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特許異議申立

2024-700787

空気供給回路

審判番号
2024-700787
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-562475
登録番号
7438979
請求日
2024年08月21日
審決日
2025年07月02日
公報発行日
2025年10月31日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ナブテスコオートモーティブ株式会社
  • 【権利者代理人】藤井 稔也
  • 【異議申立人】クノル-ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
  • 【異議申立人代理人】小林 博通
  • 【異議申立人代理人】富岡 潔
  • 【異議申立人代理人】鵜澤 英久
  • 【異議申立人代理人】山口 幸二
審判長/審判官
  • 審判長 石井 孝明
  • 審判官 小川 恭司
  • 審判官 伊藤 紀史
分類
P1652.121-YAA(B60T) / P1652.537-YAA(B60T)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第5項、特許法第126条第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7438979号発明「空気供給回路」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7438979号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~14〕について訂正することを認める。 特許第7438979号の請求項6、9、10に係る特許を維持する。 特許第7438979号の請求項1~3に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯の概略 特許第7438979号の請求項1~8に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、2019年(令和元年)12月27日(優先権主張 平成30年12月28日)を国際出願日とする出願であり、手続の経緯は、概ね、次のとおりである。 令和 6年 2月16日 特許権の設定登録 令和 6年 2月27日 特許掲載公報 令和 6年 8月21日 特許異議申立人クノルーブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング(以下「特許異議申立人」という。)による請求項1~3、6に係る特許に対する特許異議の申立て 令和 6年11月 6日付け 取消理由通知書 令和 7年 1月 7日 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 以下、令和7年1月7日に提出された訂正請求書に係る訂正を「本件訂正」という。 なお、令和7年1月31日付けで特許法120条の5第5項に基づく訂正請求があった旨の通知を特許異議申立人に対して行ったところ、特許異議申立人から何ら応答がなかった。 第2 本件訂正の適否 1 本件訂正の内容 本件訂正の請求は、特許第7438979号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~14について訂正することを求めるものであって、その訂正の内容は次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。 (訂正事項1) 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (訂正事項2) 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (訂正事項3) 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (訂正事項4) 特許請求の範囲の請求項4に「請求項3に記載の空気供給回路。」とあるうち、請求項1を引用する請求項3を引用するものについて、独立形式に改め、 「エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記第1電磁弁と前記リレーバルブとの間には、前記第1電磁弁がオフであるとき、前記リレーバルブに前記第1電磁弁からの空気圧を伝達させない空気圧保持機構が設けられ、 前記信号回路には、前記エアタンク側に配置される前記第1電磁弁から前記開放回路側に配置される前記第2電磁弁への空気の流通を許容するチェックバルブが設けられ、 前記制御圧信号は、前記チェックバルブと前記第2電磁弁との間の空気圧信号であり、 前記第1電磁弁は、前記第1電磁弁がオフのとき前記チェックバルブとの間を大気に開放する3ポート弁である空気供給回路。」に訂正する。請求項4の記載を直接的に引用する請求項6も同様に訂正する。 (訂正事項5) 特許請求の範囲の請求項5に「請求項3に記載の空気供給回路。」とあるうち、請求項1を引用する請求項3を引用するものについて、独立形式に改め、 「エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記第1電磁弁と前記リレーバルブとの間には、前記第1電磁弁がオフであるとき、前記リレーバルブに前記第1電磁弁からの空気圧を伝達させない空気圧保持機構が設けられ、 前記信号回路はクイックリリース弁を有し、 前記空気圧信号が前記クイックリリース弁の作動圧以上の空気圧を有するとき、前記空気圧信号が前記クイックリリース弁を介して前記制御圧信号として前記リレーバルブに対し印可され、前記空気圧信号が前記クイックリリース弁の前記作動圧未満の空気圧を有するとき、大気圧が前記クイックリリース弁を介して前記制御圧信号として前記リレーバルブに対し印可される空気供給回路。」に訂正する。請求項5の記載を直接的に引用する請求項6も同様に訂正する。 (訂正事項6) (訂正事項6-1) 特許請求の範囲の請求項6に「請求項1~5のいずれか一項に記載の空気供給回路。」と記載されているのを、「請求項4又は5に記載の空気供給回路。」に訂正する。 (訂正事項6-2) 特許請求の範囲の請求項6に「請求項1~5のいずれか一項に記載の空気供給回路。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、 「トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給される空気供給回路。」に訂正し、新たに請求項9とする。 (訂正事項6-3) 特許請求の範囲の請求項6に「請求項1~5のいずれか一項に記載の空気供給回路。」とあるうち、請求項1を引用する請求項2を引用するものについて、独立形式に改め、 「トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記リレーバルブに対し印加される前記制御圧信号を大気に開放することのできる開放バルブを有し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給される空気供給回路。」に訂正し、新たに請求項10とする。 (訂正事項7) (訂正事項7-1) 特許請求の範囲の請求項7に「請求項6に記載の空気供給回路。」とあるうち、請求項1を引用する請求項6を引用するものについて、独立形式に改め、 「トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給され、 前記第3電磁弁は、ノーマルクローズであり、前記制御装置は、前記第3電磁弁のオン及びオフの切り替えを制御する空気供給回路。」に訂正する。 (訂正事項7-2) 特許請求の範囲の請求項7に「請求項6に記載の空気供給回路。」