商標取消審判
2021-300149
イロドリプラス、アヤプラス、サイプラス、イロドリ、アヤ、サイ、プラス
- 審判番号
- 2021-300149
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2015-040201
- 登録番号
- 5804592
- 請求日
- 2021年03月01日
- 審決日
- 2022年03月29日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】古川 史子
- 【請求人代理人】亀卦川 巧
- 【被請求人】埼玉プラスチック 株式会社
- 【被請求人代理人】田中 治幸
- 審判長/審判官
- 審判長 平澤 芳行
- 審判官 佐藤 松江
- 審判官 大森 友子
- 分類
- T132 .1 -Y (W03) / T132 .11 -Y (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第1号、商標法第2条第3項、商標法第2条第1項第1号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5804592号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は,成り立たない。
審判費用は,請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5804592号商標(以下「本件商標」という。)は,「彩プラス」の文字を標準文字で表してなり,平成27年4月24日に登録出願,第3類「化粧品,靴クリーム,靴墨,せっけん類,香料,つけづめ,つけまつ毛」並びに第21類,第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同年11月6日に設定登録がされ,現に有効に存続しているものである。
そして,本件審判の請求の登録日は,令和3年3月15日であり,本件審判において,商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは,平成30年(2018年)3月15日ないし令和3年(2021年)3月14日である(以下「要証期間」という場合がある。)。
第2 請求人の主張
請求人は,本件商標の指定商品中,第3類「化粧品,せっけん類」(以下「請求に係る指定商品」という。)の登録を取り消す,審判費用は,被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由及び答弁書・回答書に対する弁駁を要旨以下のように述べた。
1 請求の理由
本件商標は,請求に係る指定商品について,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが,継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 弁駁書による主張
本件商標権者の行為は,第35類「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の使用に該当するのであって,請求に係る指定商品である「化粧品,せっけん類」についての使用には当たらない。
(1)楽天市場における文字列「彩プラス」の検索結果を示すウェブページ(乙2)には,店舗「彩プラス」が取り扱う商品と,各商品枠の下方に小さく「彩プラス」の文字が表示されているところ,これは,オンラインショップにおける商品の陳列であり,実店舗における,商品の陳列棚に商品名・値段・店舗名が記載された札が付されているのと同様に,小売等役務としての使用である。
(2)<彩プラス>お買い上げ明細書(乙3)に示されている商品は,ヘアピンであり,請求に係る指定商品とは何らの関連性もない。
(3)<彩プラス>お買い上げ明細書(SKフォレストシャンプー)(乙4)及び<彩プラス>お買い上げ明細書(ディープシーナノジェルクリーム)(乙5)は,本件商標が表示されているが,これは,「彩プラス」という店舗で購入したことを明らかにするもので,実店舗におけるレシートや領収書に標章が付されているのと同様で,役務に関する取引書類に標章が付されているのであるから,小売等役務としての使用である。
(4)受注明細票(ディープシーピーリングジェル)(乙6),本件商標権者の2020年9月2日のウェブページ(以下「伝言板ページ」という。乙8)及び受注明細票(SKフォレストシャンプー)(乙9)には,本件商標は表示されていない。
