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特許異議申立

2021-701059

認証システム、端末装置、プログラム及び認証管理通信システム

審判番号
2021-701059
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-072939
登録番号
6892950
請求日
2021年11月10日
審決日
2022年03月24日
公報発行日
2022年05月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社ACSiON
  • 【権利者代理人】庄司 亮
  • 【異議申立人】遠藤 真美
審判長/審判官
  • 審判長 石井 茂和
  • 審判官 山崎 慎一
  • 審判官 篠原 功一
分類
P1651.121-Y (G06F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6892950号発明「認証システム、端末装置、プログラム及び認証管理通信システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6892950号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6892950号の請求項1~8に係る特許についての出願は,令和2年4月15日に出願され,令和3年6月1日にその特許権の設定登録がされ,令和3年6月23日に特許掲載公報が発行された。その後,その特許に対し,令和3年11月10日に特許異議申立人遠藤真美(以下,「申立人」という。)は,特許異議の申立てを行った。 第2 本件発明 特許第6892950号の請求項1~8の特許に係る発明(以下,「本件発明1」~「本件発明8」という。)は,それぞれ,その特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「 【請求項1】 各ユーザの認証を実行する認証システムであって、 ユーザ毎に、ユーザを識別する識別情報と、各ユーザの経年変化が生ずる同一種の生体情報であってデータ化するタイミングが異なる複数の生体情報が順次登録されている基準生体情報と、ユーザ毎に設定されたキー情報であって認証を行う際に用いる基準キー情報と、が対応付けられて登録情報として予め登録されるデータベースを管理する管理手段と、 前記各ユーザによって入力された入力情報を受信する受信手段と、 特定ユーザの前記認証を実行する際に、前記受信された入力情報に含まれる識別情報に基づいて前記データベースを検索し、当該識別情報に対応する基準キー情報と、当該受信された入力情報に含まれるキー情報を示す入力キー情報と、に基づいて、当該特定ユーザにおける認証処理を実行する認証処理手段と、 前記認証処理によって前記特定ユーザの認証が失敗と判定された場合であって所与の条件を具備した場合には、当該特定ユーザにおける所与の条件を具備した以降の前記認証処理の実行を拒否してロックするロック制御手段と、 前記認証処理がロックされているユーザを示すロック対象ユーザの前記識別情報及び前記生体情報を示す入力生体情報が前記入力情報として受信された場合に、当該ロック対象ユーザの識別情報に基づいて前記データベースを検索し、当該識別情報に対応する基準生体情報の少なくともいずれか又は当該基準生体情報に基づいて生成された、前記生体情報のモデルを示すモデル情報と当該ロック対象ユーザの入力生体情報とを比較する比較処理を実行する比較処理手段と、 前記比較処理によって前記基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と前記入力生体情報とが同一であると判定された場合に、前記ロック対象ユーザによる認証処理のロックを解除するロック解除手段と、 を備え、 前記ロック制御手段が、 前記ロックされた際に当該ロックの状況を示すロック状況情報を前記ロック対象ユーザに提供し、かつ、当該ロック対象ユーザの識別情報に対応付けて当該ロック状況情報を基準ロック状況情報として前記データベースに登録し、 前記比較処理手段が、 前記識別情報及び前記入力生体情報とともに前記提供されたロック状況情報を示す入力ロック状況情報が前記入力情報として受信された場合に、前記ロック対象ユーザの識別情報に一致する識別情報に対応付けて、前記入力ロック状況情報と一致する基準ロック状況情報が前記データベースに登録されているか否かを判定する前記比較処理を実行し、 前記ロック解除手段が、 前記比較処理によって前記基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と前記入力生体情報とが同一であると判定され、かつ、前記入力ロック状況情報と一致する前記基準ロック状況情報が前記データベースに登録されていると判定された場合に、前記ロック対象ユーザによる認証処理のロックを解除する、ことを特徴とする認証システム。 【請求項2】 請求項1に記載の認証システムにおいて、 所与のタイミングに、新たに入力された入力生体情報を前記データベースに登録する登録手段を更に備え、 前記比較処理手段が、 前記ロック対象ユーザを含む各ユーザによって入力された前記識別情報及び前記入力生体情報が受信される毎に、当該受信された識別情報に基づいて前記データベースを検索し、当該識別情報に対応する基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と当該入力生体情報とを比較する前記比較処理を実行し、 前記登録手段が、 前記比較処理によって前記基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と前記入力生体情報とが同一であると判定された場合に、当該入力生体情報を、前記比較処理に用いた識別情報に対応付けられた基準生体情報として追加登録する、認証システム。 【請求項3】 請求項1又は2に記載の認証システムにおいて、 前記データベースには各ユーザに関するユーザ情報が基準ユーザ情報として前記識別情報に対応付けて記憶されており、 前記比較処理手段が、 前記識別情報及び前記入力生体情報とともに前記ユーザ情報を示す入力ユーザ情報が前記入力情報として受信された場合であって、前記ロック対象ユーザの識別情報に一致する識別情報に対応付けて、前記入力ユーザ情報と一致する基準ユーザ情報が前記データベースに登録されているか否かを判定する前記比較処理を実行し、 前記ロック解除手段が、 前記比較処理によって前記基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と前記入力生体情報とが同一であると判定され、かつ、前記データベースに受信されたユーザ情報と一致するユーザ情報が登録されていると判定された場合に、前記ロック対象ユーザによる認証処理のロックを解除する、認証システム。 【請求項4】 請求項1又は2に記載の認証システムにおいて、 前記入力生体情報及び前記基準生体情報がいずれも顔画像に関する情報である、認証システム。 【請求項5】 各ユーザの認証を実行するプログラムであって、 ユーザ毎に、ユーザを識別する識別情報と、各ユーザの経年変化が生ずる同一種の生体情報であってデータ化するタイミングが異なる複数の生体情報が順次登録されている基準生体情報と、ユーザ毎に設定されたキー情報であって認証を行う際に用いる基準キー情報と、が対応付けられて登録情報として予め登録されるデータベースを管理する管理手段、 前記各ユーザによって入力された入力情報を受信する受信手段、 特定ユーザの前記認証を実行する際に、前記受信された入力情報に含まれる識別情報に基づいて前記データベースを検索し、当該識別情報に対応する基準キー情報と、当該受信された入力情報に含まれるキー情報を示す入力キー情報と、に基づいて、当該特定ユーザにおける認証処理を実行する認証処理手段、 前記認証処理によって前記特定ユーザの認証が失敗と判定された場合であって所与の条件を具備した場合には、当該特定ユーザにおける所与の条件を具備した以降の前記認証処理の実行を拒否してロックするロック制御手段、 前記認証処理がロックされているユーザを示すロック対象ユーザの前記識別情報及び前記生体情報を示す入力生体情報が前記入力情報として受信された場合に、当該ロック対象ユーザの識別情報に基づいて前記データベースを検索し、当該識別情報に対応する基準生体情報の少なくともいずれか又は当該基準生体情報に基づいて生成された、前記生体情報のモデルを示すモデル情報と当該ロック対象ユーザの入力生体情報とを比較する比較処理を実行する比較処理手段、及び、 前記比較処理によって前記基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と前記入力生体情報とが同一であると判定された場合に、前記ロック対象ユーザによる認証処理のロックを解除するロック解除手段、 としてコンピュータとして機能させ、 前記ロック制御手段が、 前記ロックされた際に当該ロックの状況を示すロック状況情報を前記ロック対象ユーザに提供し、かつ、当該ロック対象ユーザの識別情報に対応付けて当該ロック状況情報を基準ロック状況情報として前記データベースに登録し、 前記比較処理手段が、 前記識別情報及び前記入力生体情報とともに前記提供されたロック状況情報を示す入力ロック状況情報が前記入力情報として受信された場合に、前記ロック対象ユーザの識別情報に一致する識別情報に対応付けて、前記入力ロック状況情報と一致する基準ロック状況情報が前記データベースに登録されているか否かを判定する前記比較処理を実行し、 前記ロック解除手段が、 前記比較処理によって前記基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と前記入力生体情報とが同一であると判定され、かつ、前記入力ロック状況情報と一致する前記基準ロック状況情報が前記データベースに登録されていると判定された場合に、前記ロック対象ユーザによる認証処理のロックを解除する、ことを特徴とするプログラム。 【請求項6】 ユーザにおける認証処理がロックされた場合にその解除を行うサーバ装置と、ユーザ毎に、ユーザを識別する識別情報と、各ユーザの経年変化が生ずる同一種の生体情報であってデータ化するタイミングが異なる複数の生体情報が順次登録されている基準生体情報と、ユーザ毎に設定されたキー情報であって認証を行う際に用いる基準キー情報と、が対応付けられて登録情報として予め登録されるデータベースと、ネットワークを介して接続される端末装置であって、 ユーザによって入力された入力情報を受け付ける入力受付手段と、 特定ユーザの前記認証を実行する際に、前記受け付けた入力情報に含まれる識別情報に基づいて前記データベースを検索し、当該識別情報に対応する基準キー情報と、当該受け付けた入力情報に含まれるキー情報を示す入力キー情報と、に基づいて、当該特定ユーザにおける認証処理を実行する認証処理手段と、 前記認証処理によって前記特定ユーザの認証が失敗と判定された場合であって所与の条件を具備した場合には、当該特定ユーザにおける所与の条件を具備した以降の前記認証処理の実行を拒否してロックするロック制御手段と、 前記サーバ装置から送信された前記認証処理のロックを解除するためのロック解除通知を受信する通信制御手段と、 前記受信されたロック解除通知に基づいて前記認証処理のロックを解除するロック解除手段と、 を備え、 前記ロック制御手段が、 前記サーバ装置と連動して、前記認証処理がロックされた際に当該ロックの状況を示すロック状況情報を、前記特定ユーザの識別情報に対応付けて、基準ロック状況情報として、前記データベースに登録し、 前記通信制御手段が、 前記認証処理がロックされている際に、前記受け付けた識別情報及び前記生体情報を示す入力生体情報とともに、前記ロック状況情報を示す入力ロック状況情報を、前記入力情報として、前記サーバ装置に送信し、 前記サーバ装置によって、(a)当該送信した識別情報に基づいて前記データベースが検索され、当該識別情報に対応する基準生体情報の少なくともいずれか又は当該基準生体情報に基づいて生成された、前記生体情報のモデルを示すモデル情報と前記ユーザの入力生体情報とを比較する比較処理が実行され、(b)当該比較処理によって前記基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と前記入力生体情報とが同一であると判定され、かつ、(c)前記入力情報の識別情報に一致する識別情報に対応付けて、前記入力ロック状況情報と一致する基準ロック状況情報が前記データベースに登録されていると判定された場合に、当該サーバ装置から送信された前記ロック解除通知を受信することを特徴とする端末装置。 