特許異議申立
2021-700683
消防用ホース
- 審判番号
- 2021-700683
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2017-019318
- 登録番号
- 6817096
- 請求日
- 2021年07月15日
- 審決日
- 2022年07月26日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】帝国繊維株式会社
- 【権利者代理人】清流国際弁理士法人
- 【異議申立人】株式会社 横井製作所
- 【異議申立人代理人】谷田 龍一
- 【異議申立人代理人】吉武 賢一
- 審判長/審判官
- 審判長 山本 信平
- 審判官 水野 治彦
- 審判官 鈴木 充
- 分類
- P1651.121-ZAA(A62C) / P1651.112-ZAA(A62C)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第4項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第29条第1項第2号、特許法第113条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6817096号発明「消防用ホース」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6817096号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-2〕について訂正することを認める。
特許第6817096号の請求項1及び2に係る特許を取り消す。
理由
理 由
1.手続の経緯
特許第6817096号の請求項1及び2の特許に係る出願は、平成29年2月6日に特許出願され、令和2年12月28日にその特許権の設定登録がされ、令和3年1月20日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、令和3年7月15日に特許異議申立人株式会社横井製作所(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、令和3年10月13日付けで取消理由が通知(以下、「取消理由通知」という。)され、その指定期間内である令和3年12月16日付けで意見書の提出及び訂正の請求があり、その訂正の請求に対して特許異議申立人から令和4年2月3日付けで意見書が提出され、その後、令和4年3月3日付けで取消理由(以下、「決定の予告」という。)が通知され、その指定期間内である令和4年5月2日付けで意見書の提出及び訂正の請求があり、その訂正の請求に対して特許異議申立人から令和4年6月14日付けで意見書が提出されたものである。
2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
令和4年5月2日付けの訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は以下の訂正事項1のとおりである。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「前記緯糸がマルチフィラメント糸からなり、前記緯糸の密度が66本/10cm~95本/10cmであり、下記計算式(1)及び(2)により求められる前記経糸のカバーファクターCF1と前記緯糸のカバーファクターCF2の合計が4,000~5,500である」との記載を、「前記経糸及び前記緯糸の材質がポリエステルであると共に、前記緯糸が2本の経糸の外側と2本の経糸の内側とを交互に交錯するように製織され、前記緯糸がマルチフィラメント糸からなり、前記緯糸の密度が66本/10cm~95本/10cmであり、下記計算式(1)及び(2)により求められる前記経糸のカバーファクターCF1と前記緯糸のカバーファクターCF2の合計が4,000~5,500である」との記載に訂正する。請求項1を引用する請求項2も同様に訂正する。
(2)訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の拡張・変更の存否
上記訂正事項1の訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の拡張・変更の存否について検討する。
ア 訂正の目的
