2022-001925
舌苔清掃具用シートの製造方法
- 審判番号
- 2022-001925
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-534542外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年02月09日
- 審決日
- 2023年04月18日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】SHIKIEN株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人牛木国際特許事務所
- 【請求人】国立大学法人 新潟大学
- 【請求人代理人】弁理士法人牛木国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-WZ (A61B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 22項目
第1 手続の経緯
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本願は、2018年(平成30年) 7月31日(優先権主張 平成29年8月1日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 2年12月 2日付け 拒絶理由通知書
令和 3年 3月22日提出 意見書及び手続補正書
令和 3年 6月 3日付け 拒絶理由通知書(最後の拒絶理由)
令和 3年 7月21日提出 意見書及び手続補正書
令和 3年11月 9日付け 令和3年 7月21日の手続補正に
ついての補正の却下の決定、及び拒
絶査定
令和 4年 2月 9日提出 審判請求書、同時に手続補正書
令和 4年 9月 6日付け 拒絶理由通知書
令和 4年10月21日提出 意見書及び手続補正書
第2 本願発明
本願の請求項1~2に係る発明は、令和 4年10月21日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~2に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】舌苔を掻き取る舌苔清掃具に用いられるシートの製造方法において、片面から複数のループ状の熱可塑性樹脂からなる線状材が突設するシート材を前記線状材の融点未満の温度で加熱して前記線状材の内部歪を解放するステップと、加熱後に前記線状材のループを切断して第1および第2線状材を形成するステップとを含み、前記第1および第2線状材を形成するステップにおいて、傾斜部を有する各切断部を、それぞれの前記ループに対して個別に角度を変えて3方向以上の様々な向きに向くようにして並べられた3つ以上の複数の切断手段に対して前記シート材を相対的に移動させ、つぎに前記線状材のループに先端が先細になっている前記切断手段を進入させ、さらに前記切断手段に対して前記シート材を相対的に水平移動させることにより、複数の前記線状材の前記ループを切断し、複数の前記切断手段により切断される高さが少なくとも1つは異なる3種以上の複数の線状材を形成することを特徴とする舌苔清掃具用シートの製造方法。」
第3 拒絶の理由
令和 4年 9月 6日付けで当審が通知した拒絶理由のうち、本願発明に対する理由1は、概略次のとおりである。
本願発明は、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明、引用文献4に記載された事項、及び周知の技術に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
1.特開2012-95995号公報
2.特開2000-70010号公報
3.特公昭47-9390号公報
4.実願平5-9368号(実開平6-61107号)のCD-ROM
5.米国特許第4065837号明細書
6.米国特許第3550223号明細書
第4 引用文献の記載事項及び引用発明等
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1 引用文献1について
(1)記載事項
ア 引用文献1には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様である。)。
(ア)「【0052】図1~5に示すように、舌苔清掃具は、清掃具本体を形成するヘッド部1に竿状把持部2をほぼ一直線状に有しており、ヘッド部1と竿状把持部2は、細いやや柔軟性に富んだ首部3を介して連設されている。このヘッド部1は、扁平薄型に形成されており、このヘッド部1は表面が粗面に形成された第1のシート4と第2のシート5で覆われている。そして、このシート4,5を介してヘッド部1の側面1A外側に固定すると共に、首部3の先方に連設するリング部6を備える。ヘッド部1は先方が幅大で首部3側が幅狭な平面がほぼ二等辺三角形或いはほぼ正三角形で扁平状であり、実施例では角を丸めたほぼ正三角形状に形成されている。一方の扁平部1B側となるヘッド部1の一方の平面、すなわち図2に下面は山部7が竿状把持部2の長手方向に沿って設けられるように舌8の面に合うように凸曲面9が形成されると共に、他方の扁平部1C側となる他方の平面、すなわち上面は谷部10が竿状把持部2の長手方向に沿って設けられると共に舌8の面に合うように凹曲面11が形成される。」
