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特許拒絶査定不服審判

2021-015650

エアコンのカレントループ通信電気回路及びエアコン

審判番号
2021-015650
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-503021外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年11月15日
審決日
2022年08月26日
公報発行日
2023年02月24日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .561-Z (H02M) / P18 .121-Z (H02M)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-503021「エアコンのカレントループ通信電気回路及びエアコン」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 2月 7日国際公開、WO2019/024349、令和 2年 9月 3日国内公表、特表2020-527327〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1.手続の経緯 本願は、2017年(平成29年)11月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2017年(平成29年)8月4日(以下、「優先日」という。) 中国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 2年12月24日付け:拒絶理由通知書 令和 3年 4月 1日 :意見書、手続補正書の提出 令和 3年 9月 9日付け:拒絶査定 令和 3年11月15日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2.令和3年11月15日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正却下の決定の結論] 令和3年11月15日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。) 「 【請求項1】 室内機カレントループ通信モジュール、室外機カレントループ通信モジュール、室内MCU、室外MCU、スイッチング電源モジュールを含み、 前記室内機カレントループ通信モジュールは通信接続線Sと交流電源接続線を経由して前記室外機カレントループ通信モジュールに接続されて、カレントループ通信回路を構成し、 前記室内MCUと前記室外MCUは前記カレントループ通信回路で通信を実現し、 前記スイッチング電源モジュールは前記通信接続線S或いは交流電源接続線に直列接続されて、第1の直流電源を前記カレントループ通信回路および室外機の電気回路全体に出力し、さらに、前記室内MCUに接続されて、第2の直流電源を接続された前記室内MCUに出力する ことを特徴とするエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項2】 前記交流電源接続線は交流電源線Nであり、 前記スイッチング電源モジュールはエアコンの室内機に位置して、前記スイッチング電源モジュールの第1の出力端子の正極は前記交流電源線Nに接続されて、前記スイッチング電源モジュールの前記第1の出力端子の負極は前記室内機カレントループ通信モジュールに接続されており、さらに、前記スイッチング電源モジュールの第2の出力端子の正極は前記室内MCUに接続されて、前記第2の直流電源を接続された前記室内MCUに出力し、 或いは、 前記スイッチング電源モジュールはエアコンの室外機に位置して、前記スイッチング電源モジュールの第1の出力端子の正極は前記交流電源線Nに接続されて、第1の直流電源を前記カレントループ通信回路および室内機の電気回路全体に出力し、前記スイッチング電源モジュールの前記第1の出力端子の負極は前記室外機カレントループ通信モジュールに接続されている ことを特徴とする請求項1に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項3】 前記交流電源接続線は交流電源線Lであり、 前記スイッチング電源モジュールはエアコンの室内機に位置して、前記スイッチング電源モジュールの第1の出力端子の正極は前記交流電源線Lに接続されて、前記スイッチング電源モジュールの前記第1の出力端子の負極は前記室内機カレントループ通信モジュールに接続されており、さらに、前記スイッチング電源モジュールの第2の出力端子の正極は前記室内MCUに接続されて、前記第2の直流電源を接続された前記室内MCUに出力し、 或いは、 前記スイッチング電源モジュールはエアコンの室外機に位置して、前記スイッチング電源モジュールの第1の出力端子の正極は前記交流電源線Lに接続されて、第1の直流電源を前記カレントループ通信回路および室内機の電気回路全体に出力し、前記スイッチング電源モジュールの前記第1の出力端子の負極は前記室外機カレントループ通信モジュールに接続されている ことを特徴とする請求項1に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項4】 前記スイッチング電源モジュールはスイッチング変圧器を含み、前記スイッチング変圧器は第一出力巻線を含み、 前記第一出力巻線は前記カレントループ通信回路に第一直流電流を出力して前記第1の直流電源を提供する ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項5】 さらに単方向保護モジュールを含み、 前記単方向保護モジュールは前記カレントループ通信回路の中に直列接続されて、前記カレントループ通信回路に単方向直流通路を提供する ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項6】 前記単方向保護モジュールは第一単方向保護モジュールと第二単方向保護モジュールを含み、前記第一単方向保護モジュールは前記カレントループ通信回路の室内機側に直列接続され、前記第二単方向保護モジュールは前記カレントループ通信回路の室外機側に直列接続されている ことを特徴とする請求項5に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項7】 前記第一単方向保護モジュールは第一ダイオードを含み、前記第二単方向保護モジュールは第二ダイオードを含み、 前記第一ダイオードは前記カレントループ通信回路の室内機側に直列接続され、前記第二ダイオードは前記カレントループ通信回路の室外機側に直列接続されている ことを特徴とする請求項6に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項8】 さらに過電流保護モジュールを含み、 前記過電流保護モジュールは前記カレントループ通信回路の中に直列接続されて、前記カレントループ通信回路に過電流保護を提供する ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項9】 前記過電流保護モジュールはPTCサーミスタであり、 前記PTCサーミスタは前記カレントループ通信回路の中に直列接続されている ことを特徴とする請求項8に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項10】 前記第1の直流電源の負極は前記第2の直流電源の負極と兼用されている ことを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項11】 請求項1から10の何れか一項に記載のエアコンカレントループ通信電気回路を含むエアコン。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の、令和3年4月1日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の記載は次のとおりである。 「 【請求項1】 室内機カレントループ通信モジュール、室外機カレントループ通信モジュール、室内MCU、室外MCU、スイッチング電源モジュールを含み、 前記室内機カレントループ通信モジュールは通信接続線Sと交流電源接続線を経由して前記室外機カレントループ通信モジュールに接続されて、カレントループ通信回路を構成し、 前記室内MCUと前記室外MCUは前記カレントループ通信回路で通信を実現し、 前記スイッチング電源モジュールは前記通信接続線S或いは交流電源接続線に直列接続されて、第1の直流電源を前記カレントループ通信回路に出力し、さらに、前記室内MCUに接続されて、第2の直流電源を接続された前記室内MCUに出力する ことを特徴とするエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項2】 前記交流電源接続線は交流電源線Nであり、 前記スイッチング電源モジュールはエアコンの室内機に位置して、前記スイッチング電源モジュールの第1の出力端子の正極は前記交流電源線Nに接続されて、前記スイッチング電源モジュールの前記第1の出力端子の負極は前記室内機カレントループ通信モジュールに接続されており、さらに、前記スイッチング電源モジュールの第2の出力端子の正極は前記室内MCUに接続されて、前記第2の直流電源を接続された前記室内MCUに出力し、 或いは、 前記スイッチング電源モジュールはエアコンの室外機に位置して、前記スイッチング電源モジュールの第1の出力端子の正極は前記交流電源線Nに接続されて、前記スイッチング電源モジュールの前記第1の出力端子の負極は前記室外機カレントループ通信モジュールに接続されている ことを特徴とする請求項1に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項3】 前記交流電源接続線は交流電源線Lであり、 前記スイッチング電源モジュールはエアコンの室内機に位置して、前記スイッチング電源モジュールの第1の出力端子の正極は前記交流電源線Lに接続されて、前記スイッチング電源モジュールの前記第1の出力端子の負極は前記室内機カレントループ通信モジュールに接続されており、さらに、前記スイッチング電源モジュールの第2の出力端子の正極は前記室内MCUに接続されて、前記第2の直流電源を接続された前記室内MCUに出力し、 