訂正事項1は、緯糸と経糸に関し、「前記緯糸がマルチフィラメント糸からなり、前記緯糸の密度が66本/10cm~95本/10cmであり、下記計算式(1)及び(2)により求められる前記経糸のカバーファクターCF1と前記緯糸のカバーファクターCF2の合計が4,000~5,500である」との発明特定事項を、「前記経糸及び前記緯糸の材質がポリエステルであると共に、前記緯糸が2本の経糸の外側と2本の経糸の内側とを交互に交錯するように製織され、前記緯糸がマルチフィラメント糸からなり、前記緯糸の密度が66本/10cm~95本/10cmであり、下記計算式(1)及び(2)により求められる前記経糸のカバーファクターCF1と前記緯糸のカバーファクターCF2の合計が4,000~5,500である」と限定するものである。したがって、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認める。
イ 一群の請求項
訂正前の請求項1及び2に係る発明において、請求項2に係る発明は、請求項1を引用した発明であって、訂正事項1によって訂正される請求項1に係る発明に連動して訂正されるものである。したがって、本件訂正請求は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に対してなされたものである。
ウ 新規事項の有無
訂正事項1で訂正された事項は、願書に添付した明細書の段落【0014】には「図2において、ジャケット6を構成する緯糸5は2本の経糸4の外側と2本の経糸4の内側とを交互に交錯するように製織されている。」と記載され、段落【0015】には「経糸4及び緯糸5の材質は特に限定されるものではないが、例えばポリエステル糸を使用することができる。」と記載されていることを踏まえると、新規事項を導入するものではない。したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項の規定に適合するものと認める。
エ 特許請求の拡張・変更の存否
訂正事項1は、アにて述べた目的の訂正であって、発明のカテゴリー、対象或いは目的を変更するものに該当しないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項の規定に適合すると認める。
(3)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、及び同条第9項において準用する同法126条第5項及び第6項までの規定に適合するので、訂正後の請求項1及び2について訂正を認める。
3.決定の予告の概要
訂正前の請求項1及び2に係る特許に対して、当審が令和4年3月3日に特許権者に通知した決定の予告の概要は以下のとおりである。
理由1(新規性) 請求項1及び2に係る発明は、本件特許に係る出願前に日本国内又は外国において、公然実施された発明であるから、請求項1及び2に係る特許は、特許法第29条第1項第2号の規定に違反してされたものである。
理由2(進歩性) 請求項1及び2に係る発明は、本件特許に係る出願前に日本国内又は外国において、公然実施された発明に基いて、本件特許に係る出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1及び2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
記
<証拠>
甲第1号証:型式評価試験依頼書
甲第2号証:注文書
甲第3号証:西濃運輸 発荷主控え
甲第4号証:請求書
甲第5号証:銀行口座照会結果
甲第6号証:株式会社横井製作所ホームページ 事業所一覧
甲第7号証:履歴事項全部証明書
甲第13号証:型式評価試験依頼書
甲第14号証-1:IFCAA2016 大阪国際消防防災展 ガイドブック
甲第14号証-2:株式会社横井製作所のホームページ
甲第14号証-3:株式会社横井製作所のホームページ
甲第14号証-4:IFCAA2016 大阪国際消防防災展の出展ブース1
甲第14号証-5:IFCAA2016 大阪国際消防防災展の出展ブース2
甲第14号証-6:IFCAA2016 大阪国際消防防災展の出展ブース3
甲第14号証-7:IFCAA2016 大阪国際消防防災展の出展ブース4
甲第14号証-8:株式会社ダイリンのホームページ
甲第14号証-9:大阪府ホームページ
甲第15号証-1:全国消防操法長野大会パンフレット
甲第15号証-2:全国消防操法長野大会の出展ブース
甲第15号証-3:全国消防操法長野大会の出展ブース
甲第16号証-1:大阪市入札説明書
甲第16号証-2:織物組織表 試作No.2
甲第16号証-3:織物組織表 試作No.2-2
甲第16号証-4:消防用ホース検査成績表(No.2)
甲第16号証-5:消防用ホース検査成績表(No.2-2)
甲第16号証-6:陳述書
甲第16号証-7:陳述書
甲第16号証-8:陳述書
甲第16号証-9:大阪市消防局保管書類
(以下、「甲1」ないし「甲16-9」のように略称する。)
4.当審の判断
(1) 本件発明1及び本件発明2
本件訂正請求により訂正された訂正請求項1及び2に係る発明(以下、「本件発明1」及び「本件発明2」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