(イ)「【0071】図14、図15に示すように布は実施例1ではフイラメントが複数重なっているマルチフイラメント糸であるループパイル布の場合を示しており、図14はパイル布の断面図である。パイル織の織布の場合は、経糸(パイル糸31、地経糸)の一部(パイル糸31)がパイル織の地本体32の表面にリング状の輪33が線状材として飛び出して織られているので、このパイル糸の輪33が舌苔と絡んで舌苔を引起しやすく、舌苔の垢を掻き出しやすくより効果的となる。このパイル織の地本体32の表面にリング状に飛び出した無数のパイル糸の輪33をヘッド部1の平面と交差(直交が望ましい)する方向でヘッド部1に添着しており、舌の上に押し当てたヘッド部1を長手方向を移動方向Zとした進退移動すると、パイル織の地本体32の表面に浮き上がった経糸であるパイル糸の無数の輪33が舌苔と絡んで舌苔を引起して垢を掻きだしやすくなる。このため、パイル糸の輪33は、地本体32側から間隔Lをおいて立ち上がる左右一対或いは前後一対の立ち上り状の突設部34,35と、これら一対の突設部34,35の先端間を架設すると共に、略中央部36Aを先方へ円弧状に突設する架設部36を有する。符号37は緯糸である。尚、突設部34,35間の間隔Lの方向は移動方向Zと交差、実施例では直交している。」
(ウ)「【0081】図16,17は実施例5を示しており、パイル布を改良した場合を示しており、線状材41は、一対の第一の突設部34、第二の突設部35、これらの先端間に配置される張り出し部を形成する架設部36´のうち、第一の突設部34、第二の突設部35のうちいずれか一方においてその連続を無くすようにしたものであり、実施例では第二の突設部35の先端側に切れ目42を形成することで、第一の突設部34と架設部36´が連続して逆J字形状に形成され、第二の突設部35は直線状に形成されている。尚、切れ目42を入れたことで、第一の突設部34、第二の突設部35がほつれるおそれがあるので、地本体32には、ほつれ防止のために接着、溶着などの抜け止め手段(図示せず)を施すことが好ましい。」
(エ)「【0082】そして、輪33に切れ目42を入れる製造方法としては、図4のようなヘッド部1に取り付ける前の生地の状態でのループ状の繊維13に、例えばカッターなどを押し当てて繊維13に切れ目42を形成するものである。このように加工したものを上述のようにしてヘッド部1に取り付けるものである。」
(オ)「【0083】したがって、清掃具本体に複数突設した線状材41は突設部34の先端側に該突設部34の第一の長手方向43と交差して第二の長手方向44が横向きとなるように張り出し部たる架設部36´を設けると共に、該張り出し部36´の先端45を自由端に形成している。そして、張り出し部36´の長手方向44の略中央部36´Aを、先方へ突設する円弧型に形成すると共に、張り出し部36´の先端45側はヘッド部1に向かって折り返して形成されて、全体としては逆J字型に形成されている。そして突設部41と先端45側間の幅方向が移動方向Zに直交するように形成されている。」
(カ)「【0085】したがって、竿状把持部を握ってヘッドを口に入れて舌に当てて移動方向Zに沿って移動すると、線状材41は舌の表面に沿うように倒れて舌苔の垢を線状材41の横向きの張り出し部36´によって掻き取るように擦り取るものである。」
(キ)「【0091】図18に示す実施例6では、実施例5の内容と実施例6の内容を組み合わせたものであり、凹部38、凸部39を連続して設けた輪33の突設部34,35のうちいずれか一方に切れ目42を形成して、張り出し部を形成する架設部36側の先端45を自由端としたものである。」
イ 引用文献1には次の図が示されている。
(ア)図1
[図:0001398811000001.jpg]
(イ)図4
[図:0001398811000002.jpg]
(ウ)図16
[図:0001398811000003.jpg]
(エ)図17
[図:0001398811000004.jpg]
(オ)図18
[図:0001398811000005.jpg]
(2)認定事項
ア 引用文献段1の段落【0052】(摘示(1)ア(ア))に記載の「舌苔清掃具は、清掃具本体を形成するヘッド部1に竿状把持部2をほぼ一直線状に有しており」との記載、段落【0082】(摘示(1)ア(エ))の「輪33に切れ目42を入れる製造方法としては、図4のようなヘッド部1に取り付ける前の生地の状態でのループ状の繊維13に、例えばカッターなどを押し当てて繊維13に切れ目42を形成するものである。このように加工したものを上述のようにしてヘッド部1に取り付けるものである。」との記載、段落【0085】(摘示(1)ア(カ))の「線状材41は舌の表面に沿うように倒れて舌苔の垢を線状材41の横向きの張り出し部36´によって掻き取るように擦り取るものである。」との記載、図1(摘示(1)イ(ア))の図示内容、図16(摘示(1)イ(ウ))の図示内容、図17(摘示(1)イ(エ))の図示内容から、舌苔の垢を掻き取るように擦り取る舌苔清掃具のヘッド部1に取り付けられる生地の製造方法が記載されている。
