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特許異議申立

2021-701046

デュアルボンダー

審判番号
2021-701046
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-515223
登録番号
6871648
請求日
2021年11月05日
審決日
2022年12月08日
公報発行日
2023年03月31日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】カート ジー.ジョア、インコーポレイテッド
  • 【権利者代理人】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
  • 【異議申立人】畑山 千里
審判長/審判官
  • 審判長 ▲吉▼澤 英一
  • 審判官 大島 祥吾
  • 審判官 三上 晶子
分類
P1651.121-YAA(B29C) / P1651.55 -YAA(B29C)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第6871648号発明「デュアルボンダー」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6871648号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-9、18〕、〔10-16〕、17について訂正することを認める。 特許第6871648号の請求項5、6、16、18に係る特許を維持する。 特許第6871648号の請求項1ないし4、7ないし15及び17に対する特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6871648号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし17に係る特許についての出願は、2017年(平成29年)9月15日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年(平成28年)9月15日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする特許出願であって、令和3年4月20日にその特許権の設定登録(請求項の数17)がされ、特許掲載公報が同年5月12日に発行され、その後、その特許に対し、同年11月5日に特許異議申立人 畑山 千里(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立て(対象請求項:全請求項)がされ、令和4年2月18日付けで取消理由が通知され、同年5月31日に特許権者 カート ジー.ジョア、インコーポレイテッド(以下、「特許権者」という。)から訂正請求がされるとともに意見書が提出され、同年6月9日付けで訂正請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)がされ、同年7月12日に特許異議申立人から意見書が提出され、同年9月29日付けで当審から訂正拒絶理由通知が通知され、同年11月15日に訂正請求書の手続補正書が提出されたものである。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正請求書に対する手続補正の適否について 令和4年9月29日付け訂正拒絶理由通知に対してなされた上記訂正請求書の手続補正は、拒絶理由の指摘のあった訂正事項を削除するとともに、取消理由の対象となった請求項自体を削除するものであるので、上記訂正請求書に対する手続補正は訂正請求の趣旨を変更するものとはいえず、訂正拒絶理由は解消している。 令和4年5月31日に提出され、同年11月15日に補正された訂正請求書を「本件訂正請求書」といい、本件訂正請求書による訂正の請求を「本件訂正請求」といい、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。 2 訂正の内容 本件訂正の内容は以下の訂正事項1ないし4のとおりである。下線は訂正部分を示す。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1ないし4、7ないし15及び17を削除する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項5に「前記第1の超音波ホーンおよび前記第1のアンビルの対と、前記第2の超音波ホーンおよび前記第2のアンビルの対の間の距離を選択的に制御するように、前記第1の超音波ホーンおよび第1のアンビルの対、または、前記第2の超音波ホーンおよび第2のアンビルの対のうち1つを加工方向に直線状に移動させるように構成された駆動装置をさらに備えること特徴とする請求項4に記載のボンディングシステム。」とあるうち、請求項1、3および4を引用するものについて、訂正後の請求項5において独立形式に改め、 「少なくとも一対のウエブ層を備えたウエブをボンディングするボンディングシステムであって、 前記ウエブに接触して超音波でボンディングするためのホーン表面を有する第1の超音波ホーンと、 ギャップを介して前記第1の超音波ホーンから離隔し、前記ウエブの加工方向への前記ギャップを通る移動を許容する第1のアンビルであって、前記第1のアンビルは、前記加工方向に対して直角である交差加工方向に延在するとともに、前記加工方向に離間し、その間に凹部を有する一対のシール面を備える、第1のアンビルと、を備え、 前記一対のシール面のそれぞれは、表面上に形成された複数の傾斜した歯部を備え、前記各傾斜した歯部は、前記加工方向に後縁および前縁を有し、前記複数の傾斜した歯部は、前記交差加工方向における前記ホーン表面の被覆を提供するように、前記加工方向に対して所定の角度Fでそれぞれ傾斜しており、 前記第1の超音波ホーンは、前記ウエブが前記ギャップを通って移動するときに、前記第1のアンビルと協働して、前記傾斜した複数の歯部に対応する複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングし、 前記一対のシール面は、第1の列に配置された前記複数の傾斜した歯部の、第1の部分を有する第1のシール面と、前記第1の列より前記加工方向の下流に位置する第2の列に配置された前記複数の傾斜した歯部の、第2の部分を有する第2のシール面と、を備え、 前記第2の列の複数の傾斜した歯部の前縁が、前記交差加工方向において、前記第1の列の複数の傾斜した歯部の後縁の間のギャップと同じ位置に配置され、前記交差加工方向における前記ホーン表面の完全な被覆を提供し、 前記第1の超音波ホーンと前記第1のアンビルとの間の前記ギャップを通って移動される前記ウエブは、使い捨て下着の複数の空白部分を一般的に画定する連続するウエブを含み、 前記超音波ホーンとともに前記一対のシール面の機能を介して形成される前記複数のボンディングポイントは、第1の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第1の側のシーム部と、前記加工方向に前記第1の側のシーム部から離隔し、第2の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第2の側のシーム部と、を含み、前記第1の使い捨て下着空白部分の前記外縁、および、前記第2の使い捨て下着空白部分の前記外縁は、互いに隣接した前記第1の側のシーム部および前記第2の側のシーム部を有し、 前記ボンディングシステムは、 第2の超音波ホーンと、 ギャップを介して前記第2の超音波ホーンから離隔し、前記ウエブの加工方向への前記ギャップを通る移動を許容する第2のアンビルであって、前記第2のアンビルは、交差加工方向に延在するとともに、前記加工方向に離隔し、その間に凹部を有する別の一対のシール面を備える、第2のアンビルと、を備え、 前記別の一対のシール面のそれぞれは、表面上に形成された複数の傾斜した歯部を備え、前記複数の傾斜した歯部は、前記交差加工方向における前記第2の超音波ホーンのホーン表面の被覆を提供するように傾斜しており、 前記第2の超音波ホーンは、前記ウエブが前記ギャップを通って移動するときに、前記第2のアンビルと協働して、前記別の一対のシール面に対応する別の複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングし、 前記第1の超音波ホーンおよび前記第1のアンビルの対と、前記第2の超音波ホーンおよび前記第2のアンビルの対の間の距離を選択的に制御するように、前記第1の超音波ホーンおよび第1のアンビルの対、または、前記第2の超音波ホーンおよび第2のアンビルの対のうち1つを加工方向に直線状に移動させるように構成された駆動装置をさらに備えること特徴とするボンディングシステム。」に訂正する。 