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意匠拒絶査定不服審判

2021-013187

車両情報表示用画像

審判番号
2021-013187
法域
意匠
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
意願2020-006655外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
1715915
請求日
2021年09月30日
審決日
2022年03月30日
公報発行日
2022年05月27日
結論
原査定取消(特許/登録すべき)
当事者
審判長/審判官
分類
D18 .121-WY (N3-1)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
意匠法3条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
意匠法第3条第2項、意匠法第4条第2項、意匠法第2条第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

意願2020- 6655「車両情報表示用画像」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論
原査定を取り消す。
本願の意匠は、登録すべきものとする。

理由

目次 ▾ 8項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、意匠法第4条第2項の適用を受けようとする、令和2年(2020年)4月1日の意匠登録出願であって、その後の主な経緯は以下のとおりである。

令和2年(2020年) 4月20日付け:新規性の喪失の例外証明書提出書の提出
令和3年(2021年) 3月22日付け:拒絶理由の通知

同 年 4月30日 :意見書の提出

同 年 7月13日付け:拒絶査定

同 年 9月30日 :審判請求書の提出

第2 本願の意匠(願書及び添付図面の記載)

本願の意匠は、意匠に係る画像の用途を「車両情報表示用画像」とし、その画像の態様を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(以下「本願意匠」という。別紙第1参照)。

第3 原査定の拒絶の理由及び引用意匠

原査定の拒絶の理由は、本願意匠が、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった形状等(形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合)又は画像に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので、意匠法第3条第2項の規定に該当する、というものである。

また、この拒絶の理由には、以下のとおりの付記がなされたものである。

「この意匠登録出願の意匠は、車両情報表示用画像について意匠登録を受けようとするものであって、同形の略「く」形の線を2つ平行に並べて、その外側の頂点を結んだ形状からなる幅が太めの矢印を3つ並べたものを、車両の左前方向、右前方向、大きさをやや小さくして後ろ方向に投影表示するものと認められます。
しかしながら、同形の略「く」形の線を2つ平行に並べて、その外側の頂点を結んだ形状からなる幅が太めの矢印を3つ並べた画像は、画像1にみられるように本願出願前に公知です。また、車両の斜め前方向に矢印が投影表示される画像は、画像2にみられるように本願出願前に公知です。また、車両の後ろ方向に矢印が投影表示される画像は、画像3にみられるように本願出願前に公知です。また、画像の大きさを変更することは、画像の分野において本願出願前に一般的に行われていることです。
そうすると、本願意匠は、同形の略「く」形の線を2つ平行に並べて、その外側の頂点を結んだ形状からなる幅が太めの矢印を3つ並べること、車両の斜め前方向、後ろ方向に矢印を投影表示、といういずれも本願出願前に公知の態様を、本願出願前に一般的に行われているように大きさの変更をしつつ、組み合わせたものに過ぎないため、当業者であれば容易に創作をすることができたものです。
(中略)
続きを表示(全16行)
画像1(当審注:別紙第2参照)
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1460706号の意匠
の正面図の表示部に表示された画像の中央やや下の矢印の画像
画像2(当審注:別紙第3参照)
世界知的所有権機関国際事務局(WIPO)による国際公開
国際公開番号 WO2016/114048
の[図12](A)に表された、車両の斜め前方に投影表示された矢印の画像
画像3(当審注:別紙第4参照)
特許庁発行の公開特許公報記載
特開2019-131184
の【図6】Aに表された、車両の後方に投影表示された矢印の画像」

第4 当審の判断

1 本願意匠の認定

(1)本願意匠の意匠に係る画像の用途

本願意匠は、意匠に係る画像の用途を「車両情報表示用画像」とするものであり、車両が進行方向を変更しようとする操作を検知等する機能を発揮した結果として表示される、車両の進行方向を表示するための用途を有することから、本願意匠は意匠法第2条第1項に規定された、機器がその機能を発揮した結果として表示される画像に該当するものと認められる。

(2)本願意匠の画像の態様

本願意匠は、全体が高さ対横幅の比率を3:4とする画像であって、透明の背景に、3つの矢羽根状図形からなる図形(以下、「方向表示図形」という。)を配したものである。

当該方向表示図形は、同形の略「く」形の線を2つ平行に並べて、その外側の頂点を結んで、矢羽根形状としたものを3つ、左右の垂直辺の長さの約1/3ずつ間隔をあけ、直線状に連ねたものであり、方向表示図形に用いられる矢羽根状図形は、矢羽根の先端を上側として、左右対称であり、頂点及び下方の切り欠き部の夾角が約100°であり、横幅、高さ及び左右の垂直辺の長さの比率が約2.4:2:1である。

また、方向表示図形は、画像全体のうち、上から約4/20ないし10/20まで、右から約1/10ないし3/10までの間に、左下から右上への向きを示すよう約30°上方に傾けて配されており、下記(ア)及び(イ)に示すように変化するものである。