イ 引用文献1の段落【0071】(摘示(1)ア(イ))の「パイル織の織布の場合は、経糸(パイル糸31、地経糸)の一部(パイル糸31)がパイル織の地本体32の表面にリング状の輪33が線状材として飛び出して織られている」との記載、段落【0082】(摘示(1)ア(エ))における「輪33に切れ目42を入れる製造方法としては、図4のようなヘッド部1に取り付ける前の生地の状態でのループ状の繊維13に、例えばカッターなどを押し当てて繊維13に切れ目42を形成するものである。」との記載、図16(摘示(1)イ(ウ))の図示内容、図17(摘示(1)イ(エ))の図示内容から、ヘッド部1に取り付ける前の生地の状態で、地本体32の片側の表面から複数の輪33が線状材として飛び出していることが記載されている。
ウ 引用文献1の【0081】(摘示(1)ア(ウ))における「線状材41は、一対の第一の突設部34、第二の突設部35、これらの先端間に配置される張り出し部を形成する架設部36´のうち、第一の突設部34、第二の突設部35のうちいずれか一方においてその連続を無くすようにしたものであり、実施例では第二の突設部35の先端側に切れ目42を形成することで、第一の突設部34と架設部36´が連続して逆J字形状に形成され、第二の突設部35は直線状に形成されている。」との記載、段落【0082】(摘示(1)ア(エ))における「輪33に切れ目42を入れる製造方法としては、図4のようなヘッド部1に取り付ける前の生地の状態でのループ状の繊維13に、例えばカッターなどを押し当てて繊維13に切れ目42を形成するものである。」との記載、及び図16(摘示(1)イ(ウ))の図示内容、図17(摘示(1)イ(エ))の図示内容から、複数の輪33にカッターなどを押し当てて切れ目42を形成して、複数の輪33において一対の第一の突設部34、第二の突設部35、これらの先端間に配置される張り出し部を形成する架設部36´のうち、第一の突設部34、第二の突設部35のうちいずれか一方においてその連続を無くすようにして、逆J字形状の線状材41と直線状の線状材41の一対を形成することが記載されている。
エ 段落【0091】(摘示(1)ア(キ))における「輪33の突設部34,35のうちいずれか一方に切れ目42を形成して、張り出し部を形成する架設部36側の先端45を自由端とした」との記載、及び図18(摘示(1)イ(オ))の図示内容を踏まえると、張り出し部を形成する架設部36側の先端42は自由端を形成するところ、各輪33の当該自由端の位置は様々であることが記載されている。
(3)上記(1)ア(ア)~(カ)、イ(ア)~(エ)の記載事項、及び上記(2)ア~ウの認定事項から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「舌苔の垢を掻き取るように擦り取る舌苔清掃具のヘッド部1に取り付けられる生地の製造方法において、ヘッド部1に取り付ける前の生地の状態で、地本体32の片側の表面から線状材として飛び出している複数の輪33にカッターなどを押し当てて切れ目42を形成し、複数の輪33において一対の第一の突設部34、第二の突設部35、これらの先端間に配置される張り出し部を形成する架設部36´のうち、第一の突設部34、第二の突設部35のうちいずれか一方においてその連続を無くすようにして、逆J字形状の線状材41と直線状の線状材41の一対を形成すること。」
(4)上記(1)ア(キ)、イ(オ)の記載事項、及び上記(2)エの認定事項から、引用文献1には、次の事項(以下「引用文献1に記載された事項」という。)が記載されている。
「複数の輪33において張り出し部を形成する架設部36側の先端42は自由端を形成するところ、各輪33の当該自由端の位置を様々とすること。」
2 引用文献2について
(1)記載事項
引用文献2には、次の事項が記載されている。
ア 「【0019】前記基布に使われる繊維材料としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどからなる、この種の繊維製の面ファスナーに使用される合成繊維、或いは綿、羊毛などの天然繊維が挙げられ、前記フック状係合素子には同じくポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどからなる熱可塑性合成樹脂から得られるモノフィラメントが使われ、バッキング剤としては、ポリウレタン樹脂又はポリエステル樹脂と、ポリイソシアネート系硬化剤又はエポキシ系硬化剤との組合せ、或いはアクリル系樹脂とメラミン系硬化剤との組合せ、又はそれらのブレンドしたものの二液型接着剤や、共重合ナイロン系一液型接着剤が使用される。」
イ 「【0020】本発明における特徴部の一つは、前記フック状係合素子2にある。図3は本実施例による集合体であるフック状係合素子2を形成する以前のループ織物の一例を示している。この例によれば、2本のモノフィラメント4a,4aを引き揃えて一本の経糸4として1/1の平織組織の基布1にループ5を形成しながら織り込み、熱セットしたのちに、そのループ5の脚部の一方を切断して、図1に示すような各ループ5ごとに2個のフック状係合素子2a,2aが形成されたバックコーティングがなされる以前の面ファスナーを得ている。」
