ての7セグ表示部1770a~1770dとドット表示部1775a~1775dとが点滅する。そして、5秒間の点滅の後に識別表示部1780a、比率表示部1780bにて前述した遊技機1Pの性能の表示が開始される。また、設定変更および設定確認において、設定変更中/設定確認中には「設定変更中です。」、「設定確認中です。」といった現在の状態を示す音声と警告サイレンとが出力されるとともにメイン液晶にて「設定変更中/設定確認中」といった表示がされる。なお、このような遊技機においては、大当たり確率の設定の種類によらず、大当たりのときの特定の演出(図73-6では、「第1演出」とする。)の選択率、およびハズレのときの特定の演出の選択率は一定のものとする。」
(シ)「【0795】[第5実施形態の作用効果]・・・略・・・【0797】さらに、本実施形態のようなシール部1720と開封禁止シール部1730とを有する組立体2Pを備える遊技機1Pによれば、シール部1720のコード部1712と情報表示部1713に表示されている情報は、開封禁止シール部1730に表示されている情報と紐付けされている。したがって、検査者は、シール部1720の情報と開封禁止シール部1730の情報との整合性を確認することで、不正な制御基板の交換といった不正行為を容易に確認することができる。また、開封禁止シール部1730のコード部1732は、基板ケース1700の厚み方向において、制御基板1705を当該厚み方向に対して垂直をなす方向に延伸させた仮想面からの距離が、当該仮想面からシール部1720のコード部1712及び情報表示部1713までの距離とは異なるように設けられている。したがって、検査者は、開封禁止シール部1730のコード部1732とシール部1720のコード部1712及び情報表示部1713とが同じ高さで同一の平面上に設けられているようなものに比べて、開封禁止シール部1730のコード部1732とシール部1720のコード部1712及び情報表示部1713との情報を視認し易く、不正な制御基板の交換といった不正行為を容易に確認することができる。・・・略・・・【0800】またそして、本実施形態のようなシール部1720(審決注:「1710」の誤記。)を有する組立体2Pを備える遊技機1Pであれば、コード部1712のQRコード(登録商標)と情報表示部1713の文字列と、いったように互いに紐付けされるとともに同じ特定の情報を含む情報が異なる態様で表示されている。したがって、コード部1712に対する不正は難しく、情報表示部1713の情報が不正に改竄されていたとしても、検査者が、コード部1712との整合性を確認することで、不正行為等の有無を容易に確認することができるとともに、不正行為を抑止することができる。また、シール部1720においては、コード部1712及び情報表示部1713と、記載領域1570との間に、覗き部1574が形成されているため、上述と同様に、制御基板1705に対して不正が行われたか否かを容易に確認できるため、不正の行われる可能性の低減に繋げることができる。【0801】さらにまた、本実施形態のようなシール部1710と情報表示器1750とを有する組立体2Pを備える遊技機1Pによれば、例えば、情報表示器1750等といった一部の電子部品は覗き部1574を介さずとも視認可能である。したがって、即座且つ容易に視認が必要な一部の電子部品は、視認が容易であるため、不正行為の確認が容易である。また、覗き部1574を介さずとも視認可能な一部の電子部品は、覗き部1574を介して視認可能な電子部品に比べて、制御基板1705上で目立つため、覗き部1574を介さずとも視認可能な一部の電子部品に対する不正行為を抑止することができる。特に、情報表示器1750は、遊技機1Pの遊技盤ユニット12を開放して容易な視認を必要とする部材であるため、上述のような効果を奏することが必要とされる。」
イ 引用発明
上記アからみて、引用例1には、第5実施形態として、次の発明が記載されている。なお、a~rについては本願補正発明の特定事項A~Rに概ね対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。
「a 遊技を制御するメインCPUと、遊技機1Pの種々の性能を表示する情報表示器1750と、が設けられた制御基板1705(【0780】、【0781】、【0782】)と、b 制御基板1705を収納する基板ケース1700(【0779】)と、c 不正行為を抑止することができるシール部1710(【0779】、【0800】)と、d 偽造困難なホログラムが形成されているホログラム表示部1735を備えている開封禁止シール部1730(【0779】、【0785】)と、を備え、続きを表示(全15行)e 基板ケース1700は内ケース40Pと外ケース45Pを含み(【0688】、【0786】)、f シール部1710は、基板ケース1700の外ケース45Pの左右方向中央部の上部に貼り付けられ(【0780】)、g 内ケース40Pと外ケース45Pとを分解すると、開封禁止シール部1730が破断され(【0786】)、h シール部1710は、光透過性を有する素材で形成されており、印刷部1711、コード部1712、情報表示部1713、記載領域1570、および覗き部1574を備え、基板ケース1700の情報表示器1750の視認を阻害しない位置に設けられ(【0780】、【0781】、【0783】)、i 制御基板1705上に設けられた電子部品をシール部1710の覗き部1574から視認可能となっており(【0781】、【0783】)、j 情報表示器1750は覗き部1574を介さずとも視認可能であり(【0801】)、k 情報表示部1750は、横一列になるように構成された4つの7セグ表示部1770a~1770dと、各7セグ表示部の右下に形成された4つのドット表示部1775a~1775dから構成され、左側に位置する2つの7セグ表示部1770a、1770bおよび2つのドット表示部1775a、1775bを識別表示部1780aとし、右側に位置する2つの7セグ表示部1770c、1770dおよび2つのドット表示部1775c、1775dを比率表示部1780bとし、設定変更をした場合に、設定変更の終了から5秒間は全ての7セグ表示部1770a~1770dとドット表示部1775a~1775dとが点滅し、5秒間の点滅の後に識別表示部1780a、比率表示部1780bにて遊技機1Pの性能の表示が開始され(【0787】、【0793】)、l、m 遊技機1Pの電源がONであって、設定キー部1780「ON」でRAMクリアボタン「ON」とすると、RAMクリアボタンの押圧回数に応じて、大当たり確率の設定を変更することができ、変更したい設定としたときに設定キー部1780「OFF」にすると設定を確定することができ(【0792】)、n 遊技機1Pの電源がONであって、設定キー1780「ON」でRAMクリアボタンを操作しないと、情報表示器1750に現在の遊技機1Pの大当たり確率の設定が表示され、設定の確認をすることができ(【0792】)、p、q 設定変更および設定確認において、情報表示部1750の右側に位置する7セグ表示部1770dでは、変更しようとする設定値または現在設定されている設定値に応じて、「1」~「6」が点灯され、設定変更をした場合に、設定変更の終了から5秒間は全ての7セグ表示部1770a~1770dとドット表示部1775a~1775dとが点滅する(【0793】)、r 遊技機1P(【0779】)。」(以下「引用発明」という。)
(3)引用例2
ア 引用例2の記載事項
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原査定で引用文献2として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2019-122482号公報(令和1年7月25日公開、以下「引用例2」という。)には、遊技機に関し、次の事項が図とともに記載されている。なお、下線は合議体が付した。
(ア)「【0093】情報表示器113は、後述する設定値や性能情報(後述する通常ベース値)を表示するためのものであり、デシマルポイントDPを有する4つの7セグメント表示器(113a~113d)で構成されている。そして、7セグメント表示器113a及び113bに性能情報の種類(データ種別)を示す識別情報を表示するための識別セグが構成され、7セグメント表示器113c及び113dによって設定値や性能情報の数値を示す数値情報を表示するための数値セグが構成されている。」
