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特許異議申立

2021-700126

器搬送システム

審判番号
2021-700126
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-001968
登録番号
特許第6736114号(P6736114)
請求日
2021年02月04日
審決日
2021年06月02日
公報発行日
2021年07月30日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】アイカム株式会社
  • 【異議申立人】山▲崎▼ 浩一郎
審判長/審判官
  • 審判長 佐々木 芳枝
  • 審判官 柿崎 拓
  • 審判官 神山 貴行
分類
P1651.121-Y (A47G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6736114号発明「器搬送システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6736114号の請求項1ないし10に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第6736114号の請求項1~10に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、令和2年1月9日に出願され、令和2年7月17日にその特許権の設定登録がされ、令和2年8月5日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許に対し、令和3年2月4日に特許異議申立人山▲崎▼浩一郎は、特許異議の申立てを行った。 第2 本件特許発明 特許第6736114号の請求項1~10に係る発明(以下、「本件特許発明1」~「本件特許発明10」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 飲食物を載せICタグが取り付けられる器を搬送する搬送レーンと、 前記搬送レーンにおいて搬送方向と直交する幅方向の端側にあり、前記搬送レーンから取り出されて前記搬送レーンに沿うテーブル側に移動中の器のICタグを読み取る第1アンテナと、を備え、 前記搬送レーンは、高さ位置の異なる複数の搬送レーンを備え、 前記第1アンテナは、前記搬送レーン毎にあり、対応する搬送レーンから取り出されて前記テーブル側に移動中の器のICタグを読み取ることを特徴とする器搬送システム。 【請求項2】 前記テーブルに設置され、前記テーブル上の器のICタグを読み取る第2アンテナと、 前記第1アンテナおよび前記第2アンテナが取得するICタグの読取情報に基づき、前記テーブル上の器のうち、前記搬送レーンから取り出された器と、前記搬送レーンを経ずに前記テーブルに運ばれた器と、を特定する計算手段と、 を備えることを特徴とする請求項1に記載の器搬送システム。 【請求項3】 前記搬送レーンとして、注文品を搬送する注文用搬送レーンを備え、 前記計算手段は、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナが取得するICタグの読取情報に基づき、前記テーブル上の器のうち、前記注文用搬送レーンから取り出された器と、前記注文用搬送レーンを経ずに前記テーブルに運ばれた器と、を特定し、総売上に対する注文品の総売り上げの割合を計算することを特徴とする請求項2に記載の器搬送システム。 【請求項4】 前記搬送レーンとして、注文品を調理場から搬送台により搬送する注文用搬送レーンを備え、 前記テーブルに設置され、前記テーブル上の器のICタグを読み取る第2アンテナと、 前記注文品を載せた器のICタグの読取情報が前記第1アンテナおよび前記第2アンテナにて取得されると、前記注文用搬送レーンにより前記搬送台を前記調理場に戻させる指令を出力する計算手段と、 を備えることを特徴とする請求項1に記載の器搬送システム。 【請求項5】 前記第2アンテナは、グループ客用の前記テーブルにおいて、客毎に設置されることを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載の器搬送システム。 【請求項6】 飲食物を載せICタグが取り付けられる器を搬送する搬送レーンと、 前記搬送レーンにおいて搬送方向と直交する幅方向の端側にあり、前記搬送レーンから取り出されて前記搬送レーンに沿うテーブル側に移動中の器のICタグを読み取る第1アンテナと、 前記テーブルに設置され、前記テーブル上の器のICタグを読み取る第2アンテナと、 前記第1アンテナおよび前記第2アンテナが取得するICタグの読取情報に基づき、前記テーブル上の器のうち、前記搬送レーンから取り出された器と、前記搬送レーンを経ずに前記テーブルに運ばれた器と、を特定する計算手段と、 を備えることを特徴とする器搬送システム。 【請求項7】 前記搬送レーンとして、注文品を搬送する注文用搬送レーンを備え、 前記計算手段は、前記第1アンテナおよび前記第2アンテナが取得するICタグの読取情報に基づき、前記テーブル上の器のうち、前記注文用搬送レーンから取り出された器と、前記注文用搬送レーンを経ずに前記テーブルに運ばれた器と、を特定し、総売上に対する注文品の総売り上げの割合を計算することを特徴とする請求項6に記載の器搬送システム。 【請求項8】 前記第2アンテナは、グループ客用の前記テーブルにおいて、客毎に設置されることを特徴とする請求項6または7に記載の器搬送システム。 【請求項9】 注文品である飲食物を載せICタグが取り付けられる器を、搬送台によって調理場から搬送する注文用搬送レーンと、 前記注文用搬送レーンにおいて搬送方向と直交する幅方向の端側にあり、前記注文用搬送レーンから取り出されて前記注文用搬送レーンに沿うテーブル側に移動中の器のICタグを読み取る第1アンテナと、 前記テーブルに設置され、前記テーブル上の器のICタグを読み取る第2アンテナと、 前記注文品を載せた器のICタグの読取情報が前記第1アンテナおよび前記第2アンテナにて取得されると、前記注文用搬送レーンにより前記搬送台を前記調理場に戻させる指令を出力する計算手段と、 を備えることを特徴とする器搬送システム。 【請求項10】 前記第2アンテナは、グループ客用の前記テーブルにおいて、客毎に設置されることを特徴とする請求項9に記載の器搬送システム。」 第3 特許異議の申立ての理由の概要 特許異議申立人が主張する特許異議の申立ての理由の概要は次のとおりである。 本件特許発明1は、本件特許についての出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証(以下、「甲1」という。甲第2号証~甲第10号証についても、同様に「甲2」~「甲10」という。)~甲7に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明2~本件特許発明5は、本件特許についての出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1~甲10に記載された発明に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明6は、本件特許についての出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1、甲6~甲10に記載された発明に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明7及び本件特許発明8は、本件特許についての出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1~甲4、甲6~甲10に記載された発明に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである。 本件特許発明9及び本件特許発明10は、本件特許についての出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1~甲4、甲8~甲10に記載された発明に基いて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものである。 したがって、本件特許発明1~本件特許発明10に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。 甲1:特開平8-138145号公報 甲2:特開2002-102044号公報 甲3:特開2012-130496号公報 甲4:特開2011-289号公報 甲5:特表2010-526375号公報 甲6:特開平11-76032号公報 甲7:特開平11-123136号公報 甲8:特開2007-148607号公報 甲9:特開2007-159806号公報 甲10:特開2007-164395号公報 第4 文献の記載 1 甲1 (1)甲1の記載 特許異議申立人が提出した甲1には以下の事項が記載されている(下線は当審で付与した。以下、同様である。)。 ア 「【0002】 【従来の技術】商品のセルフサービス営業を行っている店舗、例えば寿司バーの場合、図9に示す如く、店舗100内に商品提供場たるカウンター1を設け、その周辺に多数の椅子2が設けられている。カウンター1内には、寿司(商品)を盛った皿5をX方向に搬送させるベルトコンベア3が設けられている。係員WRKは寿司盛皿5をベルトコンベア3に載せ、顧客CSTは望む寿司盛皿5を取ってカウンター1に置いて食する。空の皿6は、カウンター1上に積重ねられる。なお、カウンター1は、複数(椅子2の数と同じ数)のテーブル(1Ti)を連続形成する。」 イ 「【0013】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。 (第1実施例)本自動料金表示発行装置は、図1,図2に示す如く、単価読取手段(11)と,総計料金算出手段(21,22)と,総計料金記憶手段23Mと,総計料金表示制御手段(21,22)と,精算用伝票印字発行制御手段(21,22)とを設け、商品が提供されるごとに当該単価Aを読取りつつそれまでの総計料金Atを算出して表示器15に表示し、かつプリンタ16を駆動して当該テーブル番号Tiとともに印字した精算用伝票16Sを発行可能に構成されている。 【0014】なお、本自動料金表示発行装置10は、従来例(図9)と同じ店舗100内のカウンター1が形成する各テーブル(1Ti)ごとに設けられている。商品は、飲食物(寿司)である。」 ウ 「【0017】ここに、商品提供場すなわちカウンター1の各テーブル1Tiに配設された共振タグ読取装置11は、商品に直接または間接的に設けられた当該商品の単価Aを読取ることができる。 【0018】すなわち、各皿5(6)の外底面には、単価データを共振作用可能に記憶させたタグ5Tが貼付けられている。つまり、寿司(商品)に間接的に設けられている。したがって、顧客CSTが寿司盛皿5をベルトコンベア3上から自己のテーブル1Tiに取込むと、検出電波とタグ5Tとの共振作用により、当該単価Aを読取ることができる。」 エ 「【0021】制御部20は、図2に示すように、CPU21,ROM22,RAM23,読取用インターフェイス(I/F)24および入出力ポート(I/O)26を含み、各機器11,15,16を駆動制御する。なお、表示コントローラ25およびプリンタコントローラ27は、図示便宜上、この制御部20に納められているものとする。 【0022】また、RAM23内には、自機(11,5,16,20)が配設されたテーブル1Tiの当該テーブル番号Tiを記憶する番号メモリ23Nと、算出された総計料金Atを記憶する総計料金記憶手段23Mとが形成されている。この第1実施例における総計料金記憶手段23Mには、総計料金Atの他に各読取単価Aiも記憶可能とされている。 【0023】ここに、総計料金算出手段は、単価読出手段(11)で読取られた単価A(図3のST10のYES)を、次々に累計加算(At=At+A)してそれまでの総計料金Atを算出する手段で、算出制御プログラムを格納させたROM22とCPU21とから形成され図3のST11で実行される。算出された総計料金Atは、上記総計料金記憶手段23Mに記憶される(ST11)。」 オ 「【0027】次に、この第1実施例の作用を説明する。図1において、椅子2に腰掛けた顧客CSTが、ベルトコンベア3上から2点鎖線で示す寿司盛皿5をY1方向に移動させてカウンター1(テーブル1Ti)上に置くと、商品提供場たるテーブル1Tiに配設された共振タグ読取装置(単価読取手段)11が、そのタグ5Tに記憶されていた単価A(例えば、“200円”)を共振作用によって読取る(図3のST10のYES)。」 カ 前記アによると、皿5に寿司を盛っていることが把握できる。この前記アは、【従来の技術】についての記載であるが、前記ウに「寿司盛皿5」と記載されていることを考慮すると、甲1の第1実施例においても、【従来の技術】と同様に、皿5に寿司が盛られているといえる。さらに、前記ウによると、皿5の外底面にタグ5Tが貼付けられているといえるから、皿5は、寿司が盛られ、外底面にタグ5Tが貼付けられているといえる。 キ 前記アによると、ベルトコンベア3が、皿5を搬送することが把握できる。この前記アは、【従来の技術】についての記載であるが、前記ウに「顧客CSTが寿司盛皿5をベルトコンベア3上から自己のテーブル1Tiに取り込む」と記載されていることを考慮すると、甲1の第1実施例においても、【従来の技術】と同様に、ベルトコンベア3が、皿5を搬送しているといえる。 ク 前記ア及び図9によると、テーブル1Tiはベルトコンベア3に沿って配置されていることが把握できる。この前記ア及び図9は、【従来の技術】についての記載であるが、前記イに「本自動料金表示発行装置10は、従来例(図9)と同じ店舗100内のカウンター1が形成する各テーブル(1Ti)ごとに設けられている。」と記載されていることを考慮すると、甲1の第1実施例においても、【従来の技術】と同様に、テーブル1Tiはベルトコンベア3に沿って配置されているといえる。 さらに、前記ウ及びオも考慮すると、共振タグ読取装置11は、テーブル1Tiに配設され、ベルトコンベア3上から移動されベルトコンベア3に沿うテーブル1Ti上に置かれる皿5のタグ5Tに記憶されていた単価Aを共振作用によって読取るものといえる。 ケ 前記エ及びオによると、総計料金算出手段は、算出制御プログラムを格納させたROM22とCPU21とから形成され、共振タグ読取装置11で読取られた単価Aを、次々に累計加算してそれまでの総計料金Atを算出するものといえる。 コ 前記クの共振タグ読取装置11は、ベルトコンベア3上から移動されテーブル1Ti上に置かれる皿5のタグ5Tに記憶されていた単価Aを共振作用によって読取るものであり、前記ケの総計料金算出手段は、この共振タグ読取装置11で読取られた単価Aを、次々に累計加算してそれまでの総計料金Atを算出するものであるから、前記キの皿5を搬送するベルトコンベア3、前記クの共振タグ読取装置11及び前記ケの総計料金算出手段は、相互に関連して、皿5の搬送に関するシステムを構成しているといえ、当該皿5の搬送に関するシステムに備えられるものといえる。 (2)引用発明 前記ア~コによると、甲1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「寿司が盛られ、外底面にタグ5Tが貼付けられている皿5を搬送するベルトコンベア3と、 テーブル1Tiに配設され、前記ベルトコンベア3上から移動され前記ベルトコンベア3に沿う前記テーブル1Ti上に置かれる前記皿5の前記タグ5Tに記憶されていた単価Aを共振作用によって読取る共振タグ読取装置11と、 算出制御プログラムを格納させたROM22とCPU21とから形成され、前記共振タグ読取装置11で読取られた前記単価Aを、次々に累計加算してそれまでの総計料金Atを算出する総計料金算出手段と、 を備える皿5の搬送に関するシステム。」 2 甲2 特許異議申立人が提出した甲2には以下の事項が記載されている。 (1)「【0002】 【従来の技術】通称、回転寿司と呼ばれている寿司店では、クレセントチェーンコンベヤ式の循環型飲食物搬送装置が使用され、無端回走する多数のスタット上に寿司等を盛り付けた皿等を載置して循環搬送させることにより、客は席にいながらにして好みの寿司等を選択して飲食することができる。」 (2)「【0008】上記方法において、搬送手段の移動速度を、搬送路の循環搬送速度よりも速くするか、又は搬送手段の搬送面の高さを、搬送路の搬送面よりも若干高くするのが好ましい。このようにすると、通常の搬送路の飲食物容器と区別されるので、搬送途中において注文客以外の客に飲食物容器を取られることはない。」 (3)「【0013】図1及び図2は、本発明の飲食物容器の供給装置1の第1の実施形態を備える循環型飲食物搬送装置(以下、搬送装置と略称する)2を示すもので、搬送装置2は、半月状の多数のスタット3をチェーン4の上部に枢着して構成された公知のクレセントチェーンコンベヤ式のものよりなり、スタット3上に形成される無端状の搬送路5に載置した寿司皿6を、循環搬送するようになっている。」 (4)「【0017】上記供給装置1は、搬送路5により囲まれた中央の空間部内、すなわち左右の直線搬送路5a、5bの間に、それと平行をなして直線状に設けられている。 【0018】供給装置1は、左右のフレーム11間を前後方向に往復無端回走する搬送手段、すなわちベルトコンベヤ12と、その前端の駆動ローラ13を回転させる正逆回転可能なモータ14とを備え、駆動ローラ13の従動プーリ15とモータ14の駆動プーリ16とに掛け回したVベルト17により駆動ローラ13を正逆回転させることにより、ベルトコンベヤ12の上側のベルト搬送面12aが、前後方向に往復移動されるようになっている。なお、ベルト搬送面12aの往復移動速度は、搬送装置2の搬送路5よりも若干速くしてある。 【0019】ベルト搬送面12aは、搬送装置の搬送路5よりも若干高くしてあり、常時搬送される寿司皿6と区別されるようになっている。 【0020】ベルト搬送面12aにおける厨房7内の供給部に位置する後端部上面の定位置には、注文された寿司皿6を位置決めして載置するための凹状の保持板18が固定されている(図2参照)。」 (5)「【0021】搬送装置2における下流側の内方のガイドフレーム19の上面には、各テーブル10の中央部と対応する位置に、ベルト搬送面12a上を搬送されてくる寿司皿6の有無を検出する検知センサ20が、ブラケット21により支持されている。」 (6)「【0031】保持板18上より寿司皿6がなくなると、これを検知センサ20が検出することにより、モータ14に逆回転信号が発せられ、ベルトコンベヤ12のベルト搬送面12aは後方に移動する。保持板18が厨房7内の定位置まで達したことを検知センサ22が検出すると、モータ14が停止してベルトコンベヤ12も停止し、次の寿司皿6の搬送に備える。」 3 甲3 特許異議申立人が提出した甲3には以下の事項が記載されている。 (1)「【0013】 飲食物搬送装置1には、店内K側に平面視櫛歯状に3つの島部4a,4b,4cが形成された無端状の循環搬送路9が設けられ、各島部4a,4b,4cを囲むように飲食カウンタ5及び飲食テーブル6と、飲食カウンタ5及び飲食テーブル6で飲食客が着座する飲食シート7とが配備されている。 【0014】 また、図1に示すように、店内Kと厨房Cとの間には、店内Kと厨房Cとを隔てる壁Wが設けられており、循環搬送路9に載置された寿司皿3は、壁Wに設けられた複数の開口8を通過して店内の各島部4a,4b,4cにほぼ一定速度にて搬送されて、飲食客に提供されるようになっている。」 (2)「【0017】 図1における各島部4a,4b,4cの上方には、各島部4a,4b,4cの前後に配備された飲食テーブル6と飲食シート7に着座している飲食客に対して、飲食客が注文した飲食物としての寿司10が載置された寿司皿3を厨房Cから搬送するための、本発明における走行レーンとしての注文搬送路12が図2に示すように、配置されている。以下、各島部4a,4b,4cにおける注文搬送路12の構成は同一であり、更に、注文搬送路12は前後の構成が同一であるので、本実施例では島部4aの注文搬送路12の一方側についてのみ説明する。」 (3)「【0018】 図2及び図6に示すように、注文搬送路12は、厨房Cから島部4a,4b,4cの先端にかけて循環搬送路9の直上に配置されている。この注文搬送路12上には、寿司10を載置した寿司皿3を載置した状態でクレセントチェーンコンベア9aの上方を走行する本発明における走行体としての搬送トレー23と、注文搬送路12の略全長に沿って、搬送トレー23を注文搬送路12上で走行させるための本発明における搬送駆動体としての駆動ユニット14と、が配置されている。」 4 甲4 特許異議申立人が提出した甲4には以下の事項が記載されている。 (1)「【0018】 以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、実施例に係る食品循環搬送装置を設けた回転寿司店を例示した斜視図である。図示の通り、この食品循環搬送装置は、客席テーブルTBLに近接してクレセントチェーンを水平面で循環させるメイン循環装置とは別に、クレセントチェーンの循環路の上部位置において、ベルトBTを垂直面で循環させるサブ搬送装置MATを有して構成されている。 【0019】 なお、図示省略しているが、クレセントチェーンには、寿司などを盛った食品皿が定常的に巡回しており、客席テーブルTBLの来店客は、自分好みの寿司が盛られた食品皿をクレセントチェーンから取り出して食するようになっている。」 (2)「【0020】 一方、自分好みの食品が巡回していない場合には、来店客は、不図示のインターフォンなどを使用して、希望する食品を依頼する。すると、依頼された注文品は、サブ搬送装置MATのベルトBTに載置されて搬送され、誘導装置GDの案内レバーに誘導されてサイドテーブルTLに到達する。」 (3)「【0038】 続いて、図2に示すサブ搬送装置MATの動作内容を説明する。ここでは、仮に、全ての客席セクションS1~S6について、その右側Rまたは左側Lの何れか一方から、同時期に各々4皿の注文が入り、合計で4×6皿の食品皿を搬送する場合を説明する。 【0039】 来店客からの注文を受けた厨房側では、食品皿DSに注文品を盛ると共に、客席セクションS1から客席セクションS6の順番に、ベルトBTに載置する。そして、係員は、その食品皿を受け取るべきサイドテーブルTLを制御装置にセットする。なお、食品皿は、ベルトBTの搬送速度に対応して、最速では1.2秒程度の時間間隔で投入可能となるが、作業員の作業負担を考慮して、通常は、2~3秒程度とされる。そのため、合計24皿の食品皿DSをベルトBTに載せるのに要する時間は、食品皿の投入時間間隔TMに対応してTM×24となる。」 5 甲5 特許異議申立人が提出した甲5には以下の事項が記載されている。 (1)「【0014】 消費者は、食べたい食品を選択して、食品が消費される場所におけるある位置にその容器を持ってくる。消費者が食事を終えたとき、センサーは、消費された全ての食品の費用を集計するために利用される。より具体的には、センサーは、消費者が食品を消費した容器のタグに蓄積されたデータをリードするように構成されている。データは、センサーから、そのセンサーと関連づけられたプロセッサーへと通信される。プロセッサーは、食品の価格を受信し、且つ、消費者による支払いのための食品のトータル費用を自動的に計算するように構成されている。」 (2)「【0023】 図1はさらに、近接にもたらされるプレート16のタグ30上に蓄積されたデータを電気的にリードするように構成されたセンサー32、34を示している。この特定の実施形態では、複数のセンサー32、34は、コンベヤベルトシステム18に沿って間隔を一般的に開けて示されている。センサーは、プレート16上に配置された寿司を消費するように消費者が座る場所に位置している。別の実施形態では、より少ない又はより多くのセンサー32、34が、プレート16とそのプレートによって運ばれる食品とを追跡するように使用されてもよい。」 (3)「【0028】 図3は、図1及び図2に示したような食品の識別及び追跡システムのブロック図であって、そこでは、そのシステムはセンサー32、34及びコンベヤ18と共に配置されたディスプレイ36、38を含んでいる。センサーは、コンベヤ18上にある、例えばプレート16のような容器に取り付けられた識別タグからデータをリードすることができる。要求されるものではないが、センサー32、34とディスプレイ36、38とは、中央プロセッサー50に通信接続がなされてもよい。中央プロセッサー50は、コンベヤ18から取られたプレート16上の食品の消費を追跡するために、センサー32、34によってタグ30からリードされた識別データを使用するように、構成されていてもよい。」 (4)「【0029】 食品在庫及び食品準備のそのような管理は改善され、そこではプレート16上のタグ30は、タグ30に取り付けられたプレート16をシステム内で独自に識別するデータをさらに含んでいる。コンベヤベルト18上にずっとあったと知られたプレート16上のタグが、センサー32、34によってもはやリードされない場合、そのシステムは、消費又は処分のいずれかの理由で、その特別のプレートがコンベヤ18から取り除かれたと仮定することができる。後で指摘するように、食品を保持するプレート16がコンベヤ18上に長時間、消費のために取り除かれることなく載っている場合には、そのシステムは、コンベヤ18から特定の食品を取り除くために、オペレータに通知することもできる。代わりに又は付加的に、コンベヤ18に接続された作動アームのような自動化されたメカニズムが、長時間コンベヤ18上にあったことが知られた食品を載せた特定のプレート16を自動的に除くために利用されてもよい。各プレート16に割り当てられた独自の識別コードがまた、消費を理由に消費者によって取り除かれた特定のプレートの識別を助ける。これは、需用がある食品の種類の追跡のために有益であって、それにより、消費されている食品の在庫購入及び集中的準備を促進させることができる。」 6 甲6 特許異議申立人が提出した甲6には以下の事項が記載されている。 (1)「【請求項1】 循環型の搬送路上を搬送され、飲食客が取り出す飲食物または前記飲食物が載置された飲食物容器の種別を検出する検出手段と、各客席毎に設けられた注文パネルと、前記注文パネルからの注文情報を前記客席毎に付与された客席番号に関連付けて表示する厨房又は所定箇所に設けられた表示パネルと、前記検出手段より検出された飲食物あるいは飲食物容器の種別と、前記注文パネルにより注文された飲食物あるいは飲食物容器の種別とを、前記客席番号に関連付けて記憶、更新する記憶更新手段と、前記客席番号に関連付けられて記憶されている飲食物または飲食物容器の種別を読み出してその合計数量または合計金額を算出する総計精算手段と、からなっていることを特徴とする飲食物の発注、精算システム。」 (2)「【0018】前記クレセントチェーンコンベア2の周囲には、図1に示すように前記個々の寿司皿3に設けられているバ-コ-ド4を読み取る読み取り装置5が、前記投入口2’の近接した下流部と、飲食客が飲食する客席位置の両側部に設けられており、各読み取り装置5は信号ケ-ブルによって記憶更新手段である管理コンピュ-タ6に接続されており、寿司皿3の通過に伴い、寿司皿3の検出を行うとともに、前記寿司皿3に付与されたバ-コ-ド4を読み取り、そのID番号を前記コンピュ-タ-6に送出するようになっている。」 (3)「【0025】次いでこれらの寿司皿3は、クレセントチェ-ンコンベア2により搬送されて飲食客に提供されるが、これらの寿司皿3は、搬送されていく経過において、前記クレセントチェ-ンコンベア2の側部の客席両側部に設けられた各読み取り装置5により検出され、随時そのID番号が読み取られていき、飲食客が前記寿司皿3を取り出した場合には、取り出した飲食客の客席の上流部に設けられた読み取り装置5ではそのID番号が検出されるが、その客席下流部に設けられた読み取り装置5では検出されなくなることから、前記管理コンピュ-タ6は、所定時間を経過しても検出されないID番号を見いだし、そのID番号が最後に検出された読み取り装置5の番号から、どの客席番号の飲食客がその寿司皿3を取り出したのかを判断することができ、その寿司皿3に関連付けられて登録されている寿司の種別を前記の客席番号に関連付けて記憶、更新するようにされており、これらの構成によって、本実施例では飲食物の種別を検出する検出手段が実現されている。」 (4)「【0027】また、飲食客が所望の種類の寿司がクレセントチェ-ンコンベア2上に見当たらない場合には、飲食客は前記各客席毎に設けられている注文パネル10を操作して注文を実施する。」 (5)「【0032】前記表示パネル8には、図6に示されるように握るべき寿司の表示が白黒反転されて表示されており、この表示を確認して、職人は表示に基づく寿司を握り、その寿司を寿司皿3に載置して注文した客席の飲食客に提供する。 【0033】この場合において、前記寿司皿3にはバ-コ-ド4が付与されているために、飲食客に提供する際に、前記クレセントチェ-ンコンベア2の近傍に設けられた読み取り装置5によって誤って読み取りがなされてしまうと、未登録の寿司皿3が検出されてしまうことになり、システムが誤動作する可能性があることから、これら注文された寿司は、前記のバ-コ-ド4が付与されていない寿司皿に載置して飲食客に提供することが好ましい。 