2022-001741
遊技機
- 審判番号
- 2022-001741
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-160820外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年02月04日
- 審決日
- 2022年10月03日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続の経緯
本願は、平成29年8月24日の出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
(送達日:同年11月9日)
第2 令和4年2月4日に提出された手続補正書による補正の却下の決定
〔補正の却下の決定の結論〕
令和4年2月4日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、令和3年4月13日提出の手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、
「遊技中に第1抽選契機が発生した場合、第1抽選を実行する第1抽選実行手段と、遊技中に前記第1抽選契機とは異なる第2抽選契機が発生した場合、前記第1抽選とは異なる第2抽選を実行する第2抽選実行手段と、前記第1抽選契機及び前記第2抽選契機の両方が発生している場合、前記第1抽選よりも前記第2抽選を優先して実行する第2抽選優先実行手段と、前記第1抽選が実行されると、所定の変動時間にわたって第1図柄を変動表示させた後に、前記第1抽選の結果に応じた態様で前記第1図柄を停止表示させる第1図柄表示手段と、続きを表示(全16行)前記第2抽選が実行されると、所定の変動時間にわたって第2図柄を変動表示させた後に、前記第2抽選の結果に応じた態様で前記第2図柄を停止表示させる第2図柄表示手段と、前記第1図柄又は前記第2図柄の変動パターンについて、複数種類の変動パターンを予め規定する変動パターン規定手段と、前記第1図柄又は前記第2図柄の変動表示をする際に、前記変動パターン規定手段により規定された複数種類の前記変動パターンの中からいずれかを選択的に決定する変動パターン決定手段と、複数の当選種類を予め規定する当選種類規定手段と、前記第1抽選又は前記第2抽選で当選の結果が得られた場合、前記当選種類規定手段により規定された複数の当選種類のいずれに該当するかを決定する当選種類決定手段と、前記第1図柄表示手段又は前記第2図柄表示手段により所定の当選態様で前記第1図柄又は前記第2図柄が停止表示された場合、特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に、所定の遊技状態から前記所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態に移行させる有利遊技状態移行手段と、所定の終了条件が満たされた場合、前記有利遊技状態を終了させて前記所定の遊技状態に移行させる所定遊技状態移行手段と、前記有利遊技状態で前記複数の当選種類のうち第1当選種類に該当した場合には、前記所定の移行条件が満たされるものとし、前記所定の遊技状態又は前記有利遊技状態で前記複数の当選種類のうち第2当選種類に該当した場合には、前記所定の移行条件が満たされるものとする移行条件設定手段と、前記有利遊技状態に移行された場合であって、前記有利遊技状態に移行してからの前記第1図柄の変動回数が規定回数以下であり、前記第1図柄の変動開始条件が満たされている場合、前記変動パターン決定手段が選択可能な変動パターンについて、前記有利遊技状態での前記第1図柄の変動時間を前記有利遊技状態での前記第2図柄の変動時間よりも相対的に短縮した短縮変動時間として設定する第1図柄短縮変動時間設定手段と、前記有利遊技状態に移行された場合であって、前記有利遊技状態に移行してからの前記第1図柄の変動回数が前記規定回数よりも大きい回数であり、前記所定の終了条件が満たされない状況で前記第1図柄の変動開始条件が満たされている場合、前記変動パターン決定手段が選択可能な変動パターンについて、前記有利遊技状態での前記第1図柄の変動時間を前記短縮変動時間よりも相対的に延長した第1図柄延長変動時間として設定する第1図柄延長変動時間設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機。」とあったものを、
「遊技中に第1抽選契機が発生した場合、第1抽選を実行する第1抽選実行手段と、遊技中に前記第1抽選契機とは異なる第2抽選契機が発生した場合、前記第1抽選とは異なる第2抽選を実行する第2抽選実行手段と、前記第1抽選契機及び前記第2抽選契機の両方が発生している場合、前記第1抽選よりも前記第2抽選を優先して実行する第2抽選優先実行手段と、前記第1抽選が実行されると、所定の変動時間にわたって第1図柄を変動表示させた後に、前記第1抽選の結果に応じた態様で前記第1図柄を停止表示させる第1図柄表示手段と、続きを表示(全18行)前記第2抽選が実行されると、所定の変動時間にわたって第2図柄を変動表示させた後に、前記第2抽選の結果に応じた態様で前記第2図柄を停止表示させる第2図柄表示手段と、前記第1図柄又は前記第2図柄の変動パターンについて、複数種類の変動パターンを予め規定する変動パターン規定手段と、前記第1図柄又は前記第2図柄の変動表示をする際に、前記変動パターン規定手段により規定された複数種類の前記変動パターンの中からいずれかを選択的に決定する変動パターン決定手段と、複数の当選種類を予め規定する当選種類規定手段と、前記第1抽選又は前記第2抽選で当選の結果が得られた場合、前記当選種類規定手段により規定された複数の当選種類のいずれに該当するかを決定する当選種類決定手段と、前記第1図柄表示手段又は前記第2図柄表示手段により所定の当選態様で前記第1図柄又は前記第2図柄が停止表示された場合、特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に、所定の遊技状態から前記所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態に移行させる有利遊技状態移行手段と、所定の終了条件が満たされた場合、前記有利遊技状態を終了させて前記所定の遊技状態に移行させる所定遊技状態移行手段と、前記有利遊技状態で前記複数の当選種類のうち第1当選種類に該当した場合には、前記所定の移行条件が満たされるものとし、前記所定の遊技状態又は前記有利遊技状態で前記複数の当選種類のうち第2当選種類に該当した場合には、前記所定の移行条件が満たされるものとする移行条件設定手段と、前記有利遊技状態に移行された場合であって、前記有利遊技状態に移行してからの前記第1図柄の変動回数が規定回数以下であり、前記第1図柄の変動開始条件が満たされている場合、前記変動パターン決定手段が選択可能な変動パターンについて、前記有利遊技状態での前記第1図柄の変動時間を前記有利遊技状態での前記第2図柄の変動時間よりも相対的に短縮した短縮変動時間として設定する第1図柄短縮変動時間設定手段と、前記有利遊技状態に移行された場合であって、前記有利遊技状態に移行してからの前記第1図柄の変動回数が前記規定回数よりも大きい回数であり、前記所定の終了条件が満たされない状況で前記第1図柄の変動開始条件が満たされている場合、前記変動パターン決定手段が選択可能な変動パターンについて、前記有利遊技状態での前記第1図柄の変動時間を前記短縮変動時間よりも相対的に延長した第1図柄延長変動時間として設定する第1図柄延長変動時間設定手段とを備え、前記有利遊技状態は、前記有利遊技状態の初回の変動である初回変動、前記有利遊技状態の最終の変動である最終変動、前記初回変動と前記最終変動との間の変動である第1中間変動、前記初回変動と前記最終変動との間の変動であり前記第1中間変動よりも後の変動である第2中間変動を含み、前記規定回数は、前記第1中間変動に対応する回数であり、前記規定回数よりも大きい回数は、前記第2中間変動に対応する回数であることを特徴とする遊技機。」とする補正である(なお、下線は補正前後の箇所を明示するために合議体が付した。)。
2 補正の適否について
(1)補正の目的について
ア 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「有利遊技状態」に関し、「前記有利遊技状態の初回の変動である初回変動、前記有利遊技状態の最終の変動である最終変動、前記初回変動と前記最終変動との間の変動である第1中間変動、前記初回変動と前記最終変動との間の変動であり前記第1中間変動よりも後の変動である第2中間変動を含み、」と限定するものである。
イ 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「規定回数」に関し、「前記第1中間変動に対応する回数であり、」と限定するものである。
ウ 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「規定回数よりも大きい回数」に関し、「前記第2中間変動に対応する回数である」と限定するものである。
エ 上記ア~ウからみて、本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項について
本件補正は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面における【0021】、【0027】~【0030】、【0296】~【0300】、図22等の記載に基づくものであり、新たな技術事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。
3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)についても、以下、検討する。
(1)本願補正発明
本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである(なお、A~Sについては、分説するため合議体が付した。以下A等を付した事項を「特定事項A」等という。)。
