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特許拒絶査定不服審判

2022-000854

遊技機

審判番号
2022-000854
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-247517外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2022年01月20日
審決日
2022年08月23日
公報発行日
2022年11月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .575-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-247517「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 7月 9日出願公開、特開2020-103763〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 13項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、平成30年12月28日の特許出願であって、令和2年11月30日付けで拒絶の理由が通知され、令和3年1月29日に意見書及び手続補正書が提出され、同年4月28日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年7月2日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年10月11日付け(謄本送達日:同年同月26日)で、同年7月2日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、令和4年1月20日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 令和4年1月20日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和4年1月20日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 本件補正の内容

本件補正は、特許請求の範囲についてする補正であって、令和3年1月29日提出の手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、

「【請求項1】
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
遊技者に遊技操作される遊技操作手段と、
遊技操作の態様を報知するための特定報知画像と、前記特定報知画像とは異なる画像であって遊技操作の態様を報知するための特殊報知画像とを含む各種の画像を表示する画像表示手段と、
前記特定報知画像が表示される報知期間を予め定められた開始契機で開始し、その後、予め定められた終了契機で終了する報知期間制御手段と、
前記報知期間の開始と略同時に消灯状態から点灯状態へ変化し、当該報知期間の終了に伴い前記点灯状態から前記消灯状態へ変化するランプ手段と、を具備し、
前記特定報知画像は、第1報知画像および第2報知画像を含み、
前記画像表示手段は、
前記報知期間の開始と略同時に前記第1報知画像を表示開始し、その後の特定期間において前記第2報知画像を表示し、前記特定期間が終了した後の当該報知期間においても当該第1報知画像を表示可能であり、
前記報知期間が終了した後の期間において、前記特定報知画像を非表示とし、前記特殊報知画像を表示可能であることを特徴とする遊技機。」とあったものを、
「【請求項1】
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
遊技者に遊技操作される遊技操作手段と、
遊技操作の態様を報知するための特定報知画像および前記特定報知画像とは異なる画像であって遊技操作の態様を報知するための特殊報知画像を含む報知画像と、画像表示領域の全体に表示される背景画像とを含む各種の画像を表示する画像表示手段と、
続きを表示(全11行)
前記特定報知画像が表示される報知期間を予め定められた開始契機で開始し、その後、予め定められた終了契機で終了する報知期間制御手段と、
前記報知期間の開始と略同時に消灯状態から点灯状態へ変化し、当該報知期間の終了に伴い前記点灯状態から前記消灯状態へ変化するランプ手段と、を具備し、
前記背景画像は、特殊背景画像を含み、
前記特定報知画像は、第1報知画像および第2報知画像を含み、
前記画像表示手段は、
前記報知期間の開始と略同時に前記第1報知画像を表示開始し、その後の特定期間において前記第2報知画像を表示し、前記特定期間が終了した後の当該報知期間においても当該第1報知画像を表示可能であり、
前記報知期間が終了した後の期間において、前記特定報知画像を非表示とした後に、予め定められた前記特殊背景画像を表示し、該特殊背景画像の前面に前記特殊報知画像を表示可能であることを特徴とする遊技機。」とする補正である(なお、下線は、補正後の箇所を明示するために当審判合議体が付した。)。

2 補正の目的

本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「画像表示手段」により表示される「各種の画像」に関して、「遊技操作の態様を報知するための特定報知画像と、前記特定報知画像とは異なる画像であって遊技操作の態様を報知するための特殊報知画像とを含む各種の画像を表示する画像表示手段」とあったものを「遊技操作の態様を報知するための特定報知画像および前記特定報知画像とは異なる画像であって遊技操作の態様を報知するための特殊報知画像を含む報知画像と、画像表示領域の全体に表示される背景画像とを含む各種の画像を表示する画像表示手段」と限定するとともに、さらに「前記背景画像は、特殊背景画像を含み、」との構成を限定し、

「特殊報知画像」に関して、「前記報知期間が終了した後の期間において、前記特定報知画像を非表示とし、前記特殊報知画像を表示可能である」とあったものを「前記報知期間が終了した後の期間において、前記特定報知画像を非表示とした後に、予め定められた前記特殊背景画像を表示し、該特殊背景画像の前面に前記特殊報知画像を表示可能である」と限定することを含むものである。

したがって、本件補正後の請求項1に係る発明は、本件補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。

3 新規事項について

本件補正は、願書に最初に添付した明細書の段落【0569】、【0572】の記載に基づくものであり、新たな技術事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

4 独立特許要件について

そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。

(1)本件補正発明

本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A~Iは、分説するため当審判合議体にて付した。)。

「A 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
B 遊技者に遊技操作される遊技操作手段と、
C 遊技操作の態様を報知するための特定報知画像および前記特定報知画像とは異なる画像であって遊技操作の態様を報知するための特殊報知画像を含む報知画像と、画像表示領域の全体に表示される背景画像とを含む各種の画像を表示する画像表示手段と、
D 前記特定報知画像が表示される報知期間を予め定められた開始契機で開始し、その後、予め定められた終了契機で終了する報知期間制御手段と、
続きを表示(全11行)
E 前記報知期間の開始と略同時に消灯状態から点灯状態へ変化し、報知期間の終了に伴い前記点灯状態から前記消灯状態へ変化するランプ手段と、を具備し、
F 前記背景画像は、特殊背景画像を含み、
G 前記特定報知画像は、第1報知画像および第2報知画像を含み、
H 前記画像表示手段は、
H1 前記報知期間の開始と略同時に前記第1報知画像を表示開始し、その後の特定期間において前記第2報知画像を表示し、前記特定期間が終了した後の当該報知期間においても当該第1報知画像を表示可能であり、
H2 前記報知期間が終了した後の期間において、前記特定報知画像を非表示とした後に、前記特殊背景画像を表示し、該特殊背景画像の前面に前記特殊報知画像を表示可能である
I ことを特徴とする遊技機。」