(ア)変化した状態を示す画像図1

方向表示図形を画像の上から約11/20ないし16/20まで、右から約1/10ないし3/10までの間に、左上から右下への向きを示すよう約30°下方に傾けて配したものである。

(イ)変化した状態を示す画像図2

方向表示図形の大きさを画像図の約6割に縮小し、画像の上から約12/25ないし14/25まで、右から約16/20ないし19/20までの間に、右から左への向きを示すよう水平に配したものである。

2 原査定における拒絶理由通知において示された画像

原査定における拒絶の理由に用いられた画像1ないし画像3について、以下のように認定する。

(1)画像1(別紙第2参照)

(ア)画像1の用途

画像1は、軸受の設計や、設計後の軸受の運転シミュレーション等を体験してもらう為の軸受設計体験装置において、画像1の下方の選択部において使用者が選んだ外輪部材の種類に応じて画像1の上方にある隅丸長方形の領域に当該選択した外輪部材を適用させた軸受を表示させるものであることを表すための用途を有するものと認められる。

(イ)画像1の態様

画像1は、軸受設計体験装置の表示部に表示された画像のうち、3つの同形状である矢羽根状図形を直線状に連ねた図形からなる画像である。

具体的には、矢羽根状図形を3つ、左右の垂直辺の長さの約1/3ずつ間隔をあけ、直線状に連ねたものであり、矢羽根状図形は、矢羽根の先端を上側として、左右対称であり、頂点及び下方の切り欠き部の夾角が約104°であり、横幅、高さ及び左右の垂直辺の長さの比率が約2.5:2:1である。

また、画像1は、軸受設計体験装置の表示部に表示された画像全体の上から約6/10ないし7/10まで、右から約9/20ないし10/20までの間に、下から上への向きとなるよう垂直に配されている。

(2)画像2(別紙第3参照)

(ア)画像2の用途

画像2は、車両の進行方向を表示するための用途を有するものと認められる。

(イ)画像2の態様

画像2は、車両の右前方に、車両の向きに対し約35°傾いて道路上に投影された矢印状図形である画像であり、その矢印状図形は、長さ対横幅が約3:2であり、長さの約1/3が鏃部であり、軸部の横幅が(全体又は鏃部の)横幅の約1/2とするものである。

(3)画像3(別紙第4参照)

(ア)画像3の用途

画像3は、車両が後退しようとしている車両状態を車外に通知するために表示する用途を有するものと認められる。

(イ)画像3の態様

画像3は、4つの幅の異なる矢羽根状図形を左右の垂直辺の長さと同程度の間隔をとり、車両から離れるにしたがって幅広となるように縦に直線状に連ねた図形であり、その矢羽根状図形は、矢羽根の先端(画像における下方)を上側として、4つのいずれも左右対称であり、頂点及び下方の切り欠き部の夾角が約90°である点が共通し、横幅、高さ及び左右の垂直辺の長さの比率が、車両に近いものから順に、約2.7:2.4:1、約3.5:2.7:1、約4.2:3.1:1及び約5:3.5:1である。

3 本願意匠の創作非容易性について

本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するか否か、すなわち、当業者であれば容易に本願意匠の創作をすることができたか否かについて検討する。

まず、本願意匠は、車両が進行方向を変更しようとする操作を検知等する機能を発揮した結果として表示される、車両の進行方向を表示する用途を有する画像であるところ、このような用途を有する画像は、原審の拒絶理由通知書に記載された画像2及び画像3において示されているように、本願の出願前に既に見受けられるから、本願意匠の画像の用途に特段の創作性を認めることはできない。

次に、本願意匠の方向表示図形について、矢羽根状図形を方向表示のための図形として用いることは広く行われており、また、方向表示図形として3つの同形状である矢羽根状図形を直線状に連ねた図形を用いることについても、原審の拒絶理由通知書に記載された画像1において示されているように、本願の出願前に既に見受けられ、その矢羽根状図形の頂点及び下方の切り欠き部の夾角並びに横幅、高さ及び垂直辺の長さ等の比率についても画像1の矢羽根状図形を僅かに改変したものにすぎないから、本願意匠の方向表示図形に特段の創作性を認めることはできない。

しかしながら、本願意匠にみられる、方向表示図形を右方上下に表示させる場合と、左方に表示させる場合とで大きさを変える点については、画像1ないし画像3にはみられないものであるから、本願意匠は画像の変化における方向表示図形の向きや大きさの変化について、独自の着想によって創出したものといえる。したがって、本願意匠は、原査定における拒絶の理由で引用された画像に基づいて、当業者が容易に創作をすることができたということはできない。

第5 むすび

以上のとおりであって、本願意匠は、原審が示した理由によっては意匠法第3条第2項に規定する意匠に該当しないものであるから、この拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また、当審において、更に審理した結果、他に拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-013187

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