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特許訂正審判

2021-390113

オイルセパレータ

審判番号
2021-390113
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2012-040583
登録番号
5973185
請求日
2021年07月30日
審決日
2022年01月12日
公報発行日
2022年04月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ナブテスコオートモーティブ 株式会社
  • 【請求人代理人】藤井 稔也
審判長/審判官
  • 審判長 山本 信平
  • 審判官 佐々木 正章
  • 審判官 鈴木 充
分類
P141 .855-Z (F01M) / P141 .856-Z (F01M)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条6項特許法126条7項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第2号、特許法第126条第1項、特許法第126条、特許法第131条の2第1項、特許法第126条第7項、特許法第126条第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第5973185号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件特許第5973185号(以下「本件特許」という。)に係る出願は、平成24年2月27日の出願であり、平成28年7月22日に特許権の設定登録がされたものであって、令和3年7月30日に本件訂正審判の請求がされたものである。そして、令和3年10月26日付けで当審より訂正拒絶理由が通知され、これに対して、令和3年11月29日に審判請求書、訂正明細書及び特許請求の範囲を補正対象とする手続補正書及び意見書が提出されたものである。 第2 本件補正の内容 令和3年11月29日提出の手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)は、審判請求書、訂正明細書及び特許請求の範囲を補正するものであり、その補正は、以下の事項を含むものである。 (補正事項1) 訂正特許請求の範囲の【請求項1】に、 「コンプレッサで圧縮された圧縮空気を筐体内に導入して衝突板に衝突させることで当該圧縮空気に含まれる油分を分離して回収するオイルセパレータにおいて、 導入口を覆う衝突材を有する導入口側の膨張室と、 前記衝突板と空間とから構成され、前記導入口よりも横断面積が大きい排出口側の膨張室と、 前記膨張室の下部に分離した油分を溜めるドレン溜め部と、 前記膨張室と前記ドレン溜め部とを連通する連通孔を有するドレン連通部と、を備え、 前記導入口側の膨張室の容積よりも前記排出口側の膨張室の容積が大きい ことを特徴とするオイルセパレータ。」とあるのを 「コンプレッサで圧縮された圧縮空気を筐体内に導入して衝突板に衝突させることで当該圧縮空気に含まれる油分を分離して回収するオイルセパレータにおいて、 導入口を塞ぐように設けられ、油分を捕獲する衝突材を有する導入口側の膨張室と、 前記衝突板と空間とから構成され、前記導入口よりも横断面積が大きい排出口側の膨張室と、 前記膨張室の下部に分離した油分を溜めるドレン溜め部と、 前記膨張室と前記ドレン溜め部とを連通する連通孔を有するドレン連通部と、を備え、 前記導入口側の膨張室の容積よりも前記排出口側の膨張室の容積が大きい ことを特徴とするオイルセパレータ。」に補正する。 (補正事項2) 訂正特許請求の範囲の請求項2に係る訂正を、 「特許請求の範囲の請求項2を削除する。」に補正する。 (補正事項3) 「特許請求の範囲の請求項3を削除する。」を追加する。 (補正事項4) 特許請求の範囲の【請求項4】に 「請求項1~3のいずれか一項に記載のオイルセパレータ」とあるのを、 「請求項1に記載のオイルセパレータ」に訂正することを追加する。 (補正事項5) 特許請求の範囲の【請求項5】に 「請求項1~4のいずれか一項に記載のオイルセパレータ」とあるのを、 「請求項1又は4に記載のオイルセパレータ」に訂正することを追加する。 (訂正事項6) 訂正明細書の段落【0009】に、 「請求項1に記載の発明は、コンプレッサで圧縮された圧縮空気を筐体内に導入して衝突板に衝突させることで当該圧縮空気に含まれる油分を分離して回収するオイルセパレータにおいて、導入口を覆う衝突材を有する導入口側の膨張室と、前記衝突板と空間とから構成され、前記導入口よりも横断面積が大きい排出口側の膨張室と、前記膨張室の下部に分離した油分を溜めるドレン溜め部と、前記膨張室と前記ドレン溜め部とを連通する連通孔を有するドレン連通部と、を備え、前記導入口側の膨張室の容積よりも前記排出口側の膨張室の容積が大きいことをその要旨としている。」とあるのを、 「請求項1に記載の発明は、コンプレッサで圧縮された圧縮空気を筐体内に導入して衝突板に衝突させることで当該圧縮空気に含まれる油分を分離して回収するオイルセパレータにおいて、導入口を塞ぐように設けられ、油分を捕獲する衝突材を有する導入口側の膨張室と、前記衝突板と空間とから構成され、前記導入口よりも横断面積が大きい排出口側の膨張室と、前記膨張室の下部に分離した油分を溜めるドレン溜め部と、前記膨張室と前記ドレン溜め部とを連通する連通孔を有するドレン連通部と、を備え、前記導入口側の膨張室の容積よりも前記排出口側の膨張室の容積が大きいことをその要旨としている。」に補正する。 (訂正事項7) 訂正明細書の段落【0011】に係る訂正を 「明細書の段落【0011】を削除する。」に補正する。 (訂正事項8) 「明細書の段落【0012】及び【0013】を削除する。」を追加する。 (補正事項9) 明細書の【0014】に 「請求項1~3のいずれか一項に記載のオイルセパレータ」とあるのを、 「請求項1に記載のオイルセパレータ」に訂正することを追加する。 (補正事項10) 明細書の【0016】に 「請求項1~4のいずれか一項に記載のオイルセパレータ」とあるのを、 「請求項1又は4に記載のオイルセパレータ」に訂正することを追加する。 第3 本件補正についての判断 1 補正事項1について 補正事項1は、訂正特許請求の範囲の請求項1に「導入口を覆う衝突材」とあるのを「導入口を塞ぐように設けられ、油分を捕獲する衝突材」に補正するものであって、両者は同一でなく、その特定する範囲が異なることは明らかである。 したがって、当該補正は、本件訂正請求の請求の趣旨を変更するものであるから、特許法第131条の2第1項の規定に適合しない。 2 補正事項2~10について 補正事項2~5は、補正事項1により補正する請求項1を引用する請求項2~5に係る補正であって、補正事項6~10は、請求項1~5に関係する明細書の補正である。 したがって、補正事項2~10は、補正事項1と同じ請求の単位に係る補正である。 3 小括 よって、補正事項1~10に係る本件補正は、特許法第131条の2第1項の規定に適合しないから、本件補正は許可しない。 第4 本件訂正請求の内容 上記のとおり、令和3年11月29日提出の手続補正書による補正は認められないから、令和3年7月30日提出の訂正請求書による訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、請求項1~5について訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は次のとおりである(下線は当審が付与した。)。 (訂正事項1) 特許請求の範囲の【請求項1】に 「コンプレッサで圧縮された圧縮空気を筐体内に導入して衝突板に衝突させることで当該圧縮空気に含まれる油分を分離して回収するオイルセパレータにおいて、 前記衝突板と空間とから構成され、導入口よりも横断面積が大きい膨張室と、 前記膨張室の下部に分離した油分を溜めるドレン溜め部と、 前記膨張室と前記ドレン溜め部とを連通する連通孔を有するドレン連通部と、を備えた ことを特徴とするオイルセパレータ。」とあるのを、 「コンプレッサで圧縮された圧縮空気を筐体内に導入して衝突板に衝突させることで当該圧縮空気に含まれる油分を分離して回収するオイルセパレータにおいて、 導入口を覆う衝突材を有する導入口側の膨張室と、 前記衝突板と空間とから構成され、前記導入口よりも横断面積が大きい排出口側の膨張室と、 前記膨張室の下部に分離した油分を溜めるドレン溜め部と、 前記膨張室と前記ドレン溜め部とを連通する連通孔を有するドレン連通部と、を備え、 前記導入口側の膨張室の容積よりも前記排出口側の膨張室の容積が大きい ことを特徴とするオイルセパレータ。」