ウ 「【0024】かくて得られたループ布帛には通常どおり熱セットが施されてループ形態を固定する。このループ形態が固定されたのち、基布1のループ5が形成された側とは反対側の表面(裏面)にバックコーティングがなされて、前記ループ5の基端が基布1に固着される。本発明によれば、このバックコーティング時のバッキング剤の一部を利用して、同一位置から立ち上がる複数のモノフィラメント4a,4aからなる前記ループ5の基端部同士を固着一体化することを第2の特徴部としている。」
(2)上記(1)の記載事項から、引用文献2には、次の事項(以下「引用文献2に記載された事項」という。)が記載されている。
「熱可塑性合成樹脂から得られるモノフィラメントが使われたループ5を熱セットしてループ形態を固定したのちに、そのループ5の脚部の一方を切断して、各ループ5ごとに2個のフック状係合素子2a,2aを形成すること。」
3 引用文献3について
(1)記載事項
引用文献3には、次の事項が記載されている。
ア 第2欄第15~18行
「まず、本発明に使用するパイプ糸は、熱可塑性合成繊維のフイラメントを加撚したもので、該フイラメントの太さは熱セツト後鉤としてループを係合し」
イ 第2欄第36行~第3欄第3行
「このように、ループを形成した基材シートは、少なくともループを熱処理し、パイル糸の撚形態を熱セツトする。この場合ループ自体の形状もセツトされる。しかるのち、このように熱セツトしたループを切断し、パイル糸を十分に開繊する。ループの切断位置はループ頂部でも脚部でも良い。」
(2)上記(1)の記載事項から、引用文献3には、次の事項(以下「引用文献3に記載された事項」という。)が記載されている。
「熱可塑性合成繊維のフイラメントのループを熱処理して、ループ自体の形状を熱セツトし、しかるのち、このように熱セツトしたループを切断し鉤とすること。」
4 引用文献4について
(1)記載事項
ア 引用文献4には、次の事項が記載されている。
(ア)「【0025】図4(a)に示すように、上記案内部材62は、幅広のトンネル状になっており、耳付面ファスナ1Aの両端の平坦部14を案内することで、耳付面ファスナ1Aを幅方向Zに位置決めするものである。この案内部材62は、図4(b)のように、両端部64の内面が、耳付面ファスナ1Aの上面および両端に近接している。上記案内部材62は、図4(a)の後方(下流)の針状カッタユニット7の多数の針状カッタ70に近接している。」
(イ)「【0028】上記針状カッタ70は、図5(b)のように、耳付面ファスナ1Aが移送されることにより、ループ状の係合用素子121内に挿通される針状部70aと、この針状部70aの側面にループ状の係合用素子121をカットするカッタ部70bとを備えている。耳付面ファスナ1Aは、水平に移送されることにより、針状部70aが係合用素子121のループ内に挿通された後、ガイドローラ23(図2)に案内されて、斜め下方に移送され、ループ状の係合用素子121がカッタ部70bにより切断されて、雄雌混合ファスナ1Bとなる。」
(ウ)「【0029】図2の上記第2素子カット装置Cは、構造的には、上記第1素子カット装置Bと同様のものであり、したがって、相違する部分について説明する。 図5(a)の上記第1素子カット装置Bがループ状の係合用素子121をカットするのに対し、カットされたフック状の係合用素子151の隣りのループ状の係合用素子122を、図5(c)の第2素子カット装置Cがカットする。つまり、第2素子カット装置Cの針状カッタ70と、図5(a)の第1素子カット装置Bの針状カッタ70とは、互いに半ピッチずれており、この半ピッチが、ループ状の係合用素子121,122の1ピッチに相当する。また、図5(d)のように、第1素子カット装置Bおよび第2素子カット装置Cのカッタ部70bは、共に針状部70aから斜上方に向って突出しているが、互いに、その突出方向が対称になっている。」
(エ)「【0036】また、この実施例では、バリカン式のカッタなどではなく、針状カッタ70により図5のループ状の係合用素子12をカットするから、面ファスナの原反1を移送方向Xに移送するだけで、ループ状の係合用素子12が切断される。したがって、バリカン式と異なり刃を左右に駆動させる必要がないから、カッティングの速度が速くなるので、製造性が向上する。」
(オ)「【0041】なお、図5(b)の針状カッタ70のカッタ部70bは、斜め上方に向って突出しているのが好ましいが、必ずしも、そうする必要はない。」
イ 引用文献4には次の図が示されている。
(ア)図2
[図:0001398811000006.jpg]
(イ)図5
[図:0001398811000007.jpg]
(2)認定事項
ア 引用文献4の段落【0025】(摘示(1)ア(ア))の「針状カッタユニット7の多数の針状カッタ70」との記載、段落【0028】(摘示(1)ア(イ))の「針状カッタ70」は「ループ状の係合用素子121内に挿通される針状部70aと、この針状部70aの側面にループ状の係合用素子121をカットするカッタ部70bとを備えている。」との記載、図5(摘示(1)イ(イ))の図示内容から、並べられた3つ以上の多数の針状カッタ70は、先端が先細になっており、カッタ部70bは傾斜部を有していることが記載されていると認められる。