(5)商品「ディープシーピーリングジェル」の販売ページ(以下「ジェルの販売ページ」という。乙7),商品「SKフォレストシャンプー」の販売ページ(以下「シャンプーの販売ページ」という。乙10)及び商品「SKアリババオリーブ石鹸」の販売ページ(以下「石鹸の販売ページ」という。乙11)には,ウェブページの上部に,「彩プラス」が黒地白抜きの態様で表示されている。
しかし,同部分には,併せて,「高品質を安心価格で,まごころをこめてお届けします」と表示されており,小売等役務を行う「彩プラス」それ自体の説明がされているのみで,商品との密接な関連性はなく,実店舗における,当該店舗についての,店内外に設置されるのぼり等の広告物と同様であるから,商品についての使用ではなく,小売等役務としての使用である。
(6)本件商標権者が,商品について商標を使用(商標法第2条第3項第1号・2号)していた場合,「お買い上げ明細書」(乙12,乙15)及び「受注明細票」(乙13,乙16)の「商品名/商品番号/項目:選択肢」の欄に,また,「配送伝票」(乙14,乙17)の「品名」の欄に商標が記載される可能性があるはずである。
この点,「お買い上げ明細書」(乙12,乙15)には,店舗名として本件商標が記載されているだけで,「商品名/商品番号/項目:選択肢」の欄に本件商標は記載されていない。また,「配送伝票」(乙14,乙17)には,「ご依頼主」の欄に本件商標が記載されているだけで,「品名」の欄に本件商標は記載されていない。なお,「受注明細票」(乙13,乙16)には本件商標は一切記載されていない。
すなわち,これらの書証によって,小売等役務を提供する者の出所を表示するものとして,本件商標が使用されていることはいえるかもしれないが,商品商標としての使用をしていることにはならない。
(7)本件商標権者は,平成27年3月20日に楽天市場での契約を開始し(乙1),同年4月24日に本件商標を登録出願している。
これは,いずれも,小売等役務商標制度が施行された平成19年4月1日から約8年も経過した後である。本件商標権者が本件商標を小売等役務商標として保護することは,時期的にも,十分に実現できたことは明白である。また,小売等役務商標制度の施行前に商標の「使用」に当たる行為があったことは何ら立証されていない。
第3 被請求人の主張
被請求人は,結論同旨の審決を求め,答弁書及び回答書において,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第17号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁書による主張
(1)本件商標権者の事業内容などについて
本件商標権者は,楽天グループ株式会社の提供するインターネットによる電子商店街サイト「楽天市場」(以下「楽天市場」という。)の店舗「彩プラス」(以下「本件ショップ」という。)にて化粧品,せっけん類に属する商品などを通信販売している。
(2)本件商標の使用について
ア 本件商標権者は,楽天市場において店舗名「彩プラス」として平成27年3月20日に契約開始し,楽天市場のシステムを利用して通信販売を行っている(乙1)。
楽天市場のホームページから「彩プラス」の文字で検索すれば,店舗名とともに通信販売の対象商品が表示される(乙2の1)。これら表示商品それぞれの外側下方部分には商標「彩プラス」が記されている(乙2の2)。
そしてお買い上げ商品の発送の際には,商標「彩プラス」を付した「お買い上げ明細書」を同封している(乙3~乙5)。
イ 本件商標権者は,本件ショップ内で化粧品「ディープシーピーリングジェル」や「ディープシーナノジェルクリーム」などを通信販売してきた(乙5~乙8)。
また本件商標権者は,本件ショップ内でせっけん類の「SKフォレストシャンプー」や「SKアリババオリーブ石鹸」などを通信販売してきた(乙9~乙11)。
ウ 「受注明細票」(乙6,乙9)の受注番号の上位6桁は前述の本件ショップの店舗を示す一意の番号と一致しており,本件ショップでの受注であることは明らかである。
エ 伝言板ページ(乙8)は本件ショップの「会社概要」ページから「掲示板」ボタンでリンクされたページ群の一つであり,インターネットアドレスには本件ショップ固有のURL(乙1)が含まれ,本件ショップの一部であることは明らかである。楽天市場のシステムによって付された最終更新が令和2年9月2日であり,この時点において商品「ディープシーピーリングジェル」及び化粧品の「擽紅」などの販売ページが外部よりアクセス可能であったことは明らかである。