に訂正する。 (訂正事項2) 特許請求の範囲の【請求項2】に 「請求項1に記載のオイルセパレータにおいて、 前記膨張室を複数備え、 前記膨張室と前記膨張室とを区画する隔壁が設けられている ことを特徴とするオイルセパレータ。」とあるのを、 「請求項1に記載のオイルセパレータにおいて、 前記膨張室と前記膨張室とを区画する隔壁が設けられている ことを特徴とするオイルセパレータ。」に訂正する。 (訂正事項3) 明細書の段落【0009】に 「請求項1に記載の発明は、コンプレッサで圧縮された圧縮空気を筐体内に導入して衝突板に衝突させることで当該圧縮空気に含まれる油分を分離して回収するオイルセパレータにおいて、前記衝突板と空間とから構成され、導入口よりも横断面積が大きい膨張室と、前記膨張室の下部に分離した油分を溜めるドレン溜め部と、前記膨張室と前記ドレン溜め部とを連通する連通孔を有するドレン連通部と、を備えたことをその要旨としている。」とあるのを、 「請求項1に記載の発明は、コンプレッサで圧縮された圧縮空気を筐体内に導入して衝突板に衝突させることで当該圧縮空気に含まれる油分を分離して回収するオイルセパレータにおいて、導入口を覆う衝突材を有する導入口側の膨張室と、前記衝突板と空間とから構成され、前記導入口よりも横断面積が大きい排出口側の膨張室と、前記膨張室の下部に分離した油分を溜めるドレン溜め部と、前記膨張室と前記ドレン溜め部とを連通する連通孔を有するドレン連通部と、を備え、前記導入口側の膨張室の容積よりも前記排出口側の膨張室の容積が大きいことをその要旨としている。」に訂正する。 (訂正事項4) 明細書の段落【0011】に 「請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオイルセパレータにおいて、前記膨張室を複数備え、前記膨張室と前記膨張室とを区画する隔壁が設けられていることをその要旨としている。」とあるのを、 「請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のオイルセパレータにおいて、前記膨張室と前記膨張室とを区画する隔壁が設けられていることをその要旨としている。」に訂正する。 第5 訂正拒絶理由の概要 当審が令和3年10月26日付けで通知した訂正拒絶理由の概要は、以下のとおりである。 (1)訂正の目的について 上記訂正事項1は、訂正前の「導入口よりも横断面積が大きい膨張室」について、「排出口側の膨張室」であることを限定し、さらに、「オイルセパレータ」について、「導入口を覆う衝突材を有する導入口側の膨張室」を有すること、及び「前記導入口側の膨張室の容積よりも前記排出口側の膨張室の容積が大きい」ことを限定するから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする。 また、請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2~5も同様である。 (2)独立特許要件について そこで、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1~5に係る発明(以下「本件補正発明1~5」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものか(特許法第126条第7項の規定に違反しないか)について検討する。 ア 本件補正発明1について 本件補正発明1の「導入口を覆う衝突材」は、「衝突材」について、明細書には何ら説明がなく、どのような範囲の部材が、導入口に対してどのように配置されていることを特定しているのかが明確でないから、本件補正発明1は、特許法第36条第6項第2号の規定を満たしていない。 また、本件補正発明1を引用する本件補正発明2~5も同様である。 イ 本件補正発明2について 本件補正発明2の「前記膨張室と前記膨張室とを区画する隔壁」とは、「前記膨張室と前記膨張室」が、引用する本件補正発明1の「導入口側の膨張室」と「排出口側の膨張室」とどのような対応関係であることを特定しているのかが明確でなく、特定する構造が明確でない。 したがって、本件補正発明2は、特許法第36条第6項第2号の規定を満たしていない。 また、本件補正発明2を引用する本件補正発明4及び5も同様である。 