(2)引用文献1の記載及び引用発明

ア 引用文献1の記載事項

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原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である引用文献1(特開2014-83093号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審判合議体が付した。以下同じ。)。

(ア)

「【0018】
図1は、本実施形態の遊技機1の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、この外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、この中枠4に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。
・・・
【0020】
図2は、遊技機1の正面図である。この図に示すように、前枠6の下部には、遊技機1の正面側に突出する操作ハンドル12が設けられている。この操作ハンドル12は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル12を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル12の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤8に設けられたレール14a、14b間を上昇して遊技領域16に導かれることとなる。」

(イ)

「【0036】
主制御基板100は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板100は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100cを備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。」

(ウ)

「【0047】
副制御基板200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板200は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cを備えており、主制御基板100に対して、当該主制御基板100から副制御基板200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御基板210または電飾制御基板220に送信する。このとき、サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0048】
画像制御基板210は、上記演出表示部50aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備えている。この画像制御基板210のROMには、演出表示部50aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部50aの画像表示を制御する。」

(エ)

「【0184】
(ステップS440~7)
上記ステップS440~6において、時短遊技状態から非時短遊技状態に変更されたと判定した場合には、メインCPU100aは、右打ち報知ランプ92を消灯させるための消灯制御を行う。これにより、遊技状態が時短遊技状態から非時短遊技状態に移行するのに伴って、右打ち報知ランプ92が消灯することとなる。」

(オ)

「【0248】
図34は、特別電動役物制御処理中における右打ち報知ランプ92、第1表示演出および第2表示演出の制御タイミングを説明する図であり、図35は、第1表示演出および第2表示演出を説明する図である。「大当たり」に当選した際の主制御基板100における上述の制御処理は、図34に示すとおりに実行される。具体的には、主制御基板100において、特別図柄変動停止処理によって大当たり図柄が所定時間に亘って停止表示されると、その後、主制御基板100において停止後処理が実行され、この停止後処理に続いて特別電動役物制御処理が実行される。既に説明したとおり、特別電動役物制御処理は、まず、設定されたオープニング時間に亘って待機状態となるオープニング処理が実行され、設定されたオープニング時間が経過すると、大入賞口28が開閉制御される大入賞口開閉制御処理が実行される。そして、全てのラウンド遊技が終了すると、設定されたエンディング時間に亘って待機状態となるエンディング処理が実行される。なお、設定されたエンディング時間が経過してエンディング処理が終了すると、特別電動役物制御処理が終了となり、特別遊技終了処理が実行された後に、特別図柄変動開始処理が再開されることとなる。
【0249】
主制御基板100のメインCPU100aは、特別電動役物制御処理の開始に伴って、右打ち報知ランプ92の点灯を開始する。つまり、右打ち報知ランプ92は、主制御基板100において特別電動役物制御処理が実行されている間、常に点灯状態に維持されることとなる。
【0250】
また、主制御基板100から副制御基板200に対して、オープニング処理の開始時にはオープニングコマンドが送信され、ラウンド遊技の開始時にはラウンド遊技開始コマンドが送信され、エンディング処理の開始時にはエンディングコマンドが送信され、特別電動役物制御処理の終了時には特別遊技終了コマンドが送信される。副制御基板200では、受信したこれらの各コマンドに基づいて、第2遊技領域16bへ向けた遊技球の発射操作を促す第1表示演出および第2表示演出を次のように実行制御する。
【0251】
まず、副制御基板200では、オープニングコマンドを受信すると、図35(a)に示すように、演出表示部50aの中央に「大当たり」と表示して、「大当たり」の当選を遊技者に明確に報知する専用演出を実行する。また、これと同時に、演出表示部50aの左下に位置する第1表示領域41に「右打ち」と表示する第1表示演出を開始する。この図35(a)に示す演出は、主制御基板100におけるオープニング処理の実行中であって、図34に示す期間Aに亘って行われる。なお、副制御基板200では、オープニングコマンドを受信した際に、期間Aを計時するためのタイマカウンタがセットされる。
【0252】
そして、副制御基板200は、図35(a)に示す演出に続いて、図35(b)および図35(c)に示す演出を実行する。具体的には、図35(b)に示すように、演出表示部50aの中央に位置する第2表示領域42aに、所定時間に亘って「右打ち」と表示した後、図35(c)に示すように、演出表示部50aの上部に位置する第2表示領域42bに、「右打ち」と表示する第2表示演出を実行する。ここで、第2表示領域42a、42bは、いずれも第1表示領域41よりも表示面積が大きいことから、第1表示演出よりも第2表示演出の方が、遊技者に与える印象が強くなっている。」

(カ)

「【図35】
[図:0001390405000001.jpg]
」

(キ)

「【0253】
上記の第2表示演出のうち、図35(b)に示す演出は、図34に示す期間Bに亘って行われ、図35(c)に示す演出は、図34に示す期間Cに亘って行われる。すなわち、第2表示演出は、主制御基板100における大入賞口開閉制御処理(1回目のラウンド遊技)の開始前に、図35(b)に示す第1段階の演出が実行され、主制御基板100における大入賞口開閉制御処理(1回目のラウンド遊技)の開始に伴って、図35(c)に示す第2段階の演出が実行されることとなる。なお、この第2段階の第2表示演出は、大入賞口開閉制御処理中、常時、実行されており、また、図35(c)では図示を省略しているが、大入賞口開閉制御処理中、演出表示部50aには、第2表示演出とともに、特別遊技中専用の画像が表示されている。
【0254】
そして、大入賞口開閉制御処理が終了すると、主制御基板100ではエンディング処理が行われるが、このエンディング処理の開始に伴って、副制御基板200では、演出表示部50aにエンディング専用の画像を表示するとともに、第2表示演出を終了させる。なお、特別電動役物制御処理の開始と同時に実行された第1表示演出は、オープニング中、大入賞口開閉制御処理中(ラウンド遊技中)、エンディング中(期間D)の全期間、すなわち、特別電動役物制御処理が実行されている間(期間A~D)、常に継続して実行されている。つまり、副制御基板200は、右打ち報知ランプ92の点灯開始に伴って、第2遊技領域16bへ向けた遊技球の発射操作を促す第1表示演出を開始する。そして、第1表示演出の開始後であって、主制御基板100によって特別電動役物制御処理におけるオープニング中(第1待機状態に維持されている間)に、第1表示演出と異なる表示態様で第2遊技領域16bへ向けた遊技球の発射操作を促す第2表示演出を開始することとなる。
【0255】
以上のことからも明らかなように、第1表示演出は、主制御基板100における特別電動役物制御処理と同期して実行されることから、主制御基板100において、特別電動役物制御処理の実行中であることを遊技者に報知するものとも考えられる。つまり、第1表示演出は、右打ち報知ランプ92と相俟って、主制御基板100の制御状況を遊技者に正確に報知するものといえる。」

