商標拒絶査定不服審判
2021-015232
イズタイフートン、イズタイコトン、イズタイコブタ、イズタイフー、イズタイコ、タイフートン、タイコトン、タイコブタ、タイフー、タイコ、イズブタ
- 審判番号
- 2021-015232
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2020-063690
- 請求日
- 2021年11月08日
- 審決日
- 2022年10月07日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 金子畜産
- 【請求人代理人】前島 大吾
- 【請求人代理人】宇高 克己
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 山根 まり子
- 分類
- T18 .13 -Z (W29)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2020-63690拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和2年5月22日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和3年6月8日付け:拒絶理由通知書
令和3年7月15日受付:意見書
令和3年7月29日受付:意見書
令和3年8月3日受付:意見書
令和3年11月2日付け:拒絶査定
令和3年11月8日受付:審判請求書
令和4年6月2日付け:審尋
令和4年7月5日受付:回答書
第2 本願商標
本願商標は、「伊豆太湖豚」の文字を標準文字で表してなり、第29類に属する別掲4のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
第3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「伊豆太湖豚」の文字を標準文字で表してなり、その構成中、「伊豆」の文字は、「静岡県伊豆市」を表す地域名として一般に認識されるというのが自然であり、「太湖豚」の文字は、本願に係る指定商品との関係では、中国の豚の品種名として理解されるものである。そうすると、本願商標をその指定商品に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「静岡県伊豆市で販売される太湖豚に係る商品」であること、すなわち、商品の品質を表示したものとして認識するにとどまるものであり、また、本願商標を、その指定商品中、上記商品に照応する商品以外の商品に使用したときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第4 当審においてした審尋
当審において、上記第1のとおり、本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について、別掲1、別掲2の1~7及び別掲3の事実を示した上で、当審の暫定的見解について通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。
第5 審尋に対する請求人の意見の要点
請求人は、上記第4の審尋に対して、上記第1のとおりの回答書において、要旨、以下のように主張した。
本願商標の構成中、「伊豆」の文字が、日本の氏(姓)の一つである事は広く知られているものである。
そして、「伊豆」が付く地名は、静岡県に限らず、全国的、例えば宮城県、福島県、埼玉県、千葉県、東京都、富山県、長野県、兵庫県、奈良県においても、存在しており、「伊豆半島」及び「伊豆諸島」を直ちに指すものではない。
したがって、「伊豆太湖豚」は、「伊豆(姓氏)が飼育した太湖豚」であるとも言えるものであり、「伊豆太湖豚」から、「伊豆半島及び伊豆諸島で生産又は販売される太湖豚という豚の品種」ほどの意味合いを容易に認識・理解されるとの合議体の判断は失当である。
また、「地名」と「豚(黒豚は豚の品種)」の各文字を結合した商標が、過去に商標登録されている。
以上から、本願商標の登録を認めるべきではない旨の積極的理由は皆無である。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、上記第2のとおり、「伊豆太湖豚」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「伊豆」の文字は、別掲1のように、複数の一般的な国語辞典において、静岡県伊豆半島及び東京都伊豆諸島を表す地名である旨の載録があることから、当該地名を表す文字として一般に認識されるものというのが自然である。
また、本願商標の構成中、「太湖豚」の文字は、別掲2の事例が示すように、豚の品種名の一つであると認められる。
そして、本願の指定商品に関連する分野において、例えば、別掲3の事例、「かごしま黒豚」、「十勝黒豚」や「知床赤豚」があるように、地名と品種名の組み合わせた語からなる名称が食肉に使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標は、地名である「伊豆」及び豚の品種名である「太湖豚」の各文字を組み合わせたものと認められ、全体として「伊豆半島及び伊豆諸島で生産又は販売される太湖豚という豚の品種」ほどの意味合いを容易に認識、理解されるものというのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者に、当該商品が、伊豆半島及び伊豆諸島で生産又は販売される太湖豚に係る商品であること又は当該太湖豚を原材料とする商品、すなわち、商品の品質、原材料を表示したものとして認識させるにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標について、(a)「伊豆太湖」部分は「伊豆地方の太湖」または「伊豆地方に存在する大きな(太い)湖」であろうかと想像するのが自然、かつ、普通である、(b)「姓(名字:氏)」としての「伊豆」が広く知られているが、日本全国で2800人ほどしか居ない姓(名字:氏)である「伊豆」は、ありふれた「氏」ではなく、「伊豆」自体が識別力を有する語彙である、(c)「伊豆」が「姓(名字:氏)」であろうと考えた場合には、「伊豆太湖豚」における「太湖」は「名」であろうと考えるのが自然で妥当であり、そうすると姓名(氏名:フルネーム)である「伊豆太湖」は「伊豆」以上に識別力を有する事が明白である、(d)「伊豆太湖豚」からは、「伊豆太湖さんによって販売(生産)される豚」または「伊豆地方の太湖の周辺で販売(生産)される豚」「伊豆地方に在る大きな(太い)湖の周辺で販売(生産)される豚」を連想するのが自然で、かつ、普通である、(e)「伊豆」が付く地名は、静岡県に限らず、全国的、例えば宮城県、福島県、埼玉県、千葉県、東京都、富山県、長野県、兵庫県、奈良県においても存在しており、「伊豆」の文字は「伊豆半島」や「伊豆諸島」を直ちに指すものではない等種々述べ、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当しない旨主張する。
しかしながら、請求人の提出に係る甲第21号証(「名字ネット」のウェブサイト)によれば、「伊豆」の文字が名字の一つでもあることがうかがえるところ、当該名字を持つ者の数は、全国においておよそ2800人(名字の順位4147位)と、全国の人口に比して、決して多いものとはいえないものである。
一方「伊豆」の文字は、別掲1のとおり、複数の一般的な国語辞典において、静岡県伊豆半島及び東京都伊豆諸島を表す地名である旨の載録がある。
そうすると、「伊豆」の文字が、名字の一つであり、静岡県及び東京都以外にも地名として存在するとしても、該文字に接する本願の指定商品の需要者には、上記1のとおり、静岡県伊豆半島及び東京都伊豆諸島を表す地名を認識させる。
また、「太湖豚」は、豚の品種名の一つ(別掲2)であることからすると、本願商標は地名である「伊豆」と豚の品種名である「太湖豚」の文字からなるものであるというのが自然である。
したがって、本願商標は、上記1のとおり、商品の品質、原材料を表示したものとして認識させるにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきであり、商標法第3条第1項第3号に該当するといわざるを得ない。
(2)請求人は、登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、それらの登録例は、商標の構成文字及び取引の実情において本願とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能しうるか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであって、本願商標についての判断は、上記1のとおりであるから、請求人が挙げる登録例をもって本件判断が左右されるものではない。
(3)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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