ホース長手方向に配された経糸に対してホース周方向に配された緯糸を交錯させて筒状に製織されたジャケットと、該ジャケットに内張りされたゴム又は合成樹脂からなる被覆層とを備えた消防用ホースにおいて、
前記経糸及び前記緯糸の材質がポリエステルであると共に、前記緯糸が2本の経糸の外側と2本の経糸の内側とを交互に交錯するように製織され、前記緯糸がマルチフィラメント糸からなり、前記緯糸の密度が66本/10cm~95本/10cmであり、下記計算式(1)及び(2)により求められる前記経糸のカバーファクターCF1と前記緯糸のカバーファクターCF2の合計が4,000~5,500であることを特徴とする消防用ホース。
CF1=N1×√D1 ・・・(1)
CF2=N2×√D2 ・・・(2)
ここで、N1:経糸の密度(本/2.54cm)、N2:緯糸の密度(本/2.54cm)、D1:経糸の繊度(dtex)、D2:緯糸の繊度(dtex)である。
【請求項2】
前記緯糸の繊度が200,000dtex/10cm~500,000dtex/10cmであることを特徴とする請求項1に記載の消防用ホース。」
(2) 甲1及び甲13の記載
ア 甲1(型式評価試験依頼書)
甲1には次の事項が記載されている。
(ア) 第1ページの表の「種別」の欄に「消防用ホース」と記載されている。
(イ) 第2ページの「(消防用ホース (平・濡れ・保形・大容量泡放水砲用ホース))明細書(その1)」の「ジャケット」欄の「たて糸」欄には、「(材質)」として「ポリエステル」と記載され、「(番手又はデシテクス/撚り合せ本数)」として「10番手/6」と記載され、「(本数)」として「総本数 430本」と記載されている。
(ウ) 第2ページの「(消防用ホース (平・濡れ・保形・大容量泡放水砲用ホース))明細書(その1)」の「ジャケット」欄の「よこ糸」欄には、「(材質)」として「アラミド」と記載され、「(番手又はデシテクス/撚り合せ本数)」として「1670dtex/2」と記載され、「(本数)」として「打込数 75山/10cm」と記載されている。
(エ) 第2ページの「(消防用ホース (平・濡れ・保形・大容量泡放水砲用ホース))明細書(その1)」の「内張り」欄の「名称」欄には「ポリウレタン」と記載され、「成分」欄には「ポリウレタン樹脂」と記載され、「肉厚」欄には「0.30mm」と記載されている。
(オ) 第4ページの図面において、「内径65.0」と記載されている。
(カ) 第4ページの図面の表において、「よこ色糸」欄には「アラミド 1670dtex/2」、「75/100」と記載され、「たて色糸」欄には「ポリエステル 10番手/6」、「18(赤)」と記載され、「たて糸」欄には「ポリエステル 10番手/6」、「412」と記載され、「内張り」欄には「ポリウレタン ET880 + ET3685」と記載されている。
(キ) 第4ページの図面の「表示事項」には「表示(表示見本)による」と記載されている。
(ク) 第4ページの図面における「綾織・円織」の図面から、たて糸が三本のよこ糸の外側と一本のよこ糸の内側を交互に交錯するように製織されている、または、たて糸が一本のよこ糸の外側と三本のよこ糸の内側を交互に交錯するよう製織されていることが看て取れる。
(ケ) 第5ページの図面には「表示見本」と記載されており、さらに「Pro AR 16」と記載されている。
上記記載事項及び図示内容を総合し、本件発明1の記載ぶりに則って整理すると、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。
「たて糸とよこ糸を綾織、円織されたジャケットと、ジャケット内に内張りされたポリウレタン樹脂からなるポリウレタン層とを備えた消防用ホースにおいて、
前記たて糸の材質がポリエステル、前記よこ糸の材質がアラミドであると共に、前記たて糸が3本のよこ糸の外側と1本のよこ糸の内側とを交互に交錯するように、または前記たて糸が1本のよこ糸の外側と3本のよこ糸の内側とを交互に交錯するように製織され、前記よこ糸が撚り合せ本数2の糸からなり、前記よこ糸の打込数が75山/10cmであり、前記たて糸の番手が10番手、撚り合せ本数が6、総本数が430本、前記よこ糸のデシテクスが1670dtex、撚り合せ本数が2、打込数が75山/10cm、内径が65mm、内張りの成分がポリウレタン樹脂、内張りの肉厚が0.30mmである消防用ホース。」
そして、甲2ないし甲7をみると、甲1に記載された消防用ホースである「Pro AR 16」は、平成27年11月24日に注文され(甲2)、必着指定を平成28年2月5日として、平成28年2月4日に発送され(甲3)、平成28年3月22日に販売先から入金されている(甲5)ことを踏まえると、甲1発明は本件特許1及び2の出願前に公然と譲渡(販売)されたといえる。
イ 甲13(型式評価試験依頼書)
甲13には、以下の事項が記載されている。
(ア) 第1ページの表の「種別」の欄に「消防用ホース」と記載されている。