(ク)

「【0257】
すなわち、図35(a)に示すように、第1表示領域41において第1表示演出が実行されることで、遊技者は、これから第2遊技領域16bに向けて遊技球を発射させる必要があると認識する。これによって、遊技者は、操作ハンドル12を操作して、第2遊技領域16bに向けた遊技球の発射準備を行うことができる。そして、その後、第1表示演出よりも目立つ第2表示演出が実行されることで、遊技者は、遊技球の本来の発射タイミングであるという認識を抱き、第2遊技領域16bに向けた遊技球の発射を即座に開始することが可能となる。つまり、上記のように第1表示演出および第2表示演出を段階的に行うことにより、無駄に遊技球を費消してしまうという不利益を防止しつつ、最適なタイミングで遊技球の発射操作を開始することができる。また、右打ち報知ランプ92の点灯と、第1表示演出との実行タイミングとが同期していることから、遊技者に混乱を生じさせることもない。
【0258】
さらに、本実施形態では、エンディング処理中においても、第1表示演出を継続して実行することとしているが、これによって次のような効果が実現される。すなわち、本実施形態では、特別遊技の終了後に、遊技状態が時短遊技状態に設定される。時短遊技状態においては、第1始動口20よりも第2始動口22への遊技球の入球が容易となり、しかも、第2始動口22に遊技球が入球して実行される大当たりの抽選は、第1始動口20に遊技球が入球して実行される大当たりの抽選よりも有利に設計されている。具体的には、第1始動口20に遊技球が入球して「大当たり」に当選した場合、必ず、5回のラウンド遊技で構成される特別遊技が実行される。これに対して、第2始動口22に遊技球が入球して「大当たり」に当選した場合、25%の確率で5回のラウンド遊技で構成される特別遊技が実行され、75%の確率で15回のラウンド遊技で構成される特別遊技が実行されることとなる。」

(ケ)

「【0285】
図42は、上記コマンド解析処理のうち、特別遊技終了コマンドを受信した際に実行される特別遊技終了コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、特別遊技終了コマンドは、主制御基板100において、特別電動役物制御処理のステップS450~11(図27参照)でセットされた後、ステップS800の出力制御処理(図17参照)によって副制御基板200に送信される。
【0286】
(ステップS1240~1)
特別遊技終了コマンドを受信すると、サブCPU200aは、実行中の第1表示演出を終了するための第1表示演出終了コマンドを送信バッファにセットする。この第1表示演出終了コマンドが画像制御基板210に送信されると、当該画像制御基板210において、第1表示演出を終了させるための制御がなされる。」

(コ)

「【0291】
また、上記実施形態では、第2表示演出の実行中も第1表示演出を実行することとした。つまり、主制御基板100におけるラウンド遊技中、第1表示演出および第2表示演出を並行して実行することとした。しかしながら、第2表示演出中は、第1表示演出を中断してもよい。さらには、上記実施形態では、オープニング処理中に第2表示演出を開始することとしたが、オープニング処理の終了後、ラウンド遊技の開始に伴って第2表示演出を実行してもよい。いずれにしても、第2表示演出は、主制御基板100によって第1待機状態に維持されている間(オープニング処理中)のいずれかの時期に開始されるか、もしくは、ラウンド遊技の開始に伴って開始されればよい。」

イ 認定事項

引用文献1には、【0251】に「副制御基板200では、オープニングコマンドを受信すると、図35(a)に示すように、・・・演出表示部50aの左下に位置する第1表示領域41に「右打ち」と表示する第1表示演出を開始する。」と記載され、

【0252】に「副制御基板200は、図35(a)に示す演出に続いて、図35(b)および図35(c)に示す演出を実行する。具体的には、図35(b)に示すように、演出表示部50aの中央に位置する第2表示領域42aに、所定時間に亘って「右打ち」と表示した後、図35(c)に示すように、演出表示部50aの上部に位置する第2表示領域42bに、「右打ち」と表示する第2表示演出を実行する。」と記載されている。

そうすると、図35には、期間Aないし期間Dに亘って実行される「第1表示領域41に「右打ち」と表示する第1表示演出」、及び、期間B、期間Cにおいて行われる「第2表示演出」が図示されているといえる。

一方、【0291】には、「・・・主制御基板100におけるラウンド遊技中、・・・第2表示演出中は、第1表示演出を中断してもよい。」ことが記載されている。

したがって、引用文献1には、「第1表示演出は、期間A中に実行された後、第2表示演出が実行される期間B、C中に中断され、その後、期間D中に再度実行される」ことが示されていると認められる(以下「認定事項」という。)。

ウ 引用発明

上記アの記載事項によると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a~iは、本件補正発明のA~Iに概ね対応させて付与した。)。