(イ)「【図78】[図:0001394796000005.jpg]」
(ウ)「【1129】(設定変更後にベース警戒報知が行われる場合の具体例)図78(a)を用いて、設定変更後にベース警戒報知(高レベル警戒報知)が行われる場合の具体例について説明する。図78(a)の上側は主制御基板110側の動作例を示す図であり、下側は演出制御基板130側の動作例を示す図である。【1130】続きを表示(全14行)まず、主制御基板110側の動作例について説明する。T1のタイミングにおいて、遊技機1の電源がONになると、他の基板の起動待ち処理を行う。このとき、セキュリティ信号端子からの信号出力が行われず、第1特別図柄表示器60、第2特別図柄表示器61、普通図柄表示器62、第1特別図柄保留表示器63、第2特別図柄保留表示器64、普通図柄保留表示器65、及び、情報表示器113は、非表示状態となっている。【1131】次に、T2のタイミングにおいて、起動待ち処理が終了して起動処理に移行し、T3のタイミングにおいて、設定変更操作が行われたことを検出すると、設定値を変更するための(遊技球の入賞検出やエラーの発生検出等が行われない)設定変更モードに移行し、設定変更指定コマンドを送信する。また、セキュリティ信号端子から設定変更中信号を出力し、情報表示器113に現在の設定値(1~4の何れか)を表示する。【1132】そして、T4のタイミングにおいて、設定値確定操作が行われたことを検出すると、電源投入指定コマンド、通常ベース値指定コマンドを順に送信して遊技の進行を制御するための(遊技球の入賞検出やエラーの発生検出等が行われる)遊技進行モードに移行し、性能情報(通常ベース値等の履歴情報)を算出するための処理(通常中払出数カウンタ、総アウト数カウンタ、通常中アウト数カウンタの更新)を開始する。また、客待ち状態であることを検出すると、客待ち状態指定コマンドを送信する。【1133】このとき、セキュリティ信号端子から所定時間(256ミリ秒)に亘る電源投入信号の出力を開始し、第1特別図柄表示器60、第2特別図柄表示器61、及び、普通図柄表示器62には、予め定められたハズレ出目である初期図柄(例えば、表示器を構成する複数のLEDの1つが点灯する状態)を表示し、第1特別図柄保留表示器63及び第2特別図柄保留表示器64は、特図保留数「0」であることを示す表示となり、情報表示器113では、7セグメント表示器を全点灯させる点灯確認を開始する。【1134】次に、T5のタイミングにおいて、電源投入信号の出力を停止し、T6のタイミングにおいて、点灯確認の実行時間(5秒)が経過すると、情報表示器113での性能情報(通常ベース値)の表示を開始する。具体的には、現在の遊技区間の通常ベース値(「bL.○○」)、1つ前の遊技区間の通常ベース値(「b1.○○」)、2つ前の遊技区間の通常ベース値(「b2.○○」)、3つ前の遊技区間の通常ベース値(「b3.○○」)の順で繰り返し表示する。」
(エ)「【図79】[図:0001394796000006.jpg]」
(オ)「【1163】(設定確認後にベース警戒報知が行われる場合の具体例)図79(a)を用いて、設定確認後にベース警戒報知(高レベル警戒報知)が行われる場合の具体例について説明する。図79(a)の上側は主制御基板110側の動作例を示す図であり、下側は演出制御基板130側の動作例を示す図である。【1164】続きを表示(全14行)まず、主制御基板110側の動作例について説明する。T1のタイミングにおいて、遊技機1の電源がONになると、他の基板の起動待ち処理を行う。このとき、セキュリティ信号端子からの信号出力が行われず、第1特別図柄表示器60、第2特別図柄表示器61、普通図柄表示器62、第1特別図柄保留表示器63、第2特別図柄保留表示器64、普通図柄保留表示器65、及び、情報表示器113は、非表示状態となっている。【1165】次に、T2のタイミングにおいて、起動待ち処理が終了して起動処理に移行し、T3のタイミングにおいて、設定確認操作が行われたことを検出すると、メインRAM110cのRWM領域にセーブされている設定値を確認するための(遊技球の入賞検出やエラーの発生検出等が行われない)設定確認モードに移行し、設定確認指定コマンドを送信する。また、セキュリティ信号端子から設定確認中信号を出力し、情報表示器113に現在の設定値(1~4の何れか)を表示する。【1166】そして、T4のタイミングにおいて、確認終了操作が行われたことを検出すると、電源復旧指定コマンド、通常ベース値指定コマンドを順に送信して遊技の進行を制御するための(遊技球の入賞検出やエラーの発生検出等が行われる)遊技進行モードに移行し、性能情報(通常ベース値等の履歴情報)を算出するための処理(通常中払出数カウンタ、総アウト数カウンタ、通常中アウト数カウンタの更新)を開始する。また、客待ち状態であることを検出すると、客待ち状態指定コマンドを送信する。【1167】このとき、セキュリティ信号端子からの所定時間(256ミリ秒)に亘る電源投入信号の出力を開始し、第1特別図柄表示器60、第2特別図柄表示器61、及び、普通図柄表示器62には、予め定められたハズレ出目である初期図柄(例えば、表示器を構成する複数のLEDの1つが点灯する状態)を表示し、第1特別図柄保留表示器63及び第2特別図柄保留表示器64は、特図保留数「0」であることを示す表示となり、情報表示器113では、7セグメント表示器を全点灯させる点灯確認を開始する。【1168】次に、T5のタイミングにおいて、電源復旧信号の出力を停止し、T6のタイミングにおいて、点灯確認の実行時間(5秒)が経過すると、情報表示器113での性能情報(通常ベース値)の表示を開始する。具体的には、現在の遊技区間の通常ベース値(「bL.○○」)、1つ前の遊技区間の通常ベース値(「b1.○○」)、2つ前の遊技区間の通常ベース値(「b2.○○」)、3つ前の遊技区間の通常ベース値(「b3.○○」)の順で繰り返し表示する。」
イ 引用例2記載の技術事項
上記アからみて、引用例2には、次の事項が記載されている。
「デシマルポイントDPを有する4つの7セグメント表示器(113a~113d)で構成されている情報表示器113を備えた遊技機1(【1130】、【0093】)であって、設定変更操作が行われたことを検出すると、設定値を変更するための設定変更モードに移行し、情報表示器113の7セグメント表示器113c及び113dに現在の設定値(1~4の何れか)を表示し、設定値確定操作が行われたことを検出すると、遊技進行モードに移行し、情報表示器113では、7セグメント表示器を全点灯させる点灯確認を開始し、点灯確認の実行時間(5秒)が経過すると、情報表示器113での性能情報(通常ベース値)の表示を開始するものであり(【0093】、【1131】~【1134】、図78(a))、設定確認操作が行われたことを検出すると、メインRAM110cのRWM領域にセーブされている設定値を確認するための設定確認モードに移行し、情報表示器113の7セグメント表示器113c及び113dに現在の設定値(1~4の何れか)を表示し、確認終了操作が行われたことを検出すると、遊技進行モードに移行し、情報表示器113では、7セグメント表示器を全点灯させる点灯確認を開始し、点灯確認の実行時間(5秒)が経過すると、情報表示器113での性能情報(通常ベース値)の表示を開始する(【0093】、【1165】~【1168】、図79(a))、遊技機1(【1130】)。」(以下「引用例2記載の技術事項」という。)
(4)周知例の記載、周知技術
ア 周知例1
令和3年11月1日付けの補正の却下の決定で引用文献3として引用され、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2005-198915号公報(平成17年7月28日公開、以下「周知例1」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