ウ 本件補正発明3について 本件補正発明3の「前記膨張室」は、引用する本件補正発明1の「導入口側の膨張室」と「排出口側の膨張室」とどのような対応関係であることを特定しているのかが明確でなく、特定する構造が明確でない。 したがって、本件補正発明3は、特許法第36条第6項第2号の規定を満たしていない。 また、本件補正発明3を引用する本件補正発明4及び5も同様である。 エ 小括 ゆえに、本件訂正は、特許法第126条第項7項の規定を満たしていない。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものかについて 訂正前の請求項1及び2は、上記第1の訂正事項1及び2の訂正前の請求項1及び2の記載のとおりであって、請求項1には、「前記衝突板と空間とから構成され、導入口よりも横断面積が大きい膨張室」と記載され、請求項2には、「前記膨張室を複数備え、前記膨張室と前記膨張室とを区画する隔壁が設けられている」と記載されているから、請求項2の「複数」の「膨張室」は、全て「前記衝突板と空間とから構成され、導入口よりも横断面積が大きい膨張室」である。 一方、訂正後の請求項2は、引用する請求項1に「前記衝突板と空間とから構成され、前記導入口よりも横断面積が大きい排出口側の膨張室」と特定されており、導入口側の膨張室の構成及び横断面積について、何ら特定されておらず、請求項2の「前記膨張室と前記膨張室と」は、排出口側の膨張室が衝突板と空間とから構成され、導入口よりも横断面積が大きいことは特定されているが、それ以外の膨張室の構成は、衝突板を構成要素としないものを含み、その横断面積は、膨張室と同じ又は小さいものも含んでいる。 したがって、訂正後の請求項2は、訂正前の請求項2と比べて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものである。 また、請求項2を引用する請求項4及び5も同様である。 ゆえに、本件訂正は、特許法第126条第項6項の規定を満たしていない。 第6 本件訂正についての判断 1 訂正の目的について (1)訂正事項1について 上記訂正事項1は、訂正前の「導入口よりも横断面積が大きい膨張室」について、「排出口側の膨張室」であることを限定し、さらに、「オイルセパレータ」について、「導入口を覆う衝突材を有する導入口側の膨張室」を有すること、及び「前記導入口側の膨張室の容積よりも前記排出口側の膨張室の容積が大きい」ことを限定するから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする。 また、請求項1を引用する請求項2~5も同様である。 (2)訂正事項2 上記訂正事項2は、引用する請求項1において、訂正事項1により「導入口側の膨張室」と「排出口側の膨張室」を備えることが特定されたことに整合させるために、「前記膨張室を複数備え、」の記載を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とする。 (2)訂正事項3、4 上記訂正事項3、4は、訂正事項1及び2により訂正される請求項1及び2の記載に、明細書の段落【0009】及び【0011】の記載を整合させるものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とする。 2 独立特許要件について 上記1(1)のとおり、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1~5に係る発明(以下「本件訂正発明1~5」という。)は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、特許出願の際独立して特許を受けることができるものか(特許法第126条第7項の規定に違反しないか)について以下検討する。 (1)本件訂正発明1について 本件訂正発明1の「導入口を覆う衝突材」は、「衝突材」について、明細書に何ら説明がなく、どのような範囲の部材が、導入口に対してどのように配置されていることを特定しているのかが明確でない。 ア 「衝突材」とは、その文言から、「コンプレッサで圧縮された圧縮空気」が、衝突する部材と解されるところ、請求人が、本件審判請求書において、訂正の根拠とする明細書の段落【0032】には「油水分を捕獲する」「ウレタンフォーム(スポンジ等)38」が記載され、【0038】には「ウレタンフォーム38によって捕獲された水分と油分」と記載されているが、衝突するとの記載はない。