イ 引用文献4の段落【0028】(摘示(1)ア(イ))の「ループ状の係合用素子121がカッタ部70bにより切断され」との記載、段落【0029】(摘示(1)ア(ウ))の「第2素子カット装置Cは、構造的には、上記第1素子カット装置Bと同様のものであり」との記載、「ループ状の係合用素子122」を「第2素子カット装置Cがカットする。」との記載、段落【0036】(摘示(1)ア(エ))の「針状カッタ70により図5のループ状の係合用素子12をカットするから、面ファスナの原反1を移送方向Xに移送するだけで、ループ状の係合用素子12が切断される」との記載、及び図5(摘示(1)イ(イ))の図示内容から、カッタ部70bは、各ループ状の係合用素子12の切断位置に向くように設定されていることが記載されていると認められる。
ウ 引用文献4の段落【0028】(摘示(1)ア(イ))の「耳付面ファスナ1Aは、水平に移送されることにより、針状部70aが係合用素子121のループ内に挿通された後、ガイドローラ23(図2)に案内されて、斜め下方に移送され、ループ状の係合用素子121がカッタ部70bにより切断されて、雄雌混合ファスナ1Bとなる。」との記載、段落【0036】(摘示(1)ア(エ))の「針状カッタ70により図5のループ状の係合用素子12をカットするから、面ファスナの原反1を移送方向Xに移送するだけで、ループ状の係合用素子12が切断される」との記載、及び図4~5(摘示(1)イ(ア)~(イ))の図示内容から、針状カッタ70に対して面ファスナの原反1を相対的に移動させることで、先端が先細の針状カッタ70を複数のループ状の係合用素子12に進入させて、さらに面ファスナの原反1を相対的に移動させることにより複数のループ状の係合用素子12を切断することが記載されていると認められる。
(3)上記(1)の記載事項及び上記(2)の認定事項から、引用文献4には、次の事項(以下「引用文献4に記載された事項」という。)が記載されている。
「傾斜部を有するカッタ部70bが各ループ状の係合用素子12の切断位置に向くように設定されて並べられた3つ以上の多数の針状カッタ70に対して、面ファスナの原反1を相対的に移動させることで先端が先細の針状カッタ70を複数のループに進入させて、さらにシート材を相対的に移動させることにより複数のループを切断すること。」
5 引用文献5について
(1)記載事項
ア 引用文献5には、次の事項が記載されている。
第3欄第59~63行
「A fabric web 7 travels in the direction of the associated arrow over rollers 8 below the cutting knife 4 in such manner that the cutting knife 4 respectively cuts open a fabric loop.」
(「布ウェブ7は、切断ナイフ4がそれぞれ布ループを切り開くように、切断ナイフ4の下のローラ8上を関連する矢印の方向に移動する。」)
イ 引用文献5には次の図が示されている。
図1
[図:0001398811000008.jpg]
(2)認定事項
引用文献5の第3欄第59~63行(摘示(1)ア)の「布ウェブ7は、切断ナイフ4がそれぞれ布ループを切り開くように、切断ナイフ4の下のローラ8上を関連する矢印の方向に移動する」との記載、及び図1(摘示(1)イ)の図示内容を踏まえると、布ループが設けられた布ウェブ7が、切断ナイフ4に対して水平方向に移動して、布ループが切り開かれることが記載されていると認められる。
(3)上記(1)の記載事項及び上記(2)の認定事項から、引用文献5には、次の事項(以下「引用文献5に記載された事項」という。)が記載されている。
「布ループが設けられた布ウェブ7において、布ループを切り開くための、切断ナイフ4に対する布ウェブ7の相対的な移動方向は、水平方向であること。」
6 引用文献6について
(1)記載事項
ア 引用文献6には、次の事項が記載されている。
(ア)第3欄第28~37行
「Sheet material 11 is moved from left to right, passing first under sewing machine 13 which stitches thread 12 into the sheet forming rows of upstanding loops 14. The stitched sheet is then heat-treated whereby the loops attain a set and will thereafter resiliently hold their shape. In the next step the portions 15 of the stitched threads on the bottom or rear surface of the sheet are secured thereto by receiving an adhesive coating 17; and finally certain loops are severed to become hooks 14A as seen in FIG. 7. 」