或いは、 前記スイッチング電源モジュールはエアコンの室外機に位置して、前記スイッチング電源モジュールの第1の出力端子の正極は前記交流電源線Lに接続されて、前記スイッチング電源モジュールの前記第1の出力端子の負極は前記室外機カレントループ通信モジュールに接続されている ことを特徴とする請求項1に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項4】 前記スイッチング電源モジュールはスイッチング変圧器を含み、前記スイッチング変圧器は第一出力巻線を含み、 前記第一出力巻線は前記カレントループ通信回路に第一直流電流を出力して前記第1の直流電源を提供する ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項5】 さらに単方向保護モジュールを含み、 前記単方向保護モジュールは前記カレントループ通信回路の中に直列接続されて、前記カレントループ通信回路に単方向直流通路を提供する ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項6】 前記単方向保護モジュールは第一単方向保護モジュールと第二単方向保護モジュールを含み、前記第一単方向保護モジュールは前記カレントループ通信回路の室内機側に直列接続され、前記第二単方向保護モジュールは前記カレントループ通信回路の室外機側に直列接続されている ことを特徴とする請求項5に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項7】 前記第一単方向保護モジュールは第一ダイオードを含み、前記第二単方向保護モジュールは第二ダイオードを含み、 前記第一ダイオードは前記カレントループ通信回路の室内機側に直列接続され、前記第二ダイオードは前記カレントループ通信回路の室外機側に直列接続されている ことを特徴とする請求項6に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項8】 さらに過電流保護モジュールを含み、 前記過電流保護モジュールは前記カレントループ通信回路の中に直列接続されて、前記カレントループ通信回路に過電流保護を提供する ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項9】 前記過電流保護モジュールはPTCサーミスタであり、 前記PTCサーミスタは前記カレントループ通信回路の中に直列接続されている ことを特徴とする請求項8に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項10】 前記第1の直流電源の負極は前記第2の直流電源の負極と兼用されている ことを特徴とする請求項1から9の何れか一項に記載のエアコンカレントループ通信電気回路。 【請求項11】 請求項1から10の何れか一項に記載のエアコンカレントループ通信電気回路を含むエアコン。」 2.補正の適否 (1)新規事項について 本件補正が、特許法第17条の2第3項の規定を満たすものであるか否か、即ち、本件補正が、本願の国際出願日における国際特許出願の明細書(以下、「本願明細書」という。)若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。以下、「本願図面」という。)(以下、国際特許出願の明細書、請求の範囲、及び図面の翻訳文を総称して「翻訳文等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるか否かについて検討する。 ア 補正事項 本件補正は、以下の補正事項を含むものである。 (ア)補正事項1 補正前の請求項1の「前記スイッチング電源モジュールは前記通信接続線S或いは交流電源接続線に直列接続されて、第1の直流電源を前記カレントループ通信回路に出力し、さらに、前記室内MCUに接続されて、第2の直流電源を接続された前記室内MCUに出力する」との記載を、補正後の請求項1の「前記スイッチング電源モジュールは前記通信接続線S或いは交流電源接続線に直列接続されて、第1の直流電源を前記カレントループ通信回路および室外機の電気回路全体に出力し、さらに、前記室内MCUに接続されて、第2の直流電源を接続された前記室内MCUに出力する」とする補正。 イ 本願の翻訳文等の記載 上記補正事項1に関連して、翻訳文等には、以下の記載がある。(下線は、関連する箇所を示すために当審で付したものである。) (ア)「【0019】 具体的に、図2に示すように、本発明のエアコンのカレントループ通信電気回路は室内機部分と室外機部分を含み、室内機部分は、室内機カレントループ通信モジュール30、室内MCU40、室内機側に位置するスイッチング電源モジュール50を含む。 【0020】 室外機部分は、室外機カレントループ通信モジュール70と室外MCU80を含む。 【0021】 室内機と室外機は室内MCU40と室外MCU10の間の通信により、室内機と室外機の正常な通信を実現して、両者の間での制御と状態情報の送受信を実現する。 【0022】 室内機カレントループ通信モジュール10は主に、フォトカプラIC3、フォトカプラIC4及びトランジスタQ2で構成される。フォトカプラIC3はカレントループ通信電気回路の室内部分の通信の受信を担い、そのフォトトライオードの一端は室内MCU40の信号受信端子RXDに接続され、発光ダイオードの一端は室内機カレントループ通信モジュール10の入力端であり、室内部分の通信は入力端から入力され、そしてフォトトランジスタの一端からMCU40に出力されて、こうして室内MCUは通信された受信データを読み取る。フォトカプラIC4はカレントループ通信電気回路の室内部分の通信の送信を担い、その発光ダイオードの一端はトランジスタQ2のコレクタ、トランジスタQ2のベースを経由してMCU40の信号送信端子TXDに接続され、MCU40が送信した通信信号はトランジスタQ2に駆動されてからフォトカプラIC4の発光ダイオードの一端に送信されて、そのフォトトランジスタの一端は室内機カレントループ通信モジュール10の出力端であり、これによりMCU40が送信した通信信号を出力端から出力することを実現する。 【0023】 室外機カレントループ通信モジュール20は主に、フォトカプラIC1、フォトカプラIC2及びトランジスタQ3で構成される。フォトカプラIC1はカレントループ通信電気回路の室外部分の通信の受信を担い、そのフォトトランジスタの一端は室外MCU10の信号受信端子RXDに接続され、発光ダイオードの一端は室外機カレントループ通信モジュール10の入力端であり、室外部分の通信は入力端から入力され、そしてフォトトランジスタの一端からMCU10に出力されて、こうして室外MCUは通信された受信データを読み取る。フォトカプラIC2はカレントループ通信電気回路の室外部分の通信の送信を担い、その発光ダイオードの一端はトランジスタQ1のコレクタ、トランジスタQ1のベースを経由してMCU10の信号送信端子TXDに接続され、MCU10が送信した通信信号はトランジスタQ1に駆動されてからフォトカプラIC2の発光ダイオードの一端に送信されて、MCU10が送信した通信信号を受信して、そのフォトトランジスタの一端は室外機カレントループ通信モジュール10の出力端であり、これによりMCU10が送信した通信信号を出力端子から出力することを実現する。 【0024】 室内機側に位置するスイッチング電源モジュール50は交流電源線Nに直列接続されて、第一直流を出力して、上記のカレントループ通信回路に直流電源を提供する。具体的に、スイッチング電源モジュール50は複数系統の直流を出力する。スイッチング電源モジュール50のスイッチング変圧器の一つの独立した巻線、即ち第一巻線は、上記カレントループ通信回路に第一直流を出力して、直流電源を提供する。図に示すように、スイッチング電源モジュール50はカレントループ通信回路に独立した+24Vの直流を出力して直流を提供し、その出力端の正極は交流電源線Nに接続され、出力端の負極は室内機カレントループ通信モジュール30に接続されている。図2に示すように、エアコン室内機と室外機との間に三本の線即ちL、N、Sを固定接続してカレントループ通信及び交流電源の伝送を実現し、スイッチング電源50が出力した直流24Vの正極は交流線Nと接続されるので、即ち、線Nと兼用して通信回路における直流電源の正極を実現して、これにより従来の室内機と室外機とのカレントループの三本の通信接続線との汎用化を実現した。図面では室内機と室外機の接続線Lは描かれていないが、実際には線Lと線Nで室内機と室外機との交流の伝送を実現している。図2において、24Vの正極は室内機側の線Nからカレントループ通信回路に入力され、その直流は室外機側の線Nから室外機側フォトカプラIC1、室外機側フォトカプラIC2、室内機側フォトカプラIC3、室内機側フォトカプラIC4を経由して直流24Vの負極に戻る。24Vの負極は室内機カレントループ通信モジュール30、具体的には該通信モジュール30の出力端に接続されている。24Vの負極もカレントループ通信モジュール30の出力の共通グラウンドでもあり、具体的にはフォトカプラIC4のトランジスタエミッタである。スイッチング電源モジュール50は+24Vを提供する他に、そのスイッチング変圧器の他の巻線はさらに他の直流を出力する。例えば、スイッチング変圧器の第二巻線は第二直流+5Vを出力して、その直流の負極は24Vの負極と兼用され、室内MCUに作動に必要な直流電源を提供する。このスイッチング電源モジュール50はさらに他の直流を出力して、室外機電気回路全体に、その他の作動に必要な直流を提供できる。即ち、スイッチング電源モジュール50は室外機電気回路全体に直流を提供する。従来の室外機電気回路スイッチング電源に対して、本発明の実施例のスイッチング電源モジュール50のスイッチング変圧器に一つの巻線を加えて、一系統の単独した直流を出力して、カレントループ通信回路に直流電源を提供する。従来のカレントループ通信回路の直流電源が、交流電源を分圧抵抗で分圧して、ダイオードにより整流をしてから定電圧ダイオードを通して簡単に電圧レギュレーションすることにより実現するのに対して、消費電力が大きすぎて深刻な発熱を起こす分圧抵抗を省いた。