(イ) 第2ページの「(消防用ホース (ゴム引き・濡れ・保形・大容量泡放水砲用ホース))明細書(その1)」の「ジャケット」欄の「たて糸」欄には、「(材質)」として「ポリエステル」と記載され、「(番手又はデシテクス/撚り合せ本数)」として「10番手/6」と記載され、「(本数)」として「総本数 382本」と記載されている。
(ウ) 第2ページの「(消防用ホース (ゴム引き・濡れ・保形・大容量泡放水砲用ホース))明細書(その1)」の「ジャケット」欄の「よこ糸」欄には、「(材質)」として「ポリエステルフィラメント」と記載され、「(番手又はデシテクス/撚り合せ本数)」として「2200dtex/2」と記載され、「(本数)」として「打込数 85山/10cm」と記載されている。
(エ) 第2ページの「(消防用ホース (ゴム引き・濡れ・保形・大容量泡放水砲用ホース))明細書(その1)」の「内張り」欄の「名称」欄には「ポリウレタン」と記載され、「成分」欄には「ポリウレタン樹脂」と記載され、「肉厚」欄には「0.35mm」と記載されている。
(オ) 第4ページの図面において、「内径65.0」と記載されている。
(カ) 第4ページの図面の表において、「よこ色糸」欄には「ポリエステルフィラメント 2200dtex/2」、「85/100」と記載され、「たて色糸」欄には「ポリエステル 10番手/6」、「16(赤)」と記載され、「たて色糸」欄には「ポリエステル 10番手/6」、「366(黄)」と記載され、「内張り」欄には「ポリウレタン T-8190AN + DP9375AHM」と記載されている。
(キ) 第4ページの図面の「表示事項」には「表示(表示見本)による」と記載されている。
(ク) 第4ページの図面における「綾織・円織」の図面から、たて糸が三本のよこ糸の外側と一本のよこ糸の内側を交互に交錯するように製織されている、または、たて糸が一本のよこ糸の外側と三本のよこ糸の内側を交互に交錯するよう製織されていることが看て取れる。
(ケ) 第5ページの図面には「表示見本」と記載されており、さらに「Pro STH 16」と記載されている。
上記記載事項及び図示内容を総合し、本件発明1の記載ぶりに則って整理すると、甲13には、次の発明(以下「甲13発明」という。)が記載されている。
「たて色糸とよこ糸を綾織、円織されたジャケットと、ジャケット内に内張りされたポリウレタン樹脂からなるポリウレタン層とを備えた消防用ホースにおいて、
前記たて糸及びよこ糸の材質がポリエステルであると共に、前記たて糸が3本のよこ糸の外側と1本のよこ糸の内側とを交互に交錯するように、または前記たて糸が1本のよこ糸の外側と3本のよこ糸の内側とを交互に交錯するように製織され、前記よこ糸が撚り合せ本数2の糸からなり、前記よこ糸の打込数が85山/10cmであり、前記たて糸の番手が10番手、撚り合せ本数が6、総本数が382本、前記よこ糸のデシテクスが2200dtex、撚り合せ本数が2、打込数が85山/10cm、内径が65mm、内張りの成分がポリウレタン樹脂、内張りの肉厚が0.35mmである消防用ホース。」
そして、甲14-1ないし甲14-9、甲15-1ないし甲15-3をみると、甲13に記載された消防用ホースである「Pro STH 16」は、平成28年6月10日及び11日に開催された大阪国際消防防災展で展示され(甲14-1ないし甲14-9)、平成28年10月14日に開催された全国消防操法長野大会の消防防災展エリアで展示された(甲15-1ないし甲15-3)ことが分かる。ここで、甲14-6、甲14-7、甲14-8(2)及び甲14-8(3)から、「Pro STH 16」は他の展示物と同様の形態で展示されており、「譲渡又は貸し渡し」をしない旨の表示もないことを踏まえれば、「譲渡又は貸し渡し」のために「Pro STH 16」が展示されたと解するのが相当である。甲15-2及び甲15-3をみても、「Pro STH 16」は他の展示物と同様の形態で展示され、「譲渡又は貸し渡し」をしない旨の表示もないから、「譲渡又は貸し渡し」のための展示と解される。
さらに、甲16-1ないし甲16-9から、本件特許1及び2の出願前の平成25年10月9日及び12月9日に大阪市消防局警防部警防課の吉崎友昭氏へ渡した試作ホース(甲16-6ないし甲16-8)の織物組成表(甲16-2及び甲16-3)をみると、そのたて糸及びよこ糸は甲13発明と同じである。また、甲16-4、甲16-5及び甲16-9に含まれる「消防用ホース検査成績表(呼称65×20m)」との表は、甲16-1の「1 納入前検査」において、納入時に提出が求められる「消防用ホース検査成績表(別紙2)」との表と同じであるから、甲16-1の入札説明書に沿ったものであるといえる。そうすると、甲13発明は本件特許1及び2の出願前である平成25年10月9日及び12月9日に譲渡されていたと解される。