(「シート材料11は、左から右に移動し、最初にミシン13の下を通過し、ミシン13は、シートに糸12を縫い付けて直立した複数のループ14の列を形成する。縫い付けられたシートは次に熱処理され、それによって複数のループがセットされ、その後、弾性的にそれらの形を保持する。次のステップでは、シートの底面または裏面のステッチされた糸の部分15が、接着剤コーティング17を受けることによってそこに固定される。そして最後に、特定の複数のループが切断されて、図7に見られるようにフック14Aになる。」)
(イ)第4欄第14~17行
「As shown in FIG. 5 a tape is moved past a rotary cutting element 18 where it either slices through the exposed portion of thread or cuts a segment out of a portion of the thread. 」
(「図5に示すように、テープは回転切断要素18を通過して移動し、そこで糸の露出部分をスライスするか、または糸の一部からセグメントを切断する。」)
イ 引用文献6には次の図が示されている。
図1
[図:0001398811000009.jpg]
(2)認定事項
引用文献6の第3欄第28~37行(摘示(1)ア(ア))の「シート材料11は、左から右に移動し」、「シートに糸12を縫い付けて直立した複数のループ14の列を形成する。」との記載、「特定の複数のループが切断されて」「フック14Aになる」との記載、第4欄第14~17行(摘示(1)ア(イ))の「テープは回転切断要素18を通過して移動し、そこで糸の露出部分をスライスするか、または糸の一部からセグメントを切断する。」との記載、及び図1(摘示(1)イ)の図示内容を踏まえると、複数のループ14が設けられたシート材料11が、回転切断要素18に対して水平方向に移動して、複数のループ14が切断されることが記載されていると認められる。
(3)上記(1)の記載事項及び上記(2)の認定事項から、引用文献6には、次の事項(以下「引用文献6に記載された事項」という。)が記載されている。
「複数のループ14が設けられたシート材料11において、複数のループ14を切断するための、回転切断要素18に対するシート材料11の相対的な移動方向が、水平方向であること。」
第5 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
1 引用発明の「舌苔の垢を掻き取るように擦り取る舌苔清掃具のヘッド部1に取り付けられる生地の製造方法」は、本願発明の「舌苔を掻き取る舌苔清掃具に用いられるシートの製造方法」及び「舌苔清掃具用シートの製造方法」に相当する。
2 引用発明の「線状材として飛び出している複数の輪33」と、本願発明の「複数のループ状の熱可塑性樹脂からなる線状材」は、複数のループ状の線状材の限りで一致する。
3 引用発明の「輪33」は、本願発明の「線状材のループ」に相当する。
4 引用発明の「片側の表面から線状材として飛び出している複数の輪33」を有する「地本体32」と、本願発明の「片面から複数のループ状の熱可塑性樹脂からなる線状材が突設するシート材」は、片面から複数のループ状の線状材が突設するシート材の限りにおいて一致する。
5 引用発明の「カッターなど」は、本願発明の「切断手段」に相当する。
6 引用発明の「カッターなどを押し当てて切れ目42を形成」することは、本願発明の「切断」することに相当する。
7 引用発明の「逆J字形状の線状材41と直線状の線状材41の一対」は本願発明の「第1および第2線状材」に相当する。
8 引用発明の「複数の輪33にカッターなどを押し当てて切れ目42を形成し、複数の輪33において一対の第一の突設部34、第二の突設部35、これらの先端間に配置される張り出し部を形成する架設部36´のうち、第一の突設部34、第二の突設部35のうちいずれか一方においてその連続を無くすようにして、逆J字形状の線状材41と直線状の線状材41の一対を形成すること」と、本願発明の「前記線状材のループを切断して第1および第2線状材を形成するステップとを含み、前記第1および第2線状材を形成するステップにおいて、傾斜部を有する各切断部を、それぞれの前記ループに対して個別に角度を変えて3方向以上の様々な向きに向くようにして並べられた3つ以上の複数の切断手段に対して前記シート材を相対的に移動させ、つぎに前記線状材のループに先端が先細になっている前記切断手段を進入させ、さらに前記切断手段に対して前記シート材を相対的に水平移動させることにより、複数の前記線状材の前記ループを切断し、複数の前記切断手段により切断される高さが少なくとも1つは異なる3種以上の複数の線状材を形成すること」とは、線状材のループを切断して第1および第2線状材を形成するステップを含み、前記第1および第2線状材を形成するステップにおいて、切断手段により複数の前記線状材の前記ループを切断し、前記切断手段により切断される複数の線状材を形成することの限りにおいて一致する。