それとともに、従来のスイッチング電源に巻線出力を拡張しただけであるので、PCB配線も簡単で、体積の大きい素子は存在しない。 【0025】 具体的に、図3に示すように、図3は室内機側に位置するスイッチング電源モジュール50の具体的な電気回路図である。そのスイッチング電源は主にスイッチング電源制御チップIC5、スイッチング変圧器T1、電圧フィードバックフォトカプラIC14、定電圧チップIC7とIC6で構成されている。スイッチング変圧器T1は二つの出力巻線を有し、その二つの巻線により出力された交流は、ダイオードによる整流と定電圧チップによる電圧レギュレーションを経て、それぞれ24Vと5Vである二種類の直流として出力され。(当審注:「出力され。」は、「出力され、」の明らかな誤記であるのでこれ以降は正しい表記に読み替える。)24Vはカレントループ通信回路に直流電源を提供し、5Vは室内MCU40に作動に必要な電源を提供する。」 (イ)「図2 [図:0001393671000001.jpg] 」 ウ 当審の判断 (ア)図2の記載について 上記補正事項1に係る「前記スイッチング電源モジュールは前記通信接続線S或いは交流電源接続線に直列接続されて、第1の直流電源を前記カレントループ通信回路および室外機の電気回路全体に出力し」との記載によれば、補正後の請求項1には、「スイッチング電源モジュール」は、「第1の直流電源」を、「カレントループ通信回路」と「室外機の電気回路全体」の両方に出力すること(以下、「特定事項A」という。)が特定されている。 そこで、まず、上記特定事項Aが、上記イ(イ)に摘記した図2に記載されているか否かについて検討する。 図2の記載から、室内機部分に設けられたスイッチング電源50は、+24Vの直流と+5Vの直流を出力することが読み取れ、上記イ(ア)の段落0024の「図2において、24Vの正極は室内機側の線Nからカレントループ通信回路に入力され、その直流は室外機側の線Nから室外機側フォトカプラIC1、室外機側フォトカプラIC2、室内機側フォトカプラIC3、室内機側フォトカプラIC4を経由して直流24Vの負極に戻る。」との記載も考慮すると、スイッチング電源50は、+24Vの直流を、交流電源線N、室外機側フォトカプラIC1の発光ダイオード、室外機側フォトカプラIC2のフォトトランジスタ、通信接続線S、室内機側フォトカプラIC3の発光ダイオード、及び室内機側フォトカプラIC4のフォトトランジスタを直列に接続した直列回路(カレントループ通信回路)に出力することが読み取れる。 そうすると、図2には、上記特定事項Aのうち、「前記スイッチング電源モジュールは」「第1の直流電源を前記カレントループ通信回路」「に出力」することは記載されているといえる。 一方、図2に記載される室外機側フォトカプラIC1は、発光ダイオードのオンオフ信号をフォトトランジスタで検出して室外機MCU10の信号受信端子RXDに伝達するためのものであり、また、室外機側フォトカプラIC2は、室外機MCU10の信号送信端子TXDから出力された信号によりオンオフされる発光ダイオードの光信号を受信してカレントループ通信回路に信号を出力するためのものであるから、両者は、いずれも、スイッチング電源50から出力される+24Vの電源を「室外機の電気回路全体」に出力するための構成ではない。 また、図2の記載から、+24Vの直流が印加される経路の室外機部分には、室外機側フォトカプラIC1及び室外機側フォトカプラIC2に加えて、抵抗R7、コンデンサC2、抵抗R8、ダイオードD1が接続されていることが読み取れるものの、これらの構成も、スイッチング電源50から出力される+24Vの電源を「室外機の電気回路全体」に出力するための構成ではない。 そうすると、図2には、スイッチング電源50から出力される+24Vの電源を、「室外機の電気回路全体」に出力するための構成は記載されていないから、図2には、上記特定事項Aのうち、「前記スイッチング電源モジュールは」「第1の直流電源」を、「室外機の電気回路全体」「に出力」することが記載されているとはいえない。 (イ)本願明細書の記載について 次に、上記特定事項Aが、本願明細書に記載されているか否かについて検討する。 上記イ(ア)の段落0024の「室内機側に位置するスイッチング電源モジュール50は交流電源線Nに直列接続されて、第一直流を出力して、上記のカレントループ通信回路に直流電源を提供する。・・・スイッチング電源モジュール50のスイッチング変圧器の一つの独立した巻線、即ち第一巻線は、上記カレントループ通信回路に第一直流を出力して、直流電源を提供する。図に示すように、スイッチング電源モジュール50はカレントループ通信回路に独立した+24Vの直流を出力して直流を提供し、その出力端の正極は交流電源線Nに接続され、出力端の負極は室内機カレントループ通信モジュール30に接続されている。・・・スイッチング電源50が出力した直流24Vの正極は交流線Nと接続されるので、即ち、線Nと兼用して通信回路における直流電源の正極を実現して、これにより従来の室内機と室外機とのカレントループの三本の通信接続線との汎用化を実現した。・・・図2において、24Vの正極は室内機側の線Nからカレントループ通信回路に入力され、その直流は室外機側の線Nから室外機側フォトカプラIC1、室外機側フォトカプラIC2、室内機側フォトカプラIC3、室内機側フォトカプラIC4を経由して直流24Vの負極に戻る。24Vの負極は室内機カレントループ通信モジュール30、具体的には該通信モジュール30の出力端に接続されている。24Vの負極もカレントループ通信モジュール30の出力の共通グラウンドでもあり、具体的にはフォトカプラIC4のトランジスタエミッタである。・・・従来の室外機電気回路スイッチング電源に対して、本発明の実施例のスイッチング電源モジュール50のスイッチング変圧器に一つの巻線を加えて、一系統の単独した直流を出力して、カレントループ通信回路に直流電源を提供する。」との記載、同じく段落0025の「スイッチング変圧器T1は二つの出力巻線を有し、その二つの巻線により出力された交流は、ダイオードによる整流と定電圧チップによる電圧レギュレーションを経て、それぞれ24Vと5Vである二種類の直流として出力され、24Vはカレントループ通信回路に直流電源を提供し」との記載からすると、「カレントループ通信回路」に出力されているのは、「スイッチング電源モジュール50のスイッチング変圧器の一つの独立した」「第一巻線」から「カレントループ通信回路」に出力される「+24V」の「第一直流」である。 したがって、上記特定事項Aに係る「カレントループ通信回路」に出力される「第1の直流電源」は、翻訳文等の「+24V」の「第一直流」に相当するものである。 ここで、上記イ(ア)の段落0024には、「室外機電気回路全体」に提供される「他の直流」について、「このスイッチング電源モジュール50はさらに他の直流を出力して、室外機電気回路全体に、その他の作動に必要な直流を提供できる。即ち、スイッチング電源モジュール50は室外機電気回路全体に直流を提供する。」と記載されていて、この記載からは、「他の直流」がどのように出力されるものであるのかは必ずしも明確ではない。しかしながら、上記記載における「さらに他の直流を出力して」との記載と、上記記載の直前に記載されている「スイッチング電源モジュール50は+24Vを提供する他に、そのスイッチング変圧器の他の巻線はさらに他の直流を出力する。例えば、スイッチング変圧器の第二巻線は第二直流+5Vを出力して、その直流の負極は24Vの負極と兼用され、室内MCUに作動に必要な直流電源を提供する。」との記載も合わせて考慮すると、「室外機電気回路全体」に提供される「他の直流」は、少なくとも「第一巻線」とは異なる「他の巻線」から出力されるものであるから、「第一巻線」から出力される「第一直流」とは異なるものであるといえる。 そうすると、上記イ(ア)の段落0024の「このスイッチング電源モジュール50はさらに他の直流を出力して、室外機電気回路全体に、その他の作動に必要な直流を提供できる。即ち、スイッチング電源モジュール50は室外機電気回路全体に直流を提供する。」との記載から、上記特定事項Aのうち、「前記スイッチング電源モジュールは」「第1の直流電源」を、「室外機の電気回路全体」「に出力」することが記載されているとはいえない。 (ウ)その他の記載について 翻訳文等の上記(ア)(イ)で検討した以外の箇所にも、上記特定事項Aのうち、「カレントループ通信回路」に出力される「+24V」の「第一直流」と同じ「第一直流」が、「室外機の電気回路全体」に出力されることは記載も示唆もない。 また、カレントループ通信回路に出力される直流が、特定の装置の電気回路全体にも出力されることが本願優先日前における技術常識であるともいえない。 (エ)小括 したがって、上記特定事項Aを含む補正事項1は、翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものとはいえず、補正事項1は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものでない。 エ むすび したがって、上記補正事項1を含む本件補正は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものではなく、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 (2)独立特許要件 仮に、カレントループ通信回路に出力される直流が、特定の装置の電気回路全体にも出力されることが本願優先日前の技術常識であり、本件補正が特許法第17条の2第3項の規定に違反するものでないとした場合、上記補正事項1は、「スイッチング電源モジュール」を、「第1の直流電源」を「室外機の電気回路全体」にも「出力」するものに限定的に減縮するものであり、上記補正事項1を含み、かつ、特許法第17条の2第3項及び第4項に適合する本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮(第三十六条第五項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)を目的とするものであるので、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 ア 本件補正発明 本件補正発明は、上記「1.(1)」に記載された次のとおりのものである。 