請求項5の記載を引用する請求項6も同様に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項5に「前記第1の超音波ホーンおよび前記第1のアンビルの対と、前記第2の超音波ホーンおよび前記第2のアンビルの対の間の距離を選択的に制御するように、前記第1の超音波ホーンおよび第1のアンビルの対、または、前記第2の超音波ホーンおよび第2のアンビルの対のうち1つを加工方向に直線状に移動させるように構成された駆動装置をさらに備えること特徴とする請求項4に記載のボンディングシステム。」とあるうち、請求項2、3および4を引用するものについて、訂正後の請求項18において独立形式に改め、 「少なくとも一対のウエブ層を備えたウエブをボンディングするボンディングシステムであって、 前記ウエブに接触して超音波でボンディングするためのホーン表面を有する第1の超音波ホーンと、 ギャップを介して前記第1の超音波ホーンから離隔し、前記ウエブの加工方向への前記ギャップを通る移動を許容する第1のアンビルであって、前記第1のアンビルは、前記加工方向に対して直角である交差加工方向に延在するとともに、前記加工方向に離間し、その間に凹部を有する一対のシール面を備える、第1のアンビルと、を備え、 前記一対のシール面のそれぞれは、表面上に形成された複数の傾斜した歯部を備え、前記各傾斜した歯部は、前記加工方向に後縁および前縁を有し、前記複数の傾斜した歯部は、前記交差加工方向における前記ホーン表面の被覆を提供するように、前記加工方向に対して所定の角度Fでそれぞれ傾斜しており、 前記第1の超音波ホーンは、前記ウエブが前記ギャップを通って移動するときに、前記第1のアンビルと協働して、前記傾斜した複数の歯部に対応する複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングし、 前記一対のシール面は、前記アンビルに交換可能に固定されたアンビル挿入部の上に形成され、 前記第1の超音波ホーンと前記第1のアンビルとの間の前記ギャップを通って移動される前記ウエブは、使い捨て下着の複数の空白部分を一般的に画定する連続するウエブを含み、 前記超音波ホーンとともに前記一対のシール面の機能を介して形成される前記複数のボンディングポイントは、第1の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第1の側のシーム部と、前記加工方向に前記第1の側のシーム部から離隔し、第2の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第2の側のシーム部と、を含み、前記第1の使い捨て下着空白部分の前記外縁、および、前記第2の使い捨て下着空白部分の前記外縁は、互いに隣接した前記第1の側のシーム部および前記第2の側のシーム部を有し、 前記ボンディングシステムは、 第2の超音波ホーンと、 ギャップを介して前記第2の超音波ホーンから離隔し、前記ウエブの加工方向への前記ギャップを通る移動を許容する第2のアンビルであって、前記第2のアンビルは、交差加工方向に延在するとともに、前記加工方向に離隔し、その間に凹部を有する別の一対のシール面を備える、第2のアンビルと、を備え、 前記別の一対のシール面のそれぞれは、表面上に形成された複数の傾斜した歯部を備え、前記複数の傾斜した歯部は、前記交差加工方向における前記第2の超音波ホーンのホーン表面の被覆を提供するように傾斜しており、 前記第2の超音波ホーンは、前記ウエブが前記ギャップを通って移動するときに、前記第2のアンビルと協働して、前記別の一対のシール面に対応する別の複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングし、 前記第1の超音波ホーンおよび前記第1のアンビルの対と、前記第2の超音波ホーンおよび前記第2のアンビルの対の間の距離を選択的に制御するように、前記第1の超音波ホーンおよび第1のアンビルの対、または、前記第2の超音波ホーンおよび第2のアンビルの対のうち1つを加工方向に直線状に移動させるように構成された駆動装置をさらに備えることを特徴とするボンディングシステム。」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項16に「前記使い捨て下着の複数の空白部分のサイズに基づいた所定の距離によって、前記第1の超音波ホーンと第1のアンビルを、前記第2の超音波ホーンと第2のアンビルから、前記加工方向に離隔させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。」(請求項10、11および15を引用)と記載されているのを、訂正後の請求項16において独立形式に改め、 「複数のウエブ層を含む連続ウエブをボンディングする方法であって、 加工方向に移動速度で移動する連続ウエブを提供するステップと、 前記連続ウエブの経路に沿って、アンビルおよび超音波ホーンを提供するステップであって、前記アンビルおよび前記超音波ホーンは、前記連続ウエブの両側に位置し、前記連続ウエブが通過するギャップを提供するように離隔し、前記超音波ホーンは、前記ウエブに接触して超音波でボンディングするためのホーン表面を有する、ステップと、 前記連続ウエブが前記ギャップを通過して移動するとき、前記アンビルと共に機能する前記超音波ホーンを介して、複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングするステップと、を含み、 複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングするステップは、前記加工方向に対して直角な交差加工方向に延在するとともに、前記加工方向に互いに離間し、その間に凹部を有する前記アンビル上の一対のシール面を介して、前記複数のウエブ層をボンディングすることを含み、前記一対のシール面のそれぞれは、前記交差加工方向における前記ホーン表面の被覆を提供するように、前記加工方向に対して所定の角度Fでそれぞれ傾斜して表面上に形成された複数の傾斜した歯部の列を備え、前記各傾斜した歯部は、前記加工方向に後縁および前縁を有し、前記複数のボンディングポイントは前記傾斜した歯部の位置と対応し、 前記一対のシール面は、第1の列に配置された前記複数の傾斜した歯部の、第1の部分を有する第1のシール面と、前記第1の列より前記加工方向の下流に位置する第2の列に配置された前記複数の傾斜した歯部の、第2の部分を有する第2のシール面と、を備え、 前記第2の列の複数の傾斜した歯部の前縁が、前記交差加工方向において、前記第1の列の複数の傾斜した歯部の後縁の間のギャップと同じ位置に配置され、前記交差加工方向における前記ホーン表面の完全な被覆を提供し、 前記連続ウエブは、使い捨て下着の複数の空白部分を一般的に画定し、前記複数のボンディングポイントは、第1の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第1の側のシーム部と、前記加工方向に前記第1の側のシーム部から離隔し、第2の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第2の側のシーム部とを形成し、前記第1の使い捨て下着空白部分の外縁、および、前記第2の使い捨て下着空白部分の外縁は、互いに隣接した前記第1の側のシーム部および前記第2の側のシーム部を有し、 前記アンビルおよび前記超音波ホーンは、第1のアンビルおよび第1の超音波ホーンを備え、前記方法は、 前記連続ウエブの経路に沿って、および、前記第1のアンビルおよび前記第1の超音波ホーンから下流に、第2のアンビルおよび第2の超音波ホーンを提供するステップと、 前記第2のアンビルと共に機能する前記第2の超音波ホーンを介して、複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングするステップであって、前記複数のウエブ層は、交差加工方向に延在するとともに、前記加工方向に互いに離間し、その間に凹部を有する、前記第2のアンビル上の別の一対のシール面を介してボンディングされ、前記一対のシール面のそれぞれは、前記交差加工方向における前記第2の超音波ホーンのホーン表面の被覆を提供するように、前記加工方向に対して所定の角度でそれぞれ傾斜して表面上に形成された複数の傾斜した歯部の列を備え、前記複数のボンディングポイントは前記傾斜した歯部の位置と対応している、ステップと、 を含み、 前記複数のボンディングポイントは、前記使い捨て下着の第2の空白部分の対向する外縁に隣接する第3の側のシーム部、および、前記第3の側のシーム部から前記加工方向に離隔し、第3の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第4の側のシーム部を形成し、 前記使い捨て下着の複数の空白部分のサイズに基づいた所定の距離によって、前記第1の超音波ホーンと第1のアンビルを、前記第2の超音波ホーンと第2のアンビルから、前記加工方向に離隔させるステップをさらに含むことを特徴とする方法。」に訂正する。 