以上によれば、本願発明と引用発明とは、
「舌苔を掻き取る舌苔清掃具に用いられるシートの製造方法において、片面から複数のループ状の線状材が突設するシート材において、前記線状材のループを切断して第1および第2線状材を形成するステップを含み、前記第1および第2線状材を形成するステップにおいて、切断手段により、複数の前記線状材の前記ループを切断し、前記切断手段により切断される複数の線状材を形成する舌苔清掃具用シートの製造方法。」
である点で一致し、以下の点で相違している。
<相違点1>
本願発明は、線状材が「熱可塑性樹脂からなる」ものであって、「線状材の融点未満の温度で加熱して前記線状材の内部歪を解放するステップ」を含み、線状材のループを切断して第1および第2線状材を形成するステップを当該「加熱後」に行うのに対して、引用発明は、「線状材41」が熱可塑性樹脂からなり、かつ「複数の輪33にカッターなどを押し当てて切れ目42を形成」する前に、「生地」を「線状材41」の融点未満の温度で加熱して「線状材41」の内部歪を解放するステップを含むことが特定されていない点。
<相違点2>
第1および第2線状材を形成するステップにおいて、切断手段により、複数の線状材のループを切断し、前記切断手段により切断される複数の線状材を形成することについて、本願発明は、「傾斜部を有する各切断部を、それぞれの前記ループに対して個別に角度を変えて3方向以上の様々な向きに向くようにして並べられた3つ以上の複数の切断手段に対して前記シート材を相対的に移動させ、つぎに前記線状材のループに先端が先細になっている前記切断手段を進入させ、さらに前記切断手段に対して前記シート材を相対的に水平移動させることにより、複数の前記線状材の前記ループを切断し、複数の前記切断手段により切断される高さが少なくとも1つは異なる3種以上の複数の線状材を形成する」のに対して、引用発明は、「複数の輪33にカッターなどを押し当てて切れ目42を形成し、複数の輪33において一対の第一の突設部34、第二の突設部35、これらの先端間に配置される張り出し部を形成する架設部36´のうち、第一の突設部34、第二の突設部35のうちいずれか一方においてその連続を無くすようにして、逆J字形状の線状材41と直線状の線状材41の一対を形成する」点。
第6 判断
上記相違点1~2について検討する。
1 上記相違点1について
引用文献1の段落【0081】(摘示「第4 1(1)ア(ウ)」)における「線状材41は、一対の第一の突設部34、第二の突設部35、これらの先端間に配置される張り出し部を形成する架設部36´のうち、第一の突設部34、第二の突設部35のうちいずれか一方においてその連続を無くすようにしたものであり、実施例では第二の突設部35の先端側に切れ目42を形成することで、第一の突設部34と架設部36´が連続して逆J字形状に形成され、第二の突設部35は直線状に形成されている。」との記載、段落【0083】(摘示「第4 1(1)ア(オ)」)における「清掃具本体に複数突設した線状材41は突設部34の先端側に該突設部34の第一の長手方向43と交差して第二の長手方向44が横向きとなるように張り出し部たる架設部36´を設けると共に、該張り出し部36´の先端45を自由端に形成している。そして、張り出し部36´の長手方向44の略中央部36´Aを、先方へ突設する円弧型に形成すると共に、張り出し部36´の先端45側はヘッド部1に向かって折り返して形成されて、全体としては逆J字型に形成されている。そして突設部41と先端45側間の幅方向が移動方向Zに直交するように形成されている。」との記載、段落【0085】(摘示「第4 1(1)ア(カ)」)における「竿状把持部を握ってヘッドを口に入れて舌に当てて移動方向Zに沿って移動すると、線状材41は舌の表面に沿うように倒れて舌苔の垢を線状材41の横向きの張り出し部36´によって掻き取るように擦り取るものである。」との記載、及び図16―17(摘示「第4 1(1)イ(ウ)」~「第4 1(1)イ(エ)」)の図示内容を踏まえると、引用発明は、ループを切断した後において逆J字形状を保持するものである。
一方、引用文献2に記載された事項の「熱可塑性合成樹脂から得られるモノフィラメントが使われたループ5を熱セットしてループ形態を固定したのちに、そのループ5の脚部の一方を切断して、各ループ5ごとに2個のフック状係合素子2a,2aを形成すること。」、及び引用文献3に記載された事項の「熱可塑性合成繊維のフィラメントのループを熱処理して、ループ自体の形状を熱セットし、しかるのち、このように熱セットしたループを切断し鉤とすること。」から、ループを切断した後においてフック形状を保持するために、フィラメントのループを熱可塑性合成樹脂で構成し、そして、ループを熱セットした後にループを切断することは、周知の技術であり、また、熱セットの際、線状材の融点未満の温度の加熱とすることは技術常識である。
また、熱セットにより内部歪が解放されることは自明である。
したがって、引用発明において、ループから逆J字形状の線状材41を形成するのに、上記技術常識を考慮しつつ上記周知の技術を用いて、上記相違点1に係る本願発明の事項とすることは、当業者にとって容易である。