「室内機カレントループ通信モジュール、室外機カレントループ通信モジュール、室内MCU、室外MCU、スイッチング電源モジュールを含み、 前記室内機カレントループ通信モジュールは通信接続線Sと交流電源接続線を経由して前記室外機カレントループ通信モジュールに接続されて、カレントループ通信回路を構成し、 前記室内MCUと前記室外MCUは前記カレントループ通信回路で通信を実現し、 前記スイッチング電源モジュールは前記通信接続線S或いは交流電源接続線に直列接続されて、第1の直流電源を前記カレントループ通信回路および室外機の電気回路全体に出力し、さらに、前記室内MCUに接続されて、第2の直流電源を接続された前記室内MCUに出力する ことを特徴とするエアコンカレントループ通信電気回路。」 イ 引用文献 (ア)引用文献1 a 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開平6-094289号公報(以下、「引用文献1」という。)には、関連する図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は、当審において付加したものである。) (a)「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、室内機と室外機とに分離されその間を信号が転送されるセパレートタイプの空調機の信号転送回路装置に関する。」 (b)【0016】 【実施例】本発明の第1実施例を図1により説明する。図1に示す本実施例は、従来の装置と同様に電源プラグ50を介して電源に接続される室内機10と同室内機10に電力用接続線55を介して接続された室外機30が設けられ、同室外機30には、制御回路用電源 Vdc2、および同電源 Vdc2が電源端子41に接続されSI2端子36に信号入力用フォトカプラ39のフォトトランジスタ39bが接続されSO2端子35に信号出力用フォトカプラ37のフォトダイオード37aとトランジスタ38が接続されグランド端子40を備えたマイクロプロセッサ(MPU2)34が設けられている。 【0017】また、室内機10には、従来の装置と同様に電源プラグ50を介して電源に接続される絶縁トランス111と整流平滑回路12と定電圧電源13により形成された制御回路用電源 Vdc1、および同電源 Vdc1が電源端子21に接続されSI1端子16に信号入力用フォトカプラ19のフォトトランジスタ19bが接続されSO1端子15にトランジスタ18が接続されグランド端子20を備えたマイクロプロセッサ(MPU1)14が設けられている。 【0018】上記制御回路用電源 Vdc1とマイクロプロセッサ(MPU1)14が設けられた室内機10には、本実施例においては、上記絶縁トランス111に設けられた巻線111aと整流平滑回路121と定電圧電源IC(電源電圧の安定化が問題とならなければ不要)131により形成された信号転送回路用電源 Vdc3、および上記トランジスタ18と制御回路用電源 Vdc1の間に接続された信号出力用フォトカプラ280のフォトトランジスタ280bが設けられ、上記電源 Vdc3には第1抵抗25、電力用接続線55の一線55a、室外機30の信号入力用フォトカプラ39のフォトダイオード39a、信号出力用フォトカプラ37のフォトトランジスタ37b、信号転送用接続線60b、室内機10の信号入力用フォトカプラ19のフォトダイオード19a及び信号出力用フォトカプラ280のフォトトランジスタ280bが直列に接続され、信号転送回路を形成している。 【0019】上記において、信号転送回路には信号転送回路用電源 Vdc3より電力が供給されている。マイクロプロセッサ(MPU1)14のSO1端子15より出力された信号は、信号出力用フォトカプラ280のフォトダイオード280aよりフォトトランジスタ280bに伝送され、上記信号転送回路を形成する信号入力用フォトカプラ19のフォトダイオード19a、信号転送用接続線60b、及び信号出力用フォトカプラ37のフォトトランジスタ37bを通り、信号入力用フォトカプラ39を介してSI2端子36よりマイクロプロセッサ(MPU2)34に入力される。 【0020】また、マイクロプロセッサ(MPU2)34のSO2端子35より出力された信号は信号出力用フォトカプラ37のフォトダイオード37aよりフォトトランジスタ37bに伝送され、上記信号転送回路を形成する信号転送用接続線60bを通り、信号入力用フォトカプラ19を介してSI1端子16よりマイクロプロセッサ(MPU1)14に入力される。 【0021】なお、トランジスタ18及び38の作用については、従来の装置における作用と同様のため、その説明を省略する。 【0022】本実施例においては、室内機10と室外機30の間で信号を転送する信号転送回路にマイクロプロセッサ(MPU2)14用の信号出力用フォトカプラ280を設けて同信号転送回路を制御回路用電源 Vdc1から切り離し、信号転送回路には上記制御回路用電源 Vdc1から絶縁された信号転送回路用電源 Vdc3を室内機10内に設けて接続する。 【0023】これによって、制御装置としての信頼性を損うことなく、従来の装置において使用されていた2本の信号転送用接続線60a、60b中の1本60aに替えて、電力用接続線55中の1本55aを上記信号転送回路へ使用できるものとした。 【0024】上記により、信号転送用接続線2本の中の1本を電力用接続線と共用可能としたため、装置の信頼性を損うことなく生産性が向上し、コストダウンが可能となった。」 (c)「図1 [図:0001393671000002.jpg] 」 b 引用文献1の上記記載について検討する。 (a)上記a(a)の段落0001の記載から、引用文献1には、「室内機と室外機とに分離されその間を信号が転送されるセパレートタイプの空調機」が記載されていると認められる。 (b)上記a(b)の段落0016の「図1に示す本実施例は、従来の装置と同様に電源プラグ50を介して電源に接続される室内機10と同室内機10に電力用接続線55を介して接続された室外機30が設けられ、同室外機30には、制御回路用電源 Vdc2、および同電源 Vdc2が電源端子41に接続されSI2端子36に信号入力用フォトカプラ39のフォトトランジスタ39bが接続されSO2端子35に信号出力用フォトカプラ37のフォトダイオード37aとトランジスタ38が接続されグランド端子40を備えたマイクロプロセッサ(MPU2)34が設けられている。」との記載、及び上記a(c)で摘記した図1の記載から、引用文献1には、「電源プラグ50を介して電源に接続される室内機10と同室内機10に電力用接続線55を介して接続された室外機30が設けられ、同室外機30には、制御回路用電源 Vdc2、および同電源 Vdc2が電源端子41に接続されSI2端子36に信号入力用フォトカプラ39のフォトトランジスタ39bが接続されSO2端子35に信号出力用フォトカプラ37のフォトダイオード37aとトランジスタ38が接続されグランド端子40を備えたマイクロプロセッサ(MPU2)34が設けられて」いることが記載されているものと認められる。 (c)上記a(b)の段落0017の「室内機10には、従来の装置と同様に電源プラグ50を介して電源に接続される絶縁トランス111と整流平滑回路12と定電圧電源13により形成された制御回路用電源 Vdc1、および同電源 Vdc1が電源端子21に接続されSI1端子16に信号入力用フォトカプラ19のフォトトランジスタ19bが接続されSO1端子15にトランジスタ18が接続されグランド端子20を備えたマイクロプロセッサ(MPU1)14が設けられている。」との記載、及び上記a(c)で摘記した図1の記載から、引用文献1には、「室内機10には、電源プラグ50を介して電源に接続される絶縁トランス111と整流平滑回路12と定電圧電源13により形成された制御回路用電源 Vdc1、および同電源 Vdc1が電源端子21に接続されSI1端子16に信号入力用フォトカプラ19のフォトトランジスタ19bが接続されSO1端子15にトランジスタ18が接続されグランド端子20を備えたマイクロプロセッサ(MPU1)14が設けられて」いることが記載されているものと認められる。 (d)上記a(b)の段落0018の「上記制御回路用電源 Vdc1とマイクロプロセッサ(MPU1)14が設けられた室内機10には、本実施例においては、上記絶縁トランス111に設けられた巻線111aと整流平滑回路121と定電圧電源IC(電源電圧の安定化が問題とならなければ不要)131により形成された信号転送回路用電源 Vdc3、および上記トランジスタ18と制御回路用電源 Vdc1の間に接続された信号出力用フォトカプラ280のフォトトランジスタ280bが設けられ、上記電源 Vdc3には第1抵抗25、電力用接続線55の一線55a、室外機30の信号入力用フォトカプラ39のフォトダイオード39a、信号出力用フォトカプラ37のフォトトランジスタ37b、信号転送用接続線60b、室内機10の信号入力用フォトカプラ19のフォトダイオード19a及び信号出力用フォトカプラ280のフォトトランジスタ280bが直列に接続され、信号転送回路を形成している。」との記載、及び上記a(c)で摘記した図1の記載から、引用文献1には、「上記制御回路用電源 Vdc1とマイクロプロセッサ(MPU1)14が設けられた室内機10には、上記絶縁トランス111に設けられた巻線111aと整流平滑回路121と定電圧電源IC131により形成された信号転送回路用電源 Vdc3、および上記トランジスタ18と制御回路用電源 Vdc1の間に接続された信号出力用フォトカプラ280のフォトトランジスタ280bが設けられ、上記電源 Vdc3には第1抵抗25、電力用接続線55の一線55a、室外機30の信号入力用フォトカプラ39のフォトダイオード39a、信号出力用フォトカプラ37のフォトトランジスタ37b、信号転送用接続線60b、室内機10の信号入力用フォトカプラ19のフォトダイオード19a及び信号出力用フォトカプラ280のフォトトランジスタ280bが直列に接続され、信号転送回路を形成して」いることが記載されているものと認められる。 (e)上記a(b)の段落0019の「信号転送回路には信号転送回路用電源 Vdc3より電力が供給されている。