特許異議申立
2021-701182
鉄骨梁補強金具及び鉄骨梁補強構造
- 審判番号
- 2021-701182
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-187005
- 登録番号
- 6890570
- 請求日
- 2021年12月15日
- 審決日
- 2023年04月24日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】センクシア株式会社
- 【権利者代理人】井上 誠一
- 【異議申立人】コーリョー建販 株式会社
- 【異議申立人代理人】小川 護晃
- 審判長/審判官
- 審判長 前川 慎喜
- 審判官 住田 秀弘
- 審判官 土屋 真理子
- 分類
- P1651.113-YAA(E04C) / P1651.121-YAA(E04C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6890570号発明「鉄骨梁補強金具及び鉄骨梁補強構造」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6890570号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-6〕、〔7-10〕について」)訂正することを認める。
特許第6890570号の請求項1ないし5、7ないし10に係る特許を維持する。
特許第6890570号の請求項6に係る特許についての特許異議申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6890570号の請求項1ないし10に係る特許についての出願は、平成30年10月1日に出願され、令和3年5月27日にその特許権の設定登録がされ、同年6月18日に特許掲載公報が発行された。その後、令和3年12月15日に特許異議申立人コーリョー建販株式会社(以下「申立人」という。)により特許異議申立書が提出されて、請求項1ないし10に係る特許に対する特許異議の申立てがされ、令和4年3月28日付けで当審より取消理由が通知され、令和4年5月30日に特許権者により意見書及び訂正請求書の提出され、令和4年8月26日に申立人により意見書が提出された。
第2 訂正の請求について
1 令和4年5月30日にされた訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)による訂正の内容(以下「本件訂正」という。)は、以下のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記本体部の前記接触端面には、前記接触端面から軸線方向に突出する突出部が形成され、」と記載されているのを、「前記本体部の前記接触端面には、前記接触端面から軸線方向に突出する突出部が形成され、前記突出部の軸線方向の厚さ寸法は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法と同一、又は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法より短く、」に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4に、「前記突出部は、前記本体部の前記中心孔に沿ってその全周に亘り連続して形成された」と記載されているのを、「前記突出部は、前記本体部の前記中心孔に沿ってその全周に亘り連続して形成され、前記突出部の軸線方向の厚さ寸法が、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法の2分の1より小さくなるように形成されている」に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5に、「前記突出部は、前記本体部の前記中心孔の周縁部に沿って断続的に形成された」と記載されているのを、「前記突出部は、前記本体部の前記中心孔の周縁部に沿って断続的に形成され、前記突出部の軸線方向の厚さ寸法が、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法の2分の1より小さくなるように形成されている」に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項6を削除する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項7に「前記本体部の前記接触端面には、前記接触端面から軸線方向に突出する突出部が形成され、」と記載されているのを、「前記本体部の前記接触端面には、前記接触端面から軸線方向に突出する突出部が形成され、前記突出部の軸線方向の厚さ寸法は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法と同一、又は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法より短く、」に訂正する。