「A 遊技中に第1抽選契機が発生した場合、第1抽選を実行する第1抽選実行手段と、B 遊技中に前記第1抽選契機とは異なる第2抽選契機が発生した場合、前記第1抽選とは異なる第2抽選を実行する第2抽選実行手段と、C 前記第1抽選契機及び前記第2抽選契機の両方が発生している場合、前記第1抽選よりも前記第2抽選を優先して実行する第2抽選優先実行手段と、D 前記第1抽選が実行されると、所定の変動時間にわたって第1図柄を変動表示させた後に、前記第1抽選の結果に応じた態様で前記第1図柄を停止表示させる第1図柄表示手段と、続きを表示(全19行)E 前記第2抽選が実行されると、所定の変動時間にわたって第2図柄を変動表示させた後に、前記第2抽選の結果に応じた態様で前記第2図柄を停止表示させる第2図柄表示手段と、F 前記第1図柄又は前記第2図柄の変動パターンについて、複数種類の変動パターンを予め規定する変動パターン規定手段と、G 前記第1図柄又は前記第2図柄の変動表示をする際に、前記変動パターン規定手段により規定された複数種類の前記変動パターンの中からいずれかを選択的に決定する変動パターン決定手段と、H 複数の当選種類を予め規定する当選種類規定手段と、I 前記第1抽選又は前記第2抽選で当選の結果が得られた場合、前記当選種類規定手段により規定された複数の当選種類のいずれに該当するかを決定する当選種類決定手段と、J 前記第1図柄表示手段又は前記第2図柄表示手段により所定の当選態様で前記第1図柄又は前記第2図柄が停止表示された場合、特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、K 所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に、所定の遊技状態から前記所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態に移行させる有利遊技状態移行手段と、L 所定の終了条件が満たされた場合、前記有利遊技状態を終了させて前記所定の遊技状態に移行させる所定遊技状態移行手段と、M 前記有利遊技状態で前記複数の当選種類のうち第1当選種類に該当した場合には、前記所定の移行条件が満たされるものとし、前記所定の遊技状態又は前記有利遊技状態で前記複数の当選種類のうち第2当選種類に該当した場合には、前記所定の移行条件が満たされるものとする移行条件設定手段と、N 前記有利遊技状態に移行された場合であって、前記有利遊技状態に移行してからの前記第1図柄の変動回数が規定回数以下であり、前記第1図柄の変動開始条件が満たされている場合、前記変動パターン決定手段が選択可能な変動パターンについて、前記有利遊技状態での前記第1図柄の変動時間を前記有利遊技状態での前記第2図柄の変動時間よりも相対的に短縮した短縮変動時間として設定する第1図柄短縮変動時間設定手段と、O 前記有利遊技状態に移行された場合であって、前記有利遊技状態に移行してからの前記第1図柄の変動回数が前記規定回数よりも大きい回数であり、前記所定の終了条件が満たされない状況で前記第1図柄の変動開始条件が満たされている場合、前記変動パターン決定手段が選択可能な変動パターンについて、前記有利遊技状態での前記第1図柄の変動時間を前記短縮変動時間よりも相対的に延長した第1図柄延長変動時間として設定する第1図柄延長変動時間設定手段とを備え、P 前記有利遊技状態は、前記有利遊技状態の初回の変動である初回変動、前記有利遊技状態の最終の変動である最終変動、前記初回変動と前記最終変動との間の変動である第1中間変動、前記初回変動と前記最終変動との間の変動であり前記第1中間変動よりも後の変動である第2中間変動を含み、Q 前記規定回数は、前記第1中間変動に対応する回数であり、R 前記規定回数よりも大きい回数は、前記第2中間変動に対応する回数であるS ことを特徴とする遊技機。」
(2)引用例の記載事項、引用発明
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ア 引用例の記載事項
原査定で引用文献1として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特許第6152601号公報(平成29年6月28日発行、以下「引用例」という。)には、遊技機に関し、次の事項が図とともに記載されている。なお、下線は合議体が付した。以下同じ。
(ア)「【背景技術】【0002】遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、一般的に、第1始動口(第1入球口)への入球に基づいて大当たりであるかの判定処理が行われ、その判定結果を示す第1特別図柄(第1識別図柄)が変動表示を経て停止表示される。また電チューに係る第2始動口(第2入球口)への入球に基づいて大当たりであるかの判定処理が行われ、その判定結果を示す第2特別図柄(第2識別図柄)が変動表示を経て停止表示される。第1特別図柄又は第2特別図柄が大当たり当選を示す大当たり図柄で停止表示されると、遊技者に有利な大当たり遊技が実行される。【0003】続きを表示(全17行)例えば下記特許文献1では、大当たり遊技後に、非時短状態(通常遊技状態)よりも、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示の時間が短くなり易い時短状態に制御される。この時短状態では、一般的に、第2入球口への入球に基づいて第2特別図柄の変動表示が頻繁に実行される。そのため、スピーディに次回の大当たり当選を狙えるようになっている。但し時短状態は、第1特別図柄の変動表示の実行回数(以下「第1変動回数」という)と第2特別図柄の変動表示の実行回数(以下「第2変動回数」という)との合計変動回数が所定の上限実行回数に至ると、終了することになる。・・・略・・・【発明が解決しようとする課題】【0005】ところで時短状態では、上述したように、ほとんど第2特別図柄の変動表示が行われ、第1特別図柄の変動表示が行われないことが多い。そのため基本的には、第2変動回数だけが上限実行回数に至るまでの間に、当たりを狙うゲーム性になる。しかしながら時短状態であっても、イレギュラー等により遊技球が第1入球口に入球して、第1特別図柄の変動表示が行われることがあり得る。そうなると、第2変動回数が上限実行回数に至る前に、時短状態が終了することが生じる。つまり遊技者にとっては、時短状態において第2特別図柄の抽選を上限実行回数分だけ確保できない事態が生じる。【0006】そこで近頃のパチンコ遊技機の中には、時短状態の終了条件として、第2変動回数が上限実行回数に至るという終了条件と、合計変動回数がその上限実行回数よりも多い超過上限実行回数に至るという終了条件を設けているものがある。これにより時短状態において、仮にイレギュラー等により第1特別図柄の変動表示が行われても、第2変動回数が上限実行回数に至る前に時短状態を終了させないことが可能になる。つまり時短状態において、第2特別図柄の抽選を上限実行回数分だけ確保することが可能になる。【0007】ここで、時短状態から非時短状態に移行した後、第1特別図柄の変動表示において、特殊な演出を実行しようとする場合がある。この場合、非時短状態に移行した後の特別図柄(識別図柄)の変動回数が規定回数以内に限って、第1特別図柄の変動時間(第1変動時間)を特別に決定して、特殊な演出を実行することが考えられる。しかしながら従来においては、大当たり遊技の終了時点からの合計変動回数に基づいて、その特別な第1変動時間を決定するようにしていた。言い換えれば、大当たり遊技の終了時点を基準に、合計変動回数が時短回数を超えて且つ規定回数以内であれば、特別な第1変動時間を決定するようにしていた。【0008】しかしながら、上記したように、時短状態の終了条件が複数設けられていると、時短状態でイレギュラー等により第1特別図柄が変動表示した場合に、時短状態が終了するまでの合計変動回数が異なってくる。そうなると上述したように、大当たり遊技の終了時点からの合計変動回数に基づいて、第1変動時間を決定する方法では、非時短状態に移行した後の任意の特別図柄(識別図柄)の変動回数のときに、第1変動時間を任意に決定できなかった。【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、非時短状態に移行した後の任意の識別図柄の変動回数のときに、任意の第1識別図柄の変動表示の時間を決定することが可能な遊技機を提供することにある。」
(イ)「【発明を実施するための形態】【0013】1.遊技機の構造本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63およびセレクトボタン(図示せず)が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。」
(ウ)「【0020】遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1入球口に相当)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20を、第1始動入賞口や固定入球口ともいう。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。【0021】また第1始動口20の下方には、第2始動口(第2入球口に相当)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21を第2始動入賞口や可変入球口ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。」
(エ)「【0035】また図1および図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄(第1図柄に相当)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2図柄に相当)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄(補助図柄)を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、及び、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bが含まれている。【0036】第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。【0037】特別図柄表示器41では、特別図柄(識別図柄)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(第2特別遊技)が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種類に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技(第1特別遊技)が行われる。なお、大当たり遊技又は小当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。・・・略・・・【0047】図4に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。」