マイクロプロセッサ(MPU1)14のSO1端子15より出力された信号は、信号出力用フォトカプラ280のフォトダイオード280aよりフォトトランジスタ280bに伝送され、上記信号転送回路を形成する信号入力用フォトカプラ19のフォトダイオード19a、信号転送用接続線60b、及び信号出力用フォトカプラ37のフォトトランジスタ37bを通り、信号入力用フォトカプラ39を介してSI2端子36よりマイクロプロセッサ(MPU2)34に入力される。」との記載、及び上記a(c)で摘記した図1の記載から、引用文献1には、「信号転送回路には信号転送回路用電源 Vdc3より電力が供給されており、マイクロプロセッサ(MPU1)14のSO1端子15より出力された信号は、信号出力用フォトカプラ280のフォトダイオード280aよりフォトトランジスタ280bに伝送され、上記信号転送回路を形成する信号入力用フォトカプラ19のフォトダイオード19a、信号転送用接続線60b、及び信号出力用フォトカプラ37のフォトトランジスタ37bを通り、信号入力用フォトカプラ39を介してSI2端子36よりマイクロプロセッサ(MPU2)34に入力され」ることが記載されているものと認められる。 (f)上記a(b)の段落0020の「マイクロプロセッサ(MPU2)34のSO2端子35より出力された信号は信号出力用フォトカプラ37のフォトダイオード37aよりフォトトランジスタ37bに伝送され、上記信号転送回路を形成する信号転送用接続線60bを通り、信号入力用フォトカプラ19を介してSI1端子16よりマイクロプロセッサ(MPU1)14に入力される。」との記載、及び上記a(c)で摘記した図1の記載から、引用文献1には、「マイクロプロセッサ(MPU2)34のSO2端子35より出力された信号は信号出力用フォトカプラ37のフォトダイオード37aよりフォトトランジスタ37bに伝送され、上記信号転送回路を形成する信号転送用接続線60bを通り、信号入力用フォトカプラ19を介してSI1端子16よりマイクロプロセッサ(MPU1)14に入力される」ことが記載されているものと認められる。 c 引用発明 上記b(a)~(f)の検討から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「室内機と室外機とに分離されその間を信号が転送されるセパレートタイプの空調機であって、 電源プラグ50を介して電源に接続される室内機10と前記室内機10に電力用接続線55を介して接続された室外機30が設けられ、前記室外機30には、制御回路用電源 Vdc2、および前記電源 Vdc2が電源端子41に接続されSI2端子36に信号入力用フォトカプラ39のフォトトランジスタ39bが接続されSO2端子35に信号出力用フォトカプラ37のフォトダイオード37aとトランジスタ38が接続されグランド端子40を備えたマイクロプロセッサ(MPU2)34が設けられており、 前記室内機10には、電源プラグ50を介して電源に接続される絶縁トランス111と整流平滑回路12と定電圧電源13により形成された制御回路用電源 Vdc1、および前記電源 Vdc1が電源端子21に接続されSI1端子16に信号入力用フォトカプラ19のフォトトランジスタ19bが接続されSO1端子15にトランジスタ18が接続されグランド端子20を備えたマイクロプロセッサ(MPU1)14が設けられており、 前記制御回路用電源 Vdc1とマイクロプロセッサ(MPU1)14が設けられた室内機10には、前記絶縁トランス111に設けられた巻線111aと整流平滑回路121と定電圧電源IC131により形成された信号転送回路用電源 Vdc3、および前記トランジスタ18と制御回路用電源 Vdc1の間に接続された信号出力用フォトカプラ280のフォトトランジスタ280bが設けられ、前記電源 Vdc3には第1抵抗25、電力用接続線55の一線55a、室外機30の信号入力用フォトカプラ39のフォトダイオード39a、信号出力用フォトカプラ37のフォトトランジスタ37b、信号転送用接続線60b、室内機10の信号入力用フォトカプラ19のフォトダイオード19a及び信号出力用フォトカプラ280のフォトトランジスタ280bが直列に接続され、信号転送回路を形成しており、 前記信号転送回路には信号転送回路用電源 Vdc3より電力が供給されており、前記マイクロプロセッサ(MPU1)14のSO1端子15より出力された信号は、信号出力用フォトカプラ280のフォトダイオード280aよりフォトトランジスタ280bに伝送され、前記信号転送回路を形成する信号入力用フォトカプラ19のフォトダイオード19a、信号転送用接続線60b、及び信号出力用フォトカプラ37のフォトトランジスタ37bを通り、信号入力用フォトカプラ39を介してSI2端子36よりマイクロプロセッサ(MPU2)34に入力され、 前記マイクロプロセッサ(MPU2)34のSO2端子35より出力された信号は信号出力用フォトカプラ37のフォトダイオード37aよりフォトトランジスタ37bに伝送され、前記信号転送回路を形成する信号転送用接続線60bを通り、信号入力用フォトカプラ19を介してSI1端子16よりマイクロプロセッサ(MPU1)14に入力される、 空調機。」 (イ)引用文献2 a 原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2017-123735号公報(以下、「引用文献2」という。)には、関連する図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は、当審において付加したものである。) (a)「【0008】 本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、ある局面における目的は、複数出力型スイッチング電源装置において、従来よりも精度よくクロスレギュレーションを抑制することができる電源装置を提供することである。」 (b)「【0049】 (c3.電源装置100) 次に、実施形態に従う電源装置100について説明する。図6は、実施形態1に従う電源装置100の構成例を説明する図である。 【0050】 図6を参照して、電源装置100は、その主な構成要素として、交流電源入力部102と、NF部104と、整流部106と、発振部108と、トランスT1と、電圧変換部110とを有する。 【0051】 交流電源入力部102から出力される交流出力は、NF部104によって、ノイズをフィルタリングされる。NF部104から出力される交流電圧は、ダイオードD1~D4で構成される整流部106によって全波整流される。 【0052】 整流部106が出力する直流電圧は、コンデンサC1によって平滑されるとともに、発振部108を介してトランスT1の1次巻線W1に印加される。発振部108は、スイッチング素子Q1およびQ2を含む。 【0053】 1次巻線W1には、共振用のコンデンサC2と、スイッチング素子Q1およびQ2とが接続される。制御部150は、スイッチング素子Q1およびQ2と電気的に接続されるとともに、これらのスイッチング素子のオン/オフに関するデューティー比を制御する。 【0054】 トランスT1は24V系統負荷に対応する2次巻線W2と、5V系統負荷に対応する2次巻線W3とを含む。2次巻線W2およびW3には、それぞれ、整流用のダイオードD5、D6と、平滑用のコンデンサC3、C4が接続される。 【0055】 5V系統の出力電圧間には、抵抗R3およびR4が接続される。制御部150は、抵抗R3およびR4によって分圧される5V出力電圧に関連付けられる情報Vo5を取得する。制御部150は、情報Vo5に基づいて、5V出力電圧が5V定電圧となるように、スイッチング素子Q1およびQ2のデューティー比を制御する。 【0056】 (c4.クロスレギュレーションを抑制する制御) 電圧変換部110は、5V系統負荷72に直列に配置されるFET(Field Effect Transistor)素子Q3と、ドロッパー設定切替回路112とを含む。ドロッパー設定切替回路112は、抵抗R1およびR2によって分圧される24V出力電圧に関連付けられる情報Vo24を取得する。 【0057】 ドロッパー設定切替回路112は、情報Vo24に基づいて、24V出力電圧が24V定電圧となるように、FET素子Q3での電圧降下量を調節する。具体的には、ドロッパー設定切替回路112は、FET素子Q3の線形領域において、情報Vo24の電圧値と、予め定められた値との差分に基づいた電圧をFET素子Q3のゲートに印加する。すなわち、電圧変換部110は、入力される電圧を連続的に降圧可能に構成される。予め定められた値とは、一例として、24VにR2/(R1+R2)を乗じた値とする。」 (c)「図6 [図:0001393671000003.jpg] 」 b 上記aの記載から、引用文献2には、以下の技術的事項が記載されていると認められる。 「24V系統負荷に対応する2次巻線W2と5V系統負荷に対応する2次巻線W3とを有するトランスT1を備えた複数出力型スイッチング電源装置。」 (ウ)引用文献3 a 原査定の拒絶の理由で引用文献4として引用され、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開平5-316727号公報(以下、「引用文献3」という。)には、関連する図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は、当審において付加したものである。) (a)「【0012】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。 (第1実施例)この実施例のスイッチング電源装置は、図1に示す如く、基本的構成が2つの2次直流電源系統L1、L2を有する従来例(図6)と同じとされかつ低圧側系統L1を構成する整流回路が電界効果型トランジスタ(以下、FETと略称する。)Q1から構成されている。 【0013】低圧側2次直流電源系統L1は、トランス20の第1の2次巻線CL21とFETQ1と平滑コンデンサC21等を含み、定常状態において2次直流電源電圧V21(+5V)を生成する。一方、高圧側2次直流電源系統L2は、トランス20の第2の2次巻線CL22とダイオードD1と平滑コンデンサC22とからなり、2次直流電源電圧V22(+24V)を生成する。 【0014】ここに、FETQ1は、ソースに対するゲートのON電圧が+10Vとされ、ソース電圧は出力電圧V21と等しい+5Vである。また、高圧側2次直流電源系統L2の整流回路を構成するダイオードD1の順方向電圧を1Vとした場合、FETQ1のゲート電圧は0V~25V(24V+1V)の間で25Vの振幅を有するパルス状の電圧となる。 