2 訂正の適否について
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的
訂正事項1は、発明を特定する事項である「突出部」について、その「軸線方向の厚さ寸法」を「前記突出部の軸線方向の厚さ寸法は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法と同一、又は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法より短く、」と限定を付加する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張、変更
訂正事項1は、上記アのとおり「突出部」の「軸線方向の厚さ寸法」について限定を付加する訂正であって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 新規事項
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項6に、「前記突出部の軸線方向の厚さ寸法は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法と同一、又は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法より少なくとも短く」と記載されていることからみて、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的
訂正事項2は、発明を特定する事項である「突出部」について、その「軸線方向の厚さ寸法」を「前記突出部の軸線方向の厚さ寸法が、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法の2分の1より小さくなるように形成されている」ことに限定を付加する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張、変更
訂正事項2は、上記アのとおり「突出部」の「軸線方向の厚さ寸法」について限定を付加する訂正であって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 新規事項
本件特許の明細書の段落【0073】に、「2つの鉄骨梁補強金具34はそれぞれが、図5(b)に示すように、その突出部38の軸線方向(図中左右方向)の厚さ寸法tが、鉄骨梁6のウェブ部6aの厚さ寸法Tの2分の1より小さくなるように形成されている。」と記載されていることからみて、訂正事項2は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的
訂正事項3は、発明を特定する事項である「突出部」について、その「軸線方向の厚さ寸法」を「前記突出部の軸線方向の厚さ寸法が、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法の2分の1より小さくなるように形成されている」ことに限定を付加する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張、変更
訂正事項3は、上記アのとおり「突出部」の「軸線方向の厚さ寸法」について限定を付加する訂正であって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 新規事項
本件特許の明細書の段落【0073】に、「2つの鉄骨梁補強金具34はそれぞれが、図5(b)に示すように、その突出部38の軸線方向(図中左右方向)の厚さ寸法tが、鉄骨梁6のウェブ部6aの厚さ寸法Tの2分の1より小さくなるように形成されている。」と記載されていることからみて、訂正事項3は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
(4)訂正事項4
訂正事項4は、訂正前の請求項6を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであることは明らかである。
(5)訂正事項5
ア 訂正の目的
訂正事項5は、発明を特定する事項である「突出部」について、その「軸線方向の厚さ寸法」を「前記突出部の軸線方向の厚さ寸法は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法と同一、又は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法より短く、」と限定を付加する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 特許請求の範囲の拡張、変更