「a 遊技の基本動作を制御し、メインCPU100aを有する主制御基板100(【0036】)と、
主に遊技中や待機中等の各演出を制御する副制御基板200(【0047】)と、
副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、演出表示部50aの画像表示を制御する画像制御基板210(【0048】)と、
b 遊技者が回転操作可能に設けられている操作ハンドル12(【0020】)と、を備え、
続きを表示(全12行)
c、d、g、h、h1、h2 副制御基板200は、主制御基板100による特別電動役物制御処理中において、
主制御基板100からオープニングコマンドを受信すると、演出表示部50aの左下に位置する第1表示領域41に、期間Aに亘って「右打ち」と表示する第1表示演出を開始し、
続いて、演出表示部50aの中央に位置する第2表示領域42aに、期間Bに亘って「右打ち」と表示した後、演出表示部50aの上部に位置する第2表示領域42bに、期間Cに亘って「右打ち」と表示する第2表示演出を実行し、
第1表示演出の実行は、第2表示演出中(期間B、C)に中断され、エンディング中(期間D)に実行され(【0248】、【0251】~【0254】、【0285】、認定事項)、
特別電動役物制御処理の終了時に、主制御基板100から特別遊技終了コマンドを受信すると、画像制御基板210に、第1表示演出を終了させるための制御を実行させ(【0250】、【0285】、【0286】)、
画像制御基板210のROMには、演出表示部50aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており(【0048】)、
e、f 主制御基板100のメインCPU100aは、特別電動役物制御処理の開始に伴って、右打ち報知ランプ92の点灯を開始し、主制御基板100において特別電動役物制御処理が実行されている間、常に右打ち報知ランプ92を点灯状態に維持し、特別電動役物制御処理の終了後に設定される時短遊技状態が、非時短遊技状態に変更されたと判定した場合、右打ち報知ランプ92を消灯させるための消灯制御を行う(【0184】、【0249】、【0258】)、
i 遊技機1(【0018】)。」

(3)引用文献2の記載及び記載された技術事項

原査定の拒絶の理由において引用された、本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能になった引用文献2(特許第6443644号公報)には、次の事項が記載されている。

「【0010】
[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図12を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図8は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図であり、図9は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。また、図10は、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図11はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図12はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。」
「【1291】
なお、大当り遊技中、小当り遊技中、及び時短状態中等の、右打ちを実行して遊技を進行させる期間において、主制御MPUは、右打ち報知ランプを常時点灯させる。右打ち報知ランプは、例えば、機能表示ユニット1400内や、主制御基板1310からの制御信号に基づいて制御可能な基板の、遊技者から視認可能な位置に設けられている。
【1292】
主制御MPUは、当該期間が開始すると、右打ち報知ランプを点灯させ、周辺制御MPUに当該期間が開始したことを示す制御信号を送信する。周辺制御MPUは、当該制御信号に従って、右打ち表示(例えば、右打ち表示(大)、右打ち表示(中)、及び右打ち表示(小)の少なくとも1つ)を演出表示装置1600に表示する。また、主制御MPUは、当該期間が終了すると、右打ち報知ランプの点灯を終了させ、周辺制御MPUに当該期間が終了したことを示す制御信号を送信する。周辺制御MPUは、当該制御信号に従って、全ての右打ち表示を演出表示装置1600から消去する。
【1293】
つまり、当該期間においては、右打ち報知ランプが常時点灯し、かつ演出表示装置1600に少なくとも1つの右打ち表示が常時表示されている。また、例えば、周辺制御MPUは、当該期間において常時右打ち表示(小)を演出表示装置1600に表示させることにより、右打ち表示(小)を右打ち報知ランプと同期させてもよい。」
「【1297】
図177(G)は、大当りのエンディング演出が行われている状態である。大当りのエンディング演出において、演出表示装置1600から右打ち表示(中)が消去されているが、右打ち表示(小)については継続して表示されている。(H)は、大当りが終了して通常状態に戻り、保留されていた特図1の変動が開始した状態である。大当り終了後に、第一始動口2002に遊技球Bを打ち込むことを促す、左打ち表示(図中における「左打ち」と記載された2つの矢印、及び「左打ちに戻して下さい」の文字)が、演出表示装置1600に所定時間表示される。」

上記記載事項から、引用文献2には、次の技術事項が記載されている。

「大当り遊技中、小当り遊技中、及び時短状態中等の、右打ちを実行して遊技を進行させる期間において、
右打ち報知ランプを常時点灯させると共に、右打ち表示を演出表示装置1600に表示し、
右打ちを実行して遊技を進行させる期間が終了すると、右打ち報知ランプの点灯を終了させると共に、全ての右打ち表示を演出表示装置1600から消去し、
右打ち報知ランプの点灯と右打ち表示とを同期させるパチンコ機1。」(以下「引用文献2に記載された技術事項1」という。)

「大当りが終了して通常状態に戻ると、第一始動口2002に遊技球Bを打ち込むことを促す、右打ち表示が消去されて、左打ち表示が演出表示装置1600に所定時間表示されるパチンコ機1。」(以下「引用文献2に記載された技術事項2」という。)

(4) 周知例の記載及び周知技術

ア 本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能になった特開2016-147158号公報には、次の事項が記載されている。

