2022-001042
遊技機
- 審判番号
- 2022-001042
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-206175外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2022年01月24日
- 審決日
- 2022年09月28日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社三洋物産
- 【請求人代理人】弁理士法人トレスペクト
- 【請求人代理人】工藤 洋平
- 分類
- P18 .57 -Z (A63F) / P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第1号、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項第3号、特許法第17条の2第5項第4号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 13項目
第1 手続の経緯
本願は、平成30年10月31日の出願であって、令和3年4月15日付けで拒絶の理由が通知され、同年8月19日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年10月26日付け(送達日:同年11月2日)で拒絶査定がなされ、それに対して、令和4年1月24日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和4年1月24日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
(1) 本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、令和3年8月19日提出の手続補正書によって補正された補正された本件補正前の請求項1に、
「所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技実行手段によって実行される前記特典遊技として、特定特典遊技を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技を決定する決定手段と、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に変位可能な変位手段と、所定条件が成立したことに基づいて、第1制御と、その第1制御よりも前記入球手段へと遊技球が入球し易くなるように前記変位手段を変位させることが可能な第2制御と、を少なくとも含む複数のうち1の制御を実行する制御手段と、前記特定特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1条件が成立している場合に前記第2制御を実行可能な第1遊技状態を設定し、第2条件が成立している場合に前記第2制御を実行可能な遊技状態であって前記第1遊技状態よりも有利度合いが高い遊技状態である第2遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、を備え、前記遊技機は、前記第1遊技状態および前記第2遊技状態が終了される条件として、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とで共通する特定条件を少なくとも有し、前記第1遊技状態において前記特定条件が成立して当該第1遊技状態が終了される場合よりも、前記第2遊技状態において前記特定条件が成立して当該第2遊技状態が終了される場合の方が、前記特定条件が成立するまでの期間が短い期間になり易い構成であることを特徴とする遊技機。」とあったものを、
「所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記特典遊技実行手段によって実行される前記特典遊技として、特定特典遊技を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技を決定する決定手段と、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に変位可能な変位手段と、所定条件が成立したことに基づいて、第1制御と、その第1制御よりも前記入球手段へと遊技球が入球し易くなるように前記変位手段を変位させることが可能な第2制御と、を少なくとも含む複数のうち1の制御を実行する制御手段と、前記特定特典遊技の実行が終了した後の状態として、第1条件が成立している場合に前記第2制御を実行可能な第1状態を設定し、第2条件が成立している場合に前記第2制御を実行可能な状態であって前記第1状態よりも有利度合いが高い状態である第2状態を設定することが可能な状態設定手段と、を備え、前記遊技機は、前記第1状態および前記第2状態が終了される条件として、前記第1状態と前記第2状態とで共通する特定条件を少なくとも有し、前記第1状態において前記特定条件が成立して当該第1状態が終了される場合よりも、前記第2状態において前記特定条件が成立して当該第2状態が終了される場合の方が、前記特定条件が成立するまでの期間が短い期間になり易い構成であることを特徴とする遊技機。」とする補正を含むものである(なお、下線は補正前後の箇所を明示するために合議体が付した。)。
(2) 本件補正後の請求項1に係る上記(1)の補正は、次の補正事項からなる。
本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「遊技状態」、「第1遊技状態」、「第2遊技状態」及び「遊技状態設定手段」に関して、それぞれ「遊技」の記載を削除する。
2 補正の目的について
本件補正は、請求項1自体を削除するものではないから、特許法第17条の2第5項第1号に掲げる請求項の削除を目的とするものには該当しない。
また、本件補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項(以下「補正前発明特定事項」という。)である「遊技状態」、「第1遊技状態」、「第2遊技状態」及び「遊技状態設定手段」に関して、それぞれ「遊技」の記載を削除する補正を含み、「遊技状態」とあったものを「状態」と上位概念化するものであるから、かかる補正が、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しないことは、明らかである。
さらに、上記補正前発明特定事項に係る記載は、誤記を含むものとは認められないから、上記補正前発明特定事項から「遊技」を削除する補正は、特許法第17条の2第5項第3号に掲げる誤記の訂正を目的とするものにも該当しない。
加えて、上記補正前発明特定事項に係る記載の意味は明りょうであり、原査定の拒絶の理由として、当該記載が不明りょうであるとの指摘がなされたという事情も存在しないから、上記補正前発明特定事項において「遊技」を削除する補正は、特許法第17条の2第5項第4号に掲げる明りょうでない記載の釈明を目的とするものにも該当しない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当しない。
なお、請求人は、審判請求書において、本件補正の目的に関して、「本補正は、単に「状態」と記載すべきところを「遊技状態」と記載していた誤記を訂正したに過ぎず、その意味するところは補正の前後で変更ありません。」と主張する。
しかし、上記補正前発明特定事項において「遊技」が削除されたことによって、本件補正後の請求項1に係る発明の技術的範囲は、本件補正前の請求項1に係る発明の技術的範囲よりも拡張されており、本件補正は、発明の内容を実質的に変更するものであるから、請求人の上記主張は採用することができない。
3 補正の却下の決定についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するものであり、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和3年8月19日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりのものである(なお、A~Jは、分説するため合議体が付した。以下A等を付した事項を「特定事項A」等という。)。
