商標拒絶査定不服審判
2021-015985
ミント
- 審判番号
- 2021-015985
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-116273
- 請求日
- 2021年11月22日
- 審決日
- 2022年08月24日
- 公報発行日
- 2023年02月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】インテュイット・インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】古谷 聡
- 【請求人代理人】大西 昭広
- 【請求人代理人】細井 玲
- 【請求人代理人】渡邊 好充
- 審判長/審判官
- 審判長 岩崎 安子
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 綾 郁奈子
- 分類
- T18 .261-Z (W4142) / T18 .262-Z (W4142) / T18 .263-Z (W4142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-116273拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「MINT」の文字を標準文字で表してなり、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務とし、2020年(令和2年)3月20日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、登録出願されたものである。
本願は、令和3年3月24日付けで拒絶理由の通知がされ、同年7月30日に意見書及び手続補正書が提出され、指定役務については、別掲1のとおりに補正されたが、同年8月19日付けで拒絶査定がされた。
これに対して令和3年11月22日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
以下、引用商標1ないし引用商標3をまとめていうときは、「引用商標」という。
1 引用商標1(登録第4166751号)
商標 別掲2のとおり
指定役務 第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,写真の撮影,オフセット印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,婚礼(結婚披露を含む)のための施設の提供,建築物の設計,測量,地質の調査,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」
登録出願日 平成7年5月30日
設定登録日 平成10年7月17日
更新登録日 平成20年7月1日、平成30年7月17日
2 引用商標2(登録第4166752号)
商標 別掲3のとおり
指定役務 第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,写真の撮影,オフセット印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,婚礼(結婚披露を含む)のための施設の提供,建築物の設計,測量,地質の調査,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」
登録出願日 平成7年5月30日
設定登録日 平成10年7月17日
更新登録日 平成20年7月1日、平成30年7月17日
3 引用商標3(登録第5863532号)
商標 別掲4のとおり
指定役務 第41類「障害児の自立促進及び放課後等の居場所づくり推進のために学校在学中の障害児に対する放課後又は夏期休暇等の長期休暇中における生活能力向上のための訓練等の提供,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),娯楽施設の提供,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」、第44類「介護,入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医療情報の提供,健康診断,栄養の指導」
登録出願日 平成27年11月18日
設定登録日 平成28年7月1日
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、前記第1のとおり、「MINT」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は「薄荷」(出典:広辞苑第七版)の意味を有する我が国で親しまれた英単語であり、これよりは「ミント」の称呼及び「薄荷」の観念が生じるものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1
引用商標1は、別掲2のとおり、欧文字「M」を白抜き文字で表した図形の中央に、黒色太字で顕著に表した筆記体からなる「mint」の欧文字を重ねて配し、さらに、当該「M」の白抜き図形の下方に、それに比して極めて小さく「COLLECTIBLES」の欧文字を書してなるものである。
そして、「mint」の欧文字は、我が国で親しまれた英単語であることに加え、「M」の白抜き図形の左右にはみ出して黒色太字で顕著に表されていることから、視覚上、強い印象を与えるものである。
他方、下方の「COLLECTIBLES」の欧文字は、「収集品」(出典:ジーニアス英和辞典第5版)の意味を有する英単語であるが、辞書におけるレベル表示によれば、難易度の高い英単語であり、「mint」の欧文字ほど一般に親しまれたものといい得ない上、極めて小さく表されているものである。
そうすると、引用商標1に接する取引者、需要者は、顕著に表され、視覚上強い印象を与える「mint」の欧文字部分に着目し、これから生ずる「ミント」の称呼及び「薄荷」の観念をもって、取引に当たる場合も決して少なくないというのが相当である。
したがって、引用商標1からは、単に「ミント」の称呼及び「薄荷」の観念をも生じるというべきである。
イ 引用商標2
引用商標2は、別掲3のとおり、「スポーツ カード」の片仮名文字を表し、その右側にこれに比して極めて大きく表した「ミント」の片仮名文字を表してなるものである。
そして、「スポーツ カード」の文字と「ミント」の文字の大小の相違から、大きく表された「ミント」の文字部分が、視覚上、強い印象を与えるものであり、観念上、両文字部分を常に一体のものとしてみなければならない特段の理由もない。
そうすると、引用商標2に接する取引者、需要者は、大きく表された「ミント」の文字部分に着目し、これから生ずる「ミント」の称呼及び「薄荷」の観念をもって、取引に当たる場合も決して少なくないというのが相当である。
したがって、引用商標2からは、単に「ミント」の称呼及び「薄荷」の観念をも生じるというべきである。
ウ 引用商標3