(ア)「【技術分野】【0001】本発明は、制御装置を備えた遊技機に関するものである。【背景技術】続きを表示(全24行)【0002】パチンコ機等の遊技機は、その作動を制御するための制御装置を備えている。ここで、その制御装置について、制御素子であるCPUや記憶素子であるROMの不正交換などにより遊技球等を不正獲得することが行なわれる場合がある。【0003】かかる不正を回避し、又は不正を発見し易くするために、従来の遊技機においては、CPU,ROM等が搭載された基板を内部視認可能な基板ボックスに収容し、その基板ボックスを脆性の識別シール(特殊な模様等が付されたシール)によって封印するようにしている。また、近年では識別シールとして非常に模造し難いホログラムを利用したものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。【0004】これにより、不正なROM交換等の目的で基板ボックスを開放しようとしても識別シールを破損させない限りは基板ボックスを開放させることができず、また、万一基板ボックスが開放されたとしても識別シールの破損状況を確認することで容易にその事実を把握することができる。また、ホログラムで形成された識別シールでは、模造シールを製作することも困難であることから、正規の識別シールを破壊した上で模造シールを貼付し直しても容易にその事実を把握することができる。【0005】また、識別シールは制御基板に貼付される場合もあり、これにより、制御基板の不正な交換が行なわれた場合の対策としている。【0006】しかしながら、識別シールは、その粘着性によって基板ボックスや制御基板に貼付されているだけであるため、丁寧にシールを剥がすことで殆ど見た目にはわからないほど元の状態に戻すことができる可能性がある。この場合には、不正な交換行為を発見することができないという問題が生ずる。・・・略・・・【発明が解決しようとする課題】【0007】上記従来の問題点に鑑み、本発明者は、ホログラム等のフィルム状識別体を粘着性によって単に貼付するのではなく、蒸着技術、圧着技術、印刷技術などを用いて制御基板等から分離不能な状態とすれば剥離することが不可能となって、巧妙な不正の対策として優れていると考えるに至った。【0008】ここで、ホログラム等のフィルム状識別体を制御基板に蒸着等する場合には、その生産効率を考慮すると、リールから導き出される支持テープを設け、その支持テープにホログラム等のフィルム状識別体を支持し、その支持テープを制御基板に近接した位置で走行させた上、蒸着等の処理を行なう必要がある。【0009】ところが、制御基板には、各種素子が大量に実装されているため、リールから延びる帯状の支持テープがそれら素子に接触するおそれがあり、この場合には支持テープが破断されたりホログラムに傷がついたりする。従って、現状の基板構成では効率良く制御基板にホログラム等のフィルム状識別体を蒸着等することができない。【0010】本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、制御基板にホログラム等のフィルム状識別体を離脱不能に取り付けることができるようにして巧妙な不正行為すら排除することができるとともに、そのための生産効率低下をも低減することができる遊技機を提供することを解決課題とするものである。」
(イ)「【0240】(b)上記実施の形態では、ホログラム299を蒸着するように構成したが、要するにホログラム299が貼付される場合のように主基板281から剥離される不具合を解消できればよく、蒸着に代えて、圧着したり印刷するなどによって主基板281と一体化させてもよい。・・・略・・・【0243】(e)上記実施の形態では、主基板281の素子搭載領域281cにのみ配線パターンを印刷したが、配線パターンが端縁領域281bに及ぶものであってもよい。この場合であっても端縁領域281bに素子が実装されなければ過度の凹凸は発生せず、端縁領域281bへのホログラム299の蒸着処理の妨げとはならないからである。但し、この場合は、端縁領域281b内の配線パターンに異常がないかどうかを確認し易くするために、ホログラム299として透明又は半透明のものを使用することが好ましい。透明又は半透明のホログラム299は見る角度によって透明又は半透明に見えたり、像が浮き出て見えたりするので、見る角度を変えることでホログラム299の背面側にある主基板281の表面情報を確認したり、ホログラム299自体の模様を確認することができる。また、配線パターンが端縁領域281bに及ぶものでなくても、透明又は半透明のホログラム299を用いることは可能であるが、この場合にはホログラム299の模様を目視し易いようにホログラム299自体又は端縁領域281bに反射層を形成することが好ましい。」
イ 周知例2
令和3年11月1日付けの補正の却下の決定で引用文献4として引用され、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2005-261637号公報(平成17年9月29日公開、以下「周知例2」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
(ア)「【技術分野】【0001】本発明は、パチンコ機等の遊技機に関するものである。・・・略・・・続きを表示(全13行)【発明が解決しようとする課題】【0004】ところが、近年、上記制御基板等に関する種々の悪質な行為が問題となっている。悪質な行為としては、例えば、基板ボックスを開放させ、正規の制御手段を別途改造された制御手段と取り替える行為、基板ボックス自体を取り外し、別途改造された基板ボックスに取り替える行為、ケーブルコネクタや端子部に別途の基板を取付ける、所謂「ぶら下げ」と称される行為等が挙げられる。【0005】このような悪質な行為を抑制するべく、種々の対策が講じられているのも事実である。例えば、基板ボックスを封印したり、或いは、ボックスベースとボックスカバーとに跨るように封印シールを貼付したりするといった具合である。【0006】しかしながら、このような対策を施したとしても、悪質な行為が後を絶たないというのが実情であり、特に昨今ではコネクタ等に関する悪質行為が目立つようになってきている。尚、かかる課題は、パチンコ機に限られず、スロットマシン等の他の遊技機にも内在する深刻なものである。【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、端子部を具備する制御基板を有してなる遊技機において、悪質な行為の抑止を図ることのできる遊技機を提供することである。」
(イ)「【0154】また、コネクタカバー411の側壁部417及び支持壁部416の幅(突出長、奥行き幅)は、前記被包壁部263Kの奥行幅とほぼ同じに設定されており、上記コネクタカバー411の取付状態にあっては、コネクタカバー411のカバー壁部412と、それに隣接する基板ボックス263とが略面一状態に維持されている。【0155】さらに、本実施形態では、前記面一となっている部分には、コネクタカバー411及び基板ボックス263双方に跨るようにして封印手段としての封印シール421が取着されている。かかる封印シール421には、多数の微細な打抜(切れ込み)部が形成されている。そして、一旦封印シール421が貼着された場合にあっては、封印シール421を不正に強引に剥がそうとすると、打抜(切れ込み)によって形成された繋ぎ部が非常に幅狭となっていることから、当該繋ぎ部において比較的破断されやすくなり、該破断に基づき残存部が張り付いたまま残りやすくなる。このため、封印シール421が剥がされたことの証拠とすることができるようになっている(痕跡残存シール)。続きを表示(全12行)【0156】また、本実施形態では、封印シール421として、ホログラムシールが採用されている。ここで、ホログラムというのは、レーザー光を照射して、反射した光の波形(干渉縞)をフィルム(や乾板)に記録し、立体画像として再生することの可能な立体画像記録体を主としていうものである。このような構成とすることで、封印シール421の複製が困難となるため、不正行為者がその封印シール421を剥離して別のものに取り替えた場合であっても、その事実を容易に確認することができるようになっている。