「A 所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、B その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、J を有した遊技機において、C 前記特典遊技実行手段によって実行される前記特典遊技として、特定特典遊技を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技を決定する決定手段と、続きを表示(全12行)D 遊技球が入球可能な入球手段と、E その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に変位可能な変位手段と、F 所定条件が成立したことに基づいて、第1制御と、その第1制御よりも前記入球手段へと遊技球が入球し易くなるように前記変位手段を変位させることが可能な第2制御と、を少なくとも含む複数のうち1の制御を実行する制御手段と、G 前記特定特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1条件が成立している場合に前記第2制御を実行可能な第1遊技状態を設定し、第2条件が成立している場合に前記第2制御を実行可能な遊技状態であって前記第1遊技状態よりも有利度合いが高い遊技状態である第2遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、を備え、J 前記遊技機は、H 前記第1遊技状態および前記第2遊技状態が終了される条件として、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とで共通する特定条件を少なくとも有し、I 前記第1遊技状態において前記特定条件が成立して当該第1遊技状態が終了される場合よりも、前記第2遊技状態において前記特定条件が成立して当該第2遊技状態が終了される場合の方が、前記特定条件が成立するまでの期間が短い期間になり易い構成であるJ ことを特徴とする遊技機。」
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、次のとおりのものである。
1.(新規性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
2.(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1.特開2010-57681公報
3 引用文献
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2010-57681号公報(平成22年3月18日出願公開、以下同じく「引用文献1」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている(なお、下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。以下同様。)。
(1) 「【0021】以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、外枠2の一側に開閉自在に軸支されてパチンコ遊技機1の主要構成が集約して設けられる前面枠3とから構成されている。前面枠3の前面上部には、前面扉枠4が開閉自在に設けられ、前面枠3の前面下部には、上皿開閉枠11が開閉自在に設けられている。前面扉枠4や上皿開閉枠11の他にも、前面枠3には、遊技盤40、下皿27、打球操作ハンドル(操作ノブ)30などが設けられている。パチンコ遊技機1の側方には、図4に示すカードユニット装置128が、遊技者に遊技球を貸し出す(球貸しする)ために付設されてもよい。」
(2) 「【0026】通過ゲート61の下方には、可変始動入賞球装置58が設けられている。可変始動入賞球装置58は、普通電動役物用ソレノイド58aによって開閉駆動される一対の可動翼片を有する電動チューリップ型の可変入賞球装置である。可変始動入賞球装置58では、可動翼片が垂直位置にあるときに第2始動口60を閉鎖状態として、普通電動役物用ソレノイド58aによって可動翼片を傾動位置に移動させることで第2始動口60を開放状態とする。第2始動口60を通過(入賞)した遊技球は、第2始動口スイッチ60aによって検出された後、遊技盤40の背面に誘導されて排出される。第2始動口スイッチ60aによって遊技球が検出されたことに基づいて、所定の第2始動入賞時払出数(例えば「3」)に対応する個数の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動入賞時払出数と第2始動入賞時払出数としては、互いに同一の払出数が予め定められてもよいし、互いに異なる払出数が予め定められてもよい。また、このとき第2始動口60に入賞した有効始動入賞球数としての第2保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームを実行するための第2始動条件(「第2実行条件」ともいう)が成立する。なお、第2始動口60は、進入した遊技球を遊技盤40の背面に誘導して排出するように形成されてもよいし、通過した遊技球を遊技領域41へと流下させるように形成されてもよい。【0027】この実施の形態では、第2始動口60は、閉鎖状態のときは遊技球が入賞しない構造になっている。なお、可変入賞球装置58は、通常開放状態のときに可動翼片を比較的に狭く開放させて遊技球が第2始動口60を通過可能であるが、比較的に広く開放する拡大開放状態のときより遊技球が通過しにくい構造としてもよい。すなわち、可変入賞球装置58は、第2始動口60を遊技球が通過しやすい開放状態あるいは拡大開放状態などの有利状態と、有利状態より遊技球が通過しにくい通常開放状態又は通過しない閉鎖状態などの不利状態とに、動作可能なものであればよい。第1始動口59と第2始動口60とは、センター飾り66の左右に分散配置されているので、遊技者がどちらか一方の始動口を意図的に狙いやすい構成になっている。これに対して、例えば通常入賞口53aの位置に、第1始動口59と第2始動口60を上下に並べて配置することなどにより、どちらか一方の始動口を意図的に狙うことが困難となるように構成されてもよい。」
(3) 「【0038】表示領域80における特別図柄始動記憶表示エリアには、例えば第1特図と第2特図のそれぞれに対応して、始動入賞の発生に基づき先に始動条件が成立した可変表示ゲームから順に左から右へと、表示色が変更される複数の表示部位が設けられていればよい。そして、第1始動口59に遊技球が入賞したことに基づいて第1特別図柄表示装置44aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときには、通常非表示(透過色)となっている表示部位のうちの1つ(例えば非表示となっている表示部位のうち左端の表示部位)を青色表示に変化させる。また、第2始動口60に遊技球が入賞したことに基づいて第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときには、通常非表示となっている表示部位のうちの1つを赤色表示に変化させる。その後、第1特図を用いた特図ゲームの開始条件(第1開始条件)と第2特図を用いた特図ゲームの開始条件(第2開始条件)のいずれかが成立したときには、例えば左端の表示部位における表示を除去するとともに、各表示部位における表示を1つずつ左方向に移動させる。このとき、青色表示や赤色表示に変化していた表示部位のうちの1つ(例えば表示色が変化していた表示部位のうち右端の表示部位)は、非表示に戻る。なお、特別図柄始動記憶表示エリアは、表示色の変更により特図保留記憶数を特定可能に表示するものに限定されず、例えば所定キャラクタの表示個数や数字の表示などにより、特図保留記憶数を遊技者等が認識できるようにしてもよい。この特別図柄始動記憶表示エリアにて特図保留記憶数が特定可能に表示されることにより、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数を把握しやすくすることができる。なお、第1特別図柄始動記憶LED46a及び第2特別図柄始動記憶LED46bが設けられていれば、特別図柄始動記憶表示エリアは設けられなくてもよい。」
(4) 「【0050】第1特別図柄表示装置44aや第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームでは、特別図柄の可変表示を開始させた後、特図変動時間となる所定時間が経過すると、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が停止表示(導出表示)される。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特図ゲームでの可変表示結果が特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されれば、所定表示結果としての「小当り」となり、大当り図柄及び小当り図柄以外の特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。特図ゲームでの可変表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。また、特図ゲームでの可変表示結果が「小当り」になった後には、大当り遊技状態とは異なる小当り遊技状態に制御される。この実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「1」、「3」、「5」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「2」を示す数字を小当り図柄とし、「-」を示す記号をハズレ図柄としている。なお、第1特別図柄表示装置44aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置44bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄となるようにしてもよい。」
