商標取消審判
2021-300842
スキンジュース、ジュース
- 審判番号
- 2021-300842
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2017-016875
- 登録番号
- 5981924
- 請求日
- 2021年10月27日
- 審決日
- 2023年03月28日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ダンプニー,ジョアン
- 【請求人代理人】▲吉▼川 俊雄
- 【被請求人】株式会社リライト
- 【被請求人代理人】大槻 聡
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 淳
- 審判官 大森 友子
- 審判官 板谷 玲子
- 分類
- T131 .1 -Y (W03) / T131 .11 -Y (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第2号、商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5981924号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5981924号商標(以下「本件商標」という。)は、「SkinJuice」の文字を標準文字で表してなり、平成29年2月2日に登録出願、第3類「化粧品」を指定商品として同年9月22日に設定登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和3年11月16日である。
なお、本件審判において、商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは、平成30年(2018年)11月16日ないし令和3年(2021年)11月15日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、下記の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第19号証を提出した。
1 使用の事実について
本件商標権者(被請求人)は、インターネットショッピングモール「楽天市場」において、自身のショップ「Relight」を運営している。当該ショップにおいて、本件商標権者は本件商標と社会通念上同一の商標を使用している。
2 登録商標の使用について
本件商標権者が商品を販売しているウェブページの写し(乙1)の第2頁には、本件商標と社会通念上同一の商標として、「Skin Juice」の文字の下部に灰色で小さく「GEL」の文字が表されており、当該文字の上下に「BOTANICALS」及び「ORGANICS」の文字が表されている商標(以下「本件使用商標」という。)が付されている。
そして、「GEL」「BOTANICALS」「ORGANICS」は、商品の品質・特徴を表すものにすぎないものである。
「GEL」は「ゲル、膠(こう)化体」程度の意味を有するものであって(乙2)、化粧品の分野において、「ゲル状の商品」を表すものとして使用されており、商品の品質・特徴を表す語に該当する(乙3~乙5)。
「BOTANICALS」は「BOTANICAL」の複数形であり、「BOTANICAL」は「植物の、植物学(上)の、植物から採った」程度の意味を有するものであって(乙6)、化粧品の分野において、「植物由来の成分を使用した商品」を表すものとして使用されており、商品の品質・特徴を表す語に該当する(乙7~乙9)。
「ORGANICS」は「ORGANIC」の複数形であり、「ORGANIC」は「有機体の、有機の、化学肥料を用いないで育てた」程度の意味を有するものであって(乙10)、化粧品の分野において、「有機栽培で育てられた植物由来の成分を使用した商品」を表すものとして使用されており、商品の品質・特徴を表す語に該当する(乙11~乙13)。
また、本件使用商標は「Skin Juice」の文字が中心に配置されており、他の文字よりも大きく、太い文字で表されている。このため、「Skin Juice」の部分は要部として認識されるものといえる。本件使用商標における「SkinJuice」の書体は、本件商標の書体と異なるものではあるが、称呼・観念が変化するほど異なるものではない。
したがって、本件使用商標と本件商標は社会通念上同一の商標であるといえる。
3 使用に係る商品について
乙第1号証の第8頁には、「化粧水・乳液・クリーム・美容液としてお使いいただけます。」と記載がある。また、第10頁には、販売名として「多機能美容ジェルクリーム」と記載がある。
これらの記載から、本件使用商標が請求に係る指定商品「化粧品」に対して使用されていることが明らかである。
4 商標の使用時期について