そして、図3を参照すると、導入口14からのパージエアは、「ウレタンフォーム(スポンジ等)38」内を通過して、パンチングメタル板37の複数の孔を通り、一次膨張室31内のパンチングメタル板37と衝突板34との間の空間を通過して衝突板34に衝突して空気から油分と水分を分離すると理解できる(明細書【0023】~【0032】)から、「ウレタンフォーム(スポンジ等)38」に、導入口14からのパージエアが衝突しているとは理解できない。 仮に、「衝突材」の一実施例が、「ウレタンフォーム(スポンジ等)38」であるとすると、本件訂正発明1の「衝突材」は、通常の意味での「衝突材」と異なることとなるから、その特定する構造の範囲が明確でない。 さらに、単に圧縮空気が当たる部材という程度の意味とすると、膨張室の内壁や膨張室内に設けた部材は全て圧縮空気が当たることとなり、この点でも「衝突材」の特定する範囲が明確でない。 イ また、「導入口を覆う」とは、通常、一面に広がりかぶさって導入口を隠すことを意味し、図3及び4の導入口14とウレタンフォーム38のような関係を指すとは理解しない。 ウ したがって、「導入口を覆う衝突材」とは、どのような「材」が導入口に対して、どのように配置されていることを特定しているのかが明確でない。 ゆえに、本件訂正発明1は、特許法第36条第6項第2号の規定を満たしていない。 また、本件訂正発明1を引用する本件訂正発明2~5も同様である。 (2)本件訂正発明2について 本件訂正発明2の「前記膨張室と前記膨張室とを区画する隔壁」とは、「前記膨張室と前記膨張室」が、引用する特定しているのかが明確でなく、特定する構造が明確でない。 したがって、本件訂正発明2は、特許法第36条第6項第2号の規定を満たしていない。 また、本件訂正発明2を引用する本件訂正発明4及び5も同様である。 (3)本件訂正発明3について 本件訂正発明3の「前記膨張室」は、引用する本件訂正発明2の「膨張室」であるところ、上記(2)のとおりであるから、本件訂正発明3の「前記膨張室」は、本件訂正発明1の「導入口側の膨張室」と「排出口側の膨張室」とどのような対応関係であることを特定しているのかが明確でなく、特定する構造が明確でない。 したがって、本件訂正発明3は、特許法第36条第6項第2号の規定を満たしていない。 また、本件補正発明3を引用する本件補正発明4及び5も同様である。 (4)小括 ゆえに、本件訂正は、特許法第126条第項7項の規定を満たしていない。 3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものかについて 訂正前の請求項1及び2は、上記第4の訂正事項1及び2の訂正前の請求項1及び2の記載のとおりであって、請求項1は「前記衝突板と空間とから構成され、導入口よりも横断面積が大きい膨張室」と記載され、請求項2は「前記膨張室を複数備え、前記膨張室と前記膨張室とを区画する隔壁が設けられている」と記載されているから、請求項2の「複数」の「膨張室」は、全て「前記衝突板と空間とから構成され、導入口よりも横断面積が大きい膨張室」である。 一方、訂正後の請求項2は、引用する請求項1に「前記衝突板と空間とから構成され、前記導入口よりも横断面積が大きい排出口側の膨張室」と記載され、導入口側の膨張室が衝突板と空間から構成されること、及びその横断面積は、何ら特定されておらず、請求項2の「前記膨張室と前記膨張室と」は、排出口側の膨張室が衝突板と空間とから構成され、導入口よりも横断面積が大きいことは特定されているが、それ以外の膨張室は、衝突板と空間から構成されないもの及びその横断面積が、導入口と同じ又は導入口より小さいものも含んでいる。 したがって、訂正後の請求項2は、訂正前の請求項2と比べて、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものである。 また、請求項2を引用する請求項3~5も同様である。 ゆえに、請求項2~5に係る本件訂正は、特許法第126条第項6項の規定を満たしていない。 第3 むすび 以上のとおり、本件訂正請求は、特許法第126条第6項及び第7項の規定に適合しない。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-390113

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