訂正事項5は、上記アのとおり「突出部」の「軸線方向の厚さ寸法」について限定を付加する訂正であって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 新規事項
本件訂正前の請求項6に、「前記突出部の軸線方向の厚さ寸法は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法と同一、又は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法より少なくとも短く」と記載されていることからみて、訂正事項5は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
(6)一群の請求項について
訂正前の請求項1ないし6について、請求項2ないし6は、請求項1を直接的または間接的に引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1ないし6に対応する訂正後の請求項1ないし6は、一群の請求項である。
また、訂正前の請求項7ないし10について、請求項8ないし10は、請求項7を直接的または間接的に引用するものであって、訂正事項5によって記載が訂正される請求項7に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項7ないし10に対応する訂正後の請求項7ないし10は、一群の請求項である。
3 訂正請求のまとめ
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するから、訂正後の請求項〔1-6〕、〔7―10〕についての訂正を認める。
第3 訂正後の本件発明
上記第2のとおり本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1ないし10に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」等といい、全体の発明を「本件発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載される事項により特定される次のとおりのものである。
【請求項1】
鉄骨梁のウェブ部を厚さ方向に貫通する貫通孔が形成された、前記鉄骨梁を補強する鉄骨梁補強金具であって、
前記鉄骨梁補強金具は、前記鉄骨梁の前記貫通孔と略同一の中心軸を有する環状に形成された本体部を備え、
前記本体部の中心部には、前記本体部を軸線方向に貫通する、前記貫通孔より小さな径の中心孔が形成され、
前記本体部の軸線方向の一方の端面には、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の側面と略平行、かつ前記ウェブ部の側面と接触する接触端面が形成され、
前記接触端面の外形は、前記鉄骨梁の前記貫通孔の断面形状より大きく形成され、
前記本体部の前記接触端面には、前記接触端面から軸線方向に突出する突出部が形成され、前記突出部の軸線方向の厚さ寸法は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法と同一、又は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法より短く、
前記突出部の外周面の断面形状は、前記接触端面の近傍においては、前記鉄骨梁の前記貫通孔の断面形状と略同一に形成されると共に、軸線方向の前記接触端面と反対側の端部においては、前記鉄骨梁の前記貫通孔の断面形状より小さく形成され、
前記鉄骨梁補強金具は、前記本体部の前記接触端面の、前記突出部より前記本体部の軸線方向に対して直角な半径方向の外側の部分が、前記ウェブ部の側面に沿って接触するように、前記本体部が前記鉄骨梁の前記ウェブ部の側面よりも前記貫通孔の軸線方向外側に配置されると共に、
前記ウェブ部の前記貫通孔の軸線方向の片側から、前記鉄骨梁補強金具の前記本体部の外周面の周部に沿って、全周に亘って、前記ウェブ部の前記軸線方向の片側の側面に溶接することにより、前記鉄骨梁と一体的に固定されるよう構成された
ことを特徴とする鉄骨梁補強金具。
【請求項2】
前記本体部の外周面は、外径が前記接触端面に向かうにつれて徐々に縮径するテーパ状に傾斜した断面形状を有する円筒状に形成された
ことを特徴とする請求項1に記載の鉄骨梁補強金具。
【請求項3】
前記本体部の外周面に、溶接目安部が前記外周面の周部に全周に亘って形成された
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄骨梁補強金具。
【請求項4】