【0157】さらに、ホログラムが付与されているのは、封印シール421の周囲部分であって、中央部分は、透明となっている。ホログラムシールが採用されていると、内部の透視性が妨げられがちであるが、本実施形態のように、中央部分が透明であるため、コネクタカバー411及び基板ボックス263が透明であることとも相俟って、内部のコネクタCN等の接続状況を随時確認できるようになっている。【0158】但し、封印シール421としては、上記のような構成に必ずしも限られるものではなく、剥離を行った場合に何らかの痕跡が外観として残るものであればよい。また、必ずしもシール状のものに限られず、例えば板状、プレート状等他の形状を有する封印手段を採用してもよい。また、詳細な説明は省略するが、封印シール421に、メーカー名や機種名、製造年月日、製造番号等の固有の情報を付しておいてもよい。この場合、別の封印シールに取り替えられた場合には、情報の内容を対比することで不正行為が行われたか否かを確認することができる。【0159】併せて、本実施形態では、前記封印シール421の貼付される側、すなわち、コネクタカバー411のカバー壁部412の一部及び基板ボックス263の一部には、位置合わせ手段としての位置決め凹部ST1,ST2が形成されている。かかる位置決め凹部ST1,ST2の存在により、封印シール421の取着作業を円滑、且つ、正確に行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。また、不正行為者が別のコネクタカバーに不正に取り替えたような場合に、不正品に位置合わせ手段がないことに基づいて不正行為等を発見することもできる。」
ウ 周知例3
令和3年11月1日付けの補正の却下の決定で引用文献5として引用され、本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった実願平3-1417(実開平4-98075)のマイクロフィルム(平成4年8月25日公開、以下「周知例3」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
(ア)「【0003】【考案が解決しようとする課題】ところで、このような2枚のシートによる物品の包装によって、宝石、コイン、メダル、貴金属等の貴重品をパッケージする場合、パッケージのシート材料そのものを偽造し、包装される貴重品として贋物を入れ、あたかも包装された中身もパッケージも本物であるかのように見せかけることもできる。【0004】そこで、これらを防止するためには、包装材料を偽造し難いシート材で構成することが考えられる。従来は、このために偽造し難いシート材として印刷したものを用いていたが、シート上に印刷すると、中身が見えない上、偽造がさほど困難でなく、十分な解決策とは言えない。しかも、印刷によると、パッケージの意匠効果に限界があり、需要者の興味を引くにも限界がある。【0005】本考案はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、包装される貴重品と共に意匠効果が優れかつ偽造困難なホログラムシートからなる表示体を封入して包装体を構成し、封入された偽造困難な表示体を見ることによって、真正品であるか否かを容易に区別することができ、また、特殊な意匠効果を与えることができる貴重品包装体を提供することである。」
(イ)「【0011】【実施例】以下、図面を参照にして本考案のパッケージの実施例について説明する。【0012】図1はこの考案による貴重品包装体の1実施例の断面図であり、図2はその平面図である。コイン等の包装される貴重品1は、透明ホログラムシート2の中央部に貴重品1の外形に合わせてくり抜いて形成した開口中に挿入支持される。この貴重品1を支持している透明ホログラムシート2は、相互に嵌合する上側透明ケース3と下側透明ケース4の間に挟まれ、両ケース3、4は外周の重なり部5で接着剤、超音波シール等により相互に接着され、密封される。なお、上側透明ケース3、下側透明ケース4は、図示のように、貴重品1の外形に合わせて凹部6が予め成形されている。【0013】ところで、透明ホログラムシート2は、図3に断面を示すように、透明ホログラム多層体10と、その凹凸反射面を保護し、偽造を防止するためにホログラムレリーフ面に接着剤12により接着された保護フィルム11とからなり、透明ホログラム多層体10は、ホログラム層支持層7上に設けられた透明レリーフホログラム層8とホログラム層8のレリーフ面に設けられた透明反射層9とからなっている。ホログラム層8のレリーフ面は、例えば、ホトレジストに、表示する物体の情報を有する物体光と、物体光と同じ波長の参照光を同時に照射して干渉させ、その干渉縞を凹凸模様として記録し、このホトレジストの凹凸模様(レリーフ模様)を金型に移して、金型のレリーフ模様をホログラム層8を構成する材料上に複製して構成したものである。このレリーフ面に、ホログラム層8の材料の屈折率より大きい屈折率の透明層9を設けると(屈折率は相対的に小さくても良い。)、入射光はその境界面で屈折率差によりフレネル反射され、この反射光は、レリーフ面によって変調された波面を持っているので、記録された物体の像13が再生されるものである。しかも、ホログラム層支持層7、レリーフホログラム層8、反射層9の何れも透明であるので、このようなホログラム再生像に加えて、透明ホログラム多層体10の向う側にある物が透けて見えることになる。・・・略・・・【0042】以上のように構成された包装体においては、上側透明ケース3も下側透明ケース4も透明性の高い材料で構成されているので、その中に貴重品1を密封しても外からその状態を確認できる。したがって、その中の貴重品1の色、形、模様、傷等を良く見ることができる。しかも、この貴重品1と共に透明ホログラムシート2が密閉されているので、ホログラムから再生されるホログラム像13によって意匠効果を高めることができる。また、透明ホログラムシート2から再生される像、再生方式、再生光を特殊なものに選択することにより、真正品の確認が簡単になる。さらに、透明ホログラムシート2はそのレリーフ面に保護フィルム11を接着してあるので、偽造を目的としてこの保護フィルム11を剥離しようとすると、ホログラム層8と透明反射層9からなるホログラムが破壊されてしまうため、偽造、改竄が困難であり、包装体のプルーフとしての役割を果たす。」
エ 周知例4
本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特許第2797944号公報(平成10年9月17日発行、以下「周知例4」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
(ア)「【0001】【産業上の利用分野】本発明は、透明ホログラムを有するシールに係り、とくに再利用を防止し、偽造若しくは改竄を困難とする透明ホログラムシールに関するものである。【0002】【従来の技術】従来、偽造を防止する手段は、物品そのものを真似することが困難なものとするか、或いは真似することが困難なものを本物であることの証明として物品に取りつけることにより、本物と偽物を区別できるようにするものがある。例えば前者は、紙幣など有価証券のようにそのもの自体に微細な加工を施すか、真似しにくい色調の彩色を施したり、また素材を特殊なものとして、模造または印刷技術の不正利用、或いは複写機による不法な複写による偽造などを困難にすることで、防止できるようにしている。さらに印刷複製技術の進歩、または複写機などデジタル技術の進歩により、上記したような微細な加工を施したり、色彩を真似しにくくしても容易に再現することが可能となり、このような技術に対応して、加工技術を高微細化し、より複製・偽造を困難とするような方向にある。【0003】後者は、物品に取りつけるだけなので、取扱いやすいため、広く使われるようになり、例えばレリーフ型ホログラムからなる画像が形成されたシールがある。これはホログラム画像を凹凸状に形成し、エンボス加工により大量生産が可能であるという効果を有している。とくに層構成を考慮し、シールを剥離困難とするか、或いは剥離後再生困難となるように構成されており、使用対象としてカード、紙幣、証明書類などに一度貼り付けた後、これを剥離するとホログラムの一部若しくは全体が破壊されることで、偽造だけでなく、改竄など物品になんらかの手が加えられたことが、一目で判別できるとしたものである。