【0034】このようにして前記職人は、表示パネルに表示された寿司の提供が終了した段階にて前記フットスイッチ9を踏んで完了の入力を実施する。 【0035】この入力を受けて前記管理コンピュ-タ6は、その注文デ-タに基づく寿司の種別を、前記クレセントチェ-ンコンベア2上の寿司同様に、その注文した客席番号に関連付けて記憶、更新する。」 (6)「【0036】次いで、飲食客が飲食を終了して精算を実施する場合には、前記注文パネルに設けられた精算ボタン30を入力する。 【0037】この入力に基づき、前記MPU21は、管理コンピュ-タ6に自己の客席番号に関連付けられて記憶されている寿司の種別デ-タの出力を要求し、この種別デ-タに基づいて、図5に示されるように各単価別の寿司の種別、数量と、飲食した寿司の合計金額を算出して前記LCDパネル26に表示するとともに、客席番号と日付、並びに前記合計金額等の精算デ-タおよびこの精算デ-タに基づくバ-コ-ド31をプリンタ24に印字させ、レシ-ト32を飲食客に発行する。」 (7)「【0042】また本実施例においては、寿司皿3に識別符号としてバ-コ-ド4を付与しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の識別符号、例えば電磁波等によりIDデ-タを送出、受信するようなものなどを用いて検出手段を構成しても良い。」 7 甲7 特許異議申立人が提出した甲7には以下の事項が記載されている。 (1)「【請求項1】 飲食台に沿って設けられた循環型搬送路を有する飲食カウンタにおいて、前記循環搬送路上を搬送され、各客席の飲食客により取り出された飲食物の種別または前記飲食物が載置された飲食物容器の種別を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された飲食物の種別または飲食物容器の種別を表示する各客席毎に設けられた表示パネルと、から成ることを特徴とする飲食内容表示システム。」 (2)「【0018】前記クレセントチェーンコンベア2の周囲には、図1に示すように前記個々の寿司皿3に設けられているバ-コ-ド4を読み取る読み取り装置5が、前記投入口2’の近接した下流部と、飲食客が飲食する各客席8の両側部に設けられており、各読み取り装置5は信号ケ-ブルによって飲食客により取りだされた寿司の種別を検出、判断する検出手段である管理コンピュ-タ6に接続されており、寿司皿3の通過に伴い、寿司皿3の検出を行うとともに、前記寿司皿3に付与されたバ-コ-ド4を読み取り、そのID番号を前記管理コンピュ-タ-6に送出するようになっている。」 (3)「【0025】次いでこれらの寿司皿3は、クレセントチェ-ンコンベア2により搬送されて飲食客に提供されるが、これらの寿司皿3は、搬送されていく経過において、前記クレセントチェ-ンコンベア2側部の客席両側部に設けられた各読み取り装置5により検出され、随時そのID番号が読み取られていき、飲食客が前記寿司皿3を取り出した場合には、取り出した飲食客の客席の上流部に設けられた読み取り装置5ではそのID番号が検出されるが、その客席下流部に設けられた読み取り装置5では検出されなくなることから、前記管理コンピュ-タ6は、所定時間を経過しても検出されないID番号を見いだし、そのID番号が最後に検出された読み取り装置5の個別の番号から、どの客席番号の飲食客がその寿司皿3を取り出したのかを判断、検出することができ、その寿司皿3に関連付けられて登録されている寿司の種別を、その客席番号に関連付けて記憶装置14に記憶、更新するようにされており、これらの構成によって、本実施例1では飲食物の種別を検出する検出手段が実現されている。」 (4)「【0029】次いで、飲食客が飲食を終了する場合には、前記表示パネル10に設けられた精算ボタン18を入力する。 【0030】この入力に基づき、前記MPU17は、前記管理コンピュ-タ6に対して精算がなされたことを通知し、この通知に基づいて、前記管理コンピュ-タ6は新たに取りだしが検出された寿司の種別を新たな飲食客が飲食したものとして個別に記憶装置14に記憶するようにし、前記MPU17は、前記メモリ19に記憶されている飲食された寿司の種別および単価デ-タに基づき算出された合計金額と、客席番号、日付等の精算デ-タおよびこの精算デ-タに基づくバ-コ-ド24をプリンタ20に印字させ、レシ-ト25を飲食客に発行する。」 (5)「【0041】飲食時において、飲食客が注文を実施したい場合には、前記注文パネル10’に設けられた切り替えボタン33を飲食客が入力することにより、図8に示される注文画面が前記LCDパネル23に表示される。」 (6)「【0046】前記注文内容表示パネル28には、図9に示されるように握るべき寿司の表示が白黒反転されて表示されており、この表示を確認して、職人は表示に基づく寿司を握り、その寿司を寿司皿に載置して注文した客席の飲食客に提供する。 【0047】この場合において、前記寿司皿3にはバ-コ-ド4が付与されているために、飲食客に提供する際に、前記クレセントチェ-ンコンベア2の近傍に設けられた読み取り装置5によって誤って読み取りがなされてしまうと、未登録の寿司皿3が検出されてしまうことになり、システムが誤動作する可能性があることから、これら注文された寿司は、前記のバ-コ-ド4が付与されていない寿司皿に載置して飲食客に提供することが好ましい。 【0048】このようにして前記職人は、注文内容表示パネル28に表示された寿司の提供が終了した段階にて前記フットスイッチ35を踏んで完了の入力を実施する。 【0049】この入力を受けて前記管理コンピュ-タ6’は、その注文デ-タに基づく寿司の種別を、前記クレセントチェ-ンコンベア2上の寿司同様に、その注文した客席番号に関連付けて記憶、更新し、これら注文された寿司の種別データも、前記クレセントチェ-ンコンベア2上の寿司と同様に、注文パネル10’に出力し、表示されるようになっており、本実施例2においては、これら注文による寿司の表示は、クレセントチェ-ンコンベア2上の寿司と異なり、赤色にて表示されるようになっており、飲食客が区別できるようにされている。」 (7)「【0059】また前記各実施例においては、前記したように各寿司皿3に識別符号としてバ-コ-ド4を付与し、その寿司皿3に載置される寿司の種別とを関連付けて管理コンピュ-タ6または6’に登録しておき、これら寿司皿3に設けられたバ-コ-ド4を各客席の両側部に設けられた読み取り装置5により検出することにより、各客席において取り出された寿司の種別を検出する検出手段を構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他の検出手段、例えば前記バ-コ-ド4に代えて電磁波等によりIDデ-タを送出、受信するようなものなどを用いても良いし、また、寿司皿3内部にメモリ等を設け、このメモリに寿司の種別等を書き込むようにしても良いし、更には画像認識により、寿司の種別を判断して、検出するようにしても良い。」 8 甲8 特許異議申立人が提出した甲8には以下の事項が記載されている。 (1)「【0062】 第2リーダ部206は、テーブル5の上面側内部に設置されている(図5(b)参照)。そして、制御部201の指示により、第2リーダ部206は、利用客が所持するサービスカード500を第2リーダ部206の近辺にかざすと、利用客が前回に食した飲食情報としての第1飲食情報を読取る。また、利用客が、所望の飲食物の載る容器600を選んでテーブル5の上に置いた場合に、その容器600に収容されるICタグ610の第2メモリIC611に書込まれた第2飲食情報を読取る。読取った第1飲食情報や第2飲食情報は、第2記憶部202に記憶させる。制御部201は、第2記憶部202に記憶させた第1飲食情報を管理装置400に第2通信部205を介して送信する。また、制御部201は、第2記憶部202に記憶させた第2飲食情報に基づき、情報を処理して、処理した情報の内容を第2表示部203としての液晶モニタ203a(図5(a)参照)に表示させる。液晶モニタ203aには、具体的には、上述した第2飲食情報を構成する各情報(品名、種別、加工方法、価格、カロリー量など)が所定のフォーマットで表示される。なお、第2表示部203としては、液晶モニタ203aに限らずEL(Electro Luminescent)素子を使用する表示装置や、CRT(ブラウン管)を使用する表示装置などであっても良い。」 (2)「【0073】 管理装置400は、利用客の飲食した飲食物の情報を管理する装置である。また、管理装置400は、利用客の飲食した飲食物に対する会計処理を含め店舗の売上などの管理を行う装置でもある。」 (3)「【0080】 ここで、上述した飲食物提供システム1に対して、利用客の基本的な動作を説明する。 利用客は、来店した場合、店員に所持するサービスカード500を渡し、第1飲食情報を読み取ってもらうか、客席に着き、テーブル5の上面付近にサービスカード500をかざして第1飲食情報を読取ってもらう。そして、利用客は、第1ベルトコンベア106aに載置されて周回する容器600に載せられた飲食物に対して、所望の飲食物を選び、その飲食物の載った容器600を取り、テーブル5に置くと、液晶モニタ203aには取った飲食物の飲食情報が表示される。利用客は、入力スイッチ204aを操作して、表示される情報の内容を切替えることなども行う。このようにして飲食情報を確認しながら食することも、また、返却することもできる。そして、利用客は、飲食物を食した後、容器600を返却口31を介して返却する。その時、液晶モニタ203aには今まで食した累計金額などが表示される。そして、利用客は、食事を終了する場合、入力スイッチ204aを操作して、食事終了などの操作を行う。利用客は、その後、会計処理を行う。