(5) 「【0079】図3は、パチンコ遊技機1における遊技状態の移行を示している。この実施の形態では、大当り遊技状態や小当り遊技状態とは異なる遊技状態として、低確低ベース状態、高確低ベース状態、低確高ベース状態、高確低ベース状態という、4つの遊技状態が予め用意されている。なお、低確低ベース状態と低確高ベース状態は、まとめて低確状態とも称される。高確低ベース状態と高確高ベース状態は、まとめて高確状態とも称される。低確低ベース状態と高確低ベース状態は、まとめて低ベース状態とも称される。低確高ベース状態と高確高ベース状態は、まとめて高ベース状態とも称される。高確低ベース状態、低確高ベース状態、高確低ベース状態は、通常状態(通常遊技状態)としての低確低ベース状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に含まれる。通常遊技状態としての低確低ベース状態は、大当り遊技状態等の特定遊技状態や小当り遊技状態等の所定遊技状態、及び、特別遊技状態とは異なる遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。【0080】パチンコ遊技機1における遊技状態が高確状態であるときには、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御される確率が、低確状態のときよりも向上する確率変動制御(確変制御)が行われる。パチンコ遊技機1における遊技状態が高ベース状態であるときには、例えば普通図柄表示装置63による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間である普図変動時間を低ベース状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率を低ベース状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変始動入賞球装置58にて第2始動口60を開放状態とする開放時間や開放回数を低ベース状態のときよりも増加させる制御といった、第2始動口60を遊技球が通過しやすい有利状態としての開放状態や拡大開放状態となる頻度を向上させて第2始動条件が成立する可能性を高めることで、遊技者にとって有利となる有利開放制御(高開放制御)が行われる。また、高ベース状態であるときには、特図ゲームにおける特図変動時間や飾り図柄の可変表示時間が、低ベース状態のときよりも短縮される時間短縮制御(時短制御)も行われる。【0081】この実施の形態では、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における可変表示結果が「大当り」となったときに、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態(通常遊技状態)としての低確低ベース状態であれば、当該可変表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後に、高確高ベース状態となる。また、特図ゲームや飾り図柄の可変表示における可変表示結果が「大当り」となったときに、パチンコ遊技機1における遊技状態が高確高ベース状態や高確低ベース状態といった高確状態であれば、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数(リミット値)に達していない場合(リミット前)には、当該大当り遊技状態が終了した後に、必ず高確高ベース状態となる。これに対して、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる上限回数に達した場合(リミット時)には、当該大当り遊技状態が終了した後に、低確高ベース状態として、高確状態への制御を終了する。このように、大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数に達したことに基づいて、当該大当り遊技状態が終了した後に高確状態への制御を終了することを、リミット到達による確変リミッターの作動ともいう。確変リミッターが作動したときには、大当り遊技状態に制御すると決定された回数が初期化(クリア)されて「0」となり、再びリミットに到達するまでは、大当り遊技状態の終了後に必ず高確高ベース状態となるようにすればよい。」
(6) 「【0125】なお、第1特図大当り種別決定テーブル131Aと第2特図大当り種別決定テーブル131Bは、別個のテーブルとして構成されるものに限定されず、例えば1つのテーブルにおけるテーブルデータの参照部分を、第1特図を用いた特図ゲームの場合と第2特図を用いた特図ゲームの場合とで異ならせるように構成されたものであってもよい。すなわち、第1始動口59に遊技球が入賞したことによる第1開始条件の成立に基づき可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたか、第2始動口60に遊技球が入賞したことによる第2開始条件の成立に基づき可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたかに応じて、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の種類を異ならせるように設定された決定用データとなるものであればよい。この実施の形態では、第1始動口59に遊技球が入賞したことに基づいて可変表示結果が「大当り」に決定された場合と、第2始動口60に遊技球が入賞したことに基づいて可変表示結果が「大当り」に決定された場合とで、ラウンド遊技の種類を異ならせることにより、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の決定態様を異ならせ、複数種類のラウンド遊技のそれぞれに決定される割合を異ならせている。また、遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかに応じて異なる割合で各大当り種別が決定されるように、第1特図大当り種別決定テーブル131Aや第2特図大当り種別決定テーブル131Bを設定するようにしてもよい。すなわち、第1特図大当り種別決定テーブル131Aや第2特図大当り種別決定テーブル131Bでは、遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかに応じて、各大当り種別に対する決定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。」
(7) 「【0126】図11は、ROM100に記憶されるリーチ決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、リーチ決定テーブルとして、図11(A)に示す低ベース時リーチ決定テーブル132Aと、図11(B)に示す高ベース時リーチ決定テーブル132Bとが、予め用意されている。低ベース時リーチ決定テーブル132Aは、遊技状態が低ベース状態であるときに、可変表示結果を「ハズレ」とする決定結果に対応して、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にするか否かを決定するために参照されるテーブルである。高ベース時リーチ決定テーブル132Bは、遊技状態が高ベース状態であるときに、可変表示結果を「ハズレ」とする決定結果に対応して、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態にするか否かを決定するために参照されるテーブルである。」