【0004】このような先行技術として、実公昭46-4432号公報に記載されるように、透明なプラスチック基材の裏側に部分的に剥離層を設け、それがパターン状になっており、その上に粘着層を設けたものがある。また実公平3-7372号公報に記載されるように、透明なフィルム基材の裏側に透明な剥離層を部分的に形成し、それに重ねて印刷表示部層を設けたものがあり、さらには実公平4-17554号公報に記載されるように、再粘着防止粘着シートが開示されている。【0005】また、偽造防止機能を備えたシールにあっては、本物か偽物かを容易に判別できる、シール自体の構成を判別しにくい、周囲の環境により偽造防止機能が変化しないなどの要求がある。【0006】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高度な微細化による真偽の判別は、微細な箇所を拡大して見るか、或いは本物と比較するなど余程注意して見なければ見逃してしまうため、またその場所の明るさや確認時間を十分にとらなければならないなど、現実の取引状態に合わなくなってきている。また素材を特殊としても、全く特異な素材とすることはできず、またコスト的にも高くなり現実的ではない。また上記のようなホログラムは、ホログラム原理や層など構成が簡単であるため、偽造されやすくなりつつあることから、これによる偽造防止効果も薄れてきている。さらに上記した剥離層をパターンニングしたシートや再粘着防止粘着シートは剥離することにより、その機能を発現するものであって、これらが偽造を防止しようとするものに貼ってある状態では、シートそのものについて判別しがたいものである。【0007】そこで本発明は、シール自体の層構成や構成材料などの判別が困難である一方、そのシールの真偽判別が可能なユニークな色調を有する偽造改竄防止用のシールで、とくにセラミックを積層してなる光学的な偽造改竄防止用の透明ホログラムシールを提供することを目的とする。」
(イ)「【0057】【発明の効果】本発明の透明ホログラムシールは、基材上にホログラム形成層、透明蒸着層、接着層、或いは必要に応じて接着アンカー層を設け、この透明蒸着層を屈折率の異なる複数のセラミック材料を特定の厚さに積層することにより、特定の波長領域の光線を反射あるいは透過させるという性質を示し、かつ見る角度によって、透明蒸着層の膜厚が変化するため薄膜内の光路長が変化し、透過光或いは反射光の色が変わって見えるものである。これにより色が異なって見えるため、その判別が容易であり、極めて高い偽造防止性を発揮するものである。」
オ 周知例5
本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった再公表特許第91/03380号(平成3年9月5日発行、以下「周知例5」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
「第3図~第5図は本発明によるホログラムカレンダーの実施例の使用方法を説明するための図である。まず、ホログラムカレンダー1の剥離紙16を剥がして、粘着剤層15により、腕時計2のガラス板やアクリル板などの透明保護板22上に貼り付ける。ここで、再生光となる太陽光や室内光などは前側上方から入射するので、腕時計の文字盤をほぼθ=45度の角度でみるものとし、ホログラム画像1aを記録する際の参照光をホログラム乾板に対して45度の角度から照射して記録しである。したがって、このホログラムカレンダー1の視域、つまり、ホログラム画像1aを見るために目3を置くことができる範囲は、ホログラムカレンダー1に対して比較的狭い範囲である。いま、第3図に示すように、時間を知るために、腕時計2を見たとする。通常の場合には、正確に視域内の角度に腕を曲げることは少ないので、通常使用者の目3はホログラム画像1aの視域になく、カレンダーを再生したホログラム画像1aを見ることなく、透明なホログラム形成層11を透過して、腕時計2の文字板21を見ることができる(第4図)。この状態から、カレンダーにより曜日や日付けを知りたい場合には、使用者は、目3aの位置を変化させたり、腕時計2の角度θを変化させたりしで、カレンダー1からの回折光が目3aに入射する角度を探して、再生されるホログラム画像1aを見ることができる(第5図)。なお、月が変わった場合には、ホログラムカレンダー1は、前述したように粘着剤層15は再剥離可能であり、しかもその剥離は極めてクリアーに行われ得るので、簡単に取り替えることができる。」(5ページ左上欄3行~同ページ右上欄7行)
カ 周知例6
本願の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2009-48017号公報(平成21年3月5日公開、以下「周知例6」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
(ア)「【技術分野】【0001】本発明は、レリーフ形状転写箔、並びにこれを用いて形成されたレリーフ形状形成物に関する。詳細には、プラスチックシートのような被着体の表面にさまざまなパターンのレリーフ形状を転写形成可能なレリーフ形状転写箔、並びにこれを用いてレリーフ形状がパターン状に形成されたレリーフ形状形成物に関する。さらに詳細には、レリーフ形状がホログラムのような光学特性を有する光学形状転写箔、並びにこれを用いて光学形状が形成された光学形状形成物に関する。身近な例としては、透明ホログラム形状転写箔や、これを用いて形成された透明ホログラム形成体に関する。【背景技術】続きを表示(全28行)【0002】本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。また、「基材/ホログラム層(レリーフ形状)/透明反射層」は、「ホログラム層のレリーフ形状が、基材/ホログラム層の界面ではなく、ホログラム層/反射層の界面に形成されている」ことを示す。また、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」の略語、機能的表現、通称、又は業界用語である。【0003】透明ホログラムは下地に形成された文字や絵柄などの表示部を妨げることなく、ホログラム特有の意匠性、セキュリティー性を向上することが可能なため、近年、様々な分野で使用されてきている。例えば、透明ホログラムはシート状に加工され包装用梱包材として使用される。また、シール、形状転写箔などの形態で作製され、カード、写真、雑誌、証券等の全面、もしくは、その一部に貼りあわせるなどして使用されている。【0004】通常、透明ホログラムはホログラム形状を有するレリーフ形状の表面に、ホログラム材料とは屈折率の異なる材料からなる透明反射層を形成することで製造される。ホログラムにおいて高輝度であることは非常に重要である。この輝度はホログラム層/透明反射層の界面の屈折率差に依存するため、透明反射層材料としては、例えば、酸化チタンや、硫化亜鉛のような屈折率の大きい材料が使用される。例えば、特許文献1には、ホログラム形成層/透明薄膜層/接着層からなる透明ホログラムシールに関する記載がなされており、様々な透明反射層材料に関する記載がなされている。この透明反射層材料はアルミのような金属反射層材料と比較したとき非常に高価であること、また、生産性が低いことから、透明ホログラムは反射ホログラムと比較して非常に高価なものである。【0005】一方、透明反射層材料を形成しない透明ホログラムが知られている。このホログラムは、ホログラム層のレリーフ面が直接空気界面となる構成、すなわちホログラム層(レリーフ形状)/空気の構成のため、表面の汚染に弱いなどの問題があるが、高価な材料を使用しない、工程数が減少する等の理由により安価に透明ホログラムを製造できる。しかしながら、安価な透明ホログラム形状転写箔に関しては知られていない。【0006】例えば、特許文献2には、基材/剥離層/ホログラム層(レリーフ形状)/透明反射層/接着層の構成を有する透明ホログラム形状転写箔が記載されている。