その際、所持するサービスカード500を店員に渡し、今回食した飲食情報(第3飲食情報)をサービスカード500に書込んでもらう。また、利用客は、金銭処理し、レシートを受取り店を出る。以上のような動作となる。 【0081】 図6は、客席端末装置の有する第2リーダ部が、テーブルに置かれた容器の第2飲食情報を読取る場合のフローチャートである。図6を用いて、フローを説明する。 【0082】 ステップS700では、第2リーダ部206は、制御部201により、電磁波を常に出しており、テーブル5に利用客が容器600を置くと、ICタグ610は第2リーダ部206の出す電磁波を受信する。そして、図4で説明した動作により、制御部201は、第2リーダ部206に、ICタグ610に書込まれた第2飲食情報を読取らせる。読取らせた第2飲食情報を第2記憶部202に記憶することにより、情報取得できたか否かを判断する。情報取得できた場合(Yes)には、ステップS701に移行する。ステップS701では、制御部201は、第2記憶部202に記憶した第2飲食情報を読込む。そして、その情報を処理して、処理した情報の内容を表示用のフォーマットに従い第2表示部203としの液晶モニタ203aに表示する。情報取得できない場合(No)には、情報取得を繰返す。具体的には、ICタグ610からの電磁波による送信を待つ状態となる。」 9 甲9 特許異議申立人が提出した甲9には以下の事項が記載されている。 (1)「【0017】 図1に示すように、本飲食物提供システム1は、容器としての食器10と、食器搬送用の搬送部20と、利用客が選択した食器10を置くためのテーブル30と、利用客に情報を提示する表示部103と、利用客が操作する操作部104とを備える。 【0018】 食器10としては、皿に限らずカップやお椀などが用いられる。各食器10上には、寿司やデザート等を含む対象物品としての飲食物FDが乗せられている。そして、それぞれの食器10の底面内部には、メモリICとして、電磁波を用いて内蔵する記憶部の情報を非接触で読み書きするICタグ80が取り付けられている。このICタグ80は、情報保持装置として機能するものであり、飲食物FDに関する情報が書き込まれた状態で食器10とともに搬送部20上に配置される。なお、ICタグ80は、アンチコリジョンタイプでリード/ライトが可能な無線タグである。」 (2)「【0022】 図1に戻って、テーブル30は、搬送部20に隣接して設けられており、利用客が着席する4つの座席を有している。テーブル30には、アンテナ52が埋め込まれており、このアンテナ52は、テーブル30上に載置された複数の食器10のICタグ80に対し電力を供給することができるとともに、各ICタグ80から信号を取り出すことができるようになっている。なお、テーブル30は、利用客が飲食物FDを載せた食器10を選択して購入したことを意味する抽出場所となっている。」 (3)「【0028】 制御部101は、マイコンチップ等からなる情報処理手段である。この制御部101は、リーダ/ライタ本体51との間で通信を行って、アンテナ52を介して、食器10に設けたICタグ80に対して記録情報の読み取りを行わせる。また、制御部101は、リーダ/ライタ本体51を介して得た記録情報やこれを加工した処理結果を記憶部102に保管させる。この処理結果には、飲食物の消費状況情報として、テーブル30で飲食した合計金額、栄養摂取量、購入リスト等の情報が含まれている。その他、制御部101は、表示部103に、上記消費状況情報のほか、後述する周回情報等を含む各種情報を所定のフォーマットで表示させ、或いは利用客による操作部104の操作の便宜等を図る各種表示を表示部103に行わせることができる。さらに、制御部101は、操作部104から利用客の操作に対応する信号を受け取って動作し、システムの利用開始や利用終了等の処理を行う。なお、制御部101は、通信部105を介して調理場端末装置200や管理装置300と通信を行って情報を交換できるようになっており、管理装置300を操作する店員に勘定支払いの意思表示をする要求する信号を出力すること等が可能になっている。」 (4)「【0048】 店員は、管理装置300を使用して、客席端末装置100から送信された利用客の飲食した飲食物に対する累計金額の情報(データ)に基づき会計処理を行うことができる。具体的には、制御部301が、会計処理時に、客席端末装置100から送信され、記憶部302に記憶されている累計金額のデータを読込み、表示部303としての液晶モニタに累計金額を表示させる。液晶モニタには、操作部304としてのタッチパネルが設置されている。利用客は、累計金額に対応する金銭を店員に払うと、店員は、タッチパネルなどを操作して、キャッシュドロワ部306を開放させ、金銭の授受を行う。さらに、店員は、タッチパネルなどを操作して、印刷部308としてのレシートプリンタを動作させ、レシートを発行して会計処理を行う。また、利用客がクレジットカードなどで会計処理する場合には、磁気カードリーダ部307を利用してクレジットカードの情報を読込み会計処理を行うこともできる。」 10 甲10 特許異議申立人が提出した甲10には以下の事項が記載されている。 (1)「【0017】 テーブル30は、4つの座席に対応するものとなっており、上面が各座席に対応して4つの座席領域30a~30dに分かれている。各座席領域30a~30dは仮想的なものであるが、それぞれにアンテナ52A~52Dが埋め込まれており、各アンテナ52A~52Dは、それぞれに対応する座席領域30a~30d及びその近傍に載置された複数の食器10のICタグ80に対し電力を供給することができるとともに、各ICタグ80から信号を取り出すことができるようになっている。なお、テーブル30は、利用客が飲食物FDを載せた食器10を選択して購入したことを意味する抽出場所となっており、各座席領域30a~30dも、同様の抽出場所と考えることができる。 【0018】 表示部103は、例えば液晶モニタからなる表示装置であり、不図示の制御装置に駆動されて動作する。表示部103は、アンテナ52A~52Dを介して読み取られたICタグ80すなわち食器10の情報が後述する客席端末装置によって適宜処理された結果として、飲食物の利用状況情報を表示する。この利用状況情報には、後に詳述するが、料金、栄養、名称等の各種情報が含まれ、座席やテーブル単位で集計した合計金額、栄養摂取量、購入リスト等が、利用客に見易い状態で表示部103にリアルタイムで表示される。なお、表示部103としては、液晶モニタに限らず、EL(Electro Luminescent)素子を使用する表示装置、CRT(ブラウン管)を使用する表示装置等を用いることができる。」 (2)「【0022】 制御部101は、マイコンチップ等からなる情報処理手段である。この制御部101は、リーダ/ライタ本体51との間で通信を行って、各アンテナ52A~52Dを介して、食器10に設けたICタグ80に対して記録情報の読み取りを行わせる。また、制御部101は、リーダ/ライタ本体51を介して得た記録情報やこれを加工した処理結果を記憶部102に保管させる。この処理結果には、飲食物の利用状況情報として、テーブル30で飲食した合計金額や、各座席ごとの合計金額、栄養摂取量、購入リスト等の情報が含まれている。その他、制御部101は、表示部103に上記利用状況情報等を所定のフォーマットで表示させ、或いは利用客による操作部104の操作の便宜等を図る各種表示を表示部103に行わせることができる。制御部101は、操作部104から利用客の操作に対応する信号を受け取って動作し、システムの利用開始や利用終了等の処理を行う。なお、制御部101は、通信部105を介して調理場端末装置200や管理装置300と通信を行って情報を交換できるようになっており、管理装置300を操作する店員に勘定支払いの意思表示をする要求する信号を出力すること等が可能になっている。」 第5 当審の判断 1 本件特許発明1について (1)本件特許発明1と引用発明の対比 引用発明の「寿司」、「タグ5T」、「貼付けられている」及び「皿5」は、それぞれ本件特許発明1の「飲食物」、「ICタグ」、「取り付けられる」及び「器」に相当し、引用発明の「ベルトコンベア3」は、皿5が搬送されるレーンを形成するものであるから、本件特許発明1の「搬送レーン」に相当する。すると、引用発明の「寿司が盛られ、外底面にタグ5Tが貼付けられている皿5を搬送するベルトコンベア3」は、本件特許発明1の「飲食物を載せICタグが取り付けられる器を搬送する搬送レーン」に相当する。 引用発明の「共振タグ読取装置11」は、本件特許発明1の「第1アンテナ」に相当する。そして、引用発明の「前記ベルトコンベア3上から移動され前記ベルトコンベア3に沿う前記テーブル1Ti上に置かれる前記皿5の前記タグ5Tに記憶されていた単価Aを共振作用によって読取る共振タグ読取装置11」は、甲1の図1の図示内容を考慮すると、皿5がベルトコンベア3から取り出されて、テーブル1Ti上に置かれる前の移動中に、皿5のタグ5Tを読み取るものと解されるから、本件特許発明1の「前記搬送レーンから取り出されて前記搬送レーンに沿うテーブル側に移動中の器のICタグを読み取る第1アンテナ」に相当する。また、引用発明の「共振タグ読取装置11」が「前記ベルトコンベア3上から移動され前記ベルトコンベア3に沿う前記テーブル1Ti上に置かれる前記皿5の前記タグ5Tに記憶されていた単価Aを共振作用によって読取る」という事項と、本件特許発明1の「前記第1アンテナは、前記搬送レーン毎にあり、対応する搬送レーンから取り出されて前記テーブル側に移動中の器のICタグを読み取る」という事項とは、「前記第1アンテナは、搬送レーンから取り出されて前記テーブル側に移動中の器のICタグを読み取る」点において共通する。 引用発明の「皿5の搬送に関するシステム」は、本件特許発明1の「器搬送システム」に相当する。 