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特許拒絶査定不服審判

2021-018043

発光素子およびその製造方法

審判番号
2021-018043
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-044679
請求日
2021年12月27日
審決日
2024年02月05日
公報発行日
2024年08月30日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
  • 【請求人代理人】磯野 富彦
審判長/審判官
  • 審判長 波多江 進
  • 審判官 松川 直樹
  • 審判官 山村 浩
分類
P18 .121-Z (H01L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-44679号「発光素子およびその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔令和2年5月7日出願公開、特開2020-72248号〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、2019年(平成31年)3月12日(パリ条約による優先権主張 2018年(平成30年)10月31日(以下「優先日」という。) 米国)を出願日とする出願であって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。 令和2年 3月13日付け:拒絶理由通知書 同年 6月18日 :意見書、手続補正書の提出 同月24日付け:拒絶理由通知書 同年 9月30日 :意見書、手続補正書の提出 同年11月30日付け:拒絶理由通知書 令和3年 3月18日 :意見書の提出 同年 8月25日付け:拒絶査定 同年12月27日 :審判請求書の提出 令和4年12月 5日付け:拒絶理由通知書 令和5年 4月 3日 :意見書の提出 同年 6月29日付け:拒絶理由通知書 同年10月 3日 :意見書の提出 2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和2年9月30日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1の記載は、次のとおりである。 「【請求項1】 異なる色の光を発光するように設計された複数のサブピクセルをそれぞれが含む複数の画素を含む基板を含み、前記複数のサブピクセルは、 前記基板の上に形成された第1の光源と、 前記第1の光源を覆う赤色発光層と、 前記赤色発光層を覆う第1の黄色カラーフィルタとを含む、赤色光を発光するように設計された第1のサブピクセル、 前記基板の上に形成された第2の光源と、 前記第2の光源を覆う緑色発光層と、 前記緑色発光層を覆う第2の黄色カラーフィルタとを含む、緑色光を発光するように設計された第2のサブピクセル、および 前記基板の上に形成された第3の光源を含む青色光を発光するように設計された第3のサブピクセルを含み、 前記第1の光源、前記第2の光源、および前記第3の光源は、紺色光を発光し、青色発光層は、青色蛍光体を含み、前記第3の光源を覆い、第1の導光層は、前記第1の光源と前記赤色発光層の間に形成され、第2の導光層は、前記第2の光源と前記緑色発光層の間に形成され、且つ第3の導光層は、前記第3の光源と前記青色発光層との間に形成され、 前記第1の黄色カラーフィルタおよび前記第2の黄色カラーフィルタは、ポリマーマトリックス内に配合された黄色顔料を含む発光素子。」 3 拒絶の理由 令和5年6月29日付けで当審が通知した拒絶の理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は、次の内容を含むものである。 (進歩性)本願発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明である下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 1.特表2016-523450号公報 2.特開2016-58586号公報 4 引用文献の記載事項及び引用発明等の認定 (1) 引用文献1の記載事項及び引用発明の認定 (1-1) 引用文献1の記載事項 ア 本願の優先日前に日本国内又は外国において発行された引用文献1には、次の記載がある(下線は当審が付した。以下同じ。)。 「【0045】 ここで図9Aを参照すると、本発明の一実施形態に係わる、マイクロLEDデバイスの周囲の、ライトパイプの形態の配光層、及びそのライトパイプの上の波長変換層の、組み合わせ図が提供される。図9Aが組み合わせ図と称される理由は、この図が、マイクロLEDデバイスの場所に関する等角図、平面図と、層の断面図との特性を含むためである。以下の実施形態では、特定の垂直型マイクロLEDデバイス400構造体に関連して、説明がなされる。図示の特定のマイクロLEDデバイス400は例示的なものであり、本発明の実施形態が限定されるものではないことを理解されたい。例えば、本発明の実施形態はまた、図1Dに関連して説明及び図示されたものなどのLEDデバイスでも実践することができる。以下の説明はまた、ライトパイプの形態の配光層320に関連しても実施される。そのような構成は、数多くの可能な層の配置構成及び形状を適切に説明するために選択されており、それらの層の配置構成はまた、特にドーム形状及び細長ドーム形状などの、前述のプロファイルのうちのいずれかを形成するためにも使用することができる点を理解されたい。 【0046】 図9Aに示されるように、波長変換層320を形成する前に、配光層320が、1つ以上のマイクロLEDデバイス400の周囲に、任意選択的に形成される。本明細書で説明されるように、マイクロLEDデバイスの「周囲」の層は、そのマイクロLEDデバイスの側方に、上に、又は下に形成することができる。それゆえ、マイクロLEDデバイスの「周囲」という用語は、その層が、マイクロLEDデバイスからの全ての方向で配置されていることを必要とするものではない。むしろ、用語「周囲」とは、マイクロLEDデバイスからの発光ビーム経路が通過するように設計されている、隣接区域を指すことを意図するものである。図9Aに示される特定の実施形態では、マイクロLEDデバイス400の周囲のライトパイプは、マイクロLEDデバイスの側方及びマイクロLEDデバイスの上の双方に存在する。」 「【0052】 本発明の実施形態によれば、マイクロLEDデバイス400の上に、かつ存在する場合には、任意選択の配光層320及び整合層の上に、波長変換層310が形成される。一実施形態では、波長変換層は、発光スペクトルを制御するための蛍光体粒子を含む。一実施形態では、波長変換層は、混色の発光スペクトル(例えば、赤色、青色、緑色、黄色などのうちのいずれかの組み合わせ)用の、種々の(設計されたサイズ若しくは形状、又は組成が異なる)蛍光体粒子を含む。