しかしながら、このタイプの透明ホログラム形状転写箔は上述したように、高価な透明反射層材料を使用することが必須条件のため、非常に高価なものとなった。また、透明反射層は、酸化チタンや硫化亜鉛のような高屈折率材料を真空蒸着により形成するため、基材が熱ダメージを受け易い、バッチ処理であるため生産性が悪い等の問題があった。【0007】この真空蒸着法における生産性の低下、基材の熱ダメージへの対処策として、例えば、特許文献3には、基材表面に透明反射層と微細凹凸を形成する方法において有機金属化合物からなる透明反射層を基材表面に形成前、もしくは形成後に微細凹凸を設けることにより蒸着法による熱ダメージによるホログラムの不具合が生じないような透明反射層の形成方法、並びにそれによるホログラム形成体の製造方法について記載されている。また、この方法で形成される染料受容性を有する形状転写箔、いわゆる、中間転写媒体に関する実施例が記載されている。【0008】しかしながら、このホログラムは有機金属化合物の塗工安定性の確保が困難であるばかりか、転写後に形成されたホログラムの輝度が十分ではなく、ぱっと見の人目をひくような効果が十分ではなかった。【0009】また、真空蒸着法における基材への熱ダメージへの対処策として、例えば、特許文献4には、既に形成された回折構造体上に透明反射層を印刷でパターン状に形成することが記載されている。透明反射層材料として高屈折率微粒子、金属アルコシキド、樹脂などを混合したものが使用可能であり、1.7以上の屈折率が得られるインキであれば特に限定されないと記載されている。さらに、この方法を用いて作製した回折構造体形状転写箔を用いて、さらに、カード上に回折構造体を転写形成する方法が記載されている。【0010】しかし、上記方法にて回折構造体を形成した形状転写箔を利用して、カード上にホログラム等の回折構造体を転写したパターンは十分な輝度を有しておらず、意匠性に欠け、ぱっと見て人目を引く効果が十分ではなかった。【0011】また、一方では反射ホログラムの輝度向上を目的として、特許文献5には、基材/ホログラム層/金属蒸着層/接着層からなるホログラム転写箔において、ホログラム層/金属蒸着層の界面における表面張力を制御することで、ホログラム/金属蒸着層の界面剥離を制御したホログラム転写箔について記載されているが、透明ホログラム転写箔に関する記述はない。・・・略・・・【発明が解決しようとする課題】【0013】本発明は、上記のような問題点を解消するために、一般的な塗工工程によって作製可能であることから生産性に優れ比較的安価な材料を使用可能であるとともに、ホログラムの輝度が高く、意匠性に優れた透明ホログラム転写箔、並びに、これを使用し作製された透明ホログラム形成体を提供することを目的とする。また、同様の製造方法により作製可能な微細レリーフ形状転写箔、並びに、これを用いて作製された微細レリーフ形状形成体を提供することを目的とする。」
キ 周知例1~6からみて、「物品に透明ホログラムを設けること」は本願の出願前に周知(以下「周知技術」という。)であると認められる。
(5)対比
本願補正発明と引用発明を対比する。
ア 特定事項Aについて
引用発明の「遊技を制御するメインCPU」、「遊技機1Pの種々の性能を表示する情報表示器1750」及び「制御基板1705」は、それぞれ本願補正発明の「遊技を制御する主制御部」、「遊技情報を表示する情報表示部」及び「基板」に相当する。
引用発明のaは、制御基板1705(基板)に、遊技を制御するメインCPU(遊技を制御する主制御部)と、遊技機1Pの種々の性能を表示する情報表示器1750(遊技情報を表示する情報表示部)とが設けられているから、本願補正発明の特定事項Aに相当する。
イ 特定事項Bについて
引用発明の「b 制御基板1705を収納する基板ケース1700」は、本願補正発明の「B 前記基板を収容する基板ケース」に相当する。
ウ 特定事項Cについて
引用発明のcの「不正行為を抑止することができるシール部1710」と、本願補正発明の特定事項Cの「ホログラムを用いた透かし加工を施した第1加工シール」とは、「第1加工シール」で一致する。
エ 特定事項Dについて
引用発明の「開封禁止シール部1730」は、引用例1を参照しても、透明であることの明示がなく、透明であれば透明についての言及があることが技術常識であるから、「開封禁止シール部1730」が不透明であることは自明である。
そうすると、引用発明のdの「偽造困難なホログラムが形成されているホログラム表示部1735を備えている開封禁止シール部1730」と、本願補正発明の特定事項Dの「前記第1加工シールとは異なるホログラム加工を施した不透明な第2加工シール」とは、「ホログラム加工を施した不透明な第2加工シール」で一致する。
オ 特定事項Eについて
引用発明のeにおいて、基板ケース1700(基板ケース)は内ケース40Pと外ケース45Pを含むものであり、「内ケース40」及び「外ケース45P」は、それぞれ本願補正発明の「基体」及び「カバー体」に相当する。
そうすると、引用発明のeは、本願補正発明の特定事項Eに相当する。
カ 特定事項Fについて
引用発明のfにおいて、シール部1710(第1加工シール)は、基板ケース1700の外ケース45P(カバー体)の左右方向中央部の上部に貼り付けられており、内ケース40(基体)と外ケース45P(カバー体)とに跨がって貼付されているわけではないから、基板ケース1700(基板ケース)の開封に伴って破断されることはない。
そうすると、引用発明のfは、本願補正発明の特定事項Fに相当する。
キ 特定事項Gについて
引用発明のgにおいて、基板ケース1700の内ケース40P(基体)と外ケース45P(カバー体)とを分解すると、開封禁止シール部1730(第2加工シール)が破断される。
そうすると、引用発明のgは、本願補正発明の特定事項Gに相当する。
ク 特定事項Hについて
引用発明の「印刷部1711、コード部1712、情報表示部1713、記載領域1570」及び「覗き部1574」は、それぞれ本願補正発明の「所定の情報が記されている情報記載部」及び「透光性が高い透光部」に相当する。
また、引用発明のhにおいて、シール部1710(第1加工シール)は、光透過性を有する素材で形成されており、印刷部1711、コード部1712、情報表示部1713、記載領域1570(情報記載部)、および覗き部1574(透光性が高い透光部)を備え、基板ケース1700の情報表示器1750(情報表示部)の視認を阻害しない位置に設けられている。
そうすると、引用発明のhは、本願補正発明の特定事項Hに相当する。
コ 特定事項Iについて
引用発明のiにおいて、制御基板1705上に設けられた電子部品をシール部1710の覗き部1574(透光部)から視認可能となっているから、引用発明のiと、本願補正発明の特定事項Iとは、「前記透光部を介して前記基板ケース内を視認可能であり」とで一致する。
サ 特定事項Jについて
引用発明のjは、情報表示器1750(情報表示部)は覗き部1574(透光部)を介さずとも視認可能であるから、本願補正発明の特定事項Jに相当する。
シ 特定事項Kについて
引用発明の「「4つの7セグ表示部1770a~1770d」及び「4つのドット表示部1775a~1775d」」及び「全ての7セグ表示部1770a~1770dとドット表示部1775a~1775dとが点滅」は、それぞれ本願補正発明の「複数の表示部」及び「所定の初期表示」に相当する。
引用発明のkにおいて、情報表示部1750(情報表示部)は、横一列になるように構成された4つの7セグ表示部1770a~1770dと、各7セグ表示部の右下に形成された4つのドット表示部1775a~1775d(複数の表示部)から構成され、左側に位置する2つの7セグ表示部1770a、1770bおよび2つのドット表示部1775a、1775bを識別表示部1780aとし、右側に位置する2つの7セグ表示部1770c、1770dおよび2つのドット表示部1775c、1775dを比率表示部1780bとし、設定変更をした場合に、設定変更の終了から5秒間は全ての7セグ表示部1770a~1770dとドット表示部1775a~1775dと(全ての表示部)が点滅(所定の初期表示)し、5秒間の点滅の後に識別表示部1780a、比率表示部1780b(全ての表示部)にて遊技機1Pの性能(遊技情報)の表示が開始されるものである。