したがって、本件特許発明1と引用発明とは、以下の点で一致し、 [一致点1] 飲食物を載せICタグが取り付けられる器を搬送する搬送レーンと、 前記搬送レーンから取り出されて前記搬送レーンに沿うテーブル側に移動中の器のICタグを読み取る第1アンテナと、を備え、 前記第1アンテナは、搬送レーンから取り出されて前記テーブル側に移動中の器のICタグを読み取る器搬送システム。 以下の点で相違する。 [相違点1-1] 第1アンテナの配置について、本件特許発明1は、「前記搬送レーンにおいて搬送方向と直交する幅方向の端側にあ」るのに対し、引用発明は、「テーブル1Tiに配設され」ている点。 [相違点1-2] 搬送レーンの数及び第1アンテナとの対応関係について、本件特許発明1は、「前記搬送レーンは、高さ位置の異なる複数の搬送レーンを備え」、前記第1アンテナは、「前記搬送レーン毎にあり、対応する」搬送レーンから取り出されてテーブル側に移動中の器のICタグを読み取るのに対し、引用発明は、共振タグ読取装置11がベルトコンベア3上から移動される皿5のタグ5Tを読取るものの、ベルトコンベア3等の搬送レーンの数が明確でなく、共振タグ読取装置11が複数の搬送レーン毎に対応して設けられているとはいえない点。 (2)判断 ア 相違点について 事案に鑑みて、相違点1-2から検討する。 甲2には、前記第4 2(1)~(4)の記載によると、寿司皿6を循環搬送する無端状の搬送路5と、搬送路5よりも若干高いベルト搬送面12aを有し注文された寿司皿6を搬送するベルトコンベヤ12とを備える点が記載され、甲3には、前記第4 3(1)~(3)によると、寿司皿3が載置された循環搬送路9と、循環搬送路9の真上に配置され注文した寿司10が載置された寿司皿3を搬送する注文搬送路12とを備える点が記載され、甲4には、前記第4 4(1)~(3)によると、寿司などを盛った食品皿が巡回するメイン循環装置と、メイン循環装置の循環路の上部位置において注文品を搬送するサブ搬送装置MATとを備える点が記載されている。 これらの甲2~甲4に記載された事項を考慮すると、寿司などの飲食物を載せた皿を搬送するシステムの技術分野において、高さの異なる複数の搬送レーンを設けることは、本件特許についての出願前から広く知られていたといえる。 しかしながら、引用発明は、共振タグ読取装置11により、ベルトコンベア3上から移動しテーブル1Ti上に置かれる皿5のタグ5Tを読取るものにすぎず、甲1の記載を考慮しても、ベルトコンベア3に加えて、他の搬送レーンを設けた場合に、共振タグ読取装置11も対応するように追加して、搬送レーン毎に、各搬送レーンから取り出されてテーブル1Ti側に移動中の皿5のタグ5Tをそれぞれ読取ることは、何ら記載も示唆もされていない。甲2~甲4についても、高さの異なる複数の搬送レーンを設けることは記載されているものの、複数の搬送レーンに対応するタグ読取装置をそれぞれ設け、各搬送レーンから取り出されてテーブル側に移動中の皿の識別タグをそれぞれ読み取ることについては、何ら記載も示唆もされていない。すると、仮に、引用発明の寿司が盛られた皿5を搬送するベルトコンベア3に加えて、高さの異なる搬送レーンを設けることが、当業者が容易に想到し得たものだとしても、共振タグ読取装置11を、複数の搬送レーン毎に設け、対応する搬送レーンから取り出されてテーブル1Ti側に移動中の皿5のタグ5Tを読取ることまでは、当業者といえども容易に想到し得たものとはいえない。 この点に関連し、甲5には、前記第4 5(1)~(3)の記載によると、複数のセンサー32、34をコンベヤベルトシステム18に沿って設け、センサー32、34によりコンベヤ18上にある容器に取り付けられた識別タグからデータをリードする点が記載され、甲6には、前記第4 6(1)~(3)及び(7)によると、読み取り装置5をクレセントチェーンコンベア2の周囲に設け、読み取り装置5により、クレセントチェーンコンベア2により搬送される寿司皿3が検出され電磁波等によりIDデータを受信する点が記載され、甲7には、前記第4 7(1)~(3)及び(7)によると、読み取り装置5をクレセントチェーンコンベア2の周囲に設け、読み取り装置5により、クレセントチェーンコンベア2により搬送される寿司皿3が検出され電磁波等によりIDデータを受信する点が記載されている。 これらの甲5~甲7に記載された事項を考慮すると、寿司などの飲食物を載せた皿を搬送するシステムの技術分野において、搬送レーンの周囲に皿に取り付けられた識別タグを読み取るタグ読取装置を設けることは、本件特許についての出願前から広く知られていたといえるものの、甲5の前記第4 5(4)の記載、甲6の前記第4 6(3)の記載及び甲7の前記第4 7(3)の記載によると、甲5~甲7に記載された読み取り装置(甲5のセンサー32、34、甲6及び甲7の読み取り装置5)は、搬送レーンを流れている皿に取り付けられた識別タグを読み取るものであって、搬送レーンから取り出されてテーブル側に移動中の皿に取り付けられた識別タグを読み取るものではない。さらに、甲5~甲7には、複数の搬送レーンを設けることについて、何ら記載も示唆もされていないから、複数の搬送レーンに対応するタグ読取装置をそれぞれ設け、各搬送レーンから取り出されてテーブル側に移動中の皿の識別タグをそれぞれ読み取ることを、何ら示唆するものではない。すると、仮に、引用発明の寿司が盛られた皿5を搬送するベルトコンベア3に加えて、高さの異なる搬送レーンを設けることが、当業者が容易に想到し得たものであり、さらに甲5~甲7に記載された事項を考慮したとしても、引用発明のベルトコンベア3上から移動しテーブル1Ti上に置かれる皿5のタグ5Tを読取る共振タグ読取装置11を、複数の搬送レーン毎に設け、対応する搬送レーンから取り出されてテーブル1Ti側に移動中の皿5のタグ5Tを読取ることまでは、当業者といえども容易に想到し得たものとはいえない。 そうすると、当業者といえども、引用発明、甲2~甲4に記載された事項及び甲5~甲7に記載された事項に基いて、本件特許発明1の相違点1-2に係る発明特定事項を容易に想到できるものではない。 イ 特許異議申立人の主張について 特許異議申立人は、特許異議申立書において、「前述した通り、飲食店の飲食物搬送装置に高さ位置の異なる複数の搬送レーンを設けることは甲第2~4号証に開示されているから、甲5発明におけるコンベヤ18や、甲6,7発明における搬送路2を、高さ位置が異なるように複数設けることも容易である。そうすると、甲2~4発明のように高さ位置の異なる複数の搬送レーンのそれぞれに対し、甲5~7発明のように飲食物を検出する検出手段を搬送路沿いに設けることは容易である。」(特許異議申立書第27ページ第3行~第9行)と主張している。 しかしながら、前記したように、甲5~甲7に記載された読み取り装置(甲5のセンサー32、34、甲6及び甲7の読み取り装置5)は、搬送レーンを流れている皿に取り付けられた識別タグを読み取るものであって、搬送レーンから取り出されてテーブル側に移動中の皿に取り付けられた識別タグを読み取るものではない。すると、引用発明、甲2~甲4に記載された事項及び甲5~7に記載された事項を考慮しても、本件特許発明1の相違点1-2に係る発明特定事項である、第1アンテナを搬送レーン毎に設け、対応する搬送レーンから取り出されてテーブル側に移動中の器のICタグを読み取ることは、当業者といえども容易に想到できるものではない。 したがって、特許異議申立人の前記主張は採用できない。 (3)まとめ 前記(2)に示したように、本件特許発明1の相違点1-2に係る発明特定事項は、当業者といえども、引用発明、甲2~甲4に記載された事項及び甲5~甲7に記載された事項に基いて、容易に想到できるものではないから、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、当業者が、引用発明、甲2~甲4に記載された事項及び甲5~甲7に記載された事項に基いて、容易に発明をすることができたものではない。 2 本件特許発明2~5について 請求項2~5は、直接的に又は間接的に請求項1を引用するものであり、本件特許発明2~5も、搬送レーンの数及び第1アンテナとの対応関係について、「前記搬送レーンは、高さ位置の異なる複数の搬送レーンを備え」、前記第1アンテナは、「前記搬送レーン毎にあり、対応する」搬送レーンから取り出されてテーブル側に移動中の器のICタグを読み取るという発明特定事項を備えるものであるから、引用発明、甲2~甲4に記載された事項及び甲5~甲7に記載された事項に加え、甲8~甲10に記載された事項を考慮したとしても、本件特許発明2~5は、前記1で検討した本件特許発明1と同じ理由により、当業者が、引用発明、甲2~甲4に記載された事項、甲5~甲7に記載された事項及び甲8~甲10に記載された事項に基いて、容易に発明をすることができたものではない。 3 本件特許発明6について (1)本件特許発明6と引用発明の対比 前記1(1)に示した本件特許発明1と引用発明の対比と同様に、引用発明の「寿司」、「タグ5T」、「貼付けられている」、「皿5」及び「ベルトコンベア3」は、それぞれ本件特許発明6の「飲食物」、「ICタグ」、「取り付けられる」、「器」及び「搬送レーン」に相当し、引用発明の「寿司が盛られ、外底面にタグ5Tが貼付けられている皿5を搬送するベルトコンベア3」は、本件特許発明6の「飲食物を載せICタグが取り付けられる器を搬送する搬送レーン」に相当する。 同様に、引用発明の「共振タグ読取装置11」は、本件特許発明6の「第1アンテナ」に相当し、引用発明の「前記ベルトコンベア3上から移動され前記ベルトコンベア3に沿う前記テーブル1Ti上に置かれる前記皿5の前記タグ5Tに記憶されていた単価Aを共振作用によって読取る共振タグ読取装置11」は、本件特許発明6の「前記搬送レーンから取り出されて前記搬送レーンに沿うテーブル側に移動中の器のICタグを読み取る第1アンテナ」に相当する。 