「【0541】
〔背景チェンジ演出〕
その他に本実施形態では、例えばゲームフロー上で「リミッタ回数」が減少していくと、その残り回数に応じて背景画像を変化させる演出が行われる。
図46は、ゲームフローの進行に伴って変化していく背景画像の例を示した図である。
【0542】
〔初期ステージ演出〕
図46中(A):例えば、ゲームフロー上で〔F19〕確変中に移行したばかりの初期において、背景画像を先の「浴衣を着こなした女性キャラクター」とし、これを例えば「初期ステージ」とする。この場合、背景画像の内容が比較的落ち着いたものであるため、確変中に移行したばかりの安定した印象を演出で表現することができる。なお、ここでは図示していないが、表示画面内には上記のリミッタ残数メータMや「右打ち」の文字表示等が表示されているものとする(これ以降も同様とする。)。」
「【0546】
〔リミッタ到達後演出〕
次に図47は、リミッタ到達後にチャンスゾーンに再突入しない場合(通常遊技中に復帰する場合)に実行される演出例を示す図である。例えばゲームフロー上で「リミッタ回数」の残りが0回に達した場合、以下の演出例が実行される。
【0547】
〔終了演出〕
図47中(A):この場合、画面内に例えば「チャンスゾーン終了」の文字情報が表示されるとともに、リミッタ残数メータMの表示数が0となる。これにより、遊技者に対して「確変中の終了」を教示し、また次回の確変突入に向けて意欲を維持させることに寄与する。
【0548】
〔遊技説明演出〕
図47中(B):そして、実際のゲームフロー上でリミッタ到達後に〔F1〕通常遊技中へ移行する場合、上記の終了演出に続いて遊技説明演出が実行される。この例では、液晶表示器42の画面内に女性キャラクターが出現するとともに、「また挑戦してね」といった台詞を発する演出が行われている。また、遊技領域8a内の左側部分を指示する矢印記号が表示される(発射位置指定演出)。図示の例では、液晶表示器42の画面上部に帯状の領域を設け、その帯状の領域の中に左打ちの文字情報と左向きの矢印記号とを表示している。このような演出を実行することで、遊技者に対して「左打ち」を促し、チャンスゾーンが終了したことを意識させることができる。なお、このとき表示画面上で台詞を文字情報として表示するのに合わせて、スピーカ54,55,56から音声を発生させてもよい。」
「【図46】
[図:0001390405000002.jpg]
」
「【図47】
[図:0001390405000003.jpg]
」

イ 本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能になった特開2018-79336号公報には、次の事項が記載されている。

「【0373】
続いて、時短演出モードが設定されてから100回目の特図可変表示が開始されると、図49(E)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始され、更新演出画像G21の数字部分が「1」減算されて、「0」となる。ここで、この100回目の特図可変表示に係る特図2抽選の結果がハズレであると、図49(F)に示すように、ハズレを示す演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われて第3開始条件が成立する。そして、100回目の特図可変表示が終了したので、この際に低確率高ベース遊技状態から通常遊技状態に移行すると共に、時短演出モードから特殊演出モードに移行する。
【0374】
具体的には、100回目の特図可変表示が終わると、例えば、図50(A)に示すように、次の特図可変表示が開始されるときに、背景画像が時短用背景画像G130から特殊用背景画像G140に切り替わり、BGMが時短用BGMから特殊用BGMに切り替わり、更新演出画像G21、および右打ち示唆画像G22が消去される。また、遊技状態が通常遊技状態であることから、左打ちで遊技を進めることが有利で適切であるため、左打ちが有利であること、または左打ちが適していることを示唆する左打ち示唆画像G23(←図50Aの「右打ちに戻して下さい」は、「左打ちに戻して下さい」の誤記)が表示部50aの左上に表示される。なお、左打ち示唆画像G23は、表示されてから所定期間(例えば、5秒)経過すると消去される。」
「【図49】
[図:0001390405000004.jpg]
」
「【図50】
[図:0001390405000005.jpg]
」
当審判合議体による注:図50Aの「右打ちに戻して下さい」は、「左打ちに戻して下さい」の誤記と認める。

ウ 本願の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能になった特開2018-130449号公報には、次の事項が記載されている。

「【0151】
V入賞有の4R大当り遊技の終了後、遊技状態が低確率遊技状態から高確率遊技状態へ移行され、演出モードが低確モードから高確モードに設定変更される。高確モードが設定されると、メイン画像表示装置17の表示画面の背景が高確モード専用の背景画像に切り換わると共に、画面右隅部分に、「右打ち」を報知する右打ち表示17cが行われる。尚、この右打ち表示17cは、高確率遊技状態で遊技が制御されている間継続して表示される。」
「【0191】
遊技状態が高確率遊技状態から低確率遊技状態へ移行すると、演出モードが、高確モードから低確モードに設定変更され、低確モードが設定されると、メイン画像表示装置17の表示画面の背景が、高確モード専用の背景画像から低確モード専用の背景画像へ切り換わると共に、発射操作演出として、画像表示装置17の表示画面に「左打ち」の文字列を表示させる。」
「【図25】
[図:0001390405000006.jpg]
」

エ 小括

上記アないしウより、遊技機の技術分野において、

「右打ち遊技期間が終了した後の通常遊技期間において、右打ち表示を非表示とした後に、通常遊技専用の背景画像を表示し、該通常遊技専用の背景画像の前面に左打ち表示を表示させる遊技機。」は、本願出願前に周知の技術事項である(以下「周知の技術事項」という。)。

(5)対比

本件補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する。

(a)

引用発明の「遊技の基本動作を制御する」ことは、本件補正発明の「遊技の進行を制御する」ことに相当する。

そして、引用発明の「主制御基板100」が「有する」「メインCPU100a」は、本件補正発明の「遊技制御手段」の機能を有する。

したがって、引用発明の構成aは、本件補正発明の構成Aに相当する。

(b)

引用発明の「遊技者が回転操作可能に設けられている」こと、「操作ハンドル12」は、それぞれ、本件補正発明の「遊技者に遊技操作される」こと、「遊技操作手段」に相当する。

したがって、引用発明の構成bは、本件補正発明の構成Bに相当する。

(c)

引用発明の「演出表示部50aの左下に位置する第1表示領域41に」「表示」される「右打ち」画像と、「演出表示部50aの中央に位置する第2表示領域42aに」「表示」される「右打ち」画像とを併せた画像は、本件補正発明の「遊技操作の態様を報知するための特定報知画像」に相当する。