2 訂正の目的、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内か否か及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について 訂正事項1による請求項1ないし4、7ないし15及び17についての訂正は、請求項1ないし4、7ないし15及び17を削除するというものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項1による請求項1ないし4、7ないし15及び17についての訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)訂正事項2について 訂正事項2に係る請求項5についての訂正は、訂正前の請求項5の記載が訂正前に引用していた一部のみの請求項1、3及び4を引用するものに減縮するとともに、請求項間の引用関係を解消して請求項1、3及び4の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許請求の範囲の減縮と他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 そして、訂正事項2による請求項5についての訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 請求項5の記載を直接引用する請求項6の訂正についても同様である。 (3)訂正事項3について 訂正事項3に係る請求項5についての訂正は、訂正前の請求項5の記載が訂正前に引用していた一部の請求項2、3及び4を引用するものについて、訂正後の請求項18において独立形式に改め、請求項間の引用関係を解消して請求項2、3及び4の記載を引用しないものとする訂正であって、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 そして、訂正事項3による請求項5についての訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)訂正事項4について 訂正事項4に係る請求項16についての訂正は、訂正前の請求項16は請求項10、11及び15を引用していたものを、請求項間の引用関係を解消して請求項10、11及び15の記載を引用しないものとするための訂正であって、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 そして、訂正事項4に係る請求項16の訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 3 むすび 以上のとおり、訂正事項1ないし4による請求項1ないし18についての訂正は、特許法120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものである。 また、訂正事項1ないし4による請求項1ないし18についての訂正は、いずれも、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5及び6項の規定に適合する。 したがって、本件訂正は適法なものであり、結論のとおり、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-9、18〕、〔10-16〕、17について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 上記第2のとおりであるから、本件特許の請求項1ないし18に係る発明(以下、順に「本件特許発明1」のようにいう。)は、それぞれ、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし18に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認める。 「【請求項1】(削除) 【請求項2】(削除) 【請求項3】(削除) 【請求項4】(削除) 【請求項5】 少なくとも一対のウエブ層を備えたウエブをボンディングするボンディングシステムであって、 前記ウエブに接触して超音波でボンディングするためのホーン表面を有する第1の超音波ホーンと、 ギャップを介して前記第1の超音波ホーンから離隔し、前記ウエブの加工方向への前記ギャップを通る移動を許容する第1のアンビルであって、前記第1のアンビルは、前記加工方向に対して直角である交差加工方向に延在するとともに、前記加工方向に離間し、その間に凹部を有する一対のシール面を備える、第1のアンビルと、を備え、 前記一対のシール面のそれぞれは、表面上に形成された複数の傾斜した歯部を備え、前記各傾斜した歯部は、前記加工方向に後縁および前縁を有し、前記複数の傾斜した歯部は、前記交差加工方向における前記ホーン表面の被覆を提供するように、前記加工方向に対して所定の角度Fでそれぞれ傾斜しており、 前記第1の超音波ホーンは、前記ウエブが前記ギャップを通って移動するときに、前記第1のアンビルと協働して、前記傾斜した複数の歯部に対応する複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングし、 前記一対のシール面は、第1の列に配置された前記複数の傾斜した歯部の、第1の部分を有する第1のシール面と、前記第1の列より前記加工方向の下流に位置する第2の列に配置された前記複数の傾斜した歯部の、第2の部分を有する第2のシール面と、を備え、 前記第2の列の複数の傾斜した歯部の前縁が、前記交差加工方向において、前記第1の列の複数の傾斜した歯部の後縁の間のギャップと同じ位置に配置され、前記交差加工方向における前記ホーン表面の完全な被覆を提供し、 前記第1の超音波ホーンと前記第1のアンビルとの間の前記ギャップを通って移動される前記ウエブは、使い捨て下着の複数の空白部分を一般的に画定する連続するウエブを含み、 前記超音波ホーンとともに前記一対のシール面の機能を介して形成される前記複数のボンディングポイントは、第1の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第1の側のシーム部と、前記加工方向に前記第1の側のシーム部から離隔し、第2の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第2の側のシーム部と、を含み、前記第1の使い捨て下着空白部分の前記外縁、および、前記第2の使い捨て下着空白部分の前記外縁は、互いに隣接した前記第1の側のシーム部および前記第2の側のシーム部を有し、 前記ボンディングシステムは、 第2の超音波ホーンと、 ギャップを介して前記第2の超音波ホーンから離隔し、前記ウエブの加工方向への前記ギャップを通る移動を許容する第2のアンビルであって、前記第2のアンビルは、交差加工方向に延在するとともに、前記加工方向に離隔し、その間に凹部を有する別の一対のシール面を備える、第2のアンビルと、を備え、 前記別の一対のシール面のそれぞれは、表面上に形成された複数の傾斜した歯部を備え、前記複数の傾斜した歯部は、前記交差加工方向における前記第2の超音波ホーンのホーン表面の被覆を提供するように傾斜しており、 前記第2の超音波ホーンは、前記ウエブが前記ギャップを通って移動するときに、前記第2のアンビルと協働して、前記別の一対のシール面に対応する別の複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングし、 前記第1の超音波ホーンおよび前記第1のアンビルの対と、前記第2の超音波ホーンおよび前記第2のアンビルの対の間の距離を選択的に制御するように、前記第1の超音波ホーンおよび第1のアンビルの対、または、前記第2の超音波ホーンおよび第2のアンビルの対のうち1つを加工方向に直線状に移動させるように構成された駆動装置をさらに備えること特徴とするボンディングシステム。 【請求項6】 前記駆動装置は、前記使い捨て下着の複数の空白部分のサイズに基づいた所定の距離によって、前記第1の超音波ホーンおよび第1のアンビルの対と、前記第2の超音波ホーンおよび第2のアンビルの対を離隔させるように構成されることを特徴とする請求項5に記載のボンディングシステム。 