前記突出部は、前記本体部の前記中心孔の周縁部に沿ってその全周に亘り連続して形成され、前記突出部の軸線方向の厚さ寸法が、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法の2分の1より小さくなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鉄骨梁補強金具。
【請求項5】
前記突出部は、前記本体部の前記中心孔の周縁部に沿って断続的に形成され、前記突出部の軸線方向の厚さ寸法が、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法の2分の1より小さくなるように形成されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鉄骨梁補強金具。
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
鉄骨梁のウェブ部を厚さ方向に貫通する貫通孔が形成された、前記鉄骨梁を補強する鉄骨梁補強金具を用いた鉄骨梁補強構造であって、
前記鉄骨梁補強金具は、前記鉄骨梁の前記貫通孔と略同一の中心軸を有する環状に形成された本体部を備え、
前記本体部の中心部には、前記本体部を軸線方向に貫通する、前記貫通孔より小さな径の中心孔が形成され、
前記本体部の軸線方向の一方の端面には、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の側面と略平行、かつ前記ウェブ部の側面と接触する接触端面が形成され、
前記接触端面の外形は、前記鉄骨梁の前記貫通孔の断面形状より大きく形成され、
前記本体部の前記接触端面には、前記接触端面から軸線方向に突出する突出部が形成され、前記突出部の軸線方向の厚さ寸法は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法と同一、又は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法より短く、
前記突出部の外周面の断面形状は、前記接触端面の近傍においては、前記鉄骨梁の前記貫通孔の断面形状と略同一に形成されると共に、軸線方向の前記接触端面と反対側の端部においては、前記鉄骨梁の前記貫通孔の断面形状より小さく形成され、
前記鉄骨梁補強金具は、前記本体部の前記接触端面の、前記突出部より前記本体部の軸線方向に対して直角な半径方向の外側の部分が、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の側面に沿って接触し、前記突出部が前記鉄骨梁の前記貫通孔に嵌合するように、前記本体部が前記鉄骨梁の前記ウェブ部の側面よりも前記貫通孔の軸線方向外側に配置されると共に、
前記ウェブ部の前記貫通孔の軸線方向の片側から、前記鉄骨梁補強金具の前記本体部の外周面の周部に沿って、全周に亘って、前記ウェブ部の前記軸線方向の片側の側面に溶接することにより、前記鉄骨梁と一体的に固定された
ことを特徴とする鉄骨梁補強構造。
【請求項8】
前記突出部は、前記本体部の前記中心孔の周縁部に沿ってその全周に亘り連続して形成された
ことを特徴とする請求項7に記載の鉄骨梁補強構造。
【請求項9】
前記突出部は、前記本体部の前記中心孔の周縁部に沿って断続的に形成された
ことを特徴とする請求項7に記載の鉄骨梁補強構造。
【請求項10】
前記鉄骨梁補強金具が固定された前記ウェブ部の側面と同じ側面に、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の上下両端部に形成されたフランジ部の近傍であって、かつ、前記フランジ部に沿うように棒状補強金具が固定された
ことを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の鉄骨梁補強構造。
第4 取消理由の概要、及び証拠の記載
1 取消理由の概要
本件訂正前の請求項1ないし10に係る発明に対して、令和4年3月28日付けで通知した取消理由の概要は以下のとおりである。
〔特許法第29条第2項(進歩性)〕
請求項1ないし10に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1ないし10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
〔証拠一覧〕
甲第1号証:「鋼構造梁 開口補強工法 ダイヤリング」カタログ、コーリョー建販株式会社、2016年11月
甲第2号証:特開2003-232105号公報
甲第3号証:特開2018-131824号公報
甲第4号証:特許第6381762号公報
甲第5号証:特開2016-14234号公報
2 証拠の記載
(1)甲第1号証
本件特許の出願前に頒布された甲第1号証には、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付した。以下同様。)
ア 甲第1号証の記載
(ア)「鋼構造梁 開口補強工法 ダイヤリング」(表紙)