(8) 「【0151】図17は、ROM100に記憶される高ベース終了条件決定テーブルの構成例を示している。この実施の形態では、高ベース終了条件決定テーブルとして、図17(A)に示すリミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aと、図17(B)に示すリミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bとが、予め用意されている。リミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aは、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数(リミット値)に達していない場合(リミット前)に対応して、大当り遊技状態の終了後における高ベース状態の終了条件を決定するために参照されるテーブルである。リミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bは、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる上限回数に達した場合(リミット時)に対応して、大当り遊技状態の終了後における高ベース状態の終了条件を決定するために参照されるテーブルである。【0152】リミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aでは、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定したときの遊技状態である大当り時遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかに応じて、大当り種別と複数種類の高ベース終了条件とが対応付けられている。リミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bでは、大当り時遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかや、大当り種別に応じて、高ベース終了条件決定用の乱数値MR6と比較される数値(決定値)が、複数種類の高ベース終了条件のいずれかに割り当てられている。【0153】図17(A)に示すリミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aの設定では、大当り時遊技状態が高ベース状態である場合に、大当り種別が「7ラウンド大当り」又は「15ラウンド大当り」であれば、高ベース終了条件が「次回大当り」となる。これにより、大当り遊技状態の終了後に、可変表示結果が再び「大当り」となって次の大当り遊技状態に制御されるまで、遊技状態が高ベース状態となる。その一方で、大当り種別が「2ラウンド大当り」であれば、高ベース終了条件が「変動50回」となり、大当り種別が「10ラウンド大当り」であれば、高ベース終了条件が「変動100回」となる。高ベース終了条件が「変動50回」の場合には、大当り遊技状態の終了後に、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が「50」に達するまで、又は、可変表示結果が再び「大当り」となって次の大当り遊技状態に制御されるまで、遊技状態が高ベース状態となる。高ベース終了条件が「変動100回」の場合には、大当り遊技状態の終了後に、可変表示結果が「大当り」となることなく特図ゲームの実行回数が「100」に達するまで、又は、可変表示結果が再び「大当り」となって次の大当り遊技状態に制御されるまで、遊技状態が高ベース状態となる。こうしたリミット前高ベース終了条件決定テーブル138Aを用いて高ベース終了条件を決定することにより、大当り時遊技状態が高ベース状態であるか否かと、大当り種別の決定結果に対応したラウンド遊技の種類とに基づいて、高ベース終了条件を複数種類のいずれかに設定することができる。また、図10(A)に示す第1特図大当り種別決定テーブル131Aや図10(B)に示す第2特図大当り種別決定テーブル131Bにおいて、遊技状態が低確状態であるか高確状態であるかに応じて各大当り種別の決定割合を異ならせるようにした場合には、大当り時遊技状態が高確状態であるか否かに応じて異なる割合で、高ベース終了条件を複数種類のいずれかに決定することができる。」
(9) 「【0255】図30は、図27のステップS110にて実行される特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。図30に示す特別図柄通常処理において、CPU112は、まず、例えば遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出すことにより、第2保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。このとき、第2保留記憶数が「0」以外であれば(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」と関連付けて記憶されている保留データとして、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、大当り種別決定用の乱数値MR2-1を示す数値データとを、それぞれ読み出す(ステップS232)。続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算することなどにより、第2保留記憶数を1減算するように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」~「4」に対応するエントリ)に記憶された保留データの記憶内容を、1エントリずつ上位にシフトさせる(ステップS233)。そして、第2特別図柄表示装置44bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始することに対応して、変動特図指定バッファ値を「2」に設定する(ステップS234)。・・・【0258】続きを表示(全12行)ステップS239の処理を実行した後、CPU112は、特図ゲームや飾り図柄の可変表示結果を決定するための使用テーブルとして、図9(A)に示す低確時特図表示結果決定テーブル130Aと、図9(B)に示す高確時特図表示結果決定テーブル130Bとのうちで、遊技制御フラグ設定部151に設けられた高確フラグの状態に対応するテーブルを選択してセットする(ステップS240)。例えば、ステップS240の処理では、高確フラグがオフである場合に対応して、ROM100における低確時特図表示結果決定テーブル130Aの記憶アドレスを、決定テーブルポインタなどにセットすればよい。その一方で、高確フラグがオンである場合に対応して、ROM100における高確時特図表示結果決定テーブル130Bの記憶アドレスを、決定テーブルポインタなどにセットすればよい。CPU112は、こうしてセットされた特図表示結果決定テーブルを参照することにより、ステップS232又はステップS236にて読み出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」の可変表示結果に割り当てられた決定値のいずれかと合致するか否かに応じて、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定する(ステップS241)。【0259】ステップS241にて可変表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされた場合には(ステップS241;Yes)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS242)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図10(A)に示す第1特図大当り種別決定テーブル131Aと、図10(B)に示す第2特図大当り種別決定テーブル131Bとのうちで、変動特図指定バッファ値に対応するテーブルを選択してセットする(ステップS243)。例えば、ステップS243の処理では、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に対応して、ROM100における第1特図大当り種別決定テーブル131Aの記憶アドレスを、決定テーブルポインタなどにセットすればよい。その一方で、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に対応して、ROM100における第2特図大当り種別決定テーブル131Bの記憶アドレスを、決定テーブルポインタなどにセットすればよい。【0260】CPU112は、こうしてセットされた大当り種別決定テーブルを参照することにより、ステップS232又はステップS236にて読み出された大当り種別決定用の乱数値MR2-1を示す数値データが、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、「15ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「2ラウンド大当り」という予め複数種類用意された大当り種別のいずれかに決定する(ステップS244)。なお、ステップS234の処理で変動特図指定バッファ値を「2」に設定した場合には、第2特図大当り種別決定テーブル131Bにおける設定により、大当り種別が「7ラウンド大当り」又は「15ラウンド大当り」に決定される。