とあるうち、請求項1を引用する請求項2を引用する請求項6を引用するものについて、独立形式に改め、 「トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記リレーバルブに対し印加される前記制御圧信号を大気に開放することのできる開放バルブを有し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給され、 前記第3電磁弁は、ノーマルクローズであり、 前記制御装置は、前記第3電磁弁のオン及びオフの切り替えを制御する空気供給回路。」と訂正し、新たに請求項11とする。 (訂正事項8) (訂正事項8-1) 特許請求の範囲の請求項8に「請求項6又は7に記載の空気供給回路。」とあるうち、請求項1を引用する請求項6を引用するものについて、独立形式に改め、 「トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給され、 前記空気圧信号は、クイックリリース弁を介して前記トレーラ制御弁に対し出力される空気供給回路。」と訂正する。 (訂正事項8-2) 特許請求の範囲の請求項8に「請求項6又は7に記載の空気供給回路。」とあるうち、請求項1を引用する請求項2を引用する請求項6を引用するものについて、独立形式に改め、 「トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記リレーバルブに対し印加される前記制御圧信号を大気に開放することのできる開放バルブを有し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給され、 前記空気圧信号は、クイックリリース弁を介して前記トレーラ制御弁に対し出力される空気供給回路。」と訂正し、新たな請求項12とする。 (訂正事項8-3) 特許請求の範囲の請求項8に「請求項6又は7に記載の空気供給回路。」とあるうち、請求項1を引用する請求項6を引用する請求項7を引用するものについて、独立形式に改め、 「トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給され、 前記第3電磁弁は、ノーマルクローズであり、 前記制御装置は、前記第3電磁弁のオン及びオフの切り替えを制御し、 前記空気圧信号は、クイックリリース弁を介して前記トレーラ制御弁に対し出力される空気供給回路。」と訂正し、新たな請求項13とする。 (訂正事項8-4) 特許請求の範囲の請求項8に「請求項6又は7に記載の空気供給回路。」とあるうち、請求項1を引用する請求項2を引用する請求項6を引用する請求項7を引用するものについて、独立形式に改め、 「トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記リレーバルブに対し印加される前記制御圧信号を大気に開放することのできる開放バルブを有し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給され、 前記第3電磁弁は、ノーマルクローズであり、 前記制御装置は、前記第3電磁弁のオン及びオフの切り替えを制御し、 前記空気圧信号は、クイックリリース弁を介して前記トレーラ制御弁に対し出力される空気供給回路。」と訂正し、新たな請求項14とする。 2 本件訂正の適否について (1)訂正事項1~3について ア 訂正の目的について 訂正事項1~3は、請求項1~3を削除するというものであるから、当該訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項1~3は、請求項1~3を削除するというものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項1~3は、請求項1~3を削除するというものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 エ 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 本件においては、訂正前の請求項1~3について特許異議申立てがされているので、訂正前の請求項1~3に係る訂正事項1~3に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 (2)訂正事項4について ア 訂正の目的について 訂正事項4は、訂正前の請求項4について請求項3との引用関係を解消するとともに、訂正前の請求項4には、請求項1及び3を引用するもの、請求項1、2及び3を引用するものがあったところ、引用する請求項の数を減少させて前者のみに限定しているため、当該訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」及び第4号に規定する「特許請求の範囲の減縮及び他の請求項記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項4は、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるとともに、引用する請求項の数を減少させているから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項4は、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるとともに、引用する請求項の数を減少させる訂正であって、実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 エ 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 訂正事項4は、特許異議の申立てがされていない本件訂正前の請求項4について、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を含むものである。 そこで、独立特許要件について検討する。 (ア)進歩性について 訂正後の請求項4に係る発明における、「前記信号回路には、前記エアタンク側に配置される前記第1電磁弁から前記開放回路側に配置される前記第2電磁弁への空気の流通を許容するチェックバルブが設けられ、前記制御圧信号は、前記チェックバルブと前記第2電磁弁との間の空気圧信号であり、前記第1電磁弁は、前記第1電磁弁がオフのとき前記チェックバルブとの間を大気に開放する3ポート弁である」という構成は、下記第6 3(1)において相違点3として認定するとおり、異議申立人が提出した甲第1号証に記載又は示唆されている事項ではなく、このような事項が当業者の技術常識であるとか、甲第1号証に記載された発明における設計変更であると認めるに足る根拠もないから、訂正後の請求項4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたとはいえない。 (イ)明確性について 訂正後の請求項4に係る発明は、訂正前の請求項3で特定していた構成を含むが、後述する第5 2(2)における検討のとおり、訂正前の請求項3及び4における構成を含む訂正後の請求項4に係る発明は明確である。 (ウ)上記(ア)(イ)以外の特許要件について 上記(ア)(イ)の他に取り消すべき理由を発見しない。 (エ)小括 上記(ア)~(ウ)から、訂正後の請求項4に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。 (3)訂正事項5について ア 訂正の目的について 訂正事項5は、請求項3との引用関係を解消するとともに、訂正前の請求項5には、請求項1及び3を引用するもの、請求項1、2及び3を引用するものがあったところ、引用する請求項の数を減少させて前者のみに限定しているため、当該訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」及び第4号に規定する「特許請求の範囲の減縮及び他の請求項記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項5は、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるとともに、引用する請求項の数を減少させているから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項5は、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるとともに、引用する請求項の数を減少させる訂正であって、実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 エ 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 訂正事項5は、特許異議の申立てがされていない本件訂正前の請求項5について、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を含むものである。 そこで、独立特許要件について検討する。 (ア)進歩性について 訂正後の請求項5に係る発明における、「前記信号回路はクイックリリース弁を有し、前記空気圧信号が前記クイックリリース弁の作動圧以上の空気圧を有するとき、前記空気圧信号が前記クイックリリース弁を介して前記制御圧信号として前記リレーバルブに対し印可され、前記空気圧信号が前記クイックリリース弁の前記作動圧未満の空気圧を有するとき、大気圧が前記クイックリリース弁を介して前記制御圧信号として前記リレーバルブに対し印可される」という構成は、下記第6 3(2)において相違点5として認定するとおり、異議申立人が提出した甲第1号証に記載又は示唆されている事項ではなく、このような事項が当業者の技術常識であるとか、甲第1号証に記載された発明における設計変更であると認めるに足る根拠もないから、訂正後の請求項5に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたとはいえない。 (イ)明確性について 訂正後の請求項5に係る発明は、訂正前の請求項3で特定していた構成を含むが、後述する第5 2(3)における検討のとおり、訂正前の請求項3及び5における構成を含む訂正後の請求項5に係る発明は明確である。 (ウ)上記(ア)(イ)以外の特許要件について 上記(ア)(イ)の他に取り消すべき理由を発見しない。 (エ)小括 上記(ア)~(ウ)から、訂正後の請求項5に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。 (4)訂正事項6について ア 訂正の目的について 訂正前の請求項6は請求項1~5のいずれかを引用していたところ、訂正後の請求項6、9、10を総合的に勘案すると、請求項1及び3を引用するもの等が削除され、引用する請求項の数を減少させているため、当該訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。また、訂正6-2及び訂正6-3は特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「特許請求の範囲の減縮及び他の請求項記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項6-1~訂正事項6-3は、引用する請求項の数を減少させるものであり、訂正事項6-2~訂正事項6-3は、さらに請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項6-1~訂正事項6-3は、引用する請求項の数を減少させるものであり、訂正事項6-2~訂正事項6-3は、さらに請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるものであって、実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 エ 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 訂正前の請求項6について特許異議申立がされているので、訂正事項6に関して独立特許要件は課されない。 (5)訂正事項7について ア 訂正の目的について 訂正前の請求項7は請求項6を引用していたところ、訂正後の請求項7、11を総合的に勘案すると、請求項2、3及び6を引用するもの等が削除され、引用する請求項の数を減少させているため、当該訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。また、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めていることから、同条同項ただし書第4号に規定する「特許請求の範囲の減縮及び他の請求項記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項7は、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるとともに、引用する請求項の数を減少させているから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項7は、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるとともに、引用する請求項の数を減少させる訂正であって、実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 エ 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 訂正事項7は、特許異議の申立てがされていない本件訂正前の請求項7について、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を含むものである。 そこで、独立特許要件について検討する。 訂正後の請求項7、11に係る発明における、「前記空気圧信号は、」「前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され」という構成は、下記第6 3(1)において相違点4として認定するとおり、異議申立人が提出した甲第1号証に記載又は示唆されている事項ではなく、このような事項が当業者の技術常識であるとか、甲第1号証に記載された発明における設計変更であると認めるに足る根拠もない。 したがって、訂正後の請求項7、11に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたとはいえない。 また、他に取り消すべき理由も発見しない。 したがって、訂正後の請求項7、11に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。 (6)訂正事項8について ア 訂正の目的について 訂正前の請求項8は請求項6又は7を引用していたところ、訂正後の請求項8、12~14を総合的に勘案すると、請求項2、3及び6を引用するもの等が削除され、引用する請求項の数を減少させているため、当該訂正事項8は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。