【請求項7】(削除) 【請求項8】(削除) 【請求項9】(削除) 【請求項10】(削除) 【請求項11】(削除) 【請求項12】(削除) 【請求項13】(削除) 【請求項14】(削除) 【請求項15】(削除) 【請求項16】 複数のウエブ層を含む連続ウエブをボンディングする方法であって、 加工方向に移動速度で移動する連続ウエブを提供するステップと、 前記連続ウエブの経路に沿って、アンビルおよび超音波ホーンを提供するステップであって、前記アンビルおよび前記超音波ホーンは、前記連続ウエブの両側に位置し、前記連続ウエブが通過するギャップを提供するように離隔し、前記超音波ホーンは、前記ウエブに接触して超音波でボンディングするためのホーン表面を有する、ステップと、 前記連続ウエブが前記ギャップを通過して移動するとき、前記アンビルと共に機能する前記超音波ホーンを介して、複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングするステップと、を含み、 複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングするステップは、前記加工方向に対して直角な交差加工方向に延在するとともに、前記加工方向に互いに離間し、その間に凹部を有する前記アンビル上の一対のシール面を介して、前記複数のウエブ層をボンディングすることを含み、前記一対のシール面のそれぞれは、前記交差加工方向における前記ホーン表面の被覆を提供するように、前記加工方向に対して所定の角度Fでそれぞれ傾斜して表面上に形成された複数の傾斜した歯部の列を備え、前記各傾斜した歯部は、前記加工方向に後縁および前縁を有し、前記複数のボンディングポイントは前記傾斜した歯部の位置と対応し、 前記一対のシール面は、第1の列に配置された前記複数の傾斜した歯部の、第1の部分を有する第1のシール面と、前記第1の列より前記加工方向の下流に位置する第2の列に配置された前記複数の傾斜した歯部の、第2の部分を有する第2のシール面と、を備え、 前記第2の列の複数の傾斜した歯部の前縁が、前記交差加工方向において、前記第1の列の複数の傾斜した歯部の後縁の間のギャップと同じ位置に配置され、前記交差加工方向における前記ホーン表面の完全な被覆を提供し、 前記連続ウエブは、使い捨て下着の複数の空白部分を一般的に画定し、前記複数のボンディングポイントは、第1の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第1の側のシーム部と、前記加工方向に前記第1の側のシーム部から離隔し、第2の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第2の側のシーム部とを形成し、前記第1の使い捨て下着空白部分の外縁、および、前記第2の使い捨て下着空白部分の外縁は、互いに隣接した前記第1の側のシーム部および前記第2の側のシーム部を有し、 前記アンビルおよび前記超音波ホーンは、第1のアンビルおよび第1の超音波ホーンを備え、前記方法は、 前記連続ウエブの経路に沿って、および、前記第1のアンビルおよび前記第1の超音波ホーンから下流に、第2のアンビルおよび第2の超音波ホーンを提供するステップと、 前記第2のアンビルと共に機能する前記第2の超音波ホーンを介して、複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングするステップであって、前記複数のウエブ層は、交差加工方向に延在するとともに、前記加工方向に互いに離間し、その間に凹部を有する、前記第2のアンビル上の別の一対のシール面を介してボンディングされ、前記一対のシール面のそれぞれは、前記交差加工方向における前記第2の超音波ホーンのホーン表面の被覆を提供するように、前記加工方向に対して所定の角度でそれぞれ傾斜して表面上に形成された複数の傾斜した歯部の列を備え、前記複数のボンディングポイントは前記傾斜した歯部の位置と対応している、ステップと、 を含み、 前記複数のボンディングポイントは、前記使い捨て下着の第2の空白部分の対向する外縁に隣接する第3の側のシーム部、および、前記第3の側のシーム部から前記加工方向に離隔し、第3の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第4の側のシーム部を形成し、 前記使い捨て下着の複数の空白部分のサイズに基づいた所定の距離によって、前記第1の超音波ホーンと第1のアンビルを、前記第2の超音波ホーンと第2のアンビルから、前記加工方向に離隔させるステップをさらに含むことを特徴とする方法。 【請求項17】(削除) 【請求項18】 少なくとも一対のウエブ層を備えたウエブをボンディングするボンディングシステムであって、 前記ウエブに接触して超音波でボンディングするためのホーン表面を有する第1の超音波ホーンと、 ギャップを介して前記第1の超音波ホーンから離隔し、前記ウエブの加工方向への前記ギャップを通る移動を許容する第1のアンビルであって、前記第1のアンビルは、前記加工方向に対して直角である交差加工方向に延在するとともに、前記加工方向に離間し、その間に凹部を有する一対のシール面を備える、第1のアンビルと、を備え、 前記一対のシール面のそれぞれは、表面上に形成された複数の傾斜した歯部を備え、前記各傾斜した歯部は、前記加工方向に後縁および前縁を有し、前記複数の傾斜した歯部は、前記交差加工方向における前記ホーン表面の被覆を提供するように、前記加工方向に対して所定の角度Fでそれぞれ傾斜しており、 前記第1の超音波ホーンは、前記ウエブが前記ギャップを通って移動するときに、前記第1のアンビルと協働して、前記傾斜した複数の歯部に対応する複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングし、 前記一対のシール面は、前記アンビルに交換可能に固定されたアンビル挿入部の上に形成され、 前記第1の超音波ホーンと前記第1のアンビルとの間の前記ギャップを通って移動される前記ウエブは、使い捨て下着の複数の空白部分を一般的に画定する連続するウエブを含み、 前記超音波ホーンとともに前記一対のシール面の機能を介して形成される前記複数のボンディングポイントは、第1の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第1の側のシーム部と、前記加工方向に前記第1の側のシーム部から離隔し、第2の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第2の側のシーム部と、を含み、前記第1の使い捨て下着空白部分の前記外縁、および、前記第2の使い捨て下着空白部分の前記外縁は、互いに隣接した前記第1の側のシーム部および前記第2の側のシーム部を有し、 前記ボンディングシステムは、 第2の超音波ホーンと、 ギャップを介して前記第2の超音波ホーンから離隔し、前記ウエブの加工方向への前記ギャップを通る移動を許容する第2のアンビルであって、前記第2のアンビルは、交差加工方向に延在するとともに、前記加工方向に離隔し、その間に凹部を有する別の一対のシール面を備える、第2のアンビルと、を備え、 前記別の一対のシール面のそれぞれは、表面上に形成された複数の傾斜した歯部を備え、前記複数の傾斜した歯部は、前記交差加工方向における前記第2の超音波ホーンのホーン表面の被覆を提供するように傾斜しており、 前記第2の超音波ホーンは、前記ウエブが前記ギャップを通って移動するときに、前記第2のアンビルと協働して、前記別の一対のシール面に対応する別の複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングし、 前記第1の超音波ホーンおよび前記第1のアンビルの対と、前記第2の超音波ホーンおよび前記第2のアンビルの対の間の距離を選択的に制御するように、前記第1の超音波ホーンおよび第1のアンビルの対、または、前記第2の超音波ホーンおよび第2のアンビルの対のうち1つを加工方向に直線状に移動させるように構成された駆動装置をさらに備えることを特徴とするボンディングシステム。」 第4 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要 令和3年11月5日に特許異議申立人が提出した特許異議申立書(以下、「特許異議申立書」という。)に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。 1 申立理由1(新規事項の追加) 令和3年1月29日付けの手続補正書による手続補正は、新規事項を追加する補正であるから、本件特許は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものである。よって、本件特許の請求項1及び10に係る特許は、同法第113条第1号に該当し、取り消すべきものである。 2 申立理由2(甲第1号証に基づく進歩性) 本件特許の請求項1ないし17に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし17に係る特許は同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 3 証拠方法 特許異議申立人は、証拠方法として書証を申出、以下の文書を提出する。 甲第1号証:特開2014-28492号公報 甲第2号証:特開2011-32603号公報 甲第3号証:特開2012-120775号公報 甲第4号証:特開2018-15961号公報 甲第5号証:特開2013-199090号公報 甲第6号証:特開2014-97097号公報 なお、証拠の表記は、特許異議申立書の記載に従った。以下、順に「甲1」のようにいう。 第5 取消理由通知に記載した取消理由の概要 当審が令和4年2月18日付けで特許権者に通知した取消理由通知の概要は、次のとおりであり、申立理由2の一部を包含している。 