商標拒絶査定不服審判
2021-016276
カンコーケンテーカンコウケンテイ、カンコーケンテーカンコーケンテー、カンコーケンテー、カンコー
- 審判番号
- 2021-016276
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-015891
- 請求日
- 2021年11月29日
- 審決日
- 2022年10月24日
- 公報発行日
- 2023年01月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】一般財団法人全日本情報学習振興協会
- 【請求人代理人】岩内 三夫
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T18 .13 -Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-15891拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年2月14日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年2月4日付け:拒絶理由通知書
令和3年6月28日付け:意見書
令和3年8月24日付け:拒絶査定
令和3年11月29日付け:審判請求書
令和4年6月16日付け:審尋
令和4年8月8日付け:意見書
第2 本願商標
本願商標は、「観光検定(カンコウケンテイ)」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,検定試験の企画・運営又は実施及びこれらに関する情報の提供,セミナーの企画・運営又は開催,検定試験受験者へのセミナーの開催及びこれらに関する情報の提供,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教材用書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),教材用ビデオ・DVDの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与」を指定役務として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「観光検定(カンコウケンテイ)」の文字を横書きしてなり、全体としては「観光に関する検定試験」程度を認識させるものであり、「観光検定」の文字は、「観光に関する検定試験」ほどの意味合いで普通に用いられているから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者及び需要者は、観光に関する検定試験に関する役務であることを理解するにとどまり、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審においてした審尋
当審において、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について、職権に基づく証拠調べを実施し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、審尋で、別掲の1~4のとおりの事実を示すとともに、当審の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の意見の要点
請求人は、上記第4の審尋に対して、意見書において、要旨、以下のように主張した。
1 仮に、本願商標が、「観光に関する検定」の意味合いを生ずるとしても、そもそもどこの場所の何を対象とした如何なる内容の観光に関する検定であるのかが全く特定できず、具体的なイメージを想起することが不可能である。
2 本願商標が、極めて抽象的、かつ、漠然とした意味合いを生ずるものであるのに対し、審尋での使用例は、語頭に地名を付すことによって当該観光地が特定され、本願商標と対比においては、極めて直接的、かつ、具体的な意味合いを生ずることになり、これらの使用例をもって、本願商標が識別力を有しない根拠とはなし得ない。
3 本願商標は、極めて抽象的、かつ、漠然とした意味合いを生ずる商標として十分に識別力を有し、登録適格性を具有し得るものである。
4 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号には該当しない。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記第2のとおり、「観光検定(カンコウケンテイ)」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、後半の「(カンコウケンテイ)」の片仮名及び記号は、前半の「観光検定」の漢字の読みを、括弧書きで表したものと認められる。
そして、本願商標の構成中の「観光」(「カンコウ」)の文字は「他の土地を視察すること」の意味を、「検定」(「ケンテイ」)の文字は「一定の基準に照らして検査し、合格・不合格・価値・資格などを決定すること。検定試験の略。」の意味を、それぞれ有する語であり(広辞苑 第七版)、各語は、我が国において広く一般的に親しまれている平易な語であるから、本願商標は、これに接する取引者、需要者に、全体として「観光に関する検定」ほどの意味合いを容易に理解させるものである。
また、別掲の事例のように、本願の指定役務を提供する業界において、各地の観光に関する知識等を検査するための検定が行われ、当該検定に「観光」及び「検定」並びに、当該観光の対象となる地名を組み合わせた文字(例えば、「名古屋観光検定」や「奥尻観光検定」)が使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標は、これをその指定役務中「技芸・スポーツ又は知識の教授,検定試験の企画・運営又は実施及びこれらに関する情報の提供,セミナーの企画・運営又は開催,検定試験受験者へのセミナーの開催及びこれらに関する情報の提供,電子出版物の提供」に使用しても、当該役務が、観光に関する検定や、観光の知識等を検査するための検定に関する役務であること、すなわち、役務の質(内容)を表示したものとして認識させるにとどまり、自他役務の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。
したがって、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、審尋で挙げられた使用例は、語頭に地名を付すことによって当該観光地が特定され、直接的、かつ、具体的な意味合いを生ずるものである一方、本願商標は、そもそもどこの場所の何を対象とした如何なる内容の観光に関する検定であるのかが全く特定できず、具体的なイメージを想起することが不可能であり事案が異なること、また、辞書類における「観光検定」の語の掲載例がないこと、インターネット検索で「観光検定」の文字のみが単独で掲載されている事例が請求人以外にはないこと等から、本願商標は、仮に「観光に関する検定試験」ほどの意味合いを暗示させるとしても、これが直ちに本願指定役務の質等を直接的、具体的に表示するものとは言い得ないから、本願商標は、その構成文字全体に相応して「カンコウケンテイ」の称呼を生ずる一種の造語を表示したものと理解・認識されるとみるのが相当である旨を主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号にいう役務の質に該当するというには、指定役務に関する需要者又は取引者が当該商標に接した場合、これをどのように認識し理解するかが重要であり、需要者又は取引者が、役務の質、すなわち、役務の内容を表示したものと一般に認識することをもって足りると解されるものである。
そうすると、本願商標を構成する「観光検定」の語が、辞書類において掲載がなく、当該文字単独での他人の使用例がなく、当該「観光検定」に係る場所及び対象が具体的に特定されていないとしても、上記1のとおり、本願商標を構成する各語の語義から、全体として「観光に関する検定」ほどの意味合いを容易に理解させるから、「観光検定」の文字の前に場所及び対象を特定する記載がなくとも、本願指定役務の質等を直接的、具体的に表示するものではないとはいえない。また、本願の指定役務を提供する業界において、上記1のとおり、各地の観光に関する知識等を検査するための検定について、観光の対象となる地名、「観光」及び「検定」を組み合わせた文字が使用されている実情を踏まえると、本願商標は、これに接する需要者に、請求人が創出した造語と認識、理解されるというよりも、単に、観光に関する検定や、観光の知識等を検査するための検定に関する役務であることを認識させるにとどまり、自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものというべきである。
(2)請求人は、「検定」の文字を含む他の登録例があることを述べ、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、それらの登録例は、商標の構成文字及び取引の実情において本願とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が自他役務の識別標識として機能しうるか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであって、本願商標についての判断は、上記1のとおりであるから、請求人が挙げる登録例をもって本件判断が左右されるものではない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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