引用商標3は、別掲4のとおり、ハートマークが搭載された荷車を認識させる図形(以下、図形部分という。)の右側に、「ハッピーキッズスペース」の文字を上段にして、下段に同じ幅に収まるように「みんと」の文字(各文字に影のような下線がある。)をそれぞれピンク色、黄色及び緑色で表してなるものである。
そして、図形部分と文字部分は、視覚上明確に分離して看取されるものであり、「ハッピーキッズスペース」の文字と「みんと」の文字は、大小の相違から、大きく表された「みんと」の文字部分が、視覚上、強い印象を与えるものであり、観念上、両文字部分を常に一体のものとしてみなければならない特段の理由もない。
そうすると、引用商標3に接する取引者、需要者は、大きく表された「みんと」の文字部分に着目し、これから生ずる「ミント」の称呼及び「薄荷」の観念をもって、取引に当たる場合も決して少なくないというのが相当である。
したがって、引用商標3からは、単に「ミント」の称呼及び「薄荷」の観念をも生じるというべきである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標との類否について検討するに、全体の外観において、本願商標と引用商標は、図形又は他の文字の有無の相違があるが、視覚上、強い印象を与えると認められる、引用商標1の「mint」の文字部分、引用商標2の「ミント」の文字部分、引用商標3の「みんと」の文字部分は、いずれも「ミント」の称呼及び「薄荷」の観念を生じるものである。
そうすると、本願商標と引用商標は、商標がその外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、相紛れるおそれのある類似する商標と判断するのが相当である。
(4)指定商品及び指定役務の類否について
本願の指定役務のうち、第42類の役務は、引用商標1及び2の指定役務のうち「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」と同一又は類似のものである。
また、本願の指定役務のうち、第41類の役務は、引用商標3の指定役務のうち「障害児の自立促進及び放課後等の居場所づくり推進のために学校在学中の障害児に対する放課後又は夏期休暇等の長期休暇中における生活能力向上のための訓練等の提供,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与」と同一又は類似のものである。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務について使用するものであるから、商標法第4条1項11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、「ハッカ」は一般的に青緑色の寒色系を想起させるものであるところ、引用商標3の構成「みんと」は、観念「ハッカ」を想起させ難いピンク色、黄色、緑色の三種類の色で順に表されており、その他の構成からも、観念「ハッカ」を想起させるものではなく、また、あえて平仮名文字で表されていることから、「みんなとともに」、「みんなともだち」などに由来する造語とも考えられ得るし、平仮名「みんと」は広辞苑にも記載されていないから、当該文字は特定の観念を有しない造語とするのが相当である旨主張する。
しかしながら、例え「みんと」の文字に上記の色彩が施されているとしても、また、「みんと」の文字が平仮名表記で広辞苑に記載がないとしても、「MINT」の文字が「薄荷」の意味を有する我が国で親しまれた英単語であることからすると、我が国の一般的な取引者、需要者は、「みんと」の文字から「MINT」、すなわち「薄荷」を想起するものというのが自然である。さらに、「みんと」の文字から、他に想起し得る一般的な語も存在しないのであって、請求人が主張するような「みんなとともに」、「みんなともだち」などに由来する造語であると理解できるものとは到底いえない。よって、引用商標3の「みんと」の文字部分からは、「薄荷」の観念が生じるというのが相当である。
(2)請求人は、本願商標「MINT」は、英語の発音で一音節であり、引用商標2の「ミント」の文字部分及び引用商標3の「みんと」の文字部分は三音節であるから、称呼において同一とされるものではない旨主張する。
しかしながら、「MINT」の文字の英語の発音が何音節であっても、これに接する我が国の一般的な取引者、需要者が、常にこれを英語の発音に倣って称呼するとはいえないばかりか、むしろ、日本語の発音に近い「ミント」の3音で発音するのが通常であることは明らかであるから、本願商標「MINT」、引用商標2の「ミント」及び引用商標3の「みんと」の文字からは、いずれも「ミント」の称呼が生じ、称呼において同一というべきである。
(3)請求人は、第42類の電気通信回線を介して行われる役務では、商標はその映像面に表示して役務が提供されるから、視覚を通した外観により需要者、取引者に認識、把握されるのが通常であり、インターネットが不可欠な社会インフラにまで発展したことにより、役務「オンラインによるダウンロードが不可能なコンピュータソフトウェア(アプリケーション)の提供又は一時的な使用の提供」は、役務の類否を判定する一般的基準によれば非類似となり得る役務を含む広範な役務となっているといえ、目的等の相違により、他の商標の構成の一部と称呼及び観念を共通にする商標であっても、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察し、指定役務における一般的・恒常的な取引の実情を考慮することにより役務の出所混同のおそれがないとされることもあり得る旨主張する。
しかしながら、第42類の電気通信回線を介して行われる役務に係る商標であっても、取引書類や広告宣伝物等の電磁的な媒体以外の媒体に商標が用いられることも想定されるのであるから、その映像面にのみ商標が用いられるとする請求人の主張は、前提において誤りがある。また、本願の指定役務のうち、例えば、第42類の「・・・ダウンロードが不可能なコンピュータソフトウェアの提供」の役務は、電気通信回線を通じて、コンピュータソフトウェアを利用させる役務であり、引用商標1及び2の指定役務のうち「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」の役務は、電子計算機用プログラム(コンピュータソフトウェア)を含めたコンピュータの貸与の役務である。コンピュータソフトウェアの内容については、汎用性のあるコンピュータソフトウェアや、業界に特化したコンピュータソフトウェアの場合もあるが、いずれもコンピュータソフトウェアを利用させる役務であるという目的や、提供に関連する物品(コンピュータソフトウェア)が一致するものであり、業種や需要者が一致する場合があるものである。 よって、提供や貸与されるコンピュータソフトウェアの目的自体に相違があるからといって、類似の商標が使用された場合に、役務の出所混同のおそれがないとは一概にはいえないものである。
(4)したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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