取消理由1(甲1に基づく新規性・進歩性) 本件特許の請求項1ないし4、7ないし15、17に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、甲1に記載された発明に基づいて、本件特許の優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであって、同法同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし4、7ないし15、17に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。 第6 取消理由通知に記載した取消理由1についての当審の判断 本件訂正により、上記取消理由1の対象となった請求項が全て削除されたので、当該取消理由1には理由がない。 第7 取消理由通知において採用しなかった申立理由について 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立書に記載した申立ての理由は、申立理由1及び申立理由2のうち、訂正前の請求項5、6及び16に対するものであるので、対応する訂正後の請求項5、6、16及び18について、以下、検討する。 1 申立理由1(新規事項の追加)について 特許異議申立人は特許異議申立書において、請求項1及び10の「前記第2の列の複数の傾斜した歯部の前縁が、前記交差加工方向において、前記第1の列の複数の傾斜した歯部の後縁の間のギャップと同じ位置に配置され、前記交差加工方向における前記ホーン表面の完全な被覆を提供する」ことは、本願の出願当初の明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)に記載された事項の範囲内のものではない旨主張する。 しかしながら、当初明細書等の段落【0010】及びFig.4Cの記載をよく確認すると、段落【0010】の「当該角度Fは、手前の歯部32との間に存在するギャップG(図4C)を満たすために、次の歯部32を提供している。」においての、「次の歯部32」が、同じ列の歯部32だとすると、角度FがギャップG(これは同列の歯部の前縁と後縁との間の交差加工方向の距離と考えるのが相当)を満たすのであれば、Fig.4Cにおいて、ギャップGの距離の間に同列の次の歯部が存在する必要があるが、Fig.4Cはそのようにはなっていない。そうすると、当該記載とFig.4Cを見た当業者は、当該記載について、「当該角度Fは、手前の(列の)歯部(32)と歯部(32)との間に存在するギャップG(Fig.4C)を満たすために、次の(列の)歯部32を提供している。」と理解する。そうすると、段落【0010】及びFig.4Cには、上記の補正された事項が実質的に記載されているといえるから、新規事項の追加とはいえない。 よって、申立理由1には理由がない。 2 訂正前の請求項5、6及び16に対する申立理由2(甲1を主引例とする進歩性)について (1)主な証拠の記載事項及び引用発明 ア 甲1の記載事項及び甲1発明 (ア)甲1の記載事項 甲1には、図面とともに以下の事項が記載されている。 ・「【請求項1】 回転駆動されるように軸支されるとともに、外周面に所定のパターンでシール突起が形成されたアンビルと、このアンビルの外周面と対向する超音波ホーンとを備えており、 前記アンビルを回転駆動しつつ、ワークを前記アンビル及び超音波ホーン間に前記アンビルの回転方向に沿って通すことにより、前記ワークのうち、前記アンビルの回転に伴い前記アンビルの外周面のシール突起と前記超音波ホーンとの間に挟まれる部分を、前記超音波ホーンから伝達される超音波振動による摩擦熱で溶融シールする、超音波シール装置において、 前記アンビルは、軸方向において前記ワークと重なる部分に設けられ、前記超音波ホーンとの間でワークを挟持するシール部分と、軸方向において前記ワークと重ならないように前記シール部分に対して軸方向の少なくとも一方側に設けられ、前記ワークと接触しないダミー部分とを有しており、 前記超音波ホーンの先端面は、前記シール部分及びダミー部分にわたり対向するように延在しており、 前記シール部分の先端面には、前記シール突起として前記アンビルの回転方向長さが3mm以下の突起が、前記アンビルの回転方向の間隔が0.5mm以上の間隔となる間欠的なパターンで形成されており、 前記ダミー部分の先端面には、前記アンビルの回転方向の長さが前記シール突起よりも長く、かつ先端面の高さがシール突起の先端面の高さと同じであるクリアランス計測用ダミー突起が形成されている、 ことを特徴とする超音波シール装置。 【請求項2】 前記クリアランス計測用ダミー突起は、前記アンビルの回転方向の長さが、前記シール部分以上である、請求項1記載の超音波シール装置。 【請求項3】 前記クリアランス計測用ダミー突起は、前記アンビルの回転方向に沿って連続する直線状をなし、かつ前記アンビルの軸方向に間隔を空けて並設されている、 請求項1又は2記載の超音波シール装置。 【請求項4】 前記シール突起は錐台形状をなしており、かつその稜の高さ方向に対する傾斜角度が30度以上とされている、請求項1~3のいずれか1項に記載の超音波シール装置。 【請求項5】 前記シール突起は錐台形状をなしており、かつその高さと底面の最大径との比が0.35~0.70とされている、請求項1~4のいずれか1項に記載の超音波シール装置。 【請求項6】 パンツタイプ使い捨ておむつの製造に際して、前身頃の両側部と後身頃の両側部とを溶着接合してサイドシール部を形成するためのものであり、前記ワークが前記前身頃の両側部と後身頃の両側部とを重ねた部分である、請求項1~5のいずれか1項に記載の超音波シール装置。 【請求項7】 回転駆動されるように軸支されるとともに、外周面に所定のパターンでシール突起が形成されたアンビルと、このアンビルの外周面と対向する超音波ホーンとを用い、 前記アンビルを回転駆動しつつ、ワークを前記アンビル及び超音波ホーン間に前記アンビルの回転方向に沿って通すことにより、前記ワークのうち、前記アンビルの回転に伴い前記アンビルの外周面のシール突起と前記超音波ホーンとの間に挟まれる部分を、前記超音波ホーンから伝達される超音波振動による摩擦熱で溶融シールする、超音波シール方法であって、 前記アンビルは、軸方向において前記ワークと重なる部分に設けられ、前記超音波ホーンとの間でワークを挟持するシール部分と、軸方向において前記ワークと重ならないように前記シール部分に対して軸方向の少なくとも一方側に設けられ、前記ワークと接触しないダミー部分とを有しており、 前記超音波ホーンの先端面は、前記シール部分及びダミー部分にわたり対向するように延在しており、 前記シール部分の先端面には、前記シール突起として前記アンビルの回転方向長さが3mm以下の突起が、前記アンビルの回転方向の間隔が0.5mm以上の間隔となる間欠的なパターンで形成されており、 前記ダミー部分の先端面には、前記アンビルの回転方向の長さが前記シール突起よりも長く、かつ先端面の高さがシール突起の先端面の高さと同じであるクリアランス計測用ダミー突起が形成されている、 ことを特徴とする超音波シール方法。」 ・「【0007】 そこで、本発明の主たる課題は、シールパターンがアンビルの回転方向に間欠的なパターンであっても、すきまゲージによるアンビル・超音波ホーンのクリアランス調整を正確に行うことができる、超音波シール装置、超音波シール方法、及び超音波シールにおけるクリアランス調整方法を提供することにある。」 ・「【0091】 <パンツタイプ使い捨ておむつの製造設備例> パンツタイプ使い捨ておむつの製造方法としては、おむつの幅方向がライン流れ方向となる横流れ形態が広く採用されており、図11に示されるように、設備上流側で、胴回り部分をなす外装シートと、吸収体を有する内装体とがそれぞれ別のラインで製造され、これら外装シート及び内装体の一体化工程以降が一つのラインで構成されている。 【0092】 より詳細に説明すると、図11中、上段部分の平面図が外装シートの製造を含む主ラインを示しており、中段部分の平面図が内装体の製造ラインを示しており、下段部分の正面図が製造フロー全体を示している。主ラインは、外装シート形成工程501、弾性伸縮部材の切断工程502、脚開口部の切り離し工程503、内装体取付工程504、側部接合工程505、及び切り離し工程506を有している。先ず、外装シート形成工程501では、連続帯状の外側シート基材12S及び内側シート基材12Hを各ロールから繰り出して、両シート基材12S,12H間に糸ゴム等の弾性伸縮部材15,17~19を搬送方向(胴回り方向)に沿って伸張した状態で挟みつつ、両シート基材12S,12Hをホットメルト接着剤等により順次貼り合わせることにより外装シート12を連続的に形成する。」 ・「【0094】 一方、内装体の製造ラインでは、連続帯状の液不透過性シート11を繰り出し、その上に吸収体56及び液透過性トップシート30をこの順に積層した後、そのCD方向(ライン横断方向)両側に対して、基材のCD方向中央側端部に弾性部材がMD方向に伸張した状態で固定された帯状のバリヤーシートをそれぞれ供給し、各バリヤーシートにおけるCD方向中央側部分及びCD方向外側部分のうち、CD方向中央側部分は個々の内装体となる部分のMD方向両端部間に位置する中間部分を非固定とするとともに、これらMD方向両端部に位置する両端部をホットメルト接着剤等により固定し、CD方向外側部分はMD方向に連続的にホットメルト接着剤等により固定し、しかる後、切断装置603によりMD方向に所定の間隔を空けて切断し、個々の内装体200を形成するとともに、この内装体200の向きを前後方向がCD方向となるように回転させた後、主ラインの内装体取付工程205に供給され、順次搬送されてくる連続帯状の外装シート12上の所定部位にMD方向に所定の間隔を空けてホットメルト接着剤等により貼り付ける。 【0095】 次に、側部接合工程206では、CD方向の一方側を他方側に折り畳み、腹側部分と背側部分とを重ね、MD方向に所定の間隔を空けてヒートシール、超音波シール等の接合装置604により接合加工を施し、個々のおむつDPの幅方向両側部となる部分13において腹側部分と背側部分とを接合し、サイドシール部13を形成する。このサイドシール部13の形成に際して、本発明の超音波シール装置を用いることが可能である。この場合、超音波シール装置におけるワークは、前身頃の両側部と後身頃の両側部とを重ねた部分となる。 【0096】 しかる後、最後の切り離し工程207では切断装置605において、MD方向に所定の間隔を空けて、個々のおむつとなる部分の境界(隣接するおむつとなる部分のうち一方のサイドシール部13と他方のおむつのサイドシール部13との間に位置する)に沿って切断し、個々のおむつを得る。製造されるパンツタイプ使い捨ておむつの詳細は前述のとおりである。 【0097】 <超音波シール装置例> 図12は、本発明に係る超音波シール装置100の一例を示している。この超音波シール装置100は、水平軸芯111を中心として回転駆動されるように軸支されたアンビル110と、このアンビル110の外周面と対向する超音波ホーン120とを備えており、アンビル110の外周面に所定のシールパターンでシール突起115が形成されており、アンビル110と超音波ホーン120との間に通されるワーク101のうち、アンビル110の外周面のシール突起115と超音波ホーン120との間に挟まれる部分を、超音波ホーン120から伝達される超音波振動による摩擦熱で溶融シールするものである。 【0098】 特徴的には、アンビル110は、図13に示すように、軸方向においてワーク101と重なる部分に設けられ、超音波ホーン120との間でワーク101を挟持するシール部分112と、このシール部分112に対してアンビル110の軸方向の少なくとも一方側に設けられ、ワーク101と接触しないダミー部分113とを有しており、超音波ホーン120の先端面は、シール部分112及びダミー部分113にわたり対向するように延在している。さらに、シール部分112の先端面には、シール突起115としてアンビル110の回転方向長さ115rが3mm以下の突起が、アンビル110の回転方向の間隔115xが0.5mm以上の間隔となる間欠的なパターンで形成されており、ダミー部分113の先端面には、アンビル110の回転方向の長さ116rがシール突起115よりも長く、かつ先端面の高さがシール突起の先端面の高さと同じクリアランス計測用ダミー突起116が形成されている。 【0099】 このように、アンビル110にクリアランス計測用ダミー突起116を有するダミー部分113を設けることにより、実際にシールを行うシール突起115のパターンが、アンビル110の回転方向に間欠的となるパターンであっても、クリアランス計測用ダミー突起116と超音波ホーン120とのクリアランスをすきまゲージで計測することにより、シール突起115と超音波ホーン120とのクリアランス計測を行うよりも、正確なクリアランス計測及び調整が可能となる。 【0100】 シール突起115のシール形状、つまり先端面の形状は、例えば図14に各種の形態を示すように、アンビル110の回転方向に間欠的である限り特に限定されない。図14(a)(b)に示す形態は、縦方向に間隔を空けて配列された点状のシール突起115の列が横方向に複数列設けられ、全体として千鳥状に配列された形態である。図14(a)に示される形態では、図10に示される疎溶着領域LDの溶着部13sと同じパターンの溶着部が得られ、図14(b)に示される形態では、図10に示される密溶着領域HDの溶着部13bと同じパターンの溶着部が得られる。また、図14(c)に示す形態は、縦方向に間隔を空けて配列された横長長方形状のシール突起115の列が横方向に複数列配列され、全体として千鳥状に配列された形態である。さらにまた、図14(d)に示す形態は、縦方向に間隔を空けて配列された斜め長方形状のシール突起115の列が横方向に複数列配列され、全体として千鳥状に配列された形態であり、図14(e)に示す形態は、図14(d)に示す形態に対して、隣接列間でシール突起115の斜め向きが縦方向に関して線対称となるように配列された形態である。 【0101】 シール突起115の先端面の形状は、ワーク101の溶融形状と略同じ形状となるため、その形状、寸法の例については前述のパンツタイプ使い捨ておむつの溶着部13s,13b12s,13bの寸法範囲を採用することができる。ただし、本発明の対象のシール突起115は、少なくともアンビル110の回転方向長さ115rが3mm以下、より好適には0.8~2mmの突起とされる。また、シール突起115のアンビル110の回転方向の間隔115xは0.5mm以上、より好適には1mm以上、さらに好適には2mm~3mmである。」 ・「【0106】 図12及び図16に示す形態では、回転方向に隣接する2列のシール部分112及びダミー部分113がアンビル110の回転角度が180度異なる位置にそれぞれ形成され(合計4列のシール部分112が形成され)るとともに、アンビル110を挟んで両側(対向位置)にそれぞれ超音波ホーン120が配置されており、ワーク101は一方の超音波ホーン120とアンビル110との間に通された後、リターンロール130で戻されて、他方の超音波ホーン120とアンビル110との間に通される過程で、各シール部分112及びダミー部分113が超音波ホーン120と対向するタイミングで、ワーク101の四箇所でほぼ同時に超音波シールを行うことができるようになっている。このような形態では、図16(a)に示すように、超音波ホーン120の中心線121の延長線上にアンビル110の軸心111が位置する配置としても良いが、対向的に伝達される超音波振動を逃がすために、図16(b)に示すように、超音波ホーン120の中心線の延長線上からアンビル110の軸芯111をオフセットさせても良い。もちろん、シール部分112をアンビル110の回転方向の一箇所のみとし、一箇所での超音波シールを行う形態を採用することもできるし、さらにアンビル110の回転方向に適宜の間隔を空けてシール部分112を2若しくは3、又は5以上設け、これに応じた適宜数の超音波ホーン120を設けても良い。さらにまた、隣接する複数のシール部分112にわたり連続する若しくはアンビル110の全周にわたるダミー部分113を設けても良い(図示略)。」 ・「【図11】 [図:0001395183000001.jpg] 」 ・「【図12】 [図:0001395183000002.jpg] 」 ・「【図13】 [図:0001395183000003.jpg] 」 ・「【図14】 [図:0001395183000004.jpg] 」 (イ)甲1に記載された発明 ここで、甲1の【図12】及び【図13】に記載されるアンビル110の軸方向及び周方向の載を踏まえて【図14】を見ると、【図14】の縦方向はアンビル110の軸方向、横方向はアンビル110の周方向であり、超音波ホーン120とアンビル110が2対あるといえる。 そうすると、【図14(d)】にはアンビル110の外周面に、シール突起115が軸方向に配列された列が、周方向に間隔を空けて2列配列されてなり、シール突起115は周方向に対して所定の角度で傾斜しており、全体として千鳥状に配列してなるシール形状と思しき構造を有していることが見てとれる。 以上のことをふまえて、上記(ア)の記載事項をまとめると、甲1には、以下の<甲1システム発明>及び<甲1方法発明>が記載されていると認める。 <甲1システム発明> パンツタイプ使い捨ておむつの製造装置における超音波シール装置であって、 該超音波シール装置は、アンビル110と、該アンビル110の外周面と対向する超音波ホーン120とを2対備えており、該アンビル110の外周面には、シール突起115が軸方向に配列された列が、周方向に間隔を空けて2列配列されてなり、 該シール突起115は周方向に対して所定の角度で傾斜しており、全体として千鳥状に配列してなるシール形状を有し、 該アンビル110は軸方向においてワーク101と重なる部分に設けられ、超音波ホーン120との間でワーク101を挟持するシール部分112を有するように構成された、超音波シール装置。 <甲1方法発明> 甲1システム発明にワーク101を供給し、超音波シールを行う方法。 