これに対して、ステップS238の処理で変動特図指定バッファ値を「1」に設定した場合には、第1特図大当り種別決定テーブル131Aにおける設定により、大当り種別が「2ラウンド大当り」又は「10ラウンド大当り」に決定される。このように、ステップS244における大当り種別の決定態様は、変動特図指定バッファ値に応じて、すなわち、第1開始条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームであるか第2開始条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームであるかに応じて、異なるものとなる。・・・【0263】ステップS247にて可変表示結果を「小当り」としない旨の決定がなされた場合や(ステップS247;No)、ステップS246又はステップS248の処理を実行した後には、大当り遊技状態や小当り遊技状態に制御するか否かの決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する(ステップS249)。一例として、ステップS247にて可変表示結果を「小当り」としない旨の決定がなされた場合には、可変表示結果を「ハズレ」とする旨の決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「-」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。その一方で、ステップS247にて可変表示結果を「小当り」とする旨の決定がなされた場合には、可変表示結果を「小当り」とする旨の決定結果に対応して、小当り図柄となる「2」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、ステップS241にて可変表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされた場合には、ステップS244における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「2ラウンド大当り」とする決定結果に応じて、2ラウンド大当り図柄となる「1」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「7ラウンド大当り」とする決定結果に応じて、7ラウンド大当り図柄となる「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「10ラウンド大当り」とする決定結果に応じて、10ラウンド大当り図柄となる「5」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。大当り種別を「15ラウンド大当り」とする決定結果に応じて、15ラウンド大当り図柄となる「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。」
(10) 「【0276】図32は、図27のステップS113にて実行される特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。図32に示す特別図柄停止処理において、CPU112は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS291)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS291;Yes)、大当り開始時演出待ち時間を設定する(ステップS292)。例えば、ステップS292の処理では、大当り開始時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が、遊技制御タイマ設定部153に設けられた遊技制御プロセスタイマにセットされればよい。・・・【0281】ステップS306にて高ベース中カウント値が「0」であれば(ステップS306;Yes)、特別図柄停止処理を終了する。これに対して、ステップS306にて高ベース中カウント値が「0」以外の値であれば(ステップS306;No)、高ベース中カウント値を1減算する(ステップS307)。そして、ステップS307で1減算した後の高ベース中カウント値が「0」となったか否かを判定する(ステップS308)。このとき、高ベース中カウント値が「0」であれば(ステップS308;Yes)、可変表示結果が「大当り」となることなく高ベース状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達したことにより高ベース終了条件が成立したことから、高ベースフラグをクリアした後に(ステップS309)、特別図柄停止処理を終了する。こうして高ベースフラグがクリアされてオフ状態となることにより、高ベース状態を終了して低ベース状態へと制御することができる。また、ステップS308にて高ベース中カウント値が「0」以外の値であれば(ステップS308;No)、未だ高ベース終了条件が成立していないことから、ステップS309の処理を実行せずに、特別図柄停止処理を終了する。」
(11) 「【0282】図33は、図27のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図33に示す大当り終了処理において、CPU112は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図27に示すステップS116の大入賞口開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS321にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。・・・【0288】ステップS331にて高ベース終了条件が「次回大当り」である場合や(ステップS331;Yes)、ステップS332の処理を実行した後には、高ベースフラグをオン状態にセットする(ステップS333)。これにより、大当り遊技状態の終了後には、遊技状態が高ベース状態に制御されることになる。より具体的には、リミット前であれば必ず高確高ベース状態に制御される一方、リミット時であれば低確高ベース状態に制御される。こうして、高ベース終了条件が「次回大当り」である場合には、ステップS332の処理を実行せずにステップS333にて高ベースフラグをオン状態にセットすることにより、図32に示すステップS309の処理が実行されないようにして、大当り遊技状態の終了後に次の大当り遊技状態となるまで高ベース状態を継続させる設定を行うことができる。また、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS334)、大当り終了処理を終了する。」
(12) 「【0344】また、リミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bにおける設定などにより、大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数に達したときには、高ベース状態にて実行可能な特図ゲームの回数が、比較的に少ない第1回数に決定される割合よりも、比較的に多い第2回数に決定される割合が高くなる。これにより、確変リミッターが作動して大当り遊技状態の終了後に高確状態へと制御されない場合でも、再び大当り遊技状態となることへの期待感が高められ、遊技の興趣を向上させることができる。」
(13) 「【図11】[図:0001391786000001.jpg]」
(14) 「【図17】[図:0001391786000002.jpg]」
(15) 図17(B)から、「大当り時遊技状態が高ベース状態である場合に、大当り種別が「10ラウンド大当り」であれば、「変動80回」の高ベース終了条件に対して「1」~「40」の範囲の決定値が割り当てられ、「変動150回」の高ベース終了条件に対して「41」~「311」の範囲の決定値が割り当てられる」ことが見て取れる(以下「図示事項」という。)。
(16) 【0151】の「図17(B)に示すリミット時高ベース終了条件決定テーブル138B」及び「リミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bは、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる上限回数に達した場合(リミット時)に対応して、大当り遊技状態の終了後における高ベース状態の終了条件を決定するために参照されるテーブルである」の記載、【0152】の「リミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bでは、大当り時遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかや、大当り種別に応じて、高ベース終了条件決定用の乱数値MR6と比較される数値(決定値)が、複数種類の高ベース終了条件のいずれかに割り当てられている」の記載、及び上記図示事項から見て、引用文献1には、「可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる上限回数に達した場合(リミット時)に対応する、大当り遊技状態の終了後における高ベース状態の終了条件は、大当り時遊技状態が高ベース状態である場合に、大当り種別が「10ラウンド大当り」であれば、「変動80回」の高ベース終了条件に対して「1」~「40」の範囲の決定値が割り当てられ、「変動150回」の高ベース終了条件に対して「41」~「311」の範囲の決定値が割り当てられる」ことが記載されていると認められる(以下「認定事項」という。)。