これらの事情を考慮すると、甲13発明に係る消防用ホース(ProSTH16)は、本件特許1及び2の出願前である平成28年6月10日~11日及び平成28年10月14日に譲渡又は貸し渡しのために展示され、平成25年10月9日及び平成25年12月19日に譲渡等(譲渡及び貸渡し)することにより、公然実施をされたことが分かる。
(4)判断
ア 本件発明1について
(ア) 甲1発明との対比
本件発明1と甲1発明とを対比すると、後者の「たて糸とよこ糸を綾織、円織されたジャケット」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、前者の「ホース長手方向に配された経糸に対してホース周方向に配された緯糸を交錯させて筒状に製織されたジャケット」に相当する。
また、後者の「ジャケット内に内張りされたポリウレタン樹脂からなるポリウレタン層」は、前者の「ジャケットに内張りされた合成樹脂からなる被覆層」に相当する。
また、後者の「撚り合せ本数2の糸」は、本件発明1の「マルチフィラメント糸」に相当する。
また、後者の「打込数が75山/10cm」は、「密度が75本/10cm」を意味するから、前者の「密度が66本/10cm~95本/10cm」に包含される。
また、後者の「前記たて糸の番手が10番手、撚り合わせ数6、総本数430本、前記よこ糸のデシテクスが1670dtex、撚り合わせ数2、打込数が75山/10cm」は、以下の計算式により「前記たて糸(経糸)のカバーファクターCF1と前記よこ糸(緯糸)のカバーファクターCF2の合計が4276である」ことが導かれるから、前者の「前記経糸のカバーファクターCF1と前記緯糸のカバーファクターCF2の合計が4,000~5500である」に包含される。
(計算式)
(たて糸(経糸)のカバーファクターCF1について)
D1=5905.4/10×6=3543.2(dtex)
N1=430/(6.53×3.14)
≒430/20.5=21(本/cm)=53.3(本/2.54cm)
CF1=N1×√D1=53.3×√3543.2≒3173
(よこ糸(緯糸)のカバーファクターCF2について)
D2=1670(dtex)×2=3340(dtex)
N2=75(本/10cm)=19.1(本/2.54cm)
CF2=N2×√D2=19.1×√3340≒1103
(CF1とCF2の合計について)
CF1+CF2=3173+1103=4276
したがって、両者は、以下の点で一致する。
「ホース長手方向に配された経糸に対してホース周方向に配された緯糸を交錯させて筒状に製織されたジャケットと、該ジャケットに内張りされたゴム又は合成樹脂からなる被覆層とを備えた消防用ホースにおいて、
前記経糸の材質がポリエステルであると共に、
前記緯糸がマルチフィラメント糸からなり、
前記緯糸の密度が75本/10cmであり、
下記計算式(1)及び(2)により求められる前記経糸のカバーファクターCF1と前記緯糸のカバーファクターCF2の合計が4276である消防用ホース。
CF1=N1×√D1 ・・・(1)
CF2=N2×√D2 ・・・(2)
ここで、N1:経糸の密度(本/2.54cm)、N2:緯糸の密度(本/2.54cm)、D1:経糸の繊度(dtex)、D2:緯糸の繊度(dtex)である。」
そして、両者は、以下の2点で相違する。
<相違点1>
緯糸の材質について、前者は「ポリエステル」であるのに対し、後者は、「アラミド」である点。
<相違点2>
前者は、「前記緯糸が2本の経糸の外側と2本の経糸の内側とを交互に交錯するように製織され」ているのに対し、後者は「前記たて糸が3本のよこ糸の外側と1本のよこ糸の内側とを交互に交錯するように、または前記たて糸が1本のよこ糸の外側と3本のよこ糸の内側とを交互に交錯するように製織され」ている点。
上記相違点について検討する。
相違点1について検討すると、消防用ホースにおいて、経糸及び緯糸の材質をポリエステルとすることは、本件特許の出願前における周知の技術(以下、「周知技術1」という。例えば、特開昭49-80894号公報(令和4年2月3日の意見書とともに提出された甲8)の1ページ右下欄11行ないし19行、実公昭58-24708号公報(同甲9)の1ページ左欄25行ないし32行。実公昭58-31020号公報(同甲10)の1ページ左欄28行ないし32行、特開2013-148189号公報(同甲11)の段落【0019】等の記載を参照。)である。
してみれば、甲1発明において、周知技術1を適用することにより、相違点1に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。
次に、相違点2について検討すると、消防用ホースにおいて、緯糸が2本の経糸の外側と2本の経糸の内側とを交互に交錯するように製織することは、本件特許の出願前における周知の技術(以下、「周知技術2」という。例えば、実開平5-27484号のCD-ROM(令和4年6月14日の意見書とともに提出された甲17)の段落【0022】、特開2002-319341号公報(同甲18)の段落【0009】、特開2001-208248号公報(同甲19)の段落【0014】、特開2014-167343号公報(同甲20)の段落【0048】、特開2014-180381号公報(同甲21)の段落【0054】等の記載を参照。)である。