【請求項7】 ユーザにおける認証処理がロックされた場合にその解除を行うサーバ装置と、ユーザ毎に、ユーザを識別する識別情報と、各ユーザの経年変化が生ずる同一種の生体情報であってデータ化するタイミングが異なる複数の生体情報が順次登録されている基準生体情報と、ユーザ毎に設定されたキー情報であって認証を行う際に用いる基準キー情報と、が対応付けられて登録情報として予め登録されるデータベースと、ネットワークを介して接続される端末装置を、 ユーザによって入力された入力情報を受け付ける入力受付手段、 特定ユーザの前記認証を実行する際に、前記受け付けた入力情報に含まれる識別情報に基づいて前記データベースを検索し、当該識別情報に対応する基準キー情報と、当該受け付けた入力情報に含まれるキー情報を示す入力キー情報と、に基づいて、当該特定ユーザにおける認証処理を実行する認証処理手段、 前記認証処理によって前記特定ユーザの認証が失敗と判定された場合であって所与の条件を具備した場合には、当該特定ユーザにおける所与の条件を具備した以降の前記認証処理の実行を拒否してロックするロック制御手段、 前記サーバ装置から送信された前記認証処理のロックを解除するためのロック解除通知を受信する通信制御手段、及び、 前記受信されたロック解除通知に基づいて前記認証処理のロックを解除するロック解除手段、 として機能させ、 前記ロック制御手段が、 前記サーバ装置と連動して、前記認証処理がロックされた際に当該ロックの状況を示すロック状況情報を、前記特定ユーザの識別情報に対応付けて、基準ロック状況情報として、前記データベースに登録し、 前記通信制御手段が、 前記認証処理がロックされている際に、前記受け付けた識別情報及び前記生体情報を示す入力生体情報とともに、前記ロック状況情報を示す入力ロック状況情報を、前記入力情報として、前記サーバ装置に送信し、 前記サーバ装置によって、(a)当該送信した識別情報に基づいて前記データベースが検索され、当該識別情報に対応する基準生体情報の少なくともいずれか又は当該基準生体情報に基づいて生成された、前記生体情報のモデルを示すモデル情報と前記ユーザの入力生体情報とを比較する比較処理が実行され、(b)当該比較処理によって前記基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と前記入力生体情報とが同一であると判定され、かつ、(c)前記入力情報の識別情報に一致する識別情報に対応付けて、前記入力ロック状況情報と一致する基準ロック状況情報が前記データベースに登録されていると判定された場合に、当該サーバ装置から送信された前記ロック解除通知を受信する、ことを特徴とするプログラム。 【請求項8】 ユーザにおける認証処理に用いる端末装置と、 ネットワークを介して前記端末装置と接続され、前記認証処理がロックされた場合にその解除を行うサーバ装置と、 を備え、 前記サーバ装置が、 ユーザ毎に、ユーザを識別する識別情報と、各ユーザの経年変化が生ずる同一種の生体情報であってデータ化するタイミングが異なる複数の生体情報が順次登録されている基準生体情報と、ユーザ毎に設定されたキー情報であって認証を行う際に用いる基準キー情報と、が対応付けられて登録情報として予め登録されるデータベースを管理する管理手段と、 前記各ユーザによって入力され、前記端末装置から送信された入力情報を受信する受信手段と、 特定ユーザの前記認証を実行する際に、前記受信された入力情報に含まれる識別情報に基づいて前記データベースを検索し、当該識別情報に対応する基準キー情報と、当該受信された入力情報に含まれるキー情報を示す入力キー情報と、に基づいて、当該特定ユーザにおける認証処理を実行する認証処理手段と、 前記認証処理によって前記特定ユーザの認証が失敗と判定された場合であって所与の条件を具備した場合には、当該特定ユーザにおける所与の条件を具備した以降の前記認証処理の実行を拒否してロックするロック制御手段と、 前記認証処理がロックされているユーザを示すロック対象ユーザの前記識別情報及び前記生体情報を示す入力生体情報が前記入力情報として受信された場合に、当該ロック対象ユーザの識別情報に基づいて前記データベースを検索し、当該識別情報に対応する基準生体情報の少なくともいずれか又は当該基準生体情報に基づいて生成された、前記生体情報のモデルを示すモデル情報と当該ロック対象ユーザの入力生体情報とを比較する比較処理を実行する比較処理手段と、 前記比較処理によって前記基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と前記入力生体情報とが同一であると判定された場合に、前記ロック対象ユーザによる認証処理のロックを解除するロック解除手段と、 を備え、 前記ロック制御手段が、 前記ロックされた際に当該ロックの状況を示すロック状況情報を前記ロック対象ユーザに提供し、かつ、当該ロック対象ユーザの識別情報に対応付けて当該ロック状況情報を基準ロック状況情報として前記データベースに登録し、 前記比較処理手段が、 前記識別情報及び前記入力生体情報とともに前記提供されたロック状況情報を示す入力ロック状況情報が前記入力情報として受信された場合に、前記ロック対象ユーザの識別情報に一致する識別情報に対応付けて、前記入力ロック状況情報と一致する基準ロック状況情報が前記データベースに登録されているか否かを判定する前記比較処理を実行し、 前記ロック解除手段が、 前記比較処理によって前記基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と前記入力生体情報とが同一であると判定され、かつ、前記入力ロック状況情報と一致する前記基準ロック状況情報が前記データベースに登録されていると判定された場合に、前記ロック対象ユーザによる認証処理のロックを解除する、ことを特徴とする認証管理通信システム。」 第3 異議申立理由の概要 本件発明1は,甲第1号証(特開2009-64336号公報),甲第2号証(特表2010-541046号公報),甲第3号証(特開2007-41925号公報),甲第5号証(特開2011-145906号公報),甲第6号証(特開2007-310630号公報),甲第7号証(特開2012-234235号公報),甲第8号証(特開2011-65387号公報),甲第9号証(NEC,「顔認証ソリューション for オフィス」を発売),甲第10号証(FRVT 1:N Identification)および甲第11号証(NIST Special Publication 800-63A)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 本件発明2は,甲第1号証および甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 本件発明3,4は,甲第1号証~甲第4号証(特開2003-186846号公報)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 本件発明5~8は,甲第1号証~甲第3号証および甲第5号証~甲第11号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。 したがって,本件発明1~本件発明8は,特許法29条2項の規定に違反して登録されたものであるから,同法113条2号の規定により登録を取り消されるべきものである。 第4 文献の記載 1 甲第1号証(特開2009-64336号公報)に記載された事項 甲第1号証には,次の事項の記載が認められる。(下線は当審で付加。以下同様。) A 「【0012】 以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。 〔本発明の実施の形態〕 図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の機能構成の例を示す図である。図1の画像形成装置100は、例えば、認証要求受付手段110、認証手段120、及び、ロックアウト制御手段130を有する。画像形成装置110は、さらに、設定手段140、管理手段150、情報保持手段160、及び、通知手段170を有してもよい。 【0013】 認証要求受付手段110は、操作者からの認証要求を受け付ける手段である。認証要求受付手段110は、例えば、操作者によって画像形成装置100が有する図示しないオペレーションパネル等の入力手段から入力される認証要求を受け付ける。認証要求受付手段110は、またさらに、画像形成装置100が有するICカードリーダ等の所定の認証方法に対応するデバイスからの認証要求を受け付ける。 【0014】 認証手段120は、認証要求受付手段110によって受け付けられた認証要求に基づいて、例えば、その認証要求に含まれる識別情報及びパスワード等と、情報保持手段160によって保持される識別情報及びパスワード等を照合することにより、認証を行う。 【0015】 ロックアウト制御手段130は、認証が失敗した操作者のアカウントによる機能の使用を拒否することにより、そのアカウントをロックアウトする。ロックアウト制御手段130は、アカウント毎に対応するロックアウト条件に基づいて、そのアカウントをロックアウトする。ロックアウト条件は、例えば、認証を所定の回数以上失敗した場合にロックアウトする等である。 【0016】 ロックアウト制御手段130は、また例えば、認証が成功したアカウントであっても、そのアカウントによりログインしている操作者が予め設定されている不正操作を所定の回数行った場合には、そのアカウントをログアウトさせて機能の使用を拒否することにより、ロックアウトしてもよい。これにより、なりすましによる不正な操作者を排除することができる。不正操作とは、例えば、紙幣のコピー等の違法な操作でもよく、また例えば、そのアカウントの操作者が通常では行わない操作でもよい。 【0017】 ロックアウト制御手段130は、またさらに、不正な操作者と判断されたアカウントに対し、例えば、USBポート等、外部へのデータ出力を行うポート、又は、ソフトウェアをインストールするためのポート等の使用を拒否してもよい。これにより、画像形成装置の内部に保持される情報の流出を防ぐことができ、又は、不正なソフトウェアをインストールされることを防ぐことができる。 【0018】 ロックアウト制御手段130は、またさらに、ロックアウトされているアカウントが所定の認証方法による認証に成功した場合には、その操作者に対し、予め設定されている機能に対する使用の拒否を解除する。 【0019】 これにより、例えば、誤って不正なパスワードを連続して入力することによりロックアウトされたアカウントに対して、管理者による確認を行うことなく、一部の機能の使用を許可することができる。したがって、管理者によるロックアウト解除の手間を軽減することができる。また、使用の拒否が解除される機能を好適に設定することにより、画像形成装置の使用の形態に応じて、セキュリティを保持することができる。」 …中略… 【0025】 なお、認証方法に対応するデバイスとは、例えば、ICカードリーダ、生体認証装置等である。ICカードによる認証方法とは、例えば、社員証等のIDカードがICカードの形態を有する場合に、そのICカードに記録されている識別情報及び/又はパスワード等によって照合される認証方法である。」 B 「【0123】 (利用制限レベルを設定する画面の例) 図12は、ロックアウトポリシーのうち、利用制限レベルを設定する際に表示される画面の例である。図12の画面C1は、ロックアウトポリシー又はロック解除ポリシーの設定を開始する際の画面の例である。画面C1において、ロックアウトポリシーの「変更」が選択され実行されることにより、画面C2に遷移する。 【0124】 画面C2は、ロックアウトポリシーを設定する画面である。画面C2において、「ロックアウト機能」の項目は、「システム」が選択されており、共通ポリシーによって定められている値が選択される。一方、「認証失敗許容回数」の項目は、共通ポリシーによって定められる値となることが設置されているため、アカウント毎に設定することはできない。画面C2において、「次へ」が選択され実行されることにより、画面C3に遷移する。 【0125】 画面C3の「ロック中の利用制限」は、ロックアウト中に認証に成功した場合に、使用を許可される機能のレベルを設定する項目である。ここで「レベル」が選択され実行されることにより、画面C4に遷移する。 【0126】 また、画面C3のうち「通知タイミング」は、ロックアウト状態に係る情報を通知するタイミングを設定する項目である。「発生時」が選択された場合には、ロックアウト状態になった時、又は、ロックアウトが解除された時等、ロックアウトに係る状態が変更された場合に、通知が行われる。一方、「まとめて」が選択されると、所定の時間毎に、その時間内に発生した、ロックアウトに係る状態の変化の情報が通知される。 【0127】 通知タイミングは、例えば、以下の例があげられる。 1. 認証失敗許容回数に近づいた場合。例えば、ロックアウトされる2回前の認証失敗時。 2. ロックアウトされた時。 3. ロックアウト中に所定の認証方法による認証が成功した時。 4. 所定の時間毎。例えば、5時間毎。 【0128】 また、通知先は、そのアカウントの操作者本人に対応するメールアドレス、又は、ファクシミリ番号等のアドレスの他に、管理者のアドレスでもよい。 