そして、引用発明の「演出表示部50aに表示される」「背景等の画像」は、「背景」画像が、「演出表示部50a」の表示面の全面に表示される画像であることから、本件補正発明の「画像表示領域の全体に表示される背景画像とを含む各種の画像」に相当する。

また、引用発明の「「右打ち」画像と」、「背景画像」、「図柄」とを含む画像は、本件補正発明の「各種の画像」に相当する。

さらに、引用発明の「演出表示部50a」と「副制御基板200」とを併せたものは、本件補正発明の「画像表示手段」に相当する。

したがって、引用発明の構成c、d、g、h、h1、h2と、本件補正発明の構成Cとは、「遊技操作の態様を報知するための特定報知画像を」「含む報知画像と、画像表示領域の全体に表示される背景画像とを含む各種の画像を表示する画像表示手段」である点で共通する。

(d)

上記(c)より、引用発明の「演出表示部50a」に「「右打ち」と表示」される「期間A」ないし「期間D」は、本件補正発明の「特定報知画像が表示される報知期間」に相当する。

そうすると、引用発明の「主制御基板100からオープニングコマンドを受信すると、演出表示部50aの左下に位置する第1表示領域41に、期間Aに亘って「右打ち」と表示する第1表示演出を開始」することは、本件補正発明の「報知期間を予め定められた開始契機で開始」することに相当する。

そして、引用発明の「特別電動役物制御処理の終了時に、主制御基板100から特別遊技終了コマンドを受信する」ことは、「特別電動役物制御処理中」に行われる「第1表示演出」が「開始」された後のことであることは明らかであるから、本件補正発明の「報知期間を」「開始し」、「その後」の「予め定められた終了契機」に相当する。

また、引用発明の「副制御基板200」は、本件補正発明の「報知期間制御手段」の機能を有する。

したがって、引用発明の構成dは、本件補正発明の構成Dを備える。

(e)

引用発明は、構成c、d、g、h、h1、h2、及び、構成e、fによると、「オープニングコマンドを受信する」ことによる、「特別電動役物制御処理の開始に伴って」、「期間Aに亘って「右打ち」と表示する第1表示演出を開始」するものである。

そして、引用発明の「右打ち報知ランプ92の点灯を開始」することは、本件補正発明の「ランプ手段」が、「消灯状態から点灯状態へ変化」することに相当する。

また、引用発明の「特別電動役物制御処理の終了後に設定される、時短遊技状態から非時短遊技状態に変更されたと判定した場合に、右打ち報知ランプ92を消灯させるための消灯制御を行」うことと、本件補正発明の「ランプ手段」が、「報知期間の終了に伴い点灯状態から消灯状態へ変化する」こととは、「ランプ手段」が、「所定の終了条件の成立に伴い点灯状態から消灯状態へ変化する」ことで共通する。

したがって、引用発明の構成e、fと、本件補正発明の構成Eとは、「報知期間の開始と略同時に消灯状態から点灯状態へ変化し、所定の終了条件の成立に伴い点灯状態から消灯状態へ変化するランプ手段」である点で共通する。

(g)

引用発明の「演出表示部50aの左下に位置する第1表示領域41に」「表示」される「右打ち」画像は、本件補正発明の「第1報知画像」に相当する。

そして、引用発明の「演出表示部50aの中央に位置する第2表示領域42aに」「表示」される「右打ち」画像、及び、「演出表示部50aの上部に位置する第2表示領域42bに、期間Cに亘って」「表示」される「右打ち」画像は、本件補正発明の「第2報知画像」に相当する。

そうすると、上記(c)より、引用発明の構成c、d、g、h、h1、h2は、本件補正発明の構成Gに相当する。

(h、h1)

上記(d)より、引用発明の「オープニングコマンドを受信する」ことは、本件補正発明の「報知期間」の「開始契機」に相当する。

また、上記(g)より、引用発明の「期間Aに亘って」「表示」される「右打ち」画像は、本件補正発明の「第1報知画像」に相当する。

そうすると、引用発明の「オープニングコマンドを受信すると、演出表示部50aの左下に位置する第1表示領域41に、期間Aに亘って「右打ち」と表示する第1表示演出を開始」することは、本件補正発明の「報知期間の開始と略同時に第1報知画像を表示開始」することに相当する。

ここで、引用発明の「期間B、C」は、本件補正発明の「特定期間」に相当する。

また、上記(g)より、引用発明の「期間B」及び「期間Cに亘って」「表示」される「右打ち」画像は、本件補正発明の「第2報知画像」に相当する。

そうすると、引用発明の「期間Bに亘って「右打ち」と表示した後、演出表示部50aの上部に位置する第2表示領域42bに、期間Cに亘って「右打ち」と表示する第2表示演出を実行」することは、本件補正発明の「その後の特定期間において第2報知画像を表示」することに相当する。

そして、引用発明の「第1表示演出の実行は、第2表示演出中(期間C、D)は中断され、エンディング中(期間D)は実行され」ることは、本件補正発明の「特定期間が終了した後の当該報知期間においても当該第1報知画像を表示可能であ」ることに相当する。

したがって、引用発明は、本件補正発明の構成H、H1を備える。

(h、h2)

引用発明の「特別電動役物制御処理の終了時」は、「期間A」ないし「期間D」のうちの「期間D」の終了時であるから、上記(d)より、本件補正発明の「報知期間が終了した」ときに相当する。

そして、引用発明の「第1表示演出を終了させるための制御を実行」することは、本件補正発明の「特定報知画像を非表示と」することに相当する。

そうすると、引用発明の構成c、d、g、h、h1、h2と、本件補正発明の構成H、H2とは、「画像表示手段」が「報知期間が終了した後の期間において、前記特定報知画像を非表示と」することで共通する。

(i)