2 上記相違点2について
口腔清掃具においてブラシの長さや自由端の高さに変化を与えることは例示するまでもない周知の技術であるところ、引用発明において、当該周知の技術を考慮しつつ、引用文献1に記載された事項の「複数の輪33において張り出し部を形成する架設部36側の先端42は自由端を形成するところ、各輪33の当該自由端の位置は様々とすること。」を適用して、切れ目42の位置や高さを様々なものとすることは当業者が容易に想到し得たことである。
また、例えば、引用文献4に記載された事項の「傾斜部を有するカッタ部70bが各ループ状の係合用素子12の切断位置にが向くように設定されて並べられた3つ以上の多数の針状カッタ70に対して、面ファスナの原反1を相対的に移動させることで先端が先細の針状カッタ70を複数のループに進入させて、さらにシート材を相対的に移動させることにより複数のループを切断すること。」のように、ループの切断手段として、各ループの切断位置に刃が向くように設定された複数の切断手段に対して、シート材を相対的に移動させることで先端が先細の切断手段をループに進入させ、さらにシート材を相対的に移動させることによりループを切断するものは周知の技術であり、引用文献5に記載された事項の「布ループが設けられた布ウェブ7において、布ループを切り開くための、切断ナイフ4に対する布ウェブ7の相対的な移動方向は、水平方向であること。」、引用文献6に記載された発明の「複数のループ14が設けられたシート材料11において、複数のループ14を切断するための、回転切断要素18に対するシート材料11の相対的な移動方向が、水平方向であること。」のように、シート材を相対的に水平方向に移動させることによりループを切断することも、周知の技術である。
そして、引用発明に引用文献1に記載された事項を適用する際に、具体的切断手段として、両周知技術を参照して、傾斜部を有する各切断部がそれぞれのループに向くようにして並べられた複数の切断手段に対して、シート材を相対的に移動させ、つぎにループに先端が先細になっている前記切断手段を進入させ、さらに前記切断手段に対して前記シート材を相対的に水平移動させることにより、複数の前記線状材の前記ループを切断するものとすることは、当業者が容易に想到し得たことである。また、引用発明に引用文献1に記載された事項を適用する際、具体的な切断手段を上記のようにすると、切断部が様々な切れ目42に応じて様々な方向に向くことは明らかである。
したがって、相違点2に係る本願発明の事項は、引用発明、引用文献1に記載された事項、及び周知の技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。
3 本願発明の効果について検討しても、相違点1に係る本願発明の事項の効果は、引用発明及び周知の技術が奏する効果から当業者が予測し得た範囲内のものであり、格別なものではない。
また、相違点2に係る「切断される高さが少なくとも1つは異なる3種以上の複数の線状材を形成する」事項による効果は、発明の詳細な説明に何ら記載されておらず、発明の詳細な説明を参酌しても、相違点2に係る本願発明の事項の効果については、簡便かつ低コストで量産に適した構成でループを確実に切断する程度のことしか把握できない(本願の発明の詳細な説明の段落【0008】、【0050】を参照。)。このような効果は、引用発明、引用文献1に記載された事項、及び周知の技術から、当業者が予測し得た程度のものであり、技術水準から予測される範囲を超えた顕著なものでない。
さらに、相違点1~2を合わせてみても、本願発明の効果は、引用発明、引用文献1に記載された事項、及び、周知の技術から、当業者が予測し得た程度のものであり、格別顕著なものということはできない。
4 よって、本願発明は、引用発明、引用文献1に記載された事項、及び周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。
第7 請求人の主張について
令和4年10月21日提出の意見書における請求人の主張について、以下検討する。
請求人は
「引用文献1~6には、本願発明とこれら引用文献1~6に記載された発明との相違点である本願発明特有の『複数の切断手段が3方向以上の向きに向くようにして並べられる』構成、及び、『複数の切断手段により切断される高さが少なくとも1つは異なる』構成、並びに、当該構成による顕著な効果について、何の記載もまた示唆もされていませんので、本願発明の当該構成は、引用文献1~6に記載された発明から、当業者が容易に想到することができたものではないことは明らかであります。」
と主張する。
しかしながら、上記「第6 2(2)」に示したとおり、相違点2に係る本願発明の事項は、引用発明、引用文献1に記載された事項、及び周知の技術に基いて、当業者が容易に想到し得たことである。
よって、上記請求人の主張は採用することができない。
第8 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用文献1に記載された事項、及び周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-001925