【0129】 画面C4は、個別使用機能を、利用制限レベルにより設定する画面である。画面C4では、コピー機能及びFAX機能の利用制限レベルの項目が設けられている。コピー機能の利用制限レベルは、「個別設定」が選択されているため、アカウント毎に設定してよい。一方、FAX機能の利用制限レベルは、「システム」が選択され、レベルの値は、共通ポリシーによって設定される値が選択されている。 【0130】 (ロックアウト中の認証方法等を設定する画面の例) 図13は、ロックアウト中の認証方法等を設定する際に表示される画面の例である。図13の画面D1は、図12の画面C1において「ロック解除ポリシー」の「変更」が選択され実行された場合に表示される。画面D1の「本人確認手段」の項目は、認証手段を選択する項目である。ここでは、ICカードによる認証、又は、指紋による生体認証の何れか一を選択することができる。」 C 「 [図:0001384245000001.jpg] 図2」 D 「 [図:0001384245000002.jpg] 図3」 E 「 [図:0001384245000003.jpg] 図12」 F 「 [図:0001384245000004.jpg] 図13」 2 甲1発明 (1)上記記載事項A~Fのうち,特に下線部の記載より,甲第1号証には,次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているといえる。 「認証要求受付手段110,認証手段120,及び,ロックアウト制御手段130を有する画像形成装置100であって, 認証要求受付手段110は,操作者からのオペレーションパネル等の入力手段から入力される認証要求やICカードリーダ,生体認証装置等の所定の認証方法に対応するデバイスからの認証要求を受け付け, 認証手段120は,認証要求受付手段110によって受け付けられた認証要求に基づいて,認証要求に含まれる識別情報及びパスワード等と,情報保持手段160によって保持される識別情報及びパスワード等を照合することにより,認証を行い, ロックアウト制御手段130は,認証が失敗した操作者のアカウントによる機能の使用を拒否することにより,そのアカウントをロックアウトし,当該ロックアウトは,アカウント毎に対応するロックアウト条件に基づいて,そのアカウントをロックアウトし, 前記ロックアウト条件は,認証を所定の回数以上失敗した場合にロックアウトする等であり, ロックアウト制御手段130は,認証が成功したアカウントであっても,そのアカウントによりログインしている操作者が予め設定されている不正操作を所定の回数行った場合には,そのアカウントをログアウトさせて機能の使用を拒否することにより,ロックアウトを行い,不正な操作者と判断されたアカウントに対し外部へのデータ出力を行うポート,又は,ソフトウェアをインストールするためのポート等の使用を拒否してもよく,ロックアウトされているアカウントが所定の認証方法による認証に成功した場合には,その操作者に対し,予め設定されている機能に対する使用の拒否を解除し, 利用制限レベルを設定する際に表示される画面には,ロックアウト状態に係る情報を通知するタイミングを設定する「通知タイミング」の項目が表示され,当該画面において,「発生時」が選択された場合には,ロックアウト状態になった時,又は,ロックアウトが解除された時等,ロックアウトに係る状態が変更された場合に,通知が行われるよう設定され,当該通知タイミングは,例えば,ロックアウトされた時であり, ロックアウト中の認証方法等を設定する際に表示される画面では,指紋による生体認証を選択することができる 画像形成装置100。」 3 甲第2号証(特表2010-541046号公報)に記載された事項 甲第2号証には,次の事項の記載が認められる。 A 「【0072】 無許可ユーザが適切な図形サブセットを推測することを防ぐために、認証のために図形を選択する試みを失敗した後には、電子デバイスは、表示された図形の分布を変更させてもよいし、図形を変化させてもよい(例えば、異なる色または輪郭を用いる、など)。電子デバイスは、適切な図形サブセットを選択する試みに特定の回数失敗した後に、デバイスをロックしてよい。ロックされると、ユーザは、デバイスを再度有効にするためにデバイスをホストに接続する(例えば、携帯型デバイスを据え付け型デバイスに接続する)必要があってもよいし、デバイスを再度有効にするために別の認証システム(例えば、生体認証システムなど)を用いる必要があってもよい。 【0073】 一部の実施形態においては、特定の図形を選択するのではなく、ユーザは、スクリーンの所定の部分に位置する図形を単に選択してもよい。例えば、ユーザは、実際に表示されている図形と無関係に、いくつかの図形位置に1または複数の指を置いてよい。別の例として、ユーザは、電子デバイスに表示された特定の図形上に1または複数の指を置いて、表示されている図形と無関係に、所定の方法で1または複数の指を動かしてもよい(例えば、1または複数の指をスライドしてよい)。さらに別の例として、ユーザは、ディスプレイの所定の位置に配置されたいくつかの図形を連続的に選択してもよい(例えば、所定のパターンを形成するように特定の位置の図形を選択する、など)。一部の実施形態において、電子デバイスは、ユーザが1または複数の指を用いて1または複数のパターンをその上に描きうる空白または一様なディスプレイ画面を提供してもよい。かかる方法は、表示された図形で視覚的に引きつけることにより、無許可ユーザを混乱させたり注意をそらしたりすることができる。 【0074】 一部の実施形態において、電子デバイスは、代替的または追加的に、ユーザから受信した入力の時間的パターンに基づいて、ユーザを認証してもよい。例えば、ユーザは、認証のために、特定の速度で特定の回数の入力を提供してよい。電子デバイスは、任意の適切な方法を用いて入力を検出してよい。例えば、電子デバイスは、デバイスの入力メカニズムを用いて提供された入力(例えば、タッチスクリーンが受けた入力)を検出してよい。別の例として、電子デバイスは、デバイスの適切なセンサ(例えば、加速度計)によって検出された動き、接触、振動、または、その他の衝撃から入力を検出してもよい。かかる方法において、ユーザは、デバイスの任意の部分(または、デバイスが置かれているテーブルなど、デバイスと接触する物体)をタップ(たたく)してよく、デバイスのセンサが、それらのタップを検出して、許可された時間的パターンに対応しているか否かを判定する。さらに別の例として、電子デバイスは、デバイスのセンサ(例えば、加速度計またはジャイロスコープ)を用いて、特定の方法(例えば、2回振った後に回転させる、など)で動かされたことを検出してよい。正確な時間的パターンの検出に応答して、電子デバイスは、制限されたリソースへのアクセスを提供してよい。 【0075】 一部の実施形態において、認証システムは、認証のための時間的パターンおよび視覚的パターンを組み合わせてもよい。例えば、ユーザは、或る特定の速度(例えば、最初の2つの図形を素早く、次いで、休止した後に、最後の2つを同時に選択)で、特定の表示された図形を選択するよう要求されてよい。別の例として、ユーザは、最初に適切な図形を選択し、次いで時間的パターンの入力を提供するよう要求されてもよい。さらに別の例として、ユーザは、1または複数の図形を選択し、デバイスを動かす(例えば、デバイスを振る)よう要求されてもよい。任意の他の適切な組み合わせの入力が、認証のために要求されてもよい。 【0076】 電子デバイスは、任意の適切な方法を用いて、許可ユーザに対して視覚的または時間的パターンを設定してよい。一部の実施形態において、ユーザが、特定のデバイスリソースへのアクセスを制限するために時間的または視覚的パターンを用いると選択した場合、電子デバイスは、時間的または視覚的パターンを提供または選択するようユーザに指示してよい。例えば、電子デバイスは、ユーザがパターンを形成するために選択できる図形の属性(例えば、色または輪郭)のリストを提供してよい。別の例として、電子デバイスは、表示された図形を選択するか時間的パターンを提供するようユーザに指示して、受信した入力からパターンを抽出または特定してもよい。電子デバイスは、ユーザが、意図的に行ったこと、および、選択したパターンを記憶していることを保証するために、パターンを受け付ける前に複数回提供するようユーザに指示してもよい。 【0077】 電子デバイスは、任意の適切な数およびタイプの認証システムを備えてよい。例えば、電子デバイスは、上述の認証システムまたは認証方法の内の1つ、複数、または、すべてを備えてよい。様々なリソースへのアクセスが、1または複数の認証システムを用いて制限されてよく、用いられる認証システムは、ユーザが選択または設定してよい。一部の実施形態において、特定の制限されたリソースへのアクセスが提供される前に、複数の認証システムが連続的に用いられてもよい。 【0078】 図15は、本発明の一実施形態に従って、ユーザを認証するための方法の一例を示すフローチャートである。処理1500は工程1502で始まる。工程1504で、電子デバイスは、デバイスのユーザを特定してよい。例えば、電子デバイスは、ユーザに関連づけられたユーザ名またはパスワードを受信してよい。別の例として、電子デバイスは、認証システムを用いて認証情報を受信し、受信した認証システムからユーザを特定してもよい。電子デバイスは、例えば、ユーザがデバイスを操作する時に認証情報をシームレスに取得できるように認証システムのセンサを配置することによって、ユーザからの明示的な入力を要求することなく、認証情報を自動的に受信しうる。別の例として、センサは、ユーザがセンサの視野すなわち検知領域内に入るとすぐに、ユーザの属性の特徴を検出するよう動作してもよい。一部の実施形態において、処理1500は、工程1502から工程1506に直接移行してもよい。 【0079】 工程1506で、電子デバイスは、制限されたリソースへのアクセス要求が受信されたか否かを判定してよい。例えば、電子デバイスは、ユーザが、特定のユーザに関連づけられたデータ(例えば、連絡先リストまたは他の個人情報)にアクセスするための命令を提供したか否かを判定してよい。別の例として、電子デバイスは、ユーザが、制限されたアプリケーション(例えば、管理者などの特定の階層のユーザに制限されたアプリケーション、または、特定のユーザが購入したアプリケーション)にアクセスするための命令を提供したか否かを判定してもよい。制限されたリソースにアクセスするための命令を受信していないと、電子デバイスが判定した場合、処理1500は、工程1506に戻って、ユーザから受ける入力を監視し続けてよい。 【0080】 一方、工程1506で、制限されたリソースにアクセスするための命令を受信したと、電子デバイスが判定した場合、処理1500は、工程1508に進んでよい。工程1508で、電子デバイスは、特定されたユーザがリソースへのアクセスを許可されているか否かを判定してよい。例えば、電子デバイスは、ユーザが、制限されたリソースにアクセスするのに適切な認証情報を提供したか否かを判定してよい。電子デバイスは、例えば、通常の使用中に認証情報を取得できるように、デバイスに認証センサを内蔵することによって、ユーザの知るところなく、適切な認証情報を取得してよい。特定されたユーザが許可されていないと、電子デバイスが判定した場合、処理1500は、工程1510に進んでよい。工程1510で、電子デバイスは、認証を行うようユーザに指示してよい。例えば、電子デバイスは、認証システム(例えば、上述の認証システムのいずれか)に認証情報を提供するようユーザに指示してよい。一部の実施形態において、電子デバイスは、ユーザによる複数の入力を検出し、それらの入力が、許可ユーザに関連づけられたパターンを有しているか否か、または、許可ユーザに関連づけられた属性を共有しているか否かを判定してよい(例えば、ユーザが、許可ユーザの属性またはパターンに対応する適切な入力を提供したか否かを判定する、または、入力の属性またはパターンが、許可ユーザに関連づけられた属性またはパターンと適合するか否かを判定する)。次いで、処理1500は、ユーザが適切な認証情報を提供したか否かを判定する工程1508に戻ってよい。 【0081】 一方、工程1508で、ユーザが許可されていると、電子デバイスが判定した場合、処理1500は、工程1512に進んでよい。工程1512で、電子デバイスは、要求された制限されたリソースへのアクセスをユーザに提供してよい。例えば、電子デバイスは、個人データへのアクセスまたはユーザに固有のアプリケーションへのアクセスをユーザに提供してよい。次いで、処理1500は、工程1514で終了してよい。」 B 「 [図:0001384245000005.jpg] 図15」 4 甲第3号証(特開2007-41925号公報)に記載された事項 甲第3号証には,次の事項の記載が認められる。 A 「【0087】 図9は、前記指紋登録・照合装置による指紋画像照合処理を示すフローチャートである。 