意匠拒絶査定不服審判
2025-019403
ゴルフボールケース
- 審判番号
- 2025-019403
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2025-004601外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1827039
- 請求日
- 2025年12月04日
- 審決日
- 2026年04月20日
- 公報発行日
- 2026年05月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 分類
- D18 .121-WY (E3-3)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
意願2025- 4601「ゴルフボールケース」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする令和7年(2025年)3月8日の意匠登録出願であって、その後の手続の主な経緯は、以下のとおりである。
令和7年(2025年)7月 3日付け 拒絶理由の通知
同年 7月12日 意見書の提出
同年 9月26日付け 拒絶査定
同年 12月 4日 審判請求書の提出
第2 本願の意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「ゴルフボールケース」とし、その形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとし、本願意匠において物品の部分として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「実線で表した部分が、意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。」としたものである。(別紙第1参照)
第3 原査定における拒絶の理由及び引用の意匠
原査定における拒絶の理由は、本願意匠が、その出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等(形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合)又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法第3条第2項の規定に該当する、というものであって、具体的には、以下のとおりである。
「この意匠登録出願の意匠は、「ゴルフボールケース」のうち、収容部近くが略台形状に窄まった蓋の内側に、蓋と重なるように設けられ、重なった部分の蓋と形状をほぼ同じくする略台形シート状部分を意匠登録を受けようとする部分としたものですが、収容部近くの蓋の内側に、蓋と重なるように設けられ、重なる部分の蓋と形状をほぼ同じくするシート状部分であるという特徴は、例えば意匠1、意匠2のように本願出願前から公然知られています。また、収容部近くの蓋の形状が略台形状のものも、例えば意匠3、意匠4のように本願出願前から公然知られています。
そうすると、本願意匠はこれらの意匠に基づいて、当業者が容易に創作できたと認められます。
意匠1
大韓民国意匠商標公報 2024年 5月22日
ゴルフボールケース(登録番号30-1261575)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第RH06414264号)
意匠2
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1785305号の意匠
意匠3
大韓民国意匠商標公報 2018年 1月10日17-41号
ゴルフボール用ケース(公開番号30-2018-0000028)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH29448489号)
意匠4
特許庁発行の特許公報記載
特許第7121438号」
第4 当審の判断
以下、本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。
1 本願意匠
(1)意匠に係る物品
本願の意匠に係る物品は、「ゴルフボールケース」である。
(2)本願部分の位置、大きさ及び範囲並びに用途及び機能
本願部分の位置について、蓋の根元に設けられ、本願部分の大きさ及び範囲については、蓋部のうち、カバー部を開けた状態で、背面視においては約0.4割、正面視においては約1.2割を占める程度のものであり、本願部分の用途及び機能については、蓋と収容部の接合部としての用途及び機能を有するものである。
(3)本願部分の形状等
本願部分は、収容部の背面上端を上方に延出し、正面視(蓋を開けた状態)において、左右両辺がやや内側に湾曲した略台形状のシート状部材であり、収容部とは別部材の蓋と裏側で接続するものである。側面視において、上方に向かって漸次厚みが薄くなるよう形成されている。背面視、蓋と重ならない、略台形状の下辺近傍が一部ケース表側に露出している。
2 引用意匠
原査定における拒絶の理由で提示された意匠1から意匠4の意匠に係る物品及び形状等は、概要以下のとおりである。
(1)意匠1(別紙第2参照)
意匠1の意匠に係る物品は「ゴルフボールケース」であって、本願部分に相当する部分である、収容部の背面上端を上方の蓋の根元に延出してなる、延出部の形状等は、略横長長方形であって、蓋を開けた状態において、左右辺近傍の上下中央にそれぞれ一つずつ略円形の留め具を設けている。
(2)意匠2(別紙第3参照)
意匠2の意匠に係る物品は「財布」であって、本願部分に相当する部分である、収容部内部に設けられた上端を上方に延出してなる、蓋とは密着していない舌状のシート部材の形状等は、上部左右角部を隅丸に形成した、細長い横長長方形状である。
(3)意匠3(別紙第4参照)
意匠3の意匠に係る物品は「ゴルフボール用ケース」であって、本願部分に相当する部分は、収容部の背面上端が上方に延出し、別部材を設けることなく連続して蓋を形成するシート状部材であり、その蓋部根元近傍の左右両辺は内側に湾曲している。
(4)意匠4(別紙第5参照)
意匠4の意匠に係る物品は「ゴルフボールケース」(【発明の名称】「ゴルフ用具鞄類、及びゴルフマーカ吸着構造」)であって、本願部分に相当する部分は、収容部の背面上端が上方に延出し、別部材を設けることなく連続して蓋を形成するシート状部材であり、その蓋部根元近傍の左右両辺は内側に向かって傾斜している。
3 本願部分の創作性の検討
この意匠の属する分野において、ゴルフボールケース収容部の背面上端を上方の蓋の根元裏側に延出したシート状部材の形状等を略横長長方形としたもの(意匠1)、蓋を開けた状態で、上方に延出した収容部のシート状部材の上端が、蓋と密着しない舌状に表れるもの(意匠2)、また、収容部の背面上端が上方に延出し連続して蓋を形成するシート状部材の蓋部根元近傍の左右両辺が、内側に湾曲または傾斜したもの(意匠3、意匠4)は、本願の出願前に公然知られている。
しかしながら、収容部の背面上端を上方に延出し、収容部とは別部材の蓋と裏側で接続するシート状部材の形状等を左右両辺がやや内側に湾曲した略台形状とし、その略台形状の、蓋と重ならない下辺近傍が、背面視、一部ケース表側に略台形状に露出したものは、上記意匠1から意匠4のような本願出願前に公知となった意匠(以下「公知意匠」という。)には見られず、また、シート状部材の厚みを、ボールの出し入れのしやすさ及び指の安全性向上のため、上方に向かって漸次厚みが薄くなるよう形成したものも、公知意匠には見られないから、これらの点において、本願部分は、当業者にとって、格別の創作を要したものといわざるを得ない。
したがって、原査定における拒絶の理由で引用された意匠に基づいて、当業者が容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。
第6 むすび
以上のとおり、本願意匠は、原査定の拒絶の理由によっては意匠法第3条第2項に規定する意匠に該当しないものであるから、この拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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