(イ)表紙の写真は以下のとおり。
「
[図:0001399327000001.jpg]
」
(ウ)「ダイヤリング工法のご紹介
開発の経緯
将来の改修等を容易にする為、鉄骨梁に梁開口を全面に設けることがよく行われます。従来の、梁開口は特殊とする開口補強から、梁に開口があることは当然とした開口補強に、時代は変わりつつあります。
このような背景の中、開発したのがダイヤリング工法です。本工法の特徴は、○1十分な構造性能、○2 優れた施工性、○3 省資源・低価格、特にパイプ切断と切削加工で製造されることから、材料に無駄が生じ難いことが大きな特徴といえます。(当審注:○で囲んだ数字は「○数字」と表記する。)
[工法の概要]ダイヤリング工法は、鋼構造H形断面部材を対象とする
開口補強工法であり、鉄骨梁ウェブ開口にダイヤリングをはめ込み
片面を全周隅肉溶接する施工性に優れた開口補強材です。
ダイヤリングの特徴
1|溶接量の低減 従来のプレート補強に対して溶接量を大幅に削減できます
[図:0001399327000002.jpg]
2|施工精度を容易に確保 製品精度が高く、施工精度を容易に確保できます。
[図:0001399327000003.jpg]
3|施工性が大幅にアップ 取付けの際[梁の反転が不要]となり施工性が大幅にアップします
[図:0001399327000004.jpg]
」
(1頁)
(エ)上記(ウ)の記載を踏まえると、同(ウ)の3つの図から、以下の事項が看取できる。
「鉄骨梁となる鋼構造H形断面部材における梁開口となるウェブ開口にはめ込む、開口補強する開口補強材であって、
開口補強材は、鉄骨梁のウェブ開口と、略同一の中心軸を有する環状に形成された本体部を備え、
本体部の中心部には、本体部を軸線方向に貫通する、ウェブ開口より小さな径の中心孔が形成され、
本体部の軸線方向の一方の端面には、鉄骨梁のウェブの側面と略平行、かつウェブの側面と接触する接触端面が形成され、
接触端面の外形は、鉄骨梁のウェブ開口の断面形状より大きく形成され、
本体部の接触端面には、接触端面から軸線方向に突出する突出部が形成され、
開口補強材は、本体部の接触端面の、突出部より本体部の軸線方向に対して直角な半径方向の外側の部分が、ウェブの側面に沿って接触するように、本体部が鉄骨梁のウェブの側面よりもウェブ開口の軸線方向外側に配置されると共に、
ウェブのウェブ開口の軸線方向の片側から、開口補強材の本体部の外周面の周部に沿って、全周に亘って、ウェブの軸線方向の片側の側面に溶接することにより、鉄骨梁と一体的に固定されるよう構成された
開口補強材。」
(オ)上記(イ)の写真から、突出部は、本体部の中心孔の周縁部に沿ってその全周に連続して形成されたことが看取できる。
(カ)
[図:0001399327000005.jpg]
(2頁)
(キ)
[図:0001399327000006.jpg]
(3頁)
イ 甲1発明
上記アからみて、甲第1号証には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認める。
「鉄骨梁となる鋼構造H形断面部材における梁開口となるウェブ開口にはめ込む、開口補強する開口補強材であって、
開口補強材は、鉄骨梁のウェブ開口と、略同一の中心軸を有する環状に形成された本体部を備え、
本体部の中心部には、本体部を軸線方向に貫通する、ウェブ開口より小さな径の中心孔が形成され、
本体部の軸線方向の一方の端面には、鉄骨梁のウェブの側面と略平行、かつウェブの側面と接触する接触端面が形成され、
接触端面の外形は、鉄骨梁のウェブ開口の断面形状より大きく形成され、
本体部の接触端面には、接触端面から軸線方向に突出する突出部が形成され、
開口補強材は、本体部の接触端面の、突出部より本体部の軸線方向に対して直角な半径方向の外側の部分が、ウェブの側面に沿って接触するように、本体部が鉄骨梁のウェブの側面よりもウェブ開口の軸線方向外側に配置されると共に、
ウェブのウェブ開口の軸線方向の片側から、開口補強材の本体部の外周面の周部に沿って、全周に亘って、ウェブの軸線方向の片側の側面に溶接することにより、鉄骨梁と一体的に固定されるよう構成され、
突出部は、本体部の中心孔の周縁部に沿ってその全周に連続して形成された、
開口補強材。」
(2)甲第2号証
本件特許の出願前に頒布された甲第2号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種建築構造物を構成する梁に形成された貫通孔に固定され当該梁を補強する梁補強金具およびこれを用いた梁貫通孔補強構造に関する。」
イ 「【0031】図4,図5に示すように、梁補強金具10においては、その外周部12の軸方向の片面側にフランジ部13を設けるとともに、外周部12をその軸方向の他面側(フランジ部13の無い面側)に向かって徐々に縮径するテーパ形状としている。・・・」