【0088】 イメージ読み取り装置14により被験者の指紋画像が読み取られ、図3(A)に示すように、入力指紋画像データGとして入力指紋画像メモリ13aに記憶されると(ステップP1)、前記図7における画質評価処理に移行されて当該入力指紋画像データGが適切な画質の指紋画像であるか否かの評価判定処理が実施され(ステップPS)、画質評価の判定OKが通知されたか、または判定NGが通知されたか判断される(ステップP2)。 【0089】 ここで、画質評価判定NGが通知された場合には、指紋画像の読み取りNGを示すメッセージが表示部15に表示され、被験者に対し指紋画像の照合のための再入力が促される(ステップP2→P1)。 【0090】 一方、画質評価判定OKが通知された場合には、今回の指紋画像の読み取りOKを示すメッセージが表示部15に表示されると共に、当該入力指紋画像データGが照合指紋画像データBとして照合指紋画像メモリ13nに記憶された後、登録指紋画像メモリ13m(図6参照)に記憶されている最新の登録指紋画像データA3との間での照合処理が実施される(ステップP2→P3)。 【0091】 すなわち、この照合処理(ステップP3)では、まず、図4(A)に示すように、照合指紋画像メモリ13nに記憶された照合指紋画像データBに対して、基準マスク領域メモリ13oに記憶定義されている基準マスク情報に基づき、当該照合指紋画像Bの重心位置(Gx,Gy)を基準にした9つの基準マスク領域B0,B1,…,B8が配置される。そして、この照合指紋画像B上での9つの基準マスク領域B0,B1,…,B8それぞれの部分画像に対して、登録指紋画像メモリ13mに記憶されている先頭(最新)の照合指紋画像A3上で最大の相関係数が算出される各最大相関(位置)領域A0,A1,…,A8が、各基準マスク毎に、図4(B)に示すように検出され最大相関領域メモリ13pに記憶される。すると、照合指紋画像Bに配置した基準マスク領域B0,B1,…,B8相互間の位置関係XYB1,…,XYB8と、登録指紋画像A3上で検出された最大相関(位置)領域A0,A1,…,A8相互間の位置関係XYA1,…,XYA8が算出され、各位置関係XYB:XYAの類似度Rが算出されて照合類似度メモリ13qに記憶される(ステップP3)。 【0092】 すると、前記照合類似度メモリ13qに記憶された照合類似度R(位置ずれ「小」→類似度「大」)が類似度既定値メモリ13rに予め設定された閾値THR以上であるか否か判断され、登録指紋画像A3に対する照合指紋画像Bの一致判定、または不一致判定がなされる(ステップP4)。 【0093】 ここで、前記照合類似度Rが予め設定された閾値THR以上でないと判断され、照合指紋画像Bの最新の登録指紋画像A3に対する不一致判定がなされた場合には、登録指紋画像メモリ13mに用意されている3つの登録指紋画像A1,A2,A3の全てについて照合処理(3回)を行ったか否か判断される(ステップP4→P5)。 【0094】 そしてこの時点で、登録指紋画像メモリ13mに用意されている3つの登録指紋画像A1,A2,A3に基づいた3回の照合処理が終了していないと判断された場合には、その2番目の登録指紋画像データA2との間での照合処理が前記同様に実施される(ステップP5→P3)。 【0095】 そして、この2番目の登録指紋画像データA2に対しての照合指紋画像データBの照合類似度Rも予め設定された閾値THR以上でないと判断された場合には、さらに3番目の登録指紋画像データA1との間での照合処理が前記同様に実施される(ステップP4→P5→P3)。 【0096】 ステップP4において、3つの登録指紋画像データA3,A2,A1の何れかに対しての照合指紋画像データBの照合類似度Rが予め設定された閾値THR以上であると判断され、当該照合指紋画像Bの登録指紋画像Anに対する一致判定がされた場合には、照合OKのメッセージが表示部15に表示される(ステップP4→P6)。 【0097】 そして、今回照合一致判定された照合指紋画像データBが先頭(最新)の登録指紋画像データA1として図6に示すように登録指紋画像メモリ13mに追加記憶されると共に、これまでの3番目の登録指紋画像データA1が削除されて更新される(ステップP7)。」 B 「 [図:0001384245000006.jpg] 図6」 C 「 [図:0001384245000007.jpg] 図7」 5 甲第4号証(特開2003-186846号公報)に記載された事項 甲第4号証には,次の事項の記載が認められる。 A 「【0019】また、各ユーザ端末11は、例えばUIM(User Identity Module)と称されるICカードといった、情報記憶媒体が接続可能に構成されている。この情報記憶媒体には、各ユーザ端末11の利用者が有する生体的特徴(例えば、指紋、掌紋、虹彩、声紋、顔の輪郭など)を示すバイオメトリクスからなるバイオ情報や、各利用者の個人情報(例えば、氏名、性別、住所、電話番号、生年月日など)、公開鍵暗号方式の秘密鍵などの各種情報を記憶させることができる。さらに、ユーザ端末11は、認識対象者となる各ユーザ端末11の利用者から、バイオ情報を直接取得するための機構を備えている。こうした機構としては、例えば、外部から音声を取り込むマイクロフォン、及び、取り込んだ音声から認識対象者に固有の特徴量(声紋)を特定するためのプロセッサやソフトウェアより構成されるものを用いることができる。或いは、画像を取り込むためのカメラ、及び、取り込んだ画像から認識対象者に固有の特徴量(指紋、掌紋、虹彩、顔の輪郭など)を特定するためのプロセッサやソフトウェアより構成されるものを用いてもよい。このほか、各ユーザ端末11を操作する利用者に固有の特徴量を特定する任意の機構を用いることができる。」 B 「【0046】新たな顧客の登録が完了したサービス提供装置14は、例えば処理制御部142が新たに登録された顧客に宛てた電子メールを作成し、通信制御部141により送信する。こうして、ユーザ端末11の利用者には、顧客登録の完了が通知される(L9)。以上のようにして、ユーザ端末11の利用者がサービス提供装置14上に新たな顧客として登録され、インターネット・バンキングやオンライン・トレードなどの金融取引といった、各種のサービスを提供することができる。 【0047】上記第1の実施の形態では、ユーザ端末11に接続される情報記憶媒体にバイオ情報と個人情報を記憶させて、ユーザ端末11上でバイオ情報と個人情報を用いた認証を行うようにしている。これに対して、バイオ情報や個人情報などをセンター側に設けられたデータベース等に格納して、利用者の認証を行うようにしてもよい。以下、センター側に各種の情報を格納して利用者の認証を行う一例として、この発明の第2の実施の形態に係る顧客登録システムについて説明する。 【0048】図7は、この発明の第2の実施の形態に係る顧客登録システムにおける登録処理装置12の構成を示す図である。ここで、第1の実施の形態と同一の構成には同一の符号が付されている。図示するように、この登録処理装置12では、処理制御部122に機関登録部122bが設けられている。機関登録部122bは、ユーザ端末11(或いは入出力処理部124)から受け取った各種の情報をユーザ端末11の利用者毎に関連付け、サービス管理装置13が備える利用者DB133aに格納させることにより、各ユーザ端末11の利用者をセンター側で登録するためのものである。」 6 甲第5号証(特開2011-145906号公報)に記載された事項 甲第5号証には,次の事項の記載が認められる。 A 「【0048】 メッセージ表示部41は、「認証失敗回数が設定値を超えました。安全のため口座をロックします」というメッセージを表示し、口座をロックしたことを利用者に通知する。 はいボタン42は、入力された「はい」の入力信号を制御部102に送る。」 B 「【0067】 利用者が認証種類選択画面10内の「取消」を選択せず(ステップS4:Yes)、媒体挿入、口座番号入力のどちらかを行うと、ATM100は、口座番号を取得する(ステップS5)。媒体挿入された場合は口座番号を読み取り、口座番号が入力された場合は入力された口座番号を取得する。そして、ATM100は、ロック口座判定(ステップS101)へと移行する。 【0068】 図6に示すように、ATM100は、ホストコンピュータ120と通信し、取得した口座番号がロックされている口座かどうかを判定するロック口座判定を実行する(ステップS101)。 【0069】 この口座のロックは、利用者以外が口座取引を行う事を防止するための機能である。予め利用者が設定した回数以上の認証失敗により口座のロックが実行される。口座がロックされるプロセスについての説明は後述する図9の説明で行う。口座がロックされている間、利用者は如何なる取引も出来ない。このため、再び取引を行うために、利用者はロックを解除する必要がある。 【0070】 ロック口座判定でロック口座であると判定した場合(ステップS101:Yes)、ATM100は、操作部103に、口座ロックを解除するかどうかを問う再認証画面20(図3(B)参照)を表示する(ステップS102)。」 C 「【0097】 次にATM100は、ホストコンピュータ120と通信し、金融口座凍結手段として機能して口座ロック(ステップS406)を行う。この口座ロックで、ATM100は、口座ロックを解除しない限り当該口座での全取引を行えないよう設定する。この設定は、ホストコンピュータ120が記憶するその利用者の口座データについて、ロック状態(使用不可)とデータ登録することで実行する。 【0098】 そして、ATM100は、口座をロックしたことを通知するため、操作部103に、図3(D)に示される口座ロック通知画面40を表示する(ステップS407)。 口座ロック通知画面40の「はい」が選択されると、ATM100は、再認証画面表示(ステップS102)へ移行する。」 D 「【0104】 また、認証に失敗した場合に日時と場所、認証失敗回数を記録し、認証失敗回数が予め登録した認証に失敗しても良い回数を超えたとき、口座をロックし、口座ロック解除を行うまで一切の取引の実行を不可能に口座ロックすることができる。これにより、認証を何度もためして不正利用されることを防止できる。 【0105】 また、口座ロックしても、最も高い認証レベルの認証でロック解除できるため、利用者は自分の意思で口座ロックを解除することができる。このため、行員を相手に煩雑な手続きをする必要が無く、口座ロックの解除時に利用者と行員双方の利便性も損なわれない。また、ロック解除のときに最も高い認証レベルで認証するため、他人により口座ロックが解除されるリスクを低減することができる。 【0106】 また、口座ロック時に通帳やカードなどの媒体が回収可能な状態であれば回収するため、以後媒体が不正に利用されることを防ぐことができる。」 7 甲第6号証(特開2007-310630号公報)に記載された事項 甲第6号証には,次の事項の記載が認められる。 A 「【0008】 本発明は、このようなこのような課題を解決するためになされたものであり、契約者の本人認証機能を備えたインターネットバンキング等の取引システムにおいて、不正アクセスに関する情報を契約者に速やかに通知するとともに、ログイン失敗により認証機能がロックされた場合に、契約者本人による認証機能のリカバリを可能にするための、本人認証機能のリカバリシステム及びリカバリ方法を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 このような課題を解決する本発明は、契約者の本人認証機能を備えた取引システムと、前記取引システムへのログイン失敗により認証機能がロックされた際に再ログインのためのリカバリ情報を表示するためのサブシステムとからなる本人認証機能のリカバリシステムであって、前記取引システムは、契約者毎に、本人認証のための認証情報と、前記契約者に情報を通知するための通知先と、認証機能ロックの有無と、リカバリ権限の有無と、前記リカバリ情報を表示するリカバリ情報ファイルの記憶領域を指定したアドレス情報と、を少なくとも含む契約者情報を記憶する契約者情報記憶手段と、ログイン失敗の操作が所定の条件に合致すると、前記契約者情報記憶手段において対応する契約者の契約者情報の認証機能ロックを有、リカバリ権限を有とし、新たなアドレス情報を記憶させ、前記契約者情報に記憶された通知先に前記アドレス情報を含むリカバリ通知を送信するリカバリ通知送信手段と、前記サブシステムに、前記アドレス情報により指定される記憶領域に、前記契約者と前記契約者に付与されたリカバリ権限を識別するためのリカバリ権限情報が埋め込まれたリカバリ情報ファイルを記憶させることを要求するリカバリ情報要求手段と、契約者の操作する端末から、前記リカバリ権限情報が付与された認証機能のロックを解除するためのリカバリ要求を受信するリカバリ要求受信手段と、前記リカバリ要求に付与されたリカバリ権限情報から契約者を特定し、前記契約者情報記憶手段において対応する契約者の契約者情報を参照し、リカバリ権限が有となっていて、かつリカバリ権限情報から識別されるリカバリ権限を所定の契約者情報と照合して所定の条件に一致することを確認すると、正当なリカバリ要求であると判定するリカバリ権限判定手段と、前記リカバリ権限判定手段が正当なリカバリ要求であると判定すると、前記端末に再ログインのための認証情報の入力画面を表示させる再ログイン画面表示手段と、前記端末から、前記入力画面に入力された認証情報を受信すると、前記契約者情報記憶手段において対応する契約者の契約者情報に含まれる認証情報と照合して、認証情報が一致する場合には、前記契約者情報に含まれる認証機能ロックを無に、かつリカバリ権限を無に更新する認証機能リカバリ手段と、を備えていて、前記サブシステムに記憶されたリカバリ情報ファイルは、所定の期間が経過すると前記アドレス情報を指定してもアクセス不可となるよう設定されていることを特徴とするリカバリシステムである。」 