そうすると、引用発明のkは、本願補正発明の特定事項Kに相当する。
ス 特定事項L、Mについて
引用発明の「遊技機1Pの電源がONであって、設定キー部1780「ON」でRAMクリアボタン「ON」とする」こと、「大当たり確率の設定を変更することができ」る状態、及び、「設定キー部1780「OFF」にする」ことは、それぞれ本願補正発明の「所定の変更操作」、「設定変更モード」及び「設定変更終了操作」に相当する。
引用発明のl、mにおいて、遊技機1Pの電源がONであって、設定キー部1780「ON」でRAMクリアボタン「ON」とすると(所定の変更操作)、RAMクリアボタンの押圧回数に応じて、大当たり確率の設定を変更することができ、変更したい設定としたときに設定キー部1780「OFF」にする(設定変更終了操作)と設定を確定することができるものである。
そして、前述で設定キー部1780「OFF」にする(設定変更終了操作)と設定を確定した際に遊技が実行可能であることは自明である。
そうすると、引用発明のl、mは、本願補正発明の特定事項L及びMを備える。
セ 特定事項Nについて
引用発明の「遊技機1Pの電源がONであって、設定キー1780「ON」でRAMクリアボタンを操作しない」こと及び「設定の確認をすることができ」る状態は、それぞれ本願補正発明の「所定の確認操作」及び「設定確認モード」に相当する。
引用発明のnにおいて、遊技機1Pの電源がONであって、設定キー1780「ON」でRAMクリアボタンを操作しないと(所定の確認操作)、情報表示器1750に現在の遊技機1Pの大当たり確率の設定が表示され、設定の確認をすることができ(設定確認モード)るものである。
そうすると、引用発明のnは、本願補正発明の特定事項Nに相当する。
ソ 特定事項P、Qについて
引用発明の「情報表示部1750の右側に位置する7セグ表示部1770d」及び「設定値」は、本願補正発明の「情報表示部における特定の表示部」及び「設定値」に相当する。
引用発明のp、qにおいて、設定変更(設定変更モード)および設定確認(設定確認モード)において、情報表示部1750の右側に位置する7セグ表示部1770d(特定の表示部)では、変更しようとする設定値または現在設定されている設定値に応じて、「1」~「6」が点灯され、設定変更をした場合に、設定変更の終了から5秒間は全ての7セグ表示部1770a~1770dとドット表示部1775a~1775dとが点滅する(所定の初期表示)。
そうすると、引用発明のp、qは、本願補正発明の特定事項Pを備える。
また、引用発明のp、qと、本願補正発明の特定事項Qとは、「前記設定確認モード中は前記特定の表示部を用いて設定値を表示」することで一致する。
タ 特定事項Rについて
引用発明の「遊技機1P」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。
そうすると、引用発明のrは、本願補正発明の特定事項Rに相当する。
チ 上記ア~タからみて、本願補正発明と引用発明とは、
「A 遊技を制御する主制御部と、遊技情報を表示する情報表示部と、が実装された基板と、B 前記基板を収容する基板ケースと、C’第1加工シールと、D’ホログラム加工を施した不透明な第2加工シールと、続きを表示(全19行)を備え、E 前記基板ケースは、基体とカバー体とを備え、F 前記第1加工シールは、前記カバー体にのみ貼付されており、前記基板ケースの開封に伴って破断されることがなく、G 前記第2加工シールは、前記基板ケースの開封に伴って破断され、H 前記第1加工シールは、透光性が高い透光部と、所定の情報が記されている情報記載部と、を有し、前記基板ケース上において、前記情報表示部に重ならない位置に貼付され、I’前記透光部を介して前記基板ケース内を視認可能であり、J 前記基板ケースを介して前記情報表示部を視認可能であり、K 前記情報表示部は、複数の表示部を備え、所定の初期表示を行ったあと、前記複数の表示部のうち全ての表示部を用いて前記遊技情報を表示可能であり、L 所定の変更操作が行われた場合、設定変更モードを実行し、M 前記設定変更モードの実行中に設定変更終了操作が行われると、前記設定変更モードを終了して前記遊技を実行可能とし、N 所定の確認操作が行われた場合、設定確認モードを実行し、P 前記情報表示部は、前記設定変更モード中は前記情報表示部における特定の表示部を用いて設定値を表示し、前記設定変更終了操作に基づいて前記特定の表示部における設定値の表示を終了し、その後に前記初期表示を実行し、Q’前記設定確認モード中は前記特定の表示部を用いて設定値を表示する、R 遊技機。」である点で一致し、次の点で相違する。
・相違点1(特定事項C、J)
「第1加工シール」は、
本願補正発明では、「ホログラムを用いた透かし加工を施し」、「前記透かし加工を施した前記透光部を介して前記基板ケース内を視認可能であ」るのに対し、
引用発明では、シール部1710の覗き部1574を通して基板ケースを視認可能であるものの、ホログラムを用いた透かし加工を施していない点。
・相違点2(特定事項D)
「第2加工シール」に施された「ホログラム加工」は、
本願補正発明では、「前記第1加工シールとは異なる」のに対し、
引用発明では、シール部1710(第1加工シール)がホログラムを用いた透かし加工を施していないため、シール部1710(第1加工シール)とは異なるものといえない点。
・相違点3(特定事項O、Q)
「設定確認モード」に関して、
本願補正発明では、「前記設定確認モードの実行中に設定確認終了操作が行われると、前記設定確認モードを終了して前記遊技を実行可能とし、」「前記設定確認終了操作に基づいて前記特定の表示部における設定値の表示を終了し、その後に前記初期表示を実行する」のに対し、
引用発明では、設定確認を操作によって終了するのかどうか明らかでなく、設定確認の後に、設定変更の終了後と同様に情報表示器1750の全ての7セグ表示部1770a~1770dとドット表示部1775a~1775dとが点滅するのかどうか不明である点。
(6)判断
ア 上記相違点1について検討する。
上記(4)キで示したとおり、物品に透明ホログラム、すなわちホログラムを用いた透かし加工を設けることは周知技術であり、該透明ホログラムは物品が本物か偽物かを判別する目的でも利用されているものであるところ、引用発明において、シール部1710(第1加工シール)が不正行為を抑止することができるものであり、周知技術と同様に不正行為の抑止に寄与する点で共通することを考慮すれば、引用発明のシール部1710(第1加工シール)に透明ホログラム(ホログラムを用いた透かし加工)を設け、該透明ホログラムを介して基板ケース内を視認可能とすることは当業者が適宜なし得たものである。
また、透明ホログラムをシールの態様で提供することも周知例4~6等に記載されているように周知であり、この点を考慮しても、引用発明のシール部1710(第1加工シール)に透明ホログラム(ホログラムを用いた透かし加工)を設けるようになすことは当業者にとって格別困難であるとはいえない。
してみると、引用発明において、上記相違点1に係る本願補正発明の特定事項となすことは、当業者が周知技術に基づいて適宜なし得たことである。
イ 上記相違点2について検討する。
引用発明において、シール部1710(第1加工シール)は、光透過性を有する素材で形成され、覗き部1574等の領域から基板ケース内部を視認可能であるから、基本的に透明な素材であるといえ、開封禁止シール部1730(第2加工シール)は、前述のとおり、不透明であるといえる。
そして、上記アのように、透明なシール部1710(第1加工シール)に設けた透明ホログラムと、不透明な開封禁止シール部1730(第2加工シール)に設けたホログラム表示部1735とを、全く同じホログラム加工とすることは考えにくく、相互に異なるホログラムとすることは当業者が適宜なし得た設計的事項程度のことにすぎない。
してみると、引用発明において、上記相違点2に係る本願補正発明の特定事項となすことは当業者が適宜なし得たことである。
ウ 上記相違点3について検討する。