(オ)「【0076】〈大当たり図柄の種別について〉特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。本形態では図8(A)に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示される大当たり図柄)の種別には2種類ある。また図8(B)に示すように、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される大当たり図柄)の種別には1種類ある。具体的には特図1の抽選では、振分率50%で「特図1_大当たり図柄A」に当選し、振分率50%で「特図1_大当たり図柄B」に当選する。また特図2の抽選では、振分率100%で「特図2_大当たり図柄C」に当選する。【0077】続きを表示(全11行)各大当たり図柄は、全て15R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「特図1_大当たり図柄B」又は「特図2_大当たり図柄C」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、「時短状態(高ベース状態)」であるのに対して、「特図1_大当たり図柄A」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、「非時短状態(低ベース状態)」である。時短状態に制御されると、時短回数が設定される。時短回数とは、時短状態(高ベース状態)における特別図柄の変動表示の上限実行回数である。【0078】設定される時短回数の詳細は、図9の表に示す通りである。本形態では、時短回数には、特図1の変動回数(第1変動回数)と特図2の変動回数(第2変動回数)との合計変動回数を対象とする時短回数(共通変動用の時短回数)と、特図2の変動回数だけを対象とする時短回数(特図2変動用の時短回数)とがある。時短状態(高ベース状態)に移行する場合、これら2種類の時短回数が設定される。そして、時短状態における特別図柄の変動回数(変動表示の実行回数)が、2種類の時短回数のうち何れかを満たすこととなった場合には、時短状態は終了する。【0079】時短状態(高ベース状態)は、右打ちで遊技を行う遊技状態であり、第2始動口21への入球に基づく特図2の変動ばかりが実行され、第1始動口20への入球に基づく特図1の変動は基本的には実行されない予定の遊技状態である。従って、普通に遊技している限り、特図2の変動回数が特図2変動用の時短回数に至ると、時短状態が終了する。共通変動用の時短回数は、イレギュラーなケースとして時短状態において特図1の変動が実行されてしまった場合でも、特図2変動用の時短回数に至るまでの特図2の変動を保障するためのものである。このため共通変動用の時短回数は、特図2変動用の時短回数よりも大きい値に設定される。【0080】本パチンコ遊技機では、大当たり遊技後に時短状態に制御されれば、共通変動用の時短回数は9回(第1上限実行回数)に設定され、特図2変動用の時短回数は5回(第2上限実行回数)に設定される。従って、時短状態に移行した後、普通に右打ちしている限り、特図2の変動表示が5回実行されると、非時短状態に移行することになる。」
(カ)「【0140】[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図25に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。【0141】[特別図柄待機処理]図26に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1001)。特図2保留球数が「0」である場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。続きを表示(全12行)【0142】ステップS1001において特図2保留球数が「0」でない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1002)及び特図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1004)。そして、第2特図保留記憶部85bをクリアする(S1005)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1006)を実行する。特図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間及び停止時間の情報を含む情報)が含まれている。・・・略・・・【0144】上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選にて小当たり当選となると、その小当たり遊技では必ず特定領域39を通過することができるようになっている。この点については後に詳述する。・・・略・・・【0146】次に、大当たり判定テーブル(図11(A))をセットする(S1102)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに従って大当たりか否かを判定する(S1103)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)が、大当たり判定値である「65320」~「65535」の何れかと一致するか否か判定する(図11(A)参照)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図8(A)又は図8(B)に示す当たり種別判定テーブルに従って大当たり種別を判定する(S1105)。大当たり種別を判定(S1105)した後は、大当たり種別(大当たり図柄の種別)に応じた特図停止図柄データ(図8(A)又は図8(B)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。」
(キ)「【図12】[図:0001391808000001.jpg]」
(ク)「【0150】[特図2変動パターン選択処理]本形態の特図2変動パターン選択処理(S1003)では、大当たり遊技後に時短状態に移行した後、特図2変動用の時短回数が4回を超えると、図12(C)に示す第2特別変動パターン判定テーブルに基づいて、特殊な特図2の変動パターンを選択する点に特徴がある。これは、時短状態での特別図柄の最後の変動表示(ラスト変動)において、後述する時短ラスト演出(図68参照)という特別な演出を実行可能にするためである。また本形態の特図2変動パターン選択処理(S1003)では、時短状態から非時短状態に移行した時点から、特図2の変動回数が3回に至るまで、図12(E)に示す第4特別変動パターン判定テーブルに基づいて、特殊な特図2の変動パターンを選択する点に特徴がある。これは、非時短状態に移行してから3個の特図2保留に基づいて、後述する通常移行後チャンス演出(図69参照)という特別な演出を実行可能にするためである。特殊な特図2の変動パターンを選択する詳細な理由については、後述する。【0151】図28に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1003)ではまず、時短フラグがONか否か(時短状態か否か)を判定する(S1301)。時短状態でなければ(S1301でNO)、即ち非時短状態であれば、続いて特図2用3変動内フラグがONであるか否かを判定する(S1302)。特図2用3変動内フラグは、時短状態から非時短状態に移行した時点から、特図2の変動回数が3回以内であることを示すフラグである。特図2用3変動内フラグがONでなければ(S1302でNO)、続いて、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1303)。続きを表示(全11行)【0152】ステップS1303において、大当たりフラグがONであれば(S1303でYES)、非時短状態中通常大当たりテーブル(図12(A)に示す通常変動パターン判定テーブルのうち特図2で非時短状態且つ大当たりに該当する部分)に従って、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1304)。図12(A)に示すように、変動パターンが決まれば変動時間及び停止時間も決まる。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。【0153】またステップS1303において、大当たりフラグがONでなければ(S1303でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1305)。ONであれば(S1305でYES)、非時短状態中通常小当たりテーブル(図12(A)に示す通常変動パターン判定テーブルのうち特図2で非時短状態且つ小当たりに該当する部分)に従って、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1306)。・・・略・・・【0168】[特図1変動パターン選択処理]本形態の特図1変動パターン選択処理(S1009)では、大当たり遊技後に時短状態に移行した後、共通変動用の時短回数が8回を超えると、図12(B)に示す第1特別変動パターン判定テーブルに基づいて、特殊な特図1の変動パターンを選択する。これは、時短状態での特別図柄の最後の変動表示(ラスト変動)において、後述する時短ラスト演出(図68参照)という特別な演出を実行可能にするためである。但し、共通変動用の時短回数が8回消化された上に、更に特図1の変動表示が実行されるのは、ほぼあり得ない状況である。また本形態の特図1変動パターン選択処理(S1009)では、時短状態から非時短状態に移行した時点から、合計変動回数(特図1の変動回数と特図2の変動回数の合計)が10回(規定回数)に至るまで、図12(D)に示す第3特別変動パターン判定テーブル(特別決定基準)に基づいて、特殊な特図1の変動パターンを選択する点に特徴がある。これは、非時短状態に移行してから少なくとも特別図柄の変動回数が10回まで、後述する通常移行後追加演出(図70参照)という特別な演出を実行可能にするためである。特殊な特図1の変動パターンを選択する詳細な理由については、後述する。」