別の実施形態では、波長変換層は、単色の発光スペクトル(例えば、赤色、青色、緑色、黄色など)用に設計された蛍光体粒子を含む。 【0053】 一実施形態では、波長変換層310は、蛍光体粒子で形成される。例えば、波長変換層は、噴霧堆積法の後に続く、溶媒の除去によって形成される。一実施形態では、波長変換層は、ポリマーマトリクス又はガラスマトリクス材料などのマトリクス材料中の、蛍光体粒子の分散を含む。顔料、染料、又は散乱粒子などの、他の充填材料もまた、マトリクスの内部に、又は、マトリクス材料が存在しない場合には蛍光体粒子自体の間に、分散させることができる。一実施形態では、波長変換層310は、インクジェット印刷によって形成され、UV硬化される。一実施形態では、波長変換層310は、溶融ガラスの適用によって形成され、その溶融ガラス内部で、充填剤が熱的及び化学的に安定する。波長変換層310の厚さ、並びに、充填剤、例えば蛍光体粒子、顔料、染料、又は光散乱粒子の濃度を調整することにより、必要な色スペクトルを達成する。例えば、一実施形態では、それらの厚さ及び濃度は、波長変換層を通した、マイクロLEDデバイスからの色滲みを最小限に抑え、蛍光体粒子からの発光を最大化するように、調整される。・・・(中略)・・・色変換材料(例えば、蛍光体粒子、顔料、染料)の濃度、並びに層の厚さは、その発光デバイスの具体的な用途、例えば、完全な色変換(例えば、青色から赤色、又は青色から緑色など)を生じさせるか否か、下層のマイクロLEDデバイスからの光の漏洩若しくは滲みを生じさせるか否か、又は変換材料の混合が採用されるか否かに応じて、決定することができる。完全な色変換(例えば、青色から赤色、又は青色から緑色など)が生じる実施形態では、50%超の体積添加百分率の色変換材料を、波長変換層内に含めることができる。・・・(後略)」 「【0057】 他の材料もまた、波長変換層の内部に分散させることができる。・・・一実施形態では、顔料又は染料を、波長変換層310の内部に分散させることができる。このことは、波長変換層内にカラーフィルタを組み込む効果を有し得る。一実施形態では、この顔料又は染料は、蛍光体粒子の発光波長と同様の色を有し得る。この方式で、その顔料又は染料は、蛍光体粒子から放出されている波長以外の波長を吸収することにより、そのアセンブリの発光スペクトルを更に鮮明化することができる。例えば、特定の実施形態では、マイクロLEDデバイス400は、窒化ガリウム(GaN)ベースの材料であり、青色(例えば、450nm~495nm)又は紺青色(例えば、420nm~450nm)の光を放出する。マイクロLEDデバイス400からの青色発光又は紺青色発光を吸収し、その発光波長を赤色に変換するために、赤色発光用に設計された量子ドットを、波長変換層310内に分散させることができる。そのような実施形態では、赤色顔料又は赤色染料もまた、波長変換層310の内部に分散させることにより、赤色以外の色もまた吸収することができる。この方式で、赤色顔料又は赤色染料が、更なる青色光又は紺青色光を吸収することにより、未変換の青色光又は紺青色光の滲みを低減することができる。例示的な顔料としては、リソールルビン(赤色)、B-銅タロシアニン(青色)、及びジアリライドイエロー(黄色)が挙げられる。青色マイクロLEDデバイス、及び赤色顔料若しくは赤色染料を有する赤色蛍光体粒子は、例示的なものであり、マイクロLEDデバイス、及び存在する場合には、波長変換層に関する、様々な発光スペクトル構成が可能である。」 「【0065】 ここで図11Aを参照すると、ディスプレイ基板102に接合された複数のマイクロLEDデバイス400と、複数のマイクロLEDデバイス400の周囲の、ライトパイプの形態の複数の配光層320と、複数の配光層320の上の複数の波長変換層310とを含む、ディスプレイの組み合わせ図が提供される。図示の特定の実施形態では、ピクセル106は、配光層320内部の複数のマイクロLEDデバイス400、及び、例えばRGBサブピクセル配列で、発光を変換するように設計された波長変換層310を含む。・・・(後略)」 「【0069】 図11B~図11Eは、本発明の実施形態に係わる、様々なピクセル構成の概略側面図である。具体的には示されないが、各マイクロLEDデバイス400は、例えば、図1A~図1Dに関連して上記で図示及び説明されたように、サブピクセル108の反射バンク層142内部に実装された、一対のマイクロLEDデバイス400のうちの1つとすることができる。 【0070】 図11Bは、本発明の一実施形態に係わる、ピクセル106の概略側面図である。図11Bに示されるように、各マイクロLEDデバイス400は、紺青色(DB)の色スペクトルを放出するように設計される。そのような実施形態では、異なる波長変換層310は、RGBサブピクセル配列での、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)を放出するように設計することができる。」 イ 図9A、図9B、図11A及び図11Bは次のとおりである。 [図:0001412525000001.jpg] [図:0001412525000002.jpg] [図:0001412525000003.jpg] [図:0001412525000004.jpg] (1-2) 引用文献1から読み取れる事項 ア 上記(1-1)アの【0053】・【0057】によれば、上記(1-1)イの図11Aに係るディスプレイに設けられるピクセル106であって、図11Bに係るピクセル106(【0070】)は、次の構成を備えていてもよいと解される。 (ア) 赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)用の波長変換層310には、ポリマーマトリクス材料中の蛍光体粒子の分散を含み、他の充填材料としての顔料もまた、分散させることができること(【0053】)。 (イ) 赤色(R)及び緑色(G)用の波長変換層310には、顔料を波長変換層の内部に分散させることができ、このことは、波長変換層内にカラーフィルタを組み込む効果を有し、その顔料は、蛍光体粒子の発光波長と同様の色を有し、顔料は、蛍光体粒子から放出されている波長以外の波長を吸収することにより、そのアセンブリの発光スペクトルを更に鮮明化することができ、顔料が、更なる紺青色光を吸収することにより、未変換の紺青色光の滲みを低減することができること(【0057】)。 イ 上記(1-1)アの【0065】・【0069】・【0070】の記載を踏まえて上記(1-1)イの図11A及び図11Bを見ると、次のことが見てとれる。 (ア) 赤色(R)サブピクセル108は、ディスプレイ基板102に接合された紺青色(DB)の色スペクトルを放出するように設計されるマイクロLEDデバイス400と、マイクロLEDデバイスの周囲の配光層320と、配光層320の上の赤色(R)を放出するように設計される波長変換層310を含むこと(【0065】、【0069】、【0070】)。 (イ) 緑色(G)サブピクセル108は、ディスプレイ基板102に接合された紺青色(DB)の色スペクトルを放出するように設計されるマイクロLEDデバイス400と、マイクロLEDデバイスの周囲の配光層320と、配光層320の上の緑色(G)を放出するように設計される波長変換層310を含むこと(【0065】、【0069】、【0070】)。 (ウ) 青色(B)サブピクセル108は、ディスプレイ基板102に接合された紺青色(DB)の色スペクトルを放出するように設計されるマイクロLEDデバイス400と、マイクロLEDデバイスの周囲の配光層320と、配光層320の上の青色(B)を放出するように設計される波長変換層310を含むこと(【0065】、【0069】、【0070】)。 (エ) 上記(1-1)アの【0065】の記載を踏まえて、上記(1-1)イの図11Aを見ると、ディスプレイは複数のピクセル106を備えていることが見てとれる。 (1-3) 引用発明の認定 上記(1-1)で摘記した引用文献1の記載事項及び上記(1-2)の引用文献1から読み取れる事項によれば、引用文献1には、図11Aに係るディスプレイであって、それに設けられるピクセル106が図11Bに係るピクセル106であるものについて、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(なお、括弧内は、認定の根拠とした箇所を示す。)。 <引用発明> 「ディスプレイ基板102に接合された複数のマイクロLEDデバイス400と、複数のマイクロLEDデバイス400の周囲の複数の配光層320と、複数の配光層320の上の複数の波長変換層310とを含む、ディスプレイであって、(【0065】) 前記ディスプレイは複数のピクセル106を備え、(上記(1-2)イ(エ)) 前記ピクセル106は、配光層320内部の複数のマイクロLEDデバイス400、及び、RGBサブピクセル配列で、発光を変換するように設計された波長変換層310を含み、(【0065】) 赤色(R)サブピクセル108は、ディスプレイ基板102に接合された紺青色(DB)の色スペクトルを放出するように設計されるマイクロLEDデバイス400と、マイクロLEDデバイスの周囲の配光層320と、配光層320の上の赤色(R)を放出するように設計される波長変換層310を含み、(上記(1-2)イ(ア)) 緑色(G)サブピクセル108は、ディスプレイ基板102に接合された紺青色(DB)の色スペクトルを放出するように設計されるマイクロLEDデバイス400と、マイクロLEDデバイスの周囲の配光層320と、配光層320の上の緑色(G)を放出するように設計される波長変換層310を含み、(上記(1-2)イ(イ)) 青色(B)サブピクセル108は、ディスプレイ基板102に接合された紺青色(DB)の色スペクトルを放出するように設計されるマイクロLEDデバイス400と、マイクロLEDデバイスの周囲の配光層320と、配光層320の上の青色(B)を放出するように設計される波長変換層310を含み、(上記(1-2)イ(ウ)) 紺青色は420nm~450nmであり、(【0057】) 赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)用の波長変換層310には、ポリマーマトリクス材料中の蛍光体粒子の分散を含み、他の充填材料としての顔料もまた、分散させることができ、(上記(1-2)ア(ア)) 赤色(R)及び緑色(G)用の波長変換層310には、顔料を波長変換層の内部に分散させることができ、このことは、波長変換層内にカラーフィルタを組み込む効果を有し、その顔料は、蛍光体粒子の発光波長と同様の色を有し、顔料は、蛍光体粒子から放出されている波長以外の波長を吸収することにより、そのアセンブリの発光スペクトルを更に鮮明化することができ、顔料が、更なる紺青色光を吸収することにより、未変換の紺青色光の滲みを低減することができる、(上記(1-2)ア(イ)) ディスプレイ。」 (2) 引用文献2の記載事項及び引用文献2に記載された技術的事項の 認定 (2-1) 引用文献2の記載事項 本願の優先日前に日本国内又は外国において発行された引用文献2には、次の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、表示装置及びテレビ受信装置に関する。」 「【0069】 <実施形態2> 本発明の実施形態2を図11または図12によって説明する。この実施形態2では、波長変換パネル140にカラーフィルタ46を設けるようにしたものを示す。なお、上記した実施形態1と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。 【0070】 本実施形態に係る波長変換パネル140には、図11に示すように、特定の波長領域の光を選択的に透過し、それ以外の波長領域の光を選択的に吸収するカラーフィルタ(波長選択性透光部)46が設けられている。カラーフィルタ46は、波長変換部142及び透明部143に対して表側、つまり液晶パネル111側(バックライト装置側とは反対側)に積層する形で設けられている。従って、支持基板141には、先に波長変換部142及び透明部143が設けられ、その後に波長変換部142及び透明部143上に重なる形でカラーフィルタ46が設けられている。 【0071】 カラーフィルタ46は、図11に示すように、青色に属する波長領域の光、つまり青色の光を選択的に透過する青色着色層(青色選択性透光部)46Bと、緑色に属する波長領域の光、つまり緑色の光を選択的に透過する緑色着色層(緑色選択性透光部)46Gと、赤色に属する波長領域の光、つまり赤色の光を選択的に透過する赤色着色層(赤色選択性透光部)46Rと、から構成される。各着色層46R,46G,46Bは、それぞれ所定の顔料または染料を含有しており、その含有する顔料または染料に応じた特定の色を呈するものとされる。青色着色層46Bは、青色の光については透過するものの、青色の光以外の光、例えば緑色の光及び赤色の光などを吸収するものとされる。緑色着色層46Gは、緑色の光については透過するものの、緑色の光以外の光、例えば青色の光及び赤色の光などを吸収するものとされる。赤色着色層46Rは、赤色の光については透過するものの、赤色の光以外の光、例えば青色の光及び緑色の光などを吸収するものとされる。青色着色層46Bは、透明部143に対して表側(出光側)に積層(重畳)する形で設けられており、それにより液晶パネル111の青色画素部134Bを構成する画素電極125と重畳する形で配されている。緑色着色層46Gは、緑色蛍光体層142Gに対して表側(出光側)に積層(重畳)する形で設けられており、それにより液晶パネル111の緑色画素部134Gを構成する画素電極125と重畳する形で配されている。