【0015】すなわち、FETQ1は高圧側の2次直流電源系統L2のトランス20の2次巻線CL22の出力電圧25Vを駆動電源とし、ゲート電圧Vgが0Vから立上って15Vになった時点でONし、15V以上である間はONし続ける。そして、ゲート電圧Vgが25Vから0Vに向かって降下し、15V未満となった時点でOFFし、再び15V以上になるまでOFFし続けるものと接続されている。したがって、FETQ1がONしている間だけトランス20(巻線CL21)の出力電圧をソース側つまり負荷101側へ伝達することができる。そして、これらの一連の動作を連続して繰り返すことによって整流作用を行う。 【0016】なお、高圧側2次直流電源系統L2のダイオードD1による整流作用は従来例と同じなので説明は省略する。 【0017】しかして、この第1実施例によれば、2次直流電源系統の低圧側(L1)の整流回路をFET(Q1)から形成するとともに、その駆動電源を高圧側(L2)を構成するトランス20の2次巻線CL22の出力電圧(+25V)とするようにFETと2次巻線CL22とを接続した構成であるから、格別の駆動電源を必要とせず電力ロスを軽減することができ、全体としての電源効率を向上できる。」 (b)「図1 [図:0001393671000004.jpg] 」 b 上記aの記載から、引用文献3には、以下の技術的事項が記載されていると認められる。 「2つの2次直流電源系統L1、L2を有するスイッチング電源装置において、低圧側2次直流電源系統L1は、トランス20の第1の2次巻線CL21とFETQ1と平滑コンデンサC21等を含み、定常状態において2次直流電源電圧V21(+5V)を生成する一方、高圧側2次直流電源系統L2は、トランス20の第2の2次巻線CL22とダイオードD1と平滑コンデンサC22とからなり、2次直流電源電圧V22(+24V)を生成すること。」 (エ)参考文献1 a 本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2012-39844号公報(以下、「参考文献1」という。)には、関連する図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は、当審において付加したものである。) (a)「【0003】 しかしながら、リニア電源は、調整のために大型で重量のある絶縁変圧器及び大型コンデンサを必要とするため、大型化と重量化が問題となってしまう。しかも悪いことに、リニア電源の変換効率は非常に低いため、実際の応用レベルにおいてリニア電源と比較すると、より小型な電力電子スイッチと、より軽量な絶縁変圧器と、より小型なコンデンサと、ダイオードとから形成されるスイッチング電源の方が、その産業的な利用性が高く、スイッチング電源が主として使用されている。」 b 上記aの記載から、参考文献1には、以下の技術的事項が記載されていると認められる。 「リニア電源は大型化と重量化が問題となる一方、リニア電源と比較すると、より小型なスイッチング電源の方が産業的な利用性が高いこと。」 (オ)参考文献2 a 本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2012-100525号公報(以下、「参考文献2」という。)には、関連する図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は、当審において付加したものである。) (a)「【0004】 電子装置用の電源は、大きく分けると、リニア電源とスイッチング電源に分けることができる。リニア電源は、通常、比較的単純な設計であるが、高電圧で大電流の機器の場合には、かさばるだけでなく重くなる。これは、50~60Hzで動作する比較的大きな幹線周波数の変圧器の使用によるものである。リニア電源の外寸は、極めて大きく、その用途によっては製造コストが高くなることがある。これと対照的に、リニア電源と同じ電圧及び電流定格を有する「スイッチング」、即ちスイッチング式電源はサイズが小さくなるが、構造が複雑になる。このタイプのスイッチング式電源は、異なる動作原理で動作し、従って、電力源として直流入力電圧又は整流された交流入力電圧の何れも使用できる。」 b 上記aの記載から、参考文献2には、以下の技術的事項が記載されていると認められる。 「電子装置用の電源はリニア電源とスイッチング電源に分けられ、リニア電源は、かさばるだけでなく重くなる一方、スイッチング式電源はサイズが小さくなること。」 (カ)参考文献3 a 本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開平7-213074号公報(以下、「参考文献3」という。)には、関連する図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は、当審において付加したものである。) (a)「【0016】 【実施例】本発明の一実施例を図1に示す。図1に示す本実施例は、室内機とともに空調機を形成し、室外機制御回路用電源41とインバータ駆動用ベースドライブ電源42が設けられたスイッチング電源回路40を有する室外機10において、上記室外機制御回路用電源41の制御電源トランス43の1次側40aと2次側41aの間に接続されたコンデンサ45を備えている。 【0017】なお、上記空調機は、従来の装置と同様に、室外機10が上記の装置以外にコンバータ101、インバータ100、モータ及びマイクロプロセッサ34を備え、室内機が図3に示す室内機制御回路用電源141、及びマイクロプロセッサ14を備え、室外機10のマイクロプロセッサ34と室内機30のマイクロプロセッサ14がトランジスタ18、38、信号入力用フォトカプラ19、39、信号出力用フォトカプラ37、及び信号転送用接続線60a、60bを介して接続されているが、それぞれの装置の作用は従来と同様のため、その説明を省略する。」 (b)「図1 [図:0001393671000005.jpg] 」 b 上記aの記載から、参考文献3には、以下の技術的事項が記載されていると認められる。 「室内機とともに空調機を形成し、室外機制御回路用電源41とインバータ駆動用ベースドライブ電源42が設けられたスイッチング電源回路40を有する室外機10。」 (キ)参考文献4 a 本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2011-229282号公報(以下、「参考文献4」という。)には、関連する図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は、当審において付加したものである。) (a)「【0013】 図1は、本発明の一実施形態に係るスイッチング電源装置の主要部の回路図である。このスイッチング電源装置は、空調機(主に室外機又は室内機、リモコン装置でも可)に使用されるものである。図において、スイッチングトランス1は、1次巻線1p及び2次巻線1sを有し、1次巻線1pのインダクタンスは、巻数を増やすことにより、従前の通常値と比べて2倍程度となっている。これにより、トランスの結合度が増大し、電力変換の効率が向上する。」 b 上記aの記載から、参考文献4には、以下の技術的事項が記載されていると認められる。 「スイッチング電源装置を、空調機(室外機又は室内機)に使用すること。」 (ク)参考文献5 a 本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2009-97760号公報(以下、「参考文献5」という。)には、関連する図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は、当審において付加したものである。) (a)「【0015】 (第1の実施の形態) 図1は、空気調和機における通信制御装置1の構成を簡易に示す説明図である。図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る通信制御装置1を備える空気調和機は、室外機2と、室内機3とからなり、室外機2と室内機3とは渡り部分4を挟んで互いに接続されている。 【0016】 室外機2は、交流電源5に接続され、2本の交流電源線L、Nを介して室内機3に電力を供給している。また、室外機2と室内機3は、それぞれ互いの間で信号の伝送を行うための信号線を備えている。これらの信号線はその端子を交流電源線のうちいずれか一方の交流電源線(本発明の実施の形態においては、交流電源線Nを選定し、以下、適宜「共用線N」という。)と通信線Sとで接続されることによって、室外機2と室内機3との間における信号をやり取りする通信経路6が構成される。」 (b)「図1 [図:0001393671000006.jpg] 」 b 上記aの記載から、参考文献5には、以下の技術的事項が記載されていると認められる。 「室外機2と室内機3とからなる空気調和機において、室外機2と室内機3は、交流電源線のうちいずれか一方の交流電源線と通信線Sとで接続されることによって、室外機2と室内機3との間における信号をやり取りする通信経路6が構成されること。」 ウ 対比 本件補正発明と引用発明とを対比する。 (ア)a 引用発明は、「室内機と室外機とに分離されその間を信号が転送されるセパレートタイプの空調機」であるから、引用発明の「室内機」、「室外機」は、それぞれ、本件補正発明の「室内機」、「室外機」に相当する。 b 引用発明の「空調機」は本件補正発明の「エアコン」に相当する。 引用発明の「第1抵抗25、電力用接続線55の一線55a、室外機30の信号入力用フォトカプラ39のフォトダイオード39a、信号出力用フォトカプラ37のフォトトランジスタ37b、信号転送用接続線60b、室内機10の信号入力用フォトカプラ19のフォトダイオード19a及び信号出力用フォトカプラ280のフォトトランジスタ280b」は、電源Vdc3に直列に接続されて信号転送回路を形成するものであり、その信号の転送方法は、本件補正発明の「エアコンカレントループ通信」と同様のものである。 そうすると、引用発明の信号転送回路を形成する構成のうち、室内機10側の構成である「第1抵抗25、室内機10の信号入力用フォトカプラ19及び信号出力用フォトカプラ280」は本件補正発明の「室内機カレントループ通信モジュール」に相当するといえ、また、上記信号転送回路を形成する構成のうち、室外機30側の構成である「信号入力用フォトカプラ39及び信号出力用フォトカプラ37」は本件補正発明の「室外機カレントループ通信モジュール」に相当するといえる。 