してみれば、甲1発明において、周知技術2を適用することにより、相違点2に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。
そして、本件発明1は、全体としてみても、甲1発明並びに周知技術1及び周知技術2から予測し得ない格別な効果を奏するものではない。
したがって、本件発明1は、甲1発明並びに周知技術1及び周知技術2に基いて当業者が容易に想到できたものである。
(イ) 甲13発明との対比
本件発明1と甲13発明とを対比すると、後者の「たて糸とよこ糸を綾織、円織されたジャケット」は、その機能、構成又は技術的意義からみて、前者の「ホース長手方向に配された経糸に対してホース周方向に配された緯糸を交錯させて筒状に製織されたジャケット」に相当する。
また、後者の「ジャケット内に内張りされたポリウレタン樹脂からなるポリウレタン層」は、前者の「ジャケットに内張りされた合成樹脂からなる被覆層」に相当する。
また、後者の「よこ糸」が「撚り合せ本数2の糸」は、前者の「緯糸がマルチフィラメント糸」に相当する。
また、後者の「打込数が85山/10cm」は、「密度が85本/10cm」を意味するから、前者の「密度が66本/10cm~95本/10cm」に包含される。
また、後者の「前記たて糸の番手が10番手、撚り合せ本数6、総本数382本、前記よこ糸のデシテクスが2200dtex、撚り合せ本数2、打込数85山/10cm」は、以下の計算式により、「前記たて糸(経糸)のカバーファクターCF1と前記よこ糸(緯糸)のカバーファクターCF2の合計が4242である」ことが導かれるから、前者の「前記経糸のカバーファクターCF1と前記緯糸のカバーファクターCF2の合計が4,000~5500である」に包含される。
(計算式)
(たて糸(経糸)のカバーファクターCF1について)
D1=5905.4/10×6=3543.2(dtex)
N1=382/(6.535×3.14)
≒382/20.5=18.6(本/cm)=47.2(本/2.54cm)
CF1=N1×√D1=47.2×√3543.2≒2809
(よこ糸(緯糸)のカバーファクターCF2について)
D2=2200(dtex)×2=4400(dtex)
N2=85(本/10cm)=21.6(本/2.54cm)
CF2=N2×√D2=21.6×√4400≒1433
(CF1とCF2の合計について)
CF1+CF2=2809+1433=4242
したがって、両者は、以下の点で一致する。
「ホース長手方向に配された経糸に対してホース周方向に配された緯糸を交錯させて筒状に製織されたジャケットと、該ジャケットに内張りされたゴム又は合成樹脂からなる被覆層とを備えた消防用ホースにおいて、
前記経糸及び緯糸の材質がポリエステルであると共に、前記緯糸がマルチフィラメント糸からなり、前記緯糸の密度が85本/10cmであり、下記計算式(1)及び(2)により求められる前記経糸のカバーファクターCF1と前記緯糸のカバーファクターCF2の合計が4242である消防用ホース。
CF1=N1×√D1 ・・・(1)
CF2=N2×√D2 ・・・(2)
ここで、N1:経糸の密度(本/2.54cm)、N2:緯糸の密度(本/2.54cm)、D1:経糸の繊度(dtex)、D2:緯糸の繊度(dtex)である。」
そして、両者は、以下の点で相違する。
<相違点3>
前者は、「前記緯糸が2本の経糸の外側と2本の経糸の内側とを交互に交錯するように製織され」ているのに対し、後者は「前記たて糸が3本のよこ糸の外側と1本のよこ糸の内側とを交互に交錯するように、または前記たて糸が1本のよこ糸の外側と3本のよこ糸の内側とを交互に交錯するように製織され」ている点。
上記相違点3について検討する。
相違点2の検討において述べたとおり、消防用ホースにおいて、緯糸が2本の経糸の外側と2本の経糸の内側とを交互に交錯するように製織することは、本件特許の出願前における周知の技術(周知技術2)である。
してみれば、甲13発明において、周知技術2を適用することにより、相違点3に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到できたことである。
なお、本件発明1は、「緯糸の密度が66本/10cm~95本/10cm」という数値範囲を有し、「CF1とCF2の合計が4,000~5,500である」という数値範囲を有するのに対し、甲13発明は、「よこ糸の打込数が85山/10cm(緯糸の密度が85本/10cm)」であり、CF1とCF2の合計4242という値であるという点で一応相違(相違点4)するから、この点についても念のため検討する。