ウ 「【0033】図6に示すように、梁2のウェブ部2wに形成された貫通孔3と梁補強金具10との溶接部Wにおいては、梁補強金具10の外周部12を貫通孔3の内縁部3aまで溶け込み溶接することによって強固に固定されている。また、梁補強金具10の外周部12をフランジ部13の無い方の面側に向かって徐々に縮径する形状としているため、梁補強金具10の外周部12を貫通孔3へ嵌入させたとき、外周部12は貫通孔3の内縁部3aに対して傾斜した状態となる結果、外周部12が溶接開先として機能するため、溶接性が向上し、溶接不良の発生を回避することができる。
【0034】・・・
【0035】図7,図8に示すように、梁補強金具20においては、その外周部12の軸方向の片面側にフランジ部13を設けるとともに、外周部12を軸方向の他面側に向かって徐々に縮径するテーパ形状としている。また、外周部12の120度おきの3カ所に、梁2の貫通孔3の内縁部3aに直接当接する位置決め突起部11を均等配置している。
【0036】このような位置決め突起部11を設けることによって、梁2の貫通孔3の内縁部3aと梁補強金具20の外周部12との間に形状的な誤差がある場合でも、容易かつ正確に中心位置合わせを行なうことができ、これによって取り付け精度を向上させ品質向上を図るとともに作業時間も短縮することができる。」
エ 図6~図8は以下のとおり。
「【図6】
[図:0001399327000007.jpg]
」
「【図7】
[図:0001399327000008.jpg]
」
「【図8】
[図:0001399327000009.jpg]
」
(3)甲第3号証
本件特許の出願前に頒布された甲第3号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0001】
本発明は、鉄骨梁のウエブに穿設された梁貫通孔部分の補強に使用する補強リングに関する。」
イ 「【0020】
スリーブ貫通孔(7)の軸芯がウエブ(3)を形成している壁面が直交する状態でリング状補強部材(4)をウエブ(3)に装着すると、図4に示すように、ウエブ(3)に穿設された貫通孔(2)の内周面と、リング状補強部材(4)の外周面を形成している傾斜面(テーパー面)(5)との間にレ字型空間部分が形成され、このレ字型空間部分が開先空間(11)となる。
【0021】
梁材(1)のウエブ(3)に穿設された貫通孔(2)にリング状補強部材(4)を組み付けた状態でリング状補強部材(4)のウエブ受け止め突起(6)とウエブ(3)に穿設された貫通孔(2)の内周面部分とを周方向に所定のピッチで仮付け溶接する。ウエブ(3)に仮付け溶接されたリング状補強部材(4)は、前記開先空間(11)を炭酸ガス半自動溶接で片面部分溶け込み溶接で溶着する。この時、リング状補強部材(4)の傾斜面(5)には、溶接範囲ガイド溝(10)が全周に亘って刻設してあることから、この溶接範囲ガイド溝(10)が溶融金属で隠れる状態まで溶接すると、施工のど厚は設計のど厚を満足することになる。」
ウ 図2、図4、図5は以下のとおり。
「【図2】
[図:0001399327000010.jpg]
」
「【図4】
[図:0001399327000011.jpg]
」
「【図5】
[図:0001399327000012.jpg]
」
(4)甲第4号証
本件特許の出願前に頒布された甲第4号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0001】
本発明は、鉄骨梁のウェブに形成された貫通孔に設けられる梁補強部材に関するものである。」
イ 「【0017】
前記梁補強部材4は中央部に建築構造物内部に設けられる配管(図示せず)を通すための円形状の挿通孔7Bが開設されてリング状を呈しており、前記貫通孔2より外径が小さくて前記貫通孔2に挿入される挿入部5と、前記貫通孔2より外径が大きくて前記挿入部5が前記貫通孔2に挿入されると一方の側面6Aが前記貫通孔2の周縁部(開口周縁部)に当接する中空円柱状のフランジ部6とを備えている。
【0018】
そして、前記ウェブ1Aの前記貫通孔2に前記梁補強部材4の前記挿入部5が挿入して、前記梁補強部材4の前記挿入部5の外側面と前記ウェブ1Aの前記貫通孔2の開口形成面2Aとを突合せ溶接するため、前記挿入部5の前記外側面には後述するような特殊な形状が形成され、下向きの突合せ溶接を容易に行うことができる。なお、前記梁補強部材4の材質は前記鉄骨梁1と同一又は類似の材質の金属で構成する。」
ウ 「【0029】
逆に、図5に示すように、ウェブ1AAの厚さが図4に示す前記ウェブ1Aより厚くて、前記ウェブ1AAの前記貫通孔2に前記挿入部5を挿入した際に、前記挿入先端部5Cの先端部が前記貫通孔2より突き抜けないで、前記ウェブ1AAの一方の側面1AA1の反対側の他方の側面1AA2における前記貫通孔2の前記開口形成面2Aの前記上端部の前記位置Xが前記梁補強部材4の前記挿入部5の前記外側面の前記上端部の前記位置Yより高い場合は、溶接により補強に必要な前記溶接部9の充填の高さが前記位置Yまで形成できたら、溶接を終了する。従って、いずれの場合にも、溶接終了の検査は、溶接ゲージや他の検査機器など使用しないでも目視で判定を行うことができる。