(17) 上記(1)~(16)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。なお、a~jについては本願発明のA~Jに概ね対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。
「d、e 第2始動口60と、垂直位置にあるときに第2始動口60を遊技球が通過しない閉鎖状態とし、傾動位置に移動させることで第2始動口60を遊技球が通過しやすい開放状態とする、開閉駆動される一対の可動翼片と(【0026】、【0027】)、a、b 第1始動口59または第2始動口60に遊技球が入賞したことにより特図ゲームの開始条件が成立すると(【0038】、【0125】)、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」の可変表示結果に割り当てられた決定値と合致するか否かに応じて、可変表示結果を「大当り」として遊技者にとって有利なラウンド遊技を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御するか否かを決定し(【0050】、【0258】)、続きを表示(全14行)c 可変表示結果を「大当り」とする旨の決定がなされ、大当り遊技状態とする場合には、大当り種別決定用の乱数値MR2-1を示す数値データが、複数種類の大当り種別に割り当てられた決定値のいずれと合致するかに応じて、「15ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「2ラウンド大当り」という予め複数種類用意された大当り種別のいずれかに決定し(【0259】、【0260】、【0263】)、f 大当り遊技状態の終了後には、遊技状態を第2始動口60を開放状態とする開放時間や開放回数を低ベース状態のときよりも増加させる制御が行われる高ベース状態に制御し(【0080】、【0288】)、高ベース状態であるときには、特図ゲームにおける特図変動時間が、低ベース状態のときよりも短縮される時間短縮制御(時短制御)も行われ(【0080】)、可変表示結果が「大当り」となることなく高ベース状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達したことにより高ベース終了条件が成立すると、高ベース状態を終了して低ベース状態へと制御し(【0281】)、g 大当り遊技状態の終了後には、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数(リミット値)に達していないリミット前であれば、高確状態かつ高ベース状態である高確高ベース状態に制御する一方、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる上限回数に達したリミット時であれば、低確状態かつ高ベース状態である低確高ベース状態に制御し、特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御される確率が、低確状態のときよりも向上する確率変動制御(確変制御)が行われる高確状態への制御を終了する(【0079】~【0081】、【0288】)CPU112と(【0255】、【0276】、【0282】)、j を備えるパチンコ遊技機1において(【0021】)、h、i 可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数(リミット値)に達していない場合(リミット前)に対応する、大当り遊技状態の終了後における高ベース状態の終了条件は、大当り時遊技状態が高ベース状態である場合に、大当り種別が「10ラウンド大当り」であれば、「変動100回」であり(【0151】、【0153】)、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる上限回数に達した場合(リミット時)に対応する、大当り遊技状態の終了後における高ベース状態の終了条件は、大当り時遊技状態が高ベース状態である場合に、大当り種別が「10ラウンド大当り」であれば、「変動80回」の高ベース終了条件に対して「1」~「40」の範囲の決定値が割り当てられ、「変動150回」の高ベース終了条件に対して「41」~「311」の範囲の決定値が割り当てられる(認定事項)j パチンコ遊技機1(【0021】)。」
4 対比
本願発明と引用発明とを対比する。なお、見出しは(a)~(j)とし、本願発明の分説に対応させている。
(a) 引用発明の「第1始動口59または第2始動口60に遊技球が入賞したことにより」「成立する」「特図ゲームの開始条件」は、本願発明の「所定の判別条件」に相当する。
そして、引用発明の「特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」の可変表示結果に割り当てられた決定値と合致するか否かに応じて」、「大当り遊技状態に制御するか否かを決定」することは、本願発明の「判別を実行する」ことに相当する。
したがって、引用発明の「CPU112」は、本願発明の「判別手段」の機能を備える。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Aを備える。
(b) 引用発明の「特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが、「大当り」の可変表示結果に割り当てられた決定値と合致」して、「可変表示結果を「大当り」と」なることは、本願発明の「その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったこと」に相当する。
そして、引用発明の「遊技者にとって有利なラウンド遊技を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態」は、本願発明の「遊技者に有利な特典遊技」に相当し、引用発明の「大当り遊技状態に制御する」ことは、本願発明の「特典遊技を実行する」ことに相当する。
したがって、引用発明の「CPU112」は、本願発明の「特典遊技実行手段」の機能を備える。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Bを備える。
(c) 上記(b)より、引用発明の「大当り遊技状態」は、本願発明の「前記特典遊技実行手段によって実行される前記特典遊技」に相当するから、引用発明の「大当り遊技状態とする場合」の、「「15ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「2ラウンド大当り」という予め複数種類用意された大当り種別」は、本願発明の「複数の」「特典遊技」に相当する。
そして、引用発明の「10ラウンド大当り」を、本願発明の「特定特典遊技」に相当させると、引用発明の「「15ラウンド大当り」、「10ラウンド大当り」、「7ラウンド大当り」及び「2ラウンド大当り」という予め複数種類用意された大当り種別のいずれかに決定」することは、本願発明の「特定特典遊技を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技を決定する」ことに相当する。
したがって、引用発明の「CPU112」は、本願発明の「決定手段」の機能を備える。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Cを備える。
(d) 引用発明の「第2始動口60」は、「遊技球が通過」するものであるから、本願発明の「遊技球が入球可能な入球手段」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Dを備える。
(e) 引用発明の「第2始動口60を遊技球が通過しやすい開放状態とする」「傾動位置」、「第2始動口60を遊技球が通過しない閉鎖状態と」する「垂直位置」は、本願発明の「第1位置」、「第2位置」に、それぞれ相当する。
そして、引用発明の「可動翼片」は、「垂直位置」と「傾動位置に移動」できることから、本願発明の「第1位置と」、「第2位置と、に変位可能な変位手段」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Eを備える。