(ケ)「【0361】9.本形態の効果以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態の終了条件として、合計変動回数が9回に至る第1終了条件と、特図2の変動回数が5回に至る第2終了条件とが設けられている。そのため時短状態において、イレギュラー等で特図1が変動表示しても、特図2の変動回数が5回に至るまで、非時短状態に移行させないことが可能である。その上で時短状態から非時短状態に移行した場合、大当たり遊技の終了時点からではなく、非時短状態への移行時点からカウントされる合計変動回数に基づいて、特図1の変動時間を決定することが可能である。・・・略・・・続きを表示(全28行)【0364】10.変更例以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。【0365】上記形態では、時短状態の終了条件として、合計変動回数が9回に至る第1終了条件と、特図2の変動回数が5回に至る第2終了条件とが設けられている。しかしながら、第1終了条件を、合計変動回数ではなく、特図1の変動回数が所定の上限実行回数に至るという条件にしても良い。この場合であっても、上記形態で説明したように、特図2の変動時間及び停止時間については、特図1の変動回数に拘わらず、特図2の変動回数に基づいて、図12(C)に示す第2特別変動パターン判定テーブル又は図12(E)に示す第4特別変動パターン判定テーブルを用いて決定するようにすれば良い。【0366】これに対して、特図1の変動時間及び停止時間については、時短状態において、合計変動回数に拘わらず、特図1の変動回数が上記した所定の上限実行回数-1回以内であれば、図12(A)に示す通常変動パターン判定テーブルを用いて決定し、特図1の変動回数が上記した所定の上限実行回数に至れば、図12(B)に示す第1特別変動パターン判定テーブルを用いて決定すれば良い。これにより、時短状態のラスト変動における特図1の変動時間及び停止時間を、特別な値に決定することが可能である。【0367】また上記形態では、時短状態の終了条件である第1終了条件が、合計変動回数が9回(第1上限実行回数)に至ることであったが、9回以外の回数に至ることであっても良い。また、時短状態の終了条件である第2終了条件が、特図2の変動回数が5回(第2上限実行回数)に至ることであったが、5回以外の回数に至ることであっても良い。・・・略・・・【0370】また上記形態では、時短状態においてイレギュラーを除きほぼ特図1の変動表示が開始されないパチンコ遊技機1として構成した。しかしながら、時短状態であっても特図1の変動表示が実行され得るパチンコ遊技機1(例えば同時変動)として構成しても良い。この場合において、時短状態のラスト変動よりも前の変動に対する特図1の変動時間及び停止時間を特別に決定するようにしても良い。つまり、例えば時短状態において、合計変動回数が5回(規定回数)を超えると、その他の特別変動パターン判定テーブルを用いて、特図1の変動時間及び停止時間を特別に決定するようにしても良い。これにより、時短状態のラスト変動だけでなく、ラスト変動よりも前の変動から特図1の変動時間及び停止時間を特別に決定することが可能である。更に時短状態において、特図1の変動回数又は合計変動回数に応じて、2つ以上の特別変動パターン判定テーブル(図12(A)の通常変動パターン判定テーブルを除く)を用いて、特図1の変動時間及び停止時間を決定するようにしても良い。これにより、時短状態の終了に近づくにつれて、バリエーションに富む特図1の変動時間及び停止時間に対応する演出を実行することが可能である。【0371】また上記形態では、時短状態のラスト変動だけに対して特図1の変動時間及び停止時間を特別に決定するようにした。しかしながら、時短状態への移行時点から、合計変動回数又は特図1の変動回数が任意の回数範囲(例えば3回から7回まで)又は或る特定の1回(例えば5回目)だけ、特別変動パターン判定テーブルを用いて、特図1の変動時間及び停止時間を特別に決定するようにしても良い。【0372】また上記形態では、時短状態のラスト変動に対する特図2の変動時間及び停止時間を、時短状態のラスト変動以外に対応する特図2の変動時間及び停止時間よりも、長くなるように決定した。しかしながら、時短状態のラスト変動以外に対応する特図2の変動時間及び停止時間よりも、短くなるように決定しても良い。或いは、変動パターン乱数に応じて長く決定されたり、短く決定されたりするようにしても良い。要するに、図12(C)に示す第2特別変動パターン判定テーブルを用いて決定される特図2の変動時間及び停止時間は、適宜変更可能である。【0373】また上記形態では、時短状態において特図2の変動回数が4回(規定回数)を超えると、特図2の変動時間(50000ms)及び特図2の停止時間(10000ms)の両方を特別に決定するようにした(図12(C)参照)。しかしながら、特図2の変動時間及び特図2の停止時間のうち、何れか一方を特別に決定するようにしても良い。【0374】また上記形態では、時短状態のラスト変動に対する特図1の変動時間及び停止時間を、時短状態のラスト変動以外に対応する特図1の変動時間及び停止時間よりも、長くなり易いように決定した。しかしながら、時短状態のラスト変動以外に対応する特図1の変動時間及び停止時間よりも、短くなり易いように決定しても良い。要するに、図12(B)に示す第1特別変動パターン判定テーブルを用いて決定される特図1の変動時間及び停止時間は、適宜変更可能である。【0375】また上記形態では、時短状態において合計変動回数が8回を超えると、特図1の変動時間(50000ms)及び特図1の停止時間(10000ms)の両方を特別に決定するようにした(図12(B)参照)。しかしながら、特図1の変動時間及び特図1の停止時間のうち、何れか一方を特別に決定するようにしても良い。【0376】また上記形態では、時短状態の終了条件として、合計変動回数が9回に至る第1終了条件と、特図2の変動回数が5回に至る第2終了条件とが設けられていたが、第1終了条件と第2終了条件に加えて、特図1の変動回数が所定の上限実行回数に至るという第3終了条件を更に設けても良い。」
(コ)【0152】の「・・・図12(A)に示す通常変動パターン判定テーブル・・・に従って、変動パターン乱数カウンタ値・・・に基づいて変動パターンを選択する・・・。」との記載を踏まえて、変動パターン判定テーブルを示した図12(上記(キ))を参照すると、該図12の記載より、変動パターン判定テーブルは、特図1及び特図2の変動パターンについて、複数種類の変動パターンを予め規定していることが見て取れる。
また、【0078】の「特図1の変動回数(第1変動回数)と特図2の変動回数(第2変動回数)との合計変動回数を対象とする・・・共通変動用の時短回数・・・時短状態における特別図柄の変動回数・・・が、・・・の時短回数・・・を満たすこととなった場合には、時短状態は終了する。」との記載、及び、【0080】の「・・・大当たり遊技後に時短状態に制御されれば、共通変動用の時短回数は9回(第1上限実行回数)に設定され、・・・」との記載を踏まえて、第1特別変動パターン判定テーブル(時短状態に移行してから共通変動用の時短回数が8回消化後)を示す図12(B)を参照すると、該図12(B)より、時短状態で、前記共通変動用の変動回数が8回消化後の9回である場合、特図1の変動時間が50000msであることが見て取れる。
また、通常変動パターン判定テーブルを示す図12(A)は、特図1の変動回数(第1変動回数)と特図2の変動回数(第2変動回数)との合計変動回数を対象とする共通変動用の変動回数が8回以下である場合に用いられるから、該図12(A)の記載より、時短状態で、特図1の変動回数(第1変動回数)と特図2の変動回数(第2変動回数)との合計変動回数を対象とする共通変動用の変動回数が8回以下である場合、特図1の変動時間が8000~30000msで、特図2の変動時間が36000msであることが見て取れる。
また、【0365】の「上記形態では、時短状態の終了条件として、合計変動回数が9回に至る第1終了条件と、特図2の変動回数が5回に至る第2終了条件とが設けられている。しかしながら、第1終了条件を、合計変動回数ではなく、特図1の変動回数が所定の上限実行回数に至るという条件にしても良い。」との記載より、「合計変動回数」を「特図1の変動回数」と読み替えることができるから、時短状態で、特図1の変動回数が8回以下である場合、特図1の変動時間が8000~30000msで、特図2の変動時間が36000msであり、時短状態で、前記特図1の変動回数が8回消化後の9回である場合、特図1の変動時間が50000msであることが、図12(A)及び(B)から実質的に見て取れる。
イ 引用発明
上記アからみて、引用例には、実施形態の変更例として、次の発明が記載されている。なお、aないしsについては本願補正発明の特定事項AないしSに概ね対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。
「a 第1始動口20への遊技球の入賞を第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機とし(【0020】)、b 第2始動口21への遊技球の入賞を第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機とし(【0021】)、c 第2始動口21の保留球数である第2特図保留の消化は、第1始動口20の保留球数である第1特図保留の消化に優先して実行する(【0036】、【0141】、【0144】)、遊技制御用マイコン81(【0047】、【0140】)と、続きを表示(全17行)d 第1特別図柄(第1図柄に相当)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する第1特別図柄表示器41a(【0035】、【0037】)と、e 第2特別図柄(第2図柄に相当)を可変表示する(変動表示)したあと停止表示することにより、第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する第2特別図柄表示器41b(【0035】、【0037】)と、f 特図1及び特図2の変動パターンについて、複数種類の変動パターンを予め規定している変動パターン判定テーブル(上記(コ))と、h 第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示される大当たり図柄)の種別には2種類あり、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される大当たり図柄)の種別には1種類ある、当たり種別判定テーブル(【0076】、【0146】)と、を備え、g 変動パターン判定テーブルに従って、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択し(【0152】)、i 特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると、特図1の抽選では、振分率50%で「特図1_大当たり図柄A」に当選し、振分率50%で「特図1_大当たり図柄B」に当選し、また特図2の抽選では、振分率100%で「特図2_大当たり図柄C」に当選し(【0076】)、j 特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技が実行され(【0076】)、k、m 「特図1_大当たり図柄B」又は「特図2_大当たり図柄C」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、「時短状態(高ベース状態)」であるのに対して、「特図1_大当たり図柄A」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、「非時短状態(低ベース状態)」であり(【0077】)、l 時短状態に制御されると、時短状態(高ベース状態)における特別図柄の変動表示の上限実行回数である時短回数9回が設定され(【0077】、【0080】)、時短状態における特別図柄の変動回数が、時短回数を満たすこととなった場合には、時短状態が終了し(【0078】)、n、o、p 時短状態で、特図1の変動回数が8回以下である場合、特図1の変動時間が8000~30000msで、特図2の変動時間が36000msであり(図12、上記(コ))、時短状態で、前記特図1の変動回数が8回消化後の9回である場合、特図1の変動時間が50000msである(図12、上記(コ))、s パチンコ遊技機1(【0013】)。」(以下「引用発明」という。)