赤色着色層46Rは、赤色蛍光体層142Rに対して表側(出光側)に積層(重畳)する形で設けられており、それにより液晶パネル111の赤色画素部134Rを構成する画素電極125と重畳する形で配されている。このように、各着色層46R,46G,46Bは、同じ色を呈する各画素部134R,134G,134Bと重畳配置されている。カラーフィルタ46を構成する各着色層46R,46G,46Bは、各画素部134R,134G,134B(緑色蛍光体層142G、赤色蛍光体層142R、及び透明部143)と同様に、支持基板141の板面の面内において多数個ずつがマトリクス状に並んで配置されている。青色着色層46Bに対して裏側に積層される透明部143は、その厚みが各蛍光体層142R,142Gの厚みとほぼ同じとされている。これにより、各着色層46R,46G,46Bは、その厚みが互いにほぼ同じに揃えられている。また、遮光部144は、カラーフィルタ46を構成するとともに互いに隣り合う各着色層46R,46G,46Bの間を仕切る形で設けられている。 【0072】 カラーフィルタ46を構成する各色の着色層46R,46G,46Bは、次のような透過スペクトルを有している。赤色を呈する赤色着色層46Rは、図12に示すように、赤色に属する波長領域(約600nm~約780nm)の光、つまり赤色の光を選択的に透過するものとされており、その透過スペクトルに含まれるピークの立ち上がり位置が560nm以上となり、ピークの半値(分光透過率の最大値の半値)となる波長が580nm以上となるよう構成されている。具体的には、赤色着色層46Rは、ピークの立ち上がり位置が566nm程度となり、ピークの半値となる波長が588nm程度となる透過スペクトルを有するよう構成される。緑色を呈する緑色着色層46Gは、緑色に属する波長領域(約500nm~約570nm)の光、つまり緑色の光を選択的に透過するものとされており、その透過スペクトルに含まれるピークのピーク波長が510nm~550nmの範囲となるとともに、当該ピークの半値幅が110nm未満となるよう構成されている。具体的には、緑色着色層46Gは、ピーク波長が530nmとなるピークを含み且つその半値幅(488nmから580nmまでの幅)が92nm程度となる透過スペクトルを有するよう構成される。青色を呈する青色着色層46Bは、青色に属する波長領域(約420nm~約500nm)の光、つまり青色の光を選択的に透過するものとされており、その透過スペクトルに含まれるピークのピーク波長が440nm~480nmの範囲となるとともに、当該ピークの半値幅が110nm未満となるよう構成されている。具体的には、青色着色層46Bは、ピーク波長が455nmとなるピークを含み且つその半値幅(404nmから509nmまでの幅)が105nm程度となる透過スペクトルを有するよう構成される。なお、ここで言う透過スペクトルの「ピーク」とは、透過スペクトルの中の山状部分のことを指し、「ピーク波長」とは、上記山状部分の中の頂点における波長のことを指す。また、図12には、カラーフィルタ46の透過スペクトルが示されており、同図の横軸が光の波長とされ、同図の縦軸がカラーフィルタ46の分光透過率(単位は「%」)とされている。 【0073】 続いて、本実施形態に係る作用について説明する。図示しないバックライト装置から波長変換パネル140に向けて青色の単色光が照射されると、その青色の単色光は、図11に示すように、ほぼ透明な支持基板141を透過してから、まず波長変換部142及び透明部143に入射される。波長変換部142に入射した青色の単色光は、上記した実施形態1と同様に各蛍光体層142G,142Rによりそれぞれ波長変換される。これに対して、透明部143に入射した青色の単色光は、透明部143にて吸収されたり反射されたりすることが殆どなく、ほぼそのまま透明部143を透過する。 【0074】 このうち、緑色蛍光体層142Gを透過した光は、緑色蛍光体層142Gに対して表側に積層された緑色着色層46Gに、赤色蛍光体層142Rを透過した光は、赤色蛍光体層142Rに対して表側に積層された赤色着色層46Rに、それぞれ入射される。ここで、緑色蛍光体層142Gの透過光には、緑色蛍光体層142Gにて波長変換されて発せられた緑色の光の他にも、緑色蛍光体層142Gでは波長変換されなかった青色の光などが含まれ得るものとされる。同様に、赤色蛍光体層142Rの透過光には、赤色蛍光体層142Rにて波長変換されて発せられた赤色の光の他にも、赤色蛍光体層142Rでは波長変換されなかった青色の光などが含まれ得るものとされる。また、緑色蛍光体層142Gでは、青色の光が緑色の光へと波長変換されるものの、波長変換に伴って緑色に属する波長領域からずれた光、つまりサイドローブ光が生じ得る場合もある。同様に、赤色蛍光体層142Rでは、青色の光が赤色の光へと波長変換されるものの、波長変換に伴って赤色に属する波長領域からずれたサイドローブ光が生じ得る場合もある。緑色蛍光体層142G及び赤色蛍光体層142Rの透過光に、上記のような未変換の青色の光やサイドローブ光が含まれていた場合でも、緑色蛍光体層142Gの透過光が緑色着色層46Gを透過されるのに伴って、未変換の青色の光やサイドローブ光が緑色着色層46Gにより吸収されるとともに、赤色蛍光体層142Rの透過光が赤色着色層46Rを透過されるのに伴って、未変換の青色の光やサイドローブ光が緑色着色層46G(当審注:「緑色着色層46G」は、前後の文脈から見て「赤色着色層46R」の誤記と認められる。)により吸収されるようになっている。これにより、緑色着色層46Gを透過して液晶パネル111の緑色画素部134Gに供給される緑色の光は、色純度が極めて高いものとされるとともに、赤色着色層46Rを透過して液晶パネル111の赤色画素部134Rに供給される赤色の光は、色純度が極めて高いものとされる。」 「【0079】 <実施形態3> 本発明の実施形態3を図13または図14によって説明する。この実施形態3では、上記した実施形態2からカラーフィルタ246の構成を偏光(当審注:「変更」の誤記である。)したものを示す。なお、上記した実施形態2と同様の構造、作用及び効果について重複する説明は省略する。 【0080】 本実施形態に係るカラーフィルタ246は、図13に示すように、黄色に属する波長領域の光、つまり黄色の光を選択的に透過する黄色着色層(黄色選択性透光部)246Yからなるものとされる。黄色着色層246Yを透過する黄色に属する波長領域の光には、緑色に属する波長領域の光と赤色に属する波長領域の光とが含まれていることから、黄色着色層246Yは、緑色の光と赤色の光とを共に透過するものとされる。黄色着色層246Yは、黄色の光(緑色の光及び赤色の光)については透過するものの、黄色の光以外の光、例えば青色の光などを吸収するものとされる。黄色着色層246Yは、緑色蛍光体層242G及び赤色蛍光体層242Rに対してそれぞれ表側に積層する形で設けられている。従って、黄色着色層246Yは、液晶パネル211の緑色画素部234Gを構成する画素電極225、及び赤色画素部234Rを構成する画素電極225とそれぞれ重畳する形で配されている。