イ 甲6の記載事項 甲6は、「ウエブの溶着システムおよび溶着方法」に関するものであり、図面とともに以下の事項が記載されている。 ・「【請求項1】 複数枚のウエブを搬送しながら、前記ウエブ同士を溶着させる超音波溶着装置を有するウエブの溶着システムであって、前記超音波溶着装置は、 一対のアンビルを有する第1アンビルロールと、 前記一対のアンビルと協働して前記ウエブに振動エネルギーを印加する第1および第2の超音波ホーンと、 別の一対のアンビルを有する第2アンビルロールと、 前記第2アンビルロールの一対のアンビルと協働して前記ウエブに振動エネルギーを印加する第3および第4の超音波ホーンとを備え、 前記第1アンビルロールの一対のアンビルのうちのいずれか一方が前記第1のホーンに対向すると、同時に、前記第1アンビルロールの一対のアンビルのうちの他方が前記第2のホーンに対向することが可能なように、前記第1および第2の超音波ホーンは配置されており、 前記第2アンビルロールの一対のアンビルのうちのいずれか一方が前記第3のホーンに対向すると、同時に、前記第2アンビルロールの一対のアンビルのうちの他方が前記第4のホーンに対向することが可能なように、前記第3および第4の超音波ホーンは配置されており、 前記第1アンビルロールと前記第1のホーンとの間の第1間隙、前記第2アンビルロールと前記第3のホーンとの間の第3間隙、前記第2アンビルロールと前記第2のホーンとの間の第4間隙および前記第1アンビルロールと前記第2のホーンとの間の第2間隙の順に前記ウエブが搬送されるように、前記第1および第2アンビルロールが配置されている。」 ・「【0005】 本発明の目的は、溶着に必要な時間を短縮し、高速化を図り得るウエブの溶着システムおよび溶着方法を提供することである。」 ・「【0021】 本システムは、互いに重ねられた複数枚のウエブWを搬送しながら、前記ウエブW同士を溶着させる第1および第2超音波溶着装置1,2を有する。前記第1および第2超音波溶着装置1,2はウエブWの流れ方向に互いに離間している。 【0022】 前記第1超音波溶着装置1は、一対のアンビル11,12を有する第1アンビルロール10Aと、前記一対のアンビル11,12と協働して前記ウエブWに振動エネルギーを印加する第1および第2の超音波ホーン21,22と、前記超音波ホーン21,22に各々超音波振動を発生させる第1および第2のソニック本体31,32とを備える。 【0023】 前記第2超音波溶着装置2は、別の一対のアンビル13,14を有する第2アンビルロール10Bと、前記一対のアンビル13,14と協働して前記ウエブWに振動エネルギー を印加する第3および第4の超音波ホーン23,24と、この超音波ホーン23,24に各々超音波振動を発生させる第3および第4のソニック本体33,34とを備える。 【0024】 前記各ホーン21~24には周波数の高い機械的振動が負荷されて、前記超音波ホーン21~24とアンビル11~14との間を通過する複数枚のウエブW同士を摩擦熱で互いに溶着する。 前記超音波ホーン21~24としては、たとえば、特表平10-513128号に記載の超音波ホーンが用いられてもよい。周知のように、ホーン21~24の表面には、たとえば、多数の凸部からなるシールパターンが形成されていてもよい。 また、ホーン21~24の表面にシールパターンを形成する代わりに、アンビル11~14の表面にシールパターンが形成されていてもよい。 【0025】 ウエブWは、互いに溶着が必要な複数枚の熱可塑性のウエブが重ねられて、形成されている。また、前記第1および第2超音波溶着装置1,2によってシールされるウエブWの溶着領域Sa1,Sa2,Sa3,Sa4は、たとえば、図3(a)~図3(c)の使い捨てパンツ(着用物品の一例)のような製品の端部である。 各溶着領域Sa1,Sa2,Sa3,Sa4の間のピッチはMサイズ、Lサイズごとに予め所定のピッチSpm,Splに設定されている。」 ・「【図1】 [図:0001395183000005.jpg] 」 ・「【図2】 [図:0001395183000006.jpg] 」 (3)本件特許発明5について ア 本件特許発明5と甲1システム発明との対比・検討 本件特許発明5と甲1システム発明とを対比する。 甲1システム発明の「パンツタイプ使い捨ておむつの製造装置における超音波シール装置」は、パンツタイプ使い捨ておむつが少なくとも一対のウェブを層を備えたウェブの積層物であることは明らかであるから、本件特許発明5の「少なくとも一対のウエブ層を備えたウエブをボンディングするボンディングシステム」に相当し、甲1システム発明の「超音波ホーン120」は、本件特許発明5の「第1の超音波ホーン」及び「第2の超音波ホーン」に相当し、甲1システム発明の「アンビル110」は、「軸方向においてワーク101と重なる部分に設けられ、超音波ホーン120との間でワーク101を挟持するシール部分112を有する」ものであるから、本件特許発明5の「ギャップを介して前記第1の超音波ホーンから離隔し、前記ウエブの加工方向への前記ギャップを通る移動を許容する第1のアンビル」及び「ギャップを介して前記第2の超音波ホーンから離隔し、前記ウエブの加工方向への前記ギャップを通る移動を許容する第2のアンビル」に相当し、甲1システム発明の「アンビル110」と「超音波ホーン120」は、協働して「ワーク101」をシールするものであるから、本件特許発明5で特定する「前記第1の超音波ホーンは、前記ウエブが前記ギャップを通って移動するときに、前記第1のアンビルと協働して、前記傾斜した複数の歯部に対応する複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディング」及び「前記第2の超音波ホーンは、前記ウエブが前記ギャップを通って移動するときに、前記第2のアンビルと協働して、前記傾斜した複数の歯部に対応する複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディング」する事項を満たすものである。 そして、甲1システム発明の「シール突起115」は、本件特許発明5の「歯部」に相当する。 また、甲1システム発明の「シール形状」は、「シール突起115が軸方向に配列された列が、周方向に間隔を空けて2列配列されて」なることから、本件特許発明5の「一対のシール面」に相当し、「前記一対のシール面は、第1の列に配置された前記複数の傾斜した歯部の、第1の部分を有する第1のシール面と、前記第1の列より前記加工方向の下流に位置する第2の列に配置された前記複数の傾斜した歯部の、第2の部分を有する第2のシール面と、を備え」ることは明らかである。 さらに、甲1システム発明の「シール突起115」は、周方向に対して所定の角度で傾斜し全体として千鳥状に配列しているから、本件特許発明5で特定する「複数の傾斜した歯部」を有するといえるし、「前記加工方向に後縁および前縁を有し、前記複数の傾斜した歯部は、前記交差加工方向における前記ホーン表面の被覆を提供するように、前記加工方向に対して所定の角度Fでそれぞれ傾斜」する事項を満たすものと認める。 さらに、甲1システム発明の「シール形状」は「全体として千鳥状に配列した」ものであり、周方向、すなわち加工方向において全体としてギャップを有さないから、本件特許発明5の「前記第2の列の複数の傾斜した歯部の前縁が、前記交差加工方向において、前記第1の列の複数の傾斜した歯部の後縁の間のギャップと同じ位置に配置され、前記交差加工方向における前記ホーン表面の完全な被覆を提供する」事項を満たすものといえる。 甲1システム発明の「パンツタイプ使い捨ておむつ」は、【0091】、【0092】、【0094】、【0095】、及び【図11】に記載されるように、連続ウェブを超音波シール装置によって接合し、切断装置によって個々のおむつとなる部分の境界(隣接するおむつとなる部分のうち一方のサイドシール部13と他方のおむつのサイドシール部13との間に位置する)に沿って切断してなるものであるから、本件特許発明5の「使い捨て下着の複数の空白部分を一般的に画定する連続するウエブを含み、前記超音波ホーンとともに前記一対のシール面の機能を介して形成される前記複数のボンディングポイントは、第1の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第1の側のシーム部と、前記加工方向に前記第1の側のシーム部から離隔し、第2の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第2の側のシーム部と、を含み、前記第1の使い捨て下着空白部分の前記外縁、および、前記第2の使い捨て下着空白部分の前記外縁は、互いに隣接した前記第1の側のシーム部および前記第2の側のシーム部を有する」事項を満足する。 