また、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めていることから、同条同項ただし書第4号に規定する「特許請求の範囲の減縮及び他の請求項記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項8は、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるとともに、引用する請求項の数を減少させているから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項8は、請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改めるとともに、引用する請求項の数を減少させる訂正であって、実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 エ 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 訂正事項8は、特許異議の申立てがされていない本件訂正前の請求項8について、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を含むものである。 そこで、独立特許要件について検討する。 訂正後の請求項8、12~14に係る発明における、「前記空気圧信号は、」「前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され」という構成は、下記第6 3(1)において相違点4として認定するとおり、異議申立人が提出した甲第1号証に記載又は示唆されている事項ではなく、このような事項が当業者の技術常識であるとか、甲第1号証に記載された発明における設計変更であると認めるに足る根拠もない。 したがって、訂正後の請求項8、12~14に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明することができたとはいえない。 また、他に取り消すべき理由も発見しない。 したがって、訂正後の請求項8、12~14に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。 (7)一群の請求項について 本件訂正前の請求項2~8は請求項1を直接又は間接的に引用する関係であるから、請求項1~8は一群の請求項である。そして、本件訂正は、請求項1~8について訂正することを求めるものであるから、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項に対してされたものである。 (8)まとめ 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであって、同条第9項において準用する同法第126条第5項~第7項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~14〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 前記「第2」のとおり本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1~14に係る発明(以下「本件発明1」などという。)は、特許請求の範囲の請求項1~14に記載された事項により特定される次のとおりである。 【請求項1】 (削除) 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 (削除) 【請求項4】 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記第1電磁弁と前記リレーバルブとの間には、前記第1電磁弁がオフであるとき、前記リレーバルブに前記第1電磁弁からの空気圧を伝達させない空気圧保持機構が設けられ、 前記信号回路には、前記エアタンク側に配置される前記第1電磁弁から前記開放回路側に配置される前記第2電磁弁への空気の流通を許容するチェックバルブが設けられ、 前記制御圧信号は、前記チェックバルブと前記第2電磁弁との間の空気圧信号であり、 前記第1電磁弁は、前記第1電磁弁がオフのとき前記チェックバルブとの間を大気に開放する3ポート弁である 空気供給回路。 【請求項5】 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記第1電磁弁と前記リレーバルブとの間には、前記第1電磁弁がオフであるとき、前記リレーバルブに前記第1電磁弁からの空気圧を伝達させない空気圧保持機構が設けられ、 前記信号回路はクイックリリース弁を有し、 前記空気圧信号が前記クイックリリース弁の作動圧以上の空気圧を有するとき、前記空気圧信号が前記クイックリリース弁を介して前記制御圧信号として前記リレーバルブに対し印可され、前記空気圧信号が前記クイックリリース弁の前記作動圧未満の空気圧を有するとき、大気圧が前記クイックリリース弁を介して前記制御圧信号として前記リレーバルブに対し印可される 空気供給回路。 【請求項6】 前記空気供給回路は、トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続されており、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給される 請求項4又は5に記載の空気供給回路。 【請求項7】 トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給され、 前記第3電磁弁は、ノーマルクローズであり、 前記制御装置は、前記第3電磁弁のオン及びオフの切り替えを制御する 空気供給回路。 【請求項8】 トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給され、 前記空気圧信号は、クイックリリース弁を介して前記トレーラ制御弁に対し出力される 空気供給回路。 【請求項9】 トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給される 空気供給回路。 【請求項10】 トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記リレーバルブに対し印加される前記制御圧信号を大気に開放することのできる開放バルブを有し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給される 空気供給回路。 【請求項11】 トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記リレーバルブに対し印加される前記制御圧信号を大気に開放することのできる開放バルブを有し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給され、 前記第3電磁弁は、ノーマルクローズであり、 前記制御装置は、前記第3電磁弁のオン及びオフの切り替えを制御する 空気供給回路。 【請求項12】 トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記リレーバルブに対し印加される前記制御圧信号を大気に開放することのできる開放バルブを有し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給され、 前記空気圧信号は、クイックリリース弁を介して前記トレーラ制御弁に対し出力される 空気供給回路。 【請求項13】 トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給され、 前記第3電磁弁は、ノーマルクローズであり、 前記制御装置は、前記第3電磁弁のオン及びオフの切り替えを制御し、 前記空気圧信号は、クイックリリース弁を介して前記トレーラ制御弁に対し出力される 空気供給回路。 