このように、黄色着色層246Yは、自身を透過する光に含まれる光の色(緑色及び赤色)と同色を呈する緑色画素部234G及び緑色蛍光体層242Gと、赤色画素部234R及び赤色蛍光体層242Rと、に対して重畳配置されている。カラーフィルタ246を構成する黄色着色層246Yは、緑色画素部234G及び赤色画素部234R(緑色蛍光体層242G及び赤色蛍光体層242R)と同様に、支持基板241の板面の面内において多数個ずつがマトリクス状に並んで配置されている。なお、カラーフィルタ246は、青色画素部234Bと重畳する位置には配置されておらず、透明部243に対して積層する形でも配置されていない。そのため、透明部243は、その厚みが各蛍光体層242R,242Gの厚みに、黄色着色層246Yの厚みを足し合わせた大きさとされている。これにより、透明部243における表側の面が、黄色着色層246Yにおける表側の面と面一状をなしている。また、遮光部244は、カラーフィルタ246を構成するとともに互いに隣り合う黄色着色層246Yの間を仕切る形で設けられている。 【0081】 カラーフィルタ246を構成する黄色着色層246Yは、図14に示すように、黄色の波長領域(580nm~600nm)の光、つまり黄色の光を選択的に透過するものとされており、その透過スペクトルに含まれるピークの半値となる波長が480nm~580nmの範囲に存するよう構成されている。具体的には、黄色着色層246Yは、ピークの半値となる波長が499nm程度となる透過スペクトルを有するよう構成されるのが好ましい。つまり、黄色着色層246Yに係る透過スペクトルには、緑色蛍光体層242Gに含有される緑色蛍光体の発光スペクトルがほぼ全域にわたって含まれるとともに、赤色蛍光体層242Rに含有される赤色蛍光体の発光スペクトルがほぼ全域にわたって含まれているので、緑色蛍光体層242Gにて波長変換された緑色の光と、赤色蛍光体層242Rにて波長変換された赤色の光と、がそれぞれ黄色着色層246Yを効率的に透過することになる。その一方、黄色着色層246Yは、LEDから発せられた青色の単色光などについては、効率的に吸収することができるものとされる。なお、図14には、カラーフィルタ246の透過スペクトルが示されており、同図の横軸が光の波長とされ、同図の縦軸がカラーフィルタ246の分光透過率(単位は「%」)とされている。 【0082】 続いて、本実施形態に係る作用について説明する。図示しないバックライト装置から波長変換パネル240に向けて青色の単色光が照射されると、その青色の単色光は、図13に示すように、ほぼ透明な支持基板241を透過してから、まず波長変換部242及び透明部243に入射される。波長変換部242に入射した青色の単色光は、上記した実施形態1と同様に各蛍光体層242G,242Rによりそれぞれ波長変換される。これに対して、透明部243に入射した青色の単色光は、透明部243にて吸収されたり反射されたりすることが殆どなく、ほぼそのまま透明部243を透過する。 【0083】 このうち、緑色蛍光体層242Gを透過した光は、緑色蛍光体層242Gに対して表側に積層された黄色着色層246Yに、赤色蛍光体層242Rを透過した光は、赤色蛍光体層242Rに対して表側に積層された黄色着色層246Yに、それぞれ入射される。ここで、緑色蛍光体層242Gの透過光には、緑色蛍光体層242Gにて波長変換されて発せられた緑色の光の他にも、緑色蛍光体層242Gでは波長変換されなかった青色の光などが含まれ得るものとされる。同様に、赤色蛍光体層242Rの透過光には、赤色蛍光体層242Rにて波長変換されて発せられた赤色の光の他にも、赤色蛍光体層242Rでは波長変換されなかった青色の光などが含まれ得るものとされる。また、緑色蛍光体層242Gでは、青色の光が緑色の光へと波長変換されるものの、波長変換に伴って緑色に属する波長領域からずれた光、つまりサイドローブ光が生じ得る場合もある。同様に、赤色蛍光体層242Rでは、青色の光が赤色の光へと波長変換されるものの、波長変換に伴って赤色に属する波長領域からずれたサイドローブ光が生じ得る場合もある。緑色蛍光体層242G及び赤色蛍光体層242Rの透過光に、上記のような未変換の青色の光やサイドローブ光(特に短波長側にずれたサイドローブ光)が含まれていた場合でも、緑色蛍光体層242Gの透過光が黄色着色層246Yを透過されるのに伴って、未変換の青色の光やサイドローブ光が黄色着色層246Yにより吸収されるとともに、赤色蛍光体層242Rの透過光が黄色着色層246Yを透過されるのに伴って、未変換の青色の光やサイドローブ光(特に短波長側にずれたサイドローブ光)が黄色着色層246Yにより吸収されるようになっている。これにより、黄色着色層246Yを透過して液晶パネル211の緑色画素部234Gに供給される緑色の光は、色純度が極めて高いものとされるとともに、黄色着色層246Yを透過して液晶パネル211の赤色画素部234Rに供給される赤色の光は、色純度が極めて高いものとされる。以上のように、カラーフィルタ246を構成する黄色着色層246Yによって緑色画素部234G及び赤色画素部234Rの透過光に係る色純度がそれぞれ向上されるから、液晶パネル211の表示面に表示される画像に係る色再現性がさらに向上され、表示品位がより高いものとなる。なお、青色画素部234Bの透過光に関しては、カラーフィルタ246を透過することがないので、実施形態2に比べると、透過光量がより多く確保され、輝度の向上を図る上で好適となる。 【0084】 以上説明したように本実施形態によれば、緑色蛍光体層242G及び赤色蛍光体層242Rのそれぞれと重畳し且つ緑色蛍光体層242G及び赤色蛍光体層242Rのそれぞれに対して出光側に配されて黄色の光を選択的に透過する黄色着色部層(黄色選択性透光部)246Yを備える。このようにすれば、黄色着色部層246Yは、黄色の光、つまり緑色の光及び赤色の光をそれぞれ選択的に透過するものとされる。従って、緑色蛍光体層242Gにて波長変換された緑色の光、及び赤色蛍光体層242Rにて波長変換された赤色の光は、その出光側にそれぞれ重畳配置された黄色着色部層246Yをそれぞれ透過することで、緑色画素部234G及び赤色画素部234Rにおけるそれぞれの透過光に係る色純度がより向上する。」 (2-2) 引用文献2に記載された技術的事項の認定 上記(2-1)で摘記した引用文献2の記載事項によれば、引用文献2には、次の技術的事項(以下「引用文献2に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。 <引用文献2に記載された技術的事項> 「特定の波長領域の光を選択的に透過し、それ以外の波長領域の光を選択的に吸収するカラーフィルタ46が設けられ、支持基板141には、先に波長変換部142及び透明部143が設けられ、その後に波長変換部142及び透明部143上に重なる形でカラーフィルタ46が設けられている波長変換パネル140であって、(【0070】) 前記カラーフィルタ46は、青色の光を選択的に透過する青色着色層(青色選択性透光部)46Bと、緑色の光を選択的に透過する緑色着色層(緑色選択性透光部)46Gと、赤色の光を選択的に透過する赤色着色層(赤色選択性透光部)46Rと、から構成され、青色着色層46Bは、透明部143に対して表側(出光側)に積層(重畳)する形で設けられており、緑色着色層46Gは、緑色蛍光体層142Gに対して表側(出光側)に積層(重畳)する形で設けられており、赤色着色層46Rは、赤色蛍光体層142Rに対して表側(出光側)に積層(重畳)する形で設けられており、(【0071】) 赤色を呈する赤色着色層46Rは、赤色の光を選択的に透過するものとされており、緑色を呈する緑色着色層46Gは、緑色の光を選択的に透過するものとされており、(【0072】) また、カラーフィルタ246の構成を変更し、(【0079】) カラーフィルタ246は、黄色の光を選択的に透過する黄色着色層(黄色選択性透光部)246Yからなるものとされ、黄色着色層246Yは、黄色の光(緑色の光及び赤色の光)については透過するものの、黄色の光以外の光、例えば青色の光などを吸収するものとされ、黄色着色層246Yが、緑色蛍光体層242G及び赤色蛍光体層242Rに対してそれぞれ表側に積層する形で設けられており、(【0080】) バックライト装置から波長変換パネル240に向けて青色の単色光が照射されると、その青色の単色光は、波長変換部242及び透明部243に入射され、波長変換部242に入射した青色の単色光は、各蛍光体層242G,242Rによりそれぞれ波長変換され、(【0082】) 前記緑色蛍光体層242Gを透過した光は、緑色蛍光体層242Gに対して表側に積層された黄色着色層246Yに、前記赤色蛍光体層242Rを透過した光は、赤色蛍光体層242Rに対して表側に積層された黄色着色層246Yに、それぞれ入射され、緑色蛍光体層242Gの透過光には、緑色蛍光体層242Gにて波長変換されて発せられた緑色の光の他にも、緑色蛍光体層242Gでは波長変換されなかった青色の光などが含まれ、同様に、赤色蛍光体層242Rの透過光には、赤色蛍光体層242Rにて波長変換されて発せられた赤色の光の他にも、赤色蛍光体層242Rでは波長変換されなかった青色の光などが含まれ、(【0083】) また、緑色蛍光体層242Gでは、青色の光が緑色の光へと波長変換されるものの、波長変換に伴って緑色に属する波長領域からずれた光、つまりサイドローブ光が生じ得る場合もあり、同様に、赤色蛍光体層242Rでは、青色の光が赤色の光へと波長変換されるものの、波長変換に伴って赤色に属する波長領域からずれたサイドローブ光が生じ得る場合もあり、(【0083】) 緑色蛍光体層242G及び赤色蛍光体層242Rの透過光に、未変換の青色の光やサイドローブ光(特に短波長側にずれたサイドローブ光)が含まれていた場合でも、緑色蛍光体層242Gの透過光が黄色着色層246Yを透過されるのに伴って、未変換の青色の光やサイドローブ光が黄色着色層246Yにより吸収されるとともに、赤色蛍光体層242Rの透過光が黄色着色層246Yを透過されるのに伴って、未変換の青色の光やサイドローブ光(特に短波長側にずれたサイドローブ光)が黄色着色層246Yにより吸収されるようになっていることにより、黄色着色層246Yを透過して供給される緑色の光は、色純度が極めて高いものとされるとともに、黄色着色層246Yを透過して供給される赤色の光は、色純度が極めて高いものとされ、青色画素部234Bの透過光に関しては、カラーフィルタ246を透過することがないので、透過光量がより多く確保され、輝度の向上を図る上で好適となる、(【0083】) 波長変換パネル140(【0070】)。」 5 対比・判断 (1) 対比 ア 対比分析 本願発明と引用発明とを対比する。 (ア)a 引用発明の「赤色(R)サブピクセル」、「緑色(G)サブピクセル108」及び「緑色(G)サブピクセル108」は、本願発明の「異なる色の光を発光するように設計された複数のサブピクセル」に相当する。 b 引用発明の「配光層320内部の複数のマイクロLEDデバイス400、及び、RGBサブピクセル配列で、発光を変換するように設計された波長変換層310を含[む]」ものであって、「赤色(R)サブピクセル」、「緑色(G)サブピクセル108」及び「緑色(G)サブピクセル108」を含む、「複数のピクセル106」は、本願発明の「複数のサブピクセルをそれぞれが含む複数の画素」に相当する。 c 引用発明は、「ディスプレイ基板102に接合された複数のマイクロLEDデバイス400」を含み、「ピクセル106は、配光層320内部の複数のマイクロLEDデバイス400、及び、RGBサブピクセル配列で、発光を変換するように設計された波長変換層310を含[む]」ものであるから、引用発明の「ピクセル106」及び「ディスプレイ基板102」からなる構成は、前記a及びbも踏まえると、本願発明の「異なる色の光を発光するように設計された複数のサブピクセルをそれぞれが含む複数の画素を含む基板」に相当する。 d したがって、本願発明と引用発明は、「異なる色の光を発光するように設計された複数のサブピクセルをそれぞれが含む複数の画素を含む基板を含[む]」点で一致する。 (イ)a 引用発明の「赤色(R)サブピクセル108」並びに赤色(R)サブピクセル108が含む「ディスプレイ基板102に接合された・・・マイクロLEDデバイス400」及び「配光層320の上の赤色(R)を放出するように設計される波長変換層310」は、本願発明の「赤色光を発光するように設計された第1のサブピクセル」並びに「前記基板の上に形成された第1の光源」及び「前記第1の光源を覆う赤色発光層」にそれぞれ相当する。 b 引用発明の「赤色(R)・・・用の波長変換層310には、顔料を波長変換層の内部に分散させることができ、このことは、波長変換層内にカラーフィルタを組み込む効果を有[する]」ことは、本願発明の第1のサブピクセルが「前記赤色発光層を覆う第1の黄色カラーフィルタとを含む」ことと、第1のサブピクセルが「第1のカラーフィルタ作用を有する構造とを含む」点で共通する。 c したがって、本願発明と引用発明は、複数のサブピクセルが、「前記基板の上に形成された第1の光源と、前記第1の光源を覆う赤色発光層と、第1のカラーフィルタ作用を有する構造とを含む、赤色光を発光するように設計された第1のサブピクセル」を含む点で共通する。 (ウ)a 引用発明の「緑色(G)サブピクセル108」並びに緑色(G)サブピクセル108が含む「ディスプレイ基板102に接合された・・・マイクロLEDデバイス400」及び「配光層320の上の緑色(G)を放出するように設計される波長変換層310」は、本願発明の「緑色光を発光するように設計された第2のサブピクセル」並びに「前記基板の上に形成された第2の光源」及び「前記第2の光源を覆う緑色発光層」にそれぞれ相当する。 