8 甲第7号証(特開2012-234235号公報)に記載された事項 甲第7号証には,次の事項の記載が認められる。 A 「【0032】 次に、ステップS204では、代替認証手段の提供可否の判定を行う。これは、ステップS203にて、指の置き方や皮膚の状態が登録時と微妙に異なるために本人拒否となった可能性があると判定した場合に、ID・PW認証の手段、つまり、代替認証を利用者に提供するものである。 【0033】 ここでは、まず認証スコアリスト180に記録された認証スコア182の全てと、認証設定情報150の第二閾値152とを比較する。そして、第二閾値152以上となる認証スコアを抽出し、利用者候補リスト190を生成する。利用者候補リスト190の例を図9に示す。 【0034】 そして、利用者候補リスト190のメンバ数が1以上の場合は、指の置き方や皮膚の状態が登録のときと微妙に異なるために本人拒否となった可能性があると判定する。この場合、利用者IDとPWによる代替認証への切替を許可し、ステップS205に進む。一方、利用者候補リストのメンバ数が0の場合は、本人拒否ではないと判定し、ステップS209に進む。 【0035】 次に、ステップS205では、代替認証に必要な利用者IDとPW情報を取得する。ここでは、クライアント400の画面にて、利用者に利用者IDとPWの入力を促す表示を行う。利用者が利用者IDとPWを入力すると、これらはクライアント400のサーバアクセス制御部452により認証サーバ100に送信される。 【0036】 次に、ステップS206では、クライアント400より取得した利用者IDが、生体認証を行った利用者自身のIDであるかチェックを行う。これは、悪意のある利用者が生体認証を試み、ステップS204の代替認証許可判定で認証スコアが第二閾値以上と判定された場合に、他人の利用者IDとPWを指定して不正にログインすることを防ぐためのチェック機構である。 【0037】 ここでは、認証サーバ100のID・PW認証処理部132にて、クライアント400より取得した利用者IDが利用者候補リスト190に存在するか否かの判定を行う。存在する場合は、利用者自身による認証試行であるとみなし、ステップS207に進む。存在しない場合は、悪意のある利用者が他人の利用者IDを入力したものとみなし、ステップS209に進む。 【0038】 ステップS207では、クライアント400より取得した利用者IDとPWによるID・PW認証を行う。ここでは、認証サーバ100のID・PW認証処理部132にて、クライアント400より取得した利用者IDとPWが、認証サーバ100内に登録された利用者情報140の利用者IDとPWと一致するか否かの判定を行う。一致する場合は、認証成功と判定し、当該利用者IDを証結果データ170に格納し、ステップS208に進む。一致しない場合は、認証失敗と判定し、ステップS209に進む。 【0039】 ステップS208では、認証結果データ(成功)の生成を行う。認証結果データ170の例を図10に示す。ここでは、認証結果データ170の認証結果171に“Success”を、時刻173に現在時刻をそれぞれ格納し、認証処理を終了する。 【0040】 ステップS209では、認証結果データ(失敗)の生成を行う。ここでは、認証結果データ170の認証結果171に“Error”を、時刻173に現在時刻をそれぞれ格納し、認証処理を終了する。 【0041】 なお、本実施形態においては、ステップS206のIDチェックを行った後にステップS207のID・PW認証処理を行う方式としたが、本順序を逆にしてもよい。即ち、クライアント400より取得した利用者IDとPWが、認証サーバ100内に登録された利用者情報140の利用者IDとPWと一致するか否かの判定を行った後に、同利用者IDが利用者候補リスト190に存在するか否かの判定を行ってもよい。そして、ID・PW認証に成功且つIDチェックに成功した場合に認証結果を“成功”とし、ID・PW認証に成功且つIDチェックに失敗した場合に認証結果を“条件つき成功”とし、ID・PW認証に失敗した場合に認証結果を“失敗”とすることが考えられる。これにより、“条件つき成功”の場合には、クライアントに提供する業務サービスを制限する運用や、管理者や利用者に電子メールでアラームを通知する運用等が考えられる。 【0042】 また、本実施形態においては、ステップS205にて利用者が利用者IDとパスワードの両方を入力する態様としたが、パスワードを入力させる態様としてもよい。即ち、ステップS205後に、ステップS206のIDチェックを行わずに、ステップS207のID・PW認証を行ってもよい。この場合、ステップS207のID・PW認証にて、利用者候補リスト190の利用者IDとクライアント400より取得したPWの組み合わせが、認証サーバ100内に登録された利用者情報140の利用者IDとPWと一致するか否かの判定を行う方式が考えられる。これにより、利用者IDの入力が不要となるので、代替認証実行時の利用者の負担を軽減することが可能である。 【0043】 また、本実施形態においては、生体認証の試行を一回としているが、リトライ可能としてもよい。例えば、ステップS203の生体認証に失敗した場合に、一定回数のリトライを許容し、それ以上連続して失敗した場合にステップS204に遷移するようにしてもよい。この場合、複数試行内で得られた認証スコアの最大値を最大認証スコアとする等の運用が考えられる。 【0044】 また、本実施形態においては、利用者候補リスト190の生成をステップS204の代替認証許可判定時に行う方式としたが、ステップS203の生体認証時に行ってもよい。即ち、生体認証時の認証スコアの比較を第一閾値151と第二閾値152の双方と行い、生体認証の成否と代替認証の許可の両方を判定することも本発明の範疇に含まれる。 【0045】 また、本実施形態においては、クライアントサーバ型のシステム構成としたが、認証サーバ100と業務サーバ200とクライアント400の機能を1台の端末が提供するスタンドアロン構成としても本発明を利用することができる。 【0046】 また、本実施形態においては、生体認証に指紋を取り上げたが、その他、掌形、静脈パターン、顔、顔、耳介、虹彩、網膜、DNA、声紋、署名等の生体認証でも本発明を利用することができる。」 9 甲第8号証(特開2011-65387号公報)に記載された事項 甲第8号証には,次の事項の記載が認められる。 A 「【0032】 認証関連情報保持部80は、認証処理システム1の各ユーザの認証情報及び権限情報を保持するものである。認証関連情報保持部80に保持される認証情報は、ユーザ情報(ユーザID)とパスワードの組としてもよいし、公開鍵暗号、共通鍵暗号方式の鍵情報や、生体認証情報等の多様な形態の認証情報としてよい。 【0033】 図3には、認証関連情報保持部80に保持される権限情報の一例を示した。図3に示されるように、権限情報は、ユーザ情報に関連づけて、当該ユーザ情報により識別されるユーザに許可される処理を定めたテーブルとして構成されることとしてよい。図3に示した例では、権限情報は、ユーザ情報毎に、各処理の利用の可否を定めたテーブルとして構成することとしているが、権限情報は上記の形態に限らず他の形態を用いてもよい。 【0034】 ユーザ管理情報保持部82は、ユーザ情報毎に他のユーザ情報を関連づけたユーザ管理情報を保持したものである。例えばユーザ管理情報は、ユーザによる入力に基づいて生成されることとしてよい。 【0035】 図4には、ユーザ管理情報保持部82により保持されるユーザ管理情報の一例を示した。図4に示されるように、ユーザ管理情報は、ユーザID(主たるユーザ情報)に関連づけて、1又は複数のサブユーザID(従たるユーザ情報)を格納したテーブルとして構成されることとしてよい。ユーザIDとサブユーザIDとは同種のアカウント情報としてもよいし、ユーザIDを認証処理システム1のログインID、サブユーザIDを認証処理システム1の認証を受けて利用するシステム(サービス)のユーザIDのように、それぞれが異なるシステムのユーザ情報であることとしてもよい。 【0036】 認証要求受付部84は、画像処理装置20から認証対象のユーザの認証情報を受け付けるものである。例えば認証対象のユーザは、画像処理装置20に認証対象のユーザのアカウント情報を含む認証情報を格納したICカードをかざして認証情報を入力することとしてよい。また、認証対象のユーザは、認証情報の入力の際に利用する画像処理装置20の処理をさらに指定することとしてもよい。こうした場合には、認証要求受付部84は、認証情報と共に上記指定された処理の情報を受け付けることとしてもよい。 【0037】 認証部86は認証要求受付部84により受け付けられた認証情報に基づく認証処理を行うものである。認証部86は、上記受け付けた認証情報に基づいて、認証関連情報保持部80の記憶内容を参照し、当該認証情報が適正であるか否かを判定するものである。例えば、認証部86は、認証情報としてユーザIDとパスワードの組を受け付けた場合には、認証関連情報保持部80を参照して当該受け付けたユーザIDとパスワードの組が適正である場合には認証が通った(成功した)と判定し、適正でなかった場合には認証が通らなかった(失敗した)と判定することとしてよい。 【0038】 ユーザ情報検索部88は、認証部86により認証対象ユーザの認証が通った場合に、当該認証対象ユーザのユーザ情報に基づいて、ユーザ管理情報保持部82に保持されるユーザ管理情報の中から関連するユーザ情報を検索するものである。例えば、ユーザ情報検索部88は、ユーザ管理情報の中から認証対象ユーザのユーザIDを格納したレコードを検索し、当該検索されたレコードに含まれる各サブユーザIDを抽出する。そして、ユーザ情報検索部88は、上記抽出した各サブユーザIDに基づいて、ユーザ管理情報の中から当該サブユーザIDをユーザIDの欄に含むレコードを検索し、当該レコードのユーザIDを検索結果として得ることとしてよい。また、ユーザ情報検索部88は、上記抽出した各サブユーザIDに基づいて、ユーザ管理情報の中から当該サブユーザIDをサブユーザIDの欄に含むレコードを検索し、当該レコードのユーザIDを検索結果として得ることとしてもよい。 【0039】 認証結果情報生成部90は、認証部86による認証結果と、ユーザ情報検索部88による検索結果に基づいて認証結果情報を生成するものである。例えば、認証結果情報生成部90は、認証対象ユーザの認証が通った場合には、その旨に加えて、ユーザ条件検索部により検索されたユーザIDのリスト、さらに少なくとも認証対象ユーザの権限情報を含めて認証結果情報を生成することとしてよい。また、認証結果情報生成部90は、認証対象ユーザの認証が通らなかった場合には、認証エラーである旨を示す認証結果情報を生成することとしてよい。 【0040】 認証結果情報送信部92は、認証結果情報生成部90により生成された認証結果情報を画像処理装置20に送信するものである。 【0041】 次に、画像処理装置20に備えられた機能について説明する。図2に示されるように、画像処理装置20は、認証情報取得部94、認証要求部96、認証結果情報受信部98、認証履歴管理部100、第1利用可否判定部102、第2利用可否判定部104、および処理実行部106を備える。上記の各部の機能は、画像処理装置20に備えられたCPU、メモリ、ネットワークインターフェイス等のハードウェアを用いて、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されるものとしてよい。なお、プログラムは情報記憶媒体によってコンピュータたる画像処理装置20に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信手段を介して供給されることとしてもよい。 【0042】 認証情報取得部94は、認証対象ユーザの認証情報を取得するものである。例えば、認証情報取得部94は、認証対象ユーザの認証情報が格納されたICカードから、ICカードリーダ76により認証情報を読み出して取得することとしてもよいし、認証対象ユーザの入力に基づいて認証情報を取得することとしてもよい。なお、認証情報は、ユーザIDとパスワードの組であってもよいし、公開鍵暗号方式、共通鍵暗号方式や生体認証等の様々な認証方式に基づくものであってもよい。 