2021-017165
Induction cooker
- 審判番号
- 2021-017165
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2020-500471外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 1718712
- 請求日
- 2021年12月13日
- 審決日
- 2022年05月23日
- 公報発行日
- 2022年07月29日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】北京小米移動軟件有限公司
- 【請求人代理人】河野 英仁
- 分類
- D18 .113-WY (C6-4)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 7項目
第1 主な手続の経緯
本願は,令和2年(2020年)2月3日(パリ条約による優先権主張:令和1年8月8日,中華人民共和国)の国際意匠登録出願であって,2021年2月25日付けの拒絶の通報に対し,令和3年5月25日に意見書が提出されたが,同年8月31日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年12月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされ,同月14日に手続補正書が提出されたものである。
第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書の記載及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「Induction cooker」(参考訳:「電磁誘導調理器」,以下日本語訳で示す。)とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合を,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠は,本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであるから,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当し,意匠登録を受けることができないとしたものであって,当該拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」ともいい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。
引用意匠
(日本国特許庁意匠課公知資料番号:HH27445908)
第4 当審の判断
1 両意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠に係る物品は「電磁誘導調理器」であり,引用意匠に係る物品は「誘導加熱器」である。
(2)形状
(2-1)共通点
(2-2)相違点
相違点6:下段部の周面について,本願意匠は,前後左右の4面を下方に向けてごく僅かにすぼまる傾斜面とし,底面と接する稜線部が曲面であるのに対して,引用意匠は,前後両面については,中央の逆台形状部分を垂直面とし,残りの左右両端寄りの部分を下方に向けてすぼまる傾斜面とし,左右両側面については,下方に向けてごく僅かにすぼまる傾斜面としたものであり,底面と接する稜線部については,本願意匠のような曲面としたものではないものである。
相違点8:下段部の周面について,本願意匠は,左右両側面の後ろ側と後面の中央の計3か所に,底面まで回り込む縦長スリットを横方向に複数設けたものであるのに対して,引用意匠は,前面の逆台形状部分にはほぼ全域にわたり格子状の孔を設け,右側面の前側には縦長スリットを横方向に多数設け,後面の逆台形状部分には左側半分強に略横長長方形が3段表れ,右半分弱に左から順に横長長方形,小円形,小横長長方形が表れているものである。
相違点9:底面について,本願意匠は,脚部を除けば突出部のない平坦状としたものであり,周側面から底面にかけて設けたスリットが左右後方と後辺に表れているものであるのに対して,引用意匠は,前方略半分と脚部を取り付ける部分が下方へやや段状に突出したものであり,前方略半分の段状部の前端寄りと後方右側にスリットが表れているものである。
相違点10:通気孔について,本願意匠は,中央やや前方寄りに1つ設けたものであり,その形状は,複数の円弧状スリットからなる扇形が6つ集まって円形状に表れたものであるのに対して,引用意匠は,後方寄りの左右に2つ設けたものであり,その形状は,複数の同心円と,中央の円から放射状に延びる線とが合わさった,下方向にやや突出した浅い「ざる」状のカバーに覆われたものである。
2 両意匠の類否
(1)意匠に係る物品について
両意匠の意匠に係る物品は,表記は異なるが,どちらも電磁誘導調理器と認められるから,同一である。
(2)形状について
この種物品においては,その使用目的や使用状態を考えると,前方斜め上方から見える部分が需要者の目に触れる頻度が高い部分であるといえ,この部分が意匠的要部と認められる。
(2-1)共通点の評価
共通点1ないし6は,両意匠を大まかに捉えたものであり,大まかに捉えた程度においては,この物品分野においてありふれた形状であるから,これらの共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
(2-2)相違点の評価
相違点1は,全体の構成比率に係る相違で,大きく異なる相違ではないものの,調理する際の使い勝手に多少影響することから,この相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,一定程度認められる。
相違点2ないし相違点5は,上段部の形状に係る相違で,前面の形状の相違(相違点2)については,スリットの有無の相違(相違点4)も含めて,さほど強い印象のある相違とはいえないものの,需要者の目に触れやすい部分に係るものであるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度認められる。
また,四隅の曲率の相違(相違点3)及び上面のパネル体の相違(相違点5)については,さほど目立つものではないから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。
相違点6ないし相違点9は,下段部の形状に係る相違で,上段部に比べて目に触れにくい部分に係るものであるところ,前面の形状の相違(相違点6)及び前面における格子状の孔の有無の相違(相違点8)については,前面の特徴を大きく異にする相違といえるから,これらの点において両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度認められる。
また,周面四隅の丸みの大小の相違(相違点7)及び周面と底面とが接する稜線部を曲面としたか否かの相違(相違点6)については,丸みのある本願意匠に対して引用意匠は角張っているという異なる印象をもたらすと共に,四隅においては,本願意匠の下段部は引用意匠のそれよりも,やや奥まった目立たない印象を与えるから,これらの点においても両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度認められる。
そして,左右両側面及び後面のスリット等に関する相違(相違点8)及び底面に係る相違(相違点9)については,さほど目立つものではないから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。
相違点10は,底面に設けた通気孔の相違で,底面に占める割合も大きく,この部分だけを対比すれば大きく異なるといえるものの,通常の使用状態においては目に触れることのない部分に係るものであるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は限定的である。
相違点11は,脚部に係る相違で,この部分だけを対比すれば大きく異なるといえるものの,局所の相違であり,通常の使用状態においてはほとんど目に触れることのない部分に係るものであるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は限定的である。
(2-3)形状の類否
両意匠の形状の共通点及び相違点の評価は上記のとおりであって,全体の構成比率の相違,上段部における前面の形状の相違及びスリットの有無の相違,下段部における前面の形状の相違及び格子状の孔の有無の相違,下段部の周面における丸みの相違及び曲面の有無の相違が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,いずれも一定程度認められるものだが,これらの相違が相まって,相違点が両意匠の類否判断に与える影響は,共通点のそれを凌駕するものといえるから,両意匠の形状は類似しない。
(3)小括
そうすると,両意匠は,意匠に係る物品は同一であるが,形状は類似しないから,本願意匠は,引用意匠に類似するものではない。
3 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定における拒絶の理由で引用された意匠に類似する意匠ではなく,当該引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとして,同法同条の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2021-017165