b 引用発明の「緑色(G)用の波長変換層310には、顔料を波長変換層の内部に分散させることができ、このことは、波長変換層内にカラーフィルタを組み込む効果を有[する]」ことは、本願発明の第2のサブピクセルが「前記緑色発光層を覆う第2の黄色カラーフィルタとを含む」ことと、第2のサブピクセルが「第2のカラーフィルタ作用を有する構造とを含む」点で共通する。 c したがって、本願発明と引用発明は、複数のサブピクセルが、「前記基板の上に形成された第2の光源と、前記第2の光源を覆う緑色発光層と、第2のカラーフィルタ作用を有する構造とを含む、緑色光を発光するように設計された第2のサブピクセル」を含む点で共通する。 (エ)a 引用発明の「青色(B)サブピクセル108」及び青色(B)サブピクセル108が含む「ディスプレイ基板102に接合された・・・マイクロLEDデバイス400」は、本願発明の「青色光を発光するように設計された第3のサブピクセル」及び「基板の上に形成された第3の光源」にそれぞれ相当する。 b したがって、本願発明と引用発明は、複数のサブピクセルが、「前記基板の上に形成された第3の光源を含む青色光を発光するように設計された第3のサブピクセル」を含む点で一致する。 (オ)a 引用発明においては、「紺青色は420nm~450nm」であるところ、本願明細書の「図1では、第1の光源18a、第2の光源18b、および第3の光源18cは、それぞれ紺色(DB)光(例えば、420nm~450nm)を発光する。」(【0020】)との記載に照らせば、引用発明の「紺青色(DB)の色スペクトル」は、本願発明の「紺色光」に相当する。 b そして、引用発明は「赤色(R)サブピクセル108」、「緑色(G)サブピクセル108」及び「青色(B)サブピクセル108」の「マイクロLEDデバイス400」が「紺青色(DB)の色スペクトルを放出する」ものであるから、本願発明と引用発明は、「前記第1の光源、前記第2の光源、および前記第3の光源は、紺色光を発光」する点で一致する。 (カ)a 引用発明の「青色(B)サブピクセル108」が含み、「配光層320の上」にある「青色(B)を放出するように設計される波長変換層310」は、本願発明の「青色発光層」に相当する。 b そして、引用発明は、「青色(B)用の波長変換層310には、ポリマーマトリクス材料中の蛍光体粒子の分散を含[む]」ところ、当該蛍光体粒子が「青色蛍光体」に相当することは明らかである。 c よって、本願発明と引用発明は、「青色発光層は、青色蛍光体を含み、前記第3の光源を覆[う]」点で一致する。 (キ)a 引用発明の「赤色(R)サブピクセル108」が含む「マイクロLEDデバイスの周囲の配光層320」は、本願発明の「第1の導光層」に相当する。 b また、引用発明は、当該配光層320の上の赤色(R)を放出するように設計される波長変換層310を含むから、本願発明と引用発明は、「第1の導光層は、前記第1の光源と前記赤色発光層の間に形成され[る]」点で一致する。 (ク)a 引用発明の「緑色(G)サブピクセル108」が含む「マイクロLEDデバイスの周囲の配光層320」は、本願発明の「第2の導光層」に相当する。 b また、引用発明は、当該配光層320の上の緑色(G)を放出するように設計される波長変換層310を含むから、本願発明と引用発明は「第2の導光層は、前記第2の光源と前記緑色発光層の間に形成され[る]」点で一致する。 (ケ)a 引用発明の「青色(B)サブピクセル108」が含む「マイクロLEDデバイスの周囲の配光層320」は、本願発明の「第3の導光層」に相当する。 b また、引用発明は、当該配光層320の上の青色(B)を放出するように設計される波長変換層310を含むから、本願発明と引用発明は、「第3の導光層は、前記第3の光源と前記青色発光層との間に形成され[る]」点で一致する。 (コ)a 本願発明の「ポリマーマトリックス内に配合された黄色顔料」と、引用発明の「赤色(R)、緑色(G)・・・用の波長変換層310」が含む「ポリマーマトリクス材料中」に分散させた「顔料」は、「ポリマーマトリックス内に配合された顔料」である点で共通する。 b よって、上記(イ)b及び(ウ)bも踏まえると、本願発明と引用発明は、「前記第1のカラーフィルタ作用を有する構造および前記第2のカラーフィルタ作用を有する構造は、ポリマーマトリックス内に配合された顔料を含む」点で共通する。 (サ) 引用発明の「ディスプレイ」は、本願発明の「発光素子」に相当するから、本願発明と引用発明は、「発光素子」である点で一致する。 イ 一致点及び相違点 上記アの対比分析によれば、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 【一致点】 「異なる色の光を発光するように設計された複数のサブピクセルをそれぞれが含む複数の画素を含む基板を含み、前記複数のサブピクセルは、 前記基板の上に形成された第1の光源と、 前記第1の光源を覆う赤色発光層と、 第1のカラーフィルタ作用を有する構造とを含む、 赤色光を発光するように設計された第1のサブピクセル、 前記基板の上に形成された第2の光源と、 前記第2の光源を覆う緑色発光層と、 第2のカラーフィルタ作用を有する構造とを含む、 緑色光を発光するように設計された第2のサブピクセル、および 前記基板の上に形成された第3の光源を含む青色光を発光するように設計された第3のサブピクセルを含み、 前記第1の光源、前記第2の光源、および前記第3の光源は、紺色光を発光し、青色発光層は、青色蛍光体を含み、前記第3の光源を覆い、第1の導光層は、前記第1の光源と前記赤色発光層の間に形成され、第2の導光層は、前記第2の光源と前記緑色発光層の間に形成され、且つ第3の導光層は、前記第3の光源と前記青色発光層との間に形成され、 前記第1のカラーフィルタ作用を有する構造および前記第2のカラーフィルタ作用を有する構造は、ポリマーマトリクス内に配合された顔料を含む発光素子。」 【相違点1】 第1のサブピクセルが含む第1のカラーフィルタ作用を有する構造及び第2のサブピクセルが含む第2のカラーフィルタ作用を有する構造について、本願発明は、「赤色発光層」と「緑色発光層」を覆うカラーフィルタであるのに対して、引用発明は、赤色(R)及び緑色(G)用の波長変換層310の内部に顔料を分散させたものである点。 【相違点2】 第1のサブピクセル及び第2のサブピクセルが含む「カラーフィルタ」作用を有する構造の色について、本願発明は、黄色であるのに対して、引用発明は、蛍光体粒子の発光波長と同様の色である点。 (2) 判断 ア 相違点1について 引用発明は、「そのアセンブリの発光スペクトルを更に鮮明化する」とともに、「未変換の紺青色光の滲みを低減する」ために、当該「赤色(R)及び緑色(G)用の波長変換層310」のポリマーマトリクス材料中に顔料を分散させており、このことは、波長変換層内にカラーフィルタを組み込む効果を有することになるところ、引用文献2には、「緑色蛍光体層242G及び赤色蛍光体層242Rの透過光に、未変換の青色の光やサイドローブ光(特に短波長側にずれたサイドローブ光)が含まれていた場合でも」、「色純度が極めて高いものと」するための着色層を、「緑色蛍光体層242G及び赤色蛍光体層242Rに対してそれぞれ表側に積層する形で設け」ること(引用文献2に記載された技術的事項)が記載されている。 