【請求項14】 トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続される空気供給回路であって、 エアタンクとパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記エアタンクと大気開放する開放回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加し、 前記リレーバルブに対し印加される前記制御圧信号を大気に開放することのできる開放バルブを有し、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力されるとともに、前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給され、 前記第3電磁弁は、ノーマルクローズであり、 前記制御装置は、前記第3電磁弁のオン及びオフの切り替えを制御し、 前記空気圧信号は、クイックリリース弁を介して前記トレーラ制御弁に対し出力される 空気供給回路。 第4 取消理由の概要 1 概要 本件訂正前の本件特許に対し通知した取消理由は、概ね、次のとおりである。 (1)本件の請求項1~3に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び慣用技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件の請求項1~3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 (2)請求項3及び6に係る特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 2 証拠方法 特許異議申立人提出の証拠方法は以下のとおりである。 甲第1号証:欧州特許第3129264号明細書(以下「甲1」という。) 第5 取消理由通知に記載した取消理由について 1 進歩性(上記第4 1(1)について) 本件の請求項1~3は、本件訂正により削除されたから、本件の請求項1~3に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 2 明確性について(上記第4 1(2)について) 本件訂正前の請求項3には「前記第1電磁弁と前記リレーバルブとの間には、前記第1電磁弁がオフであるとき、前記リレーバルブに前記第1電磁弁からの空気圧を伝達させない空気圧保持機構が設けられている」と記載されているが、請求項3が引用する請求項1には「ノーマルクローズの第1電磁弁」と記載されており、第1電磁弁がオフでクローズとなっている空気供給回路は、リレーバルブに対して第1電磁弁からの空気圧を伝達させない構成になっていることが電磁弁の技術常識であるから、第1電磁弁がオフのとき、リレーバルブに前記第1電磁弁からの空気圧を伝達させない空気圧保持機構を設けることの技術的意味を当業者が理解できず、請求項3に係る発明及び、請求項3を引用する請求項6に係る発明は不明確であった。 (1)請求項3を直接引用する請求項6に係る発明について 本件訂正により、請求項3を直接引用する請求項6に係る発明は削除された。 訂正後の請求項6は、訂正前の請求項1を引用する請求項3を引用する請求項4を引用する請求項6(以下「訂正前の請求項4の構成を有する場合」という。)又は、訂正前の請求項1を引用する請求項3を引用する請求項5を引用する請求項6(以下「訂正前の請求項5の構成を有する場合」という。)であるため、これらについて検討する。 (2)訂正前の請求項4の構成を有する場合について 訂正前の請求項4の構成を有する場合、「前記信号回路には、前記エアタンク側に配置される前記第1電磁弁から前記開放回路側に配置される前記第2電磁弁への空気の流通を許容するチェックバルブが設けられ」、「前記第1電磁弁は、前記1電磁弁がオフのとき前記チェックバルブとの間を大気に開放する3ポート弁である」ことから、空気圧保持機構であるチェックバルブが設けられていないと、第1電磁弁がオフであるとき、リレーバルブに第1電磁弁からの大気圧が伝達されてしまうことになるから、リレーバルブに第1電磁弁からの空気圧を伝達させない空気圧保持機構を設けることの技術的意味が明確である。 (3)訂正前の請求項5の構成を有する場合について 訂正前の請求項5の構成を有する場合、「前記信号回路はクイックリリース弁を有し、前記空気圧信号が前記クイックリリース弁の作動圧以上の空気圧を有するとき、前記空気圧信号が前記クイックリリース弁を介して前記制御圧信号として前記リレーバルブに対し印可され、前記空気圧信号が前記クイックリリース弁の前記作動圧未満の空気圧を有するとき、大気圧が前記クイックリリース弁を介して前記制御圧信号として前記リレーバルブに対し印可される」ていることから、空気圧保持機構であるクイックリリース弁を有していないと、第1電磁弁がオフであるときに第1電磁弁から圧縮空気が漏れた時、圧縮空気の漏れた圧力がリレーバルブに伝達されてしまうことになるから、リレーバルブに第1電磁弁からの空気圧を伝達させない空気圧保持機構を設けることの技術的意味が明確である。 (4)小括 よって、請求項6に係る発明は明確であるから、本件の特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしている。 第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議の申立ての理由について 1 取消理由通知において採用しなかった特許異議の申立ての理由は、次のとおりである。 本件発明6は、甲1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 2 甲1について (1)甲1の記載事項 甲1には、図面とともに次の記載がある(下線は当審が付したもの。以下同様。)。 「 [図:0001427956000001.jpg] 」 (甲第1号証訳文) 【0025】 特に好ましくは、第1の2/2方向電磁弁および第2の2/2方向電磁弁が、それぞれ、無電流時の遮断位置および通電時の流通位置を有する。このとき、電気エネルギー供給源の故障時、リレー弁の制御入力は供給接続部と圧力シンクとの両方から切り離され、したがって、制御圧縮空気が供給接続部からリレー弁に到達することはあり得ず、リレー弁から圧力シンクを通って漏れ出ることもあり得ない。 「 [図:0001427956000002.jpg] 」 (甲第1号証訳文) 【0064】 図1は、本発明による電気空気圧式パーキングブレーキ制御装置1の好ましい実施形態の概略回路図を示す。電気空気圧式パーキングブレーキ制御装置1は、好ましくは、トラクタ-トレーラ連結車の電気空気圧式ブレーキ装置、特に電子制御式ブレーキシステム(EBS)の構成要素であり、トラクタに配置される。 【0065】 電気空気圧式パーキングブレーキ制御装置1は、チェック弁4によって保護された供給接続部2を備える。供給接続部2から、供給ライン6が、一方では、入口弁としての第1の2/2方向電磁弁10と、出口弁としての第2の2/2方向電磁弁12とを備えた第1の電磁弁装置8まで延びている。第1の2/2方向電磁弁10は、第2の2/2方向電磁弁12と同様に、非通電時には図示の遮断位置にあり、通電時には両方の弁10、12が流通位置に切り替わり、電子制御装置14によって制御される。 【0066】さらに、リレー弁の供給入口16も供給ライン6を介して供給接続部2に接続されている。リレー弁18の空気圧式制御入力20は、制御ライン22を介して、入口弁10(第1の2/2方向電磁弁)と出口弁12(第2の2/2方向電磁弁)の組合せに接続されている。 【0067】 詳細には、第2の2/2方向電磁弁12の無電流時の遮断位置では、リレー弁18の制御ライン22または制御入力20と圧力シンク24との間の接続が中断され、通電時の流通位置ではこの接続が切り替えられる。同様に、第1の2/2方向電磁弁10の無電流時の遮断位置では、リレー弁18の制御ライン22または制御入力20と供給接続部2との間の接続が中断され、通電時の流通位置ではこの接続が切り替えられる。 「 [図:0001427956000003.jpg] [図:0001427956000004.jpg] 」 (甲第1号証訳文) 【0070】 リレー弁18の作業出力28は、作業ライン38を介して少なくとも1つのスプリングブレーキシリンダ用の接続部40に接続されている。 