同様に、引用発明の「皿5の搬送に関するシステム」は、本件特許発明6の「器搬送システム」に相当する。 また、引用発明の「算出制御プログラムを格納させたROM22とCPU21とから形成され、前記共振タグ読取装置11で読取られた前記単価Aを、次々に累計加算してそれまでの総計料金Atを算出する総計料金算出手段」は、総計料金Atを算出するために、共振タグ読取装置11が、ベルトコンベア3上から移動されテーブル1Ti上に置かれる皿5のタグ5Tに記憶されていた単価Aを読取っており、これにより、ベルトコンベア3から取り出された皿5を特定しているといえるから、本件特許発明6の「前記第1アンテナおよび前記第2アンテナが取得するICタグの読取情報に基づき、前記テーブル上の器のうち、前記搬送レーンから取り出された器と、前記搬送レーンを経ずに前記テーブルに運ばれた器と、を特定する計算手段」とは、「前記第1アンテナが取得するICタグの読取情報に基づき、前記搬送レーンから取り出された器を特定する計算手段」である点において共通する。 したがって、本件特許発明6と引用発明とは、以下の点で一致し、 [一致点2] 飲食物を載せICタグが取り付けられる器を搬送する搬送レーンと、 前記搬送レーンから取り出されて前記搬送レーンに沿うテーブル側に移動中の器のICタグを読み取る第1アンテナと、 前記第1アンテナが取得するICタグの読取情報に基づき、前記搬送レーンから取り出された器を特定する計算手段と、 を備える器搬送システム。 以下の点で相違する。 [相違点2-1] 第1アンテナの配置について、本件特許発明6は、「前記搬送レーンにおいて搬送方向と直交する幅方向の端側にあ」るのに対し、引用発明は、「テーブル1Tiに配設され」ている点。 [相違点2-2] アンテナ及び計算手段について、本件特許発明6は、「前記テーブルに設置され、前記テーブル上の器のICタグを読み取る第2アンテナ」を備え、計算手段が「前記第1アンテナおよび前記第2アンテナが取得するICタグの読取情報に基づき、前記テーブル上の器のうち、前記搬送レーンから取り出された器と、前記搬送レーンを経ずに前記テーブルに運ばれた器と、を特定する」のに対し、引用発明は、共振タグ読取装置11及び総計料金算出手段を備えるものの、共振タグ読取装置11とは別のテーブルに設置される第2アンテナを備えず、また、総計料金算出手段が前記のような特定を行うものではない点。 (2)判断 ア 相違点について 事案に鑑みて、相違点2-2から検討する。 甲8には、前記第4 8(1)の記載によると、テーブル5の上面側内部に設置され、飲食物の載る容器600に収容されるICタグ610を読取る第2リーダ部206を備える点が記載され、甲9には、前記第4 9(1)~(3)によると、テーブル30に埋め込まれ、食器10の底面内部に取り付けられるICタグ80から信号を取り出すアンテナ52を備える点が記載され、甲10には、前記第4 10(1)及び(2)によると、4つの座席領域30a~30dに分かれたテーブル30の各座席領域30a~30dにそれぞれ埋め込まれ、食器10に設けたICタグ80から信号を取り出すアンテナ52A~52Dを備える点が記載されている。 これらの甲8~甲10に記載された事項を考慮すると、寿司などの飲食物を載せた皿を搬送するシステムの技術分野において、テーブルに設置され、テーブル上の皿の識別タグを読み取るタグ読取装置を設けることは、本件特許についての出願前から広く知られていたといえる。しかしながら、甲8の前記第4 8(1)~(3)の記載、甲9の前記第4 9(1)~(4)の記載並びに甲10の前記第4 10(1)及び(2)の記載をみても、甲8~甲10には、テーブルに設置されたタグ読取装置(甲8の第2リーダ部206、甲9のアンテナ52、甲10のアンテナ52A~52D)が取得した読取情報を処理し、テーブルに置いた飲食物の飲食情報を表示することや、テーブルで飲食した合計金額を算出することなどが示唆されているのみであって、搬送レーンを経ずにテーブルに運ばれてくる皿があることすら、何ら記載も示唆もされていないから、甲8~甲10に記載された事項は、テーブルに設置され、テーブル上の皿の識別タグを読み取るタグ読取装置が取得した読取情報を利用して、テーブル上の皿のうち、搬送レーンから取り出された皿と、搬送レーンを経ずにテーブルに運ばれた皿とを特定することを何ら示唆するものではない。 また、甲6(前記第4 6(1)~(7)参照)及び甲7(前記第4 7(1)~(7)参照)には、注文データに基づく寿司の種別と、クレセントチェーンコンベア2上から取り出した寿司の種別とを記憶することが示唆されているが、テーブルに設置され、テーブル上の寿司皿3のIDデータを受信するタグ読取装置について、何ら記載も示唆もされていないから、甲6、甲7に記載された事項は、テーブルに設置され、テーブル上の皿の識別タグを読み取るタグ読取装置が取得した読取情報を利用して、テーブル上の皿のうち、搬送レーンから取り出された皿と、搬送レーンを経ずにテーブルに運ばれた皿とを特定することを何ら示唆するものではない。 すると、甲8~甲10に記載された事項と、甲6及び甲7に記載された事項を考慮しても、引用発明のテーブル1Tiに配設され、ベルトコンベア3上から移動される皿5のタグ5Tを読取る共振タグ読取装置11に加えて、テーブル1Tiに設置され、テーブル1Ti上の皿5のタグ5Tを読み取るタグ読取装置を設けた上で、さらにこれらのタグ読取装置が取得する読取情報を利用して、テーブル1Ti上の皿5のうち、ベルトコンベア3から取り出された皿5と、ベルトコンベア3を経ずにテーブル1Tiに運ばれた皿5とを特定することまで、当業者といえども容易に想到し得たとはいえない。 そうすると、当業者といえども、引用発明、甲6及び甲7に記載された事項及び甲8~甲10に記載された事項に基いて、本件特許発明6の相違点2-2に係る発明特定事項を容易に想到できるものではない。 イ 特許異議申立人の主張について 特許異議申立人は、特許異議申立書において、「一方、構成要件2Bに関して既述したように、甲6,7発明に甲8~10発明を組み合わせて、テーブル上の器のうち、搬送レーンから取り出された器と、搬送レーンを経ずにテーブルに運ばれた器と、を特定することは容易である。」(特許異議申立書第34ページ第12行~第15行)と主張し、構成要件2Bに関して、「よって、甲6,7発明のように搬送レーンから取り出された器を特定する装置に、甲8~10発明のようにテーブルの器を特定する装置を組み合わせれば、搬送レーンから取り出された器と、搬送レーンを経ずにテーブルに運ばれた器と、を特定することは自ずと可能である。」(特許異議申立書第28ページ第28行~第29ページ第3行)と主張している。 しかしながら、前記したように、甲6、甲7及び甲8~10のいずれにも、テーブルに設置されテーブル上の皿の識別タグを読み取るタグ読取装置が取得した読取情報を利用して、テーブル上の皿のうち、搬送レーンから取り出された皿と、搬送レーンを経ずにテーブルに運ばれた皿とを特定することについて、何ら記載も示唆もされていないから、甲6、甲7に記載された事項と、甲8~10に記載された事項とを合わせて考慮しても、引用発明において、本件特許発明6の相違点2-2に係る発明特定事項を、当業者といえども容易に想到できるものではない。 したがって、特許異議申立人の前記主張は採用できない。 (3)まとめ 前記(2)に示したように、本件特許発明6の相違点2-2に係る発明特定事項は、当業者といえども、引用発明、甲6、甲7に記載された事項及び甲8~甲10に記載された事項に基いて、容易に想到できるものではないから、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明6は、当業者が、引用発明、甲6、甲7に記載された事項及び甲8~甲10に記載された事項に基いて、容易に発明をすることができたものではない。 4 本件特許発明7、8について 請求項7、8は、直接的に又は間接的に請求項6を引用するものであり、本件特許発明7、8も、アンテナ及び計算手段について、「前記テーブルに設置され、前記テーブル上の器のICタグを読み取る第2アンテナ」を備え、計算手段が「前記第1アンテナおよび前記第2アンテナが取得するICタグの読取情報に基づき、前記テーブル上の器のうち、前記搬送レーンから取り出された器と、前記搬送レーンを経ずに前記テーブルに運ばれた器と、を特定する」という発明特定事項を備えるものであるから、引用発明、甲6、甲7に記載された事項及び甲8~甲10に記載された事項に加え、甲2~甲4に記載された事項を考慮したとしても、本件特許発明7、8は、前記3で検討した本件特許発明6と同じ理由により、当業者が、引用発明、甲2~甲4に記載された事項、甲6、甲7に記載された事項及び甲8~甲10に記載された事項に基いて、容易に発明をすることができたものではない。 5 本件特許発明9について (1)本件特許発明9と引用発明の対比 前記1(1)に示した本件特許発明1と引用発明の対比と同様に、引用発明の「寿司」、「タグ5T」、「貼付けられている」、「皿5」及び「皿5の搬送に関するシステム」は、それぞれ本件特許発明9の「飲食物」、「ICタグ」、「取り付けられる」、「器」及び「器搬送システム」に相当する。 そして、引用発明の「皿5を搬送するベルトコンベア3」は、寿司が盛られた皿5を搬送するものであって、寿司を調理する調理場から皿5を搬送するレーンを形成するものであるといえるから、本件特許発明9の「器を、搬送台によって調理場から搬送する注文用搬送レーン」とは、「器を、調理場から搬送する搬送レーン」である点において共通する。すると、引用発明の「寿司が盛られ、外底面にタグ5Tが貼付けられている皿5を搬送するベルトコンベア3」と、本件特許発明9の「注文品である飲食物を載せICタグが取り付けられる器を、搬送台によって調理場から搬送する注文用搬送レーン」とは、「飲食物を載せICタグが取り付けられる器を、調理場から搬送する搬送レーン」である点において共通する。 