ここで、引用発明のディスプレイのカラーフィルタを組み込む効果を有する顔料と、引用文献2に記載された技術的事項の波長変換パネル140のカラーフィルタ246とは、発光スペクトルを鮮明化するとともに、青色光又は紺青色光の滲みを低減するためのカラーフィルタ作用を実現するための構造の点で作用が共通するから、引用発明において、「カラーフィルタ」作用を実現するための構造について、「赤色(R)及び緑色(G)用の波長変換層310」のポリマーマトリクス材料中に顔料を分散させることに代えて、引用文献2に記載された、着色層を「緑色蛍光体層242G及び赤色蛍光体層242Rに対してそれぞれ表側に積層する形で設け」る構成を採用して、上記相違点1に係る本願発明の構成となすことは、当業者が容易になし得たことにすぎない。 イ 相違点2について 引用文献2に記載された技術的事項は、着色層を「緑色蛍光体層242G及び赤色蛍光体層242Rに対してそれぞれ表側に積層する形で設け」る構成として、「赤色着色層46R」を「赤色蛍光体層142Rに対して表側(出光側)に積層(重畳)する形で設け」るとともに、「緑色着色層46G」を「緑色蛍光体層142Gに対して表側(出光側)に積層(重畳)する形で設け」る構成(引用文献2における実施形態2(【0071】))を、「黄色着色層246Y」を「緑色蛍光体層242G及び赤色蛍光体層242Rに対してそれぞれ表側に積層する形で設け」る構成(引用文献2における実施形態3(【0080】))にカラーフィルタの構成を変更するとの技術的事項を含むものであり、いずれの構成においても、緑色蛍光体層242G及び赤色蛍光体層242Rの透過光に未変換の青色の光やサイドローブ光(特に短波長側にずれたサイドローブ光)が含まれていた場合でも、当該光を着色層により吸収することで色純度が極めて高いものとするものである。 このように、引用文献2に記載された技術的事項においては、発光スペクトルを鮮明化するとともに、青色光又は紺青色光の滲みを低減するためのカラーフィルタ(前記(ア))としての作用を有するための赤色蛍光体層及び緑色蛍光体層に対して設けられる着色層の色として、(i)蛍光体層と同様の色を用いる態様と、(ii)黄色を用いる態様とが代替可能であるとされており、引用発明は、このうち(i)に対応していることから、引用発明において、「カラーフィルタ」の顔料の色について、蛍光体粒子の発光波長と同様の色を用いることに代えて、黄色を用いるようにして、上記相違点2に係る本願発明の構成となすことは、当業者が容易になし得たことにすぎない。 ウ 本願発明の奏する効果について そして、上記相違点を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項の作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 エ 審判請求人の主張について (ア) 審判請求人は、令和5年10月3日付けの意見書において、概略次のように主張する。 a 前記アの相違点1の判断では、引用発明のディスプレイのカラーフィルタを組み込む効果を有する顔料と、引用文献2に記載された技術的事項の波長変換パネル140の「カラーフィルタ246」とは、発光スペクトルを鮮明化するとともに、青色光又は紺青色光の滲みを低減するためのカラーフィルタの点で作用が共通すると説示しているが、両者のカラーフィルタ作用を奏する構造は、光源に対して一体に形成されているか、別体に形成されているかで異なることから、引用発明に接した当業者が、引用文献2に記載された技術的事項における「カラーフィルタ246」の位置に係る構造を採用することはない。 b 引用文献2に記載された技術的事項におけるカラーフィルタの構成の変更を考慮すると、引用発明において、「赤(R)及び緑(G)の波長変換層310」のポリマーマトリクス材料中に「蛍光体粒子の発光波長と同様の色を有した顔料」を分散させることに代えて、「赤(R)及び緑(G)の波長変換層310」のポリマーマトリクス材料中に「黄色の顔料」を分散させて「黄色フィルタ」を組み込む構成が考えられ、本願発明の構成をなすには、赤(R)及び緑(G)の波長変換層310のポリマーマトリクス材料中に分散された「蛍光体粒子の発光波長と同様の色を有した顔料」を「黄色の顔料」に置き換えて更に、「黄色の顔料」を、「赤(R)及び緑(G)の波長変換層310」の上の「黄色の着色層」に置き換えるという2段階が必要となり、これは当業者が容易になし得ることではない。 (イ) 上記主張について検討する。 a 上記(ア)aの点について検討すると、引用文献2に記載された技術的事項に接した当業者が、「カラーフィルタ246」の位置に係る構造が、光源と波長変換パネルが別個に形成されている構成に特有のものであると認識すると解すべき事情は請求人の主張からは不明であり、引用文献2の全記載を見てもそのような事情は存在しない。かえって、引用文献2に記載された技術的事項における「カラーフィルタ246」の位置に係る構造が、引用発明のように光源と同一基板上に蛍光体層及びフィルタ作用を有する構造が形成される構成においてもカラーフィルタとして機能する構造であることは、その作用の共通性からみて当業者がただちに認識できることである。 したがって、引用発明に接した当業者が、引用文献2に記載された技術的事項における「カラーフィルタ246」の位置に係る構造を採用することはないとの請求人の主張は根拠がなく、採用できない。 b 上記(ア)bの点について検討すると、相違点1に係るカラーフィルタ作用を有する構造を蛍光体層を覆うものにすることと、相違点2に係るカラーフィルタの色を黄色にすることは、カラーフィルタ作用を有する構造として蛍光体層を覆うものとしなければカラーフィルタの色を黄色にできないということはないし、逆に、カラーフィルタの色を黄色にしなければ蛍光体層を覆う構造とはできないというものでもないから、互いに独立した技術的事項であるといえる。 したがって、カラーフィルタ作用を有する構造を蛍光体を覆うものにすることと、カラーフィルタの色を黄色にすることは、当業者が容易になし得ない2段階の置き換え、いわゆる容易の容易であるとの請求人の主張は当を得ないものであり、採用できない。 6 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明に引用文献2に記載された技術的事項を適用することにより当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-018043

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