引用発明の「遊技機1」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。

したがって、引用発明の構成iは、本件補正発明の構成Iに相当する。

上記(a)~(i)によれば、本件補正発明と引用発明は、

「A 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
B 遊技者に遊技操作される遊技操作手段と、
C´ 遊技操作の態様を報知するための特定報知画像を含む報知画像と、画像表示領域の全体に表示される背景画像とを含む各種の画像を表示する画像表示手段と、
D 前記特定報知画像が表示される報知期間を予め定められた開始契機で開始し、その後、予め定められた終了契機で終了する報知期間制御手段と、
E´ 前記報知期間の開始と略同時に消灯状態から点灯状態へ変化し、所定の終了条件の成立に伴い前記点灯状態から前記消灯状態へ変化するランプ手段と、を具備し、
G 前記特定報知画像は、第1報知画像および第2報知画像を含み、
H 前記画像表示手段は、
H1 前記報知期間の開始と略同時に前記第1報知画像を表示開始し、その後の特定期間において前記第2報知画像を表示し、前記特定期間が終了した後の当該報知期間においても当該第1報知画像を表示可能であり、
H2´ 前記報知期間が終了した後の期間において、前記特定報知画像を非表示とする
I 遊技機。」

の点で一致し、次の点で相違する。

[相違点1](構成C)

「報知画像」に関して、本件補正発明は、「特定報知画像とは異なる画像であって遊技操作の態様を報知するための特殊報知画像」を含むのに対して、引用発明は、「特殊報知画像」を含むか否か不明である点。

[相違点2](構成E)

「ランプ手段」を「点灯状態から消灯状態へ変化」させるための「所定の終了条件」に関して、本件補正発明は、「報知期間の終了」であるのに対して、引用発明は、「特別電動役物制御処理」の終了に伴う、「「右打ち」と表示する」「第1表示演出」及び「第2表示演出」が終了した場合でなく、「時短遊技状態が、非時短遊技状態に変更されたと判定した場合」である点。

[相違点3](構成F)

「背景画像」に関して、本件補正発明は、「特殊背景画像」が含まれるのに対して、引用発明は、「特殊背景画像」が含まれるか否か明らかでない点。

[相違点4](構成H、H2)

本件補正発明は、「報知期間が終了した後の期間において、特定報知画像を非表示とした後に、特殊背景画像を表示し、該特殊背景画像の前面に特殊報知画像を表示可能である」のに対して、引用発明は、「特別電動役物制御処理の終了時に」「画像制御基板210に、第1表示演出を終了させるための制御を実行させ」た後に、どのような画像を表示するのか不明である点。

(6)当審判合議体の判断

ア 相違点2(構成E)について

事案の性質に鑑み、相違点2から検討する。

引用発明を認定した引用文献1の「右打ち報知ランプ92の点灯と、第1表示演出との実行タイミングとが同期していることから、遊技者に混乱を生じさせることもない。」(【0257】)との記載から、引用文献1には、「第1表示演出との実行タイミング」を、「右打ち報知ランプ92の点灯」に同期させることが示唆されている。

一方、引用文献2に記載された技術事項は、「大当り遊技中」や、「時短状態中」の「右打ち報知ランプの点灯と右打ち表示とを同期させる」ものである。

そして、引用発明と引用文献2に記載された技術事項1とは、右打ちを実行して遊技を進行させる期間としての「特別電動役物制御処理」中、及び、「特別電動役物制御処理の終了後に設定される、時短遊技状態」において、「右打ち報知ランプ92」を点灯させることに加え、「特別電動役物制御処理」中に「右打ち」表示を行うことで共通する。

したがって、引用発明に引用文献2に記載された技術事項1を適用して、右打ちを実行して遊技を進行させる期間であることの報知として、「特別電動役物制御処理」中のみならず、「特別電動役物制御処理の終了後に設定される、時短遊技状態」においても、「右打ち報知ランプ92の点灯」に同期させて「右打ち」表示を行い、「時短遊技状態から非時短遊技状態に変更されたと判定した場合」に、「右打ち報知ランプ92」の「消灯」に同期させて、右打ち表示を消去し、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。

イ 相違点1、3、4(構成C、F、H、H2)について

相違点1、3、4は、「特殊報知画像」、「特殊背景画像」に関するもので、互いに関連する技術事項であるから、まとめて検討する。

引用文献2に記載された技術事項2は、遊技状態が「通常状態」に戻ると、右打ち表示を消去して、左打ち表示がなされるものである。

そして、引用文献2に記載された技術事項2の「大当り」中は、本件補正発明の「報知期間」に相当する。

また、引用文献2に記載された技術事項2の「左打ち表示」は、本件補正発明の「特殊報知画像」に相当する。

そうすると、引用文献2に記載された技術事項2は、本件補正発明の「報知期間が終了した後の期間において、特定報知画像を非表示とした後に」「特殊報知画像を表示可能で」ある構成を備える。

一方、上記周知の技術事項における

「右打ち遊技期間」、

「通常遊技期間」、

「右打ち表示」、

「通常遊技専用の背景画像」、

「左打ち表示」は、それぞれ、

本件補正発明における

「報知期間」、

「報知期間が終了した後の期間」、

「特定報知画像」、

「特殊背景画像」、

「特殊報知画像」に相当する。

そうすると、上記周知の技術事項は、本件補正発明の構成H2の構成を備えるものである。

ここで、上記アにおいて検討したように、引用発明に引用文献2に記載された技術事項1を適用して、「特別電動役物制御処理」中とこれに続く「時短遊技状態」において、「右打ち」表示を行うことは、当業者が容易になし得たものであって、その際に、引用文献2に記載された技術事項2及び周知の技術事項を勘案して、「時短遊技状態」が終了して通常状態に戻る際に、「右打ち報知ランプ92を消灯させる」ことに加え、「右打ち」表示を消去して、通常遊技専用の背景画像(特殊背景画像)を表示し、該背景画像の前面に左打ち表示(特殊報知画像)を行うことは、当業者が容易になし得たものである。