(3)周知例の記載、周知技術
ア 周知例1
原査定で引用文献2として引用され、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-171958号公報(平成28年9月29日公開、以下「周知例1」という。)には、遊技機に関し、次の事項が図とともに記載されている。
(ア)「【0102】遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後の遊技状態が、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別により決定されるようになっている。また、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、図13に示すように、遊技状態設定テーブル117として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1状態設定テーブル117aと、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2状態設定テーブル117bと、特別図柄X3が決定された場合に参照される第3状態設定テーブル117cと、が設けられている。【0103】具体的には、特別図柄X1が決定されると、図13(a)に示すように、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)は70回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が70回導出されるまで、高確率遊技状態が継続する。また、高確率遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に遊技状態が高確率遊技状態に設定された場合、この高確率遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、70回の抽選の結果がすべてハズレとなると、遊技状態は低確率遊技状態に変更されることとなる。また、特別図柄X2又は特別図柄X3が決定された場合も、図13(b)又は(c)に示すように、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確回数が70回に設定される。【0104】さらに、特別図柄X1又は特別図柄X2が決定された場合には、図13(a)又は(b)に示すように、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されるとともに、必ず時短遊技状態に設定され、時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)は70回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が70回導出されるまで、高確時短状態が継続する。【0105】これに対して、特別図柄X3が決定された場合には、図13(c)に示すように、大当たりに当選した時点の遊技状態に応じて、異なった時短遊技状態の設定が行われる。具体的には、大当たりに当選した時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数が70回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が70回導出されるまで、高確時短状態が継続する。一方、大当たりに当選した時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が70回導出されるまで、高確非時短状態が継続する。」
(イ)「【図13】[図:0001391808000002.jpg]」
(ウ)上記(ア)及び(イ)からみて、周知例1には以下の事項が記載されている。
「特別図柄X1又は特別図柄X2が決定された場合には、特別遊技の終了後の遊技状態が必ず時短遊技状態に設定され、これに対して、特別図柄X3が決定された場合には、大当たりに当選した時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、一方、大当たりに当選した時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される、パチンコ機1。」(以下「周知例1記載の技術的事項」という。)
イ 周知例2
本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-177858号公報(平成27年10月8日公開、以下「周知例2」という。)には、遊技機に関し、次の事項が図とともに記載されている。
(ア)「【実施例】【0012】以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。」
(イ)「【0094】遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のテーブルデータなどが記憶されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定を行うために用意された、図4などに示す複数の判定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御信号を出力させるために用いられる複数の制御パターンテーブルを構成するテーブルデータや、特別図柄や普通図柄などの変動表示における各図柄の変動態様となる変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルなどが記憶されている。【0095】ROM101が記憶する判定テーブルには、例えば図4(A)に示す当り判定テーブル130a、図4(B)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131a、図4(C)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131b、図4(D)に示す小当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131c、図4(E)に示す小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131dの他、大当り用変動パターン種別判定テーブル(図示略)や小当り用変動パターン種別判定テーブル(図示略)、はずれ用変動パターン種別判定テーブル(図示略)、当り変動パターン判定テーブル(図示略)、はずれ変動パターン判定テーブル(図示略)、普図表示結果判定テーブル(図示略)、普図変動パターン決定テーブル(図示略)などが含まれている。続きを表示(全22行)・・・略・・・【0103】大当り種別判定テーブル131a,131bは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を第1大当り~第4大当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。尚、この実施例では、図4(B)、(C)に示すように、大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aには、第1大当りから第3大当りまでの3種類の大当りが設けられているのに対し、大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bには、第4大当りの1種類の大当りのみが設けられている。つまり、第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、第1大当りから第3大当りまでの3種類の大当りのうちのいずれかとなる一方、第2特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、第4大当りのみとなる。【0104】大当り種別判定テーブル131aには、第1大当り~第3大当りのそれぞれについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値、ラウンド数(15R、5R)データ、対象大入賞口(第1大入賞口702)データ、大当り遊技終了後に遊技状態を通常状態とするか時短状態とするかを示すデータが設定されている。一方、大当り種別判定テーブル131bには、第4大当りのみについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値、ラウンド数(15R)データ、対象大入賞口(第1大入賞口702)データ、大当り遊技終了後に遊技状態を時短状態とすることを示すデータが設定されている。【0105】具体的には、第1大当りに対応するラウンド数データに5ラウンドが設定されることで、第1大当りが5ラウンド大当りに設定され、第2大当りと第4大当りに対応するラウンド数データに15ラウンドが設定されることで、第2大当り及び第4大当りが15ラウンド大当りに設定され、第3大当りに対応するラウンド数データに15ラウンド(実質0ラウンド)が設定される。但し、第3大当りは、第1大入賞口702が高速で開放する短期開放大当りであるため、実際は出球を期待できない15ラウンド(実質0ラウンド)大当りとされている。よって、第2大当りまたは第4大当りとなることで、遊技者は、第1大当りまたは第3大当りよりも多くの遊技球が獲得可能となる。【0106】また、時短フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常状態においては、第1大当り及び第2大当りの大当り遊技状態の終了後は、遊技状態が時短状態に制御され、第3大当りの大当り遊技終了後は遊技状態が通常状態に制御されるように設定されている。時短フラグがオン状態(セットされている状態)である時短状態においては、第1~第3大当りの大当り遊技状態の終了後は、遊技状態が時短状態に制御されるように設定されている。・・・略・・・【0115】図4(E)は、ROM101に記憶されている小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131dを示す説明図である。