(ア)引用例2記載の技術事項の「情報表示器113」、「4つの7セグメント表示器(113a~113d)」、「7セグメント表示器を全点灯」、「性能情報」、「設定変更操作」、「設定変更モード」、「設定値確定操作」、「設定確認操作」、「設定確認モード」、「確認終了操作」、「7セグメント表示器113c及び113d」、「設定値」及び「遊技機1」は、それぞれ本願補正発明の「情報表示部」、「複数の表示部」、「所定の初期表示」、「遊技情報」、「所定の変更操作」、「設定変更モード」、「設定変更終了操作」、「所定の確認操作」、「設定確認モード」、「設定確認終了操作」、「特定の表示部」、「設定値」及び「遊技機」に相当する。
(イ)引用例2記載の技術事項は、4つの7セグメント表示器113a~113d(複数の表示部)で構成されている情報表示器113(情報表示部)を備えた遊技機1において、設定変更操作(所定の変更操作)が行われたことを検出すると、設定値を変更するための設定変更モードに移行し、情報表示器113の7セグメント表示器113c及び113d(特定の表示部)に現在の設定値を表示し、設定値確定操作(設定変更終了操作)が行われたことを検出すると、遊技進行モードに移行し、情報表示器113では、7セグメント表示器を全点灯(所定の初期表示)させる点灯確認を開始し、点灯確認の実行時間が経過すると、情報表示器113での性能情報(遊技情報)の表示を開始するものであり、設定確認操作(所定の確認操作)が行われたことを検出すると、設定値を確認するための設定確認モードに移行し、情報表示器113の7セグメント表示器113c及び113d(特定の表示部)に現在の設定値を表示し、確認終了操作(設定確認終了操作)が行われたことを検出すると、遊技進行モードに移行し、情報表示器113では、7セグメント表示器を全点灯(所定の初期表示)させる点灯確認を開始し、点灯確認の実行時間が経過すると、情報表示器113での性能情報(遊技情報)の表示を開始する、というものである。そうすると、引用例2記載の技術事項は、本願補正発明の少なくとも特定事項K~Rを備える。
(ウ)引用発明も引用例2記載の技術事項も、遊技機における設定変更モード及び設定確認モードに関する本願補正発明の特定事項K~N及びPを備える点で共通し、設定確認モードの終了後における情報表示部に関する点で共通するから、引用例2記載の技術事項を引用発明に適用することは当業者にとって格別困難なことではない。
(エ)そして、引用発明及び引用例2記載の技術事項に接した当業者であれば、引用例2記載の技術事項を考慮して、引用発明において、設定確認(設定確認モード)を所定の操作によって終了させ、設定確認(設定確認モード)の後に、設定変更(設定変更モード)の終了後と同様に、情報表示器1750(情報表示部)の全ての7セグ表示部1770a~1770dとドット表示部1775a~1775dとを点滅する(所定の初期表示)ようにし、当該点滅の後に、遊技機1Pの性能(遊技情報)の表示が開始されるとともに、遊技を実行可能とすることは容易になし得たことである。
(オ)以上のとおり、引用発明において、上記相違点3に係る本願補正発明の特定事項となすことは、当業者が引用例2記載の技術事項に基づいて容易になし得たことである。
(7)本願補正発明の奏する効果は、引用発明、周知技術及び引用例2記載の技術的事項の奏する効果から、予測することができた程度のものである。
(8)請求人の主張について
ア 請求人は、審判請求書の「(2)指摘事項に対する対処」において、概ね以下のとおり主張する。
「引用文献1は、ホログラム加工を施した本願発明の第1加工シール、第2加工シールの双方を備えた基板ケースを開示しておらず、特に第1加工シールに相当するシールについて開示がありません。また本願発明では、第1加工シール、第2加工シールの双方にホログラム加工が施されているため不正防止の観点でより強固な構成となっていますが、引用文献1、2を組み合わせても本願発明のような構成とはなりません。・・・略・・・審査官殿は、・・・ホログラムを用いた透かし加工は、例えば、引用文献3、引用文献4、引用文献5に記載されるように周知技術であり、引用文献1のシール部1710に、不正行為の防止等を目的として周知技術を適用することは容易であると指摘されています。続きを表示(全12行)しかしながら、引用文献3のホログラムは、基板ケース面ではなく基板面に蒸着されるものでシールではありません。「基板ケース」に「貼付」される本願発明の第1加工シールとは大きく異なります。引用文献5の透明ホログラムシートはケースの中で貴重品を包装するものです。本願発明の第1加工シールとは大きく異なります。引用文献3と引用文献5は、基板ケースに貼付して内部を覗きつつ偽造を防止するという本願発明とは技術的思想が異なっています。引用文献1の透明なシール部1710とも技術的課題が異なり、これらを引用文献1と組み合わせて本願発明を拒絶することはできないものと思料致します。引用文献4のホログラム(封印シール)は、基板カバーに貼付するものではあり、本願発明の第1加工シールと技術的思想が近いですが、部材と部材(基板ボックス263とコネクタカバー411)に跨がって貼付し、多数の切れ込みが入っており剥がすと跡が残るような作りになっています。本願発明の第1加工シールはカバー体にのみ貼付されていて、基板ケースの開封に伴って破断されることがありませんが、引用文献4の封印シールは、コネクタカバーの取り外しに伴って「破断」されます。・・・略・・・上記したように、引用文献1乃至5には本願発明の特徴的な構成は開示も示唆もされていないものと思料致します。従って、本願発明は引用文献1乃至5に基づいて所謂当業者が容易に想到し得たとは言えないことから、本願の新請求項1は進歩性を有するものと思料致します。」
イ 請求人の主張について検討する。
上記(6)アで示したように、シールに限らず、物品に透明ホログラム加工(ホログラムを用いた透かし加工)を施すことは周知技術であることを考慮すれば、引用発明の透明なシール部1710(第1加工シール)に透明ホログラム加工(ホログラムを用いた透かし加工)を施すことは当業者が適宜なし得たことである。加えて、透明ホログラム加工(ホログラムを用いた透かし加工)を施したシールも周知であるから、当業者であれば、請求人が主張する本願補正発明の特徴的な構成に容易に想到するといえる。
してみると、請求人の上記主張は採用できない。
(9)むすび
以上のとおり、本願補正発明は、当業者が、引用発明、引用例2記載の技術的事項及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。
したがって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 小括
本願補正発明は、上記3のとおり、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和2年12月25日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、概ね、次のとおりである。
(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用例に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
・請求項1
・引用文献等1-2
<引用文献等一覧>
1.特許第6581264号公報
2.特開2019-122482号公報
3 引用例
引用文献1(引用例1)及び引用文献2(引用例2)は、上記第2[理由]3(2)及び(3)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明(上記第2[理由]1)は、本願補正発明(上記第2[理由]3(1))から、本件補正により限定された事項(上記相違点1及び2に係る本願補正発明の特定事項)を削除したものである。
そして、本願発明と引用発明とを対比すると、本願発明と引用発明とは、上記相違点3でのみ相違し、その余の点で一致するから、上記第2[理由]3(6)ウで示した理由と同様な理由により、本願発明は、当業者が、引用発明及び引用例2記載の技術事項に基づいて容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-001948