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商標拒絶査定不服審判

2025-019150

クチドケブリ、クチドケ

審判番号
2025-019150
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2024-115799
請求日
2025年12月01日
審決日
2026年05月25日
公報発行日
2026年08月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】Umios株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人白浜国際特許商標事務所
審判長/審判官
  • 審判長 山田 和彦
  • 審判官 駒井 芳子
  • 審判官 目黒 潤
分類
T18 .13 -Z (W29) / T18 .272-Z (W29)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第4条第1項第16号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2024-115799拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和6年10月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和7年 6月17日付け:拒絶理由通知書 令和7年 7月17日 :意見書の提出 令和7年 9月16日付け:拒絶査定 令和7年12月 1日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、「くちどけぶり」の文字を標準文字で表してなり、第29類「主に食肉・魚・家禽肉又は野菜からなる惣菜,食用油脂,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,かつお節,寒天,削り節,食用魚粉,とろろ昆布,干しのり,干しひじき,干しわかめ,焼きのり,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ」を指定商品として登録出願されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 原審において、「本願商標は、「くちどけぶり」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「くちどけ」の文字は「チョコレートや和菓子などの、口の中で溶ける感触。」の意味を有し、「ぶり」の文字は「アジ科の海産の硬骨魚。」の意味を有する。そして、食用魚介類や加工水産物を取り扱う業界において、口の中で溶ける食感を表す際に「くちどけ」の文字が使用され、また、口の中で溶ける食感を有する食用魚介類や加工水産物が「くちどけ〇〇」「口どけ〇〇」(〇〇は魚の名前が入る)と称され、製造、販売されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品中の「食用魚介類(生きているものを除く。),加工水産物」に使用したとしても、これに接する取引者、需要者は、「口の中で溶ける食感を有する鰤」ほどの意味合いを理解するにすぎず、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示したものにすぎないと言わざるを得ない。したがって、本願商標を前記意味合いの商品に使用するときは、商標法第3条第1項第3号に該当し、それ以外の商品の「食用魚介類(生きているものを除く。),加工水産物」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、拒絶したものである。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、「くちどけぶり」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「くちどけ」の文字は「チョコレートや和菓子などの、口の中で溶ける感触。」の意味を有し、「ぶり」の文字は「アジ科の海産の硬骨魚。名詞や動詞連用形に付いて、形・姿・様子を表す。時間を表す語に付いて、時日の経過の程度を表す。二。ふたつ。」等(いずれも出典は「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)の意味を有するが、本願の指定商品である「食用魚介類(生きているものを除く。),加工水産物」との関係においては、我が国で親しまれた魚類である「鰤(ぶり)」を平仮名で表したものと容易に連想、想起させるものといえるから、本願商標の構成全体としては「口の中で溶ける食感を有する鰤(ぶり)」ほどの意味合いを容易に認識させるものである。 そして、原審提示の情報に加えて、別掲1のとおり、本願の指定商品である食用魚介類や加工水産物等を取り扱う業界において、「くちどけ(口どけ、口溶け)」の文字が口の中で溶ける食感を表す語として広く一般に使用されており、その中には、口の中で溶ける食感を有する食用魚介類や加工水産物が「くちどけ〇〇」又は「口どけ〇〇」と称され、製造、販売されていることや、「鰤(ぶり)」が口の中で溶ける食感を表す際に「くちどけ(口どけ、口溶け)」の語が使用されていることも確認できる。 そうすると、本願商標をその指定商品中、「食用魚介類(生きているものを除く。),加工水産物」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「口の中で溶ける食感を有する鰤(ぶり)」に関する商品であること、すなわち、商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというべきであるから、本願商標は、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。 また、本願商標をその指定商品中、「口の中で溶ける食感を有する鰤(ぶり)」に関する商品以外の「食用魚介類(生きているものを除く。),加工水産物」に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標というべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標の構成中の「ぶり」の語が平仮名で記載されていることから、「鰤」のみを表さず、辞書の定義から同音異義である「振り」も想起させる以上、本願商標は直接的・明示的に「口の中で溶ける食感の鰤」のみを表しはせず、間接的・暗示的に「口の中で柔らかく溶ける様子を有する商品」の意味をも表すものであり、また、「くちどけぶり」の語は辞書の見出し語に存在せず、需要者等の間で広く一般的に用いられているとはいえない旨主張している。 しかしながら、別掲1(3)及び別掲2のとおり、本願の指定商品である食用魚介類や加工水産物等を取り扱う業界において、「ぶり」の平仮名が魚類の「鰤(ぶり)」を表す語として広く一般に使用されていることを考慮すれば、本願商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「ぶり」の文字部分から、魚類の「鰤(ぶり)」を一義的に認識、理解するというのが相当である。 また、本願商標を構成する「くちどけぶり」の文字自体が、辞書の見出し語に存在せず、一般的に使用されていないとしても、上記(1)のとおり、「くちどけ(口どけ、口溶け)」の語が、「鰤(ぶり)」を含む食用魚介類や加工水産物等に、口の中で溶ける食感を表す語として広く一般に使用されていること等の取引の実情に照らせば、本願商標をその指定商品中「食用魚介類(生きているものを除く。),加工水産物」に使用する場合、これに接する取引者、需要者によって、「口の中で溶ける食感を有する鰤(ぶり)」に関する商品であることを表示するものとして一般に認識されるといえ、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものというべきものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとともに、自他商品識別力を欠くものというのが相当である。 イ 請求人は、本願商標と同様に、構成中に「くちどけ」や「ぶり(ブリ、鰤)」の文字を有する商標の登録例を提示し、本願商標も同じく自他商品識別性が認められるべき旨主張している。 しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務との関係や、その商品の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、「くちどけ」や「ぶり(ブリ、鰤)」の文字に他の文字を結合させた構成からなる商標である等、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。 ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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