【0043】 認証要求部96は、認証情報取得部94により取得された認証情報に対する認証を認証装置10に要求するものある。例えば、認証要求部96は、認証情報取得部94により取得された認証情報を認証装置10に送信することにより上記要求を行うこととしてよい。 【0044】 認証結果情報受信部98は、認証要求部96により行われた認証要求に対して、認証装置10により行われた認証処理の結果生成された認証結果情報を受信するものである。 【0045】 認証履歴管理部100は、認証結果情報受信部98により受信された認証結果情報に基づいて、ユーザ情報毎の認証結果の履歴を管理するものである。認証履歴管理部100は、認証結果情報受信部98により受信された認証結果情報に、認証対象ユーザの認証許可、及び関連するユーザ情報のリストが含まれる場合に、当該各ユーザ情報について認証結果を関連づけて記録し管理するものである。認証履歴管理部100は、履歴情報を記録するデータ領域が不足した場合には、古い情報から順に上書きすることとしてもよいし、使用回数の少ないユーザ情報から順に上書きすることとしてもよい。また、認証履歴管理部100は、履歴情報を記録するデータ領域が不足した場合には、認証対象ユーザの認証結果を優先的に記録し、当該認証対象ユーザに関連して検索されたユーザ情報については記録できるだけ記録するようにしても構わない。 【0046】 図5には、認証履歴管理部100により管理される認証履歴データの一例を示した。図5に示されるように、認証履歴データは、ユーザIDに関連づけて、当該ユーザIDに設定された権限情報と、認証日時とを格納したテーブルとして構成されることとしてよい。図5に示した例では、「userA」に関連づけて検索された「userC」及び「XYZ」については「userA」の権限情報を関連づけることとしているが、認証結果情報に各ユーザ情報に対応する権限情報が含まれている場合にはその権限情報に従うこととしてもよい。認証日時は、認証処理を行った日時であってもよいし、認証結果情報を受信した日時であってもよい。」 B 「【0052】 図6には、画像処理装置20の利用可否判定処理のフローチャートを示した。図6に示されるように、画像処理装置20は、例えば認証対象ユーザのICカードから認証対象ユーザの認証情報を取得し(S101)、取得した認証情報を外部の認証装置10に送信して認証を要求する(S102)。画像処理装置20は、上記の認証要求に対して認証装置10において行われた認証処理の結果返信された認証結果情報を受信し(S103)、当該認証結果情報を参照して認証対象ユーザの認証が通ったか否かを判定する(S104)。 【0053】 画像処理装置20は、認証対象ユーザの認証が通ったと判定する場合には(S104:Y)、認証結果情報に含まれる各ユーザ情報についての認証結果を認証管理テーブルに追加して記録し(S105)、認証対象ユーザに画像処理装置20の利用を許可する(S106)。 【0054】 一方で、画像処理装置20は、認証対象ユーザの認証が通らなかったと判定する場合には(S104:N)、さらに、認証対象ユーザのユーザ情報を記録された認証履歴と照合するか否かを判定する(S107)。ここで、画像処理装置20は、上記照合を行うと判定する場合には(S107:Y)、認証対象ユーザのユーザ情報と照合するレコードを認証履歴データの中から検索し(S108)、照合するレコードがあった場合には(S109:Y)、認証対象ユーザに画像処理装置20の利用を許可する(S106)。一方で、S107で照合をしないと判定する場合(S107:N)や、S109で照合するレコードがなかった場合には(S109:N)、認証対象ユーザに画像処理装置20の利用を許可しないこととする(S110)。なお、S107において、認証装置10から認証が通らなかった旨を示す通知を受けた場合や、画像処理装置20がネットワークに接続していない場合に、照合をしないと判定することとしてよい。 【0055】 図7には、認証装置10により行われる認証処理のフローチャートを示した。図7に示されるように、認証装置10は、画像処理装置20から認証対象ユーザの認証情報を受け付け(S201)、受け付けた認証情報を認証関連情報保持部80に保持される情報に基づいて検証する(S202)。認証装置10は、受け付けた認証情報が適正であると検証した場合には(S203:Y)、認証対象ユーザに関連づけて記憶されたユーザ情報を検索し(S204)、認証が通ったユーザ情報と共に上記検索されたユーザ情報を含む認証結果情報を画像処理装置20に送信する(S205)。一方で、認証装置10は、S203で受け付けた認証情報が適正でないと検証した場合には(S203:N)、認証が通らなかった旨を画像処理装置20に送信する(S206)。 【0056】 図8Aは、図7のユーザ情報の検索処理(S204)の第1の例を示したフローチャートである。図8Aに示されるように、画像処理装置20は、認証対象ユーザのユーザIDに関連づけられているサブユーザIDを抽出し(S301)、当該抽出したサブユーザIDのうち未処理のものを1つ選択する(S302)。次に、画像処理装置20は、上記選択したサブユーザIDがユーザ管理情報にユーザIDとして記憶されているレコードを検索する(S303)。画像処理装置20は、S303でレコードが検索された場合には(S304:Y)、当該検索されたレコードに含まれるユーザIDを関連ユーザとして記憶する(S305)。そして、画像処理装置20は、未処理のサブユーザIDがあると判定する場合には(S306:Y)、処理S302に戻ってそれ以降の処理を繰り返し、未処理のサブユーザIDがないと判定する場合には(S306:N)、記憶された関連ユーザをリストとして生成し(S307)、リターンする。 【0057】 図8Bは、図7のユーザ情報の検索処理(S204)の第2の例を示したフローチャートである。図8Bに示されるように、画像処理装置20は、認証対象ユーザのユーザIDに関連づけられているサブユーザIDを抽出し(S401)、当該抽出したサブユーザIDのうち未処理のものを1つ選択する(S402)。次に、画像処理装置20は、上記選択したサブユーザIDがユーザ管理情報にサブユーザIDとして記憶されているレコードを検索する(S403)。画像処理装置20は、S403でレコードが検索された場合には(S404:Y)、当該検索されたレコードに含まれるユーザIDを関連ユーザとして記憶する(S405)。そして、画像処理装置20は、未処理のサブユーザIDがあると判定する場合には(S406:Y)、処理S402に戻ってそれ以降の処理を繰り返し、未処理のサブユーザIDがないと判定する場合には(S406:N)、記憶された関連ユーザをリストとして生成し(S407)、リターンする。 【0058】 ユーザ情報の検索処理は、図8Aや図8Bに示した例に限られるものではなく、図8Aと図8Bのいずれかの検索方法で検索されたユーザIDを関連ユーザとして得ることとしてもよい。また、認証対象ユーザのユーザIDに関連づけられたサブユーザIDに基づいて検索されたユーザIDに基づいて、さらに関連するユーザIDを検索することとしてもよい。この際には、検索処理の繰り返し回数を予め定めておくこととしてもよいし、検索されたユーザIDの数が予め定めた上限値に達した場合に検索処理を終了することとしてもよい。」 10 甲第9号証に記載された事項 甲第9号証(NEC、「顔認証ソリューション for オフイス」を発売(https://jpn.nec.com/press/201810/20181025_02.html))には,次の事項の記載が認められる。 A 「(2)「顔認証ソリューション for オフィス」を支えるNECの顔認証ソリューションの強化 顔認証PCセキュリティソフトウェア「NeoFace Monitor」 「NeoFace Monitor」はPC向けの顔認証ソフトウェアです。今回の強化では、顔認証によりPCログオンだけでなくアプリケーションへのログインにも利用可能となり、アプリケーションを立ち上げるごとにID/パスワードを入力する手間が省けます。また、既存のIDカード認証と顔認証の混在利用も可能です。 出入口のセキュリティゲートの解錠を行う「NeoFace Access Control」 「NeoFace Access Control」はビルの出入口で顔認証を使い入退場を行うためのパッケージ製品です。今回新たにAPI連携に対応し、外部認証システムと連携して入退場の制御や、外部管理システムから入退者情報の取得や登録などを行うことができます(注4)。また、冷却ファンを内蔵したモデルの製品化により、背面や側面に空間を設けることが不要となり、設置の自由度が向上します(注5)。 顔認証システムを容易に導入できる「NeoFace顔認証システム導入セット」 「NeoFace顔認証システム導入セット」は顔認証ソフトウェアをプリインストールしたアプライアンスサーバと導入サービスをセットにした製品です。入退室機能モデルは、フロアや会議室などの入退室時にドア解錠ができるモデルです。今回の強化では、利用者の顔認証画像の自動更新による経年変化への対応、なりすましを防ぐ記録対応など、入退室時の顔認証の正確さや信頼性向上を図りました。 顔認証クラウドサービス「NeoFace Cloud」 「NeoFace Cloud」は、顔認証機能および顔認証の管理機能を提供するクラウドサービスです。今回の強化では、NeoFace Cloudの顔認証機能を活用したサービスのシリーズとして、本人確認と位置情報管理が可能な顔認証クラウドサービス「NeoFace Cloud GPS連携サービス」を提供開始します。スマートフォン/タブレット上のアプリケーションを使い、任意の勤務場所で、「誰が、いつ、どこにいたか」を正確に記録出来るようになります。 また、NeoFace Cloudでは新たなサービスとして、本人の顔画像と身分証明書の写真を照合して同一人物かどうかを判定するサービスや、顔画像から年代・性別を推定するサービス、顔認証を活用したスタンプラリーサービス、スマートデバイスへの情報配信を支援するサービスなどさまざまなメニューの拡充も予定しています。」 11 甲第10号証に記載された事項 甲第10号証(FRVT 1:N Identification, Appendix B(https://pages.nist.gov/frvt/html/frvt1N.html))には,次の事項の記載が認められる。 A “Appendix B Effect of time-lapse: Accuracy after face ageing”(117ページ) (当審訳:付録B タイムラプスの影響: 顔の老化後の精度) B (“Figure 61”~“Figure 95”として,個人の顔画像に関する,老化による変化に関するグラフが図示されている。)(118ページ~154ページ) 12 甲第11号証に記載された事項 甲第11号証(NIST Special Publication 800-63A, Digital Identity Guidelines, Enrollment and Identity Proofing Requirements)には,次の事項の記載が認められる。 A “4.5 Identity Assurance Level 3 This section is normative. IAL3 adds additional rigor to the steps requred at IAL2, to include providing further evidence of superior strength, and is subujecet to additional and specific processes(including the use of biometrics) to further protect the identity and RP from impersonation, fraud, or other significantly harmful damages. Biometrics are used to detect fraudulent enrollments, duplicate enrollments, and as a mechanism to re-establish binding to a credential. In addition, identity proofing at IAL3 is peformed in-person(to include supervised remote). See Section 5.3.3 for more details.”(13ページ下から3行~14ページ上から3行) (当審訳:「4.5 アイデンティティ保証レベル3 このセクションは,規範的である。 IAL3は,IAL2で要求される手順にさらに厳密さを追加する。その要求とは,優れた強度のさらなる証拠を提供することを含み,なりすまし,詐欺,またはその他の重大な損害からIDとRPをさらに保護するため,追加の特定のプロセス(生体認証の使用を含む)に向けられる。