本件特許の発明の詳細な説明をみても、緯糸の密度66本/10cm~95本/10cmという数値範囲及びCF1とCF2の合計4,000~5,500という数値範囲には、格別な臨界的意義が認められない。そうすると、甲13発明のよこ糸の打込数が85山/10cm(緯糸の密度が85本/10cm)及び、CF1とCF2の合計4242という数値に基づいて、本件発明1の緯糸の密度66本/10cm~95本/10cmという数値範囲とし、本件発明1のCF1とCF2の合計4,000~5,500という数値範囲とすることは、当業者が適宜なし得たことである。
そして、本件発明1は、全体としてみても、甲13発明及び周知技術2から予測し得ない格別な効果を奏するものではない。
したがって、本件発明1は、甲13発明及び周知技術2に基いて当業者が容易に想到できたものである。
イ 本件発明2について
本件発明2は、本件発明1の発明特定事項を請求項2に記載された「緯糸の繊度200,000dtex/10cm~500,000dtex/10cm」との事項(以下、「本件発明2の発明特定事項」という。)で更に特定したものである。そこで、本件発明2の発明特定事項についてさらに検討する。
本件発明2と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「よこ糸の打込数が75山/10cm、デシテックスが1,670dtex、撚り合わせ数が2本」という事項から、「よこ糸(緯糸)の繊度=1,670×2×75=250,500dtex/10cm」が導かれるから、甲1発明のよこ糸(緯糸)の繊度は、本件発明2の発明特定事項に包含される。
したがって、本件発明2は、甲1発明及び周知技術1並びに周知技術2に基いて当業者が容易に想到できたものである。
次に、本件発明2と甲13発明とを対比すると、甲13発明の「よこ糸の打込数が85山/10cm、デシテクスが2,200dtex、撚り合せ本数が2本」という事項から、「よこ糸(緯糸)の繊度=2,200×2×85=374,000dtex/10cm」が導かれるから、甲13発明のよこ糸(緯糸)の繊度は、本件発明2の発明特定事項に包含される。また、本件特許の発明の詳細な説明の記載をみても、本件発明2の発明特定事項である「緯糸の繊度が200,000dtex/10cm~500,000dtex/10cm」という数値範囲には臨界的意義が認められないから、甲13発明のよこ糸(緯糸)の繊度374,000dtex/10cmという数値に基づいて、本件発明2の発明特定事項とすることは、当業者が適宜なし得たことである。
したがって、本件発明2は、甲13発明及び周知技術2に基いて当業者が容易に想到できたものである。
ウ 特許権者の意見について
令和4年5月2日の意見書において、特許権者は「アラミド糸とポリエステル糸とでは特性が互いに異なっているので、当然のことながら、消防用ホースを構成するにあたって材質に応じて密度も繊度も変更する必要がある。従って、アラミドからなるよこ糸をポリエステルからなるよこ糸に置き換えることが容易であったとしても、本件訂正発明1で規定される「緯糸の密度」及び「緯糸のカバーファクターCF2の合計」は甲1発明及び周知技術から導かれるものではない。」と主張する。また、特許権者は「これに対して、甲1発明は、アラミドからなるよこ糸を備えた消防用ホースについて、本件発明1で規定される「緯糸の密度」及び「緯糸のカバーファクターCF2の合計」を偶発的に満足するだけであり、圧力損失の低減効果や取り扱い性の改善効果について何ら教えていない。一方、周知文献は、アラミドからなるよこ糸をポリエステルからなるよこ糸に置き換えることが可能である点を示唆するものの、緯糸の高密度化によって得られた圧力損失の低減効果を維持しつつ、取り扱い性を良化することについては何ら言及していない。従って、甲1発明及び周知文献の組み合わせからは、本件訂正発明1における「取り扱い性を悪化させることなく圧力損失を大幅に低減する」という作用効果は導かれるものではない。」と主張する。
しかしながら、本件特許の発明の詳細な説明の段落【0015】の「経糸4及び緯糸5の材質は特に限定されるものではないが、例えばポリエステルを使用することができる。」と記載され、一方で段落【0016】の「緯糸5の密度は60本/10cm以上、より好ましくは66本/10cm~95本/10cmの範囲に設定されている。」との記載及び段落【0018】及び【0019】の経糸4のカバーファクターCF1と緯糸5のカバーファクターCF2との合計に係る記載について、材質により「緯糸5の密度」あるいは「緯糸のカバーファクターCF2」の数値が変わる旨の記載はないことを踏まえると、「緯糸の密度」及び「緯糸のカバーファクターCF2の合計」に係る数値と材質との間に直接の相関はないといえる。そうすると、甲1発明において、甲1に記載されたとおりのよこ糸の密度及び繊度を保ちつつ、その材質をアラミドから周知のポリエステルに置き換えることは容易に想到し得たことである。したがって、特許権者の上記主張は当を得ない。
