2021-017671
オフィスの打合せエリアの内装
- 審判番号
- 2021-017671
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2020-022151外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1732020
- 請求日
- 2021年12月21日
- 審決日
- 2022年11月09日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】コクヨ株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人藤本パートナーズ
- 分類
- D18 .121-WY (L3-7)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第2項、意匠法第3条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 8項目
第1 手続の経緯
本願は、令和2年(2020年)10月15日の意匠登録出願であって、令和3年(2021年)6月21日付けの拒絶理由の通知に対し、同年8月2日に意見書を提出されたが、同年9月27日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年12月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
第2 本願の意匠
本願は、店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾を構成する物品及び建築物の部分(以下、「店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾」を「内装」といい、内装を構成する物品及び建築物の部分を「内装の部分」という。)について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であり、本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、願書の意匠に係る物品の欄の記載を「オフィスの打合せエリアの内装」とし、その内装を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものであり、本願意匠において内装の部分として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「実線であらわした部分が、意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定の拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下、「その意匠の属する分野における通常の知識を有する者」を「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等(形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合)又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法3条2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。
「本願意匠は、願書の意匠に係る物品の記載を「オフィスの打合せエリアの内装」とするもので、エリア全体を対向配置した一対の間仕切りにより形成し、各間仕切りの内側中央上部にディスプレイとホワイトボードとを対向して設け、打合せスペースとして使用するものと認められます。まず、本願意匠と同様に、エリア全体を対向配置した一対の間仕切りにより形成し、間仕切りの内側にディスプレイとホワイトボードとを組み合わせて設け、打合せスペースとして使用するものは、本願出願前に既に公然知られています(下記の意匠1)。また、打合せエリアにおいてディスプレイと対向する位置にホワイトボードを配置する手法は、本願出願前に既にあるありふれた手法です(例えば下記の意匠2)。そして、本願意匠と同様の矩形のホワイトボードは、本願出願前に既に公然知られています(下記の意匠3)。続きを表示(全31行)なかでも意匠1は、間仕切りによる打合せエリア全体の構成、及びディスプレイとホワイトボードとを間仕切りの内側に組合せて配置するといった本願意匠と同様の着想及び使用態様が認められる意匠であることを考慮すると、本願意匠を創作するにあたっての基本的な着想自体に新しさや独創性を認めることができません。加えて、意匠1ないし意匠3は、本願意匠と同じオフィスの内装に関連するものであって、当業者がこれらを組み合わせて意匠創作することに特段の困難があるとはいえません。そうすると、この分野で本願出願前に公知の意匠1を基本に、同じく公知形状からなるホワイトボードをありふれた位置に変更して設けたにすぎない本願意匠は、当業者であれば、出願前に知られた形状等に基づき容易に創作できたものと判断されます。(中略)<意匠1> (別紙第2参照)著者の氏名 株式会社イトーキ表題 ADDSTTE(アドサイト) |ITOKI媒体のタイプ [online]掲載時期 2018年11月検索日 2021年6月15日情報の情報源 インターネット情報のアドレスhttps://www.itoki.jp/products/creativework/addsite/https://icata.itoki-inc.jp/iportal/CatalogViewInterfaceStartUpAction.do?method=startUp&mode=PAGE&volumeID=ITK12001&catalogId=7923420000&pageGroupId=1&designID=ITK&catalogCategoryId=&designConfirmFlg=&pagePosition=R製品カタログP.13に掲載されたブレストブースの意匠<意匠2> (別紙第3参照)著者の氏名 アスクル「みんなの仕事場」運営事務局表題 渋谷駅徒歩7分、画像素材のPIXTA(ピクスタ)のオープンでフラットな新オフィスに行ってきました(ピクスタ株式会社 オフィス訪問[1])媒体のタイプ [online]掲載年月日 2017年6月1日検索日 2021年6月15日情報の情報源 インターネット情報のアドレスhttps://www.shigotoba.net/pixta_1703_1_opendeflatnashinoffice.htmlに掲載された会議室の内装の意匠<意匠3> (別紙第4参照)特許庁発行の意匠公報記載意匠登録第1573459号の意匠」
