商標異議申立
2021-900427
タイコノカルシウム、タイコ
- 審判番号
- 2021-900427
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-049006
- 登録番号
- 6450869
- 請求日
- 2021年12月07日
- 審決日
- 2022年09月08日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】山口 剛史
- 【異議申立人】株式会社 恒常
- 【異議申立人代理人】弁理士法人MTS国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 板谷 玲子
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T1651.13 -Y (W05) / T1651.261-Y (W05) / T1651.262-Y (W05) / T1651.263-Y (W05) / T1651.272-Y (W05)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項11号商標法4条1項16号商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6450869号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6450869号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6450869号商標(以下「本件商標」という。)は、「太古のカルシウム」の文字を標準文字で表してなり、令和3年4月21日に登録出願、第5類「サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物,薬剤」を指定商品として、同年8月6日に登録査定、同年10月4日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、以下の2件の登録商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5565519号商標(以下「引用商標1」という。)は、「太香」の文字を標準文字で表してなり、平成24年10月3日に登録出願、第5類「サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品」並びに第29類及び第32類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同25年3月15日に設定登録されたものである。
(2)登録第5640090号商標(以下「引用商標2」という。)は、「TAIKO」の文字を標準文字で表してなり、平成25年3月13日に登録出願、第5類「胃腸薬,消化器官用薬剤,殺菌剤,殺ウイルス剤,抗ウィルス剤,消毒剤,殺菌消毒剤,空気浄化剤,空気消臭剤,消臭剤(工業用・身体用及び動物用消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の薬剤」を含む第5類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同年12月27日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品について、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号及び同項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
(1)本件商標について
「太古」の語は、地質時代の最古の時代である始生代を表示するものとして普通に使用されている事実がある(甲2)。
また、「カルシウム」の語は、指定商品の「サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物,薬剤」のいずれにも含まれるものである(甲3、甲4)。
(2)商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第16号について
本件商標をその指定商品中のいずれの商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「太古の時代のカルシウム」として、単に商品の品質を表示した語と認識するにとどまるから、本件商標は自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、かつ、カルシウム以外の商品又は「カルシウム」を含まない商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、漢字、ひらがな、片仮名文字よりなるものであり、「カルシウム」は、いずれの指定商品に用いても、その指定商品中に含まれるカルシウム製剤あるいはカルシウム含有を示す普通名称であるので、これを除いて考慮すると、「タイコノ」の称呼を生ずる。
イ 引用商標1は、「太香」の文字より「タイコウ」の称呼を生ずるものであり、同商標は「タイコ」の称呼を本件商標と共通にする類似のものである。また、本件商標と引用商標1は、その指定商品に同一のものを含んでいる。
本件商標は、引用商標1に対して指定商品が同一のものを含むと共に、称呼において「タイコ」の称呼を共通にする類似のものであるので、商標法第4条第1項第11号に該当する。
ウ 引用商標2は、「TAIKO」の文字より「タイコ」の称呼を生ずるものであり、同商標は「タイコ」の称呼を本件商標と共通にする類似のものである。また、本件商標と引用商標2の指定商品とは類似する。
本件商標は、引用商標2に対して指定商品が類似であると共に、称呼において「タイコ」の称呼を共通にする類似のものであるので、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、「太古のカルシウム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体及び同じ大きさをもって等間隔に、視覚上、全体としてまとまりよく一体的に看取されるものである。
そして、本件商標の構成中、「太古」の文字は、「非常に遠い昔、大昔」の意味を有し、「カルシウム」の文字は、「アルカリ土類金属元素の一つ」の意味を有するものと認められ、また、その構成中の「の」の文字については、格助詞、並立助詞、終助詞、間投助詞の各用例があるとされるところ(出典:いずれも「広辞苑第6版」)、本件商標においては、その前後の「太古」と「カルシウム」の語との関係からすれば、この両語の関係を示す格助詞として用いられているとみるのが相当である。
そうすると、本件商標を構成する「太古のカルシウム」の文字は、その構成全体をもって、「大昔のカルシウム」程の意味合いを認識させるものといえる。
しかしながら、本件商標は辞書等に載録されている成語ではなく、「大昔のカルシウム」程の意味合いを有する「太古のカルシウム」の文字が、本願の指定商品との関係において、特定の商品の品質を直接的かつ具体的に表示するものとして、取引者、需要者に認識されるものとまでは認めることはできない。