(f) 上記(d)、(e)より、引用発明の「第2始動口60」は、本願発明の「入球手段」に相当し、引用発明において「第2始動口60を開放状態とする」ことは、「可動翼片」を「傾動位置に移動させる」ことといえるから、引用発明の「第2始動口60を開放状態とする」ことは、本願発明の「前記入球手段へと遊技球が入球し易くなるように前記変位手段を変位させること」に相当する。
そうすると、引用発明の「低ベース状態」、「低ベース状態のときよりも」「遊技状態を第2始動口60を開放状態とする開放時間や開放回数を」「増加させる制御が行われる高ベース状態」は、本願発明の「第1制御」、「第1制御よりも前記入球手段へと遊技球が入球し易くなるように前記変位手段を変位させることが可能な第2制御」に相当する。
そして、引用発明の「大当り遊技状態の終了後に」「高ベース状態に制御」し、「高ベース終了条件が成立すると、高ベース状態を終了して低ベース状態へと制御」することは、本願発明の「所定条件が成立したことに基づいて」、「第2制御と」、「第1制御と」、「を少なくとも含む複数のうち1の制御を実行する」ことに相当する。
したがって、引用発明の「CPU112」は、本願発明の「制御手段」の機能を備える。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Fを備える。
(g) 引用発明の「大当り遊技状態の終了後」は、「大当り遊技状態」の「大当り種別」を特定していないことから、「10ラウンド大当り」の終了後も含むものであり、本願発明の「特定特典遊技の実行が終了した後」に相当し、上記(f)より、引用発明の「高ベース状態」は、本願発明の「第2制御」に相当する。
また、引用発明の「高確状態」は、「特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御される確率が、低確状態のときよりも向上する確率変動制御(確変制御)が行われる」ことから、「低確状態」よりも「有利度合いが高い遊技状態」といえる。
そうすると、引用発明の「低確状態かつ高ベース状態である低確高ベース状態」、「高確状態かつ高ベース状態である高確高ベース状態」は、それぞれ本願発明の「第2制御を実行可能な第1遊技状態」、「第2制御を実行可能な状態であって前記第1遊技状態よりも有利度合いが高い遊技状態である第2遊技状態」に相当する。
そして、引用発明は「可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる上限回数に達したリミット時であれば、低確状態かつ高ベース状態である低確高ベース状態に制御」することから、引用発明の「可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる上限回数に達したリミット時であ」ることは、本願発明の「第1条件が成立している場合」に相当し、引用発明は、本願発明の「第1条件が成立している場合に前記第2制御を実行可能な第1遊技状態を設定」する構成を備えているといえる。
同様に、引用発明は「可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数(リミット値)に達していないリミット前であれば、高確状態かつ高ベース状態である高確高ベース状態に制御する」ことから、引用発明の「可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数(リミット値)に達していないリミット前であ」ることは、本願発明の「第2条件が成立している場合」に相当し、引用発明は、本願発明の「第2条件が成立している場合に前記第2制御を実行可能な遊技状態であって前記第1遊技状態よりも有利度合いが高い遊技状態である第2遊技状態を設定する」構成を備えているといえる。
以上のことから、引用発明の「CPU112」は、本願発明の「遊技状態設定手段」の機能を備える。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Gを備える。
(h)ア 上記(g)より、引用発明の「10ラウンド大当り」終了後を含む「大当り遊技状態の終了後に」、「可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる上限回数に達した場合(リミット時)」に「制御」される「低確高ベース状態」は、本願発明の「第1遊技状態」に相当し、引用発明の「10ラウンド大当り」終了後を含む「大当り遊技状態の終了後に」、「可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数(リミット値)に達していないリミット前」に「制御」される「高確高ベース状態」は、本願発明の「第2遊技状態」に相当する。
また、引用発明のfより、引用発明は「可変表示結果が「大当り」となることなく高ベース状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達したことにより高ベース終了条件が成立すると、高ベース状態を終了して低ベース状態へと制御」するものであるから、引用発明における「高ベース終了条件」は、「可変表示結果が「大当り」となることなく高ベース状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達」することといえる。
イ ここで、引用発明の「大当り種別が「10ラウンド大当り」であれば」、「可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる上限回数に達した場合(リミット時)に対応する、大当り遊技状態の終了後における高ベース状態の終了条件は」、「決定値が」「「1」~「40」の範囲」では「変動80回」であり、「決定値が」「「41」~「311」の範囲」では「変動150回」である。
引用発明において、「高ベース状態の終了条件が成立すると」、「リミット時」に「低確高ベース状態」(本願発明の「第1遊技状態」に相当。)に制御されたものが、低確低ベース状態に制御されることから、引用発明の「決定値が」「「1」~「40」の範囲」では「変動80回」であり、「決定値が」「「41」~「311」の範囲」では「変動150回」である「高ベース終了条件」は、本願発明の「第1遊技状態」「が終了される条件」に相当する。
ウ 同様に、引用発明の「大当り種別が「10ラウンド大当り」であれば」、「可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数(リミット値)に達していない場合(リミット前)に対応する、大当り遊技状態の終了後における高ベース状態の終了条件は」、「「変動100回」であ」る。
引用発明において、「高ベース状態の終了条件が成立すると」、「リミット前」に「高確高ベース状態」(本願発明の「第2遊技状態」に相当。)に制御されたものが、高確低ベース状態に制御されることから、引用発明の「変動100回」である「高ベース終了条件」は、本願発明の「第2遊技状態が終了される条件」に相当する。
エ そして、引用発明の「リミット時」の「高ベース終了条件」も、「リミット前」の「高ベース終了条件」も、いずれも「「可変表示結果が「大当り」となることなく高ベース状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達」する点(引用発明f)で共通するといえるから、引用発明の「リミット時」の「高ベース終了条件」も、「リミット前」の「高ベース終了条件」も、いずれも「可変表示結果が「大当り」となることなく高ベース状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達」することは、本願発明の「前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とで共通する特定条件」に相当する。
オ 以上のことから、引用発明は、本願発明の特定事項Hを備える。
(j) 引用発明の「パチンコ遊技機1」は、本願発明の「遊技機」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Jを備える。
上記(a)~(j)からみて、本願発明と引用発明とは、