この小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131dは、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)小当りの発生が決定されたときに、小当りの種別を決定する場合のテーブルである。つまり、小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131dは、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、小当りの種別を第1小当り~第3小当りのうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。【0116】小当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131dには、第1小当り~第3小当りのそれぞれについて、当り種別判定用の乱数(ランダム1)の判定値、小当りによって遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することにより発生する大当り(V入賞大当り:第5大当り~第7大当り)のラウンド数データ、対象大入賞口(第2大入賞口712)データ、小当りによって遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することにより発生した大当り(V入賞大当り:第5大当り~第7大当り)の大当り遊技終了後に遊技状態を通常状態とするか時短状態とするかを示すデータが設定されている。【0117】具体的には、第1小当り時に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することに対して、5ラウンドのラウンド数データ(実質は4ラウンド)となる第5大当りが設定され、第2小当り時に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することに対して、15ラウンドのラウンド数データ(実質は14ラウンド)となる第6大当りが設定され、第3小当り時に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することに対して、15ラウンド(実質は0ラウンド)となる第7大当りが設定されている。これら第1小当り~第3小当り、第5大当り~第7大当りでは、第2大入賞口712が開放される。【0118】また、時短フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常状態においては、第5大当り及び第6大当りの大当り遊技状態の終了後は遊技状態が時短状態に制御されるように設定され、第7大当りの大当り遊技終了後は遊技状態が通常状態に制御されるように設定されている。時短フラグがオン状態(セットされている状態)である時短状態においては、第5~第7大当りの大当り遊技終了後は遊技状態が時短状態に制御されるように設定されている。」
(ウ)「[図:0001391808000003.jpg]」
(エ)上記(ア)~(ウ)からみて、周知例2には以下の事項が記載されている。
「第1特別図柄の変動表示が行われるときに発生する大当りとしては、第1大当りから第3大当りまでの3種類の大当りのうちのいずれかとなり、時短フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常状態においては、第1大当り及び第2大当りの大当り遊技状態の終了後は、遊技状態が時短状態に制御され、第3大当りの大当り遊技終了後は遊技状態が通常状態に制御されるように設定され、時短フラグがオン状態(セットされている状態)である時短状態においては、第1~第3大当りの大当り遊技状態の終了後は、遊技状態が時短状態に制御されるように設定されており、第2特別図柄の変動表示が行われるとき、変動表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、小当りの種別を第1小当り~第3小当りのうちのいずれかに決定し、第1小当り時に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することに対して、5ラウンドのラウンド数データ(実質は4ラウンド)となる第5大当りが設定され、第2小当り時に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することに対して、15ラウンドのラウンド数データ(実質は14ラウンド)となる第6大当りが設定され、第3小当り時に遊技球が第3カウントスイッチ24Bを通過することに対して、15ラウンド(実質は0ラウンド)となる第7大当りが設定され、時短フラグがオフ状態(セットされていない状態)である通常状態においては、第5大当り及び第6大当りの大当り遊技状態の終了後は遊技状態が時短状態に制御されるように設定され、第7大当りの大当り遊技終了後は遊技状態が通常状態に制御されるように設定され、時短フラグがオン状態(セットされている状態)である時短状態においては、第5~第7大当りの大当り遊技終了後は遊技状態が時短状態に制御されるように設定されている、パチンコ遊技機1。」(以下「周知例2記載の技術的事項」という。)
ウ 周知例1記載の技術的事項(上記ア(ウ))及び周知例2記載の技術的事項(上記イ(エ))からみて、以下の事項が本願の出願前に周知であると認められる。
「時短状態で、複数の当選種類のうち一の当選種類に該当した場合には、大当り遊技終了後に時短状態に制御され、通常状態又は時短状態で、前記複数の当選種類のうち他の当選種類に該当した場合には、大当り遊技終了後に時短状態に制御される、パチンコ遊技機。」(以下「周知技術」という。)
(4)対比
本願補正発明と引用発明を対比する。
ア 特定事項Aについて
引用発明の「第1始動口10への遊技球の入賞」及び「第1特別図柄の抽選」は、それぞれ本願補正発明の「第1抽選契機」及び「第1抽選」に相当する。
そして、引用発明のaは、第1始動口20への遊技球の入賞(第1抽選契機)を第1特別図柄の抽選(第1抽選)の契機とし、前記入賞は遊技中であることが明らかであるから、引用発明の「遊技制御用マイコン81」は、本願補正発明の「A 遊技中に第1抽選契機が発生した場合、第1抽選を実行する第1抽選実行手段」を備える。
イ 特定事項Bについて
引用発明の「第2始動口21への遊技球の入賞」及び「第2特別図柄の抽選」は、それぞれ本願補正発明の「前記第1抽選契機とは異なる第2抽選契機」及び「前記第1抽選とは異なる第2抽選」に相当する。
そして、引用発明のbは、第2始動口21への遊技球の入賞(第2抽選契機)を第2特別図柄の抽選(第2抽選)の契機とし、前記入賞は遊技中であることが明らかであるから、引用発明の「遊技制御用マイコン81」は、本願補正発明の「B 遊技中に前記第1抽選契機とは異なる第2抽選契機が発生した場合、前記第1抽選とは異なる第2抽選を実行する第2抽選実行手段」を備える。
ウ 特定事項Cについて
引用発明のcにおいて、「第2始動口21の保留球数である第2特図保留」及び「第1始動口20の保留球数である第1特図保留」がそれぞれの保留を消化することにより抽選を実行することは明らかであり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行するのであるから、両保留の両方が発生している場合、第1特別図柄の抽選(第1抽選)よりも第2特別図柄の抽選(第2抽選)を優先して実行するといえる。
そうすると、引用発明の「遊技制御用マイコン81」は、本願補正発明の「C 前記第1抽選契機及び前記第2抽選契機の両方が発生している場合、前記第1抽選よりも前記第2抽選を優先して実行する第2抽選優先実行手段」を備える。
エ 特定事項Dについて
引用発明のdの「第1特別図柄表示器41a」は、第1特別図柄(本願補正発明の「第1図柄」に相当)を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20への入賞に基づく抽選(第1抽選)の結果を報知するものであるから、本願補正発明の「D 前記第1抽選が実行されると、所定の変動時間にわたって第1図柄を変動表示させた後に、前記第1抽選の結果に応じた態様で前記第1図柄を停止表示させる第1図柄表示手段」に相当する。
オ 特定事項Eについて
引用発明のeの「第2特別図柄表示器41b」は、第2特別図柄(本願補正発明の「第2図柄」に相当)を可変表示したあと停止表示することにより、第2始動口21への入賞に基づく抽選(第2抽選)の結果を報知するものであるから、本願補正発明の「E 前記第2抽選が実行されると、所定の変動時間にわたって第2図柄を変動表示させた後に、前記第2抽選の結果に応じた態様で前記第2図柄を停止表示させる第2図柄表示手段」に相当する。
カ 特定事項Fについて
引用発明のfの「変動パターン判定テーブル」は、特図1(第1図柄)及び特図2(第2図柄)の変動パターンについて、複数種類の変動パターンを予め規定しているから、本願補正発明の「F 前記第1図柄又は前記第2図柄の変動パターンについて、複数種類の変動パターンを予め規定する変動パターン規定手段」に相当する。
キ 特定事項Gについて
引用発明のgにおいて、変動パターン判定テーブル(変動パターン規定手段)に従って、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択しており、変動パターンの選択が特図1(第1図柄)及び特図2(第2図柄)の変動表示をする際に行われていることは自明である。
そうすると、引用発明は、本願補正発明の「G 前記第1図柄又は前記第2図柄の変動表示をする際に、前記変動パターン規定手段により規定された複数種類の前記変動パターンの中からいずれかを選択的に決定する変動パターン決定手段」を備える。
ク 特定事項Hについて
引用発明のhにおける、第1特別図柄の抽選で当選可能な大当たり図柄の種別には2種類あり、第2特別図柄の抽選で当選可能な大当たり図柄の種別には1種類ある、当たり種別判定テーブルは、本願補正発明の「H 複数の当選種類を予め規定する当選種類規定手段」を備える。
コ 特定事項Iについて
引用発明のiにおいて、特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(前記第1抽選又は前記第2抽選で当選の結果が得られた場合)、特図1の抽選(第1抽選)では、振分率50%で「特図1_大当たり図柄A」に当選し、振分率50%で「特図1_大当たり図柄B」に当選し、また特図2の抽選(第2抽選)では、振分率100%で「特図2_大当たり図柄C」に当選するものである。
そうすると、引用発明は、本願補正発明の「I 前記第1抽選又は前記第2抽選で当選の結果が得られた場合、前記当選種類規定手段により規定された複数の当選種類のいずれに該当するかを決定する当選種類決定手段」を備える。