そうすると、本件特許発明5と甲1システム発明は、 「少なくとも一対のウエブ層を備えたウエブをボンディングするボンディングシステムであって、 前記ウエブに接触して超音波でボンディングするためのホーン表面を有する第1の超音波ホーンと、 ギャップを介して前記第1の超音波ホーンから離隔し、前記ウエブの加工方向への前記ギャップを通る移動を許容する第1のアンビルであって、前記第1のアンビルは、前記加工方向に対して直角である交差加工方向に延在するとともに、前記加工方向に離間し、その間に凹部を有する一対のシール面を備える、第1のアンビルと、を備え、 前記一対のシール面のそれぞれは、表面上に形成された複数の傾斜した歯部を備え、前記各傾斜した歯部は、前記加工方向に後縁および前縁を有し、前記複数の傾斜した歯部は、前記交差加工方向における前記ホーン表面の被覆を提供するように、前記加工方向に対して所定の角度Fでそれぞれ傾斜しており、 前記第1の超音波ホーンは、前記ウエブが前記ギャップを通って移動するときに、前記第1のアンビルと協働して、前記傾斜した複数の歯部に対応する複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングし、 前記一対のシール面は、第1の列に配置された前記複数の傾斜した歯部の、第1の部分を有する第1のシール面と、前記第1の列より前記加工方向の下流に位置する第2の列に配置された前記複数の傾斜した歯部の、第2の部分を有する第2のシール面と、を備え、 前記第2の列の複数の傾斜した歯部の前縁が、前記交差加工方向において、前記第1の列の複数の傾斜した歯部の後縁の間のギャップと同じ位置に配置され、前記交差加工方向における前記ホーン表面の完全な被覆を提供し、 前記第1の超音波ホーンと前記第1のアンビルとの間の前記ギャップを通って移動される前記ウエブは、使い捨て下着の複数の空白部分を一般的に画定する連続するウエブを含み、 前記超音波ホーンとともに前記一対のシール面の機能を介して形成される前記複数のボンディングポイントは、第1の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第1の側のシーム部と、前記加工方向に前記第1の側のシーム部から離隔し、第2の使い捨て下着空白部分の外縁に隣接する第2の側のシーム部と、を含み、前記第1の使い捨て下着空白部分の前記外縁、および、前記第2の使い捨て下着空白部分の前記外縁は、互いに隣接した前記第1の側のシーム部および前記第2の側のシーム部を有し、 前記ボンディングシステムは、 第2の超音波ホーンと、 ギャップを介して前記第2の超音波ホーンから離隔し、前記ウエブの加工方向への前記ギャップを通る移動を許容する第2のアンビルであって、前記第2のアンビルは、交差加工方向に延在するとともに、前記加工方向に離隔し、その間に凹部を有する別の一対のシール面を備える、第2のアンビルと、を備え、 前記別の一対のシール面のそれぞれは、表面上に形成された複数の傾斜した歯部を備え、前記複数の傾斜した歯部は、前記交差加工方向における前記第2の超音波ホーンのホーン表面の被覆を提供するように傾斜しており、 前記第2の超音波ホーンは、前記ウエブが前記ギャップを通って移動するときに、前記第2のアンビルと協働して、前記別の一対のシール面に対応する別の複数のボンディングポイントで、前記複数のウエブ層を超音波でボンディングする、 ボンディングシステム。」 で一致し、以下の点で相違する。 <相違点1> 本件特許発明5は、「前記第1の超音波ホーンおよび前記第1のアンビルの対と、前記第2の超音波ホーンおよび前記第2のアンビルの対の間の距離を選択的に制御するように、前記第1の超音波ホーンおよび第1のアンビルの対、または、前記第2の超音波ホーンおよび第2のアンビルの対のうち1つを加工方向に直線状に移動させるように構成された駆動装置をさらに備える」と特定するのに対し、甲1システム発明は、この点を特定しない点 以下、相違点1について検討する。 甲1システム発明の第1の超音波ホーンおよび第1のアンビルの対と、第2の超音波ホーンおよび第2のアンビルの対は、甲1の図からみて、一つの円筒状の部材の円周状に設けられているものであるから、それらのうち1つを加工方向に直線状に移動させるように構成することは、甲1システム発明において、とりえないものである。 なお、甲1システム発明において、第1の超音波ホーンおよび前記第1のアンビルの対と、前記第2の超音波ホーンおよび前記第2のアンビルの対の間の距離を変化させるためには、通常リターンロール130(甲1の図12を参照のこと。)を上下方向に移動させることによって行うものと考えられ、そのような対応で距離を変化させられる甲1システム発明において、たとえ、甲6に加工方向に直線上に移動させるように構成されたものがあったとしても、その構成を採用する動機がない。 そうすると、甲1システム発明において、相違点1に係る発明特定事項とすることは、当業者といえども容易に想到し得たこととはいえない。 よって、本件特許発明5は、甲1システム発明及びその余の提出された証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4)本件特許発明6について 本件特許発明6は、請求項5の記載を直接に引用する形式で特定するものである。そして、上記(3)で検討のとおり、本件特許発明5は甲1システム発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件特許発明5の全ての特定事項を含む本件特許発明6についても同様に、甲1システム発明及びその余の提出された証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (5)本件特許発明16について 本件特許発明16と甲1方法発明との対比・検討 上記(3)アの検討事項をふまえると、本件特許発明16と甲1方法発明は、以下の点で相違する。 <相違点2> 本件特許発明16は、「加工方向に移動速度で移動する連続ウェブを提供するステップ」を特定するが、甲1方法発明はこのような特定がない点 <相違点3> 本件特許発明16は、「前記使い捨て下着の複数の空白部分のサイズに基づいた所定の距離によって、前記第1の超音波ホーンと第1のアンビルを、前記第2の超音波ホーンと第2のアンビルから、前記加工方向に離隔させるステップをさらに含む」と特定するが、甲1方法発明はこのような特定がない点 事案に鑑み、相違点3について検討する。 相違点3は実質的に上記(3)における相違点1と同じであるから、上記(3)における相違点1と同様に判断される。 よって、その余の相違点について判断するまでもなく、本件特許発明16は、甲1方法発明及びその余の提出された証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (6)本件特許発明18について 本件特許発明18と甲1システム発明との対比・検討 上記(3)アの検討事項をふまえると、本件特許発明18と甲1システム発明は、以下の点で相違する。 <相違点4> 本件特許発明18は、「前記第1の超音波ホーンおよび前記第1のアンビルの対と、前記第2の超音波ホーンおよび前記第2のアンビルの対の間の距離を選択的に制御するように、前記第1の超音波ホーンおよび第1のアンビルの対、または、前記第2の超音波ホーンおよび第2のアンビルの対のうち1つを加工方向に直線状に移動させるように構成された駆動装置をさらに備える」と特定するのに対し、甲1システム発明は、この点を特定しない点 <相違点5> 本件特許発明18は、「一対のシール面は、アンビルに交換可能に固定されたアンビル挿入部の上に形成されること」を特定するのに対し、甲1システム発明はそのような特定がない点 以下、相違点4について検討する。 相違点4は上記(3)における相違点1と同じであるから、上記(3)における相違点1と同様に判断される。 よって、その余の相違点について判断するまでもなく、本件特許発明18は、甲1システム発明及びその余の提出された証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (7)まとめ 以上のとおりであるから、申立理由2のうち、訂正前の請求項5、6及び16に対する理由には、理由がない。 第8 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由、及び、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項5、6、16及び18に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項5、6、16及び18に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、本件特許の請求項1ないし4、7ないし15及び17に係る特許は、訂正により削除されたため、特許異議申立人による請求項1ないし4、7ないし15及び17に係る特許異議の申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったので、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-701046

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