エ 図3~図5は以下のとおり。
「【図3】
[図:0001399327000013.jpg]
」
「【図4】
[図:0001399327000014.jpg]
」
「【図5】
[図:0001399327000015.jpg]
」
(5)甲第5号証
本件特許の出願前に頒布された甲第5号証には、以下の事項が記載されている。
ア 「【0001】
本発明は、建築構造物を構成し、貫通孔を有する梁に梁補強金具が接合された梁補強構造に関するものである。」
イ 「【0040】
次に、梁補強金具1を用いた梁補強構造20について説明する。図6は、梁補強構造20の斜視図であり、図7は正面図である。
【0041】
梁15は、ウェブ部19の上下にフランジ部17を有するH鋼である。ウェブ部19には、配管等を通すための貫通孔21が形成される。リング状梁補強金具30は、貫通孔21に配置される。また、梁補強金具1は、貫通孔21から離れた位置であって、上下のフランジ部17に沿って配置される。なお、貫通孔21の中心位置は、梁補強金具1の長手方向の中央位置とほぼ一致する。また、梁補強金具1は、貫通孔21の径よりも長い。」
ウ 「【0074】
例えば、梁補強金具1等を、実施形態で示した例に対して、ウェブ19の逆側の面に配置してもよい。すなわち、リング状補強金具30、30a、30cは、梁補強金具1等に対して、ウェブ部19の逆側の面から取り付ける例を示したが、梁補強金具1等と同一面側からリング状補強金具30、30a、30cを配置してもよい。」
エ 図5~図8は以下のとおり。
「【図5】
[図:0001399327000016.jpg]
」
「【図6】
[図:0001399327000017.jpg]
」
「【図7】
[図:0001399327000018.jpg]
」
「【図8】
[図:0001399327000019.jpg]
」
第5 当審の判断
1 本件発明1について
(1)対比
本件発明1と甲1発明を対比すると、両者は、
「鉄骨梁のウェブ部を厚さ方向に貫通する貫通孔が形成された、前記鉄骨梁を補強する鉄骨梁補強金具であって、
前記鉄骨梁補強金具は、前記鉄骨梁の前記貫通孔と略同一の中心軸を有する環状に形成された本体部を備え、
前記本体部の中心部には、前記本体部を軸線方向に貫通する、前記貫通孔より小さな径の中心孔が形成され、
前記本体部の軸線方向の一方の端面には、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の側面と略平行、かつ前記ウェブ部の側面と接触する接触端面が形成され、
前記接触端面の外形は、前記鉄骨梁の前記貫通孔の断面形状より大きく形成され、
前記本体部の前記接触端面には、前記接触端面から軸線方向に突出する突出部が形成され、
前記鉄骨梁補強金具は、前記本体部の前記接触端面の、前記突出部より前記本体部の軸線方向に対して直角な半径方向の外側の部分が、前記ウェブ部の側面に沿って接触するように、前記本体部が前記鉄骨梁の前記ウェブ部の側面よりも前記貫通孔の軸線方向外側に配置されると共に、
前記ウェブ部の前記貫通孔の軸線方向の片側から、前記鉄骨梁補強金具の前記本体部の外周面の周部に沿って、全周に亘って、前記ウェブ部の前記軸線方向の片側の側面に溶接することにより、前記鉄骨梁と一体的に固定されるよう構成された
鉄骨梁補強金具。」で一致するものの、
突出部に関して、本件発明1は、「前記突出部の軸線方向の厚さ寸法は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法と同一、又は、前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法より短く、前記突出部の外周面の断面形状は、前記接触端面の近傍においては、前記鉄骨梁の前記貫通孔の断面形状と略同一に形成されると共に、軸線方向の前記接触端面と反対側の端部においては、前記鉄骨梁の前記貫通孔の断面形状より小さく形成され」ているのに対し、甲1発明は、そのような特定がない点(以下「相違点1」という。)で相違している。
(2)判断
上記相違点1について検討する。
ア ここで、甲第4号証をみると、「図5に示すように、ウェブ1AAの厚さが図4に示す前記ウェブ1Aより厚くて、前記ウェブ1AAの前記貫通孔2に前記挿入部5を挿入した際に、前記挿入先端部5Cの先端部が前記貫通孔2より突き抜けないで、前記ウェブ1AAの一方の側面1AA1の反対側の他方の側面1AA2における前記貫通孔2の前記開口形成面2Aの前記上端部の前記位置Xが前記梁補強部材4の前記挿入部5の前記外側面の前記上端部の前記位置Yより高い」(上記第4の2(4)ウ)こと(以下「挿入先端部5Cの先端部が貫通孔2を突き抜けない構成」という。)、つまり、上記相違点1に係る構成のうち、「前記突出部の軸線方向の厚さ寸法は、」「前記鉄骨梁の前記ウェブ部の厚さ寸法より短く」することが記載されている。