サ 特定事項Jについて
引用発明のjにおいて、特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(前記第1図柄表示手段又は前記第2図柄表示手段により所定の当選態様で前記第1図柄又は前記第2図柄が停止表示された場合)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(本願補正発明の「特別遊技」に相当)が実行される。
そうすると、引用発明は、本願補正発明の「J 前記第1図柄表示手段又は前記第2図柄表示手段により所定の当選態様で前記第1図柄又は前記第2図柄が停止表示された場合、特別遊技を実行する特別遊技実行手段」を備える。
シ 特定事項Kについて
引用発明の「時短状態」は、本願補正発明の「有利遊技状態」に相当する。
また、引用発明のk、mにおいて、「特図1_大当たり図柄B」又は「特図2_大当たり図柄C」に当選した場合の大当たり遊技後(特別遊技の終了後)の遊技状態は、時短状態(有利遊技状態)であるから、引用発明の「「特図1_大当たり図柄B」又は「特図2_大当たり図柄C」に当選した場合」は、本願補正発明の「所定の移行条件が満たされた場合」に相当する。
そうすると、引用発明は、本願補正発明の「K 所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に、所定の遊技状態から前記所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態に移行させる有利遊技状態移行手段」を備える。
ス 特定事項Lについて
引用発明のlは、時短状態(有利遊技状態)における特別図柄の変動回数が、時短回数を満たすこととなった場合(本願補正発明の「所定の終了条件が満たされた場合」に相当)には、時短状態(有利遊技状態)が終了するから、引用発明は、本願補正発明の「L 所定の終了条件が満たされた場合、前記有利遊技状態を終了させて前記所定の遊技状態に移行させる所定遊技状態移行手段」を備える。
セ 特定事項Mについて
引用発明のk、mにおいて、「特図1_大当たり図柄B」又は「特図2_大当たり図柄C」に当選した場合(所定の移行条件が満たされた場合)(本願補正発明の「前記複数の当選種類のうち第1当選種類に該当した場合」にも相当)の大当たり遊技後の遊技状態が、時短状態(有利遊技状態)であるから、引用発明のk、mは、移行条件が満たされたものとする手段を備えるといえる。
そうすると、引用発明のk、mと、本願補正発明の特定事項Mとは、「前記複数の当選種類のうち第1当選種類に該当した場合には、前記所定の移行条件が満たされるものと」「する移行条件設定手段」で一致する。
ソ 特定事項Nについて
引用発明のn、o、pにおいて、時短状態(有利遊技状態)で、特図1の変動回数が8回(本願補正発明の「規定回数」に相当)以下である場合、特図1(第1図柄)の変動時間が8000~30000msで、特図2(第2図柄)の変動時間が36000msである。
また、引用発明のn、o、pにおいて、特図1(第1図柄)の変動時間として8000~30000msが決定され得るのは、特図1(第1図柄)が変動開始可能な状態、すなわち、特図1(第1図柄)の変動開始条件が満たされている場合であることが明らかである。
そうすると、引用発明のn、o、pは、時短状態(有利遊技状態)で、特図1の変動回数(第1図柄の変動回数)が8回以下(規定回数以下)であり、特図1(第1図柄)の変動開始条件が満たされている場合、特図1(第1図柄)の変動時間8000~30000msを特図2(第2図柄)の変動時間36000msよりも相対的に短縮した短縮変動時間として設定しているものである。
してみると、引用発明は、本願補正発明の「N 前記有利遊技状態に移行された場合であって、前記有利遊技状態に移行してからの前記第1図柄の変動回数が規定回数以下であり、前記第1図柄の変動開始条件が満たされている場合、前記変動パターン決定手段が選択可能な変動パターンについて、前記有利遊技状態での前記第1図柄の変動時間を前記有利遊技状態での前記第2図柄の変動時間よりも相対的に短縮した短縮変動時間として設定する第1図柄短縮変動時間設定手段」を備える。
タ 特定事項Oについて
引用発明のn、o、pにおいて、時短状態(有利遊技状態)で、特図1の変動回数(第1図柄の変動回数)が8回以下(規定回数)である場合、特図1の変動時間が8000~30000msであり、特図1の変動回数(第1図柄の変動回数)が8回消化後の9回である場合、特図1の変動時間が50000msである。
また、引用発明のn、o、pにおいて、特図1(第1図柄)の変動時間が決定され得るのは、特図1(第1図柄)が変動開始可能な状態、すなわち、特図1(第1図柄)の変動開始条件が満たされ、時短回数が9回を消化(所定の終了条件)していない場合であることが明らかである。
そうすると、引用発明のn、o、pは、時短状態(有利遊技状態)で、特図1の変動回数(第1図柄の変動回数)が9回(規定回数よりも大きい回数)であり、特図1(第1図柄)の変動開始条件が満たされている場合、特図1(第1図柄)の変動時間である8000~30000ms(短縮変動時間)を相対的に延長した50000ms(本願補正発明の「第1図柄延長変動時間」に相当)として設定しているものである。
してみると、引用発明のn、o、pは、本願補正発明の「O 前記有利遊技状態に移行された場合であって、前記有利遊技状態に移行してからの前記第1図柄の変動回数が前記規定回数よりも大きい回数であり、前記所定の終了条件が満たされない状況で前記第1図柄の変動開始条件が満たされている場合、前記変動パターン決定手段が選択可能な変動パターンについて、前記有利遊技状態での前記第1図柄の変動時間を前記短縮変動時間よりも相対的に延長した第1図柄延長変動時間として設定する第1図柄延長変動時間設定手段」を備える。
チ 特定事項Pについて
引用発明の時短状態の初回の変動が本願補正発明の「初回変動」に相当し、同じく9回目の変動が本願補正発明の「最終変動」に相当し、同じく2~7回目の変動が本願補正発明の「第1中間変動」に相当し、同じく8回目の変動が本願補正発明の「前記第1中間変動よりも後の変動である第2中間変動」に相当する。
そうすると、引用発明は、本願補正発明の「P 前記有利遊技状態は、前記有利遊技状態の初回の変動である初回変動、前記有利遊技状態の最終の変動である最終変動、前記初回変動と前記最終変動との間の変動である第1中間変動、前記初回変動と前記最終変動との間の変動であり前記第1中間変動よりも後の変動である第2中間変動を含み、」との特定事項を備える。
ツ 特定事項Sについて
引用発明の「s パチンコ遊技機1」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。
テ 上記ア~ツからみて、本願補正発明と引用発明とは、
「A 遊技中に第1抽選契機が発生した場合、第1抽選を実行する第1抽選実行手段と、B 遊技中に前記第1抽選契機とは異なる第2抽選契機が発生した場合、前記第1抽選とは異なる第2抽選を実行する第2抽選実行手段と、C 前記第1抽選契機及び前記第2抽選契機の両方が発生している場合、前記第1抽選よりも前記第2抽選を優先して実行する第2抽選優先実行手段と、D 前記第1抽選が実行されると、所定の変動時間にわたって第1図柄を変動表示させた後に、前記第1抽選の結果に応じた態様で前記第1図柄を停止表示させる第1図柄表示手段と、続きを表示(全17行)E 前記第2抽選が実行されると、所定の変動時間にわたって第2図柄を変動表示させた後に、前記第2抽選の結果に応じた態様で前記第2図柄を停止表示させる第2図柄表示手段と、F 前記第1図柄又は前記第2図柄の変動パターンについて、複数種類の変動パターンを予め規定する変動パターン規定手段と、G 前記第1図柄又は前記第2図柄の変動表示をする際に、前記変動パターン規定手段により規定された複数種類の前記変動パターンの中からいずれかを選択的に決定する変動パターン決定手段と、H 複数の当選種類を予め規定する当選種類規定手段と、I 前記第1抽選又は前記第2抽選で当選の結果が得られた場合、前記当選種類規定手段により規定された複数の当選種類のいずれに該当するかを決定する当選種類決定手段と、J 前記第1図柄表示手段又は前記第2図柄表示手段により所定の当選態様で前記第1図柄又は前記第2図柄が停止表示された場合、特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、K 所定の移行条件が満たされた場合、前記特別遊技の終了後に、所定の遊技状態から前記所定の遊技状態と比較して有利な条件が適用された有利遊技状態に移行させる有利遊技状態移行手段と、L 所定の終了条件が満たされた場合、前記有利遊技状態を終了させて前記所定の遊技状態に移行させる所定遊技状態移行手段と、M’前記複数の当選種類のうち第1当選種類に該当した場合には、前記所定の移行条件が満たされるものとする移行条件設定手段と、N 前記有利遊技状態に移行された場合であって、前記有利遊技状態に移行してからの前記第1図柄の変動回数が規定回数以下であり、前記第1図柄の変動開始条件が満たされている場合、前記変動パターン決定手段が選択可能な変動パターンについて、前記有利遊技状態での前記第1図柄の変動時間を前記有利遊技状態での前記第2図柄の変動時間よりも相対的に短縮した短縮変動時間として設定する第1図柄短縮変動時間設定手段と、O 前記有利遊技状態に移行された場合であって、前記有利遊技状態に移行してからの前記第1図柄の変動回数が前記規定回数よりも大きい回数であり、前記所定の終了条件が満たされない状況で前記第1図柄の変動開始条件が満たされている場合、前記変動パターン決定手段が選択可能な変動パターンについて、前記有利遊技状態での前記第1図柄の変動時間を前記短縮変動時間よりも相対的に延長した第1図柄延長変動時間として設定する第1図柄延長変動時間設定手段とを備え、P 前記有利遊技状態は、前記有利遊技状態の初回の変動である初回変動、前記有利遊技状態の最終の変動である最終変動、前記初回変動と前記最終変動との間の変動である第1中間変動、前記初回変動と前記最終変動との間の変動であり前記第1中間変動よりも後の変動である第2中間変動を含む、S 遊技機。」である点で一致し、次の点で相違する。
・相違点1(特定事項M)
「移行条件設定手段」に関し、
本願補正発明では、「前記有利遊技状態で前記複数の当選種類のうち第1当選種類に該当した場合には、前記所定の移行条件が満たされるものとし、前記所定の遊技状態又は前記有利遊技状態で前記複数の当選種類のうち第2当選種類に該当した場合には、前記所定の移行条件が満たされるものとする」のに対し、
引用発明では、所定の当選種類(第1当選種類、第2当選種類)の当選時の遊技状態が、時短状態(有利遊技状態)か通常状態(所定の遊技状態)かで、大当り遊技終了後の遊技状態を時短状態(有利遊技状態)とする(所定の移行条件が満たされる)か否かとするものではない点。