また、当審において職権をもって調査するも、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、「太古のカルシウム」の文字が、商品の具体的な品質を表示するものとして、取引上一般に使用されているといった事実を発見することもできなかった。
そうすると、本件商標は、構成文字の語義を参酌したとしても、上記の漠然とした意味合いを連想させるにすぎない一種の造語を表してなると理解されるものであって、商品の品質を直接的かつ具体的に表示するものではなく、取引上特定の商品の品質を表示する語として一般に採択、使用されているものでもないから、これをその指定商品に使用しても、商品の品質を表示するものということはできず自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
その他、本件商標が、その指定商品の品質等を表示するものと認めるに足る証拠は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性について
商標法第4条第1項第16号でいう、「商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標」とは(以下では、商品についてのみ述べる)、指定商品に係る取引の実情の下で、公益性を担保するという観点から、取引者又は需要者において、当該商標が表示していると通常理解される品質と指定商品が有する品質とが異なるため、商標を付した商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある商標を指すものというべきである。(参考:知的財産高等裁判所 平成20年(行ケ)第10086号 平成20年11月27日判決)
そして、同号でいう、商品の品質とは、抽象的な内容のものを指すのではなく、取引者又は需要者が当該商標から看取する具体的な商品の品質をいうものとみるのが相当である。
これを本件についてみるに、本件商標は、「太古のカルシウム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体及び大きさをもって等間隔に、視覚上、全体としてまとまりよく一体的に看取されるものであって、「カルシウム」の文字部分が特別に印象強く表されているとはいえず、上記(1)のとおり本件商標は自他商品の識別標識として機能を果たし得るものであり、「カルシウム」の文字部分から直ちに本件商標の指定商品の品質を表示したものとは認められないものであるから、たとえ、その構成中に「カルシウム」の文字を有するとしても、本件商標のかかる構成においては、「カルシウム」の文字部分が、これに接する取引者、需要者に、本件商標の指定商品の品質を表したものと認識させるということはできない。
そうであれば、本件商標は、指定商品の品質を具体的に表したということはできず、その構成全体をもって、一体不可分の造語を表したものと認識されるとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、その指定商品に使用しても商品の品質を表示するものではなく、それゆえ、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるということもできないものである。
その他、本件商標が、商品の品質について誤認を生じるおそれがあるとすべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、その指定商品に使用しても、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある商標とはいえないから、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、「太古のカルシウム」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ書体及び同じ大きさをもって等間隔に、視覚上、全体としてまとまりよく一体的に表されているものであり、その構成文字全体から生じる「タイコノカルシウム」の称呼も格別冗長ではなく無理なく一連に称呼し得るものである。
そうすると、本件商標は、まとまりよく一体的な構成であって、「カルシウム」の文字部分を省略し、「太古の」の文字部分のみをもって取引に資されるとはいい難いこと及びその構成文字のいずれかが強く支配的な印象を有するとすべき特段の事情も見いだせないことから、一連一体の一種の造語として認識し、把握されるとみるのが自然である。
そして、他に構成中の「太古の」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、その構成文字全体に相応して、「タイコノカルシウム」のみの称呼を生じ、「大昔のカルシウム」程の意味合いを認識させるから、そのような観念を生じるものである。
イ 引用商標
引用商標1は、「太香」の文字を標準文字で表してなるところ、該語は、辞書等に載録された成語とは認められず、特定の意味合いを想起させるものとして一般に知られているということもできないものである。
したがって、引用商標1は、その構成文字に相応して「タイコウ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
また、引用商標2は、「TAIKO」の文字を標準文字で表してなるところ、該語は、辞書等に載録された成語とは認められず、特定の意味合いを想起させるものとして一般に知られているということもできないものである。
したがって、引用商標2は、その構成文字に相応して「タイコ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標とを比較すると、本件商標の外観と引用商標の外観とは、いずれも構成態様が明らかに異なるから、両商標は、外観上、相紛れるおそれはない。
また、本件商標から生じる「タイコノカルシウム」の称呼と引用商標1から生じる「タイコウ」及び引用商標2から生じる「タイコ」の称呼とは、いずれもその構成音及び構成音数が相違し、語調語感が明らかに異なるから、両商標は、称呼上、相紛れるおそれはない。
さらに、本件商標は、「大昔のカルシウム」程の観念を生じるものであるのに対して、引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といえる。
その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、その指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似の商品であるとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第11号及び同項第16号に違反してされたものではなく、他に同法43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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