第4 当審の判断
以下において、本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。
1 本願意匠の認定
(1)本願意匠について
本願意匠は、パーティションに囲われたブース内で、Webミーティングを行うための「オフィスの打合せエリアの内装」であって、本願部分は、間隔を保持して設けたパーティション内側にそれぞれ対向して設けたディスプレイ及びホワイトボードの部分である。
(2)本願部分の用途及び機能
本願部分は、ディスプレイとホワイトボードを同時に使用し、ディスプレイを通して相手方とWebでの打合わせ等などを行う用途及び機能を有する。
(3)本願部分の位置、大きさ及び範囲
本願部分は、床面に立設した対向する2つのパーティションの内側中央やや上方に位置し、その大きさは、一般的な、ディスプレイ及びホワイトボード程度であり、範囲は、1つのパーティションの内側全面に対し、ディスプレイが、1割程度で、ホワイトボードが1.5割程度である。
(4)本願部分の形状等
ア 本願部分は、対向するディスプレイ及びホワイトボードから成り、ディスプレイ及びホワイトボードの間隔は、ホワイトボードの横幅の1.8倍程度であって、
イ ディスプレイは、略横長長方形の薄板状で、その縦、横及び厚みの長さの比率は、約5:10:1で、左右両側面は、背面側の側面幅の約6割を傾斜面としており、
ウ ホワイトボードは、略横長長方形の薄板状で、その縦、横及び厚みの長さの比率は、約60:30:1で、前面の下辺寄りの横幅いっぱいに、略細幅板状のペントレイ部が前方に向かって突設して形成されている。
2 引用意匠の認定
引用意匠の向きについては本願意匠の図の向きに合わせて認定する。
(1)意匠1(別紙第2参照)
意匠1は、複数人でブレインストーミング等を行うブレストブースの内装の意匠であって、略「コ」字状と略逆「コ」字状の対称状な2つのパーティションを対向する位置に間隔を置いて配し、パーティション間の中央に円形状のテーブルを配置し、それぞれのパーティションの内側の端寄りにボードを取付け、一方のパーティション内側の中央にディスプレイを取付けたものである。
斜め上方向からの形状等のみが表されており、1つのパーティションの内側全面に対するディスプレイ及びホワイトボードの割合は不明である。
(2)意匠2(別紙第3参照)
意匠2は、会議室の内装の意匠であって、略矩形状の室内略中央に平面視矩形状の会議テーブルが置かれており、その左右方向で、対向する壁面の一方上寄りに、ホワイトボードを設置し、もう一方の壁面上寄りには横長長方形の薄板状のディスプレイを設置したものである。
会議テーブルは4人掛けであって、会議テーブルの周囲には通行に十分なスペースが設けられているから、ディスプレイ及びホワイトボードの間隔は、相当に広いものと認められる。
(3)意匠3(別紙第4参照)
意匠3は、ホワイトボードの意匠であって、その形状は、横長長方形の薄板状で、その縦、横及び厚みの長さの比率は、約60:30:1であり、正面視において、下辺寄りの横幅いっぱいに、略細幅板状のペントレイ部が前方に向かって突設して形成されている。
3 本願意匠の創作非容易性の判断
本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するか否か、すなわち、当業者であれば容易に本願意匠の創作をすることができたか否かについて検討する。
まず、本願意匠は、パーティションに囲われたブース内で、Webで打合わせ等を行うための「オフィスの打合せエリアの内装」であって、本願部分の用途及び機能並びに位置及び大きさについて、ディスプレイとホワイトボードを同時に使用し、ディスプレイ経由で相手方とWebでの打合わせ等などを行う用途及び機能を有し(例えば、参考意匠1(別紙第5参照))、次に、本願部分のように、2つのパーティションを対向する位置に間隔を置いて配し、内側面にディスプレイ及びホワイトボードを設けたものも、本願の出願前に既に見受けられ(意匠1)、また、対向する壁面のそれぞれの上寄りに、ディスプレイ及びホワイトボードを対向して設置したものは、意匠2に見られるから、これらの用途及び機能並びに位置、大きさに特段の創作性を認めることはできない。
そして、本願部分のホワイトボードの意匠の形状等は、意匠3に見られるように本願の出願前より公然知られたものであり、本願部分のディスプレイの形状も、一般的な薄板横長矩形のものであって、特段の創作性を認めることはできない。
しかしながら、本願のように、ディスプレイ及びホワイトボードが、床面に立設した対向する2つのパーテショの内側中央やや上方に位置し、その範囲が、一つのパーティションの内側全面に対し、ディスプレイが、約1割程度で、ホワイトボードが、約1.5割程度であって、また、ホワイトボードを使用しながらWebでの打合せ等を行うこと想定したディスプレイ及びホワイトボードの間隔を、ホワイトボードの横幅の1.8倍程度としたものは、本願出願前には、見受けられず、このディスプレイ及びホワイトボードの間隔は、パーティション内にちょうど一人程度が入って、ホワイトボードを使用しつつ、ディスプレイを通して打合せ等を行える程度のものと認められ、このような配置は、本願独自のものであって、この点については、当業者にとって、創作を要したものといわざるを得ない。
したがって、本願意匠は、原査定における拒絶の理由で引用された意匠に基づいて、当業者が容易に創作をすることができたということはできない。
第5 むすび
以上のとおりであって、本願意匠は、意匠法第3条第2項が規定する、意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状等に基づいて容易に創作をすることができたとはいえないものであるから、原査定の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2021-017671