バイオメトリクスは,不正な登録や重複した登録を検出するため,およびクレデンシャルへのバインドを再確立するためのメカニズムとして使用される。加えて,IAL3での身元証明は対面で実行される(監視されたリモートを含む)。詳細については,セクション5.3.3を参照のこと。」) 第5 当審の判断 1 本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 甲1発明の「操作者」は,本件発明1の「ユーザ」に相当する。 イ 甲1発明の「画像形成装置100」は,「認証要求受付手段110,認証手段120,及び,ロックアウト制御手段130を有」し,当該「認証手段120」が,「認証要求に基づいて,認証要求に含まれる識別情報及びパスワード等と,情報保持手段160によって保持される識別情報及びパスワード等を照合することにより,認証を行」うものであるから,上記アの認定を踏まえると,本件発明1と甲1発明とは,“各ユーザの認証を実行する認証システム”である点で一致するといえる。 ウ 甲1発明の「認証要求受付手段110」は,「操作者からの操作者からのオペレーションパネル等の入力手段から入力される認証要求やICカードリーダ,生体認証装置等の所定の認証方法に対応するデバイスからの認証要求を受け付け」,甲1発明の「認証手段120」は,「認証要求に含まれる識別情報及びパスワード等と,情報保持手段160によって保持される識別情報及びパスワード等を照合することにより,認証を行」うところ,当該「識別情報」,「パスワード等」及び「情報保持手段160」は,それぞれ,本件発明1の「ユーザを識別する識別情報」,「ユーザ毎に設定されたキー情報であって認証を行う際に用いる基準キー情報」及び「データベース」に相当し,「認証要求」には「識別情報及びパスワード等」が含まれていて,甲1発明は,「情報保持手段160」,すなわちデータベースを管理する管理手段を有することは明らかであるから,本件発明1と甲1発明とは,下記の点(相違点1)で相違するものの,“ユーザ毎に,ユーザを識別する識別情報と,ユーザ毎に設定されたキー情報であって認証を行う際に用いる基準キー情報と,が対応付けられて登録情報として予め登録されるデータベースを管理する管理手段”を備える点で一致するといえる。 エ 甲1発明の「認証要求受付手段110」は,「操作者からのオペレーションパネル等の入力手段から入力される認証要求」を「受け付け」るものであるところ,当該「認証要求」は,“ユーザによって入力された入力情報”といい得ることから,本件発明1と甲1発明とは,“前記各ユーザによって入力された入力情報を受信する受信手段”を備える点で一致する。 オ 甲1発明の「認証要求に含まれる識別情報」は,上記エの認定を踏まえれば,本件発明1の「受信された入力情報に含まれる識別情報」に相当する。 甲1発明の「認証手段120」は,「認証要求に含まれる識別情報及びパスワード等と,情報保持手段160によって保持される識別情報及びパスワード等を照合することにより,認証を行」うものであるところ,当該「情報保持手段160によって保持される識別情報及びパスワード等」の「照合」は,上記ウの認定に鑑みれば,データベースを検索して行われることが当業者にとって自明であり,当該データベースに保存される,認証に係る,例えばユーザに対応付けられたユーザID等の識別情報に基づいて認証が行われるものと理解される。 してみれば,本件発明1と甲1発明とは,“特定ユーザの前記認証を実行する際に,前記受信された入力情報に含まれる識別情報に基づいて前記データベースを検索し,当該識別情報に対応する基準キー情報と,当該受信された入力情報に含まれるキー情報を示す入力キー情報と,に基づいて,当該特定ユーザにおける認証処理を実行する認証処理手段”を備える点で一致する。 カ 甲1発明の「ロックアウト制御手段130」は,「認証が失敗した操作者のアカウントによる機能の使用を拒否することにより,そのアカウントをロックアウト」するところ,当該「認証が失敗した操作者」は本件発明1の「認証が失敗と判定された」「特定ユーザ」に相当するといえ,「そのアカウントをロックアウト」することは,“特定ユーザにおける所与の条件を具備した以降の認証処理の実行を拒否してロックする”ことにほかならない。 また,甲1発明の「当該ロックアウト」は,「アカウント毎に対応するロックアウト条件に基づいて,そのアカウントをロックアウト」するところ,当該「ロックアウト条件」は,本件発明1の「所与の条件」に相当するといえるから,以上を総合して,本件発明1と甲1発明とは,“前記認証処理によって前記特定ユーザの認証が失敗と判定された場合であって所与の条件を具備した場合には,当該特定ユーザにおける所与の条件を具備した以降の前記認証処理の実行を拒否してロックするロック制御手段”を備える点で一致する。 キ 甲1発明の「ロックアウト制御手段130」は,「認証が失敗した操作者のアカウントによる機能の使用を拒否することにより,そのアカウントをロックアウト」するものであるところ,当該「認証が失敗した操作者」は,本件発明1の「認証処理がロックされているユーザ」といえ,甲1発明の「認証手段120」が,認証を行うにあたり,当該「認証が失敗した操作者」の識別情報が入力されて,「情報保持手段160」が検索されることになるから,上記ウ~カの認定を踏まえれば,本件発明1と甲1発明とは,下記の点(相違点2)で相違するものの,“前記認証処理がロックされているユーザを示すロック対象ユーザの前記識別情報が前記入力情報として受信された場合に,当該ロック対象ユーザの識別情報に基づいて前記データベースを検索する処理手段”を備える点で一致するといえる。 ク 甲1発明の「ロックアウト制御手段130」は,「ロックアウトされているアカウントが所定の認証方法による認証に成功した場合には,その操作者に対し,予め設定されている機能に対する使用の拒否を解除」するところ,当該「予め設定されている機能に対する使用の拒否を解除」することは,本件発明1の「前記ロック対象ユーザによる認証処理のロックを解除する」ことにほかならないから,本件発明1と甲1発明とは,下記の点(相違点3)で相違するものの,“前記ロック対象ユーザによる認証処理のロックを解除するロック解除手段”を備える点で一致するといえる。 ケ 甲1発明は,「利用制限レベルを設定する際に表示される画面」を表示した上,「ロックアウト状態に係る情報を通知するタイミング」である,「通知タイミング」として,「ロックアウトされた時」を設定することができるものであり,「認証を所定の回数以上失敗」するなどして,「ロックアウト」したときに,所定の通知がユーザに対して行われることは自明であるから,本件発明1と甲1発明とは,下記の点(相違点3)で相違するものの,“前記ロック制御手段”が,“前記ロックされた際に当該ロックの状況を示すロック状況情報を前記ロック対象ユーザに提供する”点で一致するといえる。 コ 以上,上記ア~ケの対比より,本件発明1と甲1発明とは,以下の一致点及び相違点を有する。 〈一致点〉 各ユーザの認証を実行する認証システムであって, ユーザ毎に,ユーザを識別する識別情報と,ユーザ毎に設定されたキー情報であって認証を行う際に用いる基準キー情報と,が対応付けられて登録情報として予め登録されるデータベースを管理する管理手段と, 前記各ユーザによって入力された入力情報を受信する受信手段と, 特定ユーザの前記認証を実行する際に,前記受信された入力情報に含まれる識別情報に基づいて前記データベースを検索し,当該識別情報に対応する基準キー情報と,当該受信された入力情報に含まれるキー情報を示す入力キー情報と,に基づいて,当該特定ユーザにおける認証処理を実行する認証処理手段と, 前記認証処理によって前記特定ユーザの認証が失敗と判定された場合であって所与の条件を具備した場合には,当該特定ユーザにおける所与の条件を具備した以降の前記認証処理の実行を拒否してロックするロック制御手段と, 前記認証処理がロックされているユーザを示すロック対象ユーザの前記識別情報が前記入力情報として受信された場合に,当該ロック対象ユーザの識別情報に基づいて前記データベースを検索する処理手段と, 前記ロック対象ユーザによる認証処理のロックを解除するロック解除手段と, を備え, 前記ロック制御手段が, 前記ロックされた際に当該ロックの状況を示すロック状況情報を前記ロック対象ユーザに提供することを特徴とする認証システム。 〈相違点1〉 本件発明1の「データベース」には,「ユーザ毎に設定されたキー情報であって認証を行う際に用いる基準キー情報」に加えて,「各ユーザの経年変化が生ずる同一種の生体情報であってデータ化するタイミングが異なる複数の生体情報が順次登録されている基準生体情報」が登録されているのに対し,甲1発明の「情報保持手段160」には,「生体認証装置等の所定の認証方法に対応するデバイスからの認証要求」に用いられる生体情報がどのように保持されているのか明らかでない点。 〈相違点2〉 本件発明1の「比較処理手段」は,「比較処理を実行する」にあたり,「認証処理がロックされているユーザを示すロック対象ユーザの」「生体情報を示す入力生体情報」と「当該識別情報に対応する基準生体情報の少なくともいずれか又は当該基準生体情報に基づいて生成された、前記生体情報のモデルを示すモデル情報と当該ロック対象ユーザの入力生体情報とを比較する」ものであるのに対し,甲1発明の「認証手段120」は,「認証が失敗した操作者」による「生体認証装置等の所定の認証方法に対応するデバイスからの認証要求」を受け付けた場合に,当該要求をどのように処理するのか明らかでない点。 〈相違点3〉 本件発明1の「ロック制御手段」は,「当該ロック対象ユーザの識別情報に対応付けて当該ロック状況情報を基準ロック状況情報として前記データベースに登録」すると共に,「比較処理手段」が,「前記識別情報及び前記入力生体情報とともに前記提供されたロック状況情報を示す入力ロック状況情報が前記入力情報として受信された場合に、前記ロック対象ユーザの識別情報に一致する識別情報に対応付けて、前記入力ロック状況情報と一致する基準ロック状況情報が前記データベースに登録されているか否かを判定する前記比較処理を実行し」,「ロック解除手段」が,「前記比較処理によって前記基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と前記入力生体情報とが同一であると判定され、かつ、前記入力ロック状況情報と一致する前記基準ロック状況情報が前記データベースに登録されていると判定された場合に、前記ロック対象ユーザによる認証処理のロックを解除する」ものであるのに対し,甲1発明は,そのような構成が特定されていない点。 (2)判断 事案に鑑み,上記相違点3について先に検討する。 本件発明1は,従来から,指紋,瞳の中の虹彩又は顔形などの生体情報を用いてユーザを認証する認証システムなどが知られており(本件特許明細書段落【0002】),特に,最近では,生体認証システムとしては,電子マネー決済の安全性と利便性とを両立させるためのものが知られていて(【0003】),例えば,このような生体認証装置は,ユーザの第1のIDを取得するID取得部と,ユーザの第2の生体情報を取得する生体情報取得部と,ユーザの第1のIDと第1の生体情報とをあらかじめ対応づけた第1の生体情報テーブルを参照し,取得された第1のIDに対応づけられる第1の生体情報と第2の生体情報とを照合することによりユーザを認証する認証部とを備える構成を有するものが知られていることを背景とし(【0004】),このような従来技術では,単に最初に登録された生体情報と入力された生体情報とを照合しているだけであるので,加齢などの時間の経過によって身体的特徴が変化した場合には,基準となる生体情報と入力した生体情報が一致せずに,たとえ本人であっても認証拒否が発生する可能性があることを解決しようとする課題とし(【0006】),このような課題を解決するために,簡易に,確実に,かつ,永続的に本人確認を行うことができるとともに,入力ミスや不正利用などによってユーザ認証そのものがロックされた場合に,当該ロックを解除するための重要な手続きである本人確認に利用可能な認証システムを提供することを目的としてなされたものと認められる(【0007】)。 そして,本件発明1は,簡易に,確実に,かつ,永続的に本人確認を行うことができるとともに,連続的な入力ミスや不正利用などによってユーザ認証そのものがロックされた場合であっても,基準キー情報の再発行やそれに伴う手続き,又は,通話による本人確認などの他の方法による本人確認を行うことなく,ロックを解除するための重要な手続きである本人確認に生体認証を用いることができ(【0009】),最初に登録された生体情報に固定されずに,適宜異なるタイミングで登録された生体情報によって本人確認を行うことができるので,老化や状況変化などの経年によってたとえ生体情報が最初に登録された当時と異なる状況になっていても,的確に本人確認を行うことができ(【0010】),確実に,かつ,永続的に本人確認を行うことができるとともに,当該本人確認におけるユーザや認証管理者の煩雑な作業を軽減し,ユーザ及び認証管理者の利便性を向上させることができる(【0011】)といった効果を奏するものであると認められる。 