【0071】 この接続部40に、好ましくは、後車軸での2つのスプリングブレーキシリンダ(ここでは図示せず)が接続されている。 【0072】 リレー弁18の制御ライン22または制御入力20は、第1の2/2方向電磁弁10および第2の2/2方向電磁弁12(入口/出口電磁弁の組合せ)の切替え位置に応じて通気または排気され、したがって、リレー弁18を用いた空気量増加による通気または排気は、作業出力28、したがって少なくとも1つのスプリングブレーキシリンダ用の接続部40の対応する通気または排気をもたらす。 【0073】 リレー弁18は、広く知られている方法で構成されており、制御入力20を介して制御ラインに接続された制御室42と、制御室42を画定し、ハウジング44内で移動可能なリレーピストン46とを含み、リレーピストン46は、リレーピストン46またはそのリレー弁ピストンロッドに形成された弁体48を有し、弁体48は、ハウジング44内で同様に移動可能に収容されたスリーブ52にある出口弁座50と共に、複座弁の出口弁を形成する。さらに、リレー弁18は、ハウジング44に形成された入口弁座54を含み、この入口弁座54に対してスリーブ52が予め張力をかけられて、入口弁座54と共に複座弁の入口弁を形成する。スリーブ52は中央貫通孔もさらに有し、中央貫通孔は、リレーピストン46がスリーブ52から持ち上げられて離れるとき、排気口56を作業室58に接続し、作業室58は、作業出力28を排気するために作業出力28に接続されている。一方、スリーブ52が入口弁座54から持ち上げられて離れるとき、供給入口16に接続されている供給室60が作業室58に接続されて、作業出力28を通気する。したがって、入口弁座54から持ち上げるために弁体48でスリーブ52を下方に押すことができるリレーピストン46の位置は、制御入力20での圧力または制御室42内の圧力によって決定される。最後に、スリーブ52は、スリーブばね62によって入口弁座54に押し付けられる。さらに、リレーピストンばね64が、力FFで、リレーピストン46を出口弁座50から制御室42の方向に押す。 【0074】 2つの2/2方向電磁弁10、12の切替え状態は、特に駐車ブレーキ信号接続部32で生じている駐車ブレーキ信号に応じて、制御装置14によって決定される。このために、駐車ブレーキ信号発生器36は、作動状態に応じて、以下に説明する動作状態を表す駐車ブレーキ信号を発出するように構成されている。 「 [図:0001427956000005.jpg] 」 (甲第1号証訳文) 【0076】 詳細には、制御室42内の圧力pSKは、制御室42に面するリレーピストン46の面積ASKに印加され、作業室圧力pAKは、作業室に面する面積AAKに作用する。制御室42に面するリレーピストン46の面積ASKは、作業室58に面する面積AAKよりも大きい。 「 [図:0001427956000006.jpg] 」 (甲第1号証訳文) 【0085】 対応する駐車ブレーキ信号に応答して図4による「走行」動作状態を確立するために、第1の2/2方向電磁弁10はより長時間通電される。それにより、まず、第1の2/2方向電磁弁10から制御室に導かれた空気のごく一部がスロットル要素(30)を通って作業室に流れ込んだとしても、制御室42は通気される。 【0086】 pSKASK>FF+FF2+FReibung が成り立つとき、次式が成り立つ限り、作業室58内の圧力も増加する。 pSKASK>FF+FF2+pAKAAK 【0087】 面積ASKが面積AAKよりも大きいので、作業室58内の圧力は、制御室42内の圧力よりも速く上昇し、最終的には制御室42内の圧力を超える。すると、空気は、フィードバックライン26およびスロットル要素30を通って作業室58から制御室42に流れ込み、プロセス自体が強化される。 【0088】 それにより、リレーピストン46は、作業室58に面する下端位置まで安定して押し込まれ、複座弁の入口弁座54を恒久的に開き、作業室58を供給接続部2に接続する。 「 [図:0001427956000007.jpg] 」 (甲第1号証訳文) 【0090】 図5には、安定した「走行」動作状態が示されており、リレーピストン46は、通気位置に留まり、次式が成り立つ。 pVersorgungASK+FReibung>FF+FF2+pVersorgungAAK 「 [図:0001427956000008.jpg] 」 (甲第1号証訳文) 【0092】 図6による「パーキング」動作状態を確立するために、第2の2/2方向電磁弁12が、ある期間にわたって通電される。これにより、制御室42は、制御室42内が大気圧になるまで排気される。 「 [図:0001427956000009.jpg] 」 (甲第1号証訳文) 【0097】 安定した「パーキング」動作状態を図7に示す。 【0098】 以下に述べる実施形態において、同一の部品および構成要素または同様に作用する部品および構成要素は、上述した実施形態と同じ参照番号を付されている。 「 [図:0001427956000010.jpg] 」 (甲第1号証訳文) 【0102】電気空気圧式パーキングブレーキ制御装置1によってトレーラ制御弁(ASV)の制御が行われる場合、これは、図10および図11による実施形態で示されるように、少なくとも1つのスプリングブレーキシリンダ用の接続部40で生じている圧力がトレーラ制御弁用の接続部66に同時に導かれるように設計することができる。しかし、この場合、トレーラのブレーキを解除することができ、トラクタのスプリングブレーキだけでトラクタ-トレーラ連結車を静止状態に保つことができるかどうかを運転者がテストできる(「テスト機能」)ように、運転者は、パーキングブレーキがかかっているときにトレーラ制御弁用の接続部66を通気することができなければならない。この「テスト機能」は、電子制御装置14によって制御可能な第2の電磁弁装置68によって実現され、第2の電磁弁装置68は、好ましくは図10による2つの2/2方向電磁弁または図11によるただ1つの3/2方向電磁弁を含む、またはそれによって形成される。1つまたは複数の電磁弁68は、好ましくは、非通電状態ではトレーラ制御弁用の接続部66を少なくとも1つのスプリングブレーキシリンダ用の接続部40に接続し、通電状態では供給接続部2に接続するように接続されている。言い換えると、第2の電磁弁装置68は、供給接続部2をトレーラ制御弁用の接続部66に接続する、またはリレー弁18の作業出力28をトレーラ制御弁用の接続部66に接続するように構成されている。 「 [図:0001427956000011.jpg] 」 (甲第1号証訳文) 【0104】 故障や電源オフ(イグニッション「オフ」)により電気エネルギー供給源が作動停止された場合にも駐車ブレーキを稼働可能であるべきとき、例えば、手動操作可能な弁72aによって、または既存の車載エネルギー供給源(例えばバッテリ)に対して追加の電気エネルギー供給源73(例えばさらなるバッテリ)から電力供給される電磁弁72bによってリレー弁18の制御入力20から排気することができる。 【0105】 したがって、図14~図17の実施形態によれば、第3の弁装置74を提供することができ、第3の弁装置74は、例えば流通位置と遮断位置とを有する手動(72a)または電気(72b)制御可能な弁72a、72bを備え、弁72a、72bは、流通位置ではリレー弁18の制御入力20を圧力シンク84に接続し、または遮断位置ではこの接続を遮断する。 「 [図:0001427956000012.jpg] [図:0001427956000013.jpg] 」 (2)上記アから、甲1には次の技術的事項が記載されているといえる。 ア 【0066】の「リレー弁の供給入口16も供給ライン6を介して供給接続部2に接続されている。」との記載、及び【0070】の「リレー弁18の作業出力28は、作業ライン38を介して少なくとも1つのスプリングブレーキシリンダ用の接続部40に接続されている。」