商標拒絶査定不服審判
2022-002535
アナウンサーケンテーアナウンサーケンテイ、アナウンサーケンテーアナウンサーケンテー、アナウンサーケンテー、アナウンサー
- 審判番号
- 2022-002535
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-058508
- 請求日
- 2022年02月21日
- 審決日
- 2023年01月11日
- 公報発行日
- 2023年03月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】一般財団法人全日本情報学習振興協会
- 【請求人代理人】岩内 三夫
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 分類
- T18 .13 -Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020- 58508拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年5月11日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年 4月27日付け:拒絶理由通知書
令和3年 9月29日付け:意見書
令和3年11月19日付け:拒絶査定
令和4年 2月21日付け:審判請求書
令和4年 8月24日付け:審尋
令和4年10月31日付け:意見書
第2 本願商標
本願商標は、「アナウンサー検定(アナウンサーケンテイ)」の文字を標準文字で表してなり、第41類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務として、登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「アナウンサー検定(アナウンサーケンテイ)」と横書きしてなるところ、構成中の「(アナウンサーケンテイ)」の文字は、左記「アナウンサー検定」の読みを表示したものと認められる。そして、本願商標は全体として、「司会者についての検定試験」程度を認識させる。また、司会者(アナウンサー)の能力についての検定試験が行われているから、本願商標をその指定役務について使用した場合、取引者及び需要者は、司会者(アナウンサー)の能力についての検定試験に係る役務であると理解するにとどまり、本願商標は単に役務の質を普通に用いられる方法で表示するにとどまるというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審においてした審尋
当審において、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について、職権に基づく証拠調べを実施し、請求人に対し、審尋で、別掲2のとおり、その結果を通知するともに、当審の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の意見の要点
請求人は、上記第4の審尋に対して、意見書において、要旨、以下のように主張した。
1 審尋における使用例は、いずれも本願商標とは外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似しない事例であり、本願商標とは明らかに事案を異にするものである。
2 これらの使用例を以て本願商標が識別力を有しない根拠となし得ないことから、本願商標は、極めて抽象的、かつ、漠然とした意味合いを生ずる商標として十分に識別力を有し、登録適格性を具有し得る。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号該当性について
(1)本願商標は、上記第2のとおり、「アナウンサー検定」の文字とその横にその読みと認められる「アナウンサーケンテイ」の片仮名を括弧書きに「アナウンサー検定(アナウンサーケンテイ)」と標準文字で表してなるところ、かかる構成文字から「アナウンサー検定」の文字は、「アナウンサー」と「検定(ケンテイ)」の文字からなるものと容易に認識されるものである。
そして、構成中の「アナウンサー」の文字は、「ラジオやテレビでニュースを読んだり、司会・実況放送などをしたりする人。」の意味を、「検定」「ケンテイ」の文字は、「一定の基準に照らして検査し、合格・不合格・価値・資格などを決定すること。検定試験の略。」(いずれも広辞苑第七版 株式会社岩波書店)の意味をそれぞれ有する語として一般に親しまれているものである。
そうすると、これらの文字を結合した本願商標からは、「アナウンサーの検定試験」ほどの意味合いを容易に認識されるものである。
(2)そして、職権による調査によれば、アナウンサーに必要とされる能力等の検定が存在すること、「○○に関する能力・技能・知識の検定(試験)」を「○○検定」と称する検定(試験)が多数存在すること、アナウンサーやアナウンスに関する教育機関やセミナー等が存在することが、別掲2(2)のとおり認められる。
また、検定試験に係る業界においては、検定試験のための教育機関や検定対策のためのテキスト、問題集等の書籍、コンテンツ等が制作・販売され、検定試験のための知識の教授やセミナーが開催されることは一般的に行われている(別掲2(3)参照)。
そうとすれば、「アナウンサー検定(アナウンサーケンテイ)」の文字からなる本願商標は、これをその指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は該文字を、「アナウンサーの能力・技能・知識の検定試験」という検定試験の内容(試験項目)を表す文字として認識し、また、当該検定試験に係る知識の教授、書籍、DVD等のコンテンツの制作といった役務の質(内容)又は用途を表示したものと認識するにすぎないものである。
したがって、本願商標をその指定役務に使用しても、単に役務の質(内容)又は用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、本願商標は、自他役務の識別標識としての機能を果たさないものであって、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、審尋における使用例は、本願商標とは外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似しない事例であり、本願商標とは明らかに事案を異にするものである旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり「○○に関する能力・技能・知識の検定(試験)」を「検定」と称し、様々な職業に必要な能力・技能・知識に関する「検定」が存在し、かつ、「アナウンサー」に必要である「アナウンス」等に関する検定も存在していることは別掲2の事例のとおりである。そして、「アナウンサー」及び「検定」の各語が我が国において広く一般に親しまれている語であることを踏まえると、その日本語の持つ通常の意味からして、その需要者又は取引者は、本願商標を「アナウンサーの能力・技能・知識の検定試験」という検定試験の内容(試験項目)、すなわち役務の質(内容)又は用途を表したものと認識することは自然であるといえる。
また、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当するというためには、指定役務に関する需要者又は取引者が当該商標に接した場合、これをどのように認識するかが重要なのであるから、需要者又は取引者が、役務の質、すなわち、役務の内容を表示したものと一般に認識することをもって足り、それ以上に、現実に商標がその役務に使用されていることまで必要ということはできない。
そして、本願商標の指定役務の需要者又は取引者が、「アナウンサー」 及び「検定」の言語的意味からして、本願商標を「アナウンサーの能力・技能・知識の検定試験」という役務の質(内容)又は用途を表示したものと一般に認識することは、上記1のとおりである。
(2)請求人は、「本願商標は、極めて抽象的、かつ、漠然とした意味合いを生ずる商標として十分に識別力を有し、登録適格性を具有し得る」旨主張する。
しかしながら、別掲2における「アナウンサー」及び「検定」の実情を踏まえれば、本願商標は、上記1のとおり、これをその指定役務に使用しても、当該役務が、上記の検定試験に関する役務であるという役務の質(内容)又は用途を直接的に表示したものというのが相当である。
(3)請求人は、登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、それらの登録例は、商標の構成文字及び取引の実情において本願とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が自他役務の識別標識として機能し得るか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであって、本願商標についての判断は、上記1のとおりであるから、請求人が挙げる登録例をもって本件判断が左右されるものではない。
(4)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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