そして,本件発明1は,とりわけ相違点3に係る構成,より具体的には,ロック制御処理によって認証処理がロック状態となった場合に,ロック状況情報をロック対象ユーザに提供し,かつ,当該ロック対象ユーザのユーザIDに対応付けて当該ロック状況情報を基準ロック状況情報としてデータベースに登録し(【0187】),ロック対象ユーザの端末装置から送信されたロック解除指示を受信すると,入力ユーザID及び入力生体情報とともに,認証処理がロックされた際のロック状況情報の入力を要求して(【0188】),要求した入力ユーザID及び入力生体情報とともに入力ロック状況情報を受信すると,受信した入力ユーザIDに基づいて,データベース検索して,入力ユーザIDと,認証処理がロック中であることを示すロック制御情報が対応付けられている基準ユーザIDと,が一致するか否かを判定し,受信した入力生体情報と,当該基準ユーザIDに対応付けられている複数の基準生体情報のいずれかと,の同一性を判定し,受信した入力ロック状況情報と,当該基準ユーザIDに対応付けられている基準ロック状況情報と,の同一性を判定する,本人確認処理を実行し(【0189】),本人確認処理のロック状況情報の同一性の判定として,基準ロック状況情報と入力ロック状況情報と,を比較する比較処理を実行し,比較処理によって,基準ロック状況情報と入力ロック状況情報とが同一であるか否かを判定するロック状況情報判定処理を実行する(【0190】)。そして,認証処理がロック中であることを示すロック制御情報が基準ユーザIDと対応付けて記憶されており,ロック制御部104は,本人確認処理によって,かつ,入力生体情報と,当該基準ユーザIDに対応付けられている複数の基準生体情報のいずれかと,が同一の場合であって,受信した入力ロック状況情報と基準ロック状況情報とが同一の場合には,本人確認が成功したとして,ロック中の認証処理のロックを解除するロック解除処理を実行する(【0191】)といった一連の処理によって,より確実な本人確認を行うために,入力生体情報と基準生体情報との同一性に基づくことに加えて,認証処理のロックが実行されたタイミング,そのときのユーザの操作や認証処理に関するステータス,又は,当該認証処理がロックされた際に生じたエラーを識別するためのコード(すなわち,エラーコード)などの認証処理がロックされたときのロック状況を示すロック状況情報を用いて上記の本人確認処理を実行し,ロック解除処理を実行する(【0186】)といった効果を奏するものでもある。 このような構成,とりわけ,「基準ロック状況情報」を用いることに関しては,その他,甲第2号証~甲第11号証においても記載も示唆もされておらず,また,当該技術分野における周知技術ともいえないので,本件発明1は,甲第1号証~甲第3号証および甲第5号証~甲第11号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 したがって,本件発明1は,その他相違点1及び2について判断するまでもなく,甲第1号証~甲第3号証および甲第5号証~甲第11号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 2 本件発明2~4について (1)本件発明2について 本件発明2は,本件発明1に対して,さらに「所与のタイミングに、新たに入力された入力生体情報を前記データベースに登録する登録手段を更に備え、」「前記比較処理手段が、」「前記ロック対象ユーザを含む各ユーザによって入力された前記識別情報及び前記入力生体情報が受信される毎に、当該受信された識別情報に基づいて前記データベースを検索し、当該識別情報に対応する基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と当該入力生体情報とを比較する前記比較処理を実行し、」「前記登録手段が、」「前記比較処理によって前記基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と前記入力生体情報とが同一であると判定された場合に、当該入力生体情報を、前記比較処理に用いた識別情報に対応付けられた基準生体情報として追加登録する、」という技術的事項を追加したものである。 そして,上記1(2)に示したとおり,本件発明2も,本件発明1と同様に上記相違点3に係る構成を有するものであり,当該相違点3に係る構成は,甲第1号証~甲第11号証に記載も示唆もされておらず,当該技術分野における周知技術ともいえないので,本件発明2は,甲第1号証及び甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 (2)本件発明3,4について 本件発明3は,本件発明1に対して,さらに「前記データベースには各ユーザに関するユーザ情報が基準ユーザ情報として前記識別情報に対応付けて記憶されており、」「前記比較処理手段が、」「前記識別情報及び前記入力生体情報とともに前記ユーザ情報を示す入力ユーザ情報が前記入力情報として受信された場合であって、前記ロック対象ユーザの識別情報に一致する識別情報に対応付けて、前記入力ユーザ情報と一致する基準ユーザ情報が前記データベースに登録されているか否かを判定する前記比較処理を実行し、」「前記ロック解除手段が、」「前記比較処理によって前記基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と前記入力生体情報とが同一であると判定され、かつ、前記データベースに受信されたユーザ情報と一致するユーザ情報が登録されていると判定された場合に、前記ロック対象ユーザによる認証処理のロックを解除する、」という技術的事項を追加したものであり, 本件発明4は,本件発明1に対して,さらに「前記入力生体情報及び前記基準生体情報がいずれも顔画像に関する情報である」という技術的事項を追加したものである。 そして,上記1(2)に示したとおり,本件発明3及び4も,本件発明1と同様に上記相違点3に係る構成を有するものであり,当該相違点3に係る構成は,甲第1号証~甲第11号証に記載も示唆もされておらず,当該技術分野における周知技術ともいえないので,本件発明3及び4は,甲第1号証~甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 3 本件発明5~8について (1)本件発明5について 本件発明5は,本件発明1と単にカテゴリーが異なるのみであり,上記2において検討したとおり,甲第1号証~甲第3号証および甲第5号証~甲第11号証に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得たものとはいえない。 (2)本件発明6について 本件発明6と甲1発明とは,上記1(1)の対比に鑑みれば,次の一致点及び相違点を有するものと認められる。 〈一致点〉 ユーザ毎に,ユーザを識別する識別情報と,ユーザ毎に設定されたキー情報であって認証を行う際に用いる基準キー情報と,が対応付けられて登録情報として予め登録されるデータベースと,に接続される装置であって, ユーザによって入力された入力情報を受け付ける入力受付手段と, 特定ユーザの前記認証を実行する際に,前記受け付けた入力情報に含まれる識別情報に基づいて前記データベースを検索し,当該識別情報に対応する基準キー情報と,当該受け付けた入力情報に含まれるキー情報を示す入力キー情報と,に基づいて,当該特定ユーザにおける認証処理を実行する認証処理手段と, 前記認証処理によって前記特定ユーザの認証が失敗と判定された場合であって所与の条件を具備した場合には,当該特定ユーザにおける所与の条件を具備した以降の前記認証処理の実行を拒否してロックするロック制御手段と, 前記認証処理のロックを解除するロック解除手段と, を備える装置。 〈相違点4〉 本件発明6は「ユーザにおける認証処理がロックされた場合にその解除を行うサーバ装置」を有し,これと「ネットワークを介して接続される端末装置」であるのに対し,甲1発明は,「画像形成装置100」である点。 〈相違点5〉 本件発明6の「データベース」には,「ユーザ毎に設定されたキー情報であって認証を行う際に用いる基準キー情報」に加えて,「各ユーザの経年変化が生ずる同一種の生体情報であってデータ化するタイミングが異なる複数の生体情報」が登録されているのに対し,甲1発明の「情報保持手段160」には,「生体認証装置等の所定の認証方法に対応するデバイスからの認証要求」に用いられる生体情報がどのように保持されているのか明らかでない点。 〈相違点6〉 本件発明6は,「前記サーバ装置から送信された前記認証処理のロックを解除するためのロック解除通知を受信する通信制御手段」を有すると共に,「ロック解除手段」が,当該「受信されたロック解除通知に基づいて前記認証処理のロックを解除する」のに対し,甲1発明の「ロックアウト制御手段130」は,「ロックアウトされているアカウントが所定の認証方法による認証に成功した場合には,その操作者に対し,予め設定されている機能に対する使用の拒否を解除」するものの,サーバ装置と“ロック解除通知”のやりとりを行うことが特定されていない点。 〈相違点7〉 本件発明6の「ロック制御手段」は,「前記サーバ装置と連動して、前記認証処理がロックされた際に当該ロックの状況を示すロック状況情報を、前記特定ユーザの識別情報に対応付けて、基準ロック状況情報として、前記データベースに登録」するのに対し,甲1発明は,そのような構成が特定されていない点。 〈相違点8〉 本件発明6の「通信制御手段」が,「前記認証処理がロックされている際に、前記受け付けた識別情報及び前記生体情報を示す入力生体情報とともに、前記ロック状況情報を示す入力ロック状況情報を、前記入力情報として、前記サーバ装置に送信し、」「前記サーバ装置によって、(a)当該送信した識別情報に基づいて前記データベースが検索され、当該識別情報に対応する基準生体情報の少なくともいずれか又は当該基準生体情報に基づいて生成された、前記生体情報のモデルを示すモデル情報と前記ユーザの入力生体情報とを比較する比較処理が実行され、(b)当該比較処理によって前記基準生体情報の少なくともいずれか又は前記モデル情報と前記入力生体情報とが同一であると判定され、かつ、(c)前記入力情報の識別情報に一致する識別情報に対応付けて、前記入力ロック状況情報と一致する基準ロック状況情報が前記データベースに登録されていると判定された場合に、当該サーバ装置から送信された前記ロック解除通知を受信する」のに対し,甲1発明はそのような構成が特定されていない点。 そして,上記相違点8に係る構成は,「基準ロック状況情報」を用いることに関し,上記相違点3に係る構成と共通し,当該相違点3に係る構成は,上記1(2)に説示したとおり,甲第1号証~甲第11号証に記載も示唆もされておらず,また,当該技術分野における周知技術ともいえないので,本件発明6は,甲第1号証~甲第3号証および甲第5号証~甲第11号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 (3)本件発明7について 本件発明7は,本件発明6と単にカテゴリーのみ異なるものであり,上記(2)において検討したとおり,甲第1号証~甲第3号証および甲第5号証~甲第11号証に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得たものとはいえない。 (4)本件発明8について 本件発明8は,本件発明1と,概ね,「ユーザにおける認証処理に用いる端末装置」及び「ネットワークを介して前記端末装置と接続され、前記認証処理がロックされた場合にその解除を行うサーバ装置」を有する点でのみ異なり,本件発明1と同様,上記相違点3の点で甲1発明とは異なり,そして,当該相違点3に係る構成については,上記1(2)で説示したとおり,甲第2号証~甲第11号証のいずれにも記載も示唆もされておらず,また,当該技術分野における周知技術ともいえないので,本件発明8は,甲第1号証~甲第3号証および甲第5号証~甲第11号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。 4 小括 以上のとおり,本件発明1~本件発明8は,甲第1号証~甲第11号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 むすび したがって,特許異議の申立ての理由及び証拠によっては,請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。 また,他に請求項1~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり決定する。

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2021-701059

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