意匠拒絶査定不服審判
2025-003927
埋込型コンロ
- 審判番号
- 2025-003927
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2024-007085
- 登録番号
- 1808789
- 請求日
- 2025年03月11日
- 審決日
- 2025年08月19日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】リンナイ株式会社
- 【請求人代理人】恩田 誠
- 【請求人代理人】恩田 博宣
- 審判長/審判官
- 審判長 前畑 さおり
- 審判官 坂田 麻智
- 審判官 清野 貴雄
- 分類
- D18 .121-WY (C6-4)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
意願2024- 7085「埋込型コンロ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとし、出願当初、意匠登録第1780022号(意願2024-007084)の意匠を本意匠とする関連意匠として出願された、令和6年(2024年)4月4日の意匠登録出願であって、その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年(2024年) 8月20日付け:拒絶理由通知書
同年 10月 1日 :意見書の提出
同年 12月11日付け:拒絶査定
令和7年(2025年) 3月11日 :審判請求書の提出
同年 3月11日 :手続補正書の提出
(本意匠の表示を削除)
第2 本願の意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品を「埋込型コンロ」とし、その形状、模様、若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)を、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり、本願意匠において物品の部分として意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)を、「意匠登録を受けようとする部分を実線で、それ以外の部分を破線で表した。底面図は、意匠登録を受けようとする部分が表れないため省略する。」としたものである。(別紙第1参照)
第3 原査定における拒絶の理由及び引用の意匠
原査定の拒絶の理由は、本願意匠は、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下「その意匠の属する分野における通常の知識を有する者」を「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって、具体的には、以下のとおりである。
「この意匠登録出願の意匠は、意匠に係る物品を「埋込型コンロ」とするもので、意匠登録を受けようとする部分をガラストップより上部分とするものですが、この種物品の意匠に属する分野においては、ガスコンロをIHコンロへの変更することは、例えば意匠1および意匠2に見られるように、本願出願前より既に一般的に行われています。
そうすると、本願出願前より既に公知となった下記の意匠3の平面視下部ガスコンロ2口を上記手法により本願出願前より既に見られる下記の意匠4のIHコンロに単に変更したものにすぎない本願意匠は、当業者であれば容易に創作をすることができたものです。
意匠1
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1276657号の意匠
意匠2
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1276897号の意匠
意匠3
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1483340号の意匠
意匠4
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1238169号の意匠」
第4 当審の判断
以下、本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性、すなわち、本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて検討し、判断する。
1 本願意匠
(1)意匠に係る物品
本願の意匠に係る物品は、「埋込型コンロ」である。
(2)本願部分の位置、大きさ及び範囲並びに用途及び機能
本願部分は埋込型コンロ上面に位置し、コンロ全高の約1/5の高さを占める大きさ及び範囲としたものであって、排気口及び一口のガスを熱源とするコンロ(以下「ガスコンロ」という。)と二口の電磁誘導加熱方式等を熱源とするコンロ(以下「IHコンロ」という。)を有するコンロ天板である。
(3)本願部分の形状等
本願部分は、平面視において、略横長長方形の天板の中央上端に、略横長長方形の排気口及び編み目格子状の排気口カバーを有している。また、天板の中央上端寄りに、放射状に6本の脚を有する五徳及び中央に略円形状のガス吹き出し口を有するガスコンロを配置し、天板の下側の中央より若干左寄りの位置の左右に、正円のIHコンロを一つずつ配置している。
2 引用意匠
原査定における拒絶の理由で提示された意匠1から意匠4の意匠に係る物品及び形状等は、概要以下のとおりである。
(1)意匠1(別紙第2参照)
意匠1の意匠に係る物品は「埋込型コンロ」である。
本願部分と相当する部分の形状等は、平面視において、略横長長方形の天板の中央上端に、四つの略横長長方形が並設された排気口及び横格子状の排気口カバーを有している。また、天板の下側に、放射状に6本の脚を有する五徳及び中央に略円形状のガス吹き出し口を有するガスコンロを二等辺三角形の頂点の位置に三口配している。
(2)意匠2(別紙第3参照)
意匠2の意匠に係る物品は「埋込型コンロ」である。
本願部分と相当する部分の形状等は、平面視において、略横長長方形の天板の中央上端に、略横長長方形の排気口及び編み目格子状の排気口カバーを有している。また、天板の下側に、二等辺三角形の上側頂点の位置に二重円状のIHコンロを一口、その他の二頂点の位置に、放射状に6本の脚を有する五徳及び中央に略円形状のガス吹き出し口を有するガスコンロを二口配している。
(3)意匠3(別紙第4参照)
意匠3の意匠に係る物品は「埋込型コンロ」である。
本願部分と相当する部分の形状等は、平面視において、略横長長方形の天板の中央上端に、略横長長方形の排気口及び編み目格子状の排気口カバーを有している。また、天板の下側に、二等辺三角形の頂点の位置に、放射状に6本の脚を有する五徳及び中央に略円形状のガス吹き出し口を有するガスコンロを三口配している。また、天板の下端は隅丸で天板の幅と同幅で薄厚の傾斜面を設けている。
(4)意匠4(別紙第5参照)
意匠4の意匠に係る物品は「電磁誘導加熱調理器」である。
本願部分と相当する部分の形状等は、平面視において、略横長長方形の天板の中央上端に、略横長長方形の開閉扉を有している。また、天板の下側に、二等辺三角形の頂点の位置に、正円状のIHコンロを三口配している。
3 本願部分の創作性の検討
この意匠の属する分野において、埋込型コンロの、平面視、略横長隅丸長方形の天板の中央上端に排気口を、その下側に二等辺三角形の頂点の位置に三口のガスコンロを配しているもの(意匠3)や、三口のコンロを正円のIHコンロとしたもの(意匠4)は、本願の出願前に公然知られている。
しかしながら、天板上側に一口のガスコンロを配し、下側に二口のIHコンロを配したものは、本願出願前に公知となった他の意匠(以下「公知意匠」という。)には見られず、また、天板下側の二口のIHコンロを、天板中央より若干左寄りの位置に配置したものも、公知意匠には見られないから、これらの点において、本願部分は、当業者にとって、格別の創作を要したものといわざるを得ない。
よって、原査定における拒絶の理由で引用された意匠に基づいて、当業者が容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。
第6 むすび
以上のとおり、本願意匠は、原査定の拒絶の理由によっては意匠法第3条第2項に規定する意匠に該当しないものであるから、この拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、当審において、更に審理した結果、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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