c 引用発明の室内機10に設けられる「マイクロプロセッサ(MPU1)14」と本件補正発明の「室内MCU」は、ともに“室内機”に設けられた“処理装置”であるから、両者は、“室内処理装置”である点で共通する。 d 引用発明の室外機30に設けられる「マイクロプロセッサ(MPU2)34」と本件補正発明の「室外MCU」は、ともに“室外機”に設けられた“処理装置”であるから、両者は、“室外処理装置”である点で共通する。 e 引用発明の「電源プラグ50を介して電源に接続される絶縁トランス111と整流平滑回路12と定電圧電源13により形成された制御回路用電源 Vdc1」及び「前記絶縁トランス111に設けられた巻線111aと整流平滑回路121と定電圧電源IC131により形成された信号転送回路用電源 Vdc3」はそれぞれ、“電源”を供給するための“モジュール”であるといえるから、引用発明の「電源プラグ50を介して電源に接続される絶縁トランス111と整流平滑回路12と定電圧電源13により形成された制御回路用電源 Vdc1」及び「前記絶縁トランス111に設けられた巻線111aと整流平滑回路121と定電圧電源IC131により形成された信号転送回路用電源 Vdc3」を合わせたものと本件補正発明の「スイッチング電源モジュール」とは“電源モジュール”である点で共通する。 f 引用発明の「室内機と室外機とに分離されその間を信号が転送されるセパレートタイプの空調機」は、本件補正発明の「室内機カレントループ通信モジュール」、「室外機カレントループ通信モジュール」に相当する構成、及び「室内MCU」、「室外MCU」、「スイッチング電源モジュール」に対応する構成を有している点で、本件補正発明の「エアコンカレントループ通信電気回路」に対応するものといえる。 そして、上記b~eの検討を踏まえると、引用発明の「第1抵抗25、室内機10の信号入力用フォトカプラ19及び信号出力用フォトカプラ280」、「信号入力用フォトカプラ39及び信号出力用フォトカプラ37」、「マイクロプロセッサ(MPU1)14」、「マイクロプロセッサ(MPU2)34」、「制御回路用電源 Vdc1」及び「信号転送回路用電源 Vdc3」を含む「空調機」と本件補正発明の「室内機カレントループ通信モジュール、室外機カレントループ通信モジュール、室内MCU、室外MCU、スイッチング電源モジュールを含」む「エアコンカレントループ通信電気回路」とは、“室内機カレントループ通信モジュール、室外機カレントループ通信モジュール、室内処理装置、室外処理装置、電源モジュールを含むエアコンカレントループ通信電気回路”である点で共通する。 (イ)引用発明では、「前記電源 Vdc3」に「第1抵抗25、電力用接続線55の一線55a、室外機30の信号入力用フォトカプラ39のフォトダイオード39a、信号出力用フォトカプラ37のフォトトランジスタ37b、信号転送用接続線60b、室内機10の信号入力用フォトカプラ19のフォトダイオード19a及び信号出力用フォトカプラ280のフォトトランジスタ280bが直列に接続され」ており、この構成から、“室内機カレントループ通信モジュール”に含まれる「フォトダイオード19a」、「フォトトランジスタ280b」と“室外機カレントループ通信モジュール”に含まれる「フォトダイオード39a」、「フォトトランジスタ37b」は、「電力用接続線55の一線55a」と「信号転送用接続線60b」を“経由して接続されて”いるといえる。 ここで、引用発明の「電力用接続線55の一線55a」は、「電源プラグ50」を介して「電源」に接続されており、ここでの「電源」が“交流電源”であることは自明である。そうすると、引用発明の「電力用接続線55の一線55a」は、本件補正発明の「交流電源接続線」に相当する。 また、引用発明の「信号転送用接続線60b」は信号転送回路を形成するためのものであり、“通信用の接続線”といえるので、本件補正発明の「通信接続線S」とは、ともに“通信用の接続線”である点で共通する。 そして、引用発明は、「フォトダイオード19a」、「フォトトランジスタ280b」、「フォトダイオード39a」及び「フォトトランジスタ37b」によって、“カレントループ通信”を実現しているから、引用発明の「電力用接続線55の一線55a」と「信号転送用接続線60b」を“経由して接続されて”いる「フォトダイオード19a」、「フォトトランジスタ280b」、「フォトダイオード39a」及び「フォトトランジスタ37b」は、本件補正発明の「カレントループ通信回路」に相当する。 したがって、引用発明と本件補正発明の「前記室内機カレントループ通信モジュールは通信接続線Sと交流電源接続線を経由して前記室外機カレントループ通信モジュールに接続されて、カレントループ通信回路を構成し」とは、“前記室内機カレントループ通信モジュールは通信用の接続線と交流電源接続線を経由して前記室外機カレントループ通信モジュールに接続されて、カレントループ通信回路を構成し”ている点で共通する。 (ウ)引用発明において、「前記マイクロプロセッサ(MPU1)14のSO1端子15より出力された信号は、信号出力用フォトカプラ280のフォトダイオード280aよりフォトトランジスタ280bに伝送され、前記信号転送回路を形成する信号入力用フォトカプラ19のフォトダイオード19a、信号転送用接続線60b、及び信号出力用フォトカプラ37のフォトトランジスタ37bを通り、信号入力用フォトカプラ39を介してSI2端子36よりマイクロプロセッサ(MPU2)34に入力され」、また、「前記マイクロプロセッサ(MPU2)34のSO2端子35より出力された信号は信号出力用フォトカプラ37のフォトダイオード37aよりフォトトランジスタ37bに伝送され、前記信号転送回路を形成する信号転送用接続線60bを通り、信号入力用フォトカプラ19を介してSI1端子16よりマイクロプロセッサ(MPU1)14に入力される」ものであるから、上記(ア)、(イ)の検討を踏まえると、引用発明と本件補正発明の「前記室内MCUと前記室外MCUは前記カレントループ通信回路で通信を実現し」とは、“前記室内処理装置と前記室外処理装置は前記カレントループ通信回路で通信を実現し”ている点で共通する。 (エ)a 引用発明では、「電源 Vdc3には第1抵抗25、電力用接続線55の一線55a、室外機30の信号入力用フォトカプラ39のフォトダイオード39a、信号出力用フォトカプラ37のフォトトランジスタ37b、信号転送用接続線60b、室内機10の信号入力用フォトカプラ19のフォトダイオード19a及び信号出力用フォトカプラ280のフォトトランジスタ280bが直列に接続され、信号転送回路を形成して」いるから、「電源 Vdc3」は、「信号転送用接続線60b」或いは「電力用接続線55の一線55」に“直列接続されて”いるといえる。 また、引用発明の「電源 Vdc3」は、「カレントループ通信回路」に出力される「直流電源」であり、これを「第1の直流電源」と称することは任意である。 したがって、上記(ア)、(イ)の検討も踏まえると、引用発明と本件補正発明の「前記スイッチング電源モジュールは前記通信接続線S或いは交流電源接続線に直列接続されて、第1の直流電源を前記カレントループ通信回路および室外機の電気回路全体に出力し」とは、“前記電源モジュールは前記通信用の接続線或いは交流電源接続線に直列接続されて、第1の直流電源を前記カレントループ通信回路に出力し”ている点で共通する。 b 引用発明の「マイクロプロセッサ(MPU1)14」は、「電源 Vdc1が電源端子21に接続され」ているから、「電源 Vdc1」を供給する“電源モジュール”は「マイクロプロセッサ(MPU1)14」に“接続されて”いるといえる。 また、引用発明の「電源 Vdc1」は、“室内処理装置”に出力される「直流電源」であり、これを「第2の直流電源」と称することは任意である。 したがって、上記(ア)、(イ)の検討も踏まえると、引用発明と本件補正発明の「前記スイッチング電源モジュール」は、「さらに、前記室内MCUに接続されて、第2の直流電源を接続された前記室内MCUに出力する」とは、“前記電源モジュール”は、“さらに、前記室内処理装置に接続されて、第2の直流電源を接続された前記室内処理装置に出力する”点で共通する。 (オ)上記(ア)~(エ)の検討から、本件補正発明と引用発明との一致点、及び、相違点は、次のとおりである。 [一致点] 室内機カレントループ通信モジュール、室外機カレントループ通信モジュール、室内処理装置、室外処理装置、電源モジュールを含み、 前記室内機カレントループ通信モジュールは通信用の接続線と交流電源接続線を経由して前記室外機カレントループ通信モジュールに接続されて、カレントループ通信回路を構成し、 前記室内処理装置と前記室外処理装置は前記カレントループ通信回路で通信を実現し、 前記電源モジュールは前記通信用の接続線或いは交流電源接続線に直列接続されて、第1の直流電源を前記カレントループ通信回路に出力し、さらに、前記室内処理装置に接続されて、第2の直流電源を接続された前記室内処理装置に出力する ことを特徴とするエアコンカレントループ通信電気回路。 [相違点] (相違点1)処理装置が、本件補正発明では、MCUであるのに対して、引用発明では、MPUである点。 (相違点2)第1の直流電源と第2の直流電源を出力する電源モジュールが、本件補正発明では、「スイッチング電源モジュール」であるのに対して、引用発明の「電源プラグ50を介して電源に接続される絶縁トランス111と整流平滑回路12と定電圧電源13により形成された制御回路用電源 Vdc1」及び「前記絶縁トランス111に設けられた巻線111aと整流平滑回路121と定電圧電源IC131により形成された信号転送回路用電源 Vdc3」は、スイッチング電源モジュールとはいえない点。 (相違点3)通信用の接続線が、本件補正発明では、「通信接続線S」であるのに対して、引用発明の「信号転送用接続線60b」は、そのような特定はなされていない点。 (相違点4)第1の直流電源が、本件補正発明では、カレントループ通信回路に加えて「室外機の電気回路全体」にも出力されているのに対して、引用発明の「信号転送回路用電源 Vdc3」は、「室外機の電気回路全体」に出力されてはいない点。 