(1)受注明細票(乙14)にある、購入日時には、「2021年6月21日20時49分」と記載がある。当該日時は、要証期間内である。
明細の欄には、商品番号として「skin_tanpin」の記載がある。
当該商品番号は、乙第1号証の第9頁に記載の商品番号と一致している。このことから、乙第1号証に示すウェブページで販売されている商品が、要証期間に販売されているといえる。
顧客へ送付するお買い上げ明細書(乙15)にある受注明細票に記載の受注番号と、お買い上げ明細書に記載の受注番号が一致していることから、受注明細票に係る商品の発送(商品の包装に本件商標と社会通念上同一の商標を付したものの譲渡)が完了しているといえる。
つまり、要証期間に本件商標と社会通念上同一の商標が商標法第2条第3項第2号の使用をされているといえる。
(2)ウェブサイト「@cosme」の写し(乙16)にあるクチコミの欄の2017年10月18日に投稿された写真は、乙第1号証で販売されている商品と同等の包装の商品の写真である(乙16、乙17)。
このため、2017年10月18日から、乙第1号証の作成日(2022年6月29日)にかけて、本件商標権者は包装の変更をすることなく、商品の販売を継続していることが推測できる。
したがって、乙第14号証における購入日(2021年6月21日)においても、甲第1号証で販売されている商品と同等の包装の商品が販売されているといえる。
(3)当該ウェブサイトの写しには、メーカーとして「ディファレント」と掲載されているが、これは本件商標権者の旧名称が「株式会社ディファレント」であるからである(乙18)。
5 商標を使用する者について
本件商標権者は、インターネットショッピングモール「楽天市場」において、自身のショップ「Relight」を運営している。
乙第1号証のウェブページの「店舗概要」の箇所からアクセスできるウェブページの写し(乙18)には、「株式会社リライト」及び「岩手県盛岡市菜園一丁目3番6号農林会館9階903-2号室」と記載がある。
また、乙第15号証にも同じく「株式会社リライト」及び「岩手県盛岡市菜園一丁目3番6号農林会館9階903-2号室」と記載がある。
これらの名称及び住所は、本件商標権者の名称及び住所と一致している。
このため、本件商標権者が商標を使用していることは明らかである。
また、商標の使用場所が日本国内であることも明らかである。
6 まとめ
以上により、本件商標権者は、要証期間に、日本国内において本件商標と社会通念上同一である本件使用商標を、請求にかかる指定商品「化粧品」に使用している事実がある。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(1)「Relight楽天市場店」で販売されている商品について
本件商標権者は、「Relight楽天市場店」のウェブサイトにおいて、商品名を「SkinJuiceGel」とする商品(以下「使用商品」という。)を2,526円(税込み)で販売している。
使用商品の包装には別掲のとおりの「BOTANICALS」、「Skin Juice」、「GEL」及び「ORGANICS」の文字を4段に表した商標(以下「使用商標」という。)が表示されている。
使用商品の商品番号は「skin_tanpin」であって、販売名として「多機能美容ジェルクリーム」の表示がある(乙1)。
なお、乙第1号証の印刷日は、令和4年(2022年)6月29日である。
(2)「GEL」、「BOTANICALS」及び「ORGANICS」の文字について
ア 「GEL」の文字は「ゲル、膠化体」を意味する英語であって(乙2)、化粧品の形状を示す文字として使用されている(乙3~乙5)。
イ 「BOTANICALS」の文字は「植物の、植物学(上)の、植物から採った」の意味を有する「BOTANICAL」の英語(乙6)の複数形であり、当該「BOTANICAL」の文字は、化粧品の原材料及び品質を表す文字として使用されている(乙7~乙9)。
ウ 「ORGANICS」の文字は「有機体の、有機の、化学肥料を用いないで育てた」等の意味を有する英語(乙10)の「ORGANIC」の複数形であり、当該「ORGANIC」の文字は、化粧品の原材料及び品質を表す文字として使用されている(乙11~乙13)。
(3)使用商品の取引について
本件商標権者は、2021年6月21日に、商品名を「スキンジュースジェルオールインワンゲル65g(約1ヶ月分)美容液 化粧水 保湿 ジェル 化粧下地 乳液 美容 美肌」、商品番号を「skin_tanpin」とする商品8個の注文を受け、同月22日にこれを発送した(乙14、乙15)。
なお、商品の注文者及び送付先はマスキングされているが、商品の配送会社は日本郵便であり、当該取引にかかる「受注明細票」(乙14)及び「<ReLight 楽天市場店>お買い上げ明細書」(乙15)は日本語で記載されている。
また、当該「受注明細票」及び「<ReLight 楽天市場店>お買い上げ明細書」に記載されている、商品番号及び価格は「Relight楽天市場店」にかかるウェブサイト(乙1)に掲載された商品番号及び価格と同一である。