また、同意見書において、特許権者は「しかしながら、以下の理由から、甲13発明に係る消防用ホース(ProSTH16)は公然実施をされたものであるとはいえない。」と主張し、その根拠として、甲14-1ないし甲14-9からは、「カタログによる勧誘」、「パンフレットの配布」が認められないから「譲渡又は貸し渡しのための展示」とはいえず、「消防用ホースの糸の種類、繊度、密度等の使用に関する配布物や掲示物」がないから消防用ホースの糸の種類、繊度、密度等が公然知られるおそれのある状態にあったとはいえないこと、甲15-1ないし甲15-3からは、「カタログによる勧誘」、「パンフレットの配布」が認められないから「譲渡又は貸し渡しのための展示」とはいえず、「消防用ホースの糸の種類、繊度、密度等の使用に関する配布物や掲示物」がないから消防用ホースの糸の種類、繊度、密度等が公然知られるおそれのある状態にあったとはいえないこと、甲16-1ないし甲16-9は、「Pro STH16」と同じジャケット組織の試作ホースが、本件特許出願日前に、公然と知られるおそれのある状況で貸し渡された事実を示すものではないこと、を大略主張する。
ここで改めて甲14-1ないし甲14-9及び甲15-1ないし甲15-3をみると、いずれにおいても、「Pro STH16」が展示されていたことは、特許権者も認めるとおりである。そして、甲14-6、甲14-8(2)、甲14-8(3)及び甲15-2並びに甲15-3(以下、「甲14-6等」という。)をみると、「Pro STH16」は他の消防用ホースと同じように展示されている。通常、こうした展示は自社製品の販売すなわち譲渡又は貸し渡しの促進を1つの目的として行うものであって、甲14-6等から「譲渡又は貸し渡し」を除外していることをうかがわせる格別な事情はない。そして、カタログ又はパンフレットを用いるか、従業員による説明とするかは、商品の販売戦略あるいは効率を踏まえて展示者が選択すべき事項であるから、「カタログによる勧誘」、「パンフレットの配布」あるいは「消防用ホースの糸の種類、繊度、密度等の使用に関する配布物や掲示物」がないことのみをもって、「譲渡又は貸し渡しのための展示ではない」とはいえない。さらに、「消防用ホースの糸の種類、繊度、密度等の使用に関する配布物や掲示物」がなくても、従業員は聞かれれば説明できる状況であったので、展示された消防用ホースの糸の種類、繊度、密度等が公然知られるおそれのある状態にあったといえる。
また、甲16-1ないし甲16-9からは、消防用ホースの購入の入札手続の担当者である大阪市消防局警防部警防課の職員が、「Pro STH16」と同じジャケット組織の試作ホース、消防用ホース検査成績表及び圧力損失測定試験結果(以下、「試作ホース等」という。)を消防用ホースの製造及び販売を行う株式会社横井製作所の従業員から受け取ったことが示される。ここで、大阪市消防局警防部警防課の職員が試作ホース等について秘密として保持すべき義務を負う理由はない。また、試作ホース等を受け取った大阪市消防局警防部警防課の職員は消防用ホースの購入予定者の1つである大阪市における手続の担当者である。消防用ホースの購入予定者は通常不特定であるから、当該職員も不特定の者のうちの1名である。そうすると、甲16-1ないし甲16-9は、「Pro STH16」と同じジャケット組織の試作ホースが本件特許1及び2の出願日前に公然知られるおそれのある状況で貸し渡されたと解するのが相当である。
そうすると、甲14-9ないし甲14-9、甲15-1ないし甲15-3及び甲16-1ないし甲16-9から、甲13発明に係る消防用ホース(ProSTH16)は公然実施をされたものといえるから、特許権者の主張は当を得ない。
エ まとめ
以上のとおり、本件発明1及び本件発明2は、甲1発明並びに周知技術1及び周知技術2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
また、本件発明1及び本件発明2は、甲13発明及び周知技術2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
4.むすび
以上のとおり、本件発明1及び本件発明2は、甲1発明及び周知技術1並びに周知技術2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。
また、本件発明1及び本件発明2は、甲13発明及び周知技術2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。
したがって、本件発明1及び本件発明2に係る特許は、特許法第113条第2項に該当し、取り消されるべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2021-700683