エ 判断 (ア)相違点1について MPUとMCUはともにCPUを備えた処理装置である点で共通するものであり、いずれも周知の構成であって、互いに置き換え可能なものであるから、引用発明のMPUに代えてMCUを用いるように構成することは当業者が容易に想到し得たことである。 (イ)相違点2について 例えば上記引用文献2に「24V系統負荷に対応する2次巻線W2と5V系統負荷に対応する2次巻線W3とを有するトランスT1を備えた複数出力型スイッチング電源装置。」が記載され、また、引用文献3に「2つの2次直流電源系統L1、L2を有するスイッチング電源装置において、低圧側2次直流電源系統L1は、トランス20の第1の2次巻線CL21とFETQ1と平滑コンデンサC21等を含み、定常状態において2次直流電源電圧V21(+5V)を生成する一方、高圧側2次直流電源系統L2は、トランス20の第2の2次巻線CL22とダイオードD1と平滑コンデンサC22とからなり、2次直流電源電圧V22(+24V)を生成すること。」が記載されているように、複数の直流を出力するスイッチング電源モジュールは、当該技術分野における周知技術であるものと認められる。 また、電源を小型化することは、電源を含む機器における一般的な課題であると認められるところ、上記参考文献1に「リニア電源は大型化と重量化が問題となる一方、リニア電源と比較すると、より小型なスイッチング電源の方が産業的な利用性が高いこと。」が記載され、また参考文献2に「電子装置用の電源はリニア電源とスイッチング電源に分けられ、リニア電源は、かさばるだけでなく重くなる一方、スイッチング式電源はサイズが小さくなること。」が記載されているように、スイッチング電源は、リニア電源に比べて小型化ができることは、本願優先日前の周知技術である。 また、上記参考文献3及び参考文献4に記載されているように、空調機の電源としてスイッチング電源を用いること自体、本願優先日前に普通に行われていることである。 そうすると、引用発明の空調機において、電源を小型化するために2つの直流電源を出力できるスイッチング電源を採用し、第1の直流電源と第2の直流電源を出力するように構成することは、当業者が容易に想到し得たことである。 (ウ)相違点3について 例えば上記参考文献5に「室外機2と室内機3とからなる空気調和機において、室外機2と室内機3は、交流電源線のうちいずれか一方の交流電源線と通信線Sとで接続されることによって、室外機2と室内機3との間における信号をやり取りする通信経路6が構成されること。」が記載されているように、空気調和機において、室外機と室内機との間を接続する通信線を「通信線S」と呼称することは、当該技術分野における技術常識であるから、相違点3は、単なる呼称の違いであって、実質的な相違点ではない。 (エ)相違点4について 仮にカレントループ通信回路に出力される直流が、特定の装置の電気回路全体にも出力されることが本願優先日前の技術常識であるならば、引用発明においても、当該技術常識に基づいて、相違点4に係る構成とすることは当業者が容易に想到し得たことである。 (オ)作用効果について そして、上記相違点1~相違点4を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明、引用文献2~3に記載の周知技術及び参考文献1~5に記載の技術的事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 オ まとめ 以上のとおり、本件補正発明は、引用発明、引用文献2~3に記載の周知技術及び参考文献1~5に記載の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 3.補正却下むすび 上記「2.(1)」で検討したとおり、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 また、仮に、カレントループ通信回路に出力される直流が、特定の装置の電気回路全体にも出力されることが本願優先日前の技術常識であり、本件補正が特許法第17条の2第3項の規定に違反するものでないとしても、上記「2.(2)」で検討したとおり、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3.本願発明について 1.本願発明 令和3年11月15日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という)は、令和3年4月1日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。 「室内機カレントループ通信モジュール、室外機カレントループ通信モジュール、室内MCU、室外MCU、スイッチング電源モジュールを含み、 前記室内機カレントループ通信モジュールは通信接続線Sと交流電源接続線を経由して前記室外機カレントループ通信モジュールに接続されて、カレントループ通信回路を構成し、 前記室内MCUと前記室外MCUは前記カレントループ通信回路で通信を実現し、 前記スイッチング電源モジュールは前記通信接続線S或いは交流電源接続線に直列接続されて、第1の直流電源を前記カレントループ通信回路に出力し、さらに、前記室内MCUに接続されて、第2の直流電源を接続された前記室内MCUに出力する ことを特徴とするエアコンカレントループ通信電気回路。」 2.原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の下記の請求項に係る発明は、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1、6、7に記載された発明及び引用文献2-5に記載された周知技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 ・請求項 1,4,10-11 ・引用文献等 1-5 ・請求項 2-3 ・引用文献等 1-6 ・請求項 5-7 ・引用文献等 1-5,7 ・請求項 8-9 ・引用文献等 1-5,7 <引用文献等一覧> 1.特開平06-094289号公報 2.特開2017-123735号公報(周知技術を示す文献) 3.特開2001-45752号公報(周知技術を示す文献) 4.特開平5-316727号公報(周知技術を示す文献) 5.国際公開第2016/045052号(周知技術を示す文献) 6.特開2009-097760号公報 7.特開2003-287264号公報 3.引用文献、引用発明 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項、引用発明、引用文献2-3の記載事項、及び参考文献1-5の記載事項は、上記「第2.」の[理由]の「2.(2)イ」に記載したとおりである。 4.対比・判断 (1)対比 本願発明1は、上記「第2.」の[理由]の「2.(2)」で検討した本件補正発明から、「第1の直流電源を」「室外機の電気回路に出力」する旨の限定事項を削除したものである。 そうすると、上記「第2.」の[理由]の「2.(2)ウ」の検討から、本願発明と引用発明との一致点、及び、相違点は、次のとおりである。 [一致点] 室内機カレントループ通信モジュール、室外機カレントループ通信モジュール、室内処理装置、室外処理装置、電源モジュールを含み、 前記室内機カレントループ通信モジュールは通信用の接続線と交流電源接続線を経由して前記室外機カレントループ通信モジュールに接続されて、カレントループ通信回路を構成し、 前記室内処理装置と前記室外処理装置は前記カレントループ通信回路で通信を実現し、 前記電源モジュールは前記通信用の接続線或いは交流電源接続線に直列接続されて、第1の直流電源を前記カレントループ通信回路に出力し、さらに、前記室内処理装置に接続されて、第2の直流電源を接続された前記室内処理装置に出力する ことを特徴とするエアコンカレントループ通信電気回路。 [相違点] (相違点a)処理装置が、本願発明では、MCUであるのに対して、引用発明では、MPUである点。 (相違点b)第1の直流電源と第2の直流電源を出力する電源モジュールが、本願発明では、「スイッチング電源モジュール」であるのに対して、引用発明の「電源プラグ50を介して電源に接続される絶縁トランス111と整流平滑回路12と定電圧電源13により形成された制御回路用電源 Vdc1」及び「前記絶縁トランス111に設けられた巻線111aと整流平滑回路121と定電圧電源IC131により形成された信号転送回路用電源 Vdc3」は、スイッチング電源モジュールとはいえない点。 (相違点c)通信用の接続線が、本願発明では、「通信接続線S」であるのに対して、引用発明の「信号転送用接続線60b」は、そのような特定はなされていない点。 (2)判断 ア 相違点aについて 相違点aは、上記「第2.」の[理由]の「2.(2)エ(ア)」で検討した相違点1と同じである。 したがって、相違点aに係る構成は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。 イ 相違点bについて 相違点bは、上記「第2.」の[理由]の「2.(2)エ(イ)」で検討した相違点2と同じである。 したがって、相違点bに係る構成は、引用発明、引用文献2~3に記載の周知技術及び参考文献1~4に記載の技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たことである。 ウ 相違点cについて 相違点cは、上記「第2.」の[理由]の「2.(2)エ(ウ)」で検討した相違点3と同じである。 したがって、相違点cに係る構成は、引用発明及び参考文献5に記載の技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たことである。 エ そして、本願発明の作用効果も、引用発明、引用文献2~3に記載の周知技術及び参考文献1~5に記載の技術的事項から当業者が予測できる範囲のものである。 オ したがって、本願発明は、引用発明、引用文献2~3に記載の周知技術及び参考文献1~5に記載の技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4.むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2021-015650

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