オ ジェルの販売ページ(乙7),シャンプーの販売ページ(乙10)及び石鹸の販売ページ(乙11)は,インターネット検索サイトのキャッシュを示すウェブページであって,グーグル社によるインターネット検索サイトの巡回取得済みデータである。
これらのページはそれぞれ令和3年2月17日(乙7),同年1月23日(乙10)及び同年2月8日(乙11)にグーグル社に取得されており,これらの日付に,当該販売ページが外部よりアクセス可能であったことは明らかである。そして当該販売ページの上部には商標「彩プラス」が黒地白抜きの態様で表示されている。
カ これらの各使用商標「彩プラス」は,その構成文字が通常使用されるありふれた書体からなり,本件商標と社会通念上同一の商標といえるものである。
キ 「受注明細票」(乙6)及び伝言板ページ(乙8)に係る販売日(購入日)は,いずれも要証期間である。
また,「お買い上げ明細書」(乙4,乙5),「受注明細票」(乙9),ジェルの販売ページ,シャンプーの販売ページ及び石鹸の販売ページ(乙7,乙10,乙11)のそれぞれに係る注文日,販売ページ取得日又は購入日は,要証期間である。
2 回答書による主張
(1)「SKフォレストシャンプー」に係る取引について
「<彩プラス>お買い上げ明細書(SKフォレストシャンプー)」,当該お買い上げ明細書に係る「受注明細票(SKフォレストシャンプー)」,「佐川急便株式会社の配送伝票の写し(SKフォレストシャンプー)」により,要証期間における,令和3年1月23日に受注した商品「SK フォレストシャンプー」は,同月26日に注文者への配送作業に移行していることが確認できる(乙12~乙14)。
(2)ディープナノジェルクリームに係る取引について
「<彩プラス>お買い上げ明細書(ディープシーナノジェルクリーム)」,当該お買い上げ明細書に係る「受注明細票(ディープシーナノジェルクリーム)」及び「佐川急便株式会社の配送伝票の写し(ディープシーナノジェルクリーム)」により,要証期間における,令和2年12月26日に受注した商品「ディープシーナノジェルクリーム」は,同3年1月4日に注文者への配送作業に移行していることが確認できる(乙15~乙17)。
(3)商標の使用について
ア ジェルの販売ページ(乙7),伝言板ページ(乙8)及び石鹸の販売ページ(乙11)は,本件商標権者の管理下にあるWebページ群からなり本件商標が付された「カタログ」を示し,商標法第2条第3項第8号の「広告,価格表」に相当する。
イ 「<彩プラス>お買い上げ明細書(SKフォレストシャンプー)」(乙12)及び「<彩プラス>お買い上げ明細書(ディープシーナノジェルクリーム)」(乙15)は本件商標が付されたお客様送付用の「お買い上げ明細書」で,商標法第2条第3項第8号の「取引書類」に相当する。
ウ これらは,商標法第2条第3項第8号「商品若しくは役務に関する広告,価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」のうち少なくとも「商品」についての行為に該当する。
エ 本件商標の指定商品又は指定役務に第35類の小売等役務が指定されていないことで,商標法第2条第3項各号の使用行為が限定されるものではない。
3 まとめ
本件商標権者は,要証期間中に,本件商標と社会通念上同一の商標を付した通信販売ページに「化粧品,せっけん類」の商品を掲載(広告,価格表)し,本件商標と社会通念上同一の商標を付した取引書類を用いて販売している。
第4 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠及び同人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)本件商標権者は,2015年3月20日に楽天市場と契約を開始し,楽天市場において店舗名「彩プラス」(以下,当該店舗を「本件商標権者店舗」という。)において,商品名「ディープシーピーリングジェル」,「SKフォレストシャンプー」及び「SKアリババオリーブ石鹸」等の商品を販売している(乙1,乙7,乙8,乙10,乙11)。
(2)本件商標権者と神奈川県厚木市の顧客との取引について
ア 神奈川県厚木市の顧客は,本件商標権者店舗に対して2021年1月23日に,商品名「SKフォレストシャンプー」4本(1本759円,4本3036円)の注文を行った。本件商標権者の受注明細票には,送付先への配送会社として,「佐川急便」の記載がある(乙13)。