「A 所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、B その判別手段の判別結果が予め定められた特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、J を有した遊技機において、C 前記特典遊技実行手段によって実行される前記特典遊技として、特定特典遊技を少なくとも含む複数のうち1の前記特典遊技を決定する決定手段と、続きを表示(全11行)D 遊技球が入球可能な入球手段と、E その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置と、に変位可能な変位手段と、F 所定条件が成立したことに基づいて、第1制御と、その第1制御よりも前記入球手段へと遊技球が入球し易くなるように前記変位手段を変位させることが可能な第2制御と、を少なくとも含む複数のうち1の制御を実行する制御手段と、G 前記特定特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1条件が成立している場合に前記第2制御を実行可能な第1遊技状態を設定し、第2条件が成立している場合に前記第2制御を実行可能な遊技状態であって前記第1遊技状態よりも有利度合いが高い遊技状態である第2遊技状態を設定することが可能な遊技状態設定手段と、を備え、J 前記遊技機は、H 前記第1遊技状態および前記第2遊技状態が終了される条件として、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とで共通する特定条件を少なくとも有するJ 遊技機。」である点で一致し、次の点で一応相違する。
[相違点](特定事項I)
本願発明は、前記第1遊技状態において前記特定条件が成立して当該第1遊技状態が終了される場合よりも、前記第2遊技状態において前記特定条件が成立して当該第2遊技状態が終了される場合の方が、前記特定条件が成立するまでの期間が短い期間になり易い構成であるのに対し、
引用発明は、可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数(リミット値)に達していない場合(リミット前)に対応する、大当り遊技状態の終了後における高ベース状態の終了条件は、大当り時遊技状態が高ベース状態である場合に、大当り種別が「10ラウンド大当り」であれば、「変動100回」であり、
可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定された回数がリミット値となる上限回数に達した場合(リミット時)に対応する、大当り遊技状態の終了後における高ベース状態の終了条件は、大当り時遊技状態が高ベース状態である場合に、大当り種別が「10ラウンド大当り」であれば、「変動80回」の高ベース終了条件に対して「1」~「40」の範囲の決定値が割り当てられ、「変動150回」の高ベース終了条件に対して「41」~「311」の範囲の決定値が割り当てられる点、すなわち、リミット時に高ベース状態の終了条件が成立する場合よりも、リミット前に高ベース状態の終了条件が成立する場合の方が、高ベース状態の終了条件が成立するまでの期間が短い期間になり易い構成か否か不明である点。
5 判断
上記相違点について検討する。
(1) 上記「4(h)」の検討を踏まえると、引用発明の「リミット時」の「低確高ベース状態」(本願発明の「第1遊技状態」に相当。)に「可変表示結果が「大当り」となることなく高ベース状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達したことにより高ベース終了条件が成立すると、高ベース状態を終了して低ベース状態へと制御」されることは、本願発明の「前記第1遊技状態において前記特定条件が成立して当該第1遊技状態が終了される場合」に相当する(以下「第1の場合」という。)。
同様に、引用発明の「リミット前」の「高確高ベース状態」(本願発明の「第2遊技状態」に相当。)に「可変表示結果が「大当り」となることなく高ベース状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達したことにより高ベース終了条件が成立すると、高ベース状態を終了して低ベース状態へと制御」されることは、本願発明の「前記第2遊技状態において前記特定条件が成立して当該第2遊技状態が終了される場合」に相当する(以下「第2の場合」という。)。
引用発明は、「1」~「311」の決定値のうち、「決定値が」「「1」~「40」の範囲」では「変動80回」で第1の場合となり、「決定値が」「「41」~「311」の範囲」では「変動150回」で第1の場合となることから、引用発明では、40/311の確率で「変動80回」で第1の場合となり、271/311の確率で「変動150回」で第1の場合となるものである。
すなわち、引用発明は、第1の場合では、「変動150回」が選択され易いといえる。
一方、引用発明は、「変動100回」で第2の場合となる。
引用文献1の【0126】及び図11(B)には、高ベース状態においては、低確高ベース状態であるか、高確高ベース状態であるかに関わらず、可変表示結果が「ハズレ」となるときに高い割合で非リーチの変動パターンが決定されることが示されていることから、引用発明において、「変動150回」が選択され易い第1の場合よりも、「変動100回」となる第2の場合の方が、短い期間となる蓋然性が高いといえる。
そうすると、引用発明は、リミット時に高ベース状態の終了条件が成立する場合よりも、リミット前に高ベース状態の終了条件が成立する場合の方が、高ベース状態の終了条件が成立するまでの期間が短い期間になり易いという、上記相違点に係る本願発明の構成を備えているといえる。
よって、本願発明と引用発明は同一である。
(2) また、上記(1)のようにいえないとしても、第1の場合と、第2の場合のいずれを短い期間になり易い構成とするかは、二者択一にすぎず、設計事項にすぎない。
よって、本願発明と引用発明は実質的に同一である。
(3) さらに、上記(1)、(2)のようにいえないとしても、引用文献1の【0344】には「また、リミット時高ベース終了条件決定テーブル138Bにおける設定などにより、大当り遊技状態に制御すると決定された回数が所定の上限回数に達したときには、高ベース状態にて実行可能な特図ゲームの回数が、比較的に少ない第1回数に決定される割合よりも、比較的に多い第2回数に決定される割合が高くなる。これにより、確変リミッターが作動して大当り遊技状態の終了後に高確状態へと制御されない場合でも、再び大当り遊技状態となることへの期待感が高められ、遊技の興趣を向上させることができる。」と記載され、低確高ベース状態において、高ベース状態にて実行可能な特図ゲームの回数を、比較的に多い回数に決定しやすくすることで、高確状態へと制御されず、高確高ベース状態に比べて不利な状態である低確高ベース状態においても興趣を向上させることできることが記載されている。
同様に、高確高ベース状態よりも不利な状態である低確高ベース状態における興趣を向上させるために、引用発明において、低確高ベース状態よりも、低確高ベース状態よりも有利な状態である高確高ベース状態の方が高ベース状態の終了条件が成立するまでの期間を短くなり易くして、上記相違点に係る本願発明の構成のようにすることは、当業者が容易になし得たことである。
(4) 以上のことから、本願発明は、引用発明であるか、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
6 審判請求人の主張について
審判請求人は、審判請求書の「(6)本願発明と引用発明との対比」において、
「・・・つまり、引用発明1における高ベース終了条件は、低確高ベース状態と高確高ベース状態とで異なる回数を設定することで、低確高ベース状態よりも高確高ベース状態の方が高ベース終了条件が成立するまでのゲーム数を少なくする技術が記載されているのであって、低確高ベース状態と高確高ベース状態とで共通の高ベース終了条件を設定するわけではありません。なお、審査官殿は、低確高ベース状態の高ベース終了条件と高確高ベース状態の高ベース終了条件とが、『特図ゲームの回数が何回であるかという点で共通』すると認定されていますが、これは単に低確高ベース状態の高ベース終了条件と高確高ベース状態の高ベース終了条件とに『共通点がある』ということを示しているに過ぎず、互いに異なる特図ゲームの回数が設定される以上、共通する高ベース終了条件を設定することは記載されていないと思料致します。本願請求項1に係る発明は、「第1状態と第2状態とで共通する特定条件を少なくとも有し」ている発明であるので、第1状態と第2状態とで『互いに共通点がある』特定条件を有している遊技機とは明確に異なるものです。従って、本願請求項1に係る発明が引用発明1に記載されていないことは明らかであると思料致します。」と主張している。
しかしながら、引用発明は、低確高ベース状態においても、高確高ベース状態においても、「可変表示結果が「大当り」となることなく高ベース状態における特図ゲームの実行回数が所定回数に達」することを「高ベース終了条件」とするものであり(引用発明のfを参照のこと。)、このことは、低確高ベース状態と高確高ベース状態とで「共通する」高ベース終了条件を少なくとも有するといえるから、請求人の主張は採用できない。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当するか、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
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2022-001042