との記載から、電気空気圧式パーキングブレーキ制御装置1の回路は、供給接続部2とスプリングブレーキシリンダとの間にリレー弁18を有し、空気を供給する供給ライン6及び作業ライン38を有している。 イ 【0065】の「第1の2/2方向電磁弁10は、第2の2/2方向電磁弁12と同様に、非通電時には図示の遮断位置にあり、通電時には両方の弁10、12が流通位置に切り替わり」との記載から、第1の2/2方向電磁弁10及び第2の2/2方向電磁弁12は、非通電時に遮断位置にある電磁弁である。 また、【0067】の「第2の2/2方向電磁弁12の無電流時の遮断位置では、リレー弁18の制御ライン22または制御入力20と圧力シンク24との間の接続が中断され、通電時の流通位置ではこの接続が切り替えられる。」との記載、【0092】の「第2の2/2方向電磁弁12が、ある期間にわたって通電される。これにより、制御室42は、制御室42内が大気圧になるまで排気される。」との記載から、第2の2/2方向電磁弁12は、通電時に圧力シンク24に接続され、制御室42内が大気圧になるまで排気される。 ウ 上記(イ)及び図1から、電気空気圧式パーキングブレーキ制御装置1の回路は、供給接続部2と接続されると大気圧になるまで排気される圧力シンク24との間に直列配置されている非通電時に遮断位置にある第1の2/2方向電磁弁10と非通電時に遮断位置にある第2の2/2方向電磁弁12とを有している。 エ 【0072】の「リレー弁18の制御ライン22または制御入力20は、・・・通気または排気され、したがって、リレー弁18を用いた空気量増加による通気または排気は、作業出力28、したがって少なくとも1つのスプリングブレーキシリンダ用の接続部40の対応する通気または排気をもたらす。」との記載、【0073】の「リレーピストン46の位置は、制御入力20での圧力または制御室42内の圧力によって決定される。」との記載から、電気空気圧式パーキングブレーキ制御装置1の回路は、リレー弁18を制御する空気圧を通気又は排気する制御ライン22を備えている。 オ 【0065】の「第1の2/2方向電磁弁10は、第2の2/2方向電磁弁12と同様に、非通電時には図示の遮断位置にあり、通電時には両方の弁10、12が流通位置に切り替わり、電子制御装置14によって制御される。」との記載から、電気空気圧式パーキングブレーキ制御装置1の回路は、第1の2/2方向電磁弁10の通電及び非通電の切り替えと第2の2/2方向電磁弁12の通電及び非通電の切り替えとをそれぞれ制御する電子制御装置14を備えている。 カ 【0072】の「リレー弁18の制御ライン22または制御入力20は、・・・通気または排気され、したがって、リレー弁18を用いた空気量増加による通気または排気は、作業出力28、したがって少なくとも1つのスプリングブレーキシリンダ用の接続部40の対応する通気または排気をもたらす。」との記載及び【0076】の「制御室42内の圧力pSKは、制御室42に面するリレーピストン46の面積ASKに印加され」との記載並びに図1から、第1の2/2方向電磁弁10と第2の2/2方向電磁弁12との間のリレー弁18を制御する空気圧を、リレー弁18に印可している。 キ 【0104】の「手動操作可能な弁72aによって、・・・リレー弁18の制御入力20から排気することができる。」との記載から、電気空気圧式パーキングブレーキ制御装置1の回路は、リレー弁18に印可されるリレー弁18を制御する空気圧を排気することができる手動操作可能な弁72aを有する。 ク 図14から、第1の2/2方向電磁弁10と供給接続部2との間にチェック弁4が設けられていることが看て取れる。 (3)甲1発明 上記(1)(2)から、甲1には、図14に記載されているものして、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「供給接続部2とスプリングブレーキシリンダとの間にリレー弁18を有し空気を供給する供給ライン6及び作業ライン38と、 前記供給接続部2と、接続されると制御室42内が大気圧になるまで排気される圧力シンク24と、の間に直列配置されている非通電時に遮断位置にある第1の2/2方向電磁弁10と非通電時に遮断位置にある第2の2/2方向電磁弁12とを有し、前記リレー弁18を制御する空気圧を通気又は排気する制御ライン22と、 前記第1の2/2方向電磁弁10の通電及び非通電の切り替えと前記第2の2/2方向電磁弁12の通電及び非通電の切り替えとをそれぞれ制御する電子制御装置14とを備え、 前記第1の2/2方向電磁弁10と前記第2の2/2方向電磁弁12との間の、前記リレー弁18を制御する空気圧を、前記リレー弁18に印可し、 前記リレー弁18に印可される前記リレー弁18を制御する空気圧を排気することができる手動操作可能な弁72aを有し、 前記第1の2/2方向電磁弁10と前記供給接続部2との間にチェック弁4が設けられている電気空気圧式パーキングブレーキ制御装置1の回路であって 前記電気空気圧式パーキングブレーキ制御装置1の回路は、トラクタのスプリングブレーキ用の接続部40とトレーラ制御弁用の接続部66とに接続されており、 前記制御ライン22は第2の電磁弁装置68を有し、前記リレー弁18を制御する空気圧は、前記トレーラ用制御弁用の接続部66に接続され、 前記リレー弁18の作業出力28はトラクタのスプリングブレーキ用の接続部40に接続される 電気空気圧式パーキングブレーキ制御装置1の回路f。」 3 本件発明6について (1)請求項4を引用する請求項6について 本件発明6は請求項4又は5を引用しているところ、まず、請求項4を引用する請求項6に係る発明と甲1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。 ア 甲1発明の「供給接続部2」と本件発明6の「エアタンク」とは、「空気供給源」である限りにおいて一致する。 また、甲1発明の「スプリングブレーキシリンダ」は、パーキングブレーキ動作を行うものであり、ブレーキチャンバを有していることは明らかであるから、本件発明6の「パーキングブレーキ用のブレーキチャンバ」に相当し、甲1発明の「リレー弁18」及び「空気を供給する供給ライン6及び作業ライン38」は、本件発明6の「リレーバルブ」及び「空気を供給する供給流路」に相当する。 イ 甲1発明の「接続されると制御室42内が大気圧になるまで排気される圧力シンク24」と本件発明6の「大気開放する開放回路」とは、「大気圧になるまで排気するための回路」である限りにおいて一致する。 また、甲1発明の「非通電時に遮断位置にある第1の2/2方向電磁弁10」及び「非通電時に遮断位置にある第2の2/2方向電磁弁12」は、本件発明6の「ノーマルクローズの第1電磁弁」及び「ノーマルクローズの第2電磁弁」に相当する。 ウ 甲1発明の「リレー弁18を制御する空気圧」は、リレー弁を動作させ、制御するためのものであるから、本件発明6の「空気圧信号」に相当し、以下同様に、「通気又は排気する」という事項は「伝達する」という事項に、「制御ライン22」は「信号回路」に、それぞれ相当する。 エ 甲1発明の「通電及び非通電」は、本件発明6の「オン及びオフ」に相当し、以下同様に、「電子制御装置14」は「制御装置」に、「リレー弁18を制御する空気圧を、リレー弁18に印可する」という事項は、「前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加する」という事項に、「電気空気圧式パーキングブレーキ制御装置1の回路」は、「空気供給回路」に相当する。 オ 甲1発明の「トラクタのスプリングブレーキ用の接続部40とトレーラ制御弁用の接続部66とに接続されており」という事項は本件発明6の「トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続されており」という事項に相当し、以下同様に「第2の電磁弁装置68」は「第3電磁弁」に、「前記トレーラ用制御弁用の接続部66に接続され」という事項は「前記トレーラ制御弁に対し出力され」という事項に、「前記リレー弁18の作業出力28はトラクタのスプリングブレーキ用の接続部40に接続される」という事項は「前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給される」という事項に相当する。 