イ 本件商標権者は,2021年1月26日付け「<彩プラス>お買い上げ明細書」と題する書面をもって,商品名「SKフォレストシャンプー」4本(1本759円,4本3036円)を神奈川県厚木市の顧客に出荷した(乙12)。
ウ 本件商標権者は,上記イの神奈川県厚木市の顧客への出荷の際,同人宛てに,佐川急便の配送伝票の品名欄に「SKフォレストシャンプー×4本」「1月27日(AM必着)」と手書きし,佐川急便は2021年(平成3年)1月26日に引受け,当該商品は翌27日に当該顧客に配送されたものと推認される(乙14)。
(3)本件商標権者と東京都中央区の顧客との取引について
ア 東京都中央区の顧客は,本件商標権者店舗に対して2020年12月26日に,商品名「DEEP SEA NANO GEL CREAM-ディープシーナノジェルクリーム-ナノ化技術を保湿成分が角質」1個(7084円)の注文を行った。本件商標権者の受注明細票には,送付先への配送会社として,「佐川急便」の記載がある(乙16)。
イ 本件商標権者は,2021年1月4日付け「<彩プラス>お買い上げ明細書」と題する書面をもって,商品名「DEEP SEA NANO GEL CREAM-ディープシーナノジェルクリーム-ナノ化技術を保湿成分が角質」1個(7084円)を東京都中央区の顧客に出荷した(乙15)。
ウ 本件商標権者は,上記イの東京都中央区の顧客への出荷の際,同人宛てに,佐川急便の配送伝票の品名欄に「Deep Sea Nano Gel Cream ディープシーナノジェルクリーム×1個」「1月5日(AM必着)」と手書きし,佐川急便は2021年(平成3年)1月4日に引受け,当該商品は翌5日に当該顧客に配送されたものと推認される(乙17)。
2 上記1の認定事項に基づき,以下判断する。
(1)本件商標の使用者について
「<彩プラス>お買い上げ明細書」の文字(以下「使用商標」という。)の表題のお買い上げ明細書(乙12,乙15)の作成者は,本件商標権者と認められるから,使用商標の使用者は本件商標権者である。
(2)本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について
ア 本件商標は,上記第1のとおり「彩プラス」の文字を標準文字で表してなるものである。
イ 他方,使用商標は「<彩プラス>お買い上げ明細書」の文字及び記号をゴシック体で書してなるところ,構成中の「お買い上げ明細書」の文字は,注文した商品の明細(届け先,注文日,商品名,個数,金額)を示すものであって,識別標識として機能しないというべきである。また「<」及び「>」の記号は「彩プラス」の文字を強調する記号と認められる。
そうすると,使用商標の構成中,自他商品を識別する標識として機能する部分は「彩プラス」の文字部分にあるというべきである。
ウ 本件商標と使用商標の構成中,自他商品を識別する標識として機能する「彩プラス」の文字についてみるに,「彩プラス」の文字は本件商標と同一の文字からなるものであるから,両者は書体のみに変更を加えた同一の文字からなるものであって社会通念上同一のものである。
そうすると,「彩プラス」の文字に,記号及び注文した商品の明細を示す文字を付加した使用商標も本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(3)使用商品について
ア 「<彩プラス>お買い上げ明細書」(乙12)に記載されている商品名「SKフォレストシャンプー」(以下「使用商品1」という。)は,商品名中に「シャンプー」の文字があるから,「せっけん類」に含まれる商品であり,請求に係る指定商品の範ちゅうの商品である。
イ 「<彩プラス>お買い上げ明細書」(乙15)に記載されている商品名「DEEP SEA NANO GEL CREAM-ディープシーナノジェルクリーム-ナノ化技術を保湿成分が角質」(以下「使用商品2」という。)は,商品名中の「GEL CREAM」及び「ジェルクリーム」並びに「保湿成分」の文字より,「保湿成分を有するジェルクリーム」であると判断できるものであり,化粧品の範ちゅうの「クリーム」であると認められる。
そうすると,使用商品2は,請求に係る指定商品の範ちゅうの商品である。
(4)商標の使用及び使用時期について