引用発明の「共振タグ読取装置11」は、本件特許発明9の「第1アンテナ」に相当する。そして、引用発明の「前記ベルトコンベア3上から移動され前記ベルトコンベア3に沿う前記テーブル1Ti上に置かれる前記皿5の前記タグ5Tに記憶されていた単価Aを共振作用によって読取る共振タグ読取装置11」は、甲1の図1の図示内容を考慮すると、皿5がベルトコンベア3から取り出されて、テーブル1Ti上に置かれる前の移動中に、皿5のタグ5Tを読み取るものと解されるから、本件特許発明9の「前記注文用搬送レーンから取り出されて前記注文用搬送レーンに沿うテーブル側に移動中の器のICタグを読み取る第1アンテナ」とは、「前記搬送レーンから取り出されて前記搬送レーンに沿うテーブル側に移動中の器のICタグを読み取る第1アンテナ」である点において共通する。 引用発明の「算出制御プログラムを格納させたROM22とCPU21とから形成され、前記共振タグ読取装置11で読取られた前記単価Aを、次々に累計加算してそれまでの総計料金Atを算出する総計料金算出手段」は、皿5のタグ5Tを共振タグ読取装置11で読取って、総計料金AtをCPU21により演算するものであり、本件特許発明9の「前記注文品を載せた器のICタグの読取情報が前記第1アンテナおよび前記第2アンテナにて取得されると、前記注文用搬送レーンにより前記搬送台を前記調理場に戻させる指令を出力する計算手段」は、器のICタグの読取情報を第1アンテナおよび第2アンテナにて取得して、搬送台を調理場に戻させる指令をCPU等を用いて演算し出力するものと解されるから、両者は、「器のICタグの読取情報が前記第1アンテナにて取得され、演算をする計算手段」である点において共通する。 したがって、本件特許発明9と引用発明とは、以下の点で一致し、 [一致点3] 飲食物を載せICタグが取り付けられる器を、調理場から搬送する搬送レーンと、 前記搬送レーンから取り出されて前記搬送レーンに沿うテーブル側に移動中の器のICタグを読み取る第1アンテナと、 器のICタグの読取情報が前記第1アンテナにて取得され、演算をする計算手段と、 を備える器搬送システム。 以下の点で相違する。 [相違点3-1] 搬送レーン、アンテナ及び計算手段について、本件特許発明9は、「注文品である」飲食物を載せる器を、「搬送台によって」調理場から搬送する「注文用搬送レーン」と、前記「注文用搬送レーン」から取り出されて前記「注文用搬送レーン」に沿うテーブル側に移動中の器のICタグを読み取る第1アンテナと、「前記テーブルに設置され、前記テーブル上の器のICタグを読み取る第2アンテナ」とを備え、計算手段が「前記注文品を載せた器のICタグの読取情報が前記第1アンテナおよび前記第2アンテナにて取得されると、前記注文用搬送レーンにより前記搬送台を前記調理場に戻させる指令を出力する」のに対し、引用発明は、皿5を搬送するベルトコンベア3、共振タグ読取装置11及び総計料金算出手段を備えるものの、注文品を搬送台によって搬送する注文用搬送レーンや、共振タグ読取装置11とは別のテーブルに設置される第2アンテナを備えず、また、総計料金算出手段が前記のような出力を行うものではない点。 [相違点3-2] 第1アンテナの配置について、本件特許発明9は、「前記注文用搬送レーンにおいて搬送方向と直交する幅方向の端側にあ」るのに対し、引用発明は、「テーブル1Tiに配設され」ている点。 (2)判断 ア 相違点について 相違点3-1について検討する。 甲2には、前記第4 2(1)~(4)の記載によると、寿司皿6を循環搬送する無端状の搬送路5と、注文された寿司皿6を保持板18に載置して厨房7から搬送するベルトコンベヤ12とを備える点が記載され、甲3には、前記第4 3(1)~(3)によると、寿司皿3が載置された循環搬送路9と、注文した寿司10が載置された寿司皿3を搬送トレー23に載置して厨房Cから搬送する注文搬送路12とを備える点が記載され、甲4には、前記第4 4(1)~(3)によると、寿司などを盛った食品皿が巡回するメイン循環装置と、注文品を厨房から搬送するサブ搬送装置MATとを備える点が記載されている。 これらの甲2~甲4に記載された事項を考慮すると、寿司などの飲食物を載せた皿を搬送するシステムの技術分野において、注文された飲食物を載せた皿を調理場から搬送する注文用搬送レーンを設けることは、本件特許についての出願前から広く知られていたといえる。 しかしながら、注文用搬送レーンにおいて、注文された寿司を載せた皿を搬送する搬送台を調理場に戻す指令については、甲2~甲4の記載をみても、甲2の前記第4 2(4)~(6)に、注文された寿司皿6を載置した保持板18上から寿司皿6がなくなったことを検知センサ20が検出すると、保持板18を後方(厨房7側)に移動させることが記載されているのみであり、注文用搬送レーンから取り出されてテーブル側に移動中の器のICタグを読み取るタグ読取装置と、テーブルに設置され、テーブル上の器のICタグを読み取るタグ読取装置との両者から、注文品を載せた器のICタグの読取情報が取得された際に、搬送台を調理場に戻す指令を出力することについては、何ら記載も示唆もされていない。 さらに、甲8~甲10には、前記3(2)アに記載したように、テーブルに設置され、テーブル上の皿の識別タグを読み取るタグ読取装置を設けることが記載されているものの、注文用搬送レーンについて、何ら記載も示唆もされていないから、このテーブルに設置されたタグ読取装置がテーブル上の皿の識別タグを読み取ったことを、注文用搬送レーンにおける搬送台を調理場に戻すために利用することを何ら示唆するものではない。 すると、仮に、引用発明の寿司が盛られた皿5を搬送するベルトコンベア3に加えて、注文された寿司を載せた皿を調理場から搬送する注文用搬送レーンを設けることが、当業者が容易に想到し得たものだとしても、注文用搬送レーンから取り出されてテーブル側に移動中の器のICタグを読み取るタグ読取装置と、テーブルに設置され、テーブル上の器のICタグを読み取るタグ読取装置との両者から、注文品を載せた器のICタグの読取情報が取得された際に、搬送台を調理場に戻す指令を出力することまでは、当業者といえども容易に想到し得たものとはいえない。 そうすると、当業者といえども、引用発明、甲2~甲4に記載された事項及び甲8~甲10に記載された事項に基いて、本件特許発明9の相違点3-1に係る発明特定事項を容易に想到できるものではない。 イ 特許異議申立人の主張について 特許異議申立人は、特許異議申立書において、「一方、甲第3号証には、飲食客が注文した飲食物の寿司10を搬送する注文搬送路12を備えた甲3発明の飲食物搬送装置1が開示されている(段落0017)。甲3発明は、寿司10を載せた搬送トレー23(走行体)が、注文搬送路12上で店内Kと厨房Cとを往復する。よって、注文品が搬送台から取り除かれた後、当該搬送台を調理場へ戻すことは自明である。」(特許異議申立書第37ページ第1行~第6行)と主張している。 しかしながら、甲3に記載された事項において、注文した寿司10が載置された寿司皿3が搬送トレー23から取り除かれた後、何らかの手段により、搬送トレー23を厨房Cに戻すことは自明であるとしても、甲3には、どのような条件、タイミング、指令等で、搬送トレー23を厨房Cに戻すのかについて、何ら具体的に記載されていないから、甲3の記載を考慮したとしても、注文用搬送レーンから取り出されてテーブル側に移動中の器のICタグを読み取るタグ読取装置と、テーブルに設置され、テーブル上の器のICタグを読み取るタグ読取装置との両者から、注文品を載せた器のICタグの読取情報が取得された際に、搬送台を調理場に戻す指令を出力することを、当業者といえども容易に想到できるものではない。 したがって、特許異議申立人の前記主張は採用できない。 (3)まとめ 前記(2)に示したように、本件特許発明9の相違点3-1に係る発明特定事項は、当業者といえども、引用発明、甲2~甲4に記載された事項及び甲8~甲10に記載された事項に基いて、容易に想到できるものではないから、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明9は、当業者が、引用発明、甲2~甲4に記載された事項及び甲8~甲10に記載された事項に基いて、容易に発明をすることができたものではない。 6 本件特許発明10について 請求項10は、請求項9を引用するものであり、本件特許発明10も、搬送レーン、アンテナ及び計算手段について、「注文品である」飲食物を載せる器を、「搬送台によって」調理場から搬送する「注文用搬送レーン」と、前記「注文用搬送レーン」から取り出されて前記「注文用搬送レーン」に沿うテーブル側に移動中の器のICタグを読み取る第1アンテナと、「前記テーブルに設置され、前記テーブル上の器のICタグを読み取る第2アンテナ」とを備え、計算手段が「前記注文品を載せた器のICタグの読取情報が前記第1アンテナおよび前記第2アンテナにて取得されると、前記注文用搬送レーンにより前記搬送台を前記調理場に戻させる指令を出力する」いう発明特定事項を備えるものであるから、本件特許発明10は、前記5で検討した本件特許発明9と同じ理由により、当業者が、引用発明、甲2~甲4に記載された事項及び甲8~甲10に記載された事項に基いて、容易に発明をすることができたものではない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~10に係る特許を取り消すことはできない。 そして、他に請求項1~10に係る特許を取り消す理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2021-700126

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