・相違点2(特定事項Q、R)
「規定回数」及び「規定回数よりも大きい回数」に関し、
本願補正発明では、「前記規定回数は、前記第1中間変動に対応する回数であり、前記規定回数よりも大きい回数は、前記第2中間変動に対応する回数である」のに対し、
引用発明では、8回(規定回数)は、中間変動に対応する回数であるが、8回よりも大きい9回(規定回数よりも大きい回数)は最終変動であり、中間変動に対応する回数ではない点。
(5)判断
ア 上記相違点1について検討する。
(ア)上記(3)ウで示したように、周知技術は、時短状態で、複数の当選種類のうち一の当選種類に該当した場合には、大当り遊技終了後に時短状態に制御され、通常状態又は時短状態で、前記複数の当選種類のうち他の当選種類に該当した場合には、大当り遊技終了後に時短状態に制御されるパチンコ遊技機である。
周知技術の「時短状態」、「通常状態」、「複数の当選種類」、「一の当選種類」及び「他の当選種類」は、それぞれ本願補正発明の「有利遊技状態」、「所定の遊技状態」、「複数の当選種類」、「第1当選種類」及び「第2当選種類」に相当する。そうすると、周知技術は、本願補正発明の特定事項Mを備える。
(イ)引用発明と周知技術とは、複数の当選種類のうち一の当選種類に該当した場合に大当り遊技終了後に時短状態に制御されるパチンコ遊技機で技術分野が共通し、大当り遊技終了後に時短状態に制御されるか否かに関する遊技興趣の向上という課題を内在する点でも共通するから、周知技術を引用発明に適用することは当業者にとって格別困難なことではない。
(ウ)具体的に周知技術を引用発明に適用し、「特図1_大当たり図柄A」及び「特図1_大当たり図柄B」(複数の当選種類)のうち、「特図1_大当たり図柄A」(第1当選種類)が当選した場合、その当選時の遊技状態が通常状態(所定の遊技状態)の場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を通常状態(所定の遊技状態)とし、同じく、その当選時の遊技状態が時短状態(有利遊技状態)の場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を時短状態(有利遊技状態)とし、他方、「特図1_大当たり図柄B」(第2当選種類)が当選した場合、その当選時の遊技状態が、時短状態(有利遊技状態)と通常状態(所定の遊技状態)のいずれの場合でも、大当り遊技終了後の遊技状態を時短状態(有利遊技状態)とするようになすことは当業者が適宜なし得たことである。
(エ)以上のとおり、引用発明において、上記相違点1に係る本願補正発明の特定事項となすことは周知技術に基づいて当業者が適宜なし得たことである。
イ 上記相違点2について検討する。
(ア)引用例には、「【0370】・・・時短状態のラスト変動だけでなく、ラスト変動よりも前の変動から特図1の変動時間及び停止時間を特別に決定することが可能である。・・・【0371】 また上記形態では、時短状態のラスト変動だけに対して特図1の変動時間及び停止時間を特別に決定するようにした。しかしながら、時短状態への移行時点から、合計変動回数又は特図1の変動回数が任意の回数範囲・・・・、特別変動パターン判定テーブルを用いて、特図1の変動時間及び停止時間を特別に決定するようにしても良い。」(以下「引用例記載の技術的事項」という。)と記載されている。
(イ)引用発明は、時短状態で、特図1の変動回数が8回以下である場合、特図1の変動時間が8000~30000msで、特図2の変動時間が36000msであり、前記特図1の変動回数が9回である場合、特図1の変動時間が50000msである。
引用例記載の技術的事項における、ラスト変動に限らず該ラスト変動よりも前の変動から、あるいは、特図1の変動回数が任意の回数範囲で、特図1の変動時間及び停止時間を特別に決定することが可能であることを考慮すれば、引用発明において、特図1の変動時間を50000msと特別に決定している特図1の変動回数として、最終変動、すなわちラスト変動である「9回」ではなく、8回までの任意の回数範囲となすことは当業者が適宜なし得たことである。
(ウ)上記(イ)のように、引用発明において、特図1の変動回数を8回までの任意の回数範囲、例えば6~8回にわたって特図1の変動時間を50000msと特別に決定するようにした際に、前記任意の回数範囲の前の回数以下、例えば5回以下は特図1の変動時間を8000~30000msと決定するものである。そうすると、前記任意の回数範囲の前の回数(5回)が本願補正発明の「規定回数」であって「第1中間変動に対応する回数」に相当し、前記任意の回数範囲(6~8回)が本願補正発明の「規定回数よりも大きい回数」であって「第2中間変動に対応する回数」に相当することとなる。
(エ)してみると、引用発明において、上記相違点2に係る本願補正発明の特定事項となすことは当業者が引用例記載の技術的事項に基づいて容易になし得たことである。
(6)本願補正発明の奏する効果は、引用発明、周知技術及び引用例記載の技術的事項の奏する効果から、予測することができた程度のものである。
(7)請求人の主張について
ア 請求人は、審判請求書の「6.本願発明が特許されるべき理由」において、概ね以下のとおり主張する。
「(1)相違点本願請求項1に係る発明は、構成O~R(審決注:それぞれ本願補正発明の特定事項O~Rに対応。)に示すように、「・・・」を特徴としている。これを本願の実施形態に即して説明すると、・・・。一方、引用文献1の発明では、時短状態の特図1の最終変動では、50000msの変動時間が選択されるが、最終変動より手前の変動(特図1の5~7変動目)では、50000msの変動時間が選択されることはない(図12(A)(B))。続きを表示(全15行)(2)有利な効果上記の相違点に起因して、本願請求項1に係る発明は、構成O~Rに示す構成を備えているため、有利遊技状態での最終変動に到達する前に第1図柄延長変動時間を設定することができるという有利な効果を奏する。また、これに加えて、本願請求項1に係る発明によれば、「規定回数までは第1図柄を変動させた方が遊技者にとって有利であるが、それ以降は第1図柄を変動させると遊技者にとって不利となる状況である場合に(第1図柄を変動させると所定の終了条件に悪影響を与える状況である場合に)、不利な打ち方を継続している遊技者に対して、不利な打ち方の終了を促すことができる(変動時間の変化による促しや、演出による促しをすることができる)(〔0030〕)」という有利な効果を奏する。一方、引用文献1の発明では、時短状態の特図1の最終変動に到達する前は、特図1の変動時間として、50000msの変動時間が選択されることはない。このため、時短状態の特図1の5~7変動目等で不利な打ち方を継続している遊技者に対しては、不利な打ち方の終了を促すことができない。なお、引用文献2、3は、本願請求項1に係る発明の特徴を開示するものでも示唆するものでもない。(3)引用文献1の発明の改変引用文献1の発明において、時短状態の特図1の5~7変動目を50000msの変動時間にすることは、当業者にはできない。なぜならば、50000msは、時短ラスト演出を実行するために、時短中の他の変動時間よりも長く設定されている時間であり(引用文献1図12(A)(B))、時短ラスト演出を実行しない時短状態の特図1の5~7変動目では、50000msの変動時間を設定する必要がないからである。すなわち、時短ラスト演出を実行しないのに、時短ラスト演出と同様の変動時間を設定することは、当業者には想定することができない発想である。(4)拒絶査定謄本について拒絶査定謄本には、『すると、特図1の変動回数が上記した所定の上限実行回数に至ることは、本願の「前記有利遊技状態に移行された場合であって、前記有利遊技状態に移行してからの前記第1図柄の変動回数が前記規定回数よりも大きい回数であり、前記所定の終了条件が満たされない状況で前記第1図柄の変動開始条件が満たされている場合」に相当し、』ということが記載されている。しかし、本願請求項1に係る発明の「規定回数よりも大きい回数」は、構成Rに示すように、「第2中間変動に対応する回数」に対応していることから、本願請求項1に係る発明の「前記有利遊技状態に移行された場合であって、前記有利遊技状態に移行してからの前記第1図柄の変動回数が前記規定回数よりも大きい回数(第2中間変動に対応する回数)であり、前記所定の終了条件が満たされない状況で前記第1図柄の変動開始条件が満たされている場合」は、「特図1の変動回数が上記した所定の上限実行回数に至ること」に相当しない。」
イ 請求人の主張について検討する。
上記(5)イで検討したとおり、引用例記載の技術的事項に基づけば、引用発明において、時短状態の特図1の最終変動に到達する前に、特図1の変動時間として、50000msの変動時間が選択されることがあり得ることであり、請求人が主張する有利な効果についても当業者が予測可能なものにすぎない。
してみると、請求人の上記主張は採用できない。
(8)むすび
以上のとおり、本願補正発明は、当業者が、引用発明、引用例記載の技術的事項及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。
したがって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 小括
本願補正発明は、上記3のとおり、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和3年4月13日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、概ね、次のとおりである。
(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用例に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
・請求項1
・引用文献等1-3
<引用文献等一覧>
1.特許第6152601号公報
2.特開2016-171958号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2015-177858号公報(周知技術を示す文献)
3 引用例
引用文献1(引用例)、引用文献2(周知例1)及び引用文献3(周知例2)は、上記第2[理由]3(2)及び(3)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明(上記第2[理由]1)は、本願補正発明(上記第2[理由]3(1))から、本件補正により限定された事項を削除したものである。
そして、本願発明と引用発明とを対比すると、本願発明と引用発明とは、上記相違点1で相違し、その余の点で一致するから、上記第2[理由]3(5)アで示した理由と同様な理由により、本願発明は、当業者が、引用発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-001741