(7)本件補正発明により奏される効果は、引用発明、引用文献2に記載された技術事項1、2、及び、上記周知の技術事項により奏される効果から、当業者が予測することができた程度のものである。

(8)請求人の主張について

請求人は、令和4年1月20日付けの審判請求書において、次の点について主張をする。

「2.本願発明が特許されるべき理由
・・・
(2)請求項1について
・・・
(イ)
また、今回の補正後の請求項1に記載の発明(以下「本願発明」)は、「報知期間が終了した後の期間において…予め定められた特殊背景画像を表示し、該特殊背景画像の前面に特殊報知画像を表示可能である」構成(以下「構成A」)を具備することを特徴とする。
本願発明の構成Aによれば、特殊報知画像が表示される期間(以下「特殊報知期間」)において予め定められた特殊背景画像が表示される。以上の構成Aでは、特殊報知期間中である旨が、特殊背景画像により認識できる。したがって、特殊報知期間中である旨を直感的に認識し易くなるという効果が奏せられる。また、特殊背景画像は、画像表示領域の全体に表示される比較的大きな(視認し易い)画像である。したがって、特殊報知期間中である旨を直感的に認識し易くなるという効果は格別に顕著である。
以上の構成Aについて、令和2年12月8日発送の拒絶理由通知で指摘された引用文献2(特開2012-024471、段落0063~0070、図12参照)および令和3年5月6日の拒絶理由通知で指摘された引用文献2(特許第6443644、段落1297参照)には、特殊報知画像を表示する構成自体は開示される。しかし、以上の各引用文献の構成では、特殊報知期間において特殊背景画像が表示されるか否かが不明である。したがって、各引用文献には本願発明の構成Aが開示されるとは認められない。」

そこで、上記請求人の主張について検討する。

上記周知の技術事項に示したように、遊技機の技術分野において、通常遊技状態専用の背景画像の前面に、左打ち表示を表示すること自体は、周知の技術事項である。

そして、上記「(6)当審判合議体の判断」において検討したように、引用発明において、本件補正発明の構成H2を備えるようにすることは、引用発明、引用文献2に記載された技術事項1、2、及び、上記周知の技術事項に基づいて当業者が容易になし得たものである。

よって、請求人の上記主張を採用することはできない。

(9)小括

以上のとおり、本件補正発明は、引用発明、引用文献2に記載された技術事項1、2、及び、上記周知の技術事項に基づいて、当業者が容易になし得たものである。

5 まとめ

本件補正は、上記4において検討したことからみて、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1 本願発明

本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年1月29日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(記号A~Iは、分説するため当審判合議体にて付した。)。

「【請求項1】
A 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
B 遊技者に遊技操作される遊技操作手段と、
C1 遊技操作の態様を報知するための特定報知画像と、前記特定報知画像とは異なる画像であって遊技操作の態様を報知するための特殊報知画像とを含む各種の画像を表示する画像表示手段と、
続きを表示(全11行)
D 前記特定報知画像が表示される報知期間を予め定められた開始契機で開始し、その後、予め定められた終了契機で終了する報知期間制御手段と、
E 前記報知期間の開始と略同時に消灯状態から点灯状態へ変化し、当該報知期間の終了に伴い前記点灯状態から前記消灯状態へ変化するランプ手段と、を具備し、
G 前記特定報知画像は、第1報知画像および第2報知画像を含み、
H 前記画像表示手段は、
H1 前記報知期間の開始と略同時に前記第1報知画像を表示開始し、その後の特定期間において前記第2報知画像を表示し、前記特定期間が終了した後の当該報知期間においても当該第1報知画像を表示可能であり、
H3 前記報知期間が終了した後の期間において、前記特定報知画像を非表示とし、前記特殊報知画像を表示可能である
I ことを特徴とする遊技機。」

2 原査定の拒絶の理由(令和3年4月28日付け)

原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

<引用文献等一覧>

1.特開2014-83093号公報

2.特許第6443644号公報

3 引用文献

原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、2及びその記載事項と、周知文献及びその記載事項は、前記「第2」の「4」「(2)」ないし「(4)」に記載したとおりである。

4 対比・判断

前記「第2[理由]4」の「(5)」で検討した内容からみて、本願発明と引用発明とは、上記相違点1、相違点2で相違すると共に、次の相違点4´でもさらに相違し、その余の点で一致する。

[相違点4´](構成H、H3)

本願発明は、「報知期間が終了した後の期間において、特定報知画像を非表示とし、特殊報知画像を表示可能である」のに対して、引用発明は、「特別電動役物制御処理の終了時に」「画像制御基板210に、第1表示演出を終了させるための制御を実行させ」た後に、どのような画像を表示するのか不明である点。

そこで、上記相違点について検討する。

相違点2については、前記「第2[理由]4」の「(6)ア」の検討内容と同様、引用発明に引用文献2に記載された技術事項1を適用することにより当業者が容易になし得たものである。

次に、相違点1、4´について検討する。

前記「第2[理由]4」の「(6)イ」の検討内容からみて、引用文献2に記載された技術事項2は、本願発明の構成H3を備える。

そうすると、前記「第2[理由]4」の「(6)イ」の検討内容と同様に、引用発明に引用文献2に記載された技術事項1を適用して、「特別電動役物制御処理」中とこれに続く「時短遊技状態」において、「右打ち」表示を行うことは、当業者が容易になし得たものであって、その際に、引用文献2に記載された技術事項2を勘案して、「時短遊技状態」が終了して通常状態に戻る際に、「右打ち報知ランプ92を消灯させる」ことに加え、「右打ち」表示を消去して、左打ち表示を行うことは、当業者が容易になし得たものである。

また、本願発明の奏する効果についてみても、引用発明、引用文献2に記載された技術事項1により奏される効果から、当業者が予測することができた程度のものである。

したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2に記載された技術事項1、2に基づいて、当業者が容易になし得たものである。

第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定に基づいて特許を受けることができないから、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2022-000854

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