(4)「@cosme」の投稿写真について
2017年10月18日付けで「@cosme」のウェブサイトの「SkinJuice SkinJuiceGel 公式」の見出しのページに投稿された写真に係る商品は、使用商品と同一視できるものであって、使用商標が付されている(乙16、乙17)。
2 上記1の認定事項に基づき、以下判断する。
(1)本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について
本件商標は、上記第1のとおり「SkinJuice」の文字を標準文字で表してなるものである。他方、使用商標は別掲のとおり、「BOTANICALS」、「Skin Juice」、「GEL」及び「ORGANICS」の文字を4段に表してなるところ、構成中の「BOTANICALS」、「GEL」及び「ORGANICS」の文字は、それぞれ「植物から採った」、「ゲル」及び「有機の」の意味を有する文字であり、請求に係る指定商品である「化粧品」との関係では、上記1(2)のとおり、形状、原材料及び品質を指称する文字であって自他商品の識別標識として機能しないか、又は極めて弱いというべきである。
したがって、使用商標の構成中、自他商品を識別する標章として機能する部分は「Skin Juice」の文字部分にあるというべきである。
そして、本件商標と使用商標の構成中の「Skin Juice」の文字部分についてみるに、本願商標は、上記第1のとおり「SkinJuice」の文字を標準文字で表してなり、他方、使用商標の構成中の「Skin Juice」の文字は「Skin」と「Juice」の文字の間に一文字分ほどのスペースがある。
また、本件商標と使用商標の構成中の「Skin Juice」の文字とは書体が異なっている。
しかしながら、両者はそのつづりを同じくするもので、本件商標の書体にのみに変更を加えた同一の文字からなるもので、同一の称呼が生じ、かつ、観念において相違することはないから、使用商標の構成中の「Skin Juice」の文字は、本件商標と社会通念上同一といえる。
そうすると、当該文字に商品の品質、形状、及び原材料を併記した使用商標も本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)商標の使用、使用時期及び使用者について
本件商標権者は、2021年6月21日に、顧客より、商品名を「スキンジュースジェルオールインワンゲル65g(約1ヶ月分)美容液 化粧水 保湿 ジェル 化粧下地 乳液 美容 美肌」とする商品8個の注文を受け、同月22日にこれを発送しているところ、当該取引に不自然なところはなく、当該日付はいずれも要証期間内である。
また、当該取引に係る商品は、日本郵便により配送され、書類は日本語で記載されていることから、日本国内で取引されたものと推認できる。
そして、当該取引に係る商品は、使用商品と商品番号及び価格を同じくするものであり、また、その商品名に使用商品の名称を片仮名で表した「スキンジュースジェル」の文字を含んでいることから、使用商品であると認められる。
さらに、使用商品は、当該取引日を含む2017年(平成29年)10月18日から乙第1号証の作成日である2022年(令和4年)6月29日まで同じ包装により販売されていたものと推認できる。
そうすると、本件商標権者は、要証期間内に日本国内の顧客に対して、包装に使用商標が表示された使用商品を譲渡したということができるから、使用商標の使用者は本件商標権者であると認められる。
(3)使用商品について
使用商標を包装に付した商品(使用商品)は、「Relight楽天市場店」のウェブサイトに表示されている販売名の「多機能美容ジェルクリーム」及び取引書類の商品名にある「美容液 化粧水」及び「乳液」の文字から「美容液、化粧水、乳液等の機能を持つ美容用のクリーム」であると認められるものであって、化粧品に含まれる商品であるから、請求に係る指定商品の範ちゅうの商品である。
(4)小括
以上によれば、本件商標権者は、要証期間に日本国内において、請求に係る商品である「化粧品」の包装に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して譲渡したものと認められる。
本件商標権者による上記使用行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為」に該当する。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者が本件審判の請求に係る指定商品である「化粧品」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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