しかしながら、甲第4号証の上記の記載はその後に続く記載も含めて検討すると、上記の「挿入先端部5Cの先端部が貫通孔2を突き抜けない構成」の「場合は、溶接により補強に必要な前記溶接部9の充填の高さが前記位置Yまで形成できたら、溶接を終了する。従って、いずれの場合にも、溶接終了の検査は、溶接ゲージや他の検査機器など使用しないでも目視で判定を行うことができる。」(同上)ものであって、あくまで、溶接の終了の位置を示すために上記の「挿入先端部5Cの先端部が貫通孔2を突き抜けない構成」について言及した程度のことであるから、甲1発明において、甲第4号証に記載の上記の「挿入先端部5Cの先端部が貫通孔2を突き抜けない構成」を採用する動機付けは存在しない。
また、甲1発明の溶接箇所は、「ウェブのウェブ開口の軸線方向の片側から、開口補強材の本体部の外周面の周部に沿って、全周に亘って、ウェブの軸線方向の片側の側面に溶接することにより、鉄骨梁と一体的に固定されるよう構成され」るものであるのに対し、甲第4号証に記載の溶接箇所は、「前記梁補強部材4の前記挿入部5の外側面と前記ウェブ1Aの前記貫通孔2の開口形成面2Aとを突合せ溶接する」ものであって、しかもその「突合わせ溶接」のために、「前記挿入部5の前記外側面には」「特殊な形状が形成され」(それぞれ、上記第4の2(4)イ)ているものである。この両溶接箇所の違いからみても、甲第4号証に記載の当該溶接箇所付近の構成を、甲1発明に適用する動機付けは存在しない。
申立人は、上記相違点1に係る突出部の軸線方向の厚さ寸法に係る構成は、甲第4号証(上記の指摘箇所、及び図5参照。)に記載されている旨、主張するが、上記で検討したとおりであるから、申立人の主張は採用できない。
イ また、申立人は、甲第1号証の2頁の「適用範囲」には、鉄骨梁のウェブ厚twが「9mm<tw<25mm」であることが示され、3頁の「製品規格」には、貫通孔の径に相当するD3寸法が322mmの場合、突出部の軸線方向の厚さ寸法(W1)が14mmであることが示され、さらに2頁の「開口位置及び取付規定」の図には、鉄骨梁のサイズに対して比較的小さい径の貫通孔が形成されることも示されており、ウェブ厚twが14mm以上の鉄骨梁に、径が322mm以下の貫通孔が形成され得ることは、当業者が当然理解できることである旨、主張する。
しかしながら、上記「開口位置及び取付規定」の図をみると、2種類の径の貫通孔を看取することができるものの、申立人が主張するような「鉄骨梁のサイズに対して比較的小さい径の貫通孔が形成されること」が示唆されているとはいえないし、また、上記ウエブ厚twが14mm以上の鉄骨梁に、径が322mm以下の貫通孔が形成されることも明示されていないから、申立人の主張は採用できない。
ウ なお、甲第2号証、甲第3号証及び甲第5号証にも、上記相違点1に係る突出部の軸線方向の厚さ寸法に係る構成は記載されていない。
エ 以上のことから、本件発明1は、甲1発明、甲第2号証ないし甲第5号証に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
2 本件発明2ないし本件発明5について
本件発明2ないし本件発明5は、本件発明1の構成をすべて含みさらに限定を加えた発明であるから、上記1で説示した理由と同じ理由により、甲1発明、甲第2号証ないし甲第5号証に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
3 本件発明7ないし本件発明10について
本件発明7は、鉄骨梁補強金具の発明である本件発明1を、鉄骨梁補強金具を用いた鉄骨梁補強構造の発明として書き下したものであって、本件発明1と実質的に同じ発明であるから、本件発明7及び本件発明7の発明特定事項を全て含んだ本件発明8ないし10は、上記1で検討した理由と同じ理由により、甲1発明、甲第2号証ないし甲第5号証に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1ないし5、7ないし10に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1ないし5、7ないし10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
本件請求項6に係る特許は、上記のとおり訂正により削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項6に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
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2021-701182