ア 本件商標権者は,神奈川県厚木市の顧客より2021年(令和3年)1月23日に使用商品1の注文を受け,当月27日午前中必着で26日に使用商品1を配送しているところ,インターネットや通信販売等において注文した商品が納品される際に,納品書やお買い上げ明細書などが同封されることは一般的な取引形態といえるから,配送の際,使用商品1と同時に使用商品1に係る「<彩プラス>お買い上げ明細書」(乙12)が同封されていたものと認められ,当該取引自体に不自然なところはない。
そうすると,本件商標権者は,神奈川県厚木市の顧客に使用商品1を配送する際に,使用商品1に関するお買い上げ明細書に使用商標を付したものと認められる。
イ 本件商標権者は,東京都中央区の顧客より2020年(令和2年)12月23日に使用商品2の注文を受け,2021年(令和3年)1月5午前必着で4日に使用商品2を配送しているところ,上記同様に,配送の際,使用商品2と同時に使用商品2に係る「<彩プラス>お買い上げ明細書」(乙15)が同封されていたものと認められ,当該取引自体に不自然なところはない。
そうすると,本件商標権者は,東京都中央区の顧客に使用商品2を配送する際に,使用商品2に関するお買い上げ明細書に使用商標を付したものと認められる。
ウ 以上のとおり,本件商標権者は,要証期間に含まれる2021年(令和3年)1月26日及び同月4日に,上記神奈川県厚木市及び東京都中央区の顧客に対し,請求に係る指定商品の範ちゅうである使用商品1及び使用商品2に係る取引書類(お買い上げ明細書)に,「<彩プラス>お買い上げ明細書」(使用商標)との標章を付してそれぞれ頒布したものと認めることができる。
(5)小括
以上によれば,本件商標権者は,要証期間内に日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品の範ちゅうの商品である使用商品1(シャンプー)及び使用商品2(クリーム)の取引書類に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して頒布したものと認められる。
本件商標権者による上記使用行為は,商標法第2条第3項第8号にいう「商品の取引書類に標章を付して頒布する行為」に該当する。
3 請求人の主張について
請求人は,本件商標権者の行為は,第35類「化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の使用に該当するのであって,請求に係る指定商品である「化粧品,せっけん類」についての使用には当たらない旨主張する。
しかしながら,商標の使用とは,商品又は商品の包装に標章を付する行為にのみ限られず,商品の取引書類(「お買い上げ明細書」等)に商標を付して,需要者,取引先等に頒布する行為も,商品又は役務に関する広告等に標章を付して頒布する行為に含まれる商標の使用と認められるものである。
本件においては,上記2のとおり,本件商標権者が,顧客より注文を受け,商品についての「お買い上げ明細書」を発行し,注文した商品とともに顧客に配送されたものといえるから,実際に商品の譲渡を伴う商取引が行われ,当該商品に係る取引書類も頒布したものと認め得る。
また,本件商標は,平成19年4月1日に施行された小売等役務商標制度導入後に登録出願され設定登録されたものであるところ,商品に係る商標の使用は,「業として商品を・・・譲渡する者がその商品について使用をするもの」と定められ(商標法第2条第1項第1号),その規定は,小売等役務商標制度導入前後において変更はない。そして,本件商標の使用について,小売業務についての使用の側面があるとしても,上記のとおり,商品の譲渡がなされ,その際の取引書類に本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付しているのだから,商品に係る商標の使用に当たらないということはできない。
よって,請求人の上記主張は採用できない。
4 まとめ
以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件商標権者が本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「シャンプー」及び「クリーム」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたことを証明したというべきである。
したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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