したがって、本件発明6と甲1発明とは、次の一致点で一致し、相違点1~4で相違する。 <一致点> 「空気供給源とパーキングブレーキ用のブレーキチャンバとの間にリレーバルブを有し空気を供給する供給流路と、 前記空気供給源と大気圧になるまで排気するための回路との間に直列配置されているノーマルクローズの第1電磁弁とノーマルクローズの第2電磁弁とを有し、空気圧信号を伝達する信号回路と、 前記第1電磁弁のオン及びオフの切り替えと前記第2電磁弁のオン及びオフの切り替えとをそれぞれ制御する制御装置とを備え、 前記第1電磁弁と前記第2電磁弁との間の空気圧信号を、前記リレーバルブを制御する制御圧信号として前記リレーバルブに対し印加する空気供給回路であって、 前記空気供給回路は、トラクタのブレーキチャンバとトレーラ制御弁とに接続されており、 前記信号回路は第3電磁弁を有し、前記空気圧信号は、前記トレーラ制御弁に対し出力され、 前記リレーバルブにより調節された圧縮空気が前記トラクタのブレーキチャンバに対し供給される空気供給回路。」 <相違点1> 「空気供給源」に関して、本件発明6は、「エアタンク」であるのに対して、甲1発明は、「供給接続部2」である点。 <相違点2> 「大気圧になるまで排気するための回路」に関して、本件発明6は、「大気開放する開放回路」であるのに対して、甲1発明は、「接続されると制御室42内が大気圧になるまで排気される圧力シンク24」である点。 <相違点3> 本件発明6では「前記第1電磁弁と前記リレーバルブとの間には、前記第1電磁弁がオフであるとき、前記リレーバルブに前記第1電磁弁からの空気圧を伝達させない空気圧保持機構が設けられ、前記信号回路には、前記エアタンク側に配置される前記第1電磁弁から前記開放回路側に配置される前記第2電磁弁への空気の流通を許容するチェックバルブが設けられ、前記制御圧信号は、前記チェックバルブと前記第2電磁弁との間の空気圧信号であり、前記第1電磁弁は、前記第1電磁弁がオフのとき前記チェックバルブとの間を大気に開放する3ポート弁である」のに対し、甲1発明では、第1の2/2方向電磁弁10とリレー弁18との間に、前記第1の2/2方向電磁弁10から第2の2/2方向電磁弁12への空気の流通を許容するチェックバルブが設けられていない点。 <相違点4> 本件発明6では空気圧信号は「前記第3電磁弁を介して前記リレーバルブに対し印加され」るのに対し、甲1発明では、第2の電磁弁装置68を有しているものの、制御ライン22は第2の電磁弁装置68を介してリレー弁18に対して印加されるものではない点。 相違点4に係る本件発明6の構成は、特許異議が申し立てられた本件訂正前の請求項6において特定されていた事項であることに鑑み、まず相違点4について検討する。 甲1発明における第2の電磁弁装置68は、「トレーラのブレーキを解除することができ、トラクタのスプリングブレーキだけでトラクタ-トレーラ連結車を静止状態に保つことができるかどうかを運転者がテストできる(「テスト機能」)ように」するために設けられたものであるところ(【0102】参照)、制御ライン22を、第2の電磁弁装置68を介してリレー弁18に接続してしまうと、トレーラのブレーキを、トラクタのスプリングブレーキから独立して解除することができなくなってしまうため、甲1において制御ライン22を第2の電磁弁装置68を介してリレー弁18と接続するべき動機付けはないし、むしろ、阻害要因があるといえるから、甲1発明において、相違点4に係る本件発明6のように構成することは、甲1発明における単なる設計変更であるとはいえない。 また、そのような構成が当業者の技術常識であると認めるに足る証拠もない。 したがって、甲1発明に基いて、相違点4に係る本件発明6の構成とすることは、当業者であっても容易に想到し得たとは認められない。 (2)請求項5を引用する請求項6について 請求項5を引用する請求項6に係る発明と甲1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、上記(1)における対比を踏まえれば、相違点1、2、4及び、次の相違点5において相違する。 <相違点5> 本件発明6では「前記第1電磁弁と前記リレーバルブとの間には、前記第1電磁弁がオフであるとき、前記リレーバルブに前記第1電磁弁からの空気圧を伝達させない空気圧保持機構が設けられ、前記信号回路はクイックリリース弁を有し、前記空気圧信号が前記クイックリリース弁の作動圧以上の空気圧を有するとき、前記空気圧信号が前記クイックリリース弁を介して前記制御圧信号として前記リレーバルブに対し印可され、前記空気圧信号が前記クイックリリース弁の前記作動圧未満の空気圧を有するとき、大気圧が前記クイックリリース弁を介して前記制御圧信号として前記リレーバルブに対し印可される」のに対し、甲1発明では、制御ライン22にクイックリリース弁を有していない点。 そして、相違点4については上記(1)で検討した通りである。 (3)小括 上記(1)(2)より、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明6は、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 4 本件発明9及び10について 本件発明9及び10と甲1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、上記3(1)における対比を踏まえれば、少なくとも相違点4において相違する。 そして、相違点4については上記3(1)で検討した通りである。 したがって、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明9及び10は、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 5 特許異議申立人の主張について 特許異議申立人は、特許異議申立書において、「構成要件K,k(合議体注:上記相違点4に係る構成)の対比においては、本件特許発明6の第3電磁弁(43)と引用発明6の第2の電磁弁装置(68)の具体的な配置が相違している(本件特許の図1および甲第1号証の図1参照)。しかしながら、いずれもトラクタのブレーキチャンバに供給する圧力とトレーラ制御弁に供給する圧力とを異ならせるために流路を切り換える電磁弁であり、具体的な回路構成は単なる設計変更に過ぎない。」(9頁下から9行~10頁3行)と主張している。 しかし、上記3(1)で検討した通り、甲1において制御ライン22を第2の電磁弁装置68を介してリレー弁18と接続するべき動機付けはないし、むしろ、阻害要因があるといえる。また、そのような構成が当業者の技術常識であると認めるに足る証拠もない。 したがって、甲1発明に基いて、相違点4に係る本件発明6の構成とすることは、当業者であっても容易に想到し得たとは認められない。 よって、特許異議申立人の上記主張を採用することはできない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては、本件の請求項6、9、10に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件の請求項6、9